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0317-634号 震災関連記事 被災地での医療① [kensa-ML NEWS 【緊急】]

各報道機関の皆様へ
 以前、記事引用に関し皆様と一部引用を厳守することについて取り決めをさせていただきました。今回はこのような危機的状況ですので、ネットトラフィックを軽減する目的もあり、全文引用させていただきます。申し訳ございませんが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。なお、記事に関し問題がありましたら、私宛、ご連絡を頂ければ幸いに存じます。

                                                神戸医療センター 新井 拝



 日に日に深刻化する原子力発電所問題と、被災された方々の健康問題ですが、なかなか根本的解決には結びつきません。政府が非常事態宣言をしなければいけないような状態とも思えるのですが、関西では街頭を除き大震災の影すら感じられないような気がします。被災地からのレポートを見るにつけ、こちらとのギャップの大きさに居たたまれない気持ちになってしまうこの頃です。昨日からか一昨日からかはよく把握していないので分かりませんが、民放各社は通常通りの番組に切り替えているようで、私自身は「見たくもない」というのが正直な気持ちです。振り返れば、阪神大震災の時に同じような光景が関東に見られた時、被災地に居る我々は、口には出しませんが、不謹慎極まりない、との怒りさえ覚えたものです。今、同じような気持ちを被災地の皆さんがお持ちになっているのでは?と思うと、やるせない気持ちになってしまいます(勿論、気休めの目的もあり放映されているとも聞きますが、今、バラエティー番組を見て笑える気分には到底なれません)。

 さて被災地ではガソリンや燃料不足が深刻な状況になっています。都内では買い占めに走る消費者もおられるとか。海外からは日本国民が取り乱すこともなく、暴動もなく、冷静に過ごしていることに対し非常に評価が高いのですが、これはやはり「和」「輪」を大切にする国民性だからでしょう。「我」では決してないところが私は非常に誇らしく思えたのですが、残念な「話」もチラホラと聞かれますね。

 相田みつをさんの言葉「奪い合えば足らぬ。分かち合えば余る。」


東日本大震災  被災者に届く支援こそ 京都新聞社説 3/17
 
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html
 死者・行方不明は1万2千人を超えた。40万人以上が避難所で身を寄せ合っている。
 寒さが戻った東北地方に、冷たい雨が降り、雪が舞う。体育館や学校などでの生活が続き、被災した人たちの疲労の色は濃い。
 震災から6日目というのに、支援の物資が十分に届かない避難所は少なくないという。灯油やガソリン、水、食料、毛布、医薬品がほしい、とテレビを通じて訴える声を聞いた。
 灯油の残りを心配してストーブの暖を控え、毛布にくるまって寒さを我慢している。介護が必要な高齢者もいる。大勢が一緒に生活する避難所では、風邪やインフルエンザも心配だ。
 政府は、大震災の対応の重点を、救命活動から物資配布などの被災者支援に移す方針を決めた。
 家族や生活を奪われた被災者に対する支援は、国の責任で最優先で取り組むべきことだ。ただ、行方不明者の捜索や救命も、国民の生命を守るべき国の責務であることを忘れてはならない。
 被災者支援にあたって、菅直人首相は、自衛隊が物資輸送を一元的に管理するよう指示した。自衛隊の組織力と装備を最大限生かし、被災者に必要な物資が行き渡るようにしてもらいたい。
 支援物資が届かない大きな要因は、被災地でガソリンが手に入りにくいことにあるようだ。ガソリン不足で、住民避難や物資搬送の手段である車やトラックを動かせないでいる。
 全国27カ所の製油所のうち5カ所が震災を受け、生産中止。政府は石油業界に3日分の備蓄を放出するよう促しているが、それだけで問題は解消しそうにない。
 流通機能を一刻も早く回復させる必要がある。輸送手段の確保は支援を行き届かせる鍵だ。
 緊急車両しか通れない高速道路でも、ガソリンなど支援につながる物資輸送であれば民間の通行を認めていいではないか。阪神大震災と違って被災地は広域であり、従来の手法にとらわれない発想がほしい。
 被災地以外で暮らす人たちは、買いだめを控えよう。米やラーメン、パン、乾電池、トイレットペーパーなどが品切れになる店が出ているという。本当に必要な被災地に届かなくなれば、心苦しいではないか。
 市民ボランティアが動きだしたたのは頼もしい。災害ボランティアセンターが仙台市内で開設され、さっそく志願する人たちが集まっている。政府も近くボランティアの受け入れ態勢をつくる。
 被災地では、がれきの片づけや高齢者の介護などさまざまな要望が出ている。京都、滋賀から志願する人がいるだろう。情報と装備を十分持った上で、自立したボランティアとして活動してほしい。


 阪神大震災の折、当時の国立神戸病院で勤務についておりましたので、医療における水の大切さは身にしみています。恐らく被災地の医療現場では、ライフラインが壊滅状態のところも多いことでしょうから、電気、燃料に加え水不足が深刻化しています。ニュースにも良く取り上げられますが、透析には水が不可欠ですが、臨床検査にも水は不可欠。阪神大震災の時には幸い断水は短時間で済みましたが、激震により鉄製水道管が刺激を受け、水質は非常に劣悪なものでした。自動分析装置には純水作成装置が必要なものも多いのですが、この純水作成装置にはまず最初に水の汚れを取り去るプレフィルターというものがあり、通常は1か月ほどもつものが、震災当日は数時間しかもたない、震災後約半年間は1週間から2週間しかもたない状況でした。

 また神戸の時とは異なり、大津波による犠牲者が非常に多く、救出される方々もこのところ激減していますので、もはや急性期医療の段階ではなく、慢性期医療が主体となってきました。先ほど申し上げた透析を受ける方、糖尿病の方、その他多くの慢性期疾患を抱えた患者さんが多数おられることでしょうし、メンタルケア―も重要となる時期となってきています。


大震災の現場から Vol.1 「今、欲しいのは水とガソリン。医療にこんなに水が必要だったとは…」福島県伊達市の医師からの被災地報告 日経メディカル 3/14
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/shinsai/201103/518888.html
保原中央クリニック家庭医療科・菅家智史
 東北地方太平洋沖地震の被災された地域でも、今日も奮闘する医師、医療者がいる。福島県伊達市にある保原中央クリニック家庭医療科の菅家智史氏もその一人。被災地の医療機関の様子を広く共有するために、菅家氏が自身のFacebookに投稿した被災地報告を、本人の許可を得て掲載する。
 菅家智史氏のFacebookページ:
http://www.facebook.com/satoshi.kanke

●2011年3月13日 13:29
 現在は北福島医療センター(福島県伊達市)にいます。
 当院は救急外来機能がかなり落ちており、軽症患者のみの受け入れ、新規入院は困難です。
 町では、道路にひびが入っているところなどがあり、商店・スーパーなどはごく一部がオープンしていますが、何より足りないのはガソリンです。
 ガソリンスタンドに車の大行列ができ、渋滞しています。軒並みガソリンスタンドは売り切れ閉鎖。移動したい人も燃料切れが最も心配です。
 私は、軽自動車が6割残、ワンボックスが8割残でなんとか温存しています。かといって、みなさんにガソリンを送ってもらうのは不可能ですね・・・苦笑。
 訪問サービス(介護・看護など)も、ガソリン切れで訪問できない事業所が出てきているようです。
 当院は水も止まっており、ごくわずかの水を運んできてもらって有効利用している状態です。
 電気はかろうじてきていて、こうしてメールを打っています。
 何を助けてもらいたいのか、今私の頭では整理できませんが、ライフラインの復旧が一番の希望です。
 みんながんばってくれています。
 その場その場で、がんばってくれてるんですよ、みんな。
 明日に向けて。
 自分に言い聞かせます。明日に向けて。
●2011年3月13日 18:06
 クリニック建物の損傷評価に随伴。柱はintactだが、外壁が破壊されており、すぐの倒壊の恐れはないが、落下物の恐れありと。そこを改善する必要あり。
 北福島医療センターの病棟は、通常4フロアを2フロアに減床、勤務表どおりの看護師・技師夜勤体制へ。当直医は通常単独のところを複数体制へ変更。食事はなんとかおにぎりが配給されている。
 まだ在庫の医薬品で、現在治療用の薬品はまかなわれている。
 ライフラインの状況。福島県福島市・伊達市は摺上川ダムの本幹がやられており、復旧まで数日かかる見込み。
 トイレはくんできた水で対応中。下水は流れていく(どこまでちゃんと流れてるかは不明)。
 電気は継続して通電中。
 私のDocomoの電波が悪く、メールが通じない状態になりやすい。
 ガソリンスタンド渋滞は解消。マスコミで頻回にアピールされたからと思われる。
 軒並みガソリンスタンドは閉鎖状態。私のガソリンは軽:まだ半分強。ワンボックス:大原総合病院横に置いてある。
 今日は暖かかった。数日後に冷え込み、雪の予報あり。最大の余震への備えも必要。
 現在、福島県浜通りから避難者が山を越えて福島県伊達市へ流入してきている模様。
 原発から約60kmの当地では、特に警告・告知などはない。福島医大では被爆者対応が開始されていると大学内のDrよりメール連絡あり。
 福島医大は重傷者のみ対応、明日から1週間は通常外来診療は行わない。
 郡山市星総合病院は機能停止。入院患者を寿泉堂総合病院、町立三春病院、大田西ノ内病院へ。代替機能を町立三春病院へ一部移行。
 福島市内の病院は、水が足りないものの何とか救急診療を継続しています。
 今日把握してきた情報はこれくらい。
 うちの訪問診療患者は、半数が電話連絡可能、とりあえず無事確認。あとは避難所にいるのか、どうなっているのか連絡つかず。
●2011年3月14日 7:50
 おはようございます。今日も朝が来ました。
 昨日は福島市の実家に宿泊。夜間に電気が復旧。明るいってほんとうにありがたい。東北電力の皆さん、ありがとう。本当にありがとう。
 テレビは不安をあおられるような気がして、ほとんどつけていません。ローカルのラジオ(ラジオ福島、ふくしまFM)を聞いています。子供向けに、トトロの音楽とか流してくれ、長男も喜んで歌ってます。
 福島市・伊達市は電気復旧が進んでいますが、水道の復旧はまだです。
 医療にこんなに水が必要だったとは、意識していませんでした。
 ガソリンスタンドはやはり軒並み閉鎖。
 今日の私は、保原中央クリニックで外来処方継続対応を行う予定です。
 山形が実家、仙台から当院へ通勤していた当科Drは、昨日、福島→米沢→山形→仙台で仙台へ入れました。家族は無事だったとのこと、よかった。
 これから、精神的影響による不調を訴える方が増えてくると予想されますが、私自身はクリニックへ来てしまう患者の対応を優先してしまうので、避難所などへ出向いての対応はなかなか難しいと思われます。
 医師会などへ要請が行っているかどうかはわかりませんが・・・
 医薬品の在庫は、門前薬局では1~2週間処方で出してもらう分には何とかなりそうとのこと。
 入院患者の著変なしを確認したので、これからクリニックへ向います。
 今日も生きてるよ~(^^)ノシ
●2011年3月14日 12:52
 現在昼食。おにぎりと干し芋と水分。
 11時過ぎの第一原発3号機水素爆発の件も、ラジオのニュースから入ってきたが、午前中に来た予約患者・定期受診患者の処方は一山越え、混乱無く昼休みへ。
 診察を希望した患者との会話では、やはり「心配」「不安」というキーワードがたくさん出てくる。いつもより、診察導入部の会話をちょっとだけ長くして、不安をはき出してもらうよう努める。
 保原中央クリニック(無床)では、現在、医師は家庭医療科の2人、眼科の1人が待機。他のDrは同じ法人の北福島医療センター(200床病院、現在4フロア→2フロアへ減床対応中)へ集中。
 基本は継続処方の相談を受けること、直接来院した体調不良者の対応。
 現在できる検査は血算、尿、単純X線。
 深追いはしないよう、できるだけ検査は行わずに対応できる分を対応し、それ以上は他院(病院)へお願いするようにしている。
 門前薬局もかなり対応してくれており、今のところ混乱なし。
 電気あり、水なし。
 午後からは最寄りの避難所の偵察(まずは見にいくだけ)を行おうと考えています。
 これから、福島医大 地域・家庭医療学講座 のTV会議を繋いでみる予定です。
●2011年3月14日 16:07
 当院の通常の診療科は内科・消化器科・眼科など、同法人の北福島医療センターの医師が来てやってました。北福島医療センター(200床)までは約5kmの距離、原発からは約60kmの距離です。
 午前中は門前薬局と協力して、他科も含めて全科の継続処方希望で来院した方の対応、ごく軽症な方の診療・処方を行っていました。検査が単純X線、尿検査くらいしかできません。(断水中のため)
 午後になり、来院する患者さんがまばらになったので、明日以降の診療場所作りを行っています。
 急性期を過ぎ、これから体調不良を訴える方が増えてくる時期と思われ、明日以降は軽症患者をいかにしてクリニックで診て、病院に送る人を選別するか、という役割を中心に考えています。
 先ほど、200mほどの距離にある避難所に訪問し、保健師さんと面会しました(初期研修時代の恩師、勤医協中央病院の尾形和泰先生に電話でアドバイスいただきました。感謝!)。
 現在の収容人数、そしてどのようなニーズがあるのかを30分ほど面談。
 具合の悪い人は受診を勧めるようにしており、現在は体調不良者は中にいないと。近隣の病院は、軽症~中等症まで何とか受け入れてくれています。
 家に戻れない方の薬不足がこれからでてくると思われるので、その件での協力ができるか、検討することにしました。
 こちらの受診患者も数が読めないので、出向いての診療は現状では無理と判断。保健師さんとできるだけ会うようにし、その都度協力できることを検討していくとしてきました。
 門前薬局の薬局長にも面会し、現在の在庫、処方日数、対応についても相談してきました。
 現在は処方せん無しでも、薬歴が残っていれば処方薬を7日分まで提供していますが、基本的に同処方なので、変更・削除・追加は行えないと。
 その場合は、我々の外来で相談してもらう必要があることを確認しました。
 皆さんのおかげで、こうして生きてます。
 電力関係の皆さん、水道の復旧をがんばってくれてる皆さん、物流を再開させようと奮闘している皆さん…ありがとう。
 オレもできることやるよ。


大震災の現場から Vol.2「死者は積み上がっても、助けられる傷病者が発見できない…」DMATの一員として仙台で活動を行った医師からの報告 日経メディカル 3/16
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/shinsai/201103/518920.html
東京医科歯科大学准教授 白石淳
 「3月11日18:34 これから被災地に向かいます」―。自身のFacebookにこう投稿し、DMATの一員として仙台に赴き、活動を行った東京医科歯科大学准教授の白石淳氏。DMAT(Disaster Medical Assistance Team、災害派遣医療チーム)とは、医師、看護師、業務調整員で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、おおむね48時間以内の急性期に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チーム。医師の目から見た被災直後の仙台の医療現場の様子、DMATとの隊員としての活動内容など、白石氏がFacebookページにつづった報告を本人の許可を得て掲載する。
●2011年3月11日 18:34
 これから被災地に向かいます。
●2011年3月11日 20:57
 無人の東北自動車道を移動中です。現地はなかなか遠いです。
●2011年3月12日 17:54
 仙台市にいます。我々の活動拠点のある西側はライフラインこそやられていますが、家屋の倒壊はなく、これが未曽有の大地震の被災地かと目を疑うような平穏な風景です。手をつなぐ親子やカップルが普通に歩いています。
 ところが、東側の海に面した辺りは悲惨です。津波になぎ倒されて水没し、瓦礫(がれき)の山で、火災が発生し、ご遺体が多数発見されているようです。救助隊も、交通の寸断と二次災害の恐れのため満足に活動できません。
 死者は積み上がっても、助けられる傷病者が発見できない、実に歯がゆい状況です。発見されるのは、死体か元気な人かのどちらかなのです。これは地震というよりも津波だ。津波は一度巻き込まれるとほとんど生存できる可能性のない、恐ろしい災害です。数百名規模の、おそらく今までで最大規模のDMAT(Disaster Medical Assistance Team)が活動しています。が、実際に救命可能な人は、皮肉なことに少ないです。
●2011年3月13日 10:33
 新たに来る外傷はほぼいなくなりました。一方で、疾病は急増しています。災害のストレスや、ライフラインの破壊による生活環境の悪化ももちろん原因ですが、なんといっても住処(すみか)を失った人の急病が増えています。車内生活者の肺
塞栓症(エコノミー症候群)も来ました。
 被災地に今必要なのはもちろんすべてですが、多数の避難者への住環境整備が最優先だと思います。支援をしていただける方、最高に必要なものはおそらく寄付です。
●2011年3月13日 16:43
 仙台で車内生活者の心肺停止例、おそらく重症肺塞栓症を診療しました。中越地震の時も多数例発生しています。震災被災地に早急に仮設住宅を設置するなど、「住」を提供することが急務です。
●2011年3月13日 16:56
 私の高校の友人たち、医師の仲間たち、その他の大切な友人の皆様に、社会的に成功して裕福な仲間たちに率直にお願いをします。東北地方の広域で生活物資が不足しています。活動中に、食料品やガソリンを求める長蛇の列を幾度となく目撃しました。
 被災者のために寄付をしてください。
 生活物資や仮設住宅は、すべての被災者を、特に高齢者、子供、家を無くした被災者などの社会的弱者の命を守ります。もちろん私もそうします。
●2011年3月13日 22:51
 仙台から撤収中です。移動の強行軍、診療、空腹、睡眠不足、風呂に入れない顔も洗えない、雑魚寝、欲しいものの何一つ手に入らない苦しい生活でした。
 私は短期間でしたが、被災地の人たちはこれが何週間も続きます。しかし、地元の皆さんは、この悲劇と苦境のなかで、たくましく明るく感謝の気持ちに溢れて暮らしています。「東京DMAT」のロゴが入ったユニフォームを見て、何度も「遠くからありがとうございました」と声をかけられ、こちらがじんときました。宮城県が大好きになりました。
(これより先は、白石氏がDMAT活動より戻った後にFacebookに投稿した報告です)
●2011年3月14日 13:25
 3/11 地震発生。被災地に向けて無人の首都高速を走るドクターカー。随行車から。この時、私は偶然DMATの講習を受けていました。まさにその日にDMATで出動するとはびっくりです。東京は大渋滞で、多数の帰宅困難者が出ていました。通行止めの首都高速を走るのに、微妙な罪悪感が…。
●2011年3月14日 14:54
 仙台市若林区の国立病院機構仙台医療センターです。外観上の損傷はなく、周囲の町並みも未曽有の大地震が襲ったとは思えないくらいの平穏さでした。
 しかしライフラインは途絶し、自家発電で部分的な電力供給と備蓄の水でかろうじて業務が出来るものの、CTなどの大型画像診断機器は停止し、大手術はできない状態です。院内は節電のため暗く、水道やトイレはほとんど断水です。加えて院内に被災者が避難してきており、病院業務に加えて救護も行わざるを得なくなっていました。
 ここが拠点になり、およそ100チーム500名前後のDMATが参集しました。ここと周囲の病院の医療支援、災害医療の現地本部機能、自衛隊基地での搬送業務、被災現場での医療、などに散って行きました。
●2011年3月14日 23:11
 仙台市宮城野区の東北厚生年金病院での風景。仙台市の中核病院の一つである。津波の被害をぎりぎり逃れたが、建物が損傷し、屋上の水タンクから水が流れこみ、病棟の一部が閉鎖に追い込まれた。
 400名くらいの入院患者を病棟移動させ、4人部屋を8人で使うなどの対応をしたが、そこにさらに1400人の被災者が避難場所を求めて押し寄せた。会議室やリハビリテーション室、廊下、ロビーなど、共用スペースには被災者が溢れかえった。手持ちのリネンと災害備蓄の保存食をすべて放出し、できる限りの対応をしたが、水、電気、ガスのすべてが停止し、自家発電の燃料も枯渇しつつある。余震が来れば崩落の危険がある。トイレの水が流れず、悪臭が立ち込め、衛生環境は悪化しつつある。
 すべての病院職員は英雄であった。すべての患者と避難者、5倍近くに膨れ上がった人たちのケアに不眠不休の努力をした。しかし、遂に限界が来た。入院患者の転送と避難者の移動が始まった。 このように仙台の「避難所」は収容能力、衛生面、安全面、食事など、すべての面で危機的な状況にある。写真は病院での炊き出し風景。スチール本棚を倒して竈(かまど)にし、津波で流れてきた木造家屋を薪にして、味噌汁を作っている。職員の表情は明るく、なんともたくましい人たちであった。


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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
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    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
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