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20131001-675号 社説・コラムアラカルト(「差別」と「区別」、「権利」と「義務」) [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんにちは。神戸の新井です。

 今日から10月。皆さんもご承知のように10月は神無月と呼ばれますが、語源について改めて触れておきます。

神無月 http://gogen-allguide.com/ka/kannazuki.html
【意味】 神無月とは、陰暦で十月のこと。かみなづき。かむなづき。
【神無月の語源・由来】神無月の語源は、神を祭る月であることから「神の月」とする説が有力とされ、「無」は「水無月」と同じく「の」を意味する格助詞「な」である。中世の俗説には、10月に全国の神々が出雲大社に集まり、諸国に神がいなくなることから「神無月」になったとする説があり、出雲国(現在の島根県)では反対に「神有月・神在月(かみありづき)」と呼ばれる。その他の説では、雷の鳴らない月で「雷無月(かみなしづき)」が転じたとする説や、新穀で酒を醸す月なので「醸成月(かみなしづき)」が転じたとする説がある。

 出雲大社は今年の夏、家族旅行の際立ち寄りましたが、私にとってはこれが二回目。若い頃、勢いに任せて「ちょっとそこまで」感覚で行ったことがありますが、全然記憶に残っていませんでした。今回も帰路途中であまり時間が無かったのですが、短時間だけ立ち寄りました。60年ぶりの大遷宮終了後ということもあって社殿は綺麗でしたね。またちょうどその日は終戦記念日でしたので国旗掲揚されていたのですが、とにかくでっかい日本国旗が掲揚されていました。あんなでっかい国旗を見るのは久し振り、NHK放送開始・終了時に流れる国旗がはためく図はここを撮ったのか、と思うくらい。・・・出雲大社さんには申し訳ないのですがそれが一番印象に残っています。コンクリート製か何かは分かりませんでしたが、ポールも太い太い!妙なところを感心して帰ってまいりました。罰当たり~。


 さて本日のホットニュースは何と言っても「消費税8%を表明」でしょうね。消費税が上がるのは17年振りですが、「経済対策により消費税を引き上げたとしても、影響は極力緩和・・・」と仰っていますが、あくまでも大企業は・・・の話で、庶民には厳しい春になると思います。医療業界では診療報酬改定を来年春予定されており、増税によるアップを期待する団体もあると思いますが、消耗品や試薬等への過重がどの程度影響するのか、そのあたりも含みアップなのか、動向が気になるところです。また便乗値上げとも思える、郵便料金も値上げするようで、ますます郵便局離れに拍車がかかるのとちゃいますか?恐らくこのままだと同業他社との激しい競争に勝てないんじゃないかな?「昨今は郵便物が減少傾向にあり、2014年に増税が実施された場合、増税分の自社吸収は困難として値上げの方針が決定した」なんて言ってますので悪循環そのもの。

郵便料金20年ぶりに値上げ!? 消費税増税に伴い、ハガキ51円、封書82円へ
 http://irorio.jp/eika_k/20130930/79632/


 ここから話題を変えます。

 日本人が美しい日本語、正しい日本語を使わなくなって久しいと言われていますが、確かに巷で氾濫する日本語は意味不明なものが多数含まれています。この間帰ってきた高校教師の娘に、今時の高校生が使用する日本語について話を聞いておりましたが、何とも耳を塞ぎたくなるような状況だとか。試験問題を解くためには出題者の意図を見抜かないといけないのに、騙されやすいお子ちゃまが増殖しているようです。うちの愚息たちにも、「数学や物理や化学やと言っても、結局国語力が基本やで!」と教えているのですが、なかなか改善には結びつかないようで・・・これはパソコンや携帯電話等電子機器による悪影響が大きいのでしょうね。私自身にも言えることです。でも言葉が分からなくなった時に「普段パソコンを使っているから、いざ書こうと思っても書けないや!」と老化のせいではなくあくまでもパソコンのせいだ!と電子機器がマスキングしてくれるような好都合さもあります。最近はこの現象を食い止めるためにも、携帯電話やパッド端末などでは漢字による手書き入力を行っています。元々手書き入力ソフトはその方が早いだろうと導入したものですが、普段よりも時間がかかる傾向にあります。本来の導入趣旨に反しています。

神戸新聞社説 国語力/時代を見据えて磨きたい 9/30 (一部引用)
 
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201309/0006380884.shtml
 文化庁の2012年度国語に関する世論調査結果が発表された。社会の変化に伴う日本人の国語意識や言葉遣いなどを調べるのが目的だ。
 最近は言葉の乱れを嘆く声が少なくないが、時代の流れを踏まえ、日本語がどう使われているかを直視することが大切だろう。
 今回の調査では「きんきんに冷えたビール」「気持ちがほっこりする」などの新しい表現を使う人が増え定着しつつあることが分かった。
 従来の使い方から派生したものだけに、違和感はあまりない。「きんきん」はもともと、甲高い声が響く様子や鋭い痛みを示すが、よく冷えた状態の意味で使われている。暖かなさまの「ほっこり」は心にぬくもりを感じる表現になった。
 こうした使い方を聞いたことがある人はともに7割を超えた。日常会話にしばしば登場しており、表現の幅を広げたともいえる。
 調査で毎回注目されるのは言葉の意味や慣用句の理解度だ。
 「役不足」を「力量に対して役目が軽すぎる」と正答したのは42%、「流れにさおさす」を「ある事柄の勢いを増すような行為をする」と理解していたのは23%だった。正反対の意味と思っていた人は多いが、10年前に比べれば、正答率はともに10ポイント以上高い。これは調査が話題になった効果といえるだろう。
 近年、携帯電話やパソコンを使うことが増え、書く力などが低下している面は否めない。メールでは絵文字などを使い、言葉を省略する傾向もみられる。そうした時代に国語力を高めていくのは難しい課題だ。

京都新聞コラム 凡語 9/30 (一部引用)
 
http://www.kyoto-np.co.jp/info/bongo/20130930_2.html
 汚名挽回のため寸暇を惜しまずに働き、バラエティー番組で気分転換してひとり爆笑する。脈絡のないことをいきなり書いた。実は間違いだらけの文章である。みなさんはわかりますか?
▼汚名を取り戻す必要は全くない。「汚名挽回」と違って「名誉挽回」「汚名返上」だ。「寸暇」とはわずかな空き時間。それを惜しまないのなら休憩ばかりしていることになる
▼テレビの前で笑い転げるのはいいが、ひとりで爆笑するのは無理。大勢が大声でどっと笑う。それが「爆笑」だと広辞苑にある。もっともらしく講釈しているが、ここ何日かで再確認したことばかり。偉そうには言えない
▼文化庁の「国語に関する世論調査」のまとめが先週発表された。毎年のことだが、不勉強を省みる。何気なく使っている言いまわしが不安になり、この時期は頻繁に辞書をひく


 さてようやく今日の本題に移ります。まずはこの社説をご紹介。

朝日新聞社説 婚外子の記載―こんな区別はいらない 10/1 (一部引用)
 
http://astand.asahi.com/column/editorial/TKY201309300453.html
 「嫡出(ちゃくしゅつ)子」か「嫡出でない子」か。子どもの出生を届け出るには、出生届でいずれかに印を入れなければならない。
 これを拒んだ東京都世田谷区の事実婚の夫婦が起こした裁判で、先週、最高裁が判断を示した。嫡出子かどうかの記載を義務づける戸籍法の規定は合憲だが、事務処理上、不可欠とはいえないとした。
 法務省も区別は不要だと認め、次の国会に戸籍法改正案を提出する方針だ。国会はすみやかに改正すべきである。
 「正妻が産んだ」「正統な」を意味する「嫡出」。原告夫婦は、05年に生まれた次女を「正統でない子」として届ける気持ちにどうしてもなれなかった。この部分を空欄にした出生届を区が受理せず、次女の戸籍、住民票も作られなかったため、裁判に救済を求めた。
 出生届を出す側にとってこの欄が重い意味をもつのは、婚外子に差別が向けられてきた現実ゆえだ。
 原告の男性は「出生届は人生最初の公的な書類。社会の成員となるスタートラインなのに、明らかな差別がある」という。
 婚外子だとわざわざ明らかにしなければならないことに抵抗を感じながら、やむをえずこの欄を埋めて提出した人も少なくないだろう。
 シングルマザーで子育てする人、夫婦別姓が選べないため事実婚の形をとる人。さまざまな家族のかたちがある。どんな状況で生まれても、「正統でない存在」などないのは当然だ。
 そもそも婚外子かどうかは、親に書かせるまでもなく、出生登録を担う自治体が親の戸籍を確認すればわかる。判決の補足意見も、そう指摘している。親を不必要に悩ませる出生届の書式は、とっくに見直されているべきだった。
 歴史をさかのぼれば、両親が法律上の夫婦だったかどうかは、その子どもの国籍や相続に影響を与えてきた。


 先日来、この手の話題が挙がる度に、親からの視点ではなく子供からの視点にすれば良いのに、と思ってきました。しかし日本国籍を有している以上、その法律に従うのは国民の果たさなければならない義務であるとも思っています。幸いにして私自身はそのような事例に自分自身が遭遇していないから無責任に言っているだけなのかもしれません。差別と区別の差を感じる事無く、のほほんと過ごしてきたからかもしれません。ただ私は現段階におけるルールに従って義務を果たしてから、制度改正に向けた努力をするべきなんじゃないかな?と思います。何か語弊はありますがご時世に便乗しているような感もします。またここで書かれている差別と区別が何やら曖昧になっている気もします。「出生届は人生最初の公的な書類。社会の成員となるスタートラインなのに、明らかな差別がある」との弁に少々疑問も感じます。どのような差別なのか?と。

 私も立場上、人事評価をする際に「差別」ではなく「区別」をするように心掛けてはいますが、頭では判っていてもなかなかそれを説明するのは困難なことがあります。客観的評価とは言え、最終的には評価者の主観的評価に委ねる部分が多いことは確かですが、それが嫌だからと「わしの部下は可愛いから全部100点じゃ」みたいな評価者がいたらどうでしょう?(実際にいますが)私は単なる部下に嫌われるのが嫌なだけの偽善者であり職責も果たせず、詭弁を述べているだけの人だ、と思います。このような人は上に立つべきではありません。駄目なものは駄目、良いものは良いと評価してあげないと、しっかり区別をしてあげないと頑張っている人が浮かばれません。詭弁を述べていては底上げならぬ底下げになってしまいます。評価者の仕事の一つとして、救いようのある人に対し最低ラインを少しでも引き上げる努力を行うこと、があるのだと断言します。

 話しをもとに戻します。差別と区別の差は「他よりも不当に低く取り扱うかどうか」と多くのものでは書かれています。でも受け取る立場によって「差別」と取ったり「区別」と取ったりすることも多いのが現実です。ちょっと判りにくいのでもっと明確なものを、と探していたら、ありました。

「差別」・・・「差」をつけて別けること。優劣、上下、善悪などが発生して分けたその二つが同等ではない。
「区別」・・・「区分」をもって別けること。同等の価値のものを区分で分ける。区分によって分けられた両者は同列の存在である。

 ということは、この記事の場合、提出した時点においては「区別」なんじゃないですかね? 「差別」に転換するのは、後々の様々なファクターが重なるからだと思います。文書のせいじゃないと思うのですが。何かしら、みそもくそも一緒みたいな印象を受けます。場当たり的な対処ではなく根本的解決させるには、ちょっと違うと思うんですけど。

 また「権利」と「義務」ということが出てきました。私の偏見かもしれませんが(経験上の話です)、「差別」を受けていると主張されている方に「義務」を果たされていない方が多い、と感じることが多いです。特にこのような立場になったので余計に考えることも、感じることも多くなったせいもあるかと思います。一般技師や主任技師の立場であれば簡単に言えたことが、この立場になると言い難くなってきているのは事実。今のご時世、過剰なくらいパワハラなんて言葉が飛び交いますから。

 私が周りによく言うことは、「義務を果たしてから権利を主張しろ!権利ばかりを主張していたのでは誰も納得できない」。全く以て権利と義務を都合よく切り離して考える方が多いのですが、「権利の対義語は義務である」ということを忘れているんですね(まさか知らないということはないでしょう)。いわば権利と義務って表裏一体みたいなもの。どちらが先か、って難しい問題ですが、自己満足ではなく周囲を説得する、納得させるには、まず「義務」でしょう!

 ちょっと長くなりましたが、今日はこれにて。


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20130930-674号 9/22~9/28の週に配信したニュース [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんばんちは。神戸の新井です。

 いよいよ明日から10月。すっかり暦の上では秋となっておりますが、日中厳しい日射しの時もありますが、日陰に入れば肌寒いこともしばしば。もうしばらくすると日中でも柔らかい秋の日差しを感じることが出来る季節となります。

 ところで、この「ひざし」・・・私自身全然意識していなかったのですが、なるほど!と思わず口に出してしまいました。

小社会 高知新聞コラム 9/29 (一部引用)
 http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=308738&nwIW=1&nwVt=knd
 同じ「ひざし」でも夏の強い日光には「日射し」、秋の弱い日光には「日差し」という漢字を使って、感じの違いを使い分けた。本県ゆかりの作家、田宮虎彦さんがそう語っていたと言語学者の中村明さんが書いている。
 確かに「射」の一字が入ると、肌の内部まで入り込みそうな太陽光の強さを連想させる。日本列島が猛暑にうだった今夏は「日射し」のイメージ。そんな日々が来年以降も繰り返されるのだろうか。


 先ほども申しましたが、明日から10月。異動の対象になった方もおられるかと思います。私の親友も明日から新天地での業務となりました。彼とは以前神戸に在籍した時からの友人で、神戸での再会に喜んだのも束の間でした。またの再会を祈念して今晩彼と久し振りに酒場に出向きます。・・・でもあまり遅くならないよう早めに解放してあげないと・・・

あぶくま抄 福島民報コラム 9/27 (一部引用)
 http://www.minpo.jp/news/detail/2013092711136
 焼き鳥の匂いが鼻をくすぐる。しかし、戸を開ける勇気が湧かない。見知らぬ客が歓迎されるだろうか。不安になって引き返す。そんな左党が、新たな店を開拓した気分になれる。俳人吉田類さんが案内役を務めるBSテレビ番組「酒場放浪記」だ。
 放送開始から10年を迎える。全国の約560軒を訪ねた。特別な演出はない。杯を重ね、旬の味を楽しむ。酔いが心をほぐし、あるじと会話が弾む。吉田さんを招いた講演会・宴会が今夜、福島市で開かれる。中高年から参加希望が殺到した。「酒にまつわる話を聞いて飲んで、働き盛りは癒やされたい」。主催者は人気の秘密を分析する。



 さて私のフェイスブックページに先週配信したニュースをご紹介します。前回同様配信順にご紹介しますので、記事の前後関係は一切ありませんので念のため。


予後予測能が高まるeGFR算出法/NEJM CareNet 9/25
 http://www.carenet.com/news/journal/carenet/36189
 当院はCKD検出などの目的でも実施していますが、化学療法前の患者に対して幅広く活用しています。ネット上でも各種ツールが充実していますね。一例をご紹介。
 http://www11.ocn.ne.jp/~hdtool/99_blank006.html


外来治療でも保険適用に難治の傷に陰圧閉鎖療法 47News 9/24
 
http://www.47news.jp/feature/medical/2013/09/post-957.html
 へぇ~こんな機械があったんだぁと単純に感心してしまいました。


アマゾンが薬をネット販売 風邪薬、胃腸薬など幅広く 47News 9/24
 http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092401002241.html
 規制緩和が進んで良い分野、進んだらいけない分野があると思うのですが・・・古典的思考回路なのですかね? 私はこの措置、反対です。やはり対面販売したほうが良いのでは?利便性より安全性を求めなければならない分野だと思います。


血液1滴で膵臓がん診断 神戸大など成功 神戸新聞 9/24
 http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201309/0006363369.shtml
 メタボロミクス:メタボロミクス(Metabolomics)あるいはメタボローム解析(Metabolomic analysis)とは、細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析することである。メタボロームという語は、ある生物の持つ全ての代謝産物(メタボライト)を表す。伝令RNAの発現データやプロテオームの解析だけでは細胞で何が起こっているのか分からないが、メタボロームのプロファイルは細胞のある瞬間の生理を明らかにすることができる。システム生物学の目的の1つは、プロテオーム、トランスクリプトーム、メタボロームの情報を統合し、生体の完全な姿を描き出すことである。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/メタボロミクス


りんくう:事業計画なく医療拠点化難航 大阪府監査委指摘 毎日新聞 9/25
 http://mainichi.jp/select/news/20130925k0000e040170000c.html
 外貨獲得は良いのですが、日本国民のための医療そのものを向上させることが先なのでは? TPPの行く末が不安です。ナショナリズムの塊と批判されようが、私は医療ツーリズム推進に断固反対!自分の足元をもっとしっかりと固めるのが先だ!


アンジェリーナ・ジョリーの選択 日経メディカルオンライン 9/25
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kurofunet/muchino/201309/532486.html
 本人にとっては命が係っている訳ですから今回の措置は理解できます。私も友人や親族を乳がんで亡くしていますから。しかし誰も彼もが受けられる医療かというとそうではない。診断にも治療にもそして形成術にも膨大な費用がかさみます。
 本邦は現在、社会民主主義国家ですが、自由民主主義に転換しようとしているのか否か・・・医療ツーリズムにせよ、今回の話題にせよ、微妙な時代に微妙な話題ですね。


高血圧にトクホしょうゆ キッコーマンが限定発売 中日新聞 9/21
 http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130921141021171
 今日から発売ですね。どなたか試しに購入された方はおられるのでしょうか?味が良ければ良いんですけどちょっとお高いですね。


糖尿病の進行 酵素が抑制 名市大院グループ解明 中日新聞 9/21
 http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130921141437228
 初期治療や予防薬として使用できるところが良いですね。でも予防薬って、現医療制度上においてかなり先の話の様な・・・


40歳以上の女性、半数が頻尿 尿トラブルに治療指針 朝日新聞 9/24
 http://apital.asahi.com/article/news/2013092400012.html
 男性はでっぱりがある分、女性よりも我慢が出来るのか???
 でもバス旅行などでトイレに駆け込むにはもっぱら男性ばっかりだし・・・女性の方が我慢強いのか???
 失礼しました・・・(^^;


RSウイルス流行の兆し、患者数3週連続増- 東京や大阪などで感染拡大 CBnews 9/24
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40963.html
 最近、RSウィルス感染症の拡大といった記事を多く見るようになりました。例年よりも少し早い感染拡大の様です。厚生労働省が昨年出したQ&Aをご参考に!
 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html


難病:「HAM」発症メカニズム解明 聖マリアンナ医科大 毎日新聞 9/24
 http://mainichi.jp/select/news/20130924k0000e040162000c.html
 HTLV-1関連脊髄症(HAM)についての情報は、難病情報センターサイトにてご覧ください。
 

 http://www.nanbyou.or.jp/entry/50



すぐに気付かないから厄介…“遅延型フードアレルギー”とは 女性自身 9/23
 
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130923-00010001-jisin-soci
 腸管って免疫機構の重要なポジション占めていますから、当然と言えば当然かも。日常業務に入り込んでくる可能性はあるかしら?
 アンブロシア株式会社のサイトをご紹介しますが、このような簡易型キットは我々臨床検査技師にはちょっと受け入れがたいです。 
http://www.ambrosia-kk.com/


慶応大、胃がんに対する「センチネルリンパ節」生検が有用であると証明 マイナビニュース 9/24
 
http://news.mynavi.jp/news/2013/09/24/029/
 センチネルリンパ節についてはかなりよく知られているものですが、このような患者予後に直接関わる検査は画期的というか、非常に有益だと思います。
 センチネルリンパ節についてはやっぱり慶応義塾大学医学部のサイトをご紹介します。
 http://www.surgery-med-keio.jp/joubushoukakan/trouble/04.php


腸内細菌:宇宙生活での影響初調査へ 飛行士に便提供要請 毎日新聞 9/21
 
http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000e040195000c.html
 人の免疫力はADL(日常生活動作)にかなり依存し正の相関関係ありですので、地上では常に重力による運動負荷が与えられているということと免疫との因果関係、腸管運動との関連性など画期的な発見があるかもしれません。
 どの様な結果になるのか、今から非常に楽しみな研究です。


未婚のひとり親にも支援の手 「寡婦控除」みなし適用 朝日新聞 9/22
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013092200003.html
 こういう制度ってなぜ親を対象として判定するのか判りません。子供を対象として判定すればいいのに・・・また母子家庭だけではなく父子家庭もかなり厳しい状況に追い込まれていると思いますので、もうちょっと父子家庭にも優しくしてあげて欲しいなぁ。
 近々私が父子家庭になる予定などありませんので、念のため。


がんによる損失、最大1.8兆円 厚労省研究班推計 朝日新聞 9/25
 http://apital.asahi.com/article/news/2013092500020.html
 ご紹介した記事をご覧になった後、以下のニュースに対し、大きな違和感を感じられる方が多いことでしょう。縦割り行政というか、言ってることとやっていることのギャップが疑問を生み出し、「一体行政は何をしているんだ?」との不信感に変わっていくのでしょうね。
乳がんなどの無料検診縮小へ…対象年齢絞る方針 読売新聞 9/25 
 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=85212


母乳育児で肥満予防 岡山大がデータ分析 47News 9/25
 http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092501001884.html
 あくまでも単なる統計であって、疫学調査じゃないですね。昔から母乳に勝るものなし、と言われているように結論は一般常識的内容です。じゃあ何故なの?の問いに対しては?


介護保険の自己負担引き上げ案 年金300万円なら2割 朝日新聞 9/26
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013092600001.html
 年金額は年々下がる一方で保険料は上がる一方。また今回は介護保険の自己負担額も上がるとのこと。法人税減税が噂されている中、何故保健分野にこれだけの負担を強いるのか分かりません。経済を活性化させることは重要な案件だと私ごときでも認識していますが、経済は国民が支えているのです。国家は国民のためにあるものでしょう?


脳死移植の肺機能を回復 岡山大、装置を国内初導入 朝日新聞 9/26
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013092600002.html
 この技術、生きている患者さんに活用できないものですかね?例えば、重症肺炎患者などに対し、片方の肺ずつ回復させるなんてこと出来ませんかね?
 浅はかな素人考えかな?・・・


WHO「緊急事態」には至らず MERS感染で 47News 9/26
 
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092601001063.html
 MERSに関しては、やっぱり国立感染症研究所かな?
 http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html
 とにかく蔓延を防止するためにも、巡礼の時期に危機的状況でなくて良かったですね。


HTLV-1感染、関東などで増加-厚労省協議会で調査報告 CBNews 9/25
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130925-00000002-cbn-soci
 なかなか収束には至らず、逆に蔓延化の傾向ありですか・・・あまりにも無頓着・無知すぎる方が多いんですかね?日本は・・・


【中医協】DPC持参薬、使用実態を調査へ-次回改定でルール作りも視野 CBNews 9/25
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130925-00000005-cbn-soci
 じゃあどのようなシステムを作ればいいの?と問われると具体的な成果が上がっていないのですが、入院期間だけを対象にするから無理がある、疾病全行程に対しての治療計画をしっかりと立てて、その中に入院治療を組み込んでいく、といった方法を取り入れないと終わりはないでしょうね。
 具体的な方法についてはいずれご紹介します。


喫煙に対する感受性がバイオマーカーでわかる可能性:日本人男性における検討 CareNet 9/26
 
http://www.carenet.com/news/general/carenet/36246
 ちょっと注目してみてみたいなぁと思ったのがこの記事。血清鉄と肺の間にどのような因果関係があるのでしょうね?色々と考えてみるのも面白い!


中央社会保険医療協議会 総会(第249回)議事次第 9/25
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000023859.html
○臨床検査の保険適用について
○診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」からの報告について
○DPCに関する特別調査の実施(案)について
○社会保障審議会 医療保険部会・医療部会「次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方について」について
○最近の医療費の動向について
○その他


中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会(第163回)議事次第 9/25 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000023870.html
○ 基本診療料のあり方に関する検討について


平成25年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 議事次第 9/20
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000023522.html
1.平成24年度退院患者調査の結果報告について(案)
2.平成25年度特別調査(ヒアリング)の実施について(案)
3.臨床研修制度への影響評価について(案)
4.今後の検討事項とスケジュールについて(案)
5.DPC制度(DPC/PDPS)に係るこれまでの検討状況について(中間報告(案))
6.その他


第8回 医療機関等における消費税負担に関する分科会 議事次第 8/28
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000018171.html
○医療機関等の設備投資に関する調査結果について
○診療報酬により「高額投資」へ配慮する手法について
○「医療機関等における消費税負担に関する分科会」における議論の中間整理(案)について


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20130927-673号 社説・コラムアラカルト(「識」と「知情意」) [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 すっかり秋となりました。朝晩は非常に過ごしやすいというか、肌寒い今日この頃、如何お過ごしでしょうか?

 通勤車中では、咳き込んだり鼻をすすったりしている方を見かけるようになってきました。東京や大阪ではRSウィルス流行の兆しがありというニュースも今週初めに出されていました。くれぐれもお気を付け下さい。
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130924-00000001-cbn-soci

 今朝も通勤途中に全国のコラムや社説など検索しながら本文を保存していたのですが、私の場合、Evernoteというツールを利用しています。このツール、色々なものをとりあえず保管しておいてあとで活用するには本当に便利です。私は有料会員となっていますが、無料でも結構使用できるものですので、一度お試しいただいたら?と思います。元々は、iPhoneアプリとして有名でしたが最近ではAndroidでも充実してきています。ちなみに私はAndroidを使用していますが、iPhoneで有料のものがAndroidでは無料だったりしますので、ちょっとお得かな?なんて・・・。私のノートも公開し共有できますので、もしEvernoteユーザーの方がおられたら、お申し出ください。 http://evernote.com/intl/jp/


 第二弾になりますが、今日も全国各誌の社説、コラムを話題に挙げてみます。社説は全国各社で共有している新聞社もあるとともに地方ネタが少ないのですが、コラムは地方地方での特色があり、筆者が好き勝手書いているものなので非常に面白い内容となっています。北は北海道から南は沖縄まで、とても楽しく読ませてもらっています。でもコラムの完成度としては、やはり朝日新聞の天声人語がちょっと抜け出ていていますね。当たり外れはありますが、私が好きなのは毎日新聞の余録というコラム。何じゃこれ?という時もありますが・・・


 さて本日のコラムご紹介ですが、共通したテーマとしてはタイトルにも書きましたように「識」と「知情意」です。

 「識」と言っても色々ありますが、「識」とは、
 1.物事を区別して知る。見分ける。また、その心の働き・能力。
 2.知り合っていること。見知っていること。面識。
 3.書き記すこと。また、その文字など。
との意味があります。今回ご紹介したかったのは、1.の「識」です。

 最近「識」の無い場面に遭遇すること国際的にも国内でも、また身近でも多いのですが、「識」を使った単語を1.で何個ご存知でしょうか?

 以下に挙げた以外にもまだあると思います。
 識者・識別・意識・学識・鑑識・眼識・見識・常識・知識・認識・良識

 いずれも大切なものと思いませんか?先日のメールニュースでご紹介した事大主義や事なかれ主義、大衆迎合などは、意識、見識、常識、認識、良識の欠如により意思・意志を無くしたものと思います。周りの環境も大きな負の要因となりますが、結局は自身のせいでしょう。きちんとできる人はどんな環境下でも出来ています。

声人語 朝日新聞 9/27 (一部引用)
 
http://digital.asahi.com/articles/TKY201309260542.html?
 公務員のことを戦前は官吏(かんり)といった。そのあるべき姿を「吏道(りどう)」という。故後藤田正晴(ごとうだまさはる)氏は政界に転じる前に警察庁長官や事務方トップの官房副長官をつとめた。内務省に入った時に役人の心構えを教わったという。中国の古典にある言葉だ▼〈爾(なんじ)の俸(ほう) 爾の禄(ろく)は/民(たみ)の膏(こう) 民の脂(し)なり/下民(かみん)は虐(しいた)げ易(やす)きも/上天(じょうてん)は欺(あざむ)き難(がた)し〉。お前がもらう給料は人々の払う税金、つまりは汗と脂(あぶら)の結晶である。それを忘れて人々を虐げるなら天罰が下るぞ、と▼後藤田氏は後年、「この教えを再び」と説いた。次々と起こる後輩官僚らの不祥事に怒ってのことだ。自分が国を動かしているという自負は、ともすれば過信や思い上がり、国民を見下す高慢に転じる▼残念ながら氏の思いは生かされないままだ。このところも高級官僚のあきれるようなふるまいが続く。経産省のキャリアが匿名のブログに暴言を書き込んでいた。被災地は「もともと、ほぼ滅んでいた」「復興は不要だ」とはいかなる了見か

 私の卒業した学校は全国唯一の国立養成機関でした。まあ言わば防衛大学みたいなものですかね?ですから在学期間中に幾度となく教務の先生方から「お前は税金の無駄遣いだ!」と言われていました。また勤務したのが国立病院でしたのでいわゆる国家公務員、国民の公僕ですね。病院に来た患者さんに奉仕するのが当たり前、病める方を癒すのが当たり前と教育されてはきましたが、実感は湧きませんでした。でも実際に病める患者さんを目の当たりにすると、様々な「識」の必要性を実感しましたねぇ・・・もうちょっと自分が知っていたらもっと早く救う命があったんじゃないか、とか・・・結局公僕だの何だの言う前に、人であり、医療従事者であり、なんですよね。

 若い方々に伝えたいことは山ほどありますが、私が入職したころより今の若い方々などよっぽどしっかりしています、目的意識も目標設定もされている方、いくらでもいますから。でもいつも間にかちょっと見ない間に澄んだ目に濁りを増し、まっとうな見方が出来なく方も結構いますよね、残念ながら。そうならないためにも、様々な「識」を磨いてほしいと願っていますし、そのような環境を作りたいなぁと思ってもいます。


 話はごろっと変わります。

 最近北海道の鉄道旅行は命がけ、なんて話、よく聞きますが、お粗末そのものです。医療も同じですけど最優先されるのは安全性の筈でしょうが、東電にせよJR北海道にせよ、最優先されるは企業の営利。企業体質が云々と言われていますが、企業を構成するのは社員の筈。半沢直樹とかサラリーマン金太郎のようなヒーローは実社会でなかなか出てきませんので、企業幹部の暴走を食い止める仕組みを作っておかないといけませんよね。ま、いずれにしても常識、良識の欠如でしょう。医療業界も他人事じゃあ済まされない。人の振り見て我が振り直せ、ですな。

神戸新聞社説 JR北海道/安全対策まで「失念」とは 9/25 (一部引用)
 
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201309/0006366344.shtml
 JR北海道が鉄道事業の大前提であるレールの安全対策を、「失念」したり、「後回し」にしたりしていたという。一体、どうなっているのか。信じ難い話だ。
 函館線で先日、貨物列車の脱線事故が起きた。レールの幅が基準以上に広がっており、それが原因である可能性が指摘されている。
 異常を知らなかったわけではない。1年近く何もせずに放置していたというから、言葉を失う。
 それだけではない。同じようにレール幅の拡大や凹凸などの異常を確認しながら補修を怠っていた事例が、道内全域で100カ所近くも見つかった。その中に特急列車が頻繁に往復する路線も含まれていたと聞けば、誰でも背筋が寒くなる。
 鉄道は地域の足だ。安全を信じて利用する乗客に対する、これ以上の背信行為はない。


南日本新聞コラム 南風録 9/26 (一部引用)
 http://373news.com/_column/nanp.php?ym=201309&storyid=51506
 東日本大震災の揺れが襲った直後に東京ディズニーリゾートの従業員がとった対応は今も語りぐさだ。来園者を安心させるため、店頭のぬいぐるみや菓子を配り、笑顔で声をかけ続けた。
 従業員に徹底されている行動基準の優先順位トップに位置づけられているのが「安全」だ。「礼儀正しさ」「ショー」と続き、4番目に「効率」がくる。日頃の訓練と安全優先の思想が、一人一人の行動に結びついたのだろう。
 JR北海道がレール幅などに異常が見つかりながら放置していたことがわかった。放置箇所は調査で日に日に増えている。特急列車が走る本線も含まれており、人命にかかわる重大事故が起こる可能性もあった。
 毎日走る列車だから、不具合も生じよう。それをいち早く発見し、大事故に至らないよう補修するのが安全管理だ。担当者間の連絡がうまくいかず、点検で見つけた異常を「失念していた」とは、言い訳にもならない。


信濃毎日新聞コラム 斜面 9/25 (一部引用)
 
http://www.shinmai.co.jp/news/20130925/KT130924ETI090003000.php
 「半沢直樹」は中国でも人気だ。主人公の決めぜりふの「倍返しだ!」は「加倍奉還!」。「中国の大銀行にも同様の問題はあるはず。でも検閲があるから、こんなドラマはつくれない」。共同通信は上海の会社員の声を伝えている
◆巨大組織の上層部の不正を暴く。理不尽は許さない。テレビドラマ史に詳しい中央大の宇佐見毅教授は善悪が分かりやすい「サラリーマン時代劇」と表現した。誰もが自分の状況と置き換え、共感し、留飲を下げる。視聴率は最終回に42%余と歴代4位だ
◆最終回。絶体絶命を切り返し、怨念の対象でもあった幹部に不正を認めさせ、土下座をさせた。銀行への功績大だったが、数日後に受けた辞令は関連会社への出向。最後の場面で勧善懲悪の一件落着とせず組織の論理を印象づけた。次につなげるのだろうか
◆眼前の問題を直視せず、やりすごそうとする心理をオストリッチ(ダチョウ)症候群という。危険が迫るダチョウが砂に頭を埋め安全な場所に隠れたつもりでいるとの説に例えた。巨大組織の中ではダチョウを決め込むのが現実策と思う同輩も多いだろう



 ここからはもう一つのテーマである「知情意」に移ります。

 この「知情意」という言葉、ご存じの方も多いかとは思いますが、ご紹介してみます。「知情意」とは、人間の精神活動の中に含まれている、知性・感情・意志の三つの要素のことで、哲学者カントが提唱したものです。

 http://d.hatena.ne.jp/saruya_akira/20121213/1355441259
 カントは18世紀のドイツで活躍した哲学者です。この時期のヨーロッパは、キリスト教的価値体系が絶対的な権威を持ち、「世界」や「人」の解釈は、全て聖書でなされると考えられていました。
 しかし、このキリスト教で全てを解釈しようとする「思考停止」状態に疑問を感じ、人間の力で解釈しようとしたのがカントという哲学者なのです。
 「カントが神を半殺しにし、ニーチェが神を殺した」というジョークがあります。それまでの絶対的なキリスト教的価値に反旗を翻したカントの存在があるからこそ、今私たちは科学や自由を享受して生きていられるのだとしみじみ思う次第です。特に私のような人間にとって、自由に「考察」し発信することを許される今の世の中は本当にありがたいと思います。 
 聖書によれば「人」とは、生まれながらに原罪を持つ神の僕です。しかしカントは、自身の頭脳によって「人」を解釈し直しました。その解釈が「知情意」という訳です。(一部引用)

 私はこの言葉、意味の解釈については恩師より教えてもらいました。「教育者、指導者には知情意が必要や!お前も磨け!」と。

 「知性」⇒役割に応じたスキル、ノウハウの習得、専門的知識の継続的習得
 「感情」⇒同僚、仲間や患者に対する貢献意欲、真の優しさ、愛
 「意思」⇒役割を全うしようとする使命感、プロ意識、高い目標意識


 医療現場で関連することを書いてみましたが、教育者にもこれは言えると思います。今、教育現場において体罰が大きな社会問題となっています。私はもちろん体罰に賛成するものではありませんが、行き過ぎた過剰解釈は良くないと考えています。愛情関係や信頼関係がしっかりと構築できていれば、また過剰解釈・反応するマスメディアやいわゆるモンスターペアレントみたいなものが無ければ、このような問題は発生しないと思っています。

 私自身、学生に講義をすることもありますし、相談を受けることも良くあります。そのような中で、大切にしていることは学生諸君に「理解していただく」ということです。

 IC(インフォームドコンセント)いわゆる説明と同意ですが、医療現場では日常的に実践されていることです。しかし難解な専門用語を並びたてられ、しぶしぶ同意をしている患者さんやご家族も多いと思います。ここで抜け落ちているのが患者さんやご家族の「理解」ということ。この部分が抜け落ちているが故、医療訴訟に発展したりしていることも多いんじゃないかな?と考えています。

 教育も同様で、教育者の最大の目的は、一方的に押し付ける形で講義をすることではなく、受講者(学生、生徒等)が理解をしてくれるということ。受講者が理解していないのならその講義は失敗だと言えます。

 今回の一連の体罰問題も、体で覚えさせるのではなく、頭で理解させ自主的・能動的な行動に向かわせるのが指導者の手腕じゃないかな?と思っています。私は少年野球の年齢の低い子供たちにも、何故こういうことをするのか?と理論をもってきちんと説明をし、練習をさせるようにしています。

朝日新聞社説 暴力指導有罪-再発の温床なくさねば 9/27 (一部引用)
 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi#Edit2
 大阪市立桜宮高校2年の男子生徒が自殺した問題で、生徒に暴力をふるった元顧問教諭に有罪判決が言い渡された。
 裁判官は「効果的で許される指導方法」と妄信し、暴力的指導を続けてきたと非難した。
 学校での教員の暴力が公判廷で裁かれたのは異例で、判決の意味は重い。暴力による指導効果を信奉する人たちは、自らへの警鐘と受け止めるべきだ。
 大阪市教委は事件後、元顧問の行為は「体罰」ではなく、「暴力」と定義した。ささいな理由で繰り返しており、落ち度を戒めるための「罰」ですらなく、まったく正当化できないとの考えだ。
 文部科学省の全国調査では、昨年度だけで6721人の教員が体罰をし、被害を受けた子は計1万4208人にのぼった。
 学校教育法は体罰を禁止しているが、罰則規定はない。だが、そもそも心身を傷つける暴力は許されない行為で、教育現場ではなおさらのことだ。「体罰」は暴力との基本認識をもっと明確にしてこそ、暴力追放の徹底をはかれるのではないか。
 元顧問は暴力をふるった理由について、「目の前の生徒に成長してもらいたいとの思いがあった」と裁判で語った。最近も、天理大や浜松日体高などで暴力が発覚した。「気合を入れたかった」「うまくなってほしかった」。指導者や先輩の言い分は、元顧問のそれと重なる。


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20130924-672号 9/15~9/21の週に配信したニュース [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 台風一過でこのまま秋に突入か、と思いきや、またまた暑い日が続いています。しかし湿度は低いので比較的しのぎ易い気候となっています。予報では今週木曜日あたりから秋雨前線とともに寒気が南下してくるようですので、一気に秋めいてくるとか。寒暖の差が激しくなりそうですので、くれぐれもご自愛ください。

 さて先週私のフェイスブックページで掲載したニュースをご紹介する前に、本日のコラムご紹介です。

天声人語 朝日新聞 9/24
 
http://www.asahi.com/paper/column.html
 だれかの人柄を言いあらわすときに、リベラルという言葉を使う場合がある。あの人はリベラルだ、というように。具体的にどんな人かは必ずしも一様ではない。自由を大切にする人、穏やかで公平な人……
▼政治の世界でもある種のシンボルとして使われてきた。保守陣営の向こうを張るリベラル勢力の結集を、といった具合だが、その中身についての腑(ふ)に落ちる説明はなかなか聞けない。言葉の意味を定めかねるうち立ち消えになってしまう
▼それが何であるかは言いにくくても、何でないかなら言える場合がある。在日の人々に向けられるヘイトスピーチ(憎悪表現)がリベラルな考えに相反することは明らかだろう。あの敵意と排外主義はおよそ人々の自由の尊重から遠い
▼もう憎しみをあおるのはやめよう。そんなデモがおととい、行われた。「差別撤廃 東京大行進」である。むき出しの民族蔑視に反対する約1200人が新宿の街を歩いた。性的少数者や障害者らへの差別もなくしていこうと訴えた



 皆さんもご承知だと思いますが、リベラル(リベラリズム:自由主義)とは、

 政治や経済などにおける思想や運動や体制の類型のひとつ。啓蒙思想から生まれた近代思想の一つであり、人間は理性を持ち従来の権威から自由であり自己決定権を持つとの立場から、政治的には「政府からの自由」である自由権や個人主義、「政府への自由」である国民主権などの民主主義、経済的には私的所有権と自由市場による資本主義などの思想や体制の基礎となり、またそれらの総称ともなった。自由主義は政治や経済における多元主義でもある。自由主義の対比語は、政治学的には権威主義や全体主義、経済的には社会主義の計画経済などの集産主義である。
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9

 私は、好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。心情的にはリベラルが良いなぁとも思いますが、主義的にはリベラルという立場は取りません。自己主張が勝っているからなのか、主義主張にあまりブレが無いからなのかは分かりませんが(思い込みが激しいともいう)、白黒はっきりつけたがる性格です。この性格が災いしてか、私を好きだと言ってくれる人、嫌いだという人、色々といますが、見分けははっきりつきます。この立場になってきたら、なかなか面と向かってお前なんか嫌いだ!と話す方はめったにおられませんが、敵味方を嗅ぎ分ける嗅覚は優れていますので、区別をつけることは大抵出来ます。ただ見分けに失敗することもあるので、味方と信じた方に裏切られることもしばしば・・・信じ込んだ方に対してはさらに無防備になりますから、受ける痛手も大きいものがあります。とにかく陰でこそこそ言われるのが一番嫌ですね!

 話が脱線してしまいましたが、このリベラルを読んでいて、先週、恩師と長電話をした折「事大主義」について話されてていたことを思い出しました。「最近事大主義のやつって多いよなぁ」って・・・事大主義って用語は知っていたのですが、意味をよく知りませんでしたので、早速調べて納得していました。事大主義とは「自分の信念をもたず、支配的な勢力や風潮に迎合して自己保身を図ろうとする態度・考え方」。信念無くして何のための人生か、と問いたくなりますが。同じような用語に、ポピュリズム、いわゆる大衆迎合があります。これも私は大嫌い!この主義が進展してくれば、事なかれ主義にも発展するんじゃあないですかね?フリペディアというサイトで「事なかれ主義」が紹介されていました。

 今年の国臨協近畿総会でも述べましたが、外野でいくらごちゃごちゃ言っていても単なる雑音、騒音にすぎません。勿論、主義主張を全く言わないよりかはマシとの考え方もあるでしょうが、きちんと議論の場に出て発言することが大切だと思います。だから私がもし外野の立場であるならば、黙して語らず、の方がまだマシ。裏でコソコソ言っとらんと批判するなら面と向かってしろよ!議論しようぜ!と言いたい!飲んだ席での欠席裁判、他人批判は卑怯者のすること!

http://www.fleapedia.com/%E4%BA%94%E5%8D%81%E9%9F%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/%E3%81%93/%E4%BA%8B%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%82%8C%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B/

 事なかれ主義とは、問題ごとがなくあってほしい主義という意味で、他人との争いごとやもめごとにムダな労働力を注ぐのを避け、平穏無事に過ごすことを第一に考える姿勢のこと。「金持ち喧嘩せず」と言うように、あなたが資産家で現在の生活に満足しきっているなら、事なかれ主義は当然の考え方とも言えるが、日本では、騒動の渦中にあって自己主張をしなければならないような人や、あまり幸せな生活を送っているようには見えない人が事なかれ主義をとっている場合が多いので、わざわざこういう言葉が作られる素地がそこにある。そこから、日本は国全体が事なかれ主義におちいっているという指摘もなされるが、あちこちの問題ごとに首をつっこんでまで自国の幸せを追求しようという「事あれ主義」も、あまりほめられたものではないような気がする。


 では、先週フェイスブックページに掲載した記事とコメントを羅列します。前回はコメントを掲載してタイトル、URLという順でしたが、見辛かったので今回は逆バージョンにします。また記事順番に関連性は全く無く、掲載した順にご紹介します。


PTSD初の治療指針 学会、患者向けの呼吸法も紹介 朝日新聞 9/18
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013091800002.html
 この呼吸法は、自律神経(交感神経、副交感神経)をコントロールするもので、今回が初めてというわけではなく昔から色々と試されてきたものの集大成みたいなものですね。ストレスの多い貴方もご一緒に深呼吸、深呼吸・・・

「見る力」鍛え、生活を向上 何歳でも伸びる可能性 東京新聞 9/17
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2013091702000144.html
 年々、この「見る力」の衰えを感じる今日この頃。私は昔から遠視でしたので、近年近くを見る能力が落ちているのを実感しています。まあスポーツしていますから年齢よりはマシだと自分では思っているのですが、もし客観的に判定されるとなると少々抵抗があります。年を感じたくないので!

がん患者の外見をケア 医療、美容の専門家ら連携 東京新聞 9/10
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2013091002000140.html
 がん患者にとって、これは深刻な悩みだったと思います。抗がん剤を受けている友人や知人も良く訴えていました。患者QOLの拡大なんてよく言われますが、このような取り組みがもっと大きな活動となることを期待しています。

横浜市立大学などの研究グループ アルツハイマー型認知症発症のメカニズムを発見 QLifePro 9/18 
 
http://www.qlifepro.com/news/20130918/discover-the-mechanisms-of-alzheimers-type-dementia-onset-yokohama-city-university.html
 なるほどなぁ・・・フムフムと言ってはみたものの、なかなか難しい内容です・・・判り難い内容を簡単に説明してこそのプロフェッショナルだ!もっと判り易く説明してくれよ!と言ったところで、所詮は自身の勉強不足・・・もうちょっと勉強せんといかんなぁと感じる今日この頃です。

大阪大学と住友商事 次世代がん治療装置を開発 QLifePro 9/18
 
http://www.qlifepro.com/news/20130918/osaka-university-and-sumitomo-corporation-world-development-cell-primary-cancer-treatment-equipment.html
 この内容はまだ理解が出来ます。正常細胞より増殖力の高いがん細胞にホウ素化合物を取り込ませ中性子線を照射することによって発せられるアルファ線によりピンポイントでがん細胞をたたくという代物ですね。2011年11月に読売新聞より出された掲載サイトをご紹介しておきます。
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=50547

患者情報、ネットで共有…山梨 読売新聞 9/18
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84828
 患者の検査結果も共有・・・と書かれており、重複検査も省略できる、ということですが、ほんとかな?
 この手の記事に対し何度も書き込んできていますが、標準化されていない検査データをどのように共有化するものか、知りたいものです。

終末期の透析中止 患者・家族と議論深めよ 読売新聞 9/18
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130918-00010000-yomidr-hlth
 友人の叔父さんに透析を受けている方がおられました。この方と昔お話をさせていただいた折、透析を受けることの負担や苦痛はかなりのものだと仰ってい多ことを思い出しました。この方も結局は若くして心不全で亡くなってしまいましたが、高齢になればなるほど様々なファクターが絡み合い深刻な問題です。結局は患者の意思というものが尊重されるというところに落ち着くのでしょうか?

措置入院歴ある患者拒否 神奈川病院に改善申し入れ/秦野 カナコロ 9/18
 
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1309170013/
 同じ国立病院グループの施設の名前が挙げられていましたので掲載しました。本日記者会見が開かれる予定とのことですが、どうなったんでしょうか? しかし報道機関は公的施設に対してはいつも攻めの姿勢を貫かれますね。誤っていた内容を報道していてもお構いなし、謝罪なし・・・今回のケースがそれに該当していると言っているのではありませんので念のため。

高齢者の「粗食」に注意 肉・脂の不足、老化早める 朝日新聞 9/18
 
http://apital.asahi.com/feature/others/2013091700012.html
 うちの両親はお互いに老老介護しあいながら?生活をしていますが、たまに宅配サービスなどを利用していますが、長続きしません。理由は一つ・・・口に合わないから。この気持ち良く分かります。値段はそこそこ、でもあまりにも粗食過ぎますから・・・

はしかウイルス、国内は「排除状態」に 予防接種は必要 朝日新聞 9/18
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013091800006.html
 特に大人が罹患すると重症化しますからねぇ・・・周囲環境が綺麗になりすぎて免疫力が低下した現代人・・・弱い弱い、でも仕方ない・・・

アルツハイマー:原因物質?「タウ」集積画像化に成功 毎日新聞 9/19
 
http://mainichi.jp/select/news/20130919k0000m040156000c.html
 海馬と言えば・・・この間神戸大学に行った折、研究室を見学させてもらいました。研究室の先生はマウスの脳組織、特に海馬に注目し研究をされている方でした。見学者は私ともう一人どこかの院長の方と二人だけでした。・・・おちも何もない、ただそれだけの話・・・でも研究室に行ってびっくりしたのは生組織の状態で1ヶ月培養が可能となったということでした。

「月に酔う」 紀伊民報 9/19
 
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=260114
 昨晩、中秋の名月を堪能された方も多いかと思います。私も酔いしれた一人。
 このコラムではまどみちおさんが取り上げられていました。非常におおらかで雄大な印象を受ける方です。まどみちおさんと言われてもご存じでない方もおられるかもしれませんが「ぞうさん」の作者。

『尿路結石症診療ガイドライン』が10年ぶりに大改訂 ケアネット 9/20
 
http://www.carenet.com/news/general/carenet/36191
 私も尿路結石症患者の一人です。私の場合、恐らく家族性高尿酸血症に起因するもので、尿酸結石であるが故、通常の撮影では結石は描写できません。全くの興味本位ですが、この本を読んでみたかったのでご紹介。

救急患者断らない病院、全国100か所整備へ 読売新聞 9/20
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84965
 高齢化が進んでいる昨今、断らない病院があることは非常に魅力ですが、診療報酬で変な縛りを入れないよう配慮し、継続出来るような仕組みを構築してもらいたいものです。

「国民病」糖尿病500万人抑制…25年度目標 読売新聞 9/20
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84963
 ここに記載されている内容が本当であるならば、予防医学や地域連携の重要性についてもっと真摯に取り組むべきだと思います。糖尿病を例に挙げると、糖尿病教育入院パスなどの設定において、入院計画書ではなく、治療計画書への転換を図るべき。今我々(神戸医療センターの合同研究班)は個々の部分を研究材料とし、改善を図ろうと試みています。まだまだご紹介に値する内容ではありませんが、いずれご紹介できれば、と思います。

シャーガス病の感染例確認されず 病原体混入恐れの輸血出荷 47NEWS 9/20
 
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092001001302.html
 シャーガス病については特集を組んだばかりですが、感染例が確認されずホッと一安心です。日経メディカルにも紹介されていました。
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201309/532497.html

65歳はもう「高齢者」じゃない? 学会が定義を再検討 朝日新聞 9/20
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013092000004.html
 確かにその通り。65歳と言えばまだまだ若いと思いますし、社会貢献をまだまだやってもらわないといけない年齢。但し高齢化にばかり目を向けるのではなく、これからの世の中を背負っていく若手が社会貢献できるように真剣に国家として取り組んでもらいたいと思います。そのためにはしっかりとした教育制度や教育内容の見直しが必要であると思います。

色覚異常、半数気づかず 検査中止10年、進路断念も 朝日新聞 9/19
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013091900007.html
 私、恥ずかしながら色覚検査を学校でしていないことを全然知りませんでした。そういえば、うちの子供たちの健康診断表を思い出してみれば、視力の欄はありましたが、色覚異常の欄は見たことがありません。でも知らずに危険にさらされることや様々な弊害があることは明らかで、色覚検査を実施すべき、と私は思います。プライバシー保護も大切でしょうが、命を守ることや将来設計をすることの方が大切なのでは?

新型インフルワクチン:会社員優先…大流行時スパコン試算 毎日新聞 9/19
 
http://mainichi.jp/select/news/20130919k0000e040196000c.html
 こんなん、わざわざ言われなくても分かっていますよ!と言いたくなります。数年前のパンデミック騒動の際にワクチン接種の順位などすでに検討されている問題じゃなかったのかな?とふと思いました。

子どもの読み書き障害、病態解明 大脳活動に異常発見 47NEWS 9/19
 
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013091901000897.html
 私は読み書き障害はないと思っていますが、今でいうGPS機能に重大な障害を来たしていると自己認識しています。とにかく経路を認識できないということ。一説では、動体物に対する注目度が大きいため野生型とも称されています。
 いわゆる「方向音痴」。

がん切除、切開位置を投射 手術精度向上、高知大が開発 47NEWS 9/19
 
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013091901000958.html
 その昔、超音波検査を行っているときに、PTCDなどの際、穿刺位置を確認・決定する作業をやっているときのことを思い出しました。その時に、この技術があれば、様々な方面に活用できたと思います。しかし電子端末が普及し漢字を書けなくなった人が多くなったように、人体を3Dイメージ画像として自身の頭脳に展開できる人が少なくなる危険性もありでしょうね。技術革新により便利になればなるほど人間の能力が退化していくのもこれまた真実。

患者紹介ビジネスというスクープ 朝日新聞 9/20
 
http://apital.asahi.com/article/kasama/2013091700007.html
 患者紹介ビジネスについては、朝日新聞で大々的に取り上げられ、私自身も特集を組もうと今準備をしているところですが、朝日新聞からの一方的な記事なので、出すべきか否か、少し躊躇しています。

河北春秋 9/20
 
http://www.kahoku.co.jp/column/syunju/20130920_01.htm
 「組織を当てにしたら改革・実施がいつになるか。人を出せば組織は口も出すし邪魔もする。それでは前に進まない」
 組織を当てにはしていないけど、最終的には組織を動かすうねりにならないと・・・いつもジレンマを感じている部分です。


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20130918-671号 9/8~9/14の週に配信したニュース [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 今宵は検査当直。私の場合、週始めに当直することが多く殆どが月曜日なのですが、緊急検査以外の雑用?が多く、ちょっとバタバタしております(本日は連休明けで火曜日ですが)。当直業務は明けの日も通常業務なのでかなり眠い一日を過ごすことが多いのですが、往復4時間半ほどの通勤時間から解放されるので楽な面もあります。とは言え、やはりいつ呼ばれるか分からないうえ、仮眠よりもついつい自分の仕事を優先させ、眠らないこともしばしばです。明日(今日ですね)は定例会議が無いから、思いっ切り秋の夜長を楽しむこととします。

 ところでこの「秋の夜長」ですが、この「夜長」とはどういった意味かご存知でしょうか?

 時候の挨拶では秋に使われますが、冬の方が夜は長いんじゃとお思いの方もおられるかと思います。夜が一番長いのはこれからの時期だと冬至になります。冬至を過ぎると夜はだんだん短くなるのでこの時期を夜長と呼ぶ、とか、夜過ごしやすいから夜長だとか、様々な回答が見られます。

 『大辞林 第三版』では「夜が長いこと。秋が深まるにつれて夜が長く感じられること。[季語]秋。と書かれていますし、『ホトトギス新歳時記 改訂版』では9月の季語になっています。9月ごろから11月ごろまで使われる表現らしいですね。急に長くなった夜に少しさびしく思い、物思いに耽ってしまうのが秋の夜長・・・ということです。私の場合、秋に限らず、年がら年中仕事に関する物思いに耽る時間が長くなり、おかげさまで寂しくはありません。虚しくなるときはありますが。

 さて、つかみはこのくらいにして、本題に移ります。


 この病気、聞いたことはありましたが良くは知りませんでした。どんな病気なのか、ここから一部引用しておきます。
 
http://www5a.biglobe.ne.jp/~imagawa/hoken/byouki/moumakusyo.htm
 網膜の血管の未熟性に基づく疾患。在胎週数34週未満、出生体重が1800g未満の低出生体重児に起こり易く、生後3~6週ごろ発症する。
 ヒトの眼は妊娠第3週ころにできはじめ、眼球の形がほぼ完成するのが7週ごろ。光の刺激を脳に伝える神経の膜である網膜もこの時期には形成されており、そこから伸びる視神経も神経管を伝って大脳にまで到達しているが、網膜を養う血管は妊娠16週以降に視神経乳頭部から網膜の外側へと発達し始める。この視神経乳頭部は中央よりやや鼻側にあり、鼻側の網膜血管は妊娠第8ヶ月くらいには網膜の端まで発達し終わるが、耳側の網膜血管は長いため9ヶ月以降にならないと発達し終わらない。
 したがって多くは耳側の網膜に病変が起こる。


未熟児の網膜症、新手術が効果 67%「生活支障なし」 朝日新聞 9/9
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013090900003.html


 様々な発見により従来の概念が覆されるケースは多々ありますが、この関連遺伝子についてはまだまだ出てきそうな予感が・・・

性別決定 X・Y染色体以外にも新たな遺伝子 読売新聞 9/6
 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84242


 こんなニュース出されると、またまた給与カットとなるんでしょうかねぇ・・・バブルや景気のいい時は「何で公務員なんかしているの?」とバカにされ、不景気になると「公務員は給料もらい過ぎ」・・・何か不思議な世の中。国民は自由主義が良いのか、共産主義が良いのか・・・我々はバブル期には指をくわえてただ我慢していたんですけど・・・(;;) 国家公務員叩きの次は独立行政法人職員ですか・・・私、天下りとは全く違うんですけど。

独立行政法人の年収646万円 国家公務員との格差拡大 産経新聞 9/6
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130906/plc13090617430016-n1.htm


 この記事の最後の部分、日本歯科医師会常務理事の発言で「患者さんにとって手続きが煩雑化しないかと危惧している。あまり細かい仕組みになるのはどうか」と記載されています。行政側や施設側の対応が煩雑化するのなら理解できますが、何故患者側の煩雑化になるのか、理解が出来ません。

厚生労働省、高額療養費で見直し案―高所得者は限度額引上げ QLitePro 9/11
 
http://www.qlifepro.com/news/20130911/in-medical-expenses-review-draft-high-income-earners-maximum-amount-of-increase.html


 良く報道等でも、「がん診療最前線」なんて特番がよくされていますが、一般国民のもっと判り易く、現在行われている治療を客観的に評価し、比較検討したものが提示されれば、と思います。あれも良い、これも良い、では正直言って理解しづらいです。

がん医療「生活の質」尊重 ポートアイランドに開院半年 読売新聞 9/10
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84370


 肥満には色々な個人的素因、要因が重なっていますので、一度分けて提示してもらいたいものです。

肥満:要因になる遺伝子の一つ特定 京都府立医大グループ 毎日新聞 9/11
 
http://mainichi.jp/select/news/20130911k0000m040028000c.html


 パーキンソン病については病態であるとか要因であるとか言った部分、解明されているものもあるのですが、根本的治療に結び付けられるものが無いということは、まだまだ未解明のものが多いということでしょうね。運動障害のためADLが低下し、免疫力も低下する、いわば悪循環にも繋がるわけで、様々な合併症もあるかと思うのですが、あまりこの部分に触れられているものはありません。

手足震え、動作鈍くなるパーキンソン病 薬工夫で生活の質向上 朝日新聞 9/10
 
http://apital.asahi.com/article/iryou/2013091000002.html


 最近コンビニなどでもローカロリーを意識した商品が多くなりつつありますね。私もそろそろカロリーを考えないといけないお年頃ですので、こういった商品を購入しますが、小さめのサイズのものが多く、ついつい数が増えてしまいます。ですから総摂取量はあまり変わりません。

食事療法でもおいしいパンを 低カロリーで糖分吸収抑え 朝日新聞 9/12
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013091200001.html


 診療するのは人ですので、診療できる人数が少なければ受け入れ制限を行わざるを得ないのが現状。しかし国民もその辺をきっちりわきまえないといけませんね、何でもかんでも病院に行けばいいといった考えは改めないと。それと総合診療できる医師の話は良く持ちあがりますが、診療の前にフィルタリング出来る機能が充実してくれば、本当に医療を必要とする患者さんに対し適切にご提供できると思います。こういったフィルタリング機能を受け持つシステムを充実させられれば、と思うのですが。

診療制限なしの病院数、6年連続で減少-愛知県調査、「医師不足深刻な状態」 医療介護CBニュース 9/11
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130911-00000000-cbn-soci


 うーん・・・客観的なデータが無いので何とも言えない内容ですね。尿中アルブミンについては以下のサイトで簡単に述べられています。あまりにも簡単な内容ですがご参考までに・・・
 http://wakamatsu-cl.ftw.jp/u48360.html?29822

尿検査で2型糖尿病患者の認知障害を検出 CareNet 9/13
 
http://www.carenet.com/news/general/hdn/36137


 いよいよ夏も終わり?でもまだまだ暑い日が続いていますね。先週後半から今週前半にかけては上着を着て通勤していたのですが、あまりにも暑くってここ数日はまたクールビズで通勤しています。
 RSウィルス感染症のQ&Aについては厚生労働省HPにて掲載されています。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html

RSウイルス、東京や九州で感染拡大-過去10年で最多、例年より早く流行か 医療介護CBニュース 9/12
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130912-00000001-cbn-soci


 確かに乳がんに対する情報量が増え、昨今は遺伝子診断などの話題もありましたので、自衛への意識が増しているのは確かです。但し統計というものはもう少し長期的視野で捉えないといけないんじゃないですかね?

乳がん死亡率、初の減少 2012年、検診など効果か 朝日新聞 9/13
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013091300001.html


 49項目がどの様なものか判りませんが、判明したら再度掲載したいと思います。またこの規制改革会議、もうちょっと知りたいので、調べてみてから特集でも組もうかな?

看護師業務の拡大検討 規制改革会議、49項目選定 朝日新聞 9/12
 
http://apital.asahi.com/article/news/2013091200019.html


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20130917-670号 9/1~7の週に配信したニュース [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 今回の台風18号の被害は当初予想したものを大きく上回るものでした。全国各地に多大な被害を及ぼしましたが、皆さんの所では被害はありませんでしたか?被害を受けられた方々の一日も早い復旧をお祈りしています。

 私の居住している枚方では大きな被害が無かったと思っていましたが、友人から昨年夏の水害を受けた地区も床上浸水になった所があったと聞きました。

 また家内の実家は今回大水害のあった京都府福知山市で、水害のひどい戸田地区と大江地区に挟まれた場所にあります。義母は幸いにして先週より実家を離れていたため無事なのですが、実家の地域が陸の孤島化している様で、様子を見に行くことも出来ず心配しています。無事であれば、と願っています。

 さて、本メールニュース以外に私のフェイスブックページ「Project 102」でも最新の医療情報をご提供している事は既にお伝えした通りです。本メールニュースを再開した当初、切り分けてご提供しようかと考えていましたが、フェースブックでご提供した内容を少々遅延しますが、メールニュースで配信しようと思います。記事毎に簡単なコメントをつけているので、本メールニュースでの配信は、何やら取り留めもない内容となるかと思います。以前から読まれていた方には違和感があるかもしれませんが、ご理解ください。なおリンク先が全て読めない場合もあるかと思います(一部有料サイトも有り)。


 もうええ加減にせよ!と言ってもまだまだ出てくるのでしょうね。この会社に限らずですが、常識的に何を優先すべきか考えたら自ずと答えは導かれるはず。
 お昼のニュースでも、国費投入なんてことが流れていましたが、こんなの前から言ってたこと。でも半国営企業だから?ライフラインの最たるものだから?経済への影響が大きいから?・・・国費投入なんて、多くの国民は納得していないと思います。賛成する方も、致し方ないから・・・でしょう。さらに東電の役員さん方、せめてもう少ししおらしい態度をすりゃあ良いものを、開き直った姿を幾度も見るにつけ、こんな方々に最初言った「常識的に」なんて通用せんのでしょうねぇ。
 我々の組織もまあ半国営企業みたいなものですけど、やれ独立行政法人だ、とかでひとくくりにされて、ほんま迷惑ですわ!一緒にせんとって!と声を大にして言いたい!

毎日新聞社説9/3:原発汚染水対策 首相の危機管理を問う
 
http://mainichi.jp/opinion/news/20130903k0000m070110000c.html
汚染水漏れ:別区域で新たに? タンク底部で高線量検出 毎日新聞 9/2
 
http://mainichi.jp/select/news/20130903k0000m040088000c.html


 当たり前のことを書かれているのですが、改めて読むと納得。このサイト、ログインが必要ですので、会員の方以外は見れないかも。でも登録は無料ですので、入会していて損はないサイトです。

泣かせずに子どもを診るワザ教えます 日経メディカルオンライン 9/3
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/yokoi/201309/531995.html


中医協情報です。3つ続けてご紹介。

中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会(第58回)議事次第 9/4
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000020568.html
中央社会保険医療協議会 総会(第248回)議事次第 9/4
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000020548.html
中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第13回)議事次第 9/4
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000020570.html


 先月末に朝日新聞で出された記事ですが、面白い視点で書かれています。我々検査技師は患者さんとの接点をもっと密にしたいと願っているところですが、患者さんが臨床検査技師に配慮すること・・・なんて面白い。しかしこれを読むと臨床検査技師って、一般人からすると、人付き合いが苦手で話下手ってイメージの様ですね(いわゆるおたく?)。また診断分野に特化したようなイメージを払拭させるための努力を今後ますます積み重ねないといけないですね。反省する点の多い記事内容です。

医療職種紹介シリーズ8 「臨床検査技師」 8/28
 http://apital.asahi.com/article/nob/2013082700008.html


 これまた面白いと感じた記事です。GDPの改善予測が出たとはいえ、まだまだ不況が続くご時世ですから、このような記事となるのでしょうね。重複検査についても少しだけ触れられていますが、全国どこで検査をしても同じデータ・・・といった標準化が推進されなければ根本的解決にはならんでしょうね。

医療費 節約上手に…まず診療所、「はしご受診」避ける 読売新聞 9/4
 http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20130904-OYT8T00395.htm


 詳しい内容を見ていないので、あまり語ることは出来ませんが、この病床機能区分の変更は色々な面において影響を受けること必至です。今後の動向に注目したいと思います。

病床機能区分、4区分で固まる CBnews 9/4
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40827.html


 もっと詳しい内容を見てみたいですね。重症低血糖時の組織への影響などをイメージすると、高血糖状態とはまた違った負の連鎖が頭に浮かんできます。関連記事を見つけられたらまたご紹介したいと思います。

国立国際医療研究センター、重症低血糖時の危機的状態を解明 9/4
 http://news.mynavi.jp/news/2013/09/04/272/


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20130913-669号 社説、コラムアラカルト(東京オリンピック、学力テスト、絆) [kensa-ML NEWS 【情報】]

皆さん、こんにちは。神戸の新井です。

 今日は2013年9月13日(金)。13日の金曜日でしかも仏滅ときた日にゃあ、不吉な予感がプンプンです。これでメールニュースの連番が666とかだったらなお一層良かったのに(残念ながら669)・・・とか余分な事を色々と考えておりました。しかし幸いにして今日は不幸なビックニュースは入ってきていませんね。

 先週から今週にかけてのビックニュースと言えば、東京オリンピック!でしょうが、各報道機関はこぞって特番していました。各新聞社の社説、コラムも全国的にほぼ100%に近いくらいこの話題で持ちきり。この一週間で東京オリンピックに社説、コラムで一切触れなかった新聞社などなかったんじゃないですかね?

 私の情報収集タイムとして朝の通勤時間2時間超(実質的には乗継3回ありますしネットが繋がらないところもありますから、おおよそ1時間ちょっとの検索時間)が大きなウェイトを占めています。この時間に何をどうするのかというと、ひたすら全国各地各新聞社の社説とコラムを流し読みし、大手5社(朝日、読売、毎日、産経、日経)とあとは東京、京都、神戸の各社、それとニュース内容に応じて全国各地のものをスマホで流し読み。最後の締めとして有料会員になっている朝日デジタルを斜め読み。流し読み、斜め読みしたものはEvernoteに送信しニュース材料として取り込んでおく、といった感じです。電波状態の良い時にはテザリングでパッド端末(Nexus7)を使用しています。以前はノートパソコンをほぼ24時間携帯しイーモバイルでネットに繋げていましたが、かなり便利になったうえ端末も軽量になり、通信費もお安くなりました。自宅、職場ではWiFiを使っていますので、通信速度は全く問題となりません。病院についたら医療関連ニュースをチェックしニュース記事になりそうなものは保存。不満はスマホですね・・・クアッドコアが発売され飛びついたものがいわゆるほぼリコール品・・・ちなみに○○通製で純国産品、でも不良品。この異常な発熱体をあと一年我慢しないといけないのです・・・

 ついで言って、帰りは頭がかなり疲れているので、ネット検索をちょっと横に置いといて、ダウンロードした映画やドラマを見ています。最近はまっているものは「半沢直樹」と言いたいところですが(もちろん見てはいますけど)、「孤独のグルメ」ですね。主人公の井之頭五郎を演じる松重豊という俳優さんが私、大ファン。実に味のある俳優さんですね。

 おっとかなり脱線してしまいましたが、実はというとオリンピックの話をしたかったのですね・・・まずは9/12の京都新聞社説から・・・


 悪いですけど何を綺麗事言ってるの?マスコミさん?って感じですね。
 勿論大義名分はスポーツ普及により様々な効果を生み出すということでしょうけど、そのためには国民が理解しやすい実証されかつ明確なコマーシャルベースが必要であることは明白です。また広告塔として活動してもらう人材、国民に分かりやすいメッセージを送る人材、国民に周知されやすいシステムを構築する人材、その他にも様々な人材が交わって初めて実績が生まれるはず。
 精神主義、勝利至上主義を否定されていますが、国際試合になればなるほど金メダル、金メダル、と視聴率や購読率を向上させるため、国民が一喜一憂する様に仕向けられるのは、一体誰ですか?と問いたいですなあ。
 私、暴力はもちろん否定しますが、信頼関係のある愛のムチは必要だと思います。要は、怒るのではなく、叱る事が大切。
 話がまたまたずれましたが、スボーツ庁にメダル目的、あって然るべき、と私は思います。「オリンピックは参加することに意義がある!」なんて綺麗事、戯言言ってんじゃねえよ!、と思います。


スポーツ庁 メダル目的ではだめだ 京都新聞社説 9/12 (一部引用)
 
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20130912_2.html
 政府はスポーツ行政を一元的に行う「スポーツ庁」創設を本格的に検討しているという。
 2020年夏季五輪の東京開催決定を受け「総合的、一体的な行政組織の在り方について検討を進める必要がある」(菅義偉官房長官)ためだが、メダル獲得が主眼になっては、本来の趣旨に反しよう。競技スポーツに偏らず、地域スポーツや企業スポーツまで幅広く振興を図るための組織改編にしなければならない。
 スポーツ庁は、民主党政権下の11年6月に成立したスポーツ基本法の付則に「設置の検討」が明記された。施策の推進を「国の責務」と位置づけ、国家戦略としてスポーツ立国を目指す一方、すべての人にスポーツを楽しむ「スポーツ権」があることをうたった。
 その趣旨は、一流選手の育成にととまらず、暮らしの中のスポーツを豊かにはぐくむことにあった。スポーツ庁がそれにこたえなければならないのは当然だろう。
 文部科学省は、基本法に先立って「スポーツ立国戦略」をまとめている。その中で、多くの人々がスポーツに親しむ生涯スポーツ社会の実現や、引退した選手に指導者として各地のクラブで活躍してもらうことなどを重点に挙げた。スポーツ庁ができれば、しっかりリードしてほしい。
 競技スポーツの面では、複数省庁にまたがっていた所管を一元化することで、より効率的な選手育成が期待される。
 例えば、現在の所管は五輪が文科省、パラリンピックが厚生労働省と分かれているため、文科省所管のナショナルトレーニングセンター(NTC)が障害者向けに設計されていないなど支障が多い。所管を一元化できれば、そうした弊害を解消できる。特定の部位を鍛えることに長じたパラリンピック選手の練習法を五輪選手に生かすなど相乗効果も生まれよう。


 も一つ取り上げておきたいものがありました。全国統一学力テストの話題。うちの息子もこれ、中学三年生の方で受けました(別に小6との選択じゃあないですけど)・・・社説に書かれていることはごく普通。普通以上でも以下でもありません、全くの正論で面白味なし。そんなことよりも、これを読んでいるうちに日医サーベイが思い浮かんできたので取り上げてみました。要するに学力テストと日医サーベイを比較しながら読んでみたのですね。

 日医サーベイいわゆる日本医師会臨床検査精度管理調査ですが、今年度もあと1か月ほどで開催の運びとなりますが、元々何を目的に実施してきたかというと、検査データの精度向上は勿論のこと、施設間互換性向上こそが主目的。実施意義をとやかく言うつもりは毛頭ありませんが、最近の実施方法や受け止め方は本来の趣旨とは掛け離れたものになっています。
 学力テストも、日医サーべイも、ベースラインを明確化し、全体としてのレベル向上を目指すものであり、競争材料としてのデータを公開したところで向上効果を期待出来るものかどうかは疑問です。しかしある意味刺激となっていることは事実です。本来行うべきことは、基準値というか、平均値を知ることで、自身の改善すべきポイントを明確化するということでしょう。
 ですから精度管理調査が本来実施すべき実施方法は、目標値を設定し明示すること、更にはその目標値に近付くことが出来る様、コンサルテーションすることであると私は思っています。ですから現状の品評会、発表会では真の改善効果は全く得られないとは思いますが、副産物があることも事実。多くのスタッフで取り組むことも多いでしょうし、技師長や副技師長との協働作業を行うことにもなるでしょうから、チームワーク形成といった点や、年に一回しっかりとした手法で精度管理を実践できる機会が得られる、といったメリットでしょうね。
 またこの日医サーベイは今年度が第47回と歴史のあるもので、医療部門で唯一、質を点数換算し評価されるというもの。問題点は多々ありますが、これこそしっかりと参加しなければならない、いわば臨床検査技師にとって義務と言えるものです。この調査に不参加の施設もあるようですが、私には全く理解が出来ませんし、医療分野における客観的評価指標の最たる臨床検査データを冒涜というか、義務を果たさないままでは権利も主張できねえや!と思う次第です。
 本題に戻りますが、校長名の公開など本来の趣旨からかけ離れるもので愚の骨頂、怒りや見得からは何ら建設的な意見や考え方など生まれてきません。頭冷やして本来趣旨をよく考えはったらどうでしょう?


学力テスト 学校支配に利用するな 東京新聞社説 9/11 (一部引用)
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013091102000162.html
 静岡県の川勝平太知事が全国学力テストで県の成績が悪かったとして、下位校の校長名を公表する意向を示した。教師への“罰”で傷つくのは子どもたち。歪(ゆが)んだ競争に追い立てるだけではないか。
 学校現場にどんなメリットや効果があるのか。先に成績が公表された全国学力テストで、静岡県は小学六年の国語Aの平均正答率が全国を5ポイント下回る57・7%。都道府県の最下位だった。
 これを受けて川勝知事は成績の悪かった百校の校長名を公表したいと記者会見で語った。成績が悪いのは教師のせいだ。校長名を公表して責任を取ってもらう。反省を促すのだ-と。
 文部科学省は学力テストの実施要領で学校名を明らかにした成績の公表を禁じている。過度な成績競争を防ぐためで、一九六〇年代に続いた学力テストをやめる大きな理由になった。知事は「校長名の公表は問題ない」と言うが、校長名が分かれば学校名もわかる。
 学力テストは本来、子どもがどんなところでつまずいているのか、どんなことができるようになったのかを教師が知り、指導の改善に役立てるためにある。
 成績には教師の教え方が影響するのはもちろんだが、地域や家庭の抱える事情などさまざまな要素が反映する。学校現場はそれらを細やかに見ていくことこそが求められている。
 小学六年や中学三年を対象に行われている全員参加式のテストに疑問が持たれているのは、平均値をはじきだし、都道府県をランク付けするからだ。平均値より上か、下かなど点数のみに関心が向けられ、一人ひとりの課題を見つけるのに役立てられていない。


 さて今号は10年超のメールニュースの中で初体験となります。これまでメールニュースでは医療系ニュースを必ず掲載してきましたが、今号では社説、コラムの紹介のみといった内容でお届けします。単にネタ不足じゃねえのか?と思われる方もおられるかもしれませんが、ネタは溢れるほどあります。前駆細胞の話題や患者紹介ビジネス、規制改革会議の話題等々です。これらについてはもう少し練り直して皆さんにお届けしますので、しばしお時間を下さい。
 医療系ニュースの最新情報については随時、私の運営するフェイスブックページ「Project 102」に掲載していますので、フェイスブックユーザーの方々はこちらを是非ご覧ください。入会キャンペーンはしておりませんが、カバー写真直下の「いいね!」を押していただくとインフォメーションが届きます。
 
https://www.facebook.com/Project102.MT


 最後は神戸新聞9/11付けのコラム。この日は東日本大震災から二年半ということで、特集を組まれた新聞社も多数でした。その話題はさておき、「なるほど!これは名言!」と思ったのが、「約束を守ることが絆を育むこと」。まさにその通りですね。私自身約束を守るということを意識下では徹底しているつもりですが、ついついその約束を忘れてしまっていることもあるかと思います。ですから偉そうになんて出来ないのですけど、最近ではリマインダーという便利なものがあります。私の場合、前述のEvernoteとGoogleカレンダーでの設定になり(要は目覚まし時計を2個置いているようなもの)、入力するのはほんと面倒なのですが、約束を忘れてしまうことは少なくなった気がします。約束を守ることは信頼関係構築の第一歩だと思いますし、人にとって大切な事。私の場合、また会おう!とか、また飲もう!と口約束することが多いのですが、口だけの人にならないように気を付けないといけないなぁ・・・とは認識しています。このメールニュースの読者で私と口約束した方、そのようには考えておりますので、実現出来ていなければ、ごめんなさい!一番謝らないといけないのは・・・おそらく家族に対してでしょうね。公開謝罪しておきます。ではまた。


正平調 神戸新聞コラム 9/11 (一部引用)
 
http://www.kobe-np.co.jp/column/seihei/201309/0006327710.shtml
 みんな村に帰ろうよ。村長が帰村宣言した福島県川内村を訪れた。今、東日本大震災前の約2800人のうち、約540人が暮らす
◆「でも20代から30代の女性は5、6人なんです」。村の幹部が言った。子どもや女性が戻らない。住宅の除染は終わったものの、村の9割を占める森林は対象外だ。どこまで除染するのか、できるのか。どこかで「折り合い」を付けることを突きつけられている
◆柳田邦男さんの著書「言葉が立ち上がる時」で、飯舘村の女性の言葉を読む。「放射能よりも恐ろしいのは心が壊れてしまうこと」。この場所を捨てて、どこかへ行ってしまったら心が壊れてしまう。女性は手記につづる
◆東日本大震災から2年半。被災者の多くは、どうかすると心が壊れてしまいそうな日々を送っている。放射能、高台移転、仕事や地域の立て直し。ぎりぎりのところで、何とか前を向き、踏みとどまっているように見える
◆昨日、本紙朝刊でボランティアコーディネーターの男性が語っていた。「また来るね」と別れても、被災者は約束がなかなか果たされないことを知っている。だから「約束を守ることが絆を育むことなんだ」と


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120914-664号 9/5~9/14のニュース [kensa-ML NEWS 【情報】]


 皆さん、こんにちは。神戸の新井です。

 台風接近の影響か、神戸ではお昼過ぎより風が強くなってきました。大型で猛烈な台風16号は明後日には沖縄本島近くを通って北上する見込みです。太平洋高気圧の勢力が強いため、東シナ海方向に向かう予想となっていますが、今後の気象情報に注意してください。 http://tenki.jp/typhoon/

 私の在籍する神戸医療センターでは、今週、更新自動分析機器が続々と搬入されるとともに、10月中旬から稼働開始となる検査システムの各種調整作業で、ベンダー・メーカーの方々とスタッフが入り乱れ、ごった返しています。私はというと少々お疲れ気味で原因不明(おそらく過労とストレス)の蕁麻疹に悩まされています。抗ヒスタミン剤を飲んでいますが、今のところあまり著効しているといった感はありません。過労とストレスが原因で・・・と話しても周囲の方々は、「ウソでしょう?!」の一言で済まされてしまいます。週末ゆっくりと休みたいところですが、少年野球もあり、親戚の見舞いもあり、実家にも行かないといけない用事もあり・・・とゆっくりとは出来そうにないですね。一部のスタッフは家に持ち帰っての夜なべ仕事もしてくれていますので、私も頑張らないと・・・といったところです。

 さて毎週配信を目標にしていましたが、早速挫折してしまい申し訳ありません。記事は山ほどあるのですが、なかなかフェイスブックに投稿する時間も取れない状況なので・・・と言い訳ですね。とにかく継続できるよう頑張ります。以下、9/5から9/14までフェイスブックに掲載した記事です。


チーム医療推進協がロゴデザイン募集- 10月下旬まで CBニュース 9/4
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38033.html
Comment: 以前から疑問視し、何の団体?と私が感じているのがこの団体。チーム医療推進協議会 http://www.team-med.jp/ っていうこの団体がなぜ不思議かというと、臨床検査技師がチーム医療の中に入っていない・・・臨床検査技師ではなく細胞検査士が入っています。ほとんどが国家資格を書き連ねているのになぜ臨床検査部門だけが認定資格分野のものを書いているのか、単なるいやがらせなのか、検査技師会との仲が悪いのか、良く分かりません。一般の方々がこれを見たときに、どう思うのか、ということでしょうね。
 そもそも数ある医療職種の中の客観的評価指標のうち、最も客観的と言えるのが臨床検査データであり、EBMの根幹ともいえるものです。ですからこの協議会はEBMを否定されているのでしょう。それか、チーム医療とEBMは別次元の議論で、と考えておられるのか、いずれにしてもおバカです。これは臨床検査技師を認知しない嫌がらせ協議会も、この仲良しグループに入ろうとしない頑な臨床検査技師も、という意味です。
 ま、この協議会から専門職として認知されていない臨床検査技師ですが、奮起して立ち上がらなければ! 過度に反応し過ぎるのもおバカだとは思いますが・・・発足当初から何にも変わりませんねぇ・・・今さら検査技師の名前を使われるのもしゃくですので放置プレーが一番かな?(^^)


子宮頸がんHPV検査の国内研究必要- 厚労省「がん検診」検討会 CBニュース 9/3
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38037.html
Comment: 昨年は、HPV感染予防ワクチンの公的補助についての話題によって、一躍脚光を浴びたHPV感染症ですが、今年に入ってからあまり話題に上っていませんでした。しかし水面下では動いていたのですね。ワクチン接種の必要性についてはもはや議論をするべきではないのでしょうが、HPV感染症と検査について本質をきちんと把握しておく必要があります。

HPV感染症について詳しく書かれているのがここ。   
 
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/medical_info/presentation/201101.html

HPV検査についてはこちら
 
http://www.selfhpvtest.com/

子宮頸がんの細胞診検査についてはこちら
 
http://healthlife.xrea.jp/sikyugan/category2/entry13.html


がん・感染症の検査感度を100万倍高める技術 読売新聞 9/2
 
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120831-OYT1T01213.htm
Comment: さて臨床検査に関わる話題提供でしたので、ご紹介しておきます。近年検査法の進化と共に検査精度や感度が高まってきているのですが、特に腫瘍マーカーや感染症マーカーに関する高感度アッセイのニーズが高まってきていることは、皆さんもご承知だと思います。今回開発された技術が今後どのように生かされていくのか、非常に興味深いですね。本記事ではPSAが取り上げられていましたが、従来法より100万倍の感度とか・・・ここまで来てしまうと少し動いても検査の数値は上がるでしょうから、採血法について今後注目されるかもしれませんね(採血前は30分間安静にして寝るとか)。しかし生理的変動幅のこともありますから、むやみやたらに感度が高くとも無意味なものもあるでしょうね。やはり感度と特異度のバランスをよくよく考えないと・・・
 東京大学からの共同発表内容は以下のサイトです。こちらの方が分かり易いですね。 
 
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120831/index.html


がん守る細胞、取り除く療法治験 東大・阪大など計画 朝日新聞 9/14
 
http://digital.asahi.com/articles/OSK201209130222.html?ref=comkiji_txt_end
Comment: 制御性T細胞については最近良くトピックが出されていますが、「免疫」という分野、本当に奥が深いですね。まだまだ解明されていないことが多く、今後の研究の進み具合によっては画期的な治療法が開発されるでしょうね。実に興味深いです。
 6月の日経メディカルより出された記事です。
「制御性T細胞 骨髄移植や癌の治療に応用」
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201206/525499.html

理化学研究所から詳しく述べられていたのがここ。
 
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/news/2012/feb/frol_02.html


がん細胞転移 解明の糸口 「成長因子」関与確認 読売新聞 9/13
 
http://chubu.yomiuri.co.jp/kenko/tokai_medical/tokai_medical120913_1.htm
Comment: 近年、脚光を浴びている「分子標的薬」ですが、このようながんの転移メカニズムを解明することにより新薬開発に結びついていくのですね。プロセスが良く分かり、非常に興味深く読みました。

上皮成長因子
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E7%9A%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E5%9B%A0%E5%AD%90

分子標的薬
 
http://www.gsic.jp/medicine/mc_02/bsc/index.html


出来高算定36病院がDPC並みデータ提出- 厚労省通知・来月から加算へ CBニュース 9/13
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38107.html
Comment: ちょっと話はずれますが、私の所属する神戸医療センターはDPC施設です。そのため、臨床検査部門の入院患者における臨床検査はなかなかコストとして明確に分からないのが現状であり、大きな問題点です。ここを何とかしたいと、現在思案中のことがあるのですが、なかなか前に進みません。とにかくまずはDPCのことをしっかり理解しようと思っています。

いまさら聞けないDPC(1)- 調整係数はなぜ見直すの?
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37599.html

いまさら聞けないDPC(2)- DPC病院2群と3群、有利なのは?
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37610.html

いまさら聞けないDPC(3)- 薬剤費1日目集中型、試験導入の狙いは?
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37617.html


DPCでは「選択と集中」が重要- 近森院長 CBニュース 9/13
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38108/page/0.html
Comment: 近年、診療報酬体系が激変し、各種加算を獲得しないと経営基盤そのものが危うくなってしまいます。ですからどこの施設も二年に一回の診療報酬改定時にはあくせく各種加算への対応を余儀なくされますが・・・
 でも各種加算獲得を目指すばかりに、上っ面取り繕うだけで中身の無いことをされている施設もあります。こんなん患者騙しや!と思いますし、本来業務をもっとしっかりと評価し算定してもらいたいなぁと思うのですが・・・現在の診療報酬体系では正直者がバカを見ることも多いですね。


電子カルテ県外で保全 8病院、津波備え…和歌山 読売新聞 9/11
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=64726
Comment: これは単なるバックアップサーバを意識したものか、それともクラウドを意識したものか、どちらでしょうね。記事内容から見るとクラウドかな?
 私の所属する臨床検査部門では、10月中旬稼働を目指し、現在「総合臨床検査データ集積システム」の調整作業の真っ只中です。現状ではコスト面でまだまだ不可能なのですが、近未来的にクラウド型に切り替えられるシステムにしようとしています。現時点でのステップはバックアップサーバを外部に持つということ。同じような感じですね。しかし共同利用するためには標準化というものが必須要件となりますが、そこまでの意識はこの記事からは読み取れませんね。私のところの新規導入システムでは、標準化コードを実装させることで、次のステップに移行できます。


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120906-663号 先週(8/27~9/2)のニュース [kensa-ML NEWS 【情報】]


 皆さん、こんにちは。神戸の新井です。

 本メールニュースを再編して第2号目になりますが、一話完結というか、雑多なニュースが羅列されているため、以前にも増して何やら話の一貫性が無いというか、まとまりが無いと感じられている方も多いかと思います。申し訳ありませんが、まとまった時間がなかなか取れないため、当面の間この形式で継続させていただきます。

 なお、Facebookで「Project102」というページを作成しています。Facebookのアカウントをお持ちの方で、「いいね!」を押していただくと自動購読となります。出来ればご協力を宜しくお願いします。こちらが「Project102」のFBページです。
 
https://www.facebook.com/Project102.MT


手術用手袋で中皮腫 山口の准看護師に労災認定 朝日新聞 8/27
 
http://digital.asahi.com/articles/OSK201208270053.html?ref=comkiji_txt_end
Comment: このニュース、昨日聞いた時にはびっくりしました。ベビーパウダーの件は知っていましたが、よくよく考えてみたら、有り得る話ですよね。
 
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120828-OYO1T00482.htm?from=main2
読売新聞にも掲載されていますので、まだの方はご一読を! 今後、大きな問題に発展していく予感がします。


ダウン症の出生前診断:来月から妊婦血液検査を試行 毎日新聞 8/29
 
http://mainichi.jp/select/news/20120829k0000e040200000c.html
Comment: うーん・・・コメントが難しいですね。私この問題に関しては、肯定も否定も出来ずにいるからです。病院に勤めてからずっと悩んでいることですし、結論なんて出ないからです。個人的には、医療技術の発展によって昔は救えない命が救えるようになってきた、また救わなければならない命が救われるようになってきたのですが、自然の摂理というものに逆らっているという部分もあり、その辺の線引きが難しいからです。また私も親という立場ですから、子供の健康を願い明るい将来を得てもらいたいと願いますから、検査を受けたいという親の気持ちも分かります。しかし私がその立場ならきっと検査は受けさせません。この問題は賛否両論で結論なんてありませんよね。また色々なもので縛るべきものでもないような気がします。


栄養状態が出産の決め手 定説に見直し迫る 共同通信 8/28
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2012/8/28/157813/?fullArticle=true
Comment: なるほどなぁ・・・と妙に納得してしまったのがこの記事。定説が覆されることは、良くあることですね。あくまでも「説」ですから・・・ん?ここで私が気になったのは「定説」という文言。「定説」というのは、疑いの無い確証のある根拠が証明されている説、ですよね。ならば今回のようなケースは、「通説」すなわち世間一般に広く信じられている説(仮説は多数)というのではないかと思うのですが・・・医学に限らず学問の世界では「定説」という言葉が間違って使われているケースが多々あると思います。


51%「全世代で支える」 社会保障の負担増容認 12年版厚労白書 共同通信 8/28
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2012/8/28/157821/?pageFrom=m3.com
Comment: 公的年金制度については言いたいことは山ほどありますし、現在議論となっている事項に対する不満も多数。きちんと払っているのに払っていない人の分をなぜ?とか・・・でもそんなこと言っていても仕方ねえよな・・・と思われている方が大多数なのではないでしょうか?どうも政府というか政治屋さんたちは、日本人の持つ有難い気質、優しさに甘え過ぎ、つけ込み過ぎな気がします。とにかく我々の支払っている税金の使い道が明確になってもらいたいものです。訳の分からないこじつけ説明はもう良いから・・・


高感度心臓トロポニンT検査で受診後1時間のAMI診断が可能に 日経メディカル 8/28
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201208/526481.html
Comment: トロポニンTを24時間体制で測定されている施設は多いのですが、高感度で測定されている施設は、政策医療臨床検査連絡会でネットワーク160施設(有効回答数)における平成23年度サーベイランスを行った結果、まだまだ少数です。定性検査は反応時間も15分と短時間で判定できますので、こちらを導入されている施設が大多数。しかし超急性期における診断は困難ですので、今後高感度トロポニンT測定を導入検討される施設が増加するでしょうね。当院も検討の時期には来ていますが、まだまだ臨床からのニーズは少ないのが現状です。


帯状疱疹薬リリカ、車の運転避けて 2年で10人が事故 朝日新聞 8/29
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201208290664.html
Comment: リリカに限らず、このような作用機序のお薬を服用されている方は結構多いのではないでしょうか?何か後手後手の気がします。リリカについてちょっと詳しく書いていたのがここのサイト
 
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1190017.html


人間ドックで異常ゼロ、過去最低の7.8%- 受診者高齢化で検査項目の追加も CBnews 8/24
 
http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=37980
Comment: 患者さんに対し、検査値について必ずお話しすることが「基準値と正常値」の違い。このあたり混同されている方が本当に多くて、基準範囲から少しでもずれていると、患者心理からいって当たり前のことですが、かなりシビアに捉えられる方が多いのが現状です。但し患者さんはある程度自分の検査値を把握されている方が多いので、一般の方よりも「基準値と正常値」についてしっかり認識されています。問題なのが健康診断など、普段病気知らずで自分は大丈夫!と思われている方。こういった方々は少しでも「L:低値」「H:高値」になると、自分は病気じゃないかと気が気で無くなり、無用の心配をされることも多いようです。ここで我々医療従事者が考えなければならないことは、検査を受けられる方が望んでいるのは何か?ということ。それは自分自身が正常なのか、異常なのかを教えてもらいたいということです。一回の検査だけでそれを判定するのは困難なことですが、それならば視点を少し変えて継続して健康診断等を受ける意義、意味をしっかりとレクチャーする必要があるのではないかと思います。日本衛生検査所教会HPに「基準値と正常値」について書かれたものがありますので、ご紹介しておきます。
 
http://www.jrcla.or.jp/atoz/wexm_06.html


日経メディカル2012年8月号特別編集版「糖尿病診療の最新動向」転載 8/27
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t181/201208/526348.html
Comment: 「糖尿病診療の最新動向」説明していると長ーくなってしまいますので、記事のご紹介だけしておきます。

血糖管理ツールとして有用なSMBG
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t181/201208/526348.html
持続血糖測定で個別治療が可能に
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t181/201208/526353.html
糖を尿中に排泄させる、新機序のSGLT2阻害薬
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t181/201208/526387.html


日本再生戦略「市場原理主義の反省ない」- 日医が見解 CBnews 8/30
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38008.html
Comment: 確かに仰っていることはもっともなのですが、患者というか国民が求めているのは良質な医療を受けられるということ。もちろん、誰もが平等に良質な医療を受ける権利を有することは素晴らしいことですし、日本が世界に誇ることの出来る保険制度であったと言えます。しかし日本の経済状態がこれだけ悪化し、医療業界にもその悪影響を及ぼしている昨今、理想論だけでは通用しないということを国民はかなりシビアに捉えています。もちろん私自身は国民皆保険制度を反対する立場のものではありません。しかしもっと現実を見つめ直さないと・・・と思います。

「所得で医療サービスに差、肯定が半数- 12年版厚生労働白書」
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37994.html


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120824-662号 今週(8/20~24)のトピック [kensa-ML NEWS 【情報】]


残暑お見舞い申し上げます。

 ご無沙汰しておりますが、皆さん、如何お過ごしでしょうか?

 神戸の新井です。

 8月も終盤を迎え、暑い夏も・・・まだまだ終わりそうにないですね。ただ朝晩はかなり涼しくなってきたような気もします。
 今年に入り何かと忙しい時間と過ごしておりますが、少年野球の方はというと・・・かなり順調に仕上がってきており、前半戦では2大会で優勝することが出来ました。正直言って取りこぼしも多かったため、あと2大会くらいは優勝できた気がします。先週よりいよいよ後半戦のスタートでしたが、同点のままサドンデスとなり、4番の一振りで何とかサヨナラ勝ちを収めることが出来ました。今週末も2大会が新たに開始となります。この模様については、フェイスブック(FB)に書き込んでいますので、宜しければご覧ください。
https://www.facebook.com/gamdango

 ところで、このメールニュースですが、現在試行錯誤の真っ最中で、当面はリアルタイムな情報を、FBに掲載し、取りまとめてメールニュース、ブログへと掲載しようと考えています。これまでのようなリアルタイムな情報をメールにてお届けすることは出来ませんが、リアルタイムな情報が欲しい方は、FBをご覧ください。なお、Project 102というタイトルで、Facebookページを作成していますので、そちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/Project102.MT

 また友達申請やフィード購読も大歓迎ですので、お越しください。待ってまーす!


 さてFacebookページの方へは8/20より配信を開始しています。これまでのメールニュースは、一通ごとにストーリーを考えて配信していましたが、今回のFBでは一話完結のような形となります。また私自身の興味本位でニュースを選別しますので、これまでのメールニュースをご覧いただいていた方々には違和感が生じるかもしれません。どのような形が無理なく継続できるのかを模索中ですので、落ち着くまでしばしお時間をください。

 では以下、一話完結医療ニュースの始まり~8/20配信分から・・・


「男性用ピル」候補か 精子数減らす化合物発見 朝日新聞 8/17
 http://digital.asahi.com/articles/TKY201208170213.html?ref=comkiji_txt_end
Comment:
 この化合物で、性行動や男性ホルモンに変化はない、とされていますが、長期的に見て本当かな?と私は思います。現在女性化傾向のある男性が増えており、これに拍車がかかるのでは???


肉腫:がん研有明病院が国内初の専門治療センター設立 毎日新聞 8/17
 http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082001002192.html
Comment: 肉腫についての概論はこちら
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%89%E8%85%AB


O157感染源特定難航…作業員、水は「シロ」 読売新聞 8/23
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=63494
Comment: 腸管出血性大腸菌Q&Aはこちら
 http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/


山形大、重粒子線治療で連携強化 がん治療の先端技術 共同通信 8/20
 
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082001002192.html
Comment: 重粒子線治療についてあまりお聞きになったことが無い方も多いのでは?概略はこちら
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E7%B2%92%E5%AD%90%E7%B7%9A%E3%81%8C%E3%82%93%E6%B2%BB%E7%99%82
重粒子医化学センター病院のHPはこちら
 http://www.nirs.go.jp/hospital/index.shtml


腸管神経の成り立ち解明 神戸の理研 神戸新聞 8/20
 
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/0005314220.shtml
Comment: ヒルシュスプルング病って聞きなれない病名ですが、ご存知でしょうか?日本小児外科学会HPに掲載されています。
 http://www.jsps.gr.jp/05_disease/gi/hirschsprung.html


認知症対策 入院よりも在宅目指せ 朝日新聞社説・・・すみません、リンク切れです・・・
Comment: 人間、年を取れば多くの方が直面する問題です。私の両親は幸いにして健在ですが、体力の衰えと共に記憶力低下が目立ってきました。他人事ではありません。
 慣れ親しんだ場所を変わるということが老人にとってどれだけ大変で思い切りのいることか、身を持って少しずつですが理解できるようにもなりました。入院や施設への入所の選択肢もあるのでしょうが、年を取れば私自身も「終の住」を求めるでしょう。環境が変わる悪影響よりも自身が選んだ住まいで最後の時をゆっくりと過ごしたいという思いは多くの方が持つのも理解が出来ます。
 在宅医療、在宅支援に対して医療財源が乏しいことを理由に削ぎ落としを国は考えているのでしょうが(特に在宅支援でしょうね)、国民が望んでいることが何であるかをもう少し真摯に捉え考えてもらいたいものですね。


「ホンナ」で秋田美人…メラニン抑制効果発見 読売新聞 8/22
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=63593
Comment: 秋田の女性は常日頃「ホンナ」を食べてるから美人なんやぁ、ホンマかいなぁ・・・との私の早とちりでした。
 私の場合、メラニン色素形成を促進することばかりしていますので、時すでに遅し・・・ですが。


救急医療情報キット導入進む…福岡 読売新聞 8/22
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=63618
Comment: こういった試みは数年前から地域医療連携推進というよりも、独居老人の孤独死を防止するといった観点から取り組まれていたことです。緊急時における処置や対応のみならず地域に密着した拠点病院としての役割を果たす方策としてもっと取り組まれていいのでは?と思います。さらに現在マイナンバー制など検討されていますが、こういったことが推進されて来れば、もっと安心して医療を受けられる世の中になるのでは?と思います。
 ただし何度も申し上げてきていることですが、電子カルテなどの共有を含めインフラ整備が盛んに行われていますが、そのもととなるデータの標準化、互換性を高めるといったことはもっと積極的に取り上げられないと本当の意味で、安心して良質な医療をどこででも受けられる、世の中にはならないと思うのです。もっと事の重大さや本質を理解したうえで議論をしてもらいたいものです。インフラ整備による特需?などによりお金儲けをしたい方が多いのでなかなか進まないのが現状ですが・・・


少量血液でがん検査可能 富山のメーカー、チップ量産 共同通信 8/17
 
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012081701001593.html
Comment: このニュース、額面通りに受け取れば、感度も特異度も高そう、夢のようなキットだね!と思われる方もおられるかと思いますが、私は???です。何でもかんでも癌を捉えるとの誤解を生じるのでは?と危惧します。そもそも血中に癌細胞が出現するメカニズムについてはまだまだ未知の部分もあるわけで、癌なら転移があるのだから血中に出現するだろう?との発想は短絡的です。転移のメカニズムは血行転移だけではありません。さらに少量の血液でどの程度の癌細胞を捉えられるのか、についてはどうなんでしょう?記事を読んだだけで判断するのは駄目なのですが、疑問符があまりにも多すぎる内容です。
 また初期癌については検出不可能症例があまりにも多いのでは無いかとも思いますし、記事に書かれている早期発見???私の頭では理解不能です。


医療サービスに「費用対効果」の考え方は必要か 日経メディカル 8/22
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201208/526439.html
Comment: 私はこういった内容が、議論に挙がること自体ナンセンスだと思っています。一応記事にも付け足しのように書かれてはいますが、「費用対効果」は患者の考えそのものでしょう?我々医療従事者は患者の良質な医療を提供するのが義務であり、患者側は良質な医療を受ける権利を有しています。その対価としてお金を支払うのだと思いますし、良質な医療を受けるための補助を国がかなりの額公的に負担するわけですね。
 また良質な医療を提供するためには、それなりの設備投資も必要なわけで、その経営基盤を確立してからでないと十分なことは出来ません。
 恐らく私も二十年くらい前の状態であれば、医療の質と経済的概念は相反事象であるというかもしれませんが、現実を見据えると、そんな考え方はまったくもって甘い!と思います。


患者さんの疑問に分かりやすく答えるのってホント難しい 日経メディカル 8/22
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/azuma/201208/526421.html
Comment: これは実感!!!ですね!!!
 医療従事者の中には(というか結構多いかも)難しい言葉で、言い方悪いですが、患者を煙に巻くことで優越感を感じておられるバカな方がおられます。こんなしょうもない見栄を張るのではなく、真のプライドを持ってもらいたいものだと横目で見ながらバカにしている場面もしばしば・・・
 実習に来た学生にはいつも言うことなのですが、「難しいことを難しく説明するのは誰にでも出来る。真のプロフェッショナルは難しいことを本当に分かり易く説明するものだ」ということ。学校の先生でもそうなのですが、受け手(学生、生徒側)は授業を理解しに来ているのであって、聞きに来ているわけではありません。話し手側は、受け手側の理解というものが無ければ、授業、講義をしている意味が無いのです。その辺を勘違いされている方が多すぎるように感じます。
 これは患者に対しても同様。インフォームドコンセント、いわゆる医療従事者側の説明と患者側の同意、ですが、その部分に患者側の理解というものが無ければ意味がないのでは?と私は常々思っています。


西ナイル熱、米で41人死亡 再流行を警戒 朝日新聞 8/23
 
http://digital.asahi.com/articles/TKY201208230195.html?ref=comkiji_txt_end
Comment:  以前ほどの大流行ではないようですが、今後の動向に注意する必要があります。
西ナイル熱についての概略についてはこちら
 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou08/
西ナイル熱Q&A
 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou08/02.html


ハンセン病:療養所職員、厚労相が「増員へ努力」 毎日新聞 8/24
 
http://mainichi.jp/select/news/20120824k0000m010165000c.html
Comment: ハンセン病施設は我々のグループ施設でもあります。このニュースを読んで思ったのは、私の個人的な感想ですが、何もハンセン病施設のみが人員削減を余儀なくされているのではないということ。大臣が増員へ努力ということは、全体の枠組みの中で増員されるのか、それとも純増されるのか、どっちでしょう???人員削減だ、コストパフォーマンス向上だと叫んでいる現状を見ると前者の色が濃いようですが、となるとグループ内他施設とのバランスが崩れます。色々と熟考されてこういった発言をされたのか、非常に疑問を感じます。
 総選挙もそろそろ匂ってきましたので、これ以上の記述はしません。


厚労省、病気腎移植を不承認 データ不十分と専門家会議 共同通信 8/23
 
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082301001656.html
Comment: この不承認に関しては、まだまだデータが不足していると私も思いますので、妥当かな?とも思いました。
 私の疑問点はそんなところではなくもっと根本的なところ。
 そもそも全摘するような腎臓を移植なんてできないでしょうし、臓器移植への適応が限局性の病変に限られるのは素人の私でも分かります。ということは、別段全摘しなくとも良い腎臓(部分切除で済む)が全摘されるということになります。何か大きな矛盾を感じるのですが、如何なものでしょうか?素人考えですみません。


「オーソドックスな服装」の大切さ 日経メディカル 8/24
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/performance/201208/526461.html
Comment: 私自身も気をつけていることですが、病院という特殊な場所、業務に就いている以上、見た目ですね、出勤するときにはあんまり奇抜な格好であるとか、お粗末な格好をしないように心掛けています。部下にもTPOをわきまえろ!とよく注意するのですが、いまいち認識が甘いというか、我関せずのようなスタッフも存在します。
 我々、医療従事者の中で一番服装に気をつけている職種は事務職です。それに引き替え、医療職、特に医師や看護師等においては、「何しに来てんの?」みたいな奇抜ないでたちで、しゃなりしゃなりと歩くお方も結構見受けます。これを患者が見た時にどう思うか!私が患者ならこんな人には触れてほしくはありません。こういうのって、一般常識の問題なのでしょうか?
 ちなみに私自身、年齢も年齢に達してきましたから、普段着も気をつけるようにしています。だって私が変な格好やみすぼらしい身なりをしていたら子供がかわいそうですもん。


国立病院機構、2分の1が「S」評価- 経常収支8年連続黒字など高く評価 CBニュース 8/23
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37966.html
Comment: 我々が属するグループの評価が高いことは当たり前のことだという自負もありますが、昨年度から独立行政法人化した国立高度医療研究センターではどうだったのか・・・
循環器病研究センター、最高評価は3項目- 臨床志向の研究・開発推進など
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37930.html
長寿医療センター、昨年度評価は「S」2つ- 前年度は「S」ゼロ
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37970.html
 この結果となったのは、どういった理由からなのか、分かりませんが、評価指標の中に「経済性」というものがかなり色濃く位置しているのかな???と思うのですが・・・そもそも、両法人における評価指標の差があるだけなのでしょうか?ちょっと勉強してみます。


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120518-660号 シマウマ探しにならないために [kensa-ML NEWS 【情報】]


 皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 実に約3か月ぶりくらいの配信になります。まぁとにかく忙しいの毎日で、気が付けば5月も半ばを過ぎてしまっています。学会演題のエントリーもせなアカンし、研究報告書も作らなアカン、毎日の事務仕事もせなアカン、週末は家族を放置し野球小僧たちと戯れなアカン、せなアカンことだらけですが、まぁ何とか元気にやっております。肌の色も今のところは程よくこんがり焼け、あと1か月も経てば日本人と思われなくなるかと思います。とにかく白衣の白さが際立つのですねぇ・・・(^^;

 医療関連メールニュース、医療系ブログの方は約3か月ご無沙汰なのですが、少年野球系ブログとフェイスブックへは投稿を続けています。少年野球系ブログは会員限定のため、関係者しか見ることが出来ませんが、フェイスブックはご覧いただけます。今後、雑多情報を掲載していこうかと思っていますので、友達申請していただければ、と思います。
 
https://www.facebook.com/gamdango
 また今後、現在配信しているメールニュースや、ブログなどとフェイスブック、ツィッターなどの併用は非常に無駄が多いと思いますので、どこかに集約しようかと考えています。どうしたら良いものか悩んでおりますので、良い知恵をどなたかいただければ・・・


 さて本日は、コラム関連、金環日食の話題、医療関連ニュースへと進んでいきますが、まずは先日、返還40周年を迎えた沖縄の話題から・・・

 「恥」という文字を知らない方が世の中いたるところにおられるようで、その方々が非常に迷惑な影響ビームを善良な方々へ降り注いでいるといった構図を良く見かけます。政界のみならず身近なところにいっぱいあることを皆さんも体感されているのではないでしょうか?。このようないわゆる「恥知らず」は「識」の欠如と大きな関連性があり、その結果、人罪たるものを生み出します。何度かこのメールニュースでも取り上げてきましたが、ちょこっと触れておきます。

「識」の入っている用語
 意識、学識、鑑識、眼識、見識、常識、知識、認識、良識、胆識、見当識
 旧識、相識、面識
 識語、標識

 いずれも非常に大切なものばかりです。また「識」を喪失することで発生してくるものが「罪」、まさに人罪です。「じんざい」にもいろいろあります。

「じんざい」
 人材・・・まだ海のものとも山のものとも分からない材料。
 人財・・・組織や社会に利益をもたらし、財産と言える人。ある意味、スーパージェネラリスト。
 人在・・・いるだけの人、または何をしているか良く分からないが存在感だけは大きな人。
 人才・・・組織トップの器ではないが、豊かな才能を持った知恵者。ある意味、スペシャリスト。
 人罪・・・とにかく無意識に罪を生み出す人。意識的に罪を生み出せば犯罪行為。
 人座位・・・ただ単に座っているだけで存在感もない人。


産経抄 5月17日 男にこそ必要な「恥を知る」
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120517/plc12051703090003-n1.htm
 「恥を知れ」を校訓としている学校がある。東京都千代田区に本部を置く大妻女子大学である。女性だけではない。男性にこそ必要な言葉だ。自民党の野中広務元官房長官はそう考えているに違いない。
▼「男は恥を知るものだ。のうのうと沖縄に来て、県民に泥をかけるのか」。沖縄復帰40周年の記念式典会場で、鳩山由紀夫元首相を見かけて、苦言を呈したという。きのうの読売新聞が報じていた。
▼野中氏の怒りは理解できる。自民党政権下で進められてきた、米軍普天間飛行場の移設のための話し合いを台無しにしたのが、鳩山氏だ。衆院選前の沖縄で訴えた、「最低でも県外(移設)」の公約は、今から振り返れば詐欺に等しい。
▼案の定、政権奪取後その舌の根の乾かぬうちに自らの主張を撤回して、移設先を名護市辺野古地区とする日米合意を結んでいる。その後も、日米同盟を維持しながら、地元の負担を少しでも軽くしようと奔走する人たちを、愚弄するような発言を続けてきた。
▼今回も鳩山氏は「のうのう」と沖縄を訪れただけではない。「『最低でも県外』という気持ちを果たさなければ、沖縄の皆さんの気持ちを十分理解したと言えない」。宜野湾市での講演で、首相時代の決定を再び覆してしまった。外務省の中止要請を振り切って、イランを訪問し、まんまと利用されて帰ってきてから、まだ1カ月ちょっとしかたっていない。

⇒ 続きはこちら


 この方こそ、裸の王様という称号が本当にふさわしい! 「識」の欠如している様子が良く分かります。

 さてこのようなくだらない話題はこのくらいにして・・・

 いよいよ世紀の日食が迫ってきましたね。この日を心待ちにしていた方も多いと思います。私も楽しみにしているのですが、心配はお天気。月曜日、世紀の天文ショーを見せてもらいたいものですね。


毎日新聞社説:金環日食 宇宙のドラマ楽しもう 5/16
 
http://mainichi.jp/opinion/news/20120516k0000m070106000c.html
 太陽が月に隠されてリング状に輝く金環日食が21日朝、九州南部から福島県南東部にかけての太平洋側を中心に観測できる。日本でこれほど広範囲に観測できるのは932年ぶりで、該当地域の居住者は約8300万人に達するという。それ以外も部分日食が見られる。次に金環日食が日本で観測できるのは18年後、しかも北海道だけだ。天文現象の中でも最もドラマチックとされる日食を存分に楽しみたい。
 日食は地域が西側になるほど早く始まる。金環日食となるのは午前7時半前後だ。通勤、通学時間帯に重なるため、登校時間を早めて観測会を開いたり、振り替え休日にする学校もある。科学や自然に親しむきっかけになるだろう。金環日食がぎりぎり見る地点を観測で見極め、より正確な太陽の直径を割り出そうというキャンペーンが計画されているが、これに参加するのも面白い。
 日食に合わせ、東日本大震災で被災した子供たちを元気づけようという取り組みもある。天文関係者のグループが寄付を募り、福島県沿岸部(浜通り)の小中高校を中心に日食観測用の遮光シート6万人分を配布した。学校の先生向けに、観測説明会も開ている。
 太陽の光があってこそ、地球上のさまざまな生命も存在できる。その光が織りなすドラマは、被災者の心も温めてくれることだろう。
 注意したいのは観測方法だ。金環日食の最中も含め、たとえ瞬間的であっても太陽を裸眼で直視してはいけない。最悪の場合、失明の恐れがある。黒い下敷きやすすを付けたガラス、感光したネガフィルムを使うのもだめだ。目に見えない有害な光がカットできないからだ。必ず日食用の専用グラスや専用遮光シートを使おう。ピンホールカメラの原理を使って太陽の像を投影するなど、間接的な観察方法ならより安全だ。
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金環日食:21日朝、8300万人観測可能 起こる仕組み、歴史、安全な観察方法紹介 毎日新聞 5/17
 
http://mainichi.jp/select/news/20120517mog00m040005000c.html
 月が重なり太陽がリングのように輝く「金環日食」が21日朝、九州南部から東北南部までの太平洋側の広い地域で見られる。日本では1987年9月に沖縄で観測されて以来25年ぶりとなるうえ、東京では173年ぶり、大阪では282年ぶり、名古屋では932年ぶりだ。8300万人が楽しむことができる今年最大の天文ショーに期待は高まるが、太陽の光は強烈で、正しく観測しないと目に重い障害が残ることも。日食が起こる仕組みや歴史、専門家が薦める安全な観察方法を紹介する。【斎藤広子、鳥井真平】
◇真東の空リングきらり
 21日の金環日食は、中国南部の海南島付近で日の出とともに観測され始める。見える場所はここから東の方角へ移り、香港や台湾を経て、日本へと近づいてくる。
 日本では九州南部でスタート。四国、近畿、東海、関東と続いていく。それ以外のほとんどの地域でも太陽が大きく欠ける「部分日食」を見ることができる。国立天文台助教の相馬充さんによると、今回のように日本の広い範囲で金環日食が見られるのは、なんと平安時代末期の1080年以来という。
 21日は平日の月曜日だが、日本で金環日食になるのは午前7時半ごろ。多くの人は学校や仕事を休まなくても済みそうだ。
 金環日食はどんなふうに進むのか。東京を例にシミュレーションしてみよう。
 国立天文台の暦計算室によると、当日の日の出は午前4時32分。太陽は普段と同じように丸い姿で水平線から上がってくるが、20度の高さまで上がる午前6時19分、右上からじわじわと欠け始める。金環日食になるのは、ほぼ真東の方角で35度の高さになる午前7時31分。それから約5分間、自然が作り出す「太陽のリング」を堪能できる。この後は太陽の右上から元の形に戻り始め、午前9時2分、ショーは終わりを告げる。時刻に差はあるが各地で同じような見え方になるという。
 太陽が完全に隠される「皆既日食」は周囲が夜のように暗くなる。では金環日食ではどうなるのか。これまで3回観察したという月刊星ナビの川口雅也さん(52)によると、「暗くはならないが、太陽の欠ける割合が大きくなるにつれ、周りの景色が薄暗く少し灰色がかって見えてくる。気温も下がるかも」。
 どんな場所で待っていればよいのか。
 川口さんは「せっかくの日食が建物に邪魔されないように、午前7時半の時点で太陽がどこの位置にあるのかを今から確認しておくことです。事前にできるだけ東の空が開けた場所を探してみてください」と話している。
◇なぜ起きる?太陽、月、地球が一直線
 日食は、太陽、月、地球が一直線に並び、地球から見て、月が太陽の前を横切った時に起きる現象だ。太陽が月によって完全に隠される「皆既日食」になるのか、太陽の縁だけが残って金色に輝いて見える「金環日食」になるのかは、三つの天体の距離や大きさが関係している。
 太陽の直径は約139万2000キロあり、月の直径(3476キロ)の約400倍。一方太陽と地球との距離は約1・5億キロで、月と地球の距離約38万キロに対し、こちらもほぼ400倍だ。だから地球に住む私たちの目には、月と太陽はちょうど同じくらいの大きさに見えている。
 月は約27日間かけて地球の周囲を回っていて、その軌道は実はわずかに楕円(だえん)を描いている。
 地球に比較的近い位置で太陽を隠す時、月は太陽よりも大きく見えるため「皆既日食」になる。遠い位置にある時に重なれば、月の見た目は太陽より小さくなるために太陽を隠しきれず、今回のような「金環日食」になる。三つの天体の奇跡的な距離と大きさのバランスが、私たちに「皆既」「金環」「部分」というさまざまな日食を楽しませてくれているのだ。
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 この「限界線」で見られる現象として、「ベイリービーズ」というものがあります。私が観測しようと考えているところは、限界線に近いので、上手くいけば見れるかもしれませんね。


ベイリービーズ
 
http://eclipse-navi.com/yougo/kinkan/beiriibiizu.html
 http://www.astroarts.co.jp/news/2012/04/24eclnav25/index-j.shtml
 イギリスの天文学者フランシス・ベイリーが1836年5月15日の金環日食を観測した際、欠け際ぎりぎりに月のクレーターから光がとぎれとぎれに漏れているのを見つけました。これを見て「輝くビーズの列のようだ」と表現したことに由来する現象がベイリービーズ(Baily's Beads)です。


 さてここからは医療関連ニュースとなります。本日は、金環日食の話題を長々とご紹介しましたので、本文を少し短く調整します。本末転倒(^^;

 まずは私が属している国立病院機構に関する記事をご紹介。

 平成26年4月より新法人制度への移行を決定したのですが、国立病院機構と労働者健康福祉機構の合併はないものとみて良いのですかね?
 そもそもその昔、国立病院は厚生省管轄、労災病院は労働省管轄であり、行政改革が積極的に行われた時代に厚生労働省となった経緯から、このようないびつなことになっています。しかし両機構の支えるべき医療の形態はそもそも異なるわけですから、それを無理やり一緒にしても無理でしょ?って話です。それぞれの特色を生かしつつ、経営基盤を安定させるとともに基幹病院としての機能を充実させるべき・・・正論ばかりでは通用しないことも分かっているのですが・・・


国立・労災病院の新体制に柔軟性求める声- 厚労省検討会 CBニュース 5/17
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37254.html
 全国144施設の国立病院と32施設の労災病院のそれぞれの運営母体を、2014年度に脱独立行政法人化する政府の方針を受け、新しい法人制度について議論している厚生労働省の検討会は17日、国立病院と労災病院の役割を整理した。新体制下に向けた課題は、どちらも地域医療と政策的な医療の両立。また、病院へのニーズは時代によって変化していくため、委員からは柔軟な体制作りを求める声が多く上がった。
 国立病院は、重症心身障害者や難病患者を積極的に受け入れており、重症心身障害者の入院数は、全国の約40%(10年10月時点)、筋ジストロフィー専門の病床数は、約96%(12年4月時点)を占めたという。また、公的な医療機関として、東日本大震災に被災を受けた地域へのDMAT(災害派遣医療チーム)派遣や、新型インフルエンザ発生時の検疫所への医師・看護師派遣を通じて、これまで緊急時に医療資源を提供してきた。
 一方、労災病院は、臨床現場から症例と患者の職業歴などのデータを蓄積。これを基に、労働と、アスベストやメンタルヘルス不調などの関係や、患者の職場への早期復帰についての研究も行っている。
 委員からは、国立・労災病院が、新しい法人体制の下でも、緊急時の医療資源の提供や、メンタルヘルス不調の研究など、国が政策的に求める医療の提供を担うべきとの意見が相次いだ。一方で、これまで以上に、周辺の病院と連携し、地域医療を支えることも重要との指摘が上がった。
 これについて、国立病院を運営する国立病院機構の桐野高明理事長は「われわれは、端的に言えば人間を診るが、政策医療だけしか必要のない人間はいない」とし、労災病院を運営する労働者健康福祉機構の上家和子理事は、「ある一定のレベルに達した医療がなければ、政策医療は当然できない」と述べ、地域医療と政策医療を両立したい考えを示した。

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 関連するニュースを古いものですがもう一編。


国立・労災病院「脱独法化」へ検討開始- 厚労省、年内にも報告書 CBニュース 3/30
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36933.html
 厚生労働省は30日、「国立病院及び労災病院の新しい法人制度に関する検討会」(座長=永井良三・東大大学院教授)の初会合を開き、国立病院を運営する国立病院機構と、労災病院を運営する労働者健康福祉機構の両独立行政法人について、2014年4月の新法人制度移行に向けた検討を始めた。13年の通常国会への関連法案提出を目指し、年内にも報告書を取りまとめる。
 この検討会は、1月に閣議決定された「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」で、両独立行政法人について「14年4月より新たな法人制度に移行する」とされたことを受けて設置された。
 主な検討事項は、▽社会や医療ニーズの変化に対応した病院運営▽法人の経営努力を促進する財政運営▽目標・評価▽国民目線での情報公開・発信―の在り方で、5回程度の会合を開いて議論を取りまとめる。

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 さて本日のメインニュースに移ります。

 このニュースのタイトルを見て、「なんのこっちゃ?」と思われた方も多いでしょうね。この記事に書かれているように、医療関係者の癖というか、性(さが)というか、何と言っていいのか分かりませんが、どうしても難しい方へ、難しい方へ、と考える傾向にあるのがこの職種の特徴です。知識が多ければ多いほど、こういったピットフォールに落ち込むことが多い傾向にあります。パターンを多く知ってはいるが、その確率にまで頭がおよんでいない、実地経験の少ない方に良く見られる傾向ですね。
 我々検査技師でも同じ傾向にあり、実際の臨床現場で頭を捻り、知っている知識を総動員して考えれば考えるほど分からなくなってしまう、というのは良くあります。逆に知識が無さ過ぎて分からないということも・・・私が実際に長年携わってきた腹部超音波検査の経験を例に取り上げてみます。

 腹部超音波検査は、あくまでも「存在診断」であり「確定診断」ではないという原則のはずなのですが、にわか知識の多い方はどうしても「確定」したがる傾向にあります。我々臨床検査部門での「確定診断」とは「病理診断」を意味し、腹部超音波検査は「補助的診断」に過ぎません。例えば、画面上に腫瘍らしいものが見えたとする。その腫瘍が悪性であるのか、良性であるのか、質的判断はつくのか?ということになりますが、答えは「ノー」です。確率的に悪性である可能性が90%だとかいうことは出来ても確定はできません。あくまでも知識と経験に基づいた統計学的判断だと言えます。
 ですから「確定診断」してしまうことは知識を多くお持ちの方が陥りやすいピットフォールであり、危険なことだとも言えます。逆に知識と経験とを融合させ、「知恵」をお持ちの方は、確定的な診断を下さないと思います。この例として、超音波検査で「脂肪肝」というのは間違いであるということ。「脂肪肝」というものは臨床診断名であり、超音波診断名ではありません。肝炎が発生していることを二次的には指摘できても確定的には言えないはず。超音波診断名は「Bright liver」いわゆる肝臓の中に脂肪が浸潤している可能性が高い、ということになります。

 他に、検体検査などでは、全身検索検査をまず実施し、経過観察するための検査に移行、治療効果を判定するための検査に移行、といったステップを踏むのが当然のことですが、臨床現場において「末広がりの検査」となる「無駄」を良く見ます。これは要するに臨床検査への「知識不足」を露呈している結果と言えます。

 本日は長文記事になりましたので、「総合医」:専門性にこだわらず、全体的な視点から問題点の仕分けが的確にできるタイプの医師 の話題をご提供しませんでしたが、後日UPしようと思います。究極的には「総合力」が命だと言える、と私は確信します。


「この外来患者は帰していいか」が極意- シマウマ探しにならないために(上) CBニュース 5/12
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37168.html
 遠くから蹄(ひづめ)で走る音が聞こえたとする。まず思い浮かべるのは馬だが、ある人は、シマウマだと言う。医療現場で、患者を診察した際に馬(比較的多い疾患)でなく、めったにいないシマウマ(希少な疾患)を考えてしまう、シマウマ探し(looking for zebra)。若手医師が陥りやすい思考パターンで、確定診断までに遠回りして、結果的に余計な検査を繰り返し、患者に不安な思いをさせたりしてしまう。研修医指導のプロに、どうすればシマウマ探しを避けることができるかを聞
いた。(君塚靖)
■「有病率」概念が育たない医学教育
 若手医師がシマウマ探しに陥る要因の一つは、医学教育にあるようだ。学生時代の実習は、病棟での入院診療が中心であるため、頻度(=有病率)の概念が育っていないことだと指摘される。
 筑波大附属病院(茨城県つくば市)の前野哲博教授は、こう話す。
 「病棟の患者は、すでに確定診断がついて入院してくるわけですから、そのセッティングで実習していても、有病率の感覚は育ちません。例えば、胸が痛いと訴えて受診した症例報告の珍しい病気の患者を、ある研修医が病棟で担当したとします。そうすると、外来で胸が痛いという患者が来ると、みんな病棟で見たその病気ではないか、と考えてしまう。一度稀な病気を見たり聞いたりすると、どうしても『あれじゃないか』『これじゃないか』、とシマウマを探してしまいます」。
 確定診断に向けた鑑別診断リストを作成する上で前野氏は、患者の訴える「全身倦怠感」などのキーワードをきっかけに、病名について、最も可能性が高い「本命」、次に可能性が高い「対抗」、可能性は高くないが必ず押さえておくべき「穴馬」に分けて、病名をリストアップする。それを踏まえて、「緊急性:どれくらい急ぐか?」「重篤性:どれくらいヤバイか?」「有病率:どれくらいありえるか?」「治療可能性:どれくらい予後を変えうるか?」の4つの因子を使って絞り込むことになる。
■時間軸を使いトレンドを把握する
 前野氏は、シマウマ探しを避けるためには、有病率と重篤性、つまり「どれだけヤバイか」の掛け算(有病率×重篤性)をして、その程度により判断するという。
【シマウマ探しを避けるために】
・有病率×重篤性「どれだけヤバイか?」が高いか、もしくは一定以上あるか
・「待てるか(今、診断を確定する必要があるか)」を考える
 →時間軸を使うことで、トレンドを把握して
  精査を進めるべきか判断する材料にする
 「例えば、尿路結石の疑いでやって来た患者に対しては、大動脈解離を疑って、超音波(エコー)を当てなさいと研修医には教えています。有病率から考えると、大動脈解離である可能性は低くて、ほとんどが尿路結石です。でもなぜエコーを当てるかというと、もし大動脈解離だったら、非常に危ないからです」。
 さらに前野氏は、初回の診断で無理に病名を付けようとせず、時間軸を有効に活用することを推奨する。
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シマウマ探しにならないために(下)- 「診断方法に決まった正解はない」 CBニュース 5/15
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37193.html
 東京慈恵会医科大(東京都港区)で後期研修1年目の光永敏哉さんは2011年9月、地域医療の研修で新潟県小千谷市にある片貝医院(根本忠院長)で本格的な外来診療を経験した。慈恵会医科大の地域医療研修は、全国の同大学OB・OG医師の下で学ぶのが特徴だ。
 光永さんは、診療所での研修を、実りの多いものだったと振り返る。
 「地域の診療所なので、子どもから大人、皮膚疾患から内科的疾患まで、あらゆる患者が来ます。19歳のおたふく風邪、水虫、魚の目だとかは大学病院では診ませんし、一般的な皮膚疾患だと大学病院では兼科依頼をして、皮膚科の医師が診ます。診療所に来るたくさんの患者を、テンポよく診療していくのは非常に難しく、勉強になりました」。
 光永さんは、風邪で来院した患者の例を挙げた。「一般的なウイルス性上気道炎か、細菌性溶連菌感染症なのか、など鑑別診断が難しかったです。肺炎が疑われる場合、大学病院では、特に高齢患者だと、入院も考慮して、早めにレントゲンやCTを撮ります。しかし診療所ではまず、きちんと聴診など身体所見を取った上で、その人のADL(activities of daily living)がどういう状態かを確認します。単に呼吸器の症状だけで、肺炎の疑いをキャッチするのは、難しかったです」。
 光永さんは、指導医を務めた根本院長から、高度な臨床センスを感じとった。患者を観察する力や幅広い知識、それに、患者の病態を時系列で追っていく、マネージメント力に驚かされたという。
 「根本先生は、見逃してしまいそうな、患者の足がつりやすいだとか、ちょっとした症状までとらえていました。のど痛で来院した患者に対し、何日後くらいには、せき、その後には、他の症状が出ると先を読んで、せき止めや痰切り薬などの処方について一緒に考えたりしました。臨床センスだと思います。先生から聞かされた、『患者の病気だけを診ずに、バックグラウンドまでを知るのがホームドクターだ』という言葉は忘れません」。
 光永さんは以前、腎臓内科を目指していたが、昨年3月の東日本大震災をきっかけに、救急外来医(ER医)になろうと決めた。「この10年、20年で、日本のER医の立ち位置を明確にし、アイデンティティーを確立したい」と意欲を見せる。
 研修医教育の経験が長い、武蔵国分寺公園クリニック(東京都国分寺市)の名郷直樹院長は、若手医師にシマウマ探しをする傾向があるのは、事前確率の概念に馴染んでいないからだと指摘する。
 事前確率とは、有病率と同義で、検査をする以前にどの程度、その病気の可能性があるかということだ。
 名郷氏は、こう説明する。
 「事前確率が低いと、どんなに優れた検査が陽性でも、偽陽性が多い。逆に、事前確率が高いと、良い検査で陰性が出ても病気の可能性は依然、残っていたりする。若手医師は、確率の低いものにとらわれ、検査の偽陽性にひっかかったり、あるいは確率が高いのに、検査が陰性だからといって、それを否定してしまったりだとか、そういうパターンに陥りやすい」。
 名郷氏は、インフルエンザを例に説明する。「インフルエンザの流行期は、ほとんどがインフルエンザなのです。つまり検査前の事前確率が高い状況です。確率が高い状況で、陰性という結果が出ても、大体は、インフルエンザだったりするのです」。
 少しでも臨床疫学的な考え方があれば、このパターンから抜け出すことができるのに、万が一の検査の結果に引っ張られ、次々と検査を続け、結果的に患者の不安をあおってしまうというのだ。

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120201-658号 平成24年度診療報酬改定最新情報 [kensa-ML NEWS 【情報】]


皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 気温が低いうえに湿度が低い日が続きますが、皆さん、体調とお肌の具合は如何でしょう?

 大阪、兵庫ではすでに警報レベルを超えておりますが、通勤車中を見ているとあんまり危機感がないというか、マスク着用率は極端に低いですね。職場でもチラホラとインフルエンザに罹患し、勤務制限を受ける方(要するにお休み)を見かけるようになりました。しつこいくらいに何度も言いますが、やはり自己防衛をしっかり行うことと、他人にうつさないという意識をしっかりと持たないことにはダメですね。今年は特にワクチン接種を受けていても罹患されている方が多いです。


正平調 神戸新聞コラム 1/31
 
http://www.kobe-np.co.jp/seihei/0004780838.shtml
 同僚が突然、会社を休んだ。インフルエンザだという。前の日は元気そうに見えたが、帰宅途中に高熱が出た。早くよくなってほしいと願いつつ、心が落ち着かない◆人の体内では、1個のインフルエンザウイルスが、16時間後に1万個、24時間後には数千万個に達するという。昼間、談笑したときが増殖の最中だったに違いない。もらったのではないか。わが身への不安がよぎる。薄情とは思いながら◆インフルエンザが全国で猛威を振るう。定点調査の医療機関の患者数は、うなぎ上りに増えている。兵庫県内では「警報レベル」とされる1機関当たり30人に迫る勢いだ。学級閉鎖、学年閉鎖と進み、学校閉鎖も出始めた◆新型インフルエンザが世界的に流行したのは3年前だった。神戸で初の国内感染が確認され、大騒ぎになった。今年はA香港型が主流なので、人間の側に備えはある。心配しすぎることはない
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 前の記事で、昭和ノスタルジックのお話をしましたが、教育委員会ってノスタルジックというか、権威主義というか、そんなに偉いものなのでしょうか?一番偉いというか、重視されるべきは学生であって、委員会ではないはず。こういった権威主義というか、そういったものに対しては私自身、非常に嫌悪感を持って、ついつい戦いに挑んでしまう性格です。現在ではかなり大人しく?なり、自分自身のことについては我慢が出来るようになってきましたが、他人がそのようなことを受けているのを見るともう我慢が出来ません。単なるおせっかいですが・・・このようなおせっかいになった背景は、私自身、特に主任時代の経験によるものが大きいです。その当時、上に逆らうなんてとんでもない、イエスマンがもてはやされる(今もそうかもしれませんが)時代でしたが、正しいものは正しい、ダメなものはダメ、とはっきりさせたい性格なので、ついつい正論を正面から展開してしまい、まぁ当然のように上からは睨まれ、叩かれ、嫌がらせも・・・みたいなことは多々ありました。もちろん場面場面の言葉のTPOはわきまえているつもりですが、上であろうが、下であろうが、同じ内容を伝えないと整合性が取れなくなってしまいますので、議論するときには同じ立ち位置で私は話しをしたいだけ。人や立場によって態度を変えたり、話をすり替えたり誤魔化したり嘘をついたり、そういったものが嫌いなだけ。プライドではなく見栄の強い方はそういった立ち位置はお嫌いだったのでしょう。多くの方は立場で物事を処理(抑制?)しようとする傾向にありますのでね・・・この校長先生のお話も同じじゃないんですか?しっかりとした議論をしたかっただけなのに、見栄坊の教育委員会に睨まれ、挙句の果てに報復措置に出られた、といったところでしょうか。しかしこのように報道されたのであれば、教育委員会の存在意義というか、誰のために存在しているのか?といった基本的議論も当然されるべきでしょうし、教育委員会を監査する実質的な組織は無いのでしょうか?PTAでしょうか???もちろん、監査機関が天下り?とか、身内ばかりとかいうのであればそんなものはもっての外。論外です。一利なし、とは申しませんが、百害はありそうですねぇ・・・但し、全てが、というわけではなく、「識」をお持ちの方も知っていますし、殆どの方が「まとも」だと信じたいです。しかし司法も「識」が無いですねぇ・・・情けない・・・


筆洗 東京新聞コラム 1/31
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012013102000016.html
 千人近い生徒全員の名前と顔を覚え、校門で気さくに声を掛ける高校の校長はまずいないだろう。退職する時、卒業生全員から寄せ書きを贈られた熱血教師は、あることがきっかけで教育現場から排除されてしまう▼東京都立三鷹高校の校長だった土肥信雄さんは二〇〇六年、職員会議で教師が挙手して採決することを禁じる都教育委員会の方針に異を唱えた。二度と戦争をしないために最も重要なことだ、と生徒に語っていた「言論の自由」が奪われることへの危機感からだった▼定年を迎えた〇九年、ほぼ全員が採用される非常勤教員の試験で不合格になった。すべての項目で最低のC評価。都教委に歯向かったことへの報復であることは明らかだった▼「不採用は不当」と土肥さんが都教委を訴えた訴訟の判決がきのう、東京地裁で下された。結果は敗訴。結論が先にあり、理由を後からくっつけたような説得力のない判決だった
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校長の「反乱」―教委の強圧を許す司法 朝日新聞社説 2/1
 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2
 判決理由からは、いまの学校現場への深い洞察は読み取れない。民主社会でなにより大切にすべき「精神の自由」への理解も、うかがうことはできない。
 がっかりする判決が東京地裁で言い渡された。
 東京都立三鷹高校の元校長、土肥信雄さんが都に損害賠償を求めた裁判の一審は、土肥さんの全面敗訴で終わった。
 3年前、定年退職後も引き続き教壇に立ちたいと望んだが、都教委は認めなかった。790人が応募し、768人が合格したのに、不適格と宣告された。
 土肥さんはどんな校長だったのか。裁判をとおして明らかになった姿はこうだ。
 何百人もいる生徒の名前を覚え、声をかける。社会的リーダーの育成を目標に掲げ、補講のコマ数を増やす。定時制クラスにも顔を出し、さまざまな事情を抱える生徒と交流する。
 保護者や地元有識者らがしたアンケートでは、生徒の85%、保護者の95%が「この高校に入学して良かった」と答えた。
 だが、都教委はこうした評価には目を向けず、土肥さんのふたつの行動を問題視した。
 ひとつは、職員会議のメンバーに挙手や採決で意思表示させるのを禁じた都教委の通知を批判し、メディアの取材にも応じたこと。もうひとつは、教員の評価方法をめぐり、やはり都教委に異を唱えたことだ。
 どちらも組織の一員としての立場をわきまえず、協調姿勢に欠けると判断した。
 都教委は挙手・採決禁止の理由を、学校運営の決定権は校長にあり、職員に影響されてはならないからだと説明する。通知は6年前に出されたが、追随した自治体はない。
 これに対し、土肥さんは「最後は校長の私が決めるが、挙手で意見を聞いてなぜ悪いのか。職員がやる気を失い、教育現場から議論がなくなる害の方がずっと大きい」と唱えた。
 だからといって、会議で挙手させたり採決したりしたわけではない。「悪法も法」として、通知自体には従っていた。
 どちらの意見や対応が教育の場にふさわしいか。土肥さんだと言う人がほとんどだろう。
 それなのに東京地裁は、再雇用は都教委に幅広い裁量権があると述べ、不採用を追認した。
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 さて東北大震災より早11か月を経過しようとしていますが、全国各地で防災への意識が高まり、ご自宅でも非常食などを備蓄されている方も多いのではないでしょうか?昔より乾パンなる非常食がありましたが、お世辞にもあまり美味しいものとは言えません。非常食だから致し方なし、なのでしょうが、よくよく考えてみると「ビスコ」って非常食と成り得るのですね。おそらく誰もが一度くらいは「ビスコ」を食べられているでしょう。そのくらいロングセラーでよく知られた商品。なお非常食としてのビスコは通常のものとは異なり、保存缶に入っているため、製造後5年間の賞味期限があります。また、ビスコには「赤ビスコ」と「白ビスコ」があります。ご存知でした?


グリコのビスコ~白ビスコ&食べ方~
 
http://www.youtube.com/watch?v=ssWXNNnkyyI

ビスコ保存缶
 
http://www.ezaki-glico.net/bisco/prevention.html

江崎グリコ:防災意識高まり「ビスコ」出荷額が最高に 毎日新聞 2/1
 
http://mainichi.jp/select/biz/news/20120201k0000m020032000c.html
 江崎グリコは31日、発売80年目を迎えた主力商品のクリームサンドビスケット「ビスコ」の出荷額が、2011年度に前年度比40%増の45億円と過去最高になる見通しだと発表した。
 ビスコは1933年2月に発売したロングセラー商品。健康を意識した小麦胚芽入りや食べきりミニパックを販売するなど、子どもに加えて若い女性やお年寄りにファンを広げてきた成果が出た。

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 さてもう一編、震災関連のニュースです。

 福島第一原発から出た放射性物質により土壌はもとより、がれきなどの汚染が社会問題にもなっていますが、このような新技術の開発は大歓迎ですね! 開発が促進・推進され、多くの問題点をクリアしてくれれば最高ですね!


汚染木材:バイオ燃料作る技術、東京農大客員教授ら開発 放射性物質「99%」除去 毎日新聞 2/1
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20120201ddm002040195000c.html
 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質に汚染された木材などから、放射性物質を除去しつつバイオエタノールを高効率で作る技術を東京農業大の市川勝客員教授らが開発した。福島県では除染作業で生じた廃材や下水汚泥が処理されずたまり続けている。市川さんは「負の遺産をプラスにする一石二鳥の技術。活用してもらうことで復興の一助になれば」と話している。【神保圭作】
 市川さんは09年、木材や稲わらを従来よりも効率良くバイオエタノールに加工する技術「直接合成法」を他大学と共同開発した。乾燥させた原料を粉砕し、800~1000度の高温水蒸気で一酸化炭素と水素にガス化。金属触媒を使って反応させると濃度97%のエタノールになる。
 この方法で、原料1トン当たり約500キロのバイオエタノールが生成でき、一般的な製造法の4倍にのぼることから、低コスト化につながると期待されている。
 市川さんは、原発事故由来の放射性セシウムが約800度で揮発する特性に着目。原料をガス化させる過程でセシウムをフィルターに吸着させることで、汚染木材でも加工できるよう改良、実験で99%除去できることを確かめた。今後は福島県南相馬市で実際に汚染された木材を使い、実証実験を予定している。
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 さてここからは医療関連ニュースに移ります。まずは国立病院・労災病院の統合問題から。

 先の事業仕分けでも問題となっていた事項ですが、そもそも運営形態も、基本的コンセプトも異なるものと統合するというのは無理があるのでは?と思いますし、もっと根本的なことを言えば、厚生省と労働省をくっつけたのは、果たして正解であったのか?という問題にぶち当たります。私の考えとしては、無理やりくっつけたのは間違いだったのでは?と思っています。行政改革ももちろん必要だったのでしょうが、もっと根本的な議論をなされてから踏み切っても良かったのでは?とも思います。後の祭りですが・・・私は、統合には反対です。


国立・労災病院の統合「直ちには困難」- 厚労省検討会が報告書案 CBニュース 1/31
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36508.html
 厚生労働省の「国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会」(座長=相川直樹・慶大名誉教授)は31日の会合で、国立病院を運営する国立病院機構と、労災病院を運営する労働者健康福祉機構の統合は「直ちには困難」とし、連携強化により統合と同様の効果を目指すよう提言する内容の報告書案を大筋でまとめた。厚労省は、2月にも連携強化に向けた両独立行政法人との協議を始める方針だ。
 報告書案では、両法人を統合するメリットとして、▽本部管理部門のスリム化▽医薬品・医療機器などの共同購入の円滑化▽臨床例や研究データ量の増加による臨床研究の推進―などを挙げた。一方、デメリットとしては、組織の肥大化によるガバナンスの低下や、職員の士気の低下などが懸念されるほか、経営状況や各種システムが異なる両法人を統合するには多くの時間と労力が必要だと指摘。メリットの中には、運用の改善で解決できることもあるため、まず連携強化により統合と同様の効果を目指すべきだと結論付けた。「将来の統合も視野に入れた両法人の在り方について、引き続き検討が必要」とも明記した。

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 さて本日のメインニュースに移ります。

 平成24年度診療報酬改定をあと2か月後に控え、ようやく具体的な全体像が見えてきました。1月30日と2月1日に開催された中央社会保険医療協議会総会資料が、厚生労働省HPにUPされていますので、まずご紹介しておきます。

中央社会保険医療協議会 総会 (第219回)
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html

中央社会保険医療協議会 総会 (第220回)
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1.html

 以下、関連する記事をUPしておきます。


【早分かり同時改定】 1月(3) CBニュース 1/31
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36513.html
 2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定をめぐる議論が最終局面を迎えました。社会保障審議会(社保審)の介護給付費分科会は25日、介護報酬改定案を小宮山洋子厚生労働相に答申し、12年度からの新たな介護報酬や各種基準が決定。一方、厚労省は27日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、個別の診療報酬改定項目に関する施設基準や算定要件などの具体案を示し、改定案の全貌が明らかになりました。
■25日(水) 社保審介護給付費分科会
 小宮山厚労相が、介護職員処遇改善交付金に代わる加算の創設などを盛り込んだ12年度の介護報酬改定案を社保審介護給付費分科会に諮問し、同日中に答申された。昨年末に決まった1.2%の改定率を踏まえ、サービスごとの基本報酬や加算の算定要件、人員・設備・運営の各基準などを明記。また、年度末で終了する介護職員処遇改善交付金に代わり、14年度末までの「介護職員処遇改善加算」を創設することなどが盛り込まれた。3月上旬にも告示される。
■27日(金) 中医協総会
 12年度の診療報酬改定に関する個別の改定項目の検討がスタート。厚労省は、社保審の部会が策定した改定の基本方針に沿って、算定要件や施設基準の具体案を提示した。焦点の一つとなっている、同一日における2つ目の診療科の再診料(200床以上の病院は外来診療料)については、1科目と同一または関連の疾病を対象外としたほか、他の加算を算定できないよう制限を設けた。同省では、半額程度の報酬を想定。
 厚労省案では、一般病棟がある病院や特定機能病院、専門病院が算定する7対1入院基本料の算定要件のうち、入院患者の平均在院日数を短縮し、看護必要度の基準を満たす患者の割合を引き上げ、どちらかを満たせなかったら算定不可とした。ただし、病院への急激な影響を避けるため、4月以降の算定については、10対1入院基本料に切り替える病棟に限って、一定の猶予期間を設ける。
 厚労省は、病院勤務医の負担軽減や処遇改善を要件とする診療報酬項目に6項目を追加する案を示し、了承された。このうち「病棟薬剤業務実施加算」など5項目は、12年度改定で新設されるもの。これで勤務医対策の点数は、現行の8項目から14項目に拡大する。
 薬剤師の病棟業務の評価をめぐる議論は、病院勤務医の負担軽減策の一環として加算を新設することで決着。厚労省案が大筋で了承された。これに伴い、薬剤管理指導料への医薬品安全性情報等管理体制加算は廃止される。

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中央社会保険医療協議会 院内感染対策を強化、加算新設へ 医療機関相互のサーベイランス体制も評価 m3.com 1/31
 
http://www.m3.com/iryoIshin/article/147808/
 1月30日の中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、院内感染対策を強化するため、「医療安全対策加算」とは別の評価体系に変更し、「感染防止対策加算」を新設する方針が決まった。さらに医療機関同士が、相互に感染防止に関する評価を行う体制に関する加算も新設する。院内感染については、2010年秋に、帝京大学医学部附属病院で多剤耐性アシネトバクターによる院内感染が問題になり、対策の強化が求められていた。
 「感染防止対策加算」は、1と2に分かれる。「1」は地域の基幹病院が算定する点数で、施設基準は、専任の院内感染管理者の配置、感染症対策に3年以上の経験を有する専任の常勤医、5年以上の経験を有し一定の研修を受けた看護師(認定、専門看護師を想定)の配置などの人員配置基準のほか、年4回以上、「2」を算定する医療機関と合同のカンファレンスを開催したり、相談に応じることなど。「2」は、300床未満の病院が対象で、感染症対策に3年以上の経験を有する専任の常勤医などの人員基準などがある。
 これに対し、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、300床以上でも、「1」を算定できないケースが想定されることから、「2」の施設基準から300床未満の要件を外すよう求めた。厚労省の「院内感染対策中央会議提言について」(2011年2月)では、
300床以上か未満かに分けて院内感染対策の体制をまとめている。これを踏まえ、厚労省保険局医療課長の鈴木康裕氏は、「柔軟に対応するか検討する」とした。
 そのほか、支払側の全国健康保険協会理事長の小林剛氏からは、「地域の連携体制をどう評価するのか。チェックできる基準を検討する必要がある。また医療機関間の連携は、住民に伝わらないと意味がない。連携の実態について住民への広報の周知してほしい」との意見も上がった。
 2012年度診療報酬改定では感染症対策のほか、「充実が求められる分野」として、がん医療、生活習慣病対策、精神疾患医療の充実、認知症対策の推進、リハビリテーションの充実などが打ち出されている。
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中央社会保険医療協議会 医療機関の全面禁煙、診療報酬で後押し 生活習慣病など入院料加算や医学管理の要件に m3.com 1/30 http://www.m3.com/iryoIshin/article/147786/
 1月30日の中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、生活習慣病、小児、呼吸器疾患患者等に対する入院基本料等の加算や、医学管理を算定する際の要件に、「原則屋内全面禁煙」を追加することが決定した。
 対象となるのは、総合入院体制加算、呼吸ケアチーム加算、生活習慣病管理料など、22の点数が候補例として挙がっており、それぞれの施設基準に加え、「当該医療機関の屋内が禁煙であること」が要件に加わる。ただし、一定の経過期間が設けられる上、緩和ケア病棟入院料など一部の点数では、「分煙」も認められる。
 そのほか、生活習慣病対策では、糖尿病患者に対して、チームによる透析予防の外来指導を評価する、「糖尿病透析予防指導管理料」が新設される。京都府医師会副会長の安達秀樹氏は、対象患者のHbA1cの基準が定められる点について、医学的な知見を踏まえ設定する必要性を指摘、さらに「包括点数と併算定ができるのか」と質問。厚労省保険局医療課長の鈴木康裕氏は、「軽症患者まで広げると算定対象が多くなる一方、重症化を防止することも必要」とした上で、対象患者は医学的に設定するとし、包括点数と併算定も可能だとした。また全国健康保険協会理事長の小林剛氏は、2012年度診療報酬改定の答申の付帯意見として、こうした予防医療に関する実態調査を今後、実施することを加えるべきだとした。
 生活習慣病対策関連の主な改定項目は以下の通り。
◆糖尿病透析予防指導の評価
 ・糖尿病患者に対し、外来で、「透析予防診療チーム」で行う透析予防のための指導を評価する、「糖尿病透析予防指導管理料」を新設。
 ・HbA1cが一定値以上の患者に対し、内服薬あるいはインスリン製剤使用の外来患者が対象。
 ・糖尿病の経験を有する専任の医師、看護師または薬剤師、管理栄養士からチームを構成。
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120130-657号 インフルエンザにご用心 [kensa-ML NEWS 【情報】]


皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 連日どんよりとした空が続きます。気温はさほど低くないようなのですが、風もあり体感温度は低いですね。インフルエンザやウィルス性腸炎を含めた様々な感染症が蔓延しているようです。手洗い、うがいを可能な限り行い、自己防衛に努めることをお勧めいたします。このところインフルエンザもですが、ウィルス性腸炎などもかなり蔓延している状況ですので、くれぐれもお気を付け下さい。感染症については後程、情報提供ということで記事を掲載します。

 先週は金曜日、土曜日と所用があり、福岡へ出向いておりました。九州の方々とは以前より親しくさせていただいており、久し振りに多くの方々と再会できました。九州は温かく包み込まれるような雰囲気があり、私にとっては非常に心地良い場所なのです。私の感覚では、いざという時にぱっと集まる団結力の強い九州、個人色の強い自己中心的な関西、というイメージを持っているのですが、昨年より今年にかけて色々なことに追われ、心身共にかなり疲れ、少し関西に嫌気がさしていた私にとっては、本当に癒されました。私自身が医療のことを「必要な時にぱっと集まる、それが本当のチーム」とお話することが多いのですが、九州はまさにこれでしょうね。もっと長く滞在したいところでしたが、日曜日に少年野球の子供たちと約束していたので、かなり後ろ髪をひかれる思いで九州をあとにしました。

 お世話になった多くの皆様へ・・・この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。特に、九州医療センターの皆さ~ん、また宜しくお付き合いくださいね~。


 先日の学会でも、昨年行われた国立病院総合医学会でも言われていたことですが、「コメディカル」という言葉が廃止される模様ですね。まだまだ「パラメディカル」といった呼び方をする医療従事者の方もまだ化石のようにおられるのでしょうが、「メディカルスタッフ」という用語が本当の意味で定着するためには「医者は別格でメディカルスタッフではない、医者は医者だ」といった風潮が医者にも他の職種にも無くなることでしょうね。もしもそのような残念な風潮が無くなれば、真の「チーム医療」が確立されることだろうと思います。


今年10月の学術集会から 癌治療学会、「コメディカル」の表記を自粛へ 日経メディカルオンライン 1/27
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201201/523398.html
 日本癌治療学会は、医師以外の医療専門職を指す言葉として使われている「コメディカル」(同会の表記ではコ・メディカル)という用語について、使用を自粛する。1月25日、理事長で埼玉医科大学先端医療開発センター長・教授の西山正彦氏のメッセージとして発表した。
 今年10月に開催予定の第50回学術集会からこの方針を適用し、以降、同学会の発表や関連出版物では原則として使用しない。
 「コメディカル」という用語は、以前のパラメディカルに代わり、医師以外の医療専門職である看護師、薬剤師、放射線技師などを総称する用語として、医療分野で広く用いられている。同学会では、(1)適用される職種の範囲が不明確、(2)喜劇を意味する「comedy」の形容詞である「comedical」と解釈される場合があり、不適切な和製英語である、(3)医師とほかの医療職の上下関係を暗示させ、対等であるべきというチーム医療の精神に反する―など、かねてからの指摘を問題視した。

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 さて本日のコラムご紹介に移ります。

 私の場合、考えていることが分かりやすいというか、単純というか、全く変化球を使うなどといった頭はなく、真っ向勝負に出て失敗することがこれまで多々ありました。が、別にこれを無理してまで変えようとは思っていません。意識下においているのは、「正しいこと」か、「正しくないこと」か、その判断をしっかりと付けることです。
 今お話ししたのは仕事に対するお話のことで、別に野球のことをお話しているわけではありません。もっとも家庭生活においては、変化球を投げて相手に見破られ、より一層、和解に時間を要することも多々あります・・・
 私自身も岐路に立たされる年齢に差し掛かっているのか、どうかは分かりませんが、直球が通用するうちに変化球を覚える・・・うーん・・・考えてしまいますが、直球しか投げられないというよりも、変化球もマスターしつつ、あえて直球で勝負をする・・・てなことを私は目指したいと考えています。禅問答のようなお話で申し訳ありません。


天声人語 朝日新聞コラム 1/29
 
http://www.asahi.com/paper/column20120129.html
 名選手の去り際はそれぞれに味がある。世界のホームラン王は「王貞治としてのバッティングができなくなった」と目を潤ませた。その年も30号には届いたが、ファンの落胆は誰より本人が知っていた。看板技の陰りは、選手生命さえ決する▼去年の貿易収支が31年ぶりの赤字と聞いて、一時代の終わりを思った。原材料を買い、優れた製品にして稼ぐ。技術と品質で戦う輸出立国こそ日本の命脈なのに、お家芸が思うに任せない▼前回の赤字は王さん引退の年、第2次石油危機の後だった。エネルギーは鬼門だ。去年は原発事故で火力用の燃料輸入が急増した。輸入原油が通過するホルムズ海峡の緊張で、価格の先高感も強い▼輸出はより厳しい。震災による生産減は去年限りでも、円高で工場が外に逃げる。頼みの中国市場は不安定、韓国の猛追で商品競争力とて絶対ではない。海外からの利子や配当で赤字が埋まらなければ、外国に借金するほかない▼「真っすぐが通用するうちに、次の変化球を覚えておけよ」。西武のエースだった東尾修さんは、後輩の工藤公康投手にそう助言したという(『トップアスリート名語録』桑原晃弥(てるや)著)。直球とカーブ主体だった工藤さんは球種を増やし、30年近く現役を通した
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 もう一遍、社説のご紹介。

 本邦の医療業界、特に医療現場への外国人の方の参画が非常に厳しい状況にあることは、皆さんもすでにご存じのことと思います。医療従事者の実数が充足していないと言われる現状、海外からの方々を受け入れることに関しては、全く異論はありません。ただし、本邦の医療レベルに見合ったレベルを有していることが大原則であり、数を充足させるためには質の低下も致し方なし、というのであれば本末転倒だと思います。さらに医療現場においては最近とみに、医療従事者と患者の対話が問題となりますが、対話の出来ない方や本邦文化を理解していない方々に同レベルの医療の質を求めるのは少し酷な話であり、無理なのでは?という気がします。現試験制度を変更するのではなく、日本語や文化を学ぶ期間を含めてもう少し長期的展望と視野で捉え、議論をしてもらいたいものだと思います。具体的には教育期間が短く内容も乏しいことが原因ではないですかね?あと何よりも患者側、利用者側の視点に立つということが抜けているような気もするのですが・・・上から目線と言われるかもしれませんが、「郷に入れば郷に従え」だと私は思います。


外国人介護士 日本語の障壁をもっと下げよ(1月29日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120128-OYT1T00857.htm
 難解な日本語を障壁にして、外国の有能な人材を拒む制度は、根本的に見直すべきだ。
 インドネシアから介護福祉士を目指して来日し、3年間、介護現場で働きながら勉強してきた約100人がきょう29日、国家試験に挑戦する。
 受験者の能力や意欲は高い。母国ではすでに看護師などの資格をもって活躍していた人たちだ。滞日3年の実務経験で、日常の日本語にも不自由はない。
 それでも多くは合格できないと予想されている。看護師国家試験の先例があるからだ。
 日本はインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、2008年から看護師と介護福祉士の候補者を受け入れてきた。これまでに、合わせて800人近くが来日している。
 看護師の場合、日本でずっと働き続けるには、認められた3年の在留期間に国家試験に受からねばならない。だが、過去3回の試験で合格者は計17人にとどまる。
 一方、介護福祉士の場合は4年以内に合格する必要がある。「3年の実務経験」が受験の条件であるため、滞在4年目の受験が“一発勝負”となる。インドネシアの候補者がこれを受けるのは、今回が初めてだ。
 筆記試験のあり方にも、大きな疑問符が付く。看護師試験で合格者が少なかった理由は、問題文に「褥瘡」「仰臥位」といった、日本人でも難しい漢字や専門用語が並んでいるためだ。
 厚生労働省は昨年の試験から、難解な漢字に振り仮名をつけ、病名に英語を併記するなど、多少の改善は行った。不合格でも一定以上の成績だった人は、さらに1年滞在延長を認めることにした。
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 さてここからは医療関連のニュースをお届けします。まずは診療報酬絡みのニュースからご紹介です。

 最近昭和の時代のドラマや映画を結構見る機会があり、その場面場面を眺めていると、もちろんノスタルジックな気分にもなりますが、かなり何事においても、寛容な時代だったんだなぁ・・・などと感じます。私が小学生や中学生のころにしていたようなことを今の子供たちがしたならば、即刻、問題児だ、などと敬遠されるだろうな、と思います。もしかしたら新聞沙汰になるかもしれません。白黒はっきりつけたがる世相というか、世知辛い世の中ですが、政治の世界はまだまだノスタルジックで寛容な世界のようですね。もちろん、中にいる人たちだけでしょうが。


禁煙しない病院は診療報酬減 厚労省、徹底へ方針 朝日新聞 1/28
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201201280533.html
 子どもの患者や、呼吸器疾患や生活習慣病などの大人が通う病院・診療所について、厚生労働省は、屋内を全面禁煙にしていない場合は診療報酬を減額する方針を固めた。禁煙化を徹底するための誘導策だ。時期は検討中だが、2012年度中にも実施する見通し。
 厚労省によると、屋内が全面禁煙の病院は、08年時点で全体の63.8%。残る35%は喫煙室などを設ける分煙で対応している。成人の約23%(09年)を占める喫煙者にも、一定の配慮をしているとみられる。

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 一般的な病院では、土日の患者数を確保するのに必死な施設も多いことかと思います。もちろん施設側都合で無意味に患者を拘束するのは問題かと思いますが、私が危惧するのは、患者側の都合により致し方なくそういった措置を取られている施設や、地域医療連携などでパスを使いプログラム化されている施設など、様々な施設が同列に扱われる可能性があるのでは?ということです。


金曜入院と月曜退院が多い病院、診療報酬減 厚労省方針 朝日新聞 1/25
 
http://www.asahi.com/politics/update/0126/TKY201201250784.html?ref=reca
 厚生労働省は、入院期間が長くなりがちな「金曜入院」や「月曜退院」などの割合が高い病院について、病院側が受け取る入院基本料を減額する方針を固めた。不必要な医療費を抑制するねらい。診療報酬改定を議論している中央社会保険医療協議会で了承されれば、4月から実施する。
 厚労省によると、金曜日に入院した患者の平均入院日数は18.14日で、曜日別で最長。最も短い水曜日の入院患者より3日余り長い。一方、退院の曜日別では、月曜日が17.79日と最も長く、最も短い土曜日退院とは3日近い差があった。

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 さて本日のメインニュースであるインフルエンザの話題に移りますが、その前にこのところ、ウィルス性腸炎が大流行の兆し?かも?私の周辺だけかもしれませんが・・・そのウィルス性腸炎が、ノロでもロタでもないとのこと。さあていったい何なのでしょう?ということでちょっと調べてみました。症状等から行くと、アデノっぽいのですが、聞き取りだけでは分かりませんよね。

ウイルス性胃腸炎
 
http://www.oyako.jp/mypages/disease_viralge.html
●ウイルス性胃腸炎とは
 感染性胃腸炎とは、嘔吐・吐き気・下痢・腹痛などの胃腸症状を主とする感染症です。熱も伴うこともあります。そういった嘔吐や下痢を引き起こす感染症の原因はいろいろありますが、大きく分けて、ウイルス性のものと細菌性のものとに分かれます。細菌性胃腸炎は、O-157やサルモネラ、腸炎ビブリオなどの細菌が原因になり、特に夏場に、食中毒など引き起こします。ウイルス性胃腸炎は、ロタウイルス腸炎に代表されるように冬場に嘔吐や下痢の症状を引き起こしやすいものです
●どんなウイルスがある?
 1.ロタウイルス(A群、B群、C群)--------冬期のウイルス性胃腸炎の約40~50%
 2.カリシウイルス(ノーウォーク、札幌ウイルスなど)--------冬期のウイルス性胃腸炎の約30~40%
 3.腸管アデノウイルス(40、41、7型)--------冬期のウイルス性胃腸炎の約5~10%
 4.アストロウイルス(1~8型)--------冬期のウイルス性胃腸炎の約5~10%
 5.その他(コロナウイルス、コクキッサーウイルスA9型、B5型)
●各ウイルス胃腸炎の特徴
 (1)ロタウイルス胃腸炎
  A群:6~24カ月の乳幼児に多く、比較的晩冬(2-3月)に流行します。ウイルス性胃腸炎の中では、もっとも重症化しやすく、高熱を伴うこともよくあり、下痢便は、白色~淡黄色の水様便であり、5-7日続きます。けいれんを起こすこともあります。保育園や幼稚園などで集団発生することもよくあります。経口感染が主ですが、空気感染も考えられます。
  C群:3才以上の年長児や成人にみられ、春から初夏にかけて流行することが多い。その他はだいたいA群と同じですが、A群ほど大流行することはあまりありません。
  B群:今のところ日本での報告はなく、中国のみ   
 (2)カリシウイルス胃腸炎
  ノーウォークウイルス:SRSV(小型球形ウイルス)と呼ばれ、主に食べ物(生カキ、サラダが多い)、生水などを介して感染(糞口感染)しますが、空気感染もあるようです。乳幼児から成人まで発症しますが、学童、成人に集団発生することも多く、11月から3月の冬季を中心に、ウイルス性の食中毒として集団発生することもしばしばあります。ロタウイルスほどではありませんが、重症化することもよくあります。
  札幌ウイルス:乳幼児に集団発生することが多くやはり冬期に流行します。ロタウイルスやノーウォークウイルスほどは、重症ではありません。
 (3)腸管アデノウイルス胃腸炎
  主に3才未満の乳幼児にみられ、1年中ありますが夏~秋期にやや多くみられるます。ロタウイルスに較べ、軽症で発熱も少ない。
 (4)アストロウイルス胃腸炎
  主に乳幼児に急性胃腸炎を起こします。冬季に発症しますが、一般に軽症で、嘔吐や発熱も少ない。
 (5)その他
  コロナウイルス(秋~冬)、コクキッサーウイルス(夏)なども胃腸炎をはじめいろいろな、かぜ症状を引き起こします。
●検査法
 A群ロタウイルス、アデノウイルスは、便で簡単に検査でき、検査キットが、ある施設では、数十分で検査できます。その他のウイルスは、便では簡単に検査できないので、ウイルスの分離培養、ウイルス抗体などを測定しますが、数週から数ヶ
月を要します。


 さてインフルエンザ情報に移ります。

 全国各地で警報が出たり、学級閉鎖になったりと非常に厳しい状況になっています。インフルエンザに関する情報は、国立感染症研究所のHPが有名ですが、分かり難いと言われる方もおられますので、こちらのHPをご紹介します。


インフルエンザ情報サービス 中外製薬
 
http://influenza.elan.ne.jp/


 以下はインフルエンザに関わる記事です。コメントは特にしません。


インフル、57人集団感染で2人死亡 茨城・取手の病院 朝日新聞 1/28
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201201280369.html
 茨城県取手市の取手北相馬保健医療センター医師会病院は28日、入院患者と職員計57人がインフルエンザに集団感染し、このうち入院していた90代の男女2人が死亡した、と発表した。
 病院によると、今月20日に看護師1人の感染を確認。その後、増加して入院患者25人、職員32人にのぼった。職員1人がA型で、他の56人はB型。
 死亡した2人はいずれも昨年12月から肺炎で同じ病棟に入院していた。23日から24日にかけてB型の陽性反応が出た。男性が25日に心不全の悪化で、女性は26日に肺炎で、それぞれ死亡したという。


インフル最大の流行期 児童ら欠席3400人に 中日新聞 1/28
 
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20120128/CK2012012802000120.html
 県内でインフルエンザが猛威を振るっている。県教育委員会のまとめでは、学級、学年、学校が閉鎖した小中学校と幼稚園は昨年より1~2週間ほど早いペースで増えており、1月下旬から今冬最大の流行期を迎えている。新型インフルエンザの感染者が多かった昨年や一昨年に比べ、A香港型に感染する人が多く、県健康推進課は「新型ではなく旧型に対する人々の抵抗力が弱まっていることが原因ではないか」とみている。
 県教委によると、学級、学年、学校が閉鎖した小中学校と幼稚園は総数で、昨年末までは1週間に十数校で推移してきたが、1月の第3週から急増。第4週には155校に上った。今冬のインフルエンザによる欠席者も、3400人余りと多い。

⇒続きはこちら
 

インフルエンザ:診断速く 40分以内に検出、正確に判定--理研開発 毎日新聞 1/26
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20120126dde041040046000c.html
 インフルエンザウイルスを従来より速く正確に診断できる方法を、理化学研究所(横浜市)などのチームが開発し、25日付の米科学誌プロスワン(電子版)に発表した。乳幼児や高齢者など重症化する危険が高い患者の早期診断・治療につながる技術として注目される。【久野華代】
 従来の方法では、発症後24時間以上経過し、ウイルスが増殖してからでないと検出が難しかった。チームは、増殖にかかわる遺伝子を短時間で増やす技術を開発。検出まで約6時間かかっていたのを、40分以内に短縮できた。また、ウイルス量が少ない発症後6~24時間以内でも検出できた。
 一方、医療機関で使用されている簡易検査キットでは、たんぱく質の違いからウイルスの型をA~C型の3種類に判別するまでが限界だが、新しい方法は遺伝子配列まで検出できる。東京都と千葉県の14医療機関で実施した臨床試験(255例)では、簡易検査キットが110例を「A型」と診断したのに対し、新しい方法ではそれを上回る140例を、A型で09年に流行した「H1N1型」と判定できた。

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0622-648号 若い医者のここがおかしい 最近の若手医師ってどうですか? [kensa-ML NEWS 【情報】]


皆さん、おはようございます。神戸の新井です。

 昨日は非常に蒸し暑い一日でした。今日も朝から暑いですね。昨朝「病院に着くまではお天気持つだろうなぁ」と思い、傘を持たずに自宅を出、病院最寄駅に着いた時には傘は不必要だったのですが・・・100mほど歩いたところでいきなり強い雨が降り出しました。雨宿りする時間も無かったので、近くのコンビニに駆け込んで傘を購入。颯爽と歩き出したのですが、100mほど歩いたところで、前から来る人が傘を差していない!ほんの2,3分の出来事でした。その傘は私の部屋に飾っております・・・置き傘もあるので、もう使うことはないでしょう。PC持ち歩いているので、極力荷物増やしたくないんですね。

 ま、そんな話はともかく、朝いつものようにコラムを読んでいたら面白いモノ見つけました。


6月21日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20110620-OYT1T01308.htm
 上から読んでも下から読んでも同じ読み方になる文章を「回文」という。国文学者、鈴木棠三とうぞうさんの『ことば遊び』(中公新書)に紹介されている例文を読んでいて、おや、と思った。いまの政治にあてはまるものが少なくない◆〈内閣、退のくかいな〉。いったんは辞意を表明しながら土俵際で粘り腰を見せる菅首相は、具体的な退陣の時期をまだ明らかにしていない。この回文は多くの人が内心でつぶやいている疑問の声を代弁しているだろう◆〈夏まで待つな〉。野党のみならず、与党の幹部からも早期の退陣を望む声が聞こえる◆〈いかにもにがい〉。濁点は大目に見るのが回文のルールという。首相交代にふさわしい時節でないのは誰もが知っている。辞意を口にした以上は、しかし、新体制のもとで与野党が協力して震災対応にあたれるように、潔く身を引くことが為政者の責任だろう。現体制すでに崩壊し、新体制いまだ生まれず――迷走劇の味は、いかにも苦い
⇒ 続きはこちら


 恥ずかしながら「回文」っていう文言、知りませんでした。もっと凄いことに、この回文を仕切っている???「日本回文協会」なるものがあるんですね。一度ご覧あれ。結構クスッと笑えるものがあります。

日本回文協会 http://kaibun.jp/


 さて脱線ついでに科学ものを二題。まずは蓮舫さんの本音はどうなのかな?って話題です。世界一奪回おめでとうございます。やっぱり一番じゃないと価値は下がりますよね。


スパコン:「京」速度首位奪還 蓮舫さん!1番でした 毎日新聞 6/21
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110621ddm001040044000c.html
 理化学研究所は20日、神戸市中央区のポートアイランドにある次世代スーパーコンピューター(スパコン)「京(けい)」が、ドイツで開催中の国際会議で、演算速度世界1位を獲得したと発表した。日本のスパコンが1位になるのは、海洋研究開発機構の「地球シミュレータ」(02年~04年6月)以来7年ぶり。「京」は政府の事業仕分けで蓮舫参院議員が「世界一でないといけないのか。2番ではだめなのか」と問題視し、話題になった。京は理研と富士通が約1120億円をかけて開発中で、高性能の処理装置(CPU)約8万個を効率よくつなぎ、4月から一部稼働している。5月時点で、指標となるプログラムの演算で1秒間に8162兆回を達成。前回1位の中国の「天河1A号」の2566兆回を大きく上回った。
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 皆さんはISS(国際宇宙ステーション)が肉眼でも観察できることご存知でしたか?私は知ってはいましたが、まだ見たことがありませんので、古川さんがISSにおられるうちに見ようと思っています。

国際宇宙ステーション(ISS)を見よう
 
http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/osaka/pass2011062106.html


 さてここからは医療関連ニュースに移ります。まずはカプセル内視鏡の話題から。

 カプセル内視鏡がかなり普及していますが、見れないところも多く、被検者の腸の状態に委ねるところが多いので何かと問題がありました。今回開発された自走式内視鏡カプセルは従来のモノの問題点をクリアし、早期の商品化が望まれるところです。一番最初に被検者になった方に敬意を表します。


泳ぐ内視鏡「マーメイド」、人体内の撮影に成功 朝日新聞 6/21
 
http://www.asahi.com/health/news/OSK201106210019.html
 尾びれを使って魚のように泳げる自走式のカプセル内視鏡で、ヒトの体内を撮影することに大阪医大と龍谷大のグループが初めて成功したと21日発表した。磁力を使って体の外から動かす。医師が内視鏡の映像を見ながらジョイスティックで操作し、患部を重点的に撮影できるという。
 内視鏡の愛称は「マーメイド」。全長4.5センチ、直径1.2センチ。グループは2009年、自走式内視鏡を開発して犬で実験。今回はヒトに応用し、操作しながら撮影することに成功した。磁場はMRIより弱く、尾びれなどが胃腸を傷つけないことも確認できたという。大阪医大の樋口和秀教授は「構造もシンプルで安価。理想的な内視鏡ができた」と話す。

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 さて同じ腸モノでもう一題。

 難治性炎症性腸疾患で苦しんでいる患者さんは非常に多く、私の友人や知人の中にも結構な数、おられます。診断はともかく、早く根本的治療に結びついてもらいたいですね。この炎症性腸疾患についてちょっと紐解いておきます。大腸.comからの引用になります。


炎症性腸疾患とは・・http://daichou.com/ibd.htm
 長期に下痢、血便が続く原因不明の難病です。通常の食中毒などと異なり、数日でよくなりことはなく長期にわたり(多くは一生涯)、よくなったり悪くなったりしながら症状が続きます。
 具体的には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」があります。適切な治療をおこなえば通常の生活をおこなえますが残念ながら完全に治ることはありません。
 命を落とすことはありませんが、生活が大きく病気のために犠牲になるのがこの病気の特徴です。(特に若い患者さんで深刻です)
 原則として大腸の専門家が診断、治療にあたるべきです。

潰瘍性大腸炎:http://www.nanbyou.or.jp/entry/62

クローン病:http://www.nanbyou.or.jp/entry/81


炎症性腸疾患で特定タンパク質増加 岡山大大学院グループが解明 山陽新聞 6/21
 
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2011062022384664/
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の榎本秀一教授(核薬学・分子イメージング)と大学院生の東川桂さんらのグループは、難治性の炎症性腸疾患(IBD)が進行すると、特定の炎症性サイトカイン(タンパク質)が増加していくことを、マウス実験で突き止めた。同疾患であるクローン病や潰瘍性大腸炎の病期(ステージ)の診断などにつながる成果という。
 グループは、大腸炎を発症させたマウスに特殊薬剤を投与して症状を悪化させながら、細胞内の炎症性サイトカイン量を分子レベルで分析。「IL―6」「IL―1β」「TNF―α」の量が症状の悪化に比例するように増加していることを確認した。

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 多くの方がこのニュースを見て、オッ!っと思われたかもしれません。このマイクロアレイについてちょっとご説明を加えてからニュースに移ります。しかし原価で一人当たり5万円はちょっと実用的ではありませんね。需要が拡大すれば価格は下がると思いますが、高いことは間違いのないところです。これだったら業界の方々には禁句の「生物発光測定系」を早く開発してもらいたいなぁ・・・儲かりませんけど。


マイクロアレイ
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%A4
 マイクロアレイ(Microarray)とは、検査・実験の対象物を多数(たとえば千個以上)固定化しておき、これに対して一度に検査・実験を行うための材料または技術を指す総称である。
 特に生物学・医学・薬学の方面で、20世紀末から核酸を対象とするDNAマイクロアレイを中心として開発が進み、利用されるようになってきた。
 アレイ(Array)とは整列・並べたものの意味であり、数が少ない場合(数百個以下)にはマクロアレイ(Macroarray)と呼ぶこともある。
 マイクロアレイの特長は多数の対象を一度に網羅的に扱える点にあり、これは特にバイオインフォマティクスやテイラーメイド医療(個人の体質に応じた医療)の要求を満たすものとして期待されている。具体的には次のようなものがある:
 DNAマイクロアレイ:DNAチップと呼ぶことも多い。DNAを固定化し、それらに相同性のあるDNA・RNAを検出・定量する方法。
 タンパク質マイクロアレイ:タンパク質を多数固定化し、それに対する反応(低分子化合物や他のタンパク質の結合など)を検出する方法。代表的なものとして抗原を対象とした抗体マイクロアレイがある。なお「プロテイン(タンパク質)チップ」の名称("Protein chip"はLumicyte社の商標)は、特定のタンパク質の結合を検出・定量する方法(網羅的ではない、ビアコア社製品など)を指すものとしても用いられてきたが、これらについても網羅的な扱いを目指して改良されつつある。
 細胞マイクロアレイ:多数の細胞を基板上に培養し、特定の反応を示すものを検出する方法。DNAでアレイを作製し、その上で細胞を培養してDNAの遺伝情報を発現させる方法もある。
 組織マイクロアレイ:微小な組織標本を多数固定化し、これらについて免疫組織化学などの方法で特定の性質を示すものを検出する方法。
 化合物マイクロアレイ:多種の低分子化合物を固定化し、それに対するタンパク質などの反応を検出する方法。コンビナトリアルケミストリーの発展と歩調を合わせて、医薬品などの開発ツールとして発展しつつある。
 一部(特にDNAと化合物を対象とするもの)は、フォトリソグラフィを技術的基盤としている。しかしその他の方法については必ずしも先進技術を要素とするものではなく、組織マイクロアレイなどは古くからの技術に現代的な工夫を加えたものである。またタンパク質マイクロアレイでは固定化によって活性を失わないよう、タンパク質の種類に応じた技術が要求される。

DNAマイクロアレイ
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%A4


マイクロアレイでは、何ができるのか
 
http://cdna01.dna.affrc.go.jp/RMOS/background.html
■マイクロアレイの可能性
 ゲノム構造解析が行われている生物では、殆どの場合、cDNAクローンの大量解析も行われている。cDNAクローン塩基配列をもとにしたデータベース相同性検索により、一部は既存の遺伝子と相同性が見いだされ機能が推察されたものがあるが、大半は機能未知のままの状態である。これらのクローンについて細胞がどのような状況において遺伝子発現が上昇、あるいは低下するかを少ない回数の実験で調べられる方法がマイクロアレイ法である(遺伝子発現プロファイリングとしてのマイクロアレイ)。また、ゲノム構造解析で得られた大量のcDNAクローンの中から、研究者が興味を持っている生物現象(たとえば環境ストレス応答、組織特異的遺伝子発現)等によって発現の変化する遺伝子を見つけだす方法として使い方もある(遺伝子単離技術としてのマイクロアレイ)。マイクロアレイ法はいわば少ない実験トライアルで、極めて多くの遺伝子発現データを獲得できる方法である。
 これまでは、どちらかというと分子生物学的実験手法は遺伝子が単離し易い生命現象に適用されて来た。それに対して、生物現象としては興味深いが、どの遺伝子がどう関与してこういった表現型が現れるのか、アプローチが難しいケース、例えばヘテロシス(雑種強勢)、組織培養における再分化能等の実験系にマイクロアレイ法を適用することにより、分子生物学的研究が進むことも十分考えられる。
■マイクロアレイは一次スクリーニングである
 前項で記述したようにマイクロアレイ技術は1回の実験で膨大な量の遺伝子発現データを得られる画期的な技術である。一方、マイクロアレイ技術は遺伝子単離にも使える。マイクロアレイ実験を行うことによって、細胞の状態変化に対応して発現の変化する遺伝子が多く見つかるはずである。ここで強調したいのは、「マイクロアレイ実験のデータを最終データと見なすことはせずに、多くの遺伝子の中からまず一次スクリーニングとして一群の遺伝子を選択するための手法と見なすべき」ということである。我々もマイクロアレイ実験を行っていて、どうやってデータを標準化するか、異なるガラス板間の値をどう揃えるか、コントロールはどうすればよいか、常に発現量が一定の遺伝子は存在するか等の問題で苦労している。ある程度の標準化はできるが、細胞全体が死に向かっている際などは、一部を除いて多くの遺伝子発現レベルが低下する傾向にあるため、標準化等が非常に難しいケースとなる。こういった問題を個々に考え出すときりがなくなるので、マイクロアレイはあくまで一次スクリーニングと考え、そこで得られた遺伝子個々についてNorthern hybridization法や、RT-PCR法で遺伝子発現を検討するのがベターと考えている。



世界初、血液検査で消化器がん発見…精度9割 読売新聞 6/21
 
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110620-OYT1T00017.htm
 金沢大発の医療ベンチャー企業「キュービクス」(石川県野々市町)は19日、簡単な血液検査だけで「消化器がん」を発見できる世界初の検査キットの輸出を目指し、欧州人向けの性能試験のためドイツの医療企業に検査キットの提供を始めたと発表した。
 同社は、同大医薬保健研究域の金子周一教授らが約2年前に開発した、消化器がんの有無を血中の遺伝子の変化で判別する新技術を使い、「マイクロアレイ」と呼ばれる検査キットを製造。
 この検査キットを使えば、2・5ccの血液を採取するだけで、3日で結果が分かるといい、胃がん、大腸がんなどの消化器がんを9割の精度で発見できるという。同社によると、これまでの性能試験は日本人だけに行われてきたため、人種が違っても同様の性能があるかどうかを調べようと、ドイツの企業と共同で試験に臨むことにした。

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 本日のメインニュースに移ります。

 この記事をメインニュースとするにはちょっと内容が主観的というか、科学的ではないなぁと思いつつも、医師に限らず、若手に限らず、医療従事者の中に「なんでこの仕事に就きはったの?」と痛切に思う方が残念ながら多数おられ、言いたいことが山ほどあったので・・・。若い時の理想を忘れ、ポピュリズムに走ったというか、ポピュリズムと思いきや何のことはない、結局は自分のことしか考えていない方々はもっと多数。医療従事者は病める人たちのために存在するのではないのでしょうかね???就職したときの自分が、今の自分を見るとどう思うのか意識したら良いのではないかと思います。ま、その感性がないから現在に至るのでしょうけど。

 さらに若手医療従事者(医療業界に限らずだと思いますが)の初期教育の重要性をとみに感じますね。きちんと叱る(怒るのではなく)指導者が何人いることか。おかしくなる原因は指導者にも責任があると私は思います。一例を挙げると、指導者がきちんと挨拶できないのに、こんなものでいいのか、と教えられる側は思うでしょう。無責任な指導者の典型は「放置」でしょうね。自由にさせているというのは言い訳で、叱る自信がないのか、嫌われるのが嫌なだけ、もしくはめんどくさいのでしょう。本当に無責任な方が多すぎます。

 また若手に限らず「権利」ばかりを主張し「義務」を果たさない方が本当に多いですね。甘えの構造そのものです。モノの順序として、まず「義務」を果たして「権利」を主張するべきなんですけどねぇ・・・

 とにかく、人の繋がりはまず挨拶から、また会話が成立しない方(自分の意見ばかりを主張し、人の意見を聞き入れない)は論外でしょうねぇ・・・


◇若い医者のここがおかしい Vol.1 最近の若手医師ってどうですか?(その1)
 ベテラン医師562人に聞いた 日経メディカルオンライン 6/20
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t143/201106/520219.html
 若手医師の振る舞いや行動パターンを見て、年配医師はどう感じているのか。45歳以上のベテラン医師を対象に実施したアンケートの結果から、彼らの理解しがたい行動や考えに戸惑っている人が多い実態が明らかになった。
 「医師としての使命感を持つ若手が少なくなった」「上級医に物を聞く態度がなっていない」──。
 病院医師や大学教授などを取材すると、若手医師に対するこんな意見を時々耳にする。聞けば、最近の若手医師の行動や考え方についていけないという。自分の考えが古いのかと逆に悩む人もいる。

「上位層」の若者の質も低下
 「草食系男子」「シュガー社員」「ゆとり世代」──。世間ではこうした若者に対するレッテルが流行語にまでなっている。「礼儀を知らない」「叱るとすぐに潰れる」「権利をことさらに主張する」などと若者の傾向を分析し、どう接するべきかをまとめた一般雑誌の記事も多く目に付く。
 ただ、ここ数年でこうした“若者事情”がさらに変わってきているという。就職情報誌編集者の立場で若者の考え方や行動を長年観察・分析し、『就活エリートの迷走』(筑摩書房)、『「上司」不要論。』(東洋経済新報社)などの著書もある(株)リクルート・ワークス研究所主幹研究員の豊田義博氏はこう話す。
 「今までは『中位』以下の若者のレベル低下が問題視されてきたが、近年では優秀とされていた『上位』の若者にもその傾向が表れている」
 以前から、上位の若者が集まる一流企業でも戦力外の人間が2割ほどいたようだ。しかし最近、それが8割程度にまで膨れ上がったと嘆く企業の採用担当者が増えているという。
 豊田氏は「一流企業に入社するような上位の若者は、頭脳的にとても優秀。しかし、『それがなぜ仕事に反映されないのか』と、多くのビジネスパーソンが疑問を抱いている。『指示待ち』『やる気がない』と批判する人が少なくない」と語る。

7割が若手医師に不満
 豊田氏の言う「上位」の若者のレベル低下は、受験戦争を勝ち抜き、世間ではかなり優秀とされる医師にも当てはまるようだ。
 本誌がベテラン医師562人に聞いたアンケートでは、若手医師の行動や勤務態度に対して違和感や不満を抱くことが「頻繁にある」とした人が10.7%、「時々ある」が59.6%に上った。約7割のベテラン医師が日常的に不満を抱いている結果となった。
 具体的な行動では、「叱責や批判に弱い」(49.1%)点に違和感や不満を持つ人が最も多く、「仕事よりプライベートに比重を置く」(47.9%)、「礼儀作法が身に付いていない」(44.8%)、「指示されたことしかやらない」(41.3%)などがそれに続いた。豊田氏によれば、「こうした傾向は、一流企業に就職した優秀な若者に対する批判と共通する部分が多い」という。
 これに関連して聞いた自由意見には、さらに生々しい若手医師の実態が寄せられた。まず、「叱責や批判に弱い」タイプのエピソードから。

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◇若い医者のここがおかしい Vol.2 最近の若手医師ってどうですか?(その2)
 ベテラン医師562人に聞いた 日経メディカルオンライン 6/21

 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t143/201106/520227.html
 「仕事よりプライベート重視」「横柄」「EBM偏重」「指示待ち」――。ベテラン医師にアンケートで聞いた若手医師の勤務態度には、マイナス面が目立つ。その一因として、新医師臨床研修制度を挙げる声もあるが…。

医師がサラリーマン化
 「仕事よりプライベートに比重を置く」タイプも増殖している。
 「喘息重積発作の患者にステロイドの全身投与を開始したのに、効果判定せずに帰宅した。救急患者の入院を連絡したら、定時だからと帰っていった」(52歳、市中病院)
 「受け持ち患者が急変しようが、休日や夜間は決して来ようとしない」(51歳、市中病院)
 「『夜呼ばれて働いたのだから日中は休みたい』『当直の翌日はオペから外してほしい』と言われた」(65歳、市中病院)
 昔だったら口にするのもはばかられるような言葉を平然と発することに驚き、手を焼いているベテラン医師は少なくないようだ。
 こうした傾向は、医師のサラリーマン化が進行していることの表れともいえそうだ。若者の行動や生態についての著書が多数ある精神科医の香山リカ氏は、「最近は『フツー』の医者が増えた」と語る。「昔は威厳に満ちた、特権意識を感じさせる医者が多かった。しかし、今の若手医師と話をすると、医師という職業をさほど特別な存在と考えていない」と話す。
 こうした変化がもたらされた一因には、医師の社会的地位の相対的な低下がある。医療事故や医師による不祥事などがマスコミで取り沙汰されるのと並行して、人々の権利意識の高まりなどにより、医師と一般の人の間の垣根が低くなった。

仕事よりプライベートを重視するタイプも増殖中
 さらに、医師の家系の子息など、昔はごく一部の層しか医師になれないという意識が世間では強かったが、近年はサラリーマンの一般家庭の子息が医師になる例が数多く見られる。それに伴って医師は特権的な職業ではなくなり、普通の職業と認識される傾向が強まっていると考えられる。
 結果、若手医師たちは、普通の“労働者”として「昇給」や「休暇」を公然と求めるようになった。医療に対して「ドライ」にコミットするようになるのも自然な成り行きで、ワークライフバランスやプライベート重視の傾向はこの流れに沿うものだ。
 実際にベテラン医師もそう捉えていることがアンケートからも読み取れる。こうした若手医師を生み出した、医療を取り巻く環境の変化について聞いたところ、「医療訴訟の増加」(58.5%)、「モンスター患者の増加」(48.6%)が上位に入った。これらは、患者の権利意識の高まりと理解できる。
 自由意見に寄せられた、「患者が医療を単なるサービスと思うようになり、若手医師もそれでいいと開き直ってしまい、崇高な精神がなくなってサラリーマン化した」(51歳、診療所)という意見は象徴的だろう。

ベテランこそ礼儀を知らない
 「礼儀作法が身に付いていない」といった若手医師のケースとしては、「自分から挨拶をしない」「挨拶をしても返さない」などの意見が多数寄せられた。挨拶程度ならまだしも、外部の人に応対する際も礼儀をわきまえない言動があるという。
 「開業医から患者の紹介を受けるときの若手医師の横柄な態度が目に付く。有名病院という権威をかさに着ており、それを自分の実力だと勘違いしている」(56歳、診療所)
 「1年目なのにMRさんに対して横柄な態度を取る」(59歳、診療所)
 学校教育が無駄を省いて最短距離で「受験成功」を目指すようになり、礼儀や道徳の教育が軽んじられているとの意見はよく耳にする。
 ただ、「年配者こそ礼儀を知らない」との指摘もある。実際、今回の自由意見にも、「ベテラン医師の姿を見て若手医師がまねしているので、若手ばかりを責められない」(51歳、市中病院)との声があった。
 このほか自由意見欄には、最近の若手医師のタイプとして次のようなものもあった。

EBM偏重タイプ
 「EBMを重視するあまり文献検索で得た治療法以外の方法を考え出すことを放棄し、凝り固まっている」(45歳、市中病院)
 「EBMを理由にこじつけて、根本的なところで間違った治療を進める」(51歳、診療所) 

自信過剰タイプ
 「専門分野をかじり始めたばかりなのに、突然自分で本を書いた。内容に誤りがあるし、組織名が出るのも問題だったので、説得して本を回収させた」(49歳、診療所)
 「問題点を指摘すると、『ボクのやり方でやります』という。『自分のやり方でやるのは研修とは言いません』と諭しても理解してもらえない」(46歳、大学病院)

指示待ち人間タイプ
 「症例について、自分で考えることをしないで、全て指示を受けようとする」(45歳、市中病院)
 「決まったことしか学ぼうとせず、指示されるまで積極的に知識を吸収しようとしない」(52歳、市中病院)
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0614-646号 HbA1c値の算出法見直し、結論先送り- 厚労省検討会 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 今宵は検査当直のため病院にお泊りです。システムの仕様書や研究報告書、プレゼン用資料作成など種々雑多な仕事が立て込んでいますが、ちょっと気分転換にメールニュースを配信します。気分転換にお付き合いさせてごめんなさい。

 昨日の日中は梅雨の合間かどうか分かりませんが、少し肌寒いくらいの風が吹いていた神戸です。先週、沖縄では観測史上最速で梅雨明けしたとのことですが、近畿地方はまだまだでしょうね。

 一昨日、昨日と雨にたたられながらも日中は少年野球に出かけておりました。最近、少年野球の話題がないよね、との読者からの声がちらほらとありました。息子は卒団しましたが、私はまだ卒団せずチームにとどまり、今年は5年生11名のコーチを担当させていただいています。自分の息子と違う子供たちを預かるわけで、少しは気持ちが違うのかな?と思っていましたが、あまり変わりませんね。気分的には自分の子供が居ないので、意識しなくていいので楽なくらい。今の5年生の子供たちには、お前らの親父と思って接する!と就任時に宣言していますが、まさにその気持ちですね。自分の子供が11名増えたと同じような感覚で本当に可愛いです。3月に卒団した小僧たちも時間のあるときには顔を出してくれて、同じように付き合ってくれますので、これがあるからやめられない!ですね。もしかして、親父というより爺の心境かも???


 さて話題をがらりと変えて・・・ドイツで発生した腸管出血性大腸炎「O104」の原因はモヤシだったとの結論が出たようですね。なかなか原因が特定されず、風評被害やパニックも引き起こしましたが、原因を特定するためのプロセスを公開した結果がこのような事態を招いたのかどうかはわかりませんが、情報公開をある程度規制するのか、そうしないのか、非常に難しい問題ですね。


欧州大腸菌、死者35人に 感染源、独産モヤシと特定 共同通信 6/13
 
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011061301000034.html
 【ベルリン共同】欧州で腸管出血性大腸菌「O104」の感染が拡大している問題で、ドイツ保健当局は12日、同国の死者が4人増えて34人になったと発表した。スウェーデンの死者も含めると計35人。
 感染源については、ドイツ当局は同日までに、同国北部ニーダーザクセン州の農場で生産されたモヤシなどの発芽野菜から、今回問題となったO104と同じタイプの菌を検出し、感染源であると特定した。

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 一方、日本では情報公開が遅れ、今さらながらの感がありますが、3か月前のデータが公表された模様です。でもよくよく過去記事を探してみると、3/24に放射性テルルは掲載されていました。情報公開が遅れているものも確かにありますが、公開されていても関連性を知らなかったがために、そのような事態になっていた事に気付かなかった事もありますね。しかしなぜ専門家がこの時点で声を大にしなかったのか、理解に苦しみます。私が聞き逃していたのかもしれませんが、これが報道規制ですか?

・・・テルルは、県が南相馬市や浪江町で実施した大気調査で検出された。「炉心燃料が千度程度まで上昇しないと出てこない」(西山英彦同省審議官)物質だという。・・・この部分、不可解ですね。なぜ今さら?


海水のヨウ素147倍に増加、新たに2物質も検出 福島原発 産経新聞 3/24
 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110324/dst11032415580040-n1.htm
 東京電力は24日、福島第1原子力発電所南側の放水口で、法が定める濃度限度の146・9倍の放射性物質「ヨウ素131」を23日に検出したと発表した。同地点では21日に基準の約126倍を検出後、22日には減少していたが、再び大幅に増加した。また、放射性のテルル、ルテニウムなども基準の3・7~7・8倍の濃度が確認された。
 東電によると23日午前8時50分ごろ、第1原発の放水口南側330メートルの海水を採取したところ、5・9ベクレルのヨウ素131が検出された。また、新たに濃度限度の3・7倍のルテニウム106も計測した。
 さらに、新たに放水口北側30メートル地点でも調査を開始。ヨウ素131が基準の66・6倍、セシウム134が29・9倍など高濃度で検出された。また、この地点ではテルル132(基準の7・8倍)、テルル129メタ(同4・2倍)も計測した。
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情報公開遅れ/今ごろ公表では役立たない(6月12日付) 福島民友新聞
 
http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/110612s.html
 東京電力福島第1原発事故から3カ月が過ぎたが、このところ事故直後のデータなどが相次いで公表されている。国や県などの連絡体制が不十分だったことなどが理由に挙げられているが、今ごろの公開ではせっかくのデータも役に立たない。
 事故収束の見通しがつかない中で県民生活の不安解消に迅速で正確な情報の提供が欠かせない。国や県そして東電は相互の連絡体制を再確認し、遅滞なく情報を公開すべきだ。
 情報公開の遅れを浮き彫りにしたのは、6月3日になって経済産業省原子力安全・保安院が発表した、3月11~15日に県などが第1、第2原発周辺で実施したモニタリング調査の結果。注目されるのは、地震翌日の12日午前8時半すぎには燃料損傷を示す放射性テルルの検出データがあったことだ。
 テルルは、県が南相馬市や浪江町で実施した大気調査で検出された。「炉心燃料が千度程度まで上昇しないと出てこない」(西山英彦同省審議官)物質だという。
 原子力安全・保安院は12日午後、1号機周辺で放射性セシウムが検出され、燃料溶融が起きたとの見方を発表。テルルの検出が炉心の状態を知る手掛かりになった可能性がある。
 県民は原発事故に関した情報に敏感で大きな関心を寄せている。それなのに事故から3カ月近くたってからの公開では新鮮さがなく、過去の記録でしかない。西山審議官は「資料の管理、公表姿勢が整っておらず、反省している」と陳謝したが、テルル検出が分かった段階で直ちに公開されていれば、データ本来の役立て方ができたのではないか。あらためて速やかな公表を求めたい。
 関係機関の連絡体制もきちんと整えるべきだ。県が事故直後から実施した放射線量などのデータの一部が未公表になっていたことも分かった。文部科学省と県とで、どちらが公表するかの調整に不備があったという。採取した雑草の中には高い測定値を示した放射性物質もあった。
 一方東電は、5月28日夜に第1原発5号機で見つかった原子炉などを冷却するポンプのトラブルを29日朝まで公表しなかった。安定した冷温停止状態の5号機で冷却停止が約15時間に及んだ事態は軽視できない。国や県には報告したというが、県民にこそ迅速に公表すべきだった。

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海水からストロンチウム…福島第一付近 読売新聞 6/13
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=42125
 経済産業省原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第一原子力発電所取水口付近の海水から、国が定める濃度限度の最大240倍の放射性物質ストロンチウム89、90が検出されたと発表した。
 ストロンチウム90は、半減期が約29年と長く、体内に取り込まれると骨に蓄積しやすく、水産庁も先月から魚介類の調査を始めている。西山英彦・保安院審議官は12日の記者会見で「海で希釈されて大きな影響はないと思うが、監視を続けたい」としている。
 ストロンチウムは、東電が5月16日に採取した海水から検出された。取水口北側で、ストロンチウム89が濃度限度の26倍、ストロンチウム90が53倍だった。また2号機の取水口付近では、それぞれ67倍、170倍。3号機の取水口付近では80倍、240倍だった。
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 事故発生当初は、セシウム、ヨウ素といったものがクローズアップされていましたが、最近はストロンチウムにテルル、ルテニウムなど、普段あまり耳にしないものが出てきますね。当初は体外被曝がクローズアップされていたものが、最近では体内被曝に焦点が当たるようになってきたせいなのか、メルトダウンの証拠としての物質だからなのか、良くはわかりませんが、少し以下にまとめておきました。


ストロンチウム
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0
 ストロンチウム (Strontium)は原子番号38の元素で、元素記号はSrである。軟らかく銀白色のアルカリ土類金属で、化学反応性が高い。空気にさらされると、表面が黄味を帯びてくる。天然には天青石やストロンチアン石などの鉱物中に存在する。放射性同位体のSrは放射性降下物に含まれ、その半減期は28.90年である。ストロンチウムやストロンチアン石といった名は、最初に発見された場所であるストロンチアンというスコットランドの村に因んでいる。
【性質】
 常温、常圧で安定な結晶構造は、面心立方構造(FCC、α-Sr)。銀白色の金属で、比重は 2.63、融点は 777℃、沸点は1382℃。炎色反応で赤を呈する。空気中では灰白色の酸化物被膜を生じる。水とは激しく反応し水酸化ストロンチウムを生成する。Sr + 2 H2O → Sr(OH)2 + H2
 生理的にはカルシウムに良く似た挙動を示し、骨格に含まれる。
 酸化ストロンチウムのアルミニウムによる還元、および塩化ストロンチウムなどの溶融塩電解により金属単体が製造され、蒸留により精製される。


テルル
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%AB
 テルル(Tellurium):原子番号52の元素。元素記号はTe。酸素族元素の一つ。
【性質】
 金属テルルと無定形テルルがあり、金属テルルは銀白色の結晶(半金属)で、六方晶構造である。にんにく臭がある。
 金属テルルの比重は、6.24、融点は450℃、沸点は1390℃(融点、沸点とも異なる実験値あり)。酸化力のある酸には溶ける。ハロゲン元素とは激しく反応する。酸化数は、-2, +2, +4, +6価をとる。また、化学的性質はセレンや硫黄に似ている。燃やすと二酸化テルルになる。天然に元素鉱物として単体で存在することがある(自然テルル、native tellurium)。
 また、テルル単体及びその化合物には毒性があることが知られている。また、これらが体内に取り込まれると、代謝されることによってジメチルテルリドになり、呼気がニンニクに似た悪臭(テルル呼気)を帯びるようになる。


ルテニウム
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0
 ルテニウム(Ruthenium)は原子番号 44 の元素。元素記号は Ru。(かねへんに了)とも表記される。白金族元素の一つ。貴金属にも分類される。銀白色の硬くて脆い金属(遷移金属)で、比重は 12.43、融点は 2500℃、沸点は 4100℃(融点、沸点とも異なる実験値あり)。常温、常圧で安定な結晶構造は、六方最密充填構造(HCP)。酸化力のある酸に溶ける。王水とはゆっくり反応。希少金属である。
【用途】]
 オスミウムとの合金が、万年筆などのペン先(ニブポイント)に使われる。有機化学分野においては不飽和結合を水素化する際の触媒として多用される。不斉要素を持った配位子を配位させることによって面選択的な水素化も実現しており、この技術を開発した野依良治教授が2001年のノーベル化学賞を受賞している。四酸化ルテニウムや過ルテニウム酸塩などは酸化剤として多用される。またルテニウムのカルベン錯体は二重結合同士を組み替えるメタセシス反応の触媒となり、中でも近年開発されたグラブス触媒は近年の有機合成分野に革命的な変化をもたらしている。グラブスらは、メタセシス反応により有機合成化学のみならず、多様な分野に与えた革新的な業績が評価され、2005年のノーベル化学賞を受賞した。
 また、ハードディスクの容量増大の目的でも用いられている。具体的には、数原子層のルテニウムを記録層の間に挟むことで反強磁性的結合状態をつくり、磁化の方向(0/1の記録に対応)を安定化している。この手法により、ビットサイズを小さくした際の超常磁性効果によってもたらされる、記録の熱的不安定性を抑制することが可能となる。


 さてここからは本日のメインニュースに移ります。

 HbA1cの国際標準化問題は以前にも取り上げており、全国医療機関はもとより、糖尿病患者の混乱をきたすことが予想されていることは以前にも取り上げてきました。

 記事については以下のブログ記事をご覧ください。


臨床検査に触れていただくコーナー③ ~糖尿病診断基準改訂について~ 2010年2月作成
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2011-01-10

HbA1c値、「+0.4」で決着 米国の意向に翻弄された国際標準化
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-08-20-1

HbA1c表記「+0.4%」の波紋 日常臨床や健診などでの切り替えは約1年後
 特集●糖尿病の新診断基準、臨床現場への影響は? Vol.2

 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-06-25

HbA1c 6.1%以上」追加で、診断の間口広がる 
 特集●糖尿病の新診断基準、臨床現場への影響は? Vol.1
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24


 本邦でHbA1cの国際標準、いわゆるIFCC値に合わせるには二段階で変更をするとの予定であり、まずは早期にNGSP値に変更するはずでした。しかしまだまだ前途多難のようですね。私の今年の研究課題として、多年にわたり追いかけてきている検査項目の標準化動向を探る、というものと、もう一つはこのHbA1cの動向について調査を行うつもりでしたが、この分だとまだまだ大きな動向は無さそうですね。しかし、検査データを電子化されている施設も多数で、このデータを保管する検査システムの対応も必要であり、非常に厄介だなぁと考えていました。どうなることやら・・・ですね。

 厚生労働省HPにも早々に資料が掲載されています。
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001f0mk.html

 特に今回の問題については以下のところ。
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001f0mk-att/2r9852000001f0tj.pdf


HbA1c値の算出法見直し、結論先送り- 厚労省検討会 CBニュース 6/10
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/34598.html
 厚生労働省は6月10日、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(座長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会理事長)を開き、特定健診で検査するHbA1c値の算出法の見直しについて議論したが、委員からは「検査結果の数字がこれまでと異な
るため、国民が混乱する」など慎重な声が相次ぎ、結論は出なかった。次回以降に再度検討する方針。
 HbA1c値は体内の血糖状態を示すもので、日本では現在、独自の方法で算出されたJDS値を使用している。このため、日本糖尿病学会などから、HbA1c値を米国などが使用しているNGSP値に換算して、国際的な情報共有ができる体制を目指すべきだとの声が上がっていた。
 JDS値では、HbA1c値が5.2%以上だった場合に特定保健指導の対象となるが、NGSP値ではJDS値に0.4を加えた5.6%以上になる。
  会合で事務局側は、必要なシステム改修を進めて、2013年度から新基準に切り替えることを提案。また、参考人として出席した柏木厚典・滋賀医科大医学部附属病院長は算出法の見直しについて、「最終的には世界の大勢を見ながら変えなければならない。どういうステップで混乱のない形にしていくか考えるべき」と主張した。これに対し委員からは、「国民の立場から見ると、どんな支障が出るか分からないので混乱を招く」「システム変更の費用も考えるべき」など慎重な声が相次ぎ、結論は次回以降に先送りとなった。


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0601-644号 どこでもMY病院や地域連携で、予防含む総合的な医療介護を実現 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 早いもので、もう6月に突入してしまいました。今月が終われば一年の半分が過ぎてしまいます。全く予想だにしなかった梅雨も突入してしまい、これまでの経験や知識が役に立たないことに気付かされる今日この頃です。

 相も変わらずジタバタとしているもので、なかなかメールニュースに辿り着けないのですが、言いたいことは山ほどあります。勘違いをされている方々のニュースが多く、釈然としない毎日。その一つに国歌斉唱に関するものがあります。思想的なお話はあまりしたくはないのですが・・・

 既に君が代は国歌として認められたものですが、国歌を愛する、という気持ちは日本国民の中でどの程度あるものなのでしょうね? また近年よく、帰属意識の欠如などと言われておりますが、自分の国、自分の職場にプライドを持てない(私は帰属意識とプライドは同一線上のベクトルのものと認識しています)方は何に対してプライドを持つのでしょうね???

 話がずれてしまいましたが、一番言いたいことにお話を戻します。

 私が以下のコラムを読んで思ったことは法律がどうとかこうとかいうことではなく、権利と義務の話。先生方が貴重な時間を費やして訴訟に明け暮れるのは如何なものか、ということです。組合の方々に叱られるかもしれませんが、職員>組合員が当たり前。義務を果たしてから権利を主張せんかい!です。このあたり勘違いされている方が多いのでは?と感じます。どこからお給料をもらっているの?という方もチラホラとお見受けするのが正直なところ。対面、対峙するのは法律やその他諸々のものではなく、自分が教えている生徒たちじゃないんですかね?それこそ先生って職はお忙しいのですから、そのようなお忙しい貴重な時間をもっと生徒たちにもっと向けてもらえないかなぁ・・・と切に願います。教師という文字には「師」がついています。また「先生」というのは「先に生まれた」からではありません(そういう意味もありますが)。なぜこの職に就いたのか、初心忘れるべからず・・・
 
 我々医療従事者だって一緒です。何のために働いているのか、もちろんプロですからそれ相応のペイがあって当然ですが、ペイのためだけに働かれているのでしょうか?ペイの分だけ働かれているのでしょうか?ま、自分の職にプライドのない輩(プライドではなく見栄をお持ちの方々という意味です)には自己を客観的に判断する能力が欠如しているが故、自分は大丈夫!と思われているのでしょうね。


産経抄 6/1 http://sankei.jp.msn.com/life/news/110601/edc11060102480000-n1.htm
 早坂隆氏の『世界の日本人ジョーク集』に「スープに蠅が入っていたら?」というよくできた話がある。「問題なく蠅を食べる」という中国人など、各国の人々の反応をジョークとして取り上げている。中でも対比がおもしろいのが、米国人と日本人だ。
▼米国人は「ボーイを呼び、コックを呼び…あげくに裁判沙汰となる」。一方の日本人は「自分だけに蠅が入っているのを確認してから、そっとボーイを呼びつける」。訴訟大国の米国と、なるべくなら争いごとを避けたい日本との風土の違いを示しているように思える。
▼だが一昨日、最高裁で判決があった国歌斉唱時の起立をめぐる裁判を見ると、日本も訴訟大国になったのでは、と錯覚させる。東京だけでも国旗・国歌をめぐる同様の訴訟が24件も起きている。750人近い教職員がその当事者となっているというから、驚きである。
▼自分の思想信条と合わない職務命令には従いたくない。聞こえはいいかもしれないが、普通の企業や組織ではそれは「わがまま」という。「蠅一匹で」とはいわないが、処罰を受けたら裁判に持ち込むというのなら、世の中訴訟だらけになってしまう。
▼幸い、最高裁の判決では斉唱時の起立を求めた職務命令は思想、良心の自由を侵害せず、合憲と断じた。4年前、国歌のピアノ伴奏の命令も合憲となっている。司法としてこれ以上の判断はない。いいかげんに不毛な議論はやめ、命令に服したらいかがか。

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 久し振りですので、メインニュースそっちのけでまずは言いたいことをどんどん行きます。

 臨機応変は、
 状況に応じた行動をとること。場合によって、その対応を変えること。▽「臨機」は事態にのぞむこと。「応変」は変化に応じる意。「機きに臨のぞんで変へんに応おうず」と訓読する。

 と書いておりますが、マニュアル通りにしなければ罰せられるような今の世の中、臨機応変という言葉自体が死語化しているような感もある昨今です。

 先日の原発事故においては、結果オーライ的な感があるのですが、やはり昔から言われるように、必要だったのは、ほうれんそう・・・報告、連絡、相談、なのでしょう。ただし本社に相談していたならば、どのようなことになっていたか、考えただけでもぞっとします。

 今回の列車火災の場合は、マニュアルそのものが間違っていたというか、危機管理上のミスですね。やはりリスクマネージメントにおける、最悪の場合を想定すべし、の基本原則から逸脱していたと感じました。根本が誤っているのですから、相談したところで一切進展はなかったと思いますが。現場の判断を、とも書いていますが、臨機応変で正確な対応ができる人材をどの程度抱えているのかについて甚だ疑問です。突発的緊急事態発生時にはマニュアルなんて紙切れに過ぎなくなります。大震災で実証済みでは?


JR特急火災 避難誘導の遅れは重大問題だ(6月1日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110531-OYT1T01150.htm
 焼け焦げた車両、脱出した乗客のすすだらけの顔。「煙に巻かれて死ぬのかと思った」という乗客の言葉通り、一歩間違えば大惨事だった。
 北海道占冠村のJR石勝線トンネル内で起きた特急列車の炎上事故で、北海道警は31日、業務上過失傷害容疑でJR北海道を捜索した。国土交通省の運輸安全委員会も事故原因を調べている。
 エンジンの動力を車軸に伝える「推進軸」の周辺の部品が落下したため脱線が起き、何らかの火がディーゼル燃料に引火した可能性があるという。
 部品落下はJR他社でも過去10件ほど起きていた。国交省は今回の事故を受け、鉄道各社にディーゼル車の緊急点検を指示したが、結果的に過去の情報は生かされなかったことになる。
 捜査当局には徹底した原因究明を進めてもらいたい。
 今回の事故では、乗客に対する避難誘導に大きな問題があった。乗客ら248人中39人が煙を吸うなどして病院で手当てを受けた。軽症で済んだのは、乗客が独自の判断で避難を始めたからだ。
 乗客は煙に巻かれながら、トンネルの出口まで500メートル近くを徒歩で逃げた。もしも出口がさらに遠く、幼児や体の不自由な人がいたらと考えるとぞっとする。
 車掌は停車の11分後、列車運行の指令センターに「避難したほうがいい」と訴えたが、センターは「車内に煙が入る。ドアを開けるのは待て」と指示したという。
 さらに運転士が列車から降りて確認したが、炎は見えず、乗り合わせたJR社員も「火災は発生していない」と報告していた。
 火災は目で見て確認するというマニュアルが、結果的に避難誘導の妨げになったと言えよう。
 結局、センターが火災と認識したのは発生から2時間後で、乗客の避難が終わった後だった。
⇒ 続きはこちら
 

 無駄話をもう一席だけ。

 女々しいとか、女の腐ったようなとか、「女」という文字が悪い意味で使われる言葉ですが、これはいかがなもんでしょうか?

 私は経験上、世の中で一番下劣で醜いものは「男の嫉妬」だと思っています。ぐちぐち陰でこそこそ人の悪口言ってるのなら、正々堂々と言ってみろよ!と思うこと多々あります。ですから女々しいとかいうのは女性に対して本当に失礼な話です。

 しかし既に梅雨入りしてしまったとは本当に驚きですね。私にとっては想定外でした。ジトジトジメジメ嫌ですね。「男の嫉妬」までは嫌じゃないですが。


産経抄 5/29 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110529/plc11052902230001-n1.htm
 かつて新聞などが、その年の梅雨を「女性型」と「男性型」とに分けて解説することがあった。シトシトといつまでも降り続くのが「女性型」であり、集中的に豪雨をもたらした後は一転して晴れるのが「男性型」だった。むろん今では誰もそんな言い方はしない。
▼何ごとにつけ男と女を分けるのがお嫌いな方が増えたせいもあろう。それに、豪雨の後はカラリ青空といった男性にほとんどお目にかかれなくなったせいかもしれない。とはいえ、毎年の梅雨にそれなりの「個性」があることは経験上間違いなさそうだ。
▼今年は近畿などに加え、関東甲信や東海までが早々と梅雨入りした。平年より12日も早いそうだ。このまま夏までシトシトと降り続くのか、集中豪雨や梅雨の中休みがあるのか。大震災後で電力不足も予想されるだけに気にはなるが、お天気のことだけにまだわからない。
▼そう言えば、政治の世界の空模様もさっぱりわからなくなってきた。菅直人首相がサミット出席で留守の間に、自民党や公明党は内閣不信任案を出す方針を固めたという。民主党内にも小沢一郎氏系を中心に50人程度が同調の構えらしく予断を許さない。
⇒ 続きはこちら


 本日より始まった、スーパークールビズ。皆さんはいかがお考えでしょうか?

 私の限界は昨年までのクールビズまでで、スーパークールビズなんて絶対に対応しません。閣僚の方々も皆さんこぞってアロハシャツやポロシャツ、ジーンズなどでご出勤なのでしょうか? いっそ見た目も考えて浴衣にしてみてはどうでしょう?

 もちろん大震災での影響による節電の必要性は理解できますが、かといって私にはこのような服装の乱れは我慢ができません。これまで何施設も経験してきましたが、医療従事者の皆さんは服装に無頓着な方が多くって、誰この人?みたいな恰好をしている人も珍しくありません。やはり社会人ですから最低限のマナーというものがあるはず。私は少々暑くともアロハシャツにジーンズなんて格好、病院には絶対にしていきません。患者さんにやっぱり医療関係者は常識がないのね、なんて言われたくありませんから。まあ、格好を気にする前に中身が問題で、挨拶すらできない人が多いのが一番嫌なことですけど。コミュニケーションが必要って最近医療現場でよく囁かれますけど、コミュニケーションの始まりは挨拶から、です。

 非常に嫌ですけど、ご紹介しておきます。安っぽいチラシみたいなHP。

環境庁特設HP 
http://www.challenge25.go.jp/practice/coolbiz/coolbiz2011/


知りたい!:広がるかスーパークールビズ ポロシャツで商談できる? 毎日新聞 5/30 
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110530dde001040006000c.html
◇「節電」「節度」悩ましく
 東日本大震災を受けた節電対策のため、環境省が6月1日から始める「スーパークールビズ」。職場でポロシャツ、アロハシャツ、Tシャツにジーンズの着用まで認める試みだが、大きなうねりとなって広がるだろうか。【江口一、宍戸護、江畑佳明】
 地球温暖化対策として、ノーネクタイや上着なし勤務を奨励する「クールビズ」が始まったのは小泉純一郎内閣の05年。そのハードルをさらに別表のように引き下げる「スーパー」が浮上したのは、福島第1原発事故で当初、「夏の電力25%削減」が盛んに指摘されたためだった。
 環境省は、日中の廊下の電灯をほとんど消すなどの節電策を試したものの、削減量は2割にも届かない。「空調の使用を減らし、冷房温度を(国の基準上限の)28度で徹底するしかない」として、より働きやすい軽装を認めることにした。
 ただ、国は従来冷房温度を28度に設定しており、さらに温度を上げることについては環境省も「熱中症になってしまう」と消極的だ。「むしろ上限を26度などにしている民間企業に、引き上げを呼びかける率先行動としたい」(国民生活対策室)ともくろむ。
 その企業。アサヒビール広報部は「今のところは、クールビズ以上の対応は考えていない。ノーネクタイを認める程度です」。「スーパー」で示された服装については「ポロシャツ姿で商談というのも、なかなか難しいでしょうね」。三菱商事広報部も「(『スーパー』で例示された)服装の社員は見当たらないし、社としても認めておりません」と消極的だ。
 一方、積極的に取り入れようとしているのはイオン(本社・千葉市)だ。「カジュアルビズ」と名付け、ポロシャツとチノパンを基調としたスタイルの服装を23日に発表した。全国の400以上の店舗で順次販売する。
 社員にも「販売しているものは社内での着用もOK」と勧める。とはいえ「襟のあるシャツが基本で、Tシャツは不可。短パンやバミューダなど足が見えるズボンも禁止です。お客様に失礼になることもありますから」(コーポレート・コミュニケーション部)。
◇歴代環境相PR
 城南信用金庫(東京都)は、今年5月から「クールビズ」を導入したばかり。「ネクタイぐらいは外してもよいだろうとの判断です」と担当者。信用第一の金融機関のハードルは依然高そうだ。
 いずれの企業も「お客様の前で極端にカジュアルな格好はできない」という姿勢は共通している。肝心の電力削減効果は旗振り役の環境省でさえ「予測できない」としており、対外的な“説得力”に今ひとつ欠けることも影響しているのか。スーパークールビズではファッションだけでなく、「勤務時間の朝方へのシフト」などワークスタイルの変更も推奨されている。

⇒ 続きはこちら
 

 さて「まぁみなさん聞いてください・・・コーナー」から一転、医療関連情報に移ります。まずは感染症メルマガ発刊のご紹介から。ご紹介なので、記事をご覧ください。コメントはありません。私は早速登録しました。


感染症メルマガ、3日から配信- 厚労省、医療者向けに情報 CBニュース 6/1 
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/34430.html
 厚生労働省は6月3日から、医療従事者向けの感染症メールマガジン「感染症エクスプレス@厚労省」を配信する。感染症の発生動向などを定期的に発信するほか、緊急情報については随時速報し、日常診療に役立ててもらう。
 3日に第1号を創刊し、原則として毎週金曜日に配信。個別の感染症の発生状況や、患者動向を踏まえた注意喚起、国内外の統計情報、予防接種に関するお知らせといった情報を届ける。
 配信希望者は、同省ホームページから登録する。

登録ページ: http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/


 さて携帯電話の出す電磁波が人体に悪影響を及ぼすということはかなり以前から言われていたことですが、WHOの研究機関より初めて指摘されました。ただし、完全に科学的に証明されたのか、非常に疑問符が付きますし、具体的な数字を挙げていただかないと納得はできません。コーヒーなどと同じレベルということで、余計に???となりました。いらぬ電磁波は受けないほうが体には良いことなんて言われなくともわかっていますが・・・メールしすぎると皮膚がんになりやすい、なんてもし言われたとしたら非常にインパクトあるんでしょうけどね。


携帯電話:電磁波でがん「限定的な危険性」 WHOの研究機関、初めて指摘 毎日新聞 6/1
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110601dde041040083000c.html
 【ジュネーブ共同】携帯電話の電磁波とがん発症の関連性について、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は31日、「聴神経腫瘍や(脳腫瘍の一種である)神経膠腫(こうしゅ)の危険性が限定的ながら認められる」との調査結果を発表した。WHOの組織が携帯電話に関して発がん性を指摘したのは初めて。
 国際がん研究機関は危険性の数値化はしておらず、「(最終的な結果を得るためには)今後、携帯電話の長時間使用について調査を続ける必要がある」としている。同機関の分類では、電磁波による発がんの危険性について得られている証拠の確実性は、鉛やコーヒーと同じ部類に入るという。
 当面の対策としては「(耳に触れずに)携帯電話のメールを使うなど直接電磁波に触れないような使用方法が重要だ」と指摘。なるべく携帯電話本体に触れる時間を短くするよう提案した。
⇒ 続きはこちら
 

 さて少々古い記事ですが、本日のメインニュース二題に移ります。

 各医療機関では徹底的な経営努力を行い、かなり安定経営に転じた施設も多いようです。さらに一年前の診療報酬改定によりさらに黒字に転じた施設も多いことが予想され、その差益をこれまで行えていなかった設備に投入するのでは?との予想記事ですね。添付資料もかなり膨大なものでしたが、一通りようやく目を通しました。来年度の診療報酬改定がどのようなものになるのか不明ですが、大震災の影響がどのようなものになるのか、予想通りになるのか、如何なものでしょう?

 資料ダウンロードは以下のURLです。
 
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201105_4/1542_1_1.pdf


[医業経営] 今後1年以内に、多くの病院で医療機器等への投資を開始 5/23 厚生政策情報センター
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/23/136892/
医療施設経営安定化推進事業 平成21年度 病院経営管理指標(5/16)《厚労省》
  厚生労働省は5月16日に、平成21年度の病院経営管理指標を公表した。それによると、(1)医療法人立病院では黒字病院の比率が80.8%(p28-p29参照)(2)開設者に限らず、療養型・精神科病院が、一般病院・ケアミックス病院の黒字比率を上回っている(p28参照)(3)医療法人立病院では医業利益率はプラスだが、自治体立病院では大きくマイナスである(p29-p30参照)(4)病床規模別に見ると、400床以上の病院の医業利益率が他の病床規模に比べて高い(p32-p35参照)(5)全体でみると地域医療支援病院の承認があるほうが医業利益率が高いが、医療法人では逆に承認のない病院のほうが高い(p36参照)(6)医療法人立のDPC病院(一般病院に限る)では7対1のほうが10対1よりも医業利益率が高いが、自治体病院等では10対1のほうが高い(p36-p38参照)(7)4分の3の病院が「今後の設備投資計画あり」とし、うち4割が投資開始時期を1年未満と考えている(p53-p54参照)(8)投資内容としては医療機器が58.44%で最も多い(p54参照)-ことなどが明らかになっている。
  黒字病院の比率の年次推移を見ると、たとえば平成20年度の医療法人立黒字病院は76.7%であるように、全般的に増加傾向にある。この点については「医業外利益分(自治体立の場合は他会計繰入金など)による経営改善の影響が大きい」と分析
している(p28参照)。

⇒ 続きはこちら
 

 本日ラストのニュースに移ります。

 どこでもMY病院やどこでもMYカルテなど目立つインフラ整備は計画されている状況ですが、次段階で大きな障壁となるのがもっと根本的なところ。これまで私も何度も申してきましたが、データそのものが標準化されていない、要するに共有化できるデータが少ないのにどのようにどこでもMY病院など作れるのでしょうか?外見より中身が大切だと私は思います。私自身、中身にこだわって十年以上活動してきていますが、政権混乱の情勢であることも考え、かなり冷静に状況を見つめているところです。概論的なものではなく早く根本的で具体的な議論になってもらいたいものです。

 資料ダウンロードは以下のURLです。
 
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201105_4/1545_7_1.pdf


[医療情報] どこでもMY病院や地域連携で、予防含む総合的な医療介護を実現 5/26 厚生政策情報センター 
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/26/137062/
医療情報化に関するタスクフォース(5/25)《首相官邸》
  政府は5月25日に、医療情報化に関するタスクフォースの報告書を公表した。政府のIT戦略本部は、個別分野の検討を集中的に進めるため、2010年9 月にさまざまなタスクフォース(部隊)を設置した。このうち、医療情報化に関するタスクフォースでは、(1)どこでもMY病院構想(2)シームレスな地域連携医療(3)レセプト情報等の活用による医療の効率化や、医薬品等安全対策-の主に3点について調査・検討を進めてきた。
  (1)のどこでもMY病院構想とは、国民(患者)が自らの医療・健康情報を電子的に管理・活用することを目指すもの。国民は、自分の医療・健康情報を医療機関に提示することで、過去の診療に沿った治療を受けることができる。報告書では、国民・医療機関双方のメリットを示すとともに、運営主体や情報提供ルールなどを整理している。当面は、レセプトや健康情報、退院時サマリ、検査データなどの提供に止まるが、将来的には利用者・参加医療機関の拡大により地域連携ネットワークの推進や、ITを活用した総合的な医療介護サービス提供の実現が期待される。今後は、電子版「お薬手帳/カード」の具体的検討や、情報提供標準フォーマットの作成、運営ルールの作成などが進められる(p5-p13参照)(p37-p93参照)。
  (2)のシームレスな地域医療連携とは、施設間・地域間・職種間の境界を越えて、切れ目のない医療・介護サービス提供を目指すもの。(1)のどこでも MY病院構想と一体的に進めることで、在宅・疾病予防等を含めた総合的なサービス提供が可能となる。当面は、患者のQOL向上や医療費適正化効果が期待できる疾病についてモデル的に推進される。また、連携を既存の二次医療圏内だけで進めるには費用捻出などの課題が多いことから、クラウドを活用した都道府県単位の連携ネットワークが必要と報告書は指摘。その際、ネットワークのハブとなる地域協議会を設置することが連携の円滑化に有用とし、多くの都道府県で協議会を設けることを提案している(p14-p26参照)(p94-p153参照)。

⇒ 続きはこちら
 


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0309-631号 医療ナビ:がんのリハビリ 今年度から保険適用になり、徐々に普及 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 またまた投稿間隔が開いてしまいました。多くの激励メールをいただき、本当に感謝です。年度末という訳ではないのですが、色々な業務に追われ、ヒイヒイ言っております。但し元気にはしておりますので、ご心配なきように。でも激励メール、いただければ嬉しいなぁ・・・


 今年度も押し迫ってまいりましたが、皆さんは如何お過ごしでしょうか?

 このメールニュースでもブログでも何度か取り上げてまいりましたが、いよいよSSCの野球小僧たちとの別れが近づいてきました。3/13がSSC野球部としての卒団式となります。少し前になりますが、今年度、小僧たちが獲得した優勝旗やトロフィー、賞状の一部を全部集めて記念撮影をしました。その写真は私の部屋にも額に入れて飾っておりますが、もの凄いボリューム。良く頑張ったなぁと改めて感心させられました。自慢の息子、娘たちの写真をブログに掲載させてもらおうかなぁ・・・と密かに考えております。卒団式の日には、各個人が持っているメダルを全て持ってきて、参加していただくご父兄の方々や先生たちに見てもらう予定です。メダルだけでもそれぞれが10個近く持っていますので、きっと凄いでしょうね・・・


 さて話題をがらりと変え、社説、コラムのご紹介です。

 このところのニュースを見ていると、腹立ちを通り越して、呆れるというか、あまりにも情けないニュースが多すぎますね。規則違反は確かにダメだとは思いますが、国益と天秤にかければ、どちらが良いのか、一般国民は良く分かっています。あと米国務省の部長さんだか偉いさんだか知りませんが、あまりにも軽率極まりない発言。私、職場では区別はしますが差別はしませんとよく言います。あれは明らかに差別発言ですね。どう取り繕っても修正は出来ません。即刻退場と言いたいところですが、退場だけでは気が済みません。


産経抄 産経新聞コラム 3/9
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110309/plc11030902480002-n1.htm
 拝啓 沖縄のみなさまへ。東京は弥生に入っても雪が降りましたが、やんばるのつつじは、もう見ごろでしょうねえ。寒がりの抄子にとってうらやましい限りです。
▼さて、メアという米国務省の偉い人がひどいことを言ったようですね。「沖縄の人々は怠惰でゴーヤーも育てられない」と間違った情報を学生に教え、「沖縄の人々は日本政府に対するごまかし、ゆすりの名人だ」と罵(ののし)ったとか。
▼「ウチナー時間」といわれるほど時間に大らかでも、離婚率が日本一でも怠惰といわれる筋合いはありません。第一、和名でツルレイシというゴーヤーは、宮崎などでも盛んに栽培されていますが、沖縄が出荷量日本一なのは変わりません。
▼「ごまかし、ゆすりの名人」に至っては、何を指しているのかわかりません。まさか、政府が北部振興策や基地対策と称し、湯水のごとく札束をばらまいていることではないはずです。メアという人は何にも知らない素人ですね。
▼と思っていたら、20年近くも日本に住み、沖縄で総領事を3年務め、かりゆしまで着ていたとか。沖縄でよほどいやな経験をしたか正直者かのどちらかでしょう。でも、もっと重要なのは「改憲されていたら、米国の国益を増進するため日本の土地を使うことができなくなっていた」という発言です。
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 次は民主党の切り札とも言われていた仕分け。今回は規制仕分け。

 ある記事を読んでいると、担当大臣が、国民の注目度の高いものに・・・との発言があったようです。勿論、国民の関心事を取り組むことは理解できますが、政治家なら、国民は理解していなくとも、もっと大切な本丸に切り込んでいく姿勢が欲しかったですね。国民向けのパフォーマンスと言われても仕方ありません。国民が理解していないことをこういった機会に理解させることも政治家のお仕事じゃないのかしら?医療業界に居る私としては、混合医療の問題や、医療ツーリズムの問題などにメスを入れて欲しかったところです。


パフォーマンスに終わった規制仕分け 日本経済新聞社説 3/8 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E6E4E3E4E4E3E2E2EAE2E1E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 行政刷新会議の作業グループが7日までの2日間、初の「規制仕分け」を実施した。各府省庁の法令や通達が消費者の利便を損なったり、企業の創意の芽を摘んだりしている事例を明らかにするのが狙いという。
 政権交代後に本格的に始めた事業仕分けのやり方を生かし、インターネット中継や利害関係者からの聞き取りを取り入れつつ、規制の根拠や弊害を指摘した。仕分け人は与党議員と民間人などが務めた。
 議論の過程を公開し、外の目を大切にするやり方は評価できる。しかし取り上げた項目は小粒なものが多かった。市販薬のインターネット販売規制の撤廃問題など、患者と消費者の関心が高いものもあるが、結論は「見直し」と踏み込み不足だった。仕分けの結果が本当に改革につながるのか、疑問が残る。
 規制改革は医療、農業、法務、消費者保護など社会規制の改革の実をどう上げるかが課題だ。自公政権のときも安倍・福田・麻生の3政権はこの点がおざなりだった。
 必要なのは、規制を所管する府省庁と、その背後の既得権者を説き伏せる菅直人首相の力だ。首相は行刷会議の議長である。仕分け人激励のパフォーマンスより、改革実現のための戦略構築に力を注ぐべきだ。
 今回、仕分けで議論したのは医療、環境、農業、消費者の4分野だ。
 医療分野で注目された薬のネット販売は、薬を飲んだ人が副作用に遭う危険が高い分類の薬について、厚生労働省が規制存続にこだわった。薬剤師などによる対面販売の原則を根拠にするが、説得力が乏しい。どうすればネット通販などでも副作
用の危険を小さくできるのかを工夫するのが同省の仕事だ。担当の大塚耕平副大臣の指導力が試される。
 患者が健康保険と保険外診療を同時に利用できない矛盾の解消も長年の課題だ。だが、この「混合診療」の原則解禁の問題は、反対を唱える日本医師会などへの配慮からか、仕分けの対象にさえしなかった。国民の間にも賛否が渦巻くだけに、仕分けに打ってつけのテーマだ。成長を促し、消費者主権を確立する政権公約を果たすために、こうした難しい改革に正面から取り組むべきだ。
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 さてここからは医療関連ニュースに移ります。まずは私の嫌いな「チーム医療」に関するニュース。何度も言いますが、「チーム医療」という用語が嫌いなだけで、多職種連携は医療の本分と思っておりますので、念のため。

 連携医療に対する評価ですが、なかなか難しいのが客観的評価という部分。これは実診療現場においても同じことが言えるわけで、主観的評価がどうしても入り込んできます。患者満足度に至っては完全に患者さんの主観的評価な訳で、目安にはなりますが、本当の意味での客観的評価にはならないと思いますが・・・接遇いかんでかなり左右しますものね。


チーム医療の評価視点と方法を提示 チーム医療推進方策検討WG CBニュース 3/7
 
http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=20091
 チーム医療推進方策検討ワーキンググループ(WG、座長:山口徹虎の門病院院長)は2日、今までの議論をまとめた「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集(案)」について検討した。今までガイドラインとされていたものを基本的な考え方として編集し、チーム医療の事例は事例集としてまとめた。近森正幸委員(近森病院院長)は「急性期や回復期、在宅で異なるチーム医療を説明するには▽職種間で協働作業の多い形▽一部分で協働する形▽専門部隊型▽病棟配属型―といった概念で考えるべき」と提案し、それを元に同案を練り直すこととした。
 またチーム医療の評価方法の素案が事務局から提示され、基本的な考え方となる評価の視点と評価方法が明らかにされた。
 評価の視点は(1)治療効果、合併症減少などの「医療の質」(2)診療報酬や費用対効果といった「経済的視点」(3)患者満足度や治療への理解といった「患者の視点」(4)生産性向上や負担軽減、満足度といった「職員の視点」―の4つ。
 評価方法は「客観的・定量的なアウトカム評価が望ましいが、それのみでは評価困難な内容も多い」との前提から、平均在院日数短縮や合併症減少といったアウトカム評価に加えて▽推奨される治療の実践などのプロセス評価▽専門職種の配置や電子カルテを活用した情報共有などのストラクチャー評価―も併用することが提案された。
 厚生労働省は2011年度予算で、チーム医療の実証事業に約3億6000万円を計上しており、同WGのチーム医療評価項目を決定するため、40施設ほどで実証事業を実施する見込み。どの分野のチーム医療を実証事業の対象とするかについて、鈴木紀之委員(筑波メディカルセンター病院法人事務局次長・副院長)は「このWGの目的は、日本全体のチーム医療の底上げ。DPC病院はデータがそろっていて評価しやすいが、そうした病院を対象とするのではなく、機能評価を受けていてチーム医療がまだまだの病院を選んではどうか」と指摘した。近森委員は「高齢化社会に役立つチーム医療の評価として、栄養サポートチームとリハビリ、加えて急性期病院から在宅までの受け皿をどう実践するかといった方向で実証事業の病院を選んでは」と述べた。
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 お次は疲労に関する話題。

 私自身、慢性的な疲労感はしばしば感じますが、慢性睡眠不足という原因がはっきりしているため、慢性疲労症候群とは違うと思います。疲労に関して神戸に2拠点あるなんて全く知りませんでした。私などが施設に伺ったとしても恐らく門前払いでしょうけど。でもね、かなり疲れているときにも「新井さんはいつも元気やね」なんて言われると、疲れが増してみたり、カラ元気を出して後でもっと疲れてみたり・・・元気なふりをするというのも結構辛いものなのです。

 慢性疲労症候群に関して分かりやすいサイトがありましたので、一部引用とご紹介しておきます。また診断基準も掲載しておきます。


慢性疲労症候群の基礎知識
 
http://saiban.sakuramilan.com/

慢性疲労症候群とは
 極度の疲労(強い消耗感、極端なスタミナ不足)が一日中もしくは一日のほとんどの時間、生じている状態が長期間続く状態のことをいいます。
 人間だれでも疲労を感じることはあります。
 大抵は休養や睡眠をとることで疲労は回復されますが、中にはどんなに休養や睡眠をとっても疲労が回復されない場合があります。
 このようにいつも疲労を感じている人は、男性の5人に1人、女性では3人に1人いると言われています。
 長い労働時間、ストレスなどで、慢性的な疲労を感じる場合がありますが、このような要因が全くないにも関わらず、慢性的な疲労、それも日常生活に支障をきたすほどの極度の疲労を感じる人も少数ながらいるのです。
 この場合、慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome)であることが疑われます。
 アメリカでは慢性疲労免疫障害症候群(CFIDS)として知られています。

慢性疲労症候群の診断基準 厚生省CFS診断基準試案(平成7年3月、一部改変)
A.大クライテリア(大基準)
 1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヵ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
 2.病歴、身体所見、検査所見で別表に挙けられている疾患を除外する。
B.小クライテリア(小基準)
 ア)症状クライテリア(症状基準)
  (以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)
   1.徴熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒
   2.咽頭痛
   3.頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張
   4.原因不明の筋力低下
   5.筋肉痛ないし不快感
   6.軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
   7.頭痛
   8.腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
   9.精神神経症状(いずれか1つ以上)
       光過敏、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、混乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ
   10.睡眠障害(過眠、不眠)
   11.発症時、主たる症状が数時間から数日の間に出現
イ)身体所見クライテリア(身体所見基準)
  (少なくとも1カ月以上の間隔をおいて2回以上医師が確認)
   1.微熱
   2.非浸出性咽頭炎
   3.リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)
◎大基準2項目に加えて、
 小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと「慢性疲労症候群(CSF)」と診断する。
◎大基準2項目に該当するが、
 小基準で診断基準を満たさない例は 「慢性疲労症候群(CSF)の疑いあり」とする。
◎上記基準で診断された慢性疲労症候群CSF(「疑いあり」は除く)のうち、感染症が確診された後、それに続発して症状が発現した例は「感染後CSF」と呼ぶ。


「疲労」研究で世界リード 神戸の2拠点 神戸新聞 3/8
 
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/0003852273.shtml
 過剰なストレスにさらされている現代人。日本では就労人口8千万人のうち4割近くが半年以上続く慢性疲労を自覚し、経済損失は医療費を除いて年間1兆2千億円に上ると試算される。これに対し、疲労の研究と治療で世界をリードする二大拠点が神戸市内にあり、成果を挙げている。その最前線を追った。
 慢性疲労のうち、原因不明の激しい疲労感で生活に支障が出る状態を、「慢性疲労症候群」と呼ぶ。国内の患者数は30万人程度とみられるが、他の病気と間違われたり、単なる「怠け」と誤解されたりして、的確な治療が受けられないことも多い。客観的な診断法が確立していないため、医師でさえ理解が十分とはいえない状況だ。
 二大拠点のうち、理化学研究所(理研)分子イメージング科学研究センター(同市中央区)は、体内でエネルギーを作る物質の減少や、作業する際の脳の使い方のバランスを見るといった客観的な診断法を研究。同センターもかかわる厚生労働省の研究班も2009年度から、心拍数の変動などの診断法を患者に試し、有効性を調べている。
 渡辺恭良センター長は2月、大阪市であった公開講座で明かした。「来年中には(簡単に疲労の度合いが分かる)疲労度計ができると思う」
 一方、疲れが抜けないと感じる人は年々増えており、「抗疲労・癒やしビジネス」の市場規模は20年度には12兆円に膨らむとの試算もある。
 渡辺センター長によると、鳥の胸肉やカツオの筋肉などにある物質が、疲労の一因とされる細胞の酸化を抑えることが判明。他にも4種類の主な疲労緩和物質を特定し、これらを使った調理法を日本料理店などと協力して考案している。
 さらに、植物の緑の葉に含まれる香りに疲労を緩和する効果があることも実証し、企業の製品化にも協力。例えば寝具や風呂と組み合わせるなどし、「抗疲労製品を世界に発信したい」(渡辺センター長)と意気込む。
 二大拠点のもう一つは、神戸市西区の兵庫県立総合リハビリテーションセンター内にある「子どもの睡眠と発達医療センター」。睡眠障害で年間約200人の患者が新たに訪れるが、うち9割程度が不登校の状態で、いずれも慢性疲労症候群か、それに近い症状。朝起きられず、学校の時間帯に十分活動できない。
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 さてここからはメインニュースを含めがん関連ニュースをご紹介します。読んでそのままなので、メインニュースを除く3篇についてはコメントをつけません。


前立腺がん悪化の原因特定 遺伝子変異とタンパク質 共同通信 3/8
 
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030701000712.html
 前立腺がんでホルモン療法が効きにくくなる遺伝子変異と、症状悪化を促しているとみられるタンパク質をマウスの実験で見つけたと、東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授らが7日付米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 京都府立医大、神戸大などとの共同研究。
 前立腺がんの多くには男性ホルモンがかかわり、初期には薬でホルモンの作用を
抑える治療法が効くが、やがて効かなくなり治療法が限られる。今回見つけたタンパク質は人間の前立腺がん細胞にも多くあり、その働きを抑える薬を開発すれば、新しい治療法につながる可能性があるという。
 加藤教授らは、ホルモン療法が効きにくくなった人間の前立腺がん細胞では、細胞表面にある男性ホルモン受容体の遺伝子の特定の場所に変異があることが多いことに注目。この場所に変異があるマウスを作ると、通常のマウスより前立腺がんが
急速に悪化することを確認した。
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がんを生きる:36歳会社員の場合/上 人生を考える転機に /大阪 毎日新聞 3/6
 
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20110306ddlk27040169000c.html
◇つらい闘病、家族の有り難さ痛感
 主婦の妻と2人の幼い子どもを持つ、働き盛りの36歳会社員。ある日突然、がんを宣告されたら……。
 現在大阪市住之江区のガス導管・材料商社「新和産業」に勤める川上秀和さん(41)=京都市下京区=は05年12月30日、突然、「キーン」と左耳筋から頭にかけて痛みを感じた。微熱と首のしこりも現れ、年明けに当時の勤務先の広島市内で病院の診察を受けた。血液のがん・悪性リンパ腫の一種「非ホジキンリンパ腫B細胞型高悪性度悪性リンパ腫4期(バーキットリンパ腫)」だった。
 「やばすぎる。死ぬのか」。診察室で川上さんは体が固まった。無限にあると思っていた人生の時間が有限になったと感じた。妻由美子さん(41)と小学1年の長男、園児の長女の顔が目に浮かんだ。隣で凛(りん)とした様子で医師の説明を聞いていた由美子さんは涙を流し、「頑張ろう」と一言だけ言った。転職10年目だった会社に事情を話し、休職した。
 06年2月、入退院を繰り返す生活が始まった。抗がん剤投与や白血球をコントロールする治療は第6クールまで続いた。高熱で意識が無くなりかけたり、副作用で髪が抜け、激しい口内炎に苦しんだ。友人らから励ましの手紙が届いたが、暗に「死なないか、大丈夫か」ととれるものもあり、「治ります、ご安心を」と自分を鼓舞するように返信した。同年7月の長女の6歳の誕生日は自宅で過ごせたが、「来年は一緒に祝えないかもしれない」という不安が脳裏をよぎった。
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がんを生きる:36歳会社員の場合/下 復帰早めた会社の温情 /大阪 毎日新聞 3/7
 
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20110307ddlk27040175000c.html
◇患者会の存在、不安を軽減
 血液のがん・悪性リンパ腫で死への恐怖と向き合いながら、約1年間闘病生活を送った会社員、川上秀和さん(41)=京都市下京区。闘病中、家族や友人はもちろん、会社のバックアップと患者会の存在が心の支えになった。
 「温かい会社を目指そう」。川上さんが治療を始めた当時、川上さんが勤める新和産業(大阪市住之江区)社長だった井口昭則さん(63)=現同社会長=は広島市内の病院で治療中の川上さんを見舞い、その後社内に対応を指示した。創業約60年、社員約70人の中小企業で、長期療養者は川上さんが初めてのケースだったからだ。
 それまでの就業規則では「休職期間中の給与は支給しない」としていたが、06年4月に「別途定める」と改定。川上さんは入院から職場復帰までの約1年間、給与をもらい続けることができた。「自分はもちろん、家族が落ち着いて日々を過ごすことができた」と川上さんは感謝する。
 井口さんは「大企業ほどではない」と謙遜するが、「『長期戦』に耐えられるよう、また次に長期療養者が出ても対応できるように就業規則を変更した。中小企業にとって厳しい時代だが、会社の存続のためには社員の幸せがないといけないと思うから」と語る。
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 ここからメインニュースに移ります。

 がんリハビリについて聞いたことはありましたが、具体的な内容については全くの素人状態。ということで、学習してみました。こんなもん知ってるや、という方がおられたら長々とごめんなさい。


がんのリハビリテーション
 
http://www.cancer-reha.com/
 高齢化社会に突入しつつある今日、わが国でもリハビリテーションという言葉は医療や福祉の分野で盛んに用いられ、患者の QOL 向上を目指したリハビリテーションの重要性は一般の人にまでかなり浸透してきました。しかし、がん医療の分野ではどうでしょうか? 欧米ではがん治療の重要な一分野としてリハビリテーションが位置づけられていますが、我 が国では、今までがんセンターなどの高度がん専門医療機関において、リハビリテーション科専門医が常勤している施設はほとんどなく、療法士もわずかという寂しい状況にあります。
 「がんのリハビリテーション」には、がん医療全般の知識が必要とされると同時に、運動麻痺、摂食・嚥下障害、浮腫、呼吸障害、骨折、切断、精神心理などの障害に対する専門的な知識や技術が必要です。がん治療の進歩とともに、障害の軽減、生活能力の改善を目的としてリハビリテーションの介入を行う必要性は今後さらに増えていくことは間違いありません。
 従って、がん医療に携わるスタッフは、「がんのリハビリテーション」の知識やテクニックを身につけておく必要があります。しかし、今日までリハビリテーション専門職に対する「がんのリハビリテーション」の研修プログラムは存在せず、看護の立場からも、がん患者に対するリハビリテーション・ナーシングに関する専門的な教育はなされていないのが現状 です。また、「がんのリハビリテーション」に関して系統的に記載された和文の専門書はごく限られたものしかありません。欧米と比較して、がんのリハビリテーションの普及・啓発、教育・研究体制、がん専門医療機関における実際の臨床現場での役割等に関して、その対応が遅れていることは否めない事実であり、がんの時代が到来しつつある現在、積極的な取り組みが必要とされています。
 本ホームページは、いまだ立ち後れた状況にある「がんのリハビリテーション」に関する情報発信サイトとして、慶應義塾大学がんプロフェッショナル養成プランの事業の一環として、2009年2月に開設いたしました。
 本サイトは、実際に日常の臨床でがん医療に携わっておられる医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士、臨床心理士、ソーシャルワーカー等の多職種スタッフの方々の臨床業務に役立つ情報、臨床研究に関
する情報、講習会や研究会のお知らせなど、医療関係者の方を対象にしたサイトを中心に構成されていま す(将来的には一般の方向けのサイトも充実させていきたいと考えています)。
 本サイトが、がん医療の質の向上に貢献し、がん患者さんの QOL 向上の一助となることを心から願っています。


がんのリハビリの分類
 
http://www.cancer-reha.com/saizensen/2-3bunrui.htm
( 1 )予防的( preventive )リハビリテーション:
 がんと診断された後、早期に開始。手術、放射線・化学療法の前もしくは後すぐに施行。機能障害はまだない。その予防を目的とする。
( 2 )回復的( restorative )リハビリテーション:
 治療されたが残存する機能や能力をもった患者に対して、最大限の機能回復を目指した包 括的訓練。機能障害、能力低下の存在する患者に対して、最大限の機能回復を図る。
( 3 )維持的( supportive )リハビリテーション:
 がんが増大しつつあり、機能障害、能力低下が進行しつつある患者に対して、すばやく効果的な手段(例えば、自助具やセルフケアやコツの指導など)により、セルフケアの能力や移動 能力を増加させる。拘縮、筋萎縮、筋力低下、褥創のような廃用を予防することも含まれる。
( 4 )緩和的( palliative )リハビリテーション:
 末期がん患者に対し、その要望を尊重しながら身体的、精神的、社会的にQOLの高い生活 が送れるようにする。温熱、低周波治療、ポジショニング、呼吸介助、リラクセーション、補装 具の使用などにより、疼痛、呼吸困難、浮腫などの症状緩和や拘縮、褥創の予防などを図る。

がん患者リハビリテーション料について
 
http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20100304/1267702636
 2010年度診療報酬改定で、がん患者リハビリテーション料 200点(1単位につき)、が新設された。厚生労働省:第169回中央社会保険医療協議会総会資料の中にある資料(総-1)(PDF:2,050KB)、46~47ページより該当部分を引用する。

3.がんに対するリハビリテーションの評価
 がん患者が手術・放射線治療・化学療法等の治療を受ける際、これらの治療によって合併症や機能障害を生じることが予想されるため、治療前あるいは治療後早期からリハビリテーションを行うことで機能低下を最小限に抑え、早期回復を図る取組を評価する。
○新 がん患者リハビリテーション料 200点(1単位につき)
[算定要件]
 (1) 対象者に対して、がん患者リハビリテーションに関する研修を終了した理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が個別に20分以上のリハビリテーションが提供された場合に1単位として算定する。
 (2) がん患者に対してリハビリテーションを行う際には、定期的な医師の診察結果に基づき、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション計画を作成すること。
 (3) がんのリハビリテーションに従事する者は、積極的にキャンサーボードに参加することが望ましい。
[対象患者]
 (1) 食道がん・肺がん・縦隔腫瘍・胃がん、肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がん、大腸がんと診断され、当該入院中に閉鎖循環式麻酔により手術が施行された又は施行される予定の患者
 (2) 舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、その他頸部リンパ節郭清を必要とするがんにより入院し、当該入院中に放射線治療あるいは閉鎖循環式麻酔による手術が施行された又は施行される予定の患者
 (3) 乳がんに対し、腋窩リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術が施行された又は施行される予定の患者
 (4) 骨軟部腫瘍又はがんの骨転移により当該入院中に患肢温存術又は切断術、創
外固定又はピン固定等の固定術、化学療法もしくは放射線治療が施行された又は施行される予定の患者
 (5) 原発性脳腫瘍又は転移性脳腫瘍の患者で当該入院中に手術又は放射線治療が施行された又は施行される予定の患者
 (6) 血液腫瘍により当該入院中に化学療法又は造血幹細胞移植を行う予定又は行った患者
 (7) がん患者であって、当該入院中に骨髄抑制を来しうる化学療法を行う予定の患者又は行った患者
 (8) 緩和ケア主体で治療を行っている進行がん、末期がんの患者であって、症状増悪のため一時的に入院加療を行っており、在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要な患者

[施設基準]
 (1) がん患者のリハビリテーションに関する経験(研修要件あり)を有する専任の医師が配置されていること。
 (2) がん患者のリハビリテーションに関する経験を有する専従の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の中から2名が配置されていること。
 (3) 100m2以上の機能訓練室があり、その他必要な器具が備えられていること。


【毎日新聞社 2011/03/06】
 医療ナビ:がんのリハビリ 今年度から保険適用になり、徐々に普及
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110306ddm013100050000c.html
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◇手術前開始、回復早める
◇呼吸法、筋トレ…効果高く 専門医不足、病院の体制課題
 病気や事故、手術などによって体に障害を負った後から行うものというイメージが強いリハビリテーション。だが、急な手術などが少ないがんでは、手術前から適切なリハビリを導入することにより、手術後の身体機能の回復を早め、生活の質を向上させることができる。10年度から、化学療法なども含めたがんの治療前後のリハビリが保険適用になり、取り組む病院が徐々に広がっている。
 早期の食道がんが見つかり、1月末に慶応大病院(東京都新宿区)に入院した町田市の男性会社員(48)は手術を待つ5日間、腹式呼吸や、たんをうまく吐き出すための息の吐き方などを練習した。
 この男性の場合、頸部(けいぶ)や胸部、腹部を切開する手術が必要で、身体に大きなダメージを与えることが予想された。こうした場合、痛みで深い呼吸ができなくなり、肺活量が健康時の4割ほどに落ちるケースもある。また、せきをすると痛みが増すため、たんをうまく排出できなくなり、肺炎の原因になることもある。
 主治医から男性の手術前リハビリを依頼された同病院の辻哲也講師は、事前に深くゆっくりした呼吸のコツを身につけてもらおうと「呼吸リハビリ」を指導した。さらに、食道を摘出すると、食べ物がのみ込みにくくなったり、声が出にくくなることも説明した。
 男性は約8時間がかりで食道をほぼ全部摘出する大がかりな手術を受けた。2日後には立って歩く訓練を始めた。男性は「最初は50メートルほどしか歩けなかった。事前に、早く起きて歩いた方がいいと聞いていたのでできた」と振り返る。
 「昔は『手術後は安静』が常識だったが、寝たままだと体力が落ちるし、たんもたまりやすい。なるべく早く離床した方がいい」と辻さん。抗がん剤の使用などで体力が落ちた患者が手術を受ける場合には、事前に歩行訓練や筋力トレーニングをすることもある。
 辻さんが以前勤務していた静岡がんセンターで、手術前後に呼吸リハビリを実施した食道がん患者109人を調べたところ、後に肺炎になった患者は10人。これは、手術前の呼吸リハビリをしない場合に比べて3分の1以下だという。
 このほか、乳がん手術の前にリンパ浮腫を予防するための体操を覚えたり、舌がんや咽頭(いんとう)がんの手術に備えて発声法を練習するなど、さまざまながんに対して治療前のリハビリが有効だ。手術前にリハビリ担当チームと顔を合わせることで、患者の不安を取り除き、スムーズに手術後のリハビリに移れる効果もある。
 辻さんは「医学の進歩でがんが不治の病ではなくなり、がんと共存しながら生活の質を向上させることが重視される時代になった。入院日数も短縮でき、病院の経営者にとっても魅力的なはずだ。がんのリハビリの需要はますます高まるだろう」と話す。
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0127-627号 あなたの処方箋:/73~76 肌の乾燥 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 寒さ厳しき折ですが、皆さん、如何お過ごしでしょうか? 昨晩は今月4回目の当直デーでした。夜な夜なせっせと溜まっているお仕事に挑んでおりました。まだ病院で作業中で~す・・・(--;

 さて報道では、あれだけ新型インフルエンザの大流行や、高病原性鳥インフルエンザなどと騒がれているにもかかわらず、マスクを着用している方はほとんど見かけないというお寒い風景を目の当たりにします。何か事が起こらないと、直接的に身に降りかかるようにならないと、危機感を感じないのは平和ボケした国民性のせいですかね?モスクワ空港でも自爆テロが発生していますが、邦人が犠牲となっていないからなのか、我が事と思わないんでしょうね。さらっと流されています。

 これは多くの職場にも言えることで、自らの置かれている立場を危機的に捉えている方は少ないです。職場に対して、組織に対して「これをしてもらいたい、あれもしてもらいたい」との希望は出されますが、「何で貢献できるのか?自分に何が出来るのか?」を考えない、考えたとしても自らに還元されることばかりで、組織に対して、というものを考えない。とにかく我が身を冷静に分析し、判断できる冷めた目、いわゆる客観的評価が出来るよう、若い時からの積み重ねは大切でしょうし、初期教育の重要性をますます痛感する今日この頃です。それには指導的立場の方々が、良いものとダメなものの区別をはっきりさせる必要があるでしょうし、そのジャッジが時として嫌われることもあるでしょう、が、ものの区別をはっきりさせることや嫌われることを恐れていては、先に進めません。最近頓に、社会人に必要だと思うのは、自律心と自立心。あとは周りに対する配慮かな?


 申し訳ありません。低次元な話はこのぐらいにして、夢多き話題に移ります。

 昔より、漫画や映画の世界で良く語られていたことですが、人工光合成について。現在エコプロジェクトなどでは太陽光発電などが盛んに行われていますが、これは皆さんもよくご存じのように、二酸化炭素増大による地球温暖化を防止するプロジェクト。しかし根本的解決には結びつくものではなく、あくまでも対症療法的なものと私は思っています。根本的解決にはやはり、出さない苦労よりも要らないものを有効利用することだと思います。今回のプロジェクトでは何年かかるか分からないのかもしれませんが、少しでも早く取り掛かった方が良いことは当たり前。地球全体の問題なのに、我が国だけが資金提供するのはおかしいなどといったやぼな発言は無しね。相田みつをさんのお言葉。「けれど、けれどで、なんにも、しない」


社説:人工光合成 夢見る気持ちを大切に 毎日新聞 1/26
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110126k0000m070127000c.html
 「できるかどうかの問題ではなく、いつできるかの問題だ」。クロスカップリング反応でノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大特別教授が、このところ「人工光合成」について力強く語っている。
 植物は太陽光をエネルギー源に、水と二酸化炭素から炭水化物と酸素を作り出している。根岸さんはこの植物の力を人工的に再現する研究を旗印に、新しい化学反応の探索プロジェクトを「オールジャパン」で進めようと旗振り役を務めている。先週は文部科学省に出向き協力を求めた。すでに全国120の研究室が参加を表明しているという。
 光合成は何段階ものステップが関わる非常に複雑な反応だ。そう簡単に実現できるとは思えない。「ノーベル賞学者の言うことだからと、うのみにはできない」「そんなことに予算を費やすのはもったいない」と感じる人もいるだろう。
 しかし、根岸さんも単なる思いつきで提案しているわけではない。ノーベル化学賞の対象となったクロスカップリング反応にはパラジウムという金属が触媒として使われている。「dブロック遷移金属」と呼ばれる性質の似た金属グループのひとつで、鉄や銅、ニッケルやチタンなども同じ仲間だ。
 根岸さんはこの仲間の金属の触媒作用をさらによく研究することで新しい化学反応の手がかりが得られるはずだとみる。人工光合成はその象徴的な目標だ。
 科学の歴史を振り返ると、まさかと思うところから大きなブレークスルーが生まれることはよくある。人工光合成が実現すれば二酸化炭素の増加に伴う地球温暖化やエネルギー問題、食料問題の解決に役立つ可能性がある。研究が医薬品などの新しい合成法開発につながることもあるだろう。真剣に検討する価値のある分野ではないだろうか。
 研究体制も予算もこれからだが、お金がつきそうだからと群がるだけではだめだ。研究戦略や成果をきちんと評価し、本当にやる気とアイデアのある人に投資する。その過程を透明化し、国民に示す。既存の権威に頼らず、若い人をどんどん起用すれば新しい研究環境も開けるはずだ。
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 さて一昨日の新聞紙面のトップを賑わしていたのが、イレッサ訴訟に関する記事でした。既にご存じの方は殆どだと思いますが、関連記事を時系列に近い形でお届けします。元々副作用の少ない抗がん剤としてかなり有名になったものですが、副作用の無い薬は薬でないと私は思っています。患者さんに対して医師がどのような説明をされたのか?といったことは除外するとして、「医療において不可避の副作用の責任を問えば、全ての医療は困難になり医療崩壊になる」とのコメントは理解できる話だと私は思います。

 昨晩行っていたお仕事は、2/10にチーム医療研修会ということで、がん療法に関わるお話を臨床検査技師の視点からさせていただく予定で、その資料作りでした。まだまだ先は長いのですが、とにかく副作用対策に尽きるといっても過言でない抗がん剤療法でありますが、個体特異性や食品からも影響を受ける可能性があり、抗がん剤による副作用の原因を追究するにはバイアスがかかり過ぎて非常に困難というのが率直な感想です。


副作用の和解勧告は「医療崩壊」 国立がんセンターが批判 共同通信 1/24
 
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012401000594.html
 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる訴訟で東京・大阪両地裁が出した和解勧告に対し、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長が24日、記者会見し「医療において不可避の副作用の責任を問えば、全ての医療は困難になり医療崩壊になる」と批判した。一方で、原告側が求める抗がん剤による副作用被害の救済制度は「創設すべきだ」との見解を示した。
 嘉山理事長は、副作用の「間質性肺炎」は漢方薬や抗生物質などでも発症するとし「薬害エイズ訴訟などの明らかな人為的過誤による薬害被害とは全く異なる」と強調。国の承認過程や添付文書の記載に問題はないとして「副作用の説明を医者から受けていないとすれば、医者の説明義務違反。だがそれは別問題だ」と述べた。
 理事長特任補佐の境田正樹弁護士も「(国が)和解に応じることは、承認過程の違法性を認めることだ」と指摘した。
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イレッサ副作用死:投薬訴訟 輸入のアストラゼネカ社「和解拒否」 毎日新聞 1/25
 
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110125ddm041040063000c.html
 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用で被害を受けたとして、患者1人と遺族14人の計15人が国と輸入販売元のアストラゼネカ社(大阪市)に総額約1億8000万円の賠償を求めている訴訟で、ア社は24日、東京・大阪両地裁が出した和解勧告(今月7日)を拒否する方針を両地裁に書面で回答した。ア社は「副作用の警告は十分しており、適切に対応してきた。法的責任はない」としている。
 致死性の副作用である間質性肺炎は、承認(02年7月)直後の添付文書(医師向けの説明書)の2ページ目で他の副作用と共に記載されていたが、国が緊急安全性情報(同年10月15日)を出した後、冒頭の警告欄に赤字で記載されるようになった。両地裁の和解所見は「十分な注意喚起がなかった。国も行政指導するのが適切だった」と指摘。緊急安全性情報よりも前に服用した原告について被告は「救済を図る責任がある」とし、緊急安全性情報の後に服用した原告とも誠実に協議するよう求めた。
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「協議応諾が国の責務」 原告・弁護団が声明 共同通信 1/25
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/1/25/131469/
 イレッサ訴訟でアストラゼネカ社が裁判所の和解勧告受け入れ拒否を決めたことを受け、原告・弁護団は24日、態度を明らかにしていない国に対し「勧告を真摯(しんし)に受け止めて和解協議に応じ、ア社にも協議の場に着くよう働き掛けることが責務だ」とする声明を発表した。
 声明は、ア社については「被害者と遺族に二重三重の苦しみを与えるもので、最大限の社会的非難が加えられるべきだ」と批判、協議に応じるよう再考を求めた。
 弁護団は「国が和解協議の席に着けばア社も無視できなくなり、和解解決の道も開ける。また国とは和解し、ア社だけに対して判決を待つという選択肢も考えられる」としている。
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イレッサ訴訟、国が和解勧告拒否の方針 読売新聞 1/25
 
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110124-OYT1T01183.htm
 肺がん治療薬イレッサ(一般名・ゲフィチニブ)をめぐる訴訟で、政府は24日、国の責任を認めた東京・大阪両地裁の和解勧告に応じない方針を固めた。
 「イレッサの承認過程に問題はなく、副作用の危険性については適切な注意喚起を行った」との理由からだ。和解は、新薬導入をめぐる日本国内での承認体制の在り方など、薬事行政への影響が大きすぎると判断したものだ。政府はこの方針を、両地裁に対する回答期限前日の27日をメドに正式表明する。
 この問題で、政府内では枝野官房長官と細川厚生労働相、江田法相が協議を重ねてきた。その結果、政府内では、「副作用に関する情報提供は適切だった。和解を受け入れれば、新薬の承認の期間を短縮する流れにある今後の承認体制に大きな影響がある」(厚労省幹部)との意見が強まった。細川厚労相も「医薬品行政の根幹の問題であり、慎重に検討する必要がある」と述べていた。
 両地裁は今月7日に示した和解へ向けた基本的な考え方(所見)で、厚労省が輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)に対し、緊急安全性情報を出すよう指示した2002年10月15日までにイレッサを投与され、副作用の間質性肺炎を発症した患者5人について、「国と同社に救済する責任がある」と結論づけた。
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イレッサ副作用死:投薬訴訟 政府、和解拒否で調整 医療現場萎縮を考慮 毎日新聞 1/25
 
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110125ddm041040068000c.html
 イレッサの副作用被害を巡る訴訟で、政府は24日、東京・大阪両地裁の和解勧告を拒否する方向で調整を始めた。政府内では、厚生労働省を中心に「国の承認審査や市販後の安全対策に問題はなかった」との意見が根強く、仮に1審で敗訴しても高裁の判断を仰ぐべきだとの考えが有力になっている。
 輸入販売元のアストラゼネカ社が同日、東京・大阪両地裁に和解勧告は受け入れられないとする回答を書面で提出。政府としては、国が勧告を受け入れ責任を認めてしまうことで、抗がん剤などの承認審査や医療現場が萎縮してしまう影響も考慮した模様だ。
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 さて臨床検査部門が一元管理している施設が多くなってきた輸血管理部門の話題に移ります。恐らく臨床検査部門の方や関係業務に就かれている方は、眉をしかめて記事をお読みになったことだと思います。先日のHBVとHIVの誤りもそうでしょうが、私もその一人。何故このような事態を招いたのか、理解出来ない部分が多々あります。また病院側のコメントで、「患者が急を要する事態だったこともあり、確認ができていなかった。深くおわびする」・・・こんなおバカなコメントしか出来ないのか?と少々あきれてしまいました。

 いくらマニュアルを整備しようが、個々のスタッフがその内容を熟知し、正しく実践しないことには、再び同じことを繰り返すと思います。個々に対する客観的評価的なガイドラインを作成し、ある一定レベル以上でないとその業務に従事できないような制度を設定しなければならないんじゃないでしょうか?しかしこういったことを逆手にとって、「やらず得」みたいに考える人もいるのでしょうね。こうなってくると、医療従事者というより社会人としての「適性」の問題ですね。今回の看護師さんに対して申し述べているのではありませんので念のため。


医療事故:市大病院輸血ミス B型の患者にA型血液 /大阪 毎日新聞 1/26
 
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20110126ddlk27040443000c.html
 大阪市立大学付属病院(阿倍野区、原充弘病院長)は25日、治療中に大量出血した血液型B型の男性患者(50)に、誤ってA型の血液(280CC)を輸血する医療事故があったと発表した。男性は輸血ミスが原因とみられる溶血(ようけつ)の症状が確認され、集中治療室で治療中。現在は溶血の症状はなくなったが、重症という。
 同病院によると、男性は今月14日に消化管出血を起こし、府内の別の病院から転院。18日午後、出血を止めるため血液を固める薬剤を腸に注入する治療中、大量に下血し、輸血したという。ところがこの際、女性看護師(22)が保冷庫から誤った輸血パックを持ち出し、輸血時も別の女性看護師(26)らが確認を怠った。約30分後、輸血パックの取り換え時に看護師がミスに気付いたという。
 同病院の輸血マニュアルでは、輸血パックのバーコードを機械で確認するか、複数でパックに記載された患者の氏名、血液型を照合することになっていた。同病院は男性の家族に謝罪し、24日に厚生労働省や府警などへ経緯を報告。調査委員会を設置し、再発防止策も作成する。
 同病院は「患者が急を要する事態だったこともあり、確認ができていなかった。深くおわびする」と謝罪した。


輸血ミス 男性患者重症、大阪市大病院でパック取り違え 読売新聞 1/26
 
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110126-OYO1T00339.htm
 大阪市立大付属病院(大阪市阿倍野区、原充弘院長)は25日、血液型B型の男性患者(50)に、誤ってA型の血液製剤を輸血した、と発表した。看護師(22)が別の患者の輸血パック(280ミリ・リットル)を保冷庫から取り出し、輸血前にも別の看護師(26)が氏名などのチェックを怠っていた。男性は重症で、同病院は大阪府警阿倍野署と近畿厚生局に報告。近く、外部委員を交えた事故調査委員会を設置する。
 男性は肝硬変と糖尿病などのため、14日に別の病院から転院。18日午後、結腸の静脈瘤(りゅう)の治療中に下血し、輸血が必要になった。看護師が保冷庫から輸血パックを取り出す際、パックが置かれた棚を間違え、別の患者のパックを持ち出した。
 同病院のマニュアルでは、輸血開始前に、パックと患者の手首バンドのバーコードで本人確認を行うよう規定。バーコード確認できない場合、パックに記入した患者の氏名と血液型を確認する必要がある。しかし、パックを受け取った別の看護師は、コンピューターの動作が遅かったためバーコードと目視のいずれの確認も怠り、午後3時40分に輸血を開始した。
 午後4時すぎ、パックを取り出した看護師が取り違えに気づき、輸血を中止。男性には赤血球が破壊される溶血反応が現れ、集中治療室で治療を続けている。
 原院長は記者会見で、「患者、家族にご迷惑をかけ、心からおわびする。再発防止策を早急に作成、実施したい」と話した。



 さて本日のメインニュースに移ります。

 この時期、空気が非常に乾燥しているのでお肌の荒れが気になりますね。今年は特に観測史上最大のラニーニャということで、日本では太平洋側が非常に乾燥、日本海側が大雪らしいですね。この気候はまだまだ続くとか。

 私の場合、当直業務の朝は当直中に何度も手洗いするせいか、大荒れです。ハンドクリームも塗りたいところですが、キーボードを打つ時にあまり手がベタベタしていると作業効率が悪くなるので塗らないから余計にひどくなります。

 本日のメインニュースとしてはふさわしくないかもしれませんが、今年は特に空気の乾燥がひどいので取り上げてみました。


【毎日新聞社ニュース 2011/01/24】
 あなたの処方箋:/73 肌の乾燥/1 ナイロンタオルが原因にも
 
http://mainichi.jp/life/health/news/20110124ddm013100139000c.html
=================================================
 乾燥する冬は肌がかさかさし、かゆくなりがちだ。埼玉県の女性(38)も毎年冬が来るのが憂鬱だった。寝る前に保湿剤をたっぷり塗ってもかゆみで眠れず、寝ている間にかきむしってしまうこともあった。
 昨秋、かきむしった部分が炎症を起こし、皮膚科を受診した。医師に体の洗い方を聞かれ「肌のくすみが気になるので、毎日全身をナイロンタオルで念入りに洗っている」と答えた。医師は「それが原因かもしれません」。勧められた手洗いに変えると、肌の調子が一変。この冬はかゆみに悩まされることがほとんどないという。
 生活用品メーカー、ライオンが20~30代の女性約500人を対象に昨年8月実施した「体の洗い方に関する意識調査」によると、「手洗い派」は35%で、前年より2割増。そのうち手洗いに変えて肌の状態が変わった人は6割に上り、多くが「肌の乾燥が気にならなくなった」という。それでもスポンジやタオルで洗う「ゴシゴシ派」は依然多く、全体の58%に上る。
 東京逓信病院の江藤隆史皮膚科部長は「体をナイロンタオルで洗うのは、高級な革バッグをたわしでこするようなもの」と警告する。表皮は厚さ0・2ミリ前後で、角質層、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底層から成る。角質層の内側部分と顆粒層は水分保護バリアーと呼ばれ、ラップ1枚程度(約0・02ミリ)の厚さで潤いを保っている。だがゴシゴシ洗いで角質層を荒らすと、水分保護機能は瞬く間に低下する。
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【毎日新聞社ニュース 2011/01/25】
 あなたの処方箋:/74 肌の乾燥/2 入浴後20分以内に保湿剤を塗ろう
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110125ddm013100020000c.html
=================================================
 皆さん、毎日歯磨きしますよね。肌も同じ。毎日のお手入れが大切です」。東京逓信病院(千代田区)で不定期開催される「アトピー教室」。医師がさまざまな皮膚疾患の患者たちに、皮膚の仕組みやケアの方法、薬の使い方などを丁寧に教え、好評だ。
 厚生労働省研究班が作成した「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」で、スキンケアは原因特定や薬物療法と並ぶ治療の3本柱の一つに挙げられている。最近はスキンケア指導をする医療機関が増えており、江藤隆史皮膚科部長は「アトピー患者向けのスキンケアは、乾燥肌傾向の人にも効果がある。肌の乾燥がひどくて悩んでいる人は、一度近くの皮膚科などに相談してみてほしい」と話す。
 江藤医師によると、最も重要なのは風呂上がりのケアだ。入浴中は水分が浸透し、肌の水分量は入浴前の倍近くまで増える。ところが風呂から上がると急激に失われ、約20分後には入浴前とほぼ同程度になる。さらにそれ以上たつと入浴前より乾燥した状態になってしまう。肌に浸透した水分が蒸発する際、元々あった水分まで奪われていくためだ。
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【毎日新聞社ニュース 2011/01/26】
 あなたの処方箋:/75 肌の乾燥/3 ステロイド剤、怖がらずしっかり塗って
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110126ddm013100156000c.html
=================================================
 肌の乾燥でかゆみが激しくなり、かいて炎症を起こして皮膚科を受診すると、ステロイドの塗り薬が処方されることがある。強力に炎症を抑える効果があり即効性も高い一方で、副作用を心配して使用を控える人も少なくない。
 乾燥肌に悩む東京都の女性(27)は昨年、湿疹が出たため近くの皮膚科を受診し、ステロイド剤を処方された。「何となく不安」と少量しか塗らず、症状が治まったので使用をやめた。すると湿疹は再発し、同じことを繰り返すうちに症状は悪化。医師に相談すると「薬をきちんと塗っていませんね。今の薬は段々効かなくなるので、今度はしっかり塗ってください」と強いステロイド剤を処方された。今は湿疹が治まっても指示通り塗り続け、再発はしていないという。
 神奈川県立こども医療センターの馬場直子皮膚科部長は「自己判断で使用をやめると悪化を招くことが多い。一見良くなった状態になっても、組織レベルで炎症は残っている」と指摘する。馬場医師によると、ステロイドの塗り薬は強さが5ランクに分かれ、症状の出る場所や程度に応じて医師がランクや期間を判断する。内服薬と異なり全身的な副作用はほとんどなく、塗った部位の皮膚が薄くなったり血管が拡張したりすることがあっても、ステロイド治療が終われば元に戻るという。「必要以上に怖がって中途半端にしか使わないと炎症がくすぶり続け、結局は長期間塗り続けることになります」
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【毎日新聞社ニュース 2011/01/27】
 あなたの処方箋:/76 肌の乾燥/4 完治難しい「乾癬」
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110127ddm013100030000c.html
=================================================
 ただの乾燥肌と思っていたら、実は難治性の皮膚病ということもある。
 東京都杉並区の大蔵由美さん(52)は中学生のころ腕に湿疹に似た炎症ができ、頭のふけのように皮膚がめくれ始めた。「乾燥して肌が荒れたのか」と思ったが、受診すると「乾癬(かんせん)」という病気だった。
 乾癬は表皮が通常の10倍以上の速さで次々と入れ替わる病気で、皮膚が赤く盛り上がり、角質がかさぶた状に厚くなってはがれ落ちる。国内には20万~30万人の患者がいるとみられるが、原因はまだはっきり解明されておらず、完治が難しいとされる。
 患者の大半は皮膚症状やかゆみが中心の「尋常性乾癬」だが、進行すると全身の関節に炎症や変形が起きて関節リウマチに似た症状が出る「関節症性乾癬」になることがある。
 大蔵さんも初めは炎症の部分が小さく塗り薬で対処していたが、発症から十数年後に突然、全身に広がり、関節の激痛に襲われ職場で倒れた。1年ほど寝たきりになり、仕事を辞めて治療に専念する中で出合ったのが、患者会「東京乾癬の会P-PAT」だった。
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0121-626号 突然死リスク患者からiPS作製 新薬開発試験に利用も [kensa-ML NEWS 【情報】]


 申し訳ありません。先週配信記事ですが、ブログUPが遅れております。


 かなり慌ただしくしております。今週はとにかくデスクワークの嵐。僅かな作業時間以外は殆ど自室に引きこもり状態でした。お尻に根が生えてきそう・・・

 肝心のメールニュースの方ですが、ニュースソースには事欠かないのですが、とにかくニュース配信には至らず、この数日が経過しています。メール返信もままならない状態です。今日の記事も少し前の記事で恐縮ですが、もしかしたら、この疾患が克服されるかも?との期待のもとに配信いたします。本題に移る前に私事の前置きを・・・

 
 先週の日曜日(1/16)・・・この冬一番の冷え込みか?と言われ日本全体が寒波に覆われた日のこと。

 SSC太陽の野球小僧たち最後の大会でもある卒団記念大会に臨みました。前半は2対0で折り返し、今日も勝ちかな?と思っていたら、フォアボールにエラーなどで同点に追いつかれ、最終回にサヨナラスクイズを決められ、負けてしまいました。小学校最後の試合があっけない幕切れ。結局相手にはヒットを一本も打たれていなかったので、勝ち試合だったのですが、内容では圧倒していたものの結果は負け。どの小僧も試合終了後のミーティングでは、うるうる状態。帰りの車の中でも、いつも本当に賑やかなのに、誰も一言もしゃべらず・・・しかし彼らの回復力はすさまじいもので、学校に帰って、みんなで食事をした後はいつも通り。午後から何をしたいか?と聞いたら、バスケットボール・・・みんなで楽しそうにしていました。

 これでSSC学童としての公式戦スケジュールは終了。あとは次の目標に向けて基礎トレーニングを中心とした活動となります。3月に卒団式がありますが、卒団式のことを思うと、今から涙腺がゆるんできます・・・今シーズンの彼らの活躍はめざましく、決勝戦を10回もしたチームなど、そんなにないでしょうね。良い思いをさせてくれて、良い思い出をいっぱい作ってくれて本当に有難う。心から感謝です。


 さて心がホットになったところでもう一つホットになる話題。

 先日もお伝えしたところですが、全国におけるタイガーマスク運動に留まらず、善意の輪はまだまだ拡大中。助け合いの精神というか、思いやりの心というか、そういったものをお忘れになっておられる方も世間では結構お見受けしますが、他人に生かされているという気持ちを忘れずにいたいですね。


産経新聞社社説 主張 1/19
 
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110119/trd11011903200019-n1.htm
 漫画「タイガーマスク」の主人公を名乗る児童福祉施設などへの寄付が今も相次いでいる。
 最初は昨年のクリスマスに、前橋市の児童相談所前に「伊達直人」がランドセル10個を置いた。年が明けるや、その輪は全国に広がった。こうした心温まる善意のうねりは、日本人が誇ってよい奥ゆかしさと心根の優しさを示しているといえないか。
 「タイガーマスク」は昭和45年前後に少年誌に連載され、アニメ化もされた。当時10歳前後だった少年が今の50歳代となる。虎のマスクをかぶったプロレスラー、伊達直人は、出身の「孤児院」にファイトマネーを贈り続けた。マスクは匿名の象徴でもあった。
 一連の寄付には、自己満足のための偽善の押し売りではないかなどとする声もある。しかし今のところ、心配されるようなトラブルは聞かれない。物を置いていくだけではなく、双方向の継続的交流が必要だとする問題提起もあるが、まず大切なのは、そこに喜ぶ子供の笑顔があることだ。
 8日の全国高校ラグビー決勝は、前半に走り回った桐蔭学園(神奈川)を、東福岡(福岡)が後半押しまくり、結局、31-31で両校が優勝を分け合った。
 閉会式で、ノーサイドの笛を吹いた麻生彰久主審に両校の主将が小箱を持って歩み寄った。2歳になる麻生主審の長男、修希ちゃんが重い心臓病と闘い、米国での移植手術に向けて寄付を募っていることを知った両校関係者が集めた募金箱だった。
 この正月、心を熱くさせたうれしいニュースだった。昨年10月末に始めた募金は、報道後だけで1500万円を超えた。総額も目標の1億5千万円に達し、2月に渡米を予定している。福岡市の「修ちゃんを救う会」によれば、ここにも「伊達直人」名義の募金があったという。
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 さてもう一編。
 サッカーファンならこのニュースご存じだと思います。私は特に熱狂的という訳ではありませんが、いわゆるスポーツファンですから昨年このニュースを見て、無事復帰を願わずにはいられませんでした。このような会社としてのバックアップ体制、良いですね。このような心にゆとりのある企業は素敵だと思いますし、将来順調に伸びるのではないかと私は思います。やはり企業を支えているのはその構成員である社員、職員ですから。もっとも、企業にとってマイナス材料にしか成り得ない人材については、人罪であり論外ですが。でもこういう方って自分のことは本当に見えていないんですよね。


J1大宮、骨肉腫の塚本と契約更新 背番号空け復帰待つ 朝日新聞 1/18
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201101180480.html
 右足をがんにおかされたJリーガーが復帰の道を歩み出した。J1大宮アルディージャは18日、昨季いっぱいを治療にあてたDF塚本泰史(たいし)(25)との契約を更新したと発表した。ただしチームの練習に合流するまでは選手登録しない。背番号2を空けて復帰の可能性にかけるという。
 この日にチームが始動した。最初は集合写真の撮影。選手として塚本もユニホームを着て加わった。手術した右足を引きずり気味に本拠のNACK5スタジアム大宮の芝を歩いた。笑顔がこぼれた。
 「ここに戻って来られるとは正直思わなかった。今はうれしさと感謝の気持ち。みなさんのおかげです」
 ちょうど1年前、右ひざの骨肉腫がわかった。開幕戦でサポーターにあいさつして闘病生活に向かった。支援しようと全国から約2340万円の募金が集まり、一部は医療機関に寄付された。
 開幕後の昨年3月に手術。12月にチームの戦いが終わった頃、塚本の治療も終わった。今後は検診で経過をみながらリハビリをする。
 右足には約2キロの人工関節が入っている。「右足だけでは自分を支えられず、階段の上り下りもつらい」。運動できなかったため、体重が10キロ以上も増えて85キロに。突っ張るおなかに「こんなにユニホームが似合わなかったかな」と思ったという。
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 さて寒さ厳しき折、寒さに拍車をかけるようなニュースで恐縮です。

 これを見た時に目を疑うとともに私には理解の出来ないものでしたが、こんなことってあるのでしょうか?恐らくICA(イムノクロマト法)による簡易キットだと思います。確かにパッケージは似通っており、見間違うこともあろうかと思います。しかしどなたが検査をされたのかは分かりませんが、臨床検査に携わる以前の問題であり、社会人として、また医療従事者として適正を疑います。こんなことで臨床検査がクローズアップされたくないですね。全く迷惑な話です。


感染検査キット取り違え 大分市、HIVとB型肝炎 共同通信 1/17
 
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011701001061.html
 大分市保健所は17日、夜間のエイズウイルス(HIV)抗体検査で、受診者10人に対し誤ってB型肝炎ウイルス抗原キットを使って検査し、職員がHIV検査だと思い込んだまま、その場で受診者にB型肝炎の検査結果を伝えたと発表した。
 市によると、同日午後6時~7時半のHIV検査で、担当職員が検査キットのチェックを怠り、B型肝炎ウイルス抗原キットを使用。終了後、取り違えに気付いた。
 B型肝炎キットによる検査結果は9人が陰性、1人が「要確認」。この1人には精密検査の結果を伝えるため27日に再来所するよう伝えたが、検査は匿名受診だったため10人全員と連絡が取れていないという。同保健所がHIV抗体キットで検体を再検査したところ、全受診者が陰性だった。


 さて次も臨床検査に関するニュースが出ていましたのでご紹介です。

 私自身、このメールニュースをブログにUPし、一般の方々に公開しているのは、臨床検査、臨床検査技師について、もっと知ってもらいたい、と言わば臨床検査啓蒙活動の一貫です。勿論それだけではなくって私自身が出来ることは何かと考えた時に、色々な形で情報提供をして社会貢献をしたい、との思いもあります。

 検査カフェについては、過渡期にある臨床検査が様々な試行錯誤の中で、社会貢献や啓蒙活動などの一環として行われていると理解したいですね。しかし注意しなければならないのは、国内の臨床検査データが標準化に向かっている時に、データの品質が低下したものを利用者に提供するというのでは話にならないということ。簡易法だけど、精度管理は臨床検査技師がしっかりと行っている、なんて記事を見かけたこともありますが、所詮測定法の違いによるデータ格差はどうしようもないことであり、こういった形、いわゆる標準法とはほど遠いような検査を用いる検査カフェなら、今後の臨床検査に影を投げかけるものだと私は思います。今回のような大学病院内で行われているものなら結構ですが、民間のそれも訳の分からないよ
うな検査会社が行うようなところも含めて、しっかり目を光らさないといけないでしょうし、開設基準をしっかりと決める必要があるのではないかと思います。


検査カフェへいらっしゃい 読売新聞 1/16
 
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/life/1101/li_110117.htm
 健康診断を受けていますか。病気になる前に不調を見つけ、治療を受けたり生活習慣を改めたりして、健康に1年を過ごしたい。
気になる項目 券売機でポン さっと採血
 チャンポンやラーメンの食券でも出てきそうな自動券売機だが、メニューは料理ではない。「血糖値」「コレステロール」「貧血」といった項目だ――。
 熊本市の熊本大病院には、気軽に血液検査を受けてもらおうと設置された「検査カフェ」の券売機がある。「病院の食堂にあるのと同じです」。中央検査部技師長の池田勝義さん(53)が説明すると、検査に訪れた同市の主婦、千村美樹さん(42)は「へえー」と驚いた。
 千村さんが買ったのは「血糖値が気になる方 800円」の券。昨年9月の人間ドックで初めて糖代謝に異常が出たため、気になっているという。
 券を受付に出し、申込書に氏名や住所のほか、「医療機関で診察を受けていますか」といった問診に対する答えを書き込む。次に検査室で採血。券の購入から10分程度で終わった。
 1週間後に郵送された結果報告書には、「血糖レベルが基準値をわずかに上回っており、注意が必要」とあり、甘いものやでんぷん質を取りすぎないようにして、適度な運動をするようアドバイスされた。「気になる項目だけ調べられるし、料金も思ったより安かった。糖尿病にならないよう生活習慣を改善したい」と千村さんは話した。
 カフェは、熊本大教授で同病院中央検査部長の安東由喜雄さん(57)が、「健康について知る場を提供したい」と考案した。2009年2月の設置以降、利用者はリピーターも含めて延べ約1640人。「アメリカは検査費用が高い」と帰国の際に来る人や県外からの観光客もいるという。
 検査データは、臨床検査専門医や検査技師らが週1回開く判定会議で検討する。異常が見つかる人は約6割に上る。前立腺がんや重い貧血と分かり、治療につながったケースも。「病気が進行する前に食い止めて、医療費の削減にもつなげたい」と安東さんは話す。
 検査カフェのメニューは13種類。「健康が気になる方 1800円」は、企業や自治体の健診と同じで、基本的な18項目。脂質異常や肝臓、腎臓の機能低下、病気による貧血などがないか調べる。
 「お酒の飲みすぎが気になる方 1200円」は、肝臓や胆のうの機能に絞った5項目。「痛風が気になる方 500円」は尿酸など3項目だ。このほか「中性脂肪 200円」「心電図 1400円」など12種類のオプションもある。
 受け付けは月曜から金曜午前10時~午後4時。健康保険証や予約は必要ない。結果を受け取った後、説明を受けたい人は、毎週火曜午前10時半~正午の「検査『知』外来」を予約できる。問い合わせは生理機能検査室(096・373・56
94)へ。
自治体の検診 上手に活用を
 自治体の健診やがん検診も、上手に活用したい。
 市町村が行う特定健診は、国民健康保険に加入している40~74歳の人が対象。福岡市は500円、熊本市や佐賀市は1000円など低価格で、身体測定や血液、尿などの検査が受けられる。
 対象外の加入者のために、熊本市は「30代健診」(自己負担額1000円)を行っている。人間ドックの割引にも使える。午前8時~午後9時、年中無休のひごまるコール(096・334・1507)へ。
 福岡市は今年度まで、「ヘルスアップスクール」(同2700円)で18~39歳の人に健診や体力測定、運動指導をしている。託児付き。各区保健所へ。
 佐賀市は、特定健診では検査項目が足りないという人のために、集団がん検診などを組み合わせた「ミニドック」(同3000円)を設けている。山口県宇部市では、定員250人が1万2000円程度で脳ドックを受けられる。
 窓口が分かりにくいため、市役所などで健診ガイドなどの資料をもらい、説明を受けるのも良さそうだ。
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 さて今日のメインニュースに移ります。

 医療関係者の方々は、恐らくご存じだと思いますが、一般の方々にはあまりなじみの無い病気の話題。QT延長症候群という病気なのですが、ご存じでしょうか?

 心電図を少しでもかじったことのある方なら、直ぐにピンと来ると思いますが、QTとは心電図上のある時期のことを指します。心臓は規則正しく収縮したり拡張したりを繰り返しているのですが、収縮している時を脱分極、拡張・回復している時を再分極と言います。QTとはこの再分極過程のある時期を指します。この再分極過程においては、心臓の筋肉自体の電気状態が非常に不安定になっている時期があり、その時期に刺激が加わると、心臓がびっくりしてひっくり返るというか、致死的な不整脈をもたらすことがあります。専門家の方に叱られるかもしれませんが、かなり話を簡単してみると、言わばこの不安定な時期が長くなるような病気がQT延長症候群です。この病気は先天性のものや後天性のものなど色々あります。

 詳しくは以下のサイトをご覧いただければと思います。ちなみに、以前いた国立循環器病研究センターでは、この病気に関する日本でも著名な専門家がおられますし、臨床検査部でこの疾患患者の遺伝子診断を行い、患者さんの生活指導などに生かされています。とにかく突然死を引き起こす確率が高い病気として有名です。

 まずはQT延長症候群に関して資料提供、その次にメインニュースへと続けます。帰宅車中からの配信ですので、言葉足らずな点、ご容赦ください。


QT延長症候群
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/QT%E5%BB%B6%E9%95%B7%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
 QT延長症候群(long QT syndrome; LQTS)は、心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長を認める病態である。QT時間が0.46秒以上、またはRR間隔で補正した場合には0.44秒以上である場合を指す。Torsades depointes(TdP)と呼ばれる心室頻拍を惹起することがある。より簡略にはT波の終点がRRの中点を越えていれば明らかにQTの延長とする。この方法はスクリーニング診察時に用いることがある。

先天性QT延長症候群
 
http://www.udatsu.vs1.jp/LQT.htm

QT延長症候群とBrugada症候群の診療に関するガイドライン
 
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_ohe_d.pdf


【共同新聞社ニュース 2011/01/17】
 突然死リスク患者からiPS作製 新薬開発試験に利用も
 
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011601000223.html
=================================================
 不整脈が起き、失神したり突然死する場合もある心臓の病気「QT延長症候群」の患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製し、心筋細胞に分化させることに成功したと、イスラエル工科大の研究チームが16日付英科学誌ネイチャーに発表した。
 QT延長症候群の患者は、薬の使用が原因で不整脈が起きる場合がある。今回作製した心筋細胞を利用すれば、この病気の治療薬開発だけでなく、新薬開発の際の毒性試験に利用し、副作用があるかどうかを調べることができるという。
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【毎日新聞社ニュース 2011/01/17】
 iPS:心疾患細胞を作成…薬効予測に有用 イスラエル
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110117k0000m040109000c.html
=================================================
 突然死の恐れがある遺伝性心疾患「QT延長症候群」の患者の皮膚から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を作成することに、イスラエル工科大のチームが成功した。得られた細胞に薬を与え患者への投与前に副作用の有無や効果を把握できる。iPS細胞を使ったオーダーメード医療の一歩として注目される。
16日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。
 心電図の波形のQTと呼ばれる部分が正常より長い疾患で、立ちくらみや動悸(どうき)が起き、突然死する場合がある。日本人の患者数は数千人とも言われる。
 チームは、28歳の女性患者から皮膚細胞を採取し、iPS細胞を作成した後、心筋細胞に変化させた。この心筋細胞を調べると、QT部分が正常より長く、細胞レベルでの症状の再現に成功した。
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0114-625号 体内時計:夕方働く遺伝子を分析 睡眠障害の治療に前進 [kensa-ML NEWS 【情報】]

 
 申し訳ありません。以下記事は金曜日の晩、通勤車中からメールニュースで配信したものですが、ブログへのUPが出来ませんでした。二日遅れとなりますが、ご勘弁ください。



 今週は雑多業務に追われていたため、何やらあっという間の一週間でした。が、考えてみれば、一日短かったのですね。出勤する時も、病院から出る時も、自宅に帰る時もまっ暗闇なので、時間的概念を失ってしまいそうになりますね。この時期、一番嫌いです。

 只今(20時10分現在)、JR神戸線の新快速車中にて記事を作っておりますが、三ノ宮を出た直後に電車が緊急停車。どうやら灘駅で直前を走る貨物列車が人身事故らしいです。すぐ隣を阪急神戸線が走っていますが、非常にスムーズ。私の場合、人身事故を含め、アクシデントに遭遇することが多いんですよね。でもこればかりはどうしようもないかな・・・焦っても仕方ないし、ゆっくり記事を作るとします。・・・20時50分、運転再開となりました。

 
さて1月17日まであと数日となりました。早いもので、あの日から16年を経過するのですね。16年を経過したとは思えないくらい、忙しさも相まってあっという間でした。

 大震災発生から数ヶ月間、神戸の環境はかなり劣悪なものでした。被災地ではマスクを着用していないと息苦しいくらいの粉塵でした。インフルエンザの蔓延もあり、多くの方は免れているかもしれませんが、石綿による健康被害の実態が明らかとなるのはこれからですね。当時は思いもしませんでしたが・・・


神戸新聞社説 1/14 http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0003736925.shtml
 阪神・淡路大震災から16年を迎えようとする今、被災地を漠然とした不安で覆うのが、アスベスト(石綿)問題だ。
 倒壊したビルの解体や、がれき処理ですさまじい量の粉じんが舞う中を、リュックを背にした被災者が行き交う。そんな光景があちこちでみられた。
 石綿は髪の毛の5千分の1ほどの微細な繊維だ。吸い込むと、十数年~40年後に重症化しやすい中皮腫や肺がん、石綿肺などを引き起こすリスクがある。「静かな時限爆弾」と呼ばれるゆえんだ。
 震災の石綿問題に関心が集まるのは、今後、被災地でそんな病気が増えるのではないかという懸念があるからだ。実際、被災地でビルの解体作業に携わった兵庫県内の男性が中皮腫を発症し、労災認定されている。
 こうしたケースも踏まえ、行政が行うべきは、防災計画に石綿対策を盛り込み教訓を生かすことだ。
 地域の建物にどれぐらいの石綿が蓄積されているかを、まず調査する必要がある。規制が不十分だった時代にできた建築物の把握、石綿が使用された吹きつけ材や保温材、建材などの使用状況を調べ、どの建物が倒壊すれば、飛散する恐れがあるか、確認しなければならない。
 環境省は2007年、「災害時における石綿飛散防止にかかわる取り扱いマニュアル」を作成した。解体や廃棄物処理にあたりどう取り扱うべきか、具体策を盛り込んだものだ。しかし、肝心の自治体の反応は鈍いといわざるを得ない。
 立命館大が全国の自治体向けに行った調査によると、国のマニュアルについて35%の自治体が「存在を認識していない」とし、22%は「内容を確認していない」と回答している。
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 このところ、報道でしきりと出てくるのが、インフルエンザ大流行という話題。蔓延してからでは遅いと思いますし、これだけ騒がれているにもかかわらず現在の車両でマスクを着用しているのは私を入れても数名という状況。皆さん、自分は罹らないと思われているのでしょうね。備えあれば憂いなし・・・(--;


東京新聞社説 1/14
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011011402000108.html
 一昨年、世界的に流行した新型インフルエンザがことしも流行する兆しを見せ始めた。今のところ、毒性が増した証拠は確認されていないが、最悪の場合を想定し、十分な警戒が求められる。
 インフル流行の動向を示すのは、全国約四千八百の医療機関から厚生労働省に送られる一週間単位の患者報告数で、昨年第五十週(十二月十三~十九日)の一医療機関当たりの報告数は一・四一で流行開始の目安である一・〇〇を上回った。最新の報告の第五十二週(十二月二十七~一月二日)には二・三〇とさらに増え十一週連続の増加だ。
 報告数は昨年十月半ばから増え始めた。最初は季節性のA香港型(AH3N2)が多かったが、十二月からは新型(AH1N1)の方が多くなった。
 一昨年の新型の大流行と違い、ことしは新型、A香港型、さらにB型が混在しているのが特徴だ。
 新型の流行を通じ、五歳以上二十代前半の世代では六割が免疫の抗体を獲得したとみられるが、乳幼児では四分の一、五十~七十代ではそれ以下にとどまっており、感染すれば肺炎を起こす恐れがある。重い持病のある高齢者の場合には特に注意が必要だ。
 新型が流行の主流になりつつあるが、A香港型も甘くみてはならない。A香港型は季節性の中で最もインフルエンザ脳症を起こしやすいことが分かっており、脳症の頻度はAソ連型の十倍、B型の五倍に達する。しかもA香港型はこの数年、大きな流行がないため抗体を持たない乳幼児が多いとみられ、感染により例年以上に脳症が発生することが懸念される。
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インフルエンザ患者倍増 国立感染研が発表 共同通信 1/14
 
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011401000319.html
 国立感染症研究所は14日、3~9日の1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者は2万4841人(1機関当たり5・06人)で、前週(2・30人)の2倍以上になったと発表した。検出されるウイルスは新型が最も多いという。
 都道府県別では、沖縄(25・90人)、福岡(11・53人)、佐賀(11・41人)、長崎(9・29人)、宮城(9・15人)の順。北海道以外のすべての都府県で前週より増加した。
 昨年12月上旬までは季節性のA香港型が多かったが、全国流行入りした年末ごろから新型が上回っている。


 本日は、これ!といったメインニュースがあるわけではありません。種々雑多な最新情報をお届けいたします。


 現在、根治が困難な不整脈を持たれている患者さんに対して、体内型や体外型の人工ペースメーカーなどが使われていますが、今回の記事のような研究が実を結べば、悩める患者さんたちに朗報となること間違いなしですね。以下、ペースメーカーに関連するものをピックアップしてみました。


ペースメーカー 札幌厚生病院循環器科 http://www.gik.gr.jp/~skj/ppm/ppm.php3
正常な心臓の発電と中継のしくみ
 心臓はふつう1日に約10万回前後、収縮と拡張を交互に繰り返し拍動していますが、このリズムは、右の図にある洞結節(どうけっせつ)から発生する電気刺激により作られます。
 洞結節が心臓の発電所(ペースメーカー)となり、電線に相当する伝導路を通り心房全体に興奮が伝わり、心房を収縮させ、心房に溜まった血液を心室に送血します。次に房室結節(ぼうしつけっせつ)という心房と心室の電気の中継をするいわば中継所を経由して、心室に電気が至ります。
 心室ではヒス束という1本の電線を経由し、右脚と左脚の太い電線に別れた後、引き込み線にあたるプルキンエ線維を通り、配電の最終目的である各家庭に相当する心室の心筋細胞全てが興奮し、左右の心室の収縮により全身と肺に送血します。以
上により心臓は体に必要な脈拍数を作り、補助ポンプの役割の心房と全身と肺に血液を送るポンプの心室が1心拍毎に協調して無駄なく働き全身に血液を送り出しています。


心臓ペースメーカー 
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E8%87%93%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC
 心臓ペースメーカーは一般的に心臓に対する電気刺激発生装置のことで、バッテリーとICを含む本体部分とリード線から成るシステムの総称。
 恒久的な使用を前提とした体内植込み式のものと、一時的な使用を前提とした体外式のものがある。心筋に人工的な刺激を与えることで必要な心収縮を発生させる。


「不整脈治療につなげたい」 久留教授が会見 日本海新聞 1/14
 
http://www.nnn.co.jp/news/110114/20110114009.html
 マウスの心臓組織から、心臓の拍動をつかさどる「ペースメーカー細胞」だけを取り出すことに世界で初めて成功した鳥取大学大学院医学系研究科の久留一郎教授(53)が13日、米子市西町の鳥取大学医学部付属病院で会見を開き「10年以内にサルでの研究を終え、将来的には人間の不整脈の治療につなげたい」と話した。
 久留教授のグループが開発した技術は、将来的には現在不整脈患者が体内に埋め込んでいる機械式ペースメーカーの代わりになると期待される技術。心臓を拍動させるために電気を作り出すペースメーカー細胞に着目し、電気を作り出す能力が低下して通常より心拍数が落ちる徐脈性不整脈についてペースメーカー細胞を心臓に移植すれば回復するという仮説に基づいて研究してきた。
 第一段階として、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から出来た心臓組織の中からペースメーカー細胞だけを取り出す技術を確立した。具体的には、電気を作るタンパク質の設計図となる遺伝子を目印としてペースメーカー細胞が緑色に発光するよう細工して取り出すという。
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 次の話題は、ドライアイ。私もそうですが、PC画面を長時間見続けるのが仕事のようなものなので、非常に目が疲れます。また年々衰える視力とも戦わないといけないため、ますますドライアイ・・・今回の記事はそういったものとは異なり、「BUT短縮型ドライアイ」というものらしいです。私自身、これは初耳でしたので、ニュースに掲載してみました。


ドライアイ:新しい型「BUT短縮型」 涙と違う原因、目の肌荒れ状態に 毎日新聞 1/14
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110114ddm013100011000c.html
 空気が乾燥する冬、目が充血しやすくなったり、目に痛みを感じたりしている人はドライアイが原因かもしれない。最近、涙の量が少ないなどといった従来のドライアイの概念に当てはまりにくい新しいタイプの「BUT(涙液層破壊時間)短縮型ドライアイ」が注目されている。【西川拓】
 昨年12月上旬、京都府立医科大付属病院(京都市)を訪れたエステティシャンの女性は「2、3年前から、まぶしくて目を開けていられないときがある」と、横井則彦准教授(眼科学)に訴えた。
 従来のドライアイは、涙の量が少ない「涙液減少型」か、涙の表面の油分が不足して蒸発が早まる「蒸発亢進(こうしん)型」に大別された。だが、この女性は涙の量にも油分にも問題はなかったが、まばたきをした瞬間から、角膜の表面の涙の層が安定せず、すぐに乾いた部分(ドライスポット)が現れた。横井准教授は「BUT短縮型ドライアイ」と診断した。
 「黒目(角膜)の表面の水ぬれが悪く、涙をはじいてしまう。いわば、目の肌荒れのような状態だ」と同准教授は説明する。涙の量は十分あるため、ドライアイの診断基準にあるように目の表面にあまり傷ができず、ドライアイと診断されないことが多い。
 角膜の表面には「膜型ムチン」という分子が突起のように分布しており、涙の中にも含まれるムチンと協力して、角膜の細胞と水(涙)との相性をよくする働きをしている。BUT短縮型ドライアイは、この膜型ムチンの働きが悪くなっていると考えられるが、詳しい原因はよく分かっていないという。
 横井准教授は「約80人の患者を調べたが、はっきりした傾向はなかった。ある日突然発症したケースも多い」と話す。
 BUT短縮型ドライアイは目の細胞に原因があると考えられるため、涙の異常に起因する従来のドライアイの治療法ではなかなか症状が改善しない。参天製薬(大阪市)は10年12月、水分と同時にムチンの分泌を増やす働きのある新しいタイプの点眼薬を発売した。臨床試験では涙液層の破壊時間が延びることが確認されており、治療薬として期待されている。
 国内のドライアイ人口は800万~2200万人と推定されている。まばたきの回数が減るパソコンでの作業の多い人や、コンタクトレンズ使用者に多い。コンタクトレンズメーカーのボシュロム・ジャパン(東京都品川区)の調べでは、コンタクトレンズ使用者では半数がドライアイの自覚症状があるという。
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 本日のメインニュースに移ります。

 体内時計は、メラトニンやコルチゾールといったホルモンが関与していることは良く知られていることですが、遺伝子の関与があるとは知りませんでした。というより、睡眠障害などに対しての知識があまりにも無さ過ぎなのかもしれません。

 冒頭にも書きましたように、私のように朝日を体いっぱいに浴びるといったことが少ない生活をしているが故、睡眠障害というか、極少睡眠に対して耐性が出来たのでしょうか?

 只今、21時ちょうど。もうすぐ大阪駅に到着します。やれやれ・・・


【毎日新聞社ニュース 2011/01/14】
 体内時計:夕方働く遺伝子を分析 睡眠障害の治療に前進
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110114k0000e040021000c.html
=================================================
 ほぼ24時間周期でリズムを刻む生物の「体内時計」で、夕方に働く特定の遺伝子は、昼と夜に遺伝子を働かせるDNAの配列の組み合わせによって制御されていることを、理化学研究所の上田泰己(ひろき)プロジェクトリーダーらが明らかにした。13日付の米科学誌セル電子版に発表した。
 この遺伝子が働く時刻を人工的にずらすと、体内時計の動きが弱くなってほとんど止まりかけたり、約4時間も周期が延びて遅れたりすることも分かった。体内時計の仕組みを理解する上で大きな前進だといい、上田さんは「一部の睡眠障害は体内時計の異常によるもの。今回の結果は治療法を開発する指針になる」と話している。
 体内時計はヒトを含め多くの生物が持つ。朝、昼、夜のどの時刻に遺伝子を働かせるかを決めるDNAの配列と、その配列につながって機能する約20の遺伝子による複雑な“設計図”で動いているが、なぜ特定の遺伝子が夕方に働くのかは不明だった。
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0113-624号 医療を開く:/1 独立行政法人・国立病院機構理事長、日本医学会総会会頭・矢崎義雄 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 毎日寒い日が続いておりますが、如何お過ごしでしょうか?私は昨日1/12に無事誕生日を迎え、すっかりええ年になってしまいました。就職したての頃は、私の現在の年の方を見ると「おやじ―」と思ったものですが、自分が実際この年になってみると実感は全くありません。まだまだ若い気でおりますし、まだまだ若い者には・・・という気持ちはいっぱい持っておりますが、そう思うということは老いた、ということなのでしょうね。昨晩、両親に「また一つ年を重ねることが出来ました。有難うございました」と電話を入れましたが、何やら複雑な気分でした。私の親父に「お前も年取ったのぉ」と言われ、「親父に言われたないわ」と返し、二人で大笑い。


 さて巷ではかなりインフルエンザが猛威をふるっている状況ですが、その割には通勤途中でマスクを着用している方が非常に少ない状況。マスコミ対応は昨年のような報道どころか、殆どニュースにも出てこないような気がしています。そのような中で、遅ればせながらといった感もありますが、読売新聞が今朝の社説で取り上げていました。昨年末の職場における忘年会は生もの一切なし。串カツが出てきましたが、揚げ過ぎ位のカチカチ。お店側も死活問題ですからねぇ~


冬の感染症猛威 拡大防止に手洗いと消毒を(1月13日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110112-OYT1T01152.htm
 冬季に多いノロウイルスやインフルエンザウイルスによる感染症が、猛威を振るっている。
 昨冬は、新型インフルエンザの出現で、社会全体が感染症への警戒感を高めていた。このため、新型インフルエンザを除き、ノロウイルスを含むほとんどの感染症で患者数が例年を大きく下回った。
 ところが、今冬は、その警戒感が薄れたスキを病原体に突かれた形になった。流行の拡大を防ぐため、消毒や手洗いといった感染症対策の基本を、改めて徹底する必要があろう。
 ノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎については、患者の急増を受け、「警報」を発令する自治体が相次いでいる。
 飲食店を利用した多数の客が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えたり、保育園でも園児たちが、同様の症状に陥ったりする例が目立つ。中には幼児が死亡した例もある。
 食を通じた感染例が多い。二枚貝の生食や、調理する際の食品汚染などが原因となる。
 患者の吐しゃ物の処理や消毒が十分でない場合、残ったウイルスが乾燥して舞い、それを吸い込んで感染することもある。
 問題は、このウイルスに対する予防ワクチンがなく、発症しても治療薬がないことだ。水分を十分に取り、回復を待つしかない。
 しかも、このウイルスは、一般的なアルコール消毒では死滅させることができない。このため患者の吐しゃ物を処理する際には、きれいに洗い流すか、塩素系の消毒剤を使う必要がある。
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 寒いお話ばかりではなく、昨年のクリスマスイブより始まった「タイガーマスク運動」、全国にその輪が広がっていますね。タイガーマスクだけではなく、鉄人28号だとか仮面ライダーだとか、そういう方々も出てきているそうな。

 日本は諸外国と比べ、寄付金などあまり目立ちませんが、ユニセフなどによると、実は不況にもかかわらず増額しているとのこと。一時的なブームではなくその輪が広がり、ニュースとして取り上げられなくとも継続していけばと願います。



春秋 日本経済新聞コラム 1/11 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E3E6E1E2E3E6E2E3E3E2E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D
 50歳前後の男性の中には、胸が熱くなった人もいるのではなかろうか。元日の夜、小田原の児童相談所が入居する建物の前に、6つのランドセルが置いてあった。一番上には「お年玉です 伊達直人」との添え書きがついていたという。
▼高度成長の終盤に一世を風靡したプロレス漫画「タイガーマスク」の主人公の名前である。それをもとにしたアニメを覚えている人の方が、多いかもしれない。ファイトマネーで自らが育った児童養護施設を助け、さらには全国の孤児を助けるために、あえて命がけの過酷な闘いを繰り返していく、という物語だ。
▼昨年のクリスマス、前橋の児童相談所にランドセルが置かれていた。やはり伊達直人の名前が添えられていたが、別人らしい。前橋の件に感銘を受けたという小田原の贈り主は、「タイガーマスク運動が続くとよいですね」と記した。岐阜や長崎などでも同じような出来事が続く。善意は別の善意を呼ぶのだろう。
⇒ 続きを読むにはここをクリック


 心温まる話題はこれまでにして医療関連ニュースへと移ります。まずは感染症関連で3篇。

 毎年毎年ワクチンを作る際に流行予想をされていますが、当たり外れもあるもので、昨年から今年にかけてのワクチンは当たっているようですね。しかし外れの年もあるもので、万能ワクチンがあればなぁと誰もが思われていたはずです。良いものが出来れば良いですね。


インフル万能ワクチン開発に期待 新型患者から抗体発見 朝日新聞 1/11
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201101110091.html
【ワシントン=勝田敏彦】米国のシカゴ大とエモリー大などの研究チームが、2009年に流行した新型の豚インフルエンザにかかったが回復した患者が広い範囲のインフルを予防できる抗体を持っていることを突き止めた。ウイルスの変異によらず効く「万能ワクチン」の開発につながる可能性がある発見で、10日発行の米専門誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスンに発表した。
 チームは、新型インフルのワクチンを開発するため、21~45歳の患者9人の血液から抗体の遺伝子を特定。その遺伝子から86種類の抗体を作り、ハツカネズミに各種のインフルのウイルスを与えて反応を確かめた。
 その結果、5種類の抗体では、過去10年ほどの間に流行したすべてのH1N1型ウイルスに対して予防効果があった。また、「スペイン風邪」を起こした型や、毒性が強いH5N1型(鳥インフル)にも効果があった。
 インフルのウイルスの型は、表面に突き出る棒のようなたんぱく質の形状で決まるが、今回見つかった抗体は、変異しやすい先端部ではなく、あまり変化しない「軸」の部分に反応しやすく、広範囲のウイルスに効くらしい。
 チームのパトリック・ウィルソン博士は取材に「すべてのウイルスに反応するわけではないが、万能ワクチンができそうだ」と答えた。
 季節性インフルに感染すると、体内に抗体ができるが、別の型が流行すると予防効果は期待できず、次の流行期に広がる型を予想して製造されるワクチンを接種する必要がある。「万能ワクチン」ができれば、抗体の効き目が残っている間は新たな接種の必要がなくなって副反応のリスクが減るほか、製造コストの低減などが期待される。
⇒ 続きを読むにはここをクリック

 

 寄生するということは共存共栄が原則ですから、寄生しないと生きていけないウィルスなどは宿主を生かさず殺さずの状態に持っていくのが自身のためだと言われてきました。HIVウィルスが発見された当初、宿主の免疫力を低下させ、死に至らしめる訳ですから、馬鹿なウィルスと言われていたのを思い出します。しかし細菌にも同じようなものがあるとは考えてもみなかったのが、正直なところですが、こんなものがあったんですね。目からうろこでした。


自らの病原性抑える遺伝子発見 院内感染の原因菌 共同通信 1/11
 
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011101000838.html
 院内感染の原因菌になるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に、自らの病原性を抑える遺伝子があるのを見つけたと、関水和久東京大教授らが11日発表した。新たな治療法や薬の開発に役立つという。
 関水教授は「病原菌は、宿主である人間を攻撃するだけでなく、病原性を抑えて宿主の生存を図る“生かさず殺さず”の戦略を取っているのではないか」と話している。
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 次の話題はSTD、いわゆる性行為感染症に関するもの。

 正直言って、今さら何をいっとんねん、です。私が就職した頃の施設では、殆どが産婦人科からの依頼でしたが、クラミジア抗原や抗体などの検査を実施していました。検体は性器からのものだけではなく、のどからもよく提出されていました。約二十年ほど前の話ですよ・・・あまりにもの進展の無さに、唖然、です。


性感染症、のどからも感染の恐れ 厚労省研究班 朝日新聞 1/12
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201101070233.html
 淋病(りんびょう)やクラミジアなどの性感染症は、性器だけでなく、のども温床になっていることが、厚生労働省研究班などの調査でわかった。自覚症状がないまま、オーラルセックス(口を使った性行為)で広がる危険がある。性感染症は不妊症にもつながりかねず、研究班はのどへの感染の広がりを本格的に調べ始めた。
 研究班のメンバーで東京女子医大の余田敬子准教授らは、2005~09年、同大の東医療センター耳鼻咽喉(いんこう)科(東京都荒川区)と、川崎市の性感染症専門のクリニックで調査した。男性335人と女性519人の淋菌やクラミジアへの感染を調べた。患者は、風俗店の従業員や利用者が多かったという。
 淋菌は、のどだけに見つかった女性は54人で、性器だけに感染していた20人より多かった。このほか20人が両方に感染していた。男性は、性器だけが75人、のどだけが19人、両方が33人だった。
 クラミジアは、女性でのどが21人で、性器が103人、両方感染している人が32人いた。男性はのどが6人、性器が81人、両方が3人だった。
 クラミジアと淋菌は性感染症で1、2番目に多い。女性は子宮頸(けい)管炎や尿道炎、男性は前立腺や精巣上体の炎症を起こすことがあり、不妊の原因や、HIV(エイズウイルス)などの病気にもかかりやすくなる。
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 さてここからは我々の医療ネットワークに関する話題です。

 国立高度専門医療センターいわゆるナショナルセンターが独立行政法人化され、国立高度専門医療研究センターになったことや、以前の体制では「総長」が、現体制では「理事長」に変化したこと、諸問題が発生していることなど、報道でも取り上げられてきました。「理事長」を選出するにあたり、従来の方法を取った施設や、公募制度をとった施設など様々。今回は8法人で8名の理事長を公募するということで、またまた大荒れの様相を呈してきましたね。でも何でもかんでも民間人を登用すれば良いとの発想は貧困で、餅は餅屋の部分もあってしかるべきではないでしょうか?それと仕分けも必要でしょうが、長期的な展望に立って実践すべきこともある筈で、足元ばかりを見ていると、本当に大切なものを見失ってしまうこともあるのでは?と危惧します。


独法の役員公募開始―厚労関係は8法人 CBニュース 1/11
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/31812.html
 政府は1月11日、昨年4月の事業仕分けの結果を踏まえ、退職公務員のいわゆる「天下り」の受け皿になっていると指摘された独立行政法人の役員ポストのうち、3月末で任期満了となる22法人26ポストについて民間からの公募を開始した(一部は7日から先行募集)。このうち厚生労働省所管の法人では、国立循環器病研究センターの理事長ポストなど、8法人で8人を募集している。
 厚労省関係の内訳は、▽国立健康・栄養研究所(非常勤監事、1人)▽高齢・障害者雇用支援機構(理事長、1人)▽医薬基盤研究所(非常勤監事、1人)▽国立循環器病研究センター(理事長、1人)▽国立精神・神経医療研究センター(理事長、1人)▽国立国際医療研究センター(理事長、1人)▽国立成育医療研究センター(理事長、1人)▽国立長寿医療研究センター(理事長、1人)―。
 公募の締め切りは2月2日。厚労省で選考の上、4月1日に任命する。
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 今日のメインニュースに移ります。

 ここからは、私たちのグループ、国立病院機構のトップである、矢崎理事長に関するもの。インタビュー記事を含めてご覧ください。私の拙いコメントは控えます。


日本医学会総会2011●キーパーソン インタビュー
「医療者と国民の英知を結集し、病院と勤務医の未来をひらく」
 国立病院機構理事長の矢崎義雄氏に聞く 日経メディカルオンライン 1/4
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t120/201101/517914.html
 今年2011年は4年に1度の日本医学会総会が開催される年。4月8日から3日間、東京で開かれる第28回総会では、日本の医学界の各領域のリーダーが集結し、医療・医学に関する広範な講演、シンポジウム、展示が行われる。日経メディカル オンラインでは、日本医学会総会と連携し、今大会の目玉である特別企画「医療を語る」「医学を語る」のキーパーソンへのシリーズインタビューを企画した。
 第1回は、第28回日本医学会総会会頭の矢崎義雄氏。矢崎氏は今大会の特色を「医療と社会との接点」とし、特にここ数年日本の医療界の大きな問題となっている「医師不足」「地域医療の崩壊」に焦点をあて、「医療者と国民の英知を結集し病院と勤務医の未来をひらく糸口を示したい」と話す。
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―今年の日本医学会総会のメーンテーマは「いのちと地球の未来をひらく医学・医療―理解・信頼そして発展」ということですね。この言葉にはどのような意味が込められているのでしょうか。
 矢崎 医学、医療は有史以来、人類の発展、幸福に大きく貢献してきました。医学、医療の進歩というのは人々の命を助け、その結果として地球の未来を開いている。これが大きなコンセプトとしてまずあります。しかし医学、医療が進歩しますと社会との接点が広くなり、また複雑になってくる。昨今言われる「地域医療の崩壊」などは、社会との接点が広がった結果、起こった負の側面といえると思います。従って、医学、医療の発展のためには社会そして国民の皆さんに医療をよく知って、理解していただかないといけない。そこで「理解・信頼そして発展」という3つのキーワードを取り出しました。

―今回の医学会総会の特色を教えてください。
 矢崎 今お話ししましたように「医療と社会との接点」を強く意識し、医療経済の話、地域医療の問題などを大きく取り上げています。折しも、今年は国民皆保険が誕生してちょうど50周年になるんですね。1961年の国民健康保険発足から日本の医療は著しく進歩し、平均寿命、健康寿命が世界一になるほど、人々は健康を享受することができるようになった。OECD諸国の中でも最も効率的に医療が提供されているとWHO(世界保健機関)からも評価を受けています。
 しかし最近は経済成長が停滞して、さらに人口の高齢化や医療の高度化によって医療費が以前よりかかるようになっていて、健康保険を財源的にサポートすることが難しくなっている。その中でどういうふうにバランスを取って国民皆保険を維持していくかは極めて重要な課題です。そこで記念企画「国民皆保険制度50周年記念シンポジウム」を行い、経済学者、行政、患者さん、医療者それぞれの立場から議論していただきます。

―国民皆保険そのものを見直すという考え方もありますが、やはり維持すべきというお考えですか。
 矢崎 はい。論点は、維持するにはどうしたらいいか、いかにサステイナブル(持続可能な)な制度として立て直すか、だと思います。そのためには、国民も医療の使い方を学んでほしい。国民の医療に対する理解が深まれば、財源を消費税で手当てする、といった可能性も出てくるのではないでしょうか。

―先ほどお話に出た「地域医療の崩壊」という問題に関しては。
 矢崎 まず「どうして地域医療が崩壊したのか」という議論をしなくてはいけないと思います。はっきりしているのは、地域の安心、安全な医療の中核を担っている病院が医師不足などで機能しなくなりつつあるということです。地域医療の中核を担っている病院が今後どう活動していったらいいか、あるいはそこに勤務している医師が将来希望を持てるような職場にするにはどうしたらいいか。処遇の問題、チーム医療の問題も含めて議論していただきます。

―先生ご自身としては、地域医療の崩壊の原因はどのあたりにあるとお考えですか。
 矢崎 一言でいえば、医療評価のパラダイムが変わったということだと思います。従来の医療評価はパターナリズムで、医師が自分で評価して治療法を決めて進めていけばよかった。ところが今は患者さんが自分の価値観で自分の治療法を選びたい。例えば手術をするのか手術しないのか、手術にもいろいろな方法があってどの方法にするのか。その選択肢も医療の進歩で広がっている。しかし、医療は情報の非対称性があるので、医師がよく説明して患者さんに納得していただかなくてはいけない。かつて「3時間待って3分診療」とか言われましたが、今は一つひとつ丁寧に説明しないと患者さんが納得しないので、医療にすごく時間がかかるようになっています。一方で、医療費抑制で病院の医師は全く増やせない。だから医師の仕事ばかり増えるわけです。
 それともう1つ、医療というのは個別性が高くて、不確実性の高い技術なのですが、それが国民に理解されていない。医療が大変複雑になって、医師の負担が増えているにもかかわらず、患者さんの方は逆に、医療が進歩したのだから「こういう病気も治る、ああいう病気も治る」という生半可な知識をテレビ番組などで得て、医師に求める。つまり、患者さんは医療に対して過大な期待を抱くのですが、医療は不確実なので期待通りの結果になるとは限らない。期待と結果の間に落差があると、患者さんは不満を訴える。場合によっては訴訟を起こすかもしれない。それは、病院の勤務医にとってはリスクなので、リスクの少ない方へ多くの医師が流れていってしまった。それが病院の「医師不足」ですよね。
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【毎日新聞社ニュース 2011/01/12】
 医療を開く:/1 独立行政法人・国立病院機構理事長、日本医学会総会会頭・矢崎義雄
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110112ddm013040188000c.html
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◇患者の期待と現実の間
 医療を取り巻く環境は、ここ十数年で大きく変わった。1961年に国民皆保険制度が完成し、それまで困難だった医療機関での受診を、国民がほとんど負担なくできるようになった。その結果、日本は世界一の長寿国となり、高齢化の進んだ社会となった。医療技術も進歩し、克服できる病気も増えた。
 一方で医療の進歩は医療費の高騰を招く原因にもなっている。経済成長の停滞によって医療費の個人負担が徐々に重くなると共に、患者には「最善の医療を受けたい」という思いが強くなった。横浜市大病院の患者取り違え事件などの医療事故が重なったこともあり、医師任せの考え方から、自ら治療方針を選択するという患者が増えた。
 だが患者が持つ医療情報は、医師に比べれば少ないため、その溝を埋める努力が必要だ。医療技術が進歩・複雑化した結果、難しい病気や手術にも挑戦できるようになった半面、医療の不確実性も増している。医療の進歩によって患者がかける期待が大きくなるほど、現実との間にそごが生じた場合、患者に大きな不満が残る。医療は進歩しても、すべて満足がいくものでは必ずしもないという現実を理解してほしい。
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0107-623号 「ナショナルセンター統合」に布石を打つ―展望2011(4)国立がん研究センター・嘉山孝正理事長 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 さて寒の入りということでかなり寒い日が続いていますが、皆さん如何お過ごしでしょうか? 私の方は情けないかな、本格的に風邪をひいてしまったので、少々テンション低めです。とはいえ、時間外や休憩時間などを利用して、昨日より、ブログ上に広報誌に掲載した内容をUPし始めています。

 ところで一昨年、毎日新聞社の年末コラムをお届けしました。内容、覚えておられるでしょうか?

2009年いろはがるた
 【い】一票も積もれば政権交代 【ろ】論より小沢 【は】ハニカミ王者 【に】2度目も世界イチロー 【ほ】ぼやきで説いた野球道 【へ】辺野古の移転三転 【と】党首逃論 【ち】長期出張先はソマリア沖 【り】倫理の壁なきウォール街 【ぬ】ぬれぎぬに加担したDNA 【る】ルールでひとつき宮内庁 【を】男いのちがけ婚活 【わ】渡るフェリーに車はなし 【か】顔つき変えて足がつき【よ】「ようこそゴジラ」と天使の声 【た】宝くじ当たらないのに裁判員 【れ】連立ほうほうのてい式 【そ】ぞろぞろ小泉落ちるドレン 【つ】机の奥に核レター 【ね】年金ほしいでごJAL 【な】名ばかり店長しとうはなかった 【ら】ラクイラG8斜ミット 【む】無敵の蓮舫艦隊 【う】運輸安全OB会 【ゐ】1Q84売り上げ独書 【の】飲んだら脱ぐな 【お】オバマに兵派賞 【く】雲の上の日食 【や】八ッ場(やんば)れ前原 【ま】学ぶのりピー学べよ学 【け】煙と5円切れ 【ふ】太すね母さん息子繁盛記 【こ】COP割れて地球混乱化 【え】エコポイント電化の宝刀 【て】デフレ千言、亀は万言 【あ】赤っ恥国債 【さ】先の読めぬマグロ経済 【き】銀の若大将カク持つな 【ゆ】郵ターン民営化 【め】名人芸でんぐりがえって栄誉賞 【み】見通しくらまの船首防衛 【し】GM劣化ボルボは中華 【ゑ】円楽昇天、月歩くマイケル 【ひ】火遊びはタイガーにしよう 【も】モックン賞おくられびと 【せ】せきをしたらジロリ 【す】すっかり地味ん党 【京】今日はソユーズ、明日から「きぼう」の主になる


 今年もありました。が、やっぱり上手いですねぇ・・・お一人で書かれているとは思えません。もしかして仲間内で飲み屋さんでワイワイしているうちに出来あがったりとかして・・・しかしこういう発想力やセンス、私にも貰いたいものです。


余録:記録的な猛暑に見舞われ…毎日新聞コラム 2010/12/31
 
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20101231ddm001070024000c.html
 記録的な猛暑に見舞われ、政治・経済とも低空飛行だった2010年。恒例のいろはカルタで振り返る。
2010年いろはがるた
 【い】一番偉そな一兵卒
 【ろ】ロシア大統領国後奇行
 【は】白鵬角界救い投げ
 【に】日本再生ととのわず
 【ほ】法相禁止用語
 【へ】陛下もおほめさかなクン
 【と】トキのテン敵
 【ち】茶会でふらふらオバマさん
 【り】リークに青ウィキ吐ウィキ
 【ぬ】抜け道だらけ高速無料化
 【る】ルール無用のレアアース
 【を】岡ちゃんごめん16強
 【わ】我も我もとTPP
 【か】家電店で立ち読み
 【よ】幼児を回すな洗濯機
 【た】民やせて3代目太る
 【れ】連立組みたいAKB
 【そ】宙(そら)にはやぶさ地にリニア
 【つ】ツイばらしてしまッター
 【ね】ネット検閲かいくグーグル
 【な】ならぬ振興ついに破綻
 【ら】落盤33勇士
 【む】無煙社会道半ば
 【う】牛の目に涙の日向
 【ゐ】井上さんひょっこり去る
 【の】ノロくないウイルスご用心
 【お】大阪地検暴走部
 【く】熊虎に鶴亀も新常用漢字
 【や】辞めるのやめた前首相
 【ま】孫に小墳明日香の女帝
 【け】検察の尻たたく審査会
 【ふ】不器用にスマートフォン
 【こ】国債色豊かな予算案
 【え】エビで視聴率を釣る
 【て】天下騒乱のセンゴク時代
 【あ】アバターもえくぼ3D
 【さ】「サンイはV」千葉ロッテ
 【き】「銀」盤の真央ちゃん
 【ゆ】夢かなうカップリング受賞
 【め】メモ離せない仮免首相
 【み】ミイラも支える年金遺族
 【し】仕分けの顔も三度まで
 【ゑ】エコポイント欲しさに無駄遣い
 【ひ】ビデオ公開士
 【も】猛暑でも就職氷河期
 【せ】尖閣万来迷惑千万
 【す】すくすく東京スカイツリー
 【京】京都後めぐりカンクンガクガク

 
 ところで、この「いろはにほへと」ですが、考えた人って偉いですねぇ・・・テレビ番組で数文字を並び替えて、なんて問題良く出ていますが、桁数が違います。やはり古人は凄いです。


いろはにほへと http://www2.odn.ne.jp/~nihongodeasobo/konitan/iroha.htm
 色は匂へど 散りぬるを
   香りよく色美しく咲き誇っている花も、やがては散ってしまう。
    諸行無常(しょぎょうむじょう)
 我が世誰そ 常ならむ
   この世に生きる私たちとて、いつまでも生き続けられるものではない。
    是生滅法(ぜしょうめっぽう)
 有為の奥山 今日越えて
   この無常の、有為転変の迷いの奥山を今乗り越えて
    生滅滅己(しょうめつめつい)
 浅き夢見じ 酔ひもせず
   悟りの世界に至れば、もはや儚い夢を見ることなく、現象の仮相の世界に酔いしれることもない安らかな心境である。
    寂滅為楽(じゃくめついらく)


 昨日のコラムとなりますが、出るクイという言葉に反応してしまいました。私の口癖:「出る杭は打たれる、出過ぎた杭は打たれない、出ない杭は腐る」

 出る杭を伸ばす・・・良いですねぇ・・・夢を熱く語る指導者が極端に少ないのは事実です。しかし、杭が自ら律して出る気にならなければ話になりません。現状維持で満足している情けない若手が多いのは事実。環境のせいにする人多いのですが、とどのつまり、己のせい。


社説:扉を開こう 出るクイ伸ばす教育を 毎日新聞 1/6
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110106k0000m070140000c.html
 「第3の教育改革」が提唱されて40年ほどになる。
 「第3」とは、明治の近代学校教育制度の導入、第二次世界大戦敗戦による学制改革に次いで、という意味だ。高度経済成長で生活形態や価値観が変化し、団塊の世代が進学率を押し上げるなどして、画一的な学校教育を見直す機運が高まった。
 だが、抜本的な改革は先送りされ、80年代に受験競争の過熱や非行が社会問題化する。中曽根政権は首相官邸直属の「臨時教育審議会」(臨教審)を設け、個性の重視、変化への対応、生涯学習体系を教育政策の主柱に立てた。
◇かつてない時代変化
 背景には、当時各分野の急速な国際化や情報社会化、規制緩和の動きがあり、こうした状況に対応できる人材の育成が必要だと強調された。バブル景気のころである。
 これを受けて90年代には公立の中高一貫校、大学の設置基準の緩和、総合高校など多様化が進み、「生きる力」の育成を主眼とした学力観が打ち出される。
 一方、社会の週休2日制を追って学校5日制が段階的に導入され、授業量の縮減と、教科を超えた総合学習などで質的転換が図られた。いわゆる「ゆとり」教育である。
 その現行学習指導要領は2002年から実施されたが、国際学力テスト(PISA)で順位が低下するなどし、「ゆとり」が原因と批判が噴出した。11年度からの新要領では揺り戻すように路線転換し、教科学習を再び増量する。
 これが今に至る流れだ。「第3の改革」はまだ像を結ばない。
 だが、この間に時代状況は変わった。日本が経験したことがない少子高齢社会の進行、人口減少への転換。教育界では大学進学率が5割を超え、志願者がほぼ定員枠に収まる「全入時代」が到来し、受験生集めのために入学試験がかたちばかりになる傾向も生じている。
 こうした中で、今から必要なのは、学校教育全体の質の維持向上とともに、子供や若者の特に秀でた才能を見いだして伸ばし、将来の国内外の各分野で貢献できる人材育成という視点と実践ではないだろうか。
 教育の機会均等は当然ではあるものの、その保障と独創的な人材育成は矛盾すべきではない。ただ、こうした論議は公教育の世界ではあまり広く行われたことがなかった。
 例えば、各地に理系教育に重点を置いた高校「スーパーサイエンスハイスクール」が文部科学省から指定され、大学の指導も受けるなど創造的な学習を試みている。しかし、一般の人たちはあまり知らない。その教育内容などについて発信や情報提供をもっと進めてはどうだろう。
 過去に政府が国策として行った「エリート教育」がある。戦争末期に少年たちを選抜した「特別科学教育」だ。敗色濃厚の中、科学戦を担う人材をと慌ただしく立案した。
 早朝から理数に傾斜した授業を組んだ。当時の物理学の第一人者、仁科芳雄博士は「あまりに詰め込みすぎる傾向はないか。教え方としては原理的な事柄をじっくり教え込むことが望ましい。学習にゆとりを持たせて、夢を描かせることであらしめたい」と語ったという。(日本放送出版協会「近代日本教育の記録」)
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 もう1編、社説。今度は神戸新聞のものです。

 神戸はご存じのように大震災により、様々な支援等の仕組みを多く経験しています。このところ、国の対応が不足しているためか、介護分野における地域支援が活性化しています。地域性などもあるでしょうし、多くのモデルケースが出てくれば非常に良いのではないかと思います。


助け合う仕組み/被災地の教訓を高齢者支援に 神戸新聞社説 1/6
 
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0003719604.shtml
 佐用町中心部から北へ十数キロ、谷沿いの道を上っていく。山の斜面にはまだ倒木が残り、民家に人けはない。
 岡山県と接する若州(わかす)地区。数十年前は約30世帯が暮らしていたが、今は1世帯だけだ。そこに昨年5月、学生の活動拠点「若州学生村」が誕生した。
 2009年8月の兵庫県西・北部豪雨災害で、佐用町は大きな被害を受けた。その半年後に町商工会などが行った小規模集落の実態調査に、関西学院大学と美作大学(岡山県津山市)の学生らが参加した。「何が欲しい」という質問に、多くの高齢者が「若者」と答えた。
 こうした声を受けて調査に参加した学生約20人でグループをつくり、町職員が所有する空き家を借りて学生村とした。月1回程度泊まり、周辺の高齢者宅を訪ね、話を聞く。交流行事の企画や運営にも取り組んでいる。
 年齢とともに農作業はきつくなり、買い物にも不自由する。住民の結びつきが強いとはいえ、昼間の集落は高齢者しかおらず、いざという時の不安は募る。過疎が進む地域に共通する悩みだろう。
 若州地区を含む石井地域づくり協議会会長の山下祐一さん(64)は「若者が来てくれるだけで表情が和む」という。
 中心メンバーの関学大大学院生、榊原昌彦さん(24)は「受け身ではなく、話を聞く中で自分たちで考え、行動していきたい」と話す。今月15日の町の防災イベントにも参加する予定だ。
 このほかにも豪雨災害後、関学大や神戸大、大阪大などの学生が復興支援や町おこしなどに協力している。「若者の視点や柔軟なアイデアは活性化策の参考になる」と町も期待する。
 阪神・淡路大震災以降、被災地支援に励む学生は増えた。高齢化した地域にとって若い力は頼りになる存在だ。一方で活動の継続には資金面など課題もある。
 榊原さんらの活動も例外でない。だが、地縁も血縁もない地域に自分たちを必要とする高齢者がいる。その思いが一つになり新しい関係が生まれつつある。
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 次はトリアージの話題。

 トリアージという言葉はかなり一般の方々も認知していますが、テレビドラマなどの影響というか貢献度も大きいですね。こんなものが出ましたけど、というご紹介。値段が高いのか安いのか分かりませんが、医療用って付くだけでプレミアムな値段になるんですよね。


「トリアージ」に対応 4色救助品広がる 神戸新聞 1/6
 
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003720230.shtml
 阪神・淡路大震災や尼崎JR脱線事故での実践が注目された「トリアージ(選別)」。負傷者の治療や搬送の優先順位を決め、赤、黄、緑、黒の4色のタグ(札)で示すが、4色に分けた専用シートを加古川市の建築材料卸会社が開発し、10年になる。2010年には黒色を除く同様のテントも発売。視覚的に把握しやすいことなどから全国の自治体や消防局、医療機関で活用されている。(有島弘記)
 加古川市に本社を置く芝本産業。01年、市消防本部の嘱託医から色付きシートの提案を受け、社長の芝本忠雄さん(52)が製品化を決めた。5・4メートル四方のシートを1カ月で試作。価格を抑えられるように大量生産し、同年10月に販売を始めた。
 シートに色があると、医療関係者や救急隊員らが患者を容易に判別できる。また、同じ色のタグを付けた患者に効率的
に集まってもらえる。05年の尼崎JR脱線事故や、08年の秋葉原無差別殺傷事件でトリアージの意義が再認識されたこともあり、納品先は全国1200カ所を超えた。救急医療を題材にしたドラマ「救命病棟24時」「ジェネラル・ルージュの凱旋(がいせん)」にも登場した。
 負傷者が多くなるとシートが見えにくくなるため、識別しやすいようテントの製作も始めた。
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 さてお次は私の大嫌いな「チーム医療」の話題(用語が嫌いなだけですので)。

 私は以下の記事を見て、規模縮小は当然じゃないの?と思ってしまいました。企画されている方は、患者を含めた国民全体が何を知りたいのか、分かっていないんじゃないのか?と感じたから。

 「チーム医療推進会議で今年度中に策定されるガイドラインに基づき、▽医師、看護師、薬剤師、管理栄養士などの業務の安全性▽重症化の予防▽医師の業務の効率化―などについて検証」なんて書いてありますが、一番大切なのは、チーム医療を行うことでどの程度医療の質が向上したのか?ということじゃないんですかね?そうすれば経済的概念も生まれてくるでしょうし、医療従事者側の立場で検証を行ったらダメだと思うのですが、如何でしょうか?


チーム医療実証事業、大幅な規模縮小 CBニュース 1/5
 https://www.cabrain.net/news/article/newsId/31742.html
 看護師や薬剤師など医療関係職種の連携を促したり役割を拡大したりすることで、チーム医療を推進するため、厚生労働省は来年度、チーム医療の安全性や効果について検証する実証事業に新たに着手する。同省では当初、来年度予算の概算要求の「元気な日本復活特別枠」(特別枠)に約15億5000万円を計上し、315施設での検証を想定していたが、予算案では3億6500万円となり、最終的に90施設まで大幅に絞り込んだ上で取り組むことになった。
 厚労省は、チーム医療の実証事業を含む「地域医療確保推進事業」の予算として、62億円を特別枠で要望していた。
 しかし昨年12月、特別枠で要望のあった事業についてA-Dの4段階で優先順位を決める政府の「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」での判定で、「地域医療確保推進事業」はC判定となり、相当な要望額の削減を余儀なくされていた。
 チーム医療実証事業については概算要求で約15億5000万円を計上し、315施設(チーム医療の検証施設55か所、看護師の業務範囲の拡大の検証施設260か所)での検証を想定していたが、予算規模が4分の1程度に縮小されたため、最終的に90施設(チーム医療の検証施設40か所、看護師の業務範囲の拡大の検証施設50か所)まで絞り込むことになった。
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 さてメインニュースの前に感染症の話題を1編。

 手術を行う殆どの施設では院内検査室がある場合、至急検査に感染症検査を実施しているところが多いことでしょうね。手術に限らず、入院された場合には入院セットの中に感染症検査は必須項目と言えます。これは私が就職した時も検査法や精度は異なりますが同じでした。その時には勿論、HIVなどといった概念はなく、C型肝炎をnonAnonB肝炎なんて言っていた時代のこと。

 感染症はそもそもSTD(性行為感染症)と非常に密接な関係がありますが、HIVは特に不治の病として誤った知識を持たれた方も多かったのではないかと思います。ご認識をされている方が医療従事者を含めてもまだまだ多いのが現実。しかしHIVのみ特別視するのはもはや如何なものかと思いますし、そのあたりは保険点数上でも改善しなければならない問題です。

 また確かに入院時における感染症検査は院内感染防止のみならず、医療従事者を守るという意味合いもありますし、手術場における消毒も感染症の有る無しでは費用に大きな差があるのが現実です。ですから私は患者に検査費用の負担を強いるというのではなく、感染症対策としての加算を増額すべきなのでは?と思います。


県内20病院で手術前患者にHIV検査 3病院は患者が全額負担 朝日新聞 1/6
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201101060207.html
 手術前の患者に対するエイズウイルス(HIV)検査について、朝日新聞横浜総局は神奈川県内の公的病院などを対象にアンケートをした。回答した病院の3分の2が検査を行い、一部の病院では費用を患者の全額負担にしていた。検査に保険が適用されない点を疑問視する意見が多く、費用負担に課題を抱える実情が浮かび上がった。
■病院からは保険適用求める意見も
 手術前のHIV検査では昨年1月、聖隷横浜病院(横浜市)がほぼ全患者に実施し、全額負担させていたことが判明。同10月には聖隷浜松病院(浜松市)など系列2病院でも一部患者の全額負担が明らかになり、いずれも患者に検査費を返金することになった。
 アンケートは昨年11月下旬から12月中旬にかけて、県内の公的・大学付属の計46病院を対象に書面と電話による聞き取りで実施。12月22日までに30病院から回答があった。
 手術前にHIV検査を実施しているのは20病院に上った。いずれも病院から患者に検査を勧め、同意を取って検査していた。費用は500円~5200円と差があった。
 厚生労働省は検査費用について「院内感染防止が目的ならば病院負担が望ましい」としているが、検査をしている全病院が「この見解を知っている」と回答。その上で、17病院は病院負担だったが、3病院が費用を患者の全額負担にしている、とした。
 患者負担にしている病院はいずれも「院内感染防止など病院の都合だけではなく、患者のために検査を実施している」と理由を説明。県南の公立病院は「HIV感染を知らずに手術を受けた場合に体力を消耗して発病を早めてしまう可能性があるなど、患者本位で実施している」とした。
 最近になって検査費用を病院負担に切り替えた病院や、新たに病院負担で検査すると回答した病院もあった。
 県東部の3病院は昨年10月から、検査費用を病院負担に切り替えた。「各種報道を受けて判断した」と説明する。
 北里大学病院は1月中旬から、院内感染防止を目的に、出血を伴う手術を受ける患者に対して病院負担で検査を始めると回答した。
 手術前のHIV検査を実施している20病院のうち、10病院から「保険適用にすべきだ」との意見が出た。いずれも、肝炎や梅毒など他の感染症検査は保険が適用されるのにHIVは適用されない現状への疑問を理由に挙げた。「手術前のHIV検査が感染の確認に大きく寄与している」という意見もあった。
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 本日のメインニュースに移ります。

 私ごときがとやかく言う問題ではありませんが、本当にできるの?というのが正直な気持ち。各NCはそれぞれの歴史があり、統合するのは非常に困難かつ痛みを伴うものだと思います。また共通データベースの構築は是非とも行ってもらいたいものですが、ゲノムだけではなく、一般病院にも高い医療水準を伝達する意味での「均てん化」がNCの使命なんじゃないですかね?それが実践できないと、何のために政策医療を行っているのか分からないと思います。言いたいことは山ほどありますが、今日はここまで。


【CB NEWS 2011/01/04】
 「ナショナルセンター統合」に布石を打つ―展望2011(4) 国立がん研究センター・嘉山孝正理事長
 
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/31593.html
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 旧国立がんセンターをはじめとするナショナルセンター(NC)は昨年4月、独立行政法人に生まれ変わった。各センターは、ガバナンス強化による組織改革が求められている。その先陣を切るのが、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長だ。山形大医学部で注目を浴びた改革のスピードは速く、中央社会保険医療協議会(中医協)委員も務めるなど、その取り組みと発言は関係者の耳目を集める。そんな嘉山理事長の考える2011年とは―。
■かつてのがんセンターは要らない

―初代理事長として「すべての活動はがん患者のために」のスローガンを掲げられました。昨年を振り返っていかがですか。

 山形大で医学部長をしていた時、わたしは「国立がんセンターは要らない」と言っていました。それは、センターが本来あるべき姿から遠ざかっていたためです。
 がんセンターは、目の前の患者に直結するような近々の課題を解決する先端研究、先進医療が求められる組織。しかし、センターはこの10年ほど、標準化医療に向かい過ぎたために、先端医療を開拓するという義務を忘れてしまった。個々の医師や研究者、看護師のレベルは高いのに、がん医療のトップランナーから滑り落ちてしまっていたのです。高齢化が進む中、がん患者に糖尿病や循環器疾患があるのは当たり前。それなのに、余病のある患者を診る体制もないという脆弱さは、山形から見ていても十分に分かっていました。
 これは、何でも厚生労働省のせいにして自らガバナンスを構築してこなかったトップの責任だと思っています。こういう状況を見て、センターが本来あるべき姿を考えれば自然、「すべてはがん患者のために」にたどり着きます。
 就任後、猛スピードで改革を進めています。内科疾患のあるがん患者を診る「総合内科」(昨年10月開設)も、その一つ。また、膨大な資料すべてに自ら目を通し、人・物・カネの動きをチェックする体制を確立しました。幹部職員は任期付きの任用としましたし、医事に携わったことのない人間を医事室に送ってくるような厚労省の「回し人事」からも脱却して、独自の採用を行っています。同時に、ドクターフィー新設や看護師の増員など、スタッフの処遇改善もどんどん進めています。人は納得できれば、モチベーションも上がる。既に思った以上の経営改善の効果が表れ始めています。

―国のがん対策推進基本計画は、スタートから5年の折り返し時期に入ります。重点項目の一つでありながら、なかなか進まないがん登録について、センターが仕掛けた新たな取り組みが注目されます。

 がん登録の担当者に「がん登録の目的は何か?」「なぜ、がん登録は進まないのか?」と尋ねても、明確な答えが返ってきません。がん登録が進まないのは、ずばり「誰の益にもなっていないから」です。だから、登録する人にも、される人にも、ベネフィットがあるように改革すればいいんです。
 患者さんにとっての益は何かと考えれば、やはり自分の受けている治療法が良いのかどうか、がん登録の情報を活用してチェックできるということでしょう。(センターと都道府県がん診療連携拠点病院の)連絡協議会では、院内がん登録のデータを病院別に公表することを決めました。登録の精度向上にもつながるし、どの病院でどんな診断・治療が行われているかも把握できる。がん登録を進めれば、それこそ均てん化につながるというわけです。
 一方で、勤務医、開業医にかかわらず、がん登録をした医師に10円でも20円でも(診療報酬が)行くような仕組みづくりは、われわれ中医協委員も頑張っていく。そうしなければ、法制度もない中で一体、誰ががん登録をするのか。誰にもベネフィットが見えない今の仕組みは、これまでがん登録が真剣に考えられてこなかったということです。
 がん登録が進めば、国家としてリアルタイムにがんの情報が把握できる。どんな薬がどれだけ必要か、病床はどうか―。国家戦略がきちんと立てられます。逆に言えば、こうしたデータも、エビデンスに基づいた戦略も、国家が持っていないのが現状だということです。
 がん登録や検診については、学校教育に取り入れてもらうよう文部科学省に要請もしています。このほか、センターが中心となって先端医療の開発、緩和医療の普及にも取り組んでいかなければならないと思っています。

■臨床研究の推進へ、全国ネットワークが始動

―抗がん剤などのドラッグ・ラグ解消も大きな課題になっています。

 ドラッグ・ラグの実態を分析すると、欧米との差が生じている一番の原因は、治験着手までの期間にあります。日本では症例が集まらないため、このスタート段階でのラグが最も大きい。そこでセンターとしては、臨床試験(治験)の症例数を集めようということになります。
 手始めに、センターと全国の都道府県がん診療連携拠点病院で「臨床試験部会」を立ち上げました(昨年10月)。部会では「臨床開発ネットワーク」(仮称)を構築します。拠点病院が互いの臨床試験に関する情報を共有化することで、無駄な重複を排除する一方、開発シーズの優先度を順位付けし、効率的に症例を集め、かつ質の高い臨床試験を推進できる。部会は、政府の医療イノベーション会議に政策提案していくだけでなく、厚労省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)との窓口機能も持たせたいと考えており、1月にも初会合が開かれる予定です。
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1216-621号 最期 自宅のように平穏に [kensa-ML NEWS 【情報】]


 昨日は良いお天気でしたが、とにかく風が冷たい!ですね。寒暖の差が激しいため、風邪をひかれる方が続出。その割にマスクを着用している方は少ないので、今後もますます患者増加するでしょうね。自己防衛も勿論ですが、他人への思いやり、労わりの気持ちを大切にしたいですね。

 全国的にもノロウィルスが急速に感染拡大しています。私の施設のある須磨区はもとより、垂水区、西区などでもかなりブレイクしているようです。何度もお話ししてきておりますが、標準予防策(スタンダードプリコーション)はまず、手洗い、うがいの励行からはじまります。インフルエンザや風邪などと同様、人からうつらない、人にうつさない、が合言葉。


 さて今日も種々雑多なニュースが多いのですが、いつものように社説。コラムのご紹介。まずは政府与党の混乱の話題から。

 連日ニュースで取り上げているように、また多くの国民が同じことを感じているように、身が潔白なら正々堂々とご自身で証明されたら良いのに、と思いますし、トップの不甲斐なさが際立ちますね。スケールというか、全く異なりますが、自身に置き換えて考えてしまいます。組織で仕事をする以上、年齢関係なく上下関係が成立しますが、私は仕事と割り切って、年上の方でもどんどん指示、命令を出しますね。あくまでも仕事ですし、プロですから。しかし年功序列の世の中にどっぷり浸り込んできた方々、割り切れない方々は実際問題多いですね。あくまでも仕事は仕事、年上を敬うのは別問題。仕事を離れた時に敬えば良いと思うのですが、如何なものでしょうか?

 老いては子に従え、とよく言いますが、なかなか難しい問題なのでしょうね。自身がその立場になった時には、見苦しい真似だけはするまい、と思っています。元代表も前首相も、見苦しいとしか思えません。


【産経抄】12月15日 産経新聞コラム
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101215/stt1012150426003-n1.htm
 この国がまだ元気だったころ、大抵の会社は年功序列で、管理職はロマンスグレーの中年で、部下は血気盛んな若手と相場が決まっていた。世の中どんどん不景気になり、能力主義という美名のもと年功序列が崩れると、「年上の部下」は珍しくもなんともなくなった。
▼とはいってもキャリアの浅い上司にとって、一家言ある「年上の部下」はなんとも使いづらい。ことに、社業を発展させた功労者であり、つい最近まで重役を務めていたとあらばなおさらだ。
▼民主党の岡田克也幹事長は57歳で、普通の会社なら社長になっていてもおかしくないが、政界は高齢化社会を先取りしている。連日連夜、同志や子分たちと赤坂の街に繰り出している「一兵卒」の小沢一郎元代表が、岡田氏より一回り近く年上の68歳とあっては、小僧扱いされても仕方あるまい。
▼一時は「引退」の2文字を口にした63歳の鳩山由紀夫前首相も岡田攻撃に参戦している。「野党も要求していないことをなぜ与党の一部が要求するのか」と小沢氏の衆院政治倫理審査会招致に断固反対した。
▼政倫審設立は、衆院議運委員長だった若き日の小沢氏が主導した。証人喚問のようにその場での発言が偽証罪に問われることはないのに、出席を渋るのは「政治とカネ」問題でよほどやましい案件があるのか、菅政権を困らせてやろうとしているのかのどちらかだろう。
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 次は、12/13に終了した「神戸ルミナリエ」の話題。

 そもそも神戸ルミナリエは、大震災でお亡くなりになった方々へのレクイエム(鎮魂)と被災された神戸の方々を励まそうと企画され開催されたように、私は記憶しています。開催当初は12/24だったか、12/25だったか忘れましたが、クリスマスに終了していたと思います。しかし開催期間が短縮した理由は、経済的な理由もあったでしょうが、あまりにもお祭り騒ぎ的な要素が強くなって、本来の趣旨を忘れた方々が多くなったことが原因であったと思います。

 私も開催された初年に家族と出向きましたが、その年は今のようなお祭り騒ぎではなく、非常に落ち着いたものであった記憶があります。数年経って出向いてみると、趣旨を忘れたような雰囲気が漂っていたので、それからはルミナリエには行っていません。勿論忙しくて行けなかったこともありますが、何やら複雑な気分でした。ルミナリエに行かない代わりに、クリスマスイブには家族で鷹取教会のミサに毎年出掛けていました。

 世間では年々忘れ去られていく大震災の記憶ですが、私は決して忘れまい、いや、忘れられません。きっと一生忘れないでしょうね。同士や友人を失った悲しみは勿論ですが、私の医療に対する思いの原点がそこに存在するから。極限状態での経験により、得たものも多々あるのです。何物にも代えがたい職種や立場を超えた仲間もその一つ。その仲間のもとで働いているので、少々しんどかろうが、この上ない喜びなのです。


梵語 師走のイルミネーション 京都新聞コラム 12/14
 
http://www.kyoto-np.co.jp/info/bongo/20101214.html
 勤めの帰り道が最近、楽しみになった。ちょっと一杯ではない。家々に飾り付けられたイルミネーションに出会えるからだ▼赤、オレンジ、青、白。駅から自宅までの十数分間、師走の宵に咲いた色とりどりの光が語りかけてくれる。冷え込んだ体と心が温まる。お気に入りの飾り付けを見るために、わざわざ遠回りしても苦にならない▼よく観察すると、はしごを上るサンタや、そりを引くトナカイなど飾りにも多様な趣向があるようだ。遊園地みたいに満艦飾のお宅は子らがあれもこれも飾ってと、せがんだのだろう。対照的に、少量の明かりを玄関先の植木などにつるした演出にも、さりげない風情を感じる▼家庭のイルミネーションがこれほど広まったのは、省電力効果や耐久性に優れた発光ダイオード(LED)照明が普及したからだ。量販店やオンラインショップでも、手ごろな価格で入手できるようになったことが大きい▼イルミネーションといえば、阪神大震災で犠牲になった人びとの鎮魂と被災地復興を願う「神戸ルミナリエ」を忘れることができない。これをきっかけに各地で多くの光のイベントが生まれ、すっかり冬の風物詩になった
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神戸新聞社説 ルミナリエ/永続への知恵を集めよう 12/12
 
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0003670352.shtml
 阪神・淡路大震災の犠牲者鎮魂と復興への希望を託した神戸ルミナリエは、あす閉幕する。1995年の初開催から16回目を数えるが、光の中に家族や友人、知人の面影を重ね合わせる人は今も少なくない。
 今や他府県も含め300万人以上が訪れる一大行事となった。しかし不況で企業の協賛金が減少し、開催を危ぶむ声が毎年のように聞かれるのが現実だ。
 6千人を超える犠牲者を追悼し、震災の記憶を継承する。震災体験を全国に発信するイベントを続けていくのは、被災地の使命といってもいい。そのための手だてを探らなければならない。
 なぜ、窮地に立っているのか。
 昨年の実績では、総支出は5億5千万円で、4割以上の2億3千万円を作品制作費が占める。部材を毎年、イタリアから神戸に運んで設営し、解体・撤去する費用だ。警備費も1億4千万円かかる。
 これに対し、収入は5億3千万円で、前年から3千万円減少した。協賛金が2億5千万円、兵庫県や神戸市などの補助が1億5千万円、募金や記念グッズ販売が1億円という構成で、協賛金はその前年から2千万円縮小している。
 差し引き2千万円の赤字はそれ以前の繰越金で穴埋めした。残った繰越金2千万円弱が今年に引き継がれた。
 今年も支出は前回並みとみられ、協賛金や募金の額次第で赤字の恐れもある。打開策は収入増か支出減しかない。
 地域経済の低迷にあえぐ神戸商工会議所は、ルミナリエの企業負担を見直すよう神戸市に求めている。県や市も財政事情は厳しく、今後、公費による補助金が上積みされる可能性は小さい。
 会場での募金にも限界がある。観覧料を徴収するにも疑問の声がある。
 収入増が見通せない以上、収入に合わせた内容に切り替える必要がある。日程や規模の見直しもやむを得ないだろう。
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 さてここからは診療報酬に関するニュースです。

 昨日開催の中医協でも「事業仕分け」に対する批判意見が相次いで・・・といったニュースが流れていました。この事業仕分けに関するニュースは以下のURLでご覧いただけます。ただし、m3会員であることが必要です。

「医師確保、救急・周産期対策の補助金」は“見直し”、事業仕分け
 医師・歯科医師・薬剤師などの国保の補助率、「0%」に 2010.11.17
 
http://www.m3.com/iryoIshin/article/128457/

 診療報酬に関しては色々と問題が山積している状態ですが、今日取り上げたのは、診療を行った後、その診療内容が支払いに値するか否か、の判断を下す「審査支払機関」に関しての話題。

 以前から問題提議してきたように、この判断が都道府県どころか各審査委員によりまちまちであり、非常に妥当性を欠くことも多々あるということです。

 「審査支払機関の在り方に関する検討会」では、中間整理案が出されていますが、詳細につきましては以下の厚生労働省HPに掲載されています。

第11回審査支払機関の在り方に関する検討会資料
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yh2c.html

 とにかくこれまで問題提議した内容がそっくりそのまま掲載されており、審査の客観性や正当性、妥当性を疑問視されても仕方のない内容ではないかと思います。この中間整理案を受けて審査支払機関がどのように変革するのか見ものですが、最大懸案事項は審査する方々に対しての教育、指導体制にあるのでは?


審査支払機関在り方検討会 議論一巡、「中間的整理」を了承 Japan Medicine 12/15
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/15/129845/
 厚生労働省は10日に開かれた「審査支払機関の在り方に関する検討会」(座長=森田朗・東京大大学院教授)に、これまでの議論が一巡したことを踏まえて「中間的整理」案を提出し、了承された。審査支払機関の統合や競争促進に関しては引き続き議論する。
 中間的整理案は「患者の個別性・地域の医療体制等の尊重」「国民が受ける医療に違いが生じない共通の判断基準」「迅速で効率的な審査支払い」を前提に、目指すべき姿として▽審査の判断基準の統一化▽審査の標準化▽レセプトの電子化に対応した制度・システム▽審査機能の強化▽効率的な制度・システム―を提示。判断基準の統一化に向けた中央レベルでの連絡協議会を来年度から開くとした。また、ITの活用では、社会保険診療報酬支払基金が医科電子点数表を活用した点検システムを来年4月めどで導入するほか、国保連も電子レセプトに対応した画面審査システムの拡充などを今年度中に進める。県単位の審査委員会で納得が得られない個別事案について、上級の審査組織が再審査する仕組みを設置することも検討する。
 厚労省は「審査支払機関の競争の促進に関する論点案」も提出し<1>統合した場合、他の民間審査機関の参入の仕組みが論理的に考えられるのか<2>競争環境での評価・比較<3>上級の審査機関の位置付けなど<4>民間審査機関参入をしやすくし、競争を促進するための請求・支払いの共通のシステム基盤の構築―の4つの論点を示した。
 また、森田座長の要望を受け、社会保険診療報酬支払基金と国保連の審査を含めたシステムに関する検証を行うことになった。事務局の保険局保険課が外部専門家の知見を得た上で、同検討会に報告する予定だ。
基金と国保連の「相互乗り入れ」年内に通知
 この日の会合で厚労省は、同一県内であれば社会保険診療報酬支払基金と国保連のいずれにも保険者は審査の委託が可能とする趣旨の通知を、年内に出す予定であることを明らかにした。前回の会合で、保険者番号の切り替えの問題が指摘されたが、吉田学保険課長は「保険者番号変更を前提とした相互乗り入れという仕組みを導入したい」と説明した。保険課が健保組合側と意見交換した際、健保組合側から「保険者番号以外の手法を考えるように」との提案を受けたとし、今後検討することを明らかにした。
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 次は高齢者医療制度改革についての話題。

 報道機関より配信される関連記事を読んでいますが、とにかく分かり難い!の一言に尽きます。制度自体は理解出来るのですが、選挙のことも絡んでいるせいか、発言に対しての責任所在がとにかく分かり難い!

 要は厚生労働省が出した案に対して民主党が反対をしているといった構図ですね。反対するのは良いのですが、財源確保という大きな問題はクリア出来ているのか、非常に疑問視されます。法人税減税も同様ですね。

 アメリカでは株式という切り札を使いましたが、日本の切り札は何だろう???と考え込んでしまいました。


新高齢者医療制度:負担増の法案、先送りも視野--民主・高齢医療WT 毎日新聞 12/15
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101215ddm005040106000c.html
 民主党高齢者医療制度改革ワーキングチーム(WT)は14日、新たな高齢者医療制度に関する提言をまとめた。厚生労働省の負担増案に慎重な対応を求め、国会への法案提出先送りも視野に入れている。財源は将来の消費税増税を念頭に公費負担割合の引き上げで対応すべきだとした。15日の党厚労部門会議で了承を得る。
 提言は厚労省案のうち、70~74歳の窓口負担(現在1割)を2割に引き上げる案に、「1割負担」の維持などを求めた。


高齢者医療、患者負担増案に反対決定 民主 朝日新聞 12/15
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201012150219.html
 高齢者医療の新制度案をめぐり、民主党は15日の厚生労働部門会議で、70~74歳の窓口負担を1割から2割にするなど利用者の負担を増やす案に反対する意見を取りまとめた。厚生労働省の方針と対立する見解で、関連法案の提出に向けて調整の難航は確実な状況だ。
 厚労省は2013年3月に新制度に移行するため、来年の通常国会への関連法案提出を目指している。党内からは法案を提出する時期の先送りを求める意見も出た。
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高齢者医療制度改革への提言を大筋了承―民主・厚労部門会議 CBニュース 12/15
 
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/31449.html
 民主党の厚生労働部門会議(座長=石毛●子衆院議員)は12月15日の会合で、高齢者医療制度改革ワーキングチーム(WT、主査=柚木道義衆院議員)がまとめた提言を大筋で了承した。柚木主査によると、この日の部門会議では「もう少し(表現を)明確にすべき」などの意見があったことから、今後、文言の修正を行った上で、17日の拡大政調役員会に提出する予定だ。
 柚木主査によると、提言では、税と社会保障制度全般にわたる抜本的見直しと歩調を合わせながら、給付と負担の在り方についてより精緻な検討を行うことや、医療制度全般にわたる中期改革ビジョンの策定も含め、継続的な医療改革の検討を行う必要性を指摘している。
 各論では、▽費用負担▽国民健康保険(国保)の運営の在り方▽保健事業等の在り方▽今後検討すべき課題-などに言及。
 「費用負担」については、厚生労働省の新制度案で提案されている、▽70-74歳の患者窓口負担の割合を70歳到達後に順次2割にする▽75歳以上の低所得者への保険料軽減の特例措置を段階的に縮小する―の2点について、「最大限慎重な検討を行うべき」とけん制。総報酬割の導入については、共通番号制度の早期導入や税制改革などによって、国民全体での負担の分かち合いと公平性を担保することを条件に容認する。
 一方、「国保の運営の在り方」については、新制度案が掲げる「都道府県単位化」の方向性を支持する姿勢を示している。
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 今年度の診療報酬改定においても「チーム医療」に対し各種加算が新設されている状況ですが、この分野における臨床検査部門の貢献度はどのようなものか、まだまだ未知数と言えます。院内感染対策分野や輸血分野においては専門性の高い臨床検査技師の配置が望ましい、などと記載もされていますし、臨床検査技師に対する各種認定制度、例えば細胞検査士や超音波検査士等社会的認知度も向上してきています。

 12/1付けMTJ(メディカルテストジャーナル)において、国立病院機構本部医療部医療課・臨床検査専門職の奥田勲氏が日臨技理事研修会で人材育成をテーマに講演された内容が掲載されていました。その一部を抜粋しますと、これからの臨床検査技師に求められる資質として、
 1)医療人(技術職)としての倫理観の醸成
 2)医師へのコンサルテーション能力
 3)自らの専門性向上
 4)臨床現場への進出
 5)院内他部門との連携
と記述されています。

 当たり前と言えば当たり前のことであり、我々に欠けていると言えば欠けていることだと思います。当たり前の部分では前述した診療報酬への具体的な記載だと思いますが、欠けていることの代表例としては、12/9に開催された「第3回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ」において、チーム医療推進協議会から出された資料に臨床検査技師の記述が皆無であること。チーム医療の中に「細胞検査士」という記述はありますが、臨床検査技師は完全にスポイルされている状況。何じゃこれ??と思われた臨床検査技師の方も多いかと思います。私自身は「チーム医療」なる用語は嫌いですので一向に構わないのですが、この協議会の「識」には疑問符を付けざるを得ないですね。ちなみに参加医療系団体としては以下の団体です。

チーム医療推進協議会
 
http://www.team-med.jp/index.php
 日本医療社会事業協会(医療ソーシャルワーカー)・日本医療リンパドレナージ協会・日本栄養士会・日本看護協会・日本救急救命士協会・日本言語聴覚士協会・日本作業療法士協会・日本細胞診断学推進協会細胞検査士会・日本歯科衛生士会・日本診療情報管理士会・日本病院薬剤師会・日本放射線技師会・日本理学療法士協会・日本臨床工学技士会・日本臨床心理士会・日本病院会(オブザーバー)

 残念ながら「日本臨床衛生検査技師会」の文言はどこを探してもありません。私、裏事情は全く知りませんので記載しましたが、どこぞの琴線に触れましたかね???

第3回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ資料(平成22年12月9日開催) http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/vAdmPBigcategory30/15174CCBA0C683AC492577F8002D3597?OpenDocument http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/15174ccba0c683ac492577f8002d3597/$FILE/20101213_2shiryou_all.pdf


 さて本日のメインニュースに移ります。

 各種子供手当など、少子化対策としての政策は盛んですが、高齢化ということを真摯に捉え、本当にお考えになっているのかな?といつも疑問に感じます。各種年金等、そちらの方にばかり目を向けられていますが、少々のお金を工面したから、これで何とかしなさいよ、といった単純なものではない筈です。

 私が小学生の時に「ゆりかごから墓場まで」といった北欧の社会保障制度に対して、先生が、日本も福祉国家にならなければ・・・と話していたのが今でも記憶に残っています。日本はどうなんですかね???これまで日本国家に多大な貢献をしてきた方々に対して敬意を払っているのでしょうか?最後の時を平穏に迎えられるような世の中なんでしょうか?

 二十年以上前、私はあるジャンルの専門書を読み漁っていたことがありました。「ペインコントロール」なのですが、新薬が出たり新しい知見があったりで若干の変化はあるものの、あまり進化はしていない気がします。

 ホスピスを含め現在の終末期医療では、積極的な延命治療は行わない傾向にあるとされていますが、QOL向上が必要であることは当たり前。臨床検査もQOL向上を目指すためには必要なはずですが、各種老人施設、介護施設を含め、必要な検査を受けず症状が悪化し手遅れとなって、余生を楽しむことが出来ない方々も多数おられるはず。これだけの財政困難な状況下で経営基盤確立のためには医療費縮減も勿論必要ですが、必要なものまでひとくくりにされて削ってしまう施策は、「識」「格」がないとしか思えないのですが如何でしょうか?

 以下、ホスピスについてちょっと調べてみました。ご興味があればご覧ください。

ホスピス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%B9
 ホスピス (hospice) とは、ターミナルケア(終末期ケア)を行う施設のこと。または在宅で行うターミナルケアのこと。
「ホスピス」の由来
 ホスピスとは、元々は中世ヨーロッパで、旅の巡礼者を宿泊させた小さな教会のことを指した。そうした旅人が、病や健康上の不調で旅立つことが出来なければ、そのままそこに置いて、ケアや看病をしたことから、看護収容施設全般をホスピスと呼ぶようになった。
 教会で看護にあたる聖職者の無私の献身と歓待をホスピタリティ (hospitality) と呼び、そこから今日の病院を指すホスピタル (hospital) の語がでた。歴史的には、ホスピタルもホスピス同様に、病院だけでなく、孤児院、老人ホーム、行き倒れの収容施設なども指した。
ホスピスの種類
 一般的に、ホスピスを分類するとすれば以下の5種類ほどに分類できる。
 1.病院内病棟型(病院内でホスピスを行う病棟あるいは、階を定めて行うもの)
 2.病院内独立型
 3.完全独立型(ホスピスのみを行う施設 他の診療科を持たないため、緩和医療以
外の具体的な治療を行わない)
 4.病院内緩和ケアチーム (病院内に緩和医療を行うための専門家を用意し、患者
からの依頼などによって主治医とは別に、緩和医療を行う)
 5.在宅ホスピス

ホスピスQ&A http://www5.airnet.ne.jp/shimin/sub111.htm

日本ホスピス緩和ケア協会 http://www.hpcj.org/

日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団 http://www.hospat.org/index.html


【読売新聞社ニュース 2009/12/14】
 最期 自宅のように平穏に
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=34405
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「ホームホスピス」課題は収入
 病院で退院を促され、「自宅で最期を迎えたい」と望んでも、24時間介護できる家族がいないなどの理由で、自宅に戻れない人は多い。こうした人を受け入れ、家に近い環境で終末期を穏やかに過ごしてもらおうという「ホームホスピス」が全国で広がりつつある。
民家を改装
 「タイの刺し身が食べたいと言っている人がいたから、海鮮丼にしましたよ」
 女性スタッフが夕食の支度に励む。傍らの居間では、入居者らが、トランプを楽しんだり、入浴後にのんびりくつろいだり、思い思いの時間を過ごしていた。
 兵庫県尼崎市の「ホームホスピス愛逢(あいあい)の家」。訪問介護事業などを行うNPO法人「愛逢」が木造2階建ての民家を改装して、昨年11月に開設した。
 がん末期や、脳梗塞を患い、一人暮らしが難しくなった人など80~90歳代の4人が暮らす。管理者で看護師の兼行栄子さん(59)らスタッフが、昼は2人、夜は1人が常駐して身の回りや食事の世話を行う。必要な医療は、主治医の往診や訪問看護を使って受ける。費用は、入居時に30万円を払うほか、食費や部屋代、自宅と同じように介護保険や医療保険を利用した際の自己負担分などを合わせ、毎月15万円程度かかる。
 「みんな優しいし、食事もおいしい。極楽だ」と最年長の服部キミエさん(98)。兼行さんは「ここには何の規則もない。『もう一つの家』みたいに暮らしてもらっているようで、うれしい」と笑顔で話す。
退院迫られ
 7月には、末期の直腸がんを患っていた70歳代の男性を看(み)取った。病院から「もう治療することはない」と退院を迫られ、息子夫婦も共働きで一緒に住むのは難しかったことから、開設と同時にここに来た。
 往診医から痛みの緩和ケアを受けながら、他の入居者らと和やかに食卓を囲み、庭で作る野菜の世話をした。休日には子どもたちが来て、家族水入らずの時を楽しんだ。男性は家族や入居者、スタッフら一人ひとりに「ありがとう」と言って亡くなった。
 「家族からお礼を言われ、自信が持てた。家族だけでは支えられない部分を私たちが支えることで、本人・家族が安心して死と向き合える環境をこれからも提供していければ」と兼行さんは言う。
高まるニーズ
 厚生労働省が2008年に行った調査では、死期が迫っている時の療養場所として自宅を望んだ人の割合が約60%に達した一方、最期まで自宅で療養することが実現可能としたのはわずか6%。実現が難しい理由として、「介護してくれる家族
に負担がかかる」「症状が急に悪くなった時の対応が不安だ」が多かった。実際には、約8割が病院で亡くなっており、自宅は約1割にとどまる(09年)。
 ホームホスピスは、対象者の制限がなく、柔軟な運営ができやすい半面、収入源の確保が難しいという課題もある。愛逢の家でも、NPO法人が行う他の事業の収入で賄っているのが現状だ。ただし、家族の介護力が弱まる中、ニーズは高くなっており、その数は増加している。
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1213-620号 埋め込み型補助人工心臓2製品が承認 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 12月も早半分を過ぎてしまいました。年内に書かなければならない原稿はあと五つ。どうやってこなしていきましょう・・・と少々途方に暮れています。書きかけると一日二日で書き上げてしまうのですが、締め切りに追われることが恒常化してしまい少々危機感や緊張感が希薄になりつつある今日この頃です。ちょっと気持ちも体も引き締めないといけませんね。(--;

 この危機感や緊張感に関してですが、うちの野球小僧たちにも同じことが言えるのかもしれません。久し振りのSSC野球小僧ネタですが、昨日、スポーツ少年団教育長杯決勝戦でしたが、見事大敗というか玉砕。これまで抽選負けはしていたものの、負けたことの無い相手だっただけに監督、コーチ、お母さん方は非常にショックというか悔しい気持ちでした。が、当の小僧たちは悔しそうな顔も見せず淡々としたというか、あっけらかんとしたもの。涙を流す子なんて一人もいませんでした。大人の方はそっちの方がショックかも。確かに今季、決勝9回目の出場で4回の優勝を果たしています。またこの数か月故障者が続出で、いつも通りのフォーメーションは出来ない状態であることは確かですが、勝利への執着心がもう薄れてしまっているのか、どうなんでしょうね・・・あと残り3大会を残すのみとなっていますので、最後に悔いを残すことの無いようにしてもらいたいと願う今日この頃です。

 さて話題をがらりと変えます。先日行われたノーベル平和賞授賞式ですが、異様な雰囲気の漂うものになっていたことは既に皆さんもご存じのことと思います。世界中で隣国に対する批判が相次いでいます。一部内政干渉とも思えることもありますが、やはり異常さが際立っているのは確か。まさに裸の王様状態の隣国ですが、説得すればするほど頑なになっていくような気もしますし、かといって放っておくとますます図に乗ってエスカレートする気もします。隣国みたいな人ってたまにいますよねぇ・・・人の話は聞けない、理解力に乏しい・・・困ったものです。(--;

 しかし「孔子平和賞」は歴史的な茶番劇というか、茶番劇ならユーモアもあるというものでしょうが、あまりにも識も格も無い恥さらしな行為ですね。あくまでも私の批判対象は政府側であって、善良な国民ではありませんので念のため。


獄中の平和賞 それでも育つ市民の力 東京新聞社説 12/11
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010121102000063.html
 ノーベル平和賞が中国の獄中にいる劉暁波氏(54)に贈られた。劉氏は市民の権利を広げ、社会の矛盾を克服しようと呼び掛けた。こうした声を抑圧することは大国の将来を危うくするのではないか。
 劉氏は共産党の一党独裁を批判し「国家政権転覆扇動罪」に問われ懲役十一年の刑で服役した。
 急進的なイメージでとらえられがちだが、二年前の十二月十日に劉氏らが起草しインターネットで発表した「〇八憲章」は過激な内容とは思えない。
 〇八憲章は改革・開放政策が「民衆の生活水準を大幅に高め」、「市民社会の成長を促した」と高く評価する。
 しかし、「政権集団が権威主義的な政治を続け政治変革を拒んだ」ため「官僚の腐敗、法治の不徹底、道徳の喪失、(貧富の差の拡大による)社会の両極分化」を招いた。経済の偏った発展で「社会の矛盾は不断に累積し不満が高まった」という。「官と民の対立による(暴動など)集団事件の激増が抑えられない」現在の体制は改革せざるを得ないとしている。
 そして言論の自由、人権の尊重、法の下の平等などを実現し、民主的選挙で政府を選ぶことを通じ「権利を基本に参加を責任とする公民意識を高める」ことを呼び掛けている。これらの主張は多くの人々に受け入れられるだろう。
 事実、〇八憲章は民主活動家だけでなく、農民の権利擁護や環境問題、都市開発に伴う立ち退きや消費者問題などに取り組む市民や法律家、記者など多くの人々が賛同し一万人以上が署名した。
 あわてた共産党政権は憲章発表直前に身柄を拘束していた劉氏を起訴し、その言論のみを理由に重罪を科す改革・開放開始以降では例のない強硬姿勢に出た。
 しかし、これは欧米諸国の強い反発を買い劉氏の平和賞受賞を招いた。中国の強い反対にもかかわらず人権を尊重する多くの国々が授賞式に出席し意思を示した。
 中国が授賞式を前に本人と家族のみならず、市民の権利拡大を主張する人々の自由を拘束していることは「中国が巨大な監獄になった」と批判を浴びている。
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【産経抄】12月12日 産経新聞コラム
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101212/plc1012120244002-n1.htm
 劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞に対し、中国外務省の報道官は「政治的茶番劇」と非難したそうである。「茶番劇」とは、すぐ底が割れるようなバカバカしい行為を指す日本語だ。中国にもそっくり同意義の言葉があるらしい。
▼劉氏へのノーベル賞には、中国の民主化こそ平和への道だという国際社会の願いが込められている。そんな真摯(しんし)な願いに背を向け、授賞式を妨害しようとし「茶番劇だ」と切って捨てる。まるで世界中が中国に従うべきだ、と言わんばかりの傲慢さである。
▼それでも「茶番劇」と言うのなら、中国には正真正銘の茶番劇があった。ノーベル賞に対抗して、にわかに設けたらしい「孔子平和賞」である。第1回の授賞式を行うというので、北京市内の会場を訪れた各国の報道陣は、お粗末さに苦笑するしかなかったようだ。
▼第一、授賞式だというのに受賞者がいない。むろん劉氏のように当局が出席を妨害したからではない。「初の受賞者」に選ばれた台湾の連戦・元副総統が断ったためだという。もともと連戦氏に正式の連絡がいっていなかったという失態も明らかになったという。
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 笑えない茶番はこのくらいにして、夢のあるお話を一席。先日、あかつき関連ニュースを配信したところですが、今度はイカロスくんの話題。非常に順調な様子で、まさに順風満帆とはこのことを指すのでしょうね。


イカロス:順調に飛行 コース予定通り通過 毎日新聞 12/11
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101211k0000m040027000c.html
 宇宙航空研究開発機構は10日、金星探査機「あかつき」とともに打ち上げた宇宙ヨット技術の実証機「イカロス」が8日午後4時39分、金星から約8万800キロの位置を予定通り通過したと発表した。機体に問題はなく飛行を続けているという。
 イカロスは直径1.6メートル、高さ0.8メートルの円筒形の機体に、14メートル四方の薄い膜の帆を備え、太陽光のかすかな圧力で進む。5月に打ち上げられ、6月に帆を展開。燃料を使わずに加速したり軌道を変えたりする実験に、世界で初めて成功している。
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 さてこのあたりから医療関連ニュースに移ります。

 特にこの数年、感染症関連の話題が報道を賑わしていますが、そこで必ず出てくるのが、手洗い、うがいを含めた、スタンダードプリコーション(標準予防策)
http://www2.huhp.hokudai.ac.jp/~ict-w/kansen/1203.pdf ですね。しかし、手洗いを繰り返し行うと、厄介な手荒れが生じ、余計に感染症の巣となってしまうこともあります。手洗い後のお肌ケアも非常に重要となってきますので、以下の記事を掲載しました。


手荒れ:保湿し防いで 乾燥で代謝、肌防御機能乱れ/手袋、クリームこまめに 毎日新聞 12/10
 http://mainichi.jp/life/health/news/20101210ddm013100015000c.html
 指先がささくれたり手のひらがかさつく季節になった。関節のひび割れ、かゆみ、ざらつきも典型的な手荒れの症状だ。荒れる仕組みや、肌を美しく保つ秘訣(ひけつ)を専門家に尋ねた。【林田七恵】
◆大切な角層と皮脂
 大阪労災病院(堺市)の土居敏明医師(皮膚科)によると、肌は、表層の「角層」と、表面に分泌された皮脂・汗の2段階で守られている。
 角層は、肌の奥から押し上げられた細胞が数~十数層に積み重なり、最終的にあかとしてめくれ落ちる代謝を繰り返している。細胞の間に脂質や、アミノ酸を主成分とする天然保湿因子(NMF)が並んで潤いを保っている。表面の皮脂と汗は膜のように肌を覆い、水分の蒸散を防いだり細菌などの侵入を防ぐ。特に皮脂は、肌の表面にいる“善玉”の表皮ブドウ球菌に分解されて脂肪酸になり、肌を弱酸性に保って“悪玉”細菌を食い止めている。
 こうした機能が乱れると、肌が乾燥してめくれやすくなり、荒れる。特に冬に荒れやすいのは、空気が乾燥して肌の水分が蒸散しやすく、保湿機能が追いつかないからだ。
 紫外線も肌に炎症を起こし乾燥を促す。資生堂スキンケア研究開発センター(横浜市)の原英二郎・主任研究員は「荒れた肌は紫外線の影響を強く受けて更に荒れる。紫外線が強くなる冬から春にかけては要注意」とも指摘する。
 同センターは、肌荒れが悪循環する仕組みも調べた。肌表面をわざと荒れさせて健康な肌と比べると、荒れた肌の方が、内部でたんぱく質分解酵素が活性化した。そのために代謝が本来よりも速くなりすぎ、脂質やNMFがきれいに並ぶ前に角層の上部まで細胞が押し上げられた。脂質やNMFが整わない角層は保湿機能が低下し、更に肌が荒れることになる。
◆別の皮膚病の場合も
 こうした仕組みは手でも顔でも一緒だ。では、なぜ手の方が荒れやすいのか。
 手は、顔や腹など他の部位と比べて角層が厚い。守る層が厚いほど荒れにくそうに思えるが、実際はその逆だ。分厚い角層は曲がりにくいので、割れやすい。また、手のひらには皮脂腺がなく、表面を覆う皮脂が少ない。指紋や掌紋などの溝も多く、ひび割れのきっかけとなる。
 手は頻繁に水に触れるが、ぬれた皮膚はふやけて傷付きやすい。特に洗剤は大敵だ。表面の皮脂・汗や角層の脂質・NMFが失われ、保湿機能が低くなると同時に、ひびや傷口などの隙間(すきま)から細菌などが侵入しやすくなる。水分をふき取らずに自然乾燥させると、被害はさらに拡大する。「角層の中も表面の膜も整わないまま、水分が気化し続ける」と土居医師は警告する。
 手は一度荒れるとなかなか治らない。外からの刺激が多いせいもあるが、手は体の他の部位と比べて、大腸菌や黄色ブドウ球菌、カンジダ菌などさまざまなばい菌に触れる機会も多い。荒れた肌は弱酸性ではなくなり“悪玉”菌を抑えられず、炎症を起こす。
 土居医師は「手荒れに見えても、手の水虫や、(手足に膿疱(のうほう)が繰り返しできる)掌蹠(しょうせき)膿疱症など別の皮膚病を発症していることもある。治らない時は近くの専門医を訪ねてほしい」と話す。日本皮膚科学会のホームページで最寄りの専門医を検索できる。
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 次は臨床検査分野に関わるニュースです。

 我々の業界も再編成がめざましいのですが、私が直接影響を受けたものとしては、国立病院、療養所の統廃合。近畿で最初の委譲施設が私の最初に勤めた病院でした。10年半勤務したのですが、勤め出して約1年経過した時に厚生省より統廃合計画が出されたような記憶があります。

 そのようなものとは異なり今回のケースはこの近年臨床検査部門が抱える諸問題の総決算みたいなものです。中小規模の企業がどれだけ経営努力しても、厳しい現実を突き付けられます。私が今行っている外部委託検査に関わる助成研究は、昨年度業者の方々にかなり誤解をされたのか、抵抗感の強いものでした。今年度はその誤解を解きたいものだなぁと願っています。

 業界の再編成は必要かつ不可欠なものであるとは思いますが、淘汰されるべき企業と、淘汰されるべきでない企業の見極めをしっかりとしたいものですね。


BML(4694)岸本医科学研究所の再生支援
 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1210&f=business_1210_044.shtml
 ビー・エム・エルは、岸本医科学研究所(北海道苫小牧市)及び道東臨床検査センター(北海道北見市)の事業再生支援を目的として、企業再生支援機構に両社及び岸本医科学研究所の主力銀行であるみずほ銀行 と連名で再生支援の申込みを行い、9日、企業再生支援機構から支援決定を受けた。
 岸本医科学研究所、道東臨床検査センター及び子会社KCLGは、臨床検査受託を主な事業とし、北海道を地盤に全国に拠点及び顧客を有する事業者で、積極投資と多角化により業績が悪化、KCLGがみずほ銀行と協議の上、当社をスポンサーとして過剰な有利子負債の解消や当社支援による臨床検査事業の立て直しによる事業再生を図るべく、企業再生支援機構に支援申込みを行っていた。
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ビー・エム・エル:岸本医科学研究所、道東臨床検査センターの事業再生支援へ
 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1210&f=business_1210_036.shtml
■100%出資する新設子会社に会社分割による事業承継
 ビー・エム・エルは、9日に岸本医科学研究所、道東臨床検査センターの事業再生支援を行うために、企業再生支援機構にみずほ銀行と連名で再生支援の申込みを行い、本日(9日)に、企業再生支援機構から支援決定を受けたと発表した。
 臨床検査受託を主業務とする岸本医科学研究所、道東臨床検査センター及び子会社(以下「KCLG」)は、北海道を地盤に全国に拠点及び顧客を持っている。ところが、積極投資と多角化により業績が悪化したことから、KCLGが、みずほ銀行と協議した結果、同社をスポンサーとして過剰な有利子負債の解消や同社支援による臨床検査事業の立て直しにより、事業再生を図るために企業再生支援機構に支援申込みを行っていた。
 事業計画の基本方針 は、同社が100%出資する新設子会社に会社分割(吸収分割)による事業承継を実施する。
■来期以降は同社の売上拡大に大いに貢献
 同社のノウハウ・検査基準を導入し、老朽化した分析器の更新などにより品質の向上や効率的な検査業務の仕組みを構築し、顧客喪失の防止や新規顧客の獲得を図る。
 一方で、拠点の統廃合・営業活動の集約・集荷配送の効率化によるコスト削減を実施し、臨床検査以外のノンコア資産を売却する。
 さらに、関係金融機関に対し、KCLGが有する119憶4652万円の借入金のうち、76億円の債権放棄を依頼する。
 事業承継する承継会社(新設子会社)は、債務弁済資金等を同社からの出資及び融資にて調達するとしている。
 事業承継は、11年4月1日を予定しており、同社の今期業績に対する影響は軽微。今後の業績見通しについては、事業再生計画の進捗に従い適時開示規則に基づいて速やかに公表する方針。
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 さて他にも色々とお伝えしたいニュースはあるのですが、あまり長くなってもいけませんので、本日のメインニュースへと移ります。

 改正臓器移植法施行後、急激にドナー発生が増加した印象があります。患者にとっては非常に望ましいことですし、シビアな患者さんを受け入れている施設にとっても大変ありがたい話だと思います。しかしながらドナー数は全く充足していないのが現状であり、移植を心待ちにしている患者さんは後を絶ちません。今回のニュースは、その待機されている患者さんに対しての人工補助心臓のものとなります。

 前回の赴任地は現国立循環器病研究センターでしたが、前任地では重症慢性心不全患者さんたちとかなり密接に関わってきました。前任施設での人工補助心臓の主だったものは大型のものであり、とても外泊できるようなものではなく、患者さんにとって非常に苦痛とも言えるべきものでした。しかしながらその人工補助心臓がないと患者さんは生きられない、要するに移植まで待てないのが現実であり、受け入れざるを得ない状況でした。

 今回の補助人工心臓が小型であり、患者さんにとってのQOL向上は間違いのないところであり、ちょっと感慨深くニュースを読んでおりました。


【日経メディカルオンライン 2010/12/10】
 「DuraHeart」と「EVAHEART」埋め込み型補助人工心臓2製品が承認 心臓移植までのつなぎに活用へ
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201012/517726.html
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 厚生労働省は12月8日、埋め込み型補助人工心臓の「DuraHeart」と「EVAHEART」の2品目を承認した。心臓移植までのつなぎとして重症心不全患者に使われることになる。
 埋め込み型補助人工心臓は、自己心を温存した上で、心臓のポンプ機能を助ける医療機器のこと。血液を送り出すポンプやポンプを心臓につなぐ人工血管、バッテリーなどから構成される(関連記事:2009.11.10「植え込み型が複数登場 長期の在宅療養も可能に」)。
 国内では過去にも埋め込み型補助人工心臓はあったが、実際の心臓を模した拍動式で、拍動のために大きめのポンプが必要だった。そのため周囲の臓器が圧迫されるなどの難点があり、今は使われていない。
 一方、新たに承認された補助人工心臓は、常時一定の血流量を送り出す非拍動式だ。承認された「DuraHeart」と「EVAHEART」のポンプの容量はいずれも百数十mLと小型で耐用年数も長くなり、在宅療養も可能になる。
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 昨年、人工補助心臓に関する記事が掲載されていましたのでご参考までに・・・


【日経メディカルオンライン 2009/11/10】
 ◇進化した人工心臓 植え込み型が複数登場 長期の在宅療養も可能に
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t066/200911/512994.html
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 補助人工心臓はこれまで、心不全に対して緊急避難的に用いられてきた。ただ、ポンプなどを体外に設置する従来型は装着すると退院できなかった。しかし、ここにきてポンプを体内に埋設する植え込み型の実用化にめどが立ってきた。小型化、
耐久性向上を実現したものもある。
 2004年12月、46歳の男性は突発性拡張型心筋症との診断を受けた。その後、心機能が急速に低下し、強心剤の持続点滴を要する重症心不全に陥った。05年5月、当時行われていた、植え込み型の補助人工心臓「EVAHEART」の治験に参加した。
 植え込み術後、男性の心係数は術前の2倍に、NYHA分類は4度から1度に改善。手術から4カ月後に外出が認められ、9カ月後には自宅に戻った。この男性は現在、仕事をしながら日常生活を送っている。既に手術からは1600日以上が経過した。
 小型で長持ちし、在宅療養も可能な新しい補助人工心臓の実用化が近付いている。
 現在、国内で承認を受けている補助人工心臓は、駆動装置やポンプを体外につなげる体外設置型だけ。体外型は入院して短期使用する前提で開発されたため、一度着ければ自己心の機能が回復しない限り、退院は不可能となる。
 しかし、退院を前提に開発された植え込み型の登場で、在宅療養ができるようになる。重症心不全にとって補助人工心臓は、心機能の一時的な補助手段から患者のQOLを向上させる治療へと変わりつつある。
体外型は入院長期化も難点
 補助人工心臓とは、自己心を温存した上で、心臓のポンプ機能を助ける医療機器のこと。血液を送り出すポンプやポンプを心臓につなぐ人工血管、駆動装置などから成る。
 国内で補助人工心臓を着ける症例は年間70~80例。約半分は、劇症型心筋炎や急性心筋梗塞などで心不全に陥った症例だ。1990年代からは心筋症の増悪例に着けることが増え、今では全体の半分を占める。ほとんどは、薬物療法や心臓再同期療法、大動脈バルーンパンピングなどで効果が得られない拡張型心筋症で、重症心不全に陥り、心臓移植を考慮するような症例だ。
 症例の中には、心機能が回復して補助人工心臓から離脱できるケースもある。一方で、“心臓移植までのつなぎ(Bridge to Transplantation)”に補助人工心臓を着けて移植心を待つ症例も多い。
 ただし、補助人工心臓を着けた症例がすべて心臓移植にたどり着けるわけではない。というのも、国内の心臓移植は年間5~10例程度。国内で心臓移植を受けた人の待機期間は平均で約2.4年。補助人工心臓を着けた症例の中には、4年近く入院し、移植にたどり着いたケースもある。しかし、長期間の待機中に補助人工心臓の合併症である感染や血栓塞栓症で死亡する症例も多い。
 体外型の補助人工心臓は短期間の使用を前提としているため、待機中に機械の故障が起き、死亡する症例もある。病院にとっては入院が長期化する難点があり、ある病院の医師は、「適応だからといって、やみくもに症例を増やせない」と打ち明ける。
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【日経メディカルオンライン 2009/11/11】
 ◇進化した人工心臓 Vol.2 最終治療に補助人工心臓 求められるコストの議論
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t066/200911/512996.html
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 小型で耐久年数の長い、新しい補助人工心臓が今後、続々と製造販売承認される予定だ。体内に埋設でき、自宅で療養することも可能になる。QOLを格段に向上させるタイプの登場で、今後は、より多くの症例に使われることになるだろう。重症心不全の高齢者への“最終治療”として、補助人工心臓が用いられる可能性も高い。
 「EVAHEART」と「DuraHeart」、「Jarvik2000」の3種類の補助人工心臓は今後、心臓移植までのつなぎばかりではなく、高齢者や糖尿病のある症例など、心臓移植の適応外に当たる重症心不全の“最終治療(Destination Therapy)”としても使われるようになるとみられる。
薬物療法に対する優位性証明
 実は米国には以前から、心臓移植の適応外となる重症心不全の最終治療用に承認された植え込み型の補助人工心臓がある。その根拠となったのが、01年に発表されたREMATCH試験(Eric A. Rose, and et al. New Engl J Med 2001;345:1435-43)だ。
 試験では、NYHA分類がIV度の末期重症心不全の症例で、心臓移植の適応外に当たる129例を2群に分け、補助人工心臓と最適な薬物療法を前向き無作為に比較した。その結果、1年生存率は薬物療法群で25%だったのに対し、補助人工心臓群では52%だった。また、2年生存率は薬物療法群で8%だったのに対し、補助人工心臓群では23%と、補助人工心臓の優位性が証明された。
 ちなみにその補助人工心臓は、拍動式の植え込み型で、その後、1年以上使用すると機械的故障が起きやすいことが判明。後継の機種を使った同様の試験では、2年生存率が50%以上に改善された。これらの試験の結果、末期の重症心不全治療において、薬物療法に対する補助人工心臓の優位性が認められたわけである。
 「EVAHEART」「DuraHeart」「Jarvik2000」の国内の長期使用成績については、一部の治験結果が明らかになっている。すべての治験に参加した東大病院重症心不全治療開発講座特任教授の許俊鋭氏は、「3種類の補助人工心臓を着けた10例の自験例の3年生存率は80%。2人は死亡したが、1人は2年4カ月後に心臓移植に到達した」と評価する。
 また阪大心臓血管外科教授の澤芳樹氏も、「3種類の補助人工心臓の自験例では、感染や血栓塞栓症などの合併症も少ない傾向があった。現在、国内で体外型の補助人工心臓を装着した症例の予後も決して悪くないが、さらに良くなるのではないか」と話す。3種類の補助人工心臓は、心臓移植適応外の重症心不全の症例にとって、移
植に匹敵する治療法になる可能性もある。
“つなぎ”の症例も増加へ
 長期の在宅療養が可能な補助人工心臓の登場で、心臓移植までのつなぎとして補助人工心臓を用いる症例も増えそうだ。移植心が限られている国内では、心臓移植に到達するまでに長期の補助が欠かせない。しかし、これまでの体外型の補助人工心臓は短期使用が前提となっている上、入院を余儀なくされる。
 こうした事情から、補助人工心臓は積極的に使われてきたとはいいにくい。たとえ末期の重症心不全であっても内科が手を尽くし、それでも臓器不全を起こすなど増悪した症例に緊急避難として補助人工心臓を着けることが多かった。
 しかし、急激に心不全が悪化して人工心肺などを装着した症例では、感染や臓器障害を起こして補助人工心臓を着けるタイミングを逸してしまうケースもある。在宅療養が可能な植え込み型の補助人工心臓が最終治療として使えれば、より早期に、より多くの患者が補助人工心臓を着けるようになる可能性もある。
 体外型の補助人工心臓については、強心剤に依存し、増悪傾向を示す症例など、緊急避難の前の患者に着けると予後が良いことも明らかになってきた。東大病院循環器内科特任講師の絹川弘一郎氏は、「強心剤に依存しながら安定している症例や、入退院を繰り返す症例など、補助人工心臓はこれまでより早期に着けることも考えられる」と話す。
 今後は、早めに体外型の補助人工心臓を着け、自己心の機能が戻らなければ、心臓移植までのつなぎとして体格や心機能に応じて植え込み型を埋設し、在宅療養するケースも出てきそうだ。
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1209-618号 死因究明:大・中規模病院は内部調査で 厚労省方針 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 昨日は食い入るようにJAXA報道ニュースを見ておりましたが、非常に残念な結果ですね。「あかつき」ですが、エンジンの逆噴射不足により金星の軌道に入ることが出来ず、遠くへと旅立ってしまったようですね。約6年後に再トライということですが、エンジンの根本的なトラブルであれば絶望的ですね。が、「はやぶさくん」の例もあるように希望は捨てないでおきたいですね。それよりも今回の失敗によりせっかく盛り上がった日本全体としての雰囲気がフェードアウトしないことを希望します。でも日本国民は飽きっぽいですからねぇ・・・政府対応も一貫性がなく、世論に非常に左右されやすいですから・・・(--;


あかつき:逆噴射直後に姿勢崩す 軌道投入失敗 毎日新聞 12/9
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101209k0000m040071000c.html
 金星の周回軌道投入に失敗した日本初の金星探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、逆噴射開始から2分23秒後に機体が急回転するなど姿勢が大きく乱れ、非常事態に取る「退避姿勢」に入っていたことが分かったと発表した。逆噴射に使った新開発エンジン「セラミックスラスター」が破損した可能性もあり、引き続き、原因究明を続ける。
 あかつきは7日朝、計画通りにエンジンを逆噴射し、軌道投入のための進路変更を始めたが、直後に約1時間半にわたって通信が途絶。その間に機体が退避姿勢に切り替わり、逆噴射を中断した。あかつきは必要な減速ができず、金星付近を通過した。
 あかつきから送られた姿勢情報を解析した結果、あかつきは逆噴射開始の2分23秒後、5秒に1回転という高速でコマのように回転し始めたことが判明した。これで機体は退避姿勢に入ったと推定される。中村正人JAXA教授は「相当強い衝撃を受けたのではないか」と推測する。
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余録:「あかつき」失敗と再挑戦 毎日新聞コラム 12/9
 
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 18世紀の啓蒙(けいもう)思想家ボルテールはシリウス星人が土星人と一緒に地球を訪れるというSFのような物語を書いている。ただこのシリウス星人であるミクロメガスの身長は39キロ、その彼にとっては一寸法師である土星人は同じく2キロである▲土星人はミクロメガスに言う。「私たちの存在は点にすぎず、寿命は一瞬にすぎません」。ただし短命を嘆く土星人の寿命は地球年に換算すると1万5000年という。この物語でボルテールは宇宙における物の大小や、時間は相対的なものだと示したかったようだ▲だから「6年」などという時間は宇宙のスケールでは「一瞬」にも満たないと考えるべきなのかもしれない。国民の期待を集めた日本の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗、そして6年後にやってくるという再挑戦のチャンスの話を聞いての感想だ▲「あかつき」はエンジンの逆噴射不足で減速できずに金星付近を通過し、周回軌道に入れなかったという。小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡の地球帰還で意気上がっていた日本の宇宙開発だけに、何とも残念な結果である
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 さて「あかつき」の話題から一転、来年の花粉情報コーナー。

 花粉と聞いただけで鼻水、涙が出てくるという方もおられるのではないでしょうか?私自身、花粉症では無いのでその辛さは知る由もありませんが、花粉症のひどい方に伺うと、とにかく目ん玉をかきむしりたい衝動に駆られるそうです。その方々に非常に酷な報告となりますが、5年前の大飛散に匹敵する花粉が飛びまくるとか。備えあれば憂いなしと言いますが、黄砂の飛来もありますし、花粉症対策は難しいですねぇ・・・(--;

 花粉症対策サイトを以下に記しておきます。気休めでごめんなさい。

花粉症対策と予防 http://www.no-kafun.com/yobou/

花粉症対策2010 http://health.goo.ne.jp/kafun/

これで解決!花粉症治療と症状別対策 http://www.kafun-taisaku1.com/


スギ花粉、来春の飛散は2月上旬ごろから 朝日新聞 12/8
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201012080483.html
 民間気象会社「ウェザーニューズ」(本社・東京都港区)は8日、来春のスギ花粉(北海道はシラカバ花粉)の飛散開始時期の予想を発表した。関東、東海、近畿、四国、九州で2月上旬から飛び始める。飛散量は北海道を除いて全国的に今年の2~11倍と予測され、同社は早めの対策を呼びかけている。
 寒さのピークが過ぎる2月中旬以降、全国的に飛散する地域が増える。北海道、山陽、東海、近畿、九州は今年より早め、東北、関東、北陸、山陰、四国は遅めとなりそうだ。


 次は今、流行期に入りつつあるインフルエンザの話題。

 私自身、この記事を見て「これまでの認識と違うなぁ」ということと、昨年のワクチンの影響なのか、どうなんでしょう???と正直思いました。昨年は2000万人~3000万人とも言われる国民が新型インフルエンザに罹ったのではなかったでしたっけ?統計数とあまりにも大きな隔たりがありますね。

 ウィルス抗体価をどのような検査方法で測定したのか?という疑問はありますが、ワクチン接種による影響はきっと大きいですね。あくまでも私個人の見解ですが、測定感度以下の抗体価の方って非常に多いのではないかと思います。実際に感染したが、免疫が弱いため、もしくはワクチンにより守られたため、このような結果になったのでは?と思う次第です。インフルエンザの例では無いですが、私自身、B型肝炎ワクチンを何度受けても、受けた直後は陽性化しますが、時間経過とともに抗体価は下降し、ついには測定感度以下になって陰性化してしまうのです。高感度法で測定すると純然たる陰性では無いため、しかし免疫自体はついていると思われるのですね。機序はこれとは異なりますが、同じようなものじゃあないですかね?しかしワクチンは予防する上で非常に有効な手段ですが、そのワクチンによって守られているが故に人間自体も弱くなってきているのかも?なぁんてことを考えたりもします。若年者と高齢者というところもみそですね。元々免疫力は若者に比べて低いですから。

 しかし記事を見て、昨年新型インフルワクチンを打ったのに、なんで?と思われた方も多いことでしょうね。


乳幼児・中高年の7割超、新型インフル免疫なし 読売新聞 12/7
 
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101207-OYT1T00801.htm
 乳幼児や35歳以上の中高年の7割以上が新型インフルエンザに対する免疫(抗体)を持っていないことが、厚生労働省の調査で7日、あきらかになった。
 免疫のない人が感染すれば重症化する恐れがある。厚労省はワクチン接種や手洗いの励行などを呼びかけている。
 調査は今年7~9月、全国23都道府県の6035人を対象に、血液中の抗体を調べた。
 昨年発生した新型は、小中高校生などの若年層が流行の中心だった。そのため、10歳代では65%が抗体を持っており、5~9歳や20~24歳でも抗体を持っている人が6割弱に上った。
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 かなり以前になりますが、子供向け教育番組の中で紹介されたものがありました。それがまさしくこれ。その時は、推測の域を超えなかったのですが、実証された訳ですね。


糖尿病の「元」、突き止めた…京大チーム  読売新聞 12/6
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=34014
 血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、糖尿病発症の原因になる体内物質を、京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが突き止め、科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。この物質を減らす薬を開発すれば新薬として期待できるという。
 この体内物質は、細胞の核にあるTBP2というたんぱく質。吉原研究員らは遺伝子を操作してTBP2を持たないマウスを誕生させた。マウスは、膵臓(すいぞう)のβ細胞から分泌されるインスリンの量が約1・5倍に増加。いくら食べて太っても血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなった。
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 次は久し振りにiPS細胞についてのニュース。

 昨日報道され、かなり大きな反響を呼び、各報道機関が取り上げていましたので、既にご存じの方も多いことかと思います。まさに画期的!研究が進めば、多くの方々を救うことが出来ますね。問題は従来より言われているがん化の問題と、記事にも記載しているように作成に時間がかかること。実用化が待ち遠しいですね。


iPS細胞:移植、脊髄損傷回復 慶応大など、小型霊長類で成功 毎日新聞 12/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101208ddm012040026000c.html
 さまざまな細胞になる能力を持つ人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、脊髄(せきずい)損傷のため立てなくなった小型霊長類のマーモセットに移植し、立ち上がれるまでに回復させることに、慶応大と実験動物中央研究所(川崎市)のグループが成功した。マウスの実験では同様の結果を得ていたが、ヒトに近い霊長類での成功は初めて。臨床応用に一歩近づいたと言えそうだ。
 慶大の岡野栄之教授が7日、神戸市で開催中の日本分子生物学会で報告した。
 交通事故などが原因で脊髄を損傷するが、根本的な治療法がない。岡野教授らは、首の脊髄を損傷して手足がまひしたマーモセットに、iPS細胞から作った神経の基になる細胞を、損傷から9日目に移植した。この時期の移植がもっとも効果的とされる。
 移植後は運動機能が回復し始め、約1カ月後には後ろ脚で立つことができ、手の握力も回復した。患部に注入された細胞が神経細胞となり、脊髄を再生したためとみられる。iPS細胞は腫瘍化しにくいタイプを使い、約3カ月後でも腫瘍はできなかった。
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 さて本日のニュースはまとまりがなく誠に申し訳ありません。ここからメインニュースに移ります。

 記事を読んで「医療過誤原告の会」の主張はもっともだと思いましたが、個々に至る経緯は色々とあるのでしょうから、なかなか短絡的に述べられないかな?とも思うファジーな新井でした。過去記事がいくつかありましたので、その記事をご参考までに・・・


死因究明制度で独自案策定-医法協が事業計画 CBニュース 3/12
 
https://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=26746
 日本医療法人協会(日野頌三会長)は3月12日の代議員会・総会で、「死因究明制度等に関する独自案の策定」などを盛り込んだ来年度事業計画を決めた。診療行為による死亡事故の原因究明制度をめぐっては、厚生労働省と民主党がそれぞれ独自案を公表しているが、医法協ではいずれにも「全面的に賛同することはできない」と結論付け、独自案を策定することにした。
 厚労省案に対しては、職権主義に傾き過ぎで「医療人の負担を増大させる側面が大きい」と問題視する一方、民主党案についても「診断書等の虚偽記載の厳罰化」などに疑問点が残されていると指摘しており、独自案でこれらを克服できる制度設計を目指す。内容が固まり次第公表し、各方面に実現を働き掛けるという。
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死因究明推進法案を了承―自民党合同会議 CBニュース 5/12
 
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/27567.html?src=recom
 自民党の内閣、法務、文部科学、厚生労働の4部会と「異常死死因究明制度の確立に関する特命プロジェクトチーム」(座長=下村博文衆院議員)は5月12日、合同会議を開き、死因究明の推進に関する施策について審議する「死因究明推進会議」の設置などを盛り込んだ「死因究明推進法案」(仮称)を了承した。今後、政権政策委員会、総務会の了承を得て与党側と協議し、議員立法として今国会に提出する方針だ。
 同法案によると、内閣府に設置する「死因究明推進会議」では、死因究明の推進に関する施策の審議や実施の推進、実施状況の検証、評価、監視などを行う。
 また政府は、施策を推進するために講じるべき必要な法制上・財政上の措置などを定める「死因究明推進計画」を策定する。
 このほか、死因究明の推進に関して重点的に検討・実施されるべき施策として、▽警察における検視の実施体制の充実▽医師の検案を行う能力の向上▽法医学に係る教育及び研究の拠点の整備▽死体の解剖の実施体制の充実▽死亡時画像診断の活用―の5点を挙げている。
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死因究明制度の独自案を検討へ-四病協 CBニュース 9/22
 
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/29819.html?src=recom
 四病院団体協議会(四病協)は9月22日の総合部会で、医療行為による死亡事故の死因究明制度の創設に向け、独自案を検討する方針を決めた。日本医療法人協会(医法協)が検討している内容をベースに具体化を進め、民主党や厚生労働省などと調整したい考えだ。
 医療事故の死因究明制度をめぐっては、厚労省が自公連立政権下の2008年6月、死因を究明する調査委員会の設置を柱とする「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」を公表。当初はこの大綱案を軸に、法案化に向けた検討が進められた。民主党も医療メディエーター(対話促進者)の活用などを盛り込んだ制度案を公表しているが、昨年の政権交代後は審議がストップしている。
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【毎日新聞ニュース 2010/12/08】
 死因究明:大・中規模病院は内部調査で 厚労省方針
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101208k0000e040045000c.html
=================================================
 診療行為に関連して死亡した患者の死因を究明する厚生労働省のモデル事業の運営委員会が7日開かれ、11年度は一定基準を満たす大・中規模病院については院内で組織する調査委員会が主体となり死因究明や再発防止を図る方針を決めた。解剖医の絶対数が不足している現状では、将来、法制化され症例が増えた場合に第三者機関が全国で十分な解剖体制を組むのが難しいことが主な理由という。
 この決定に、中立的な第三者機関の設置を求める医療過誤遺族らでつくる「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長(60)は「院内調査で遺族が納得できるか疑問」と反発している。
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1208-617号 ホルモン:「春を告げるホルモン」働き、マウスで解明--理研・近畿大 [kensa-ML NEWS 【情報】]


記事をUPするのが精一杯で、ご訪問が出来ず本当に申し訳ありません[もうやだ~(悲しい顔)]
数日置きくらいにご訪問が出来るよう頑張りたいと思いますので、どうぞ宜しくお付き合いくださいませ。

ただいま、政策医療関連業務に精力を注いでいます[手(グー)]
こちらの作業はエンドレスですが過去広報記事を含め、UPする予定としています。こちらもどうぞ宜しくお願いします。



 なかなか自分の時間って出来ないものですねぇ・・・12月に入ったらあれもしたい、これもしたいと思っていたのですが、あれもしなきゃぁ、これもしなきゃぁになってしまっています。年末年始を出来る限りのんびり過ごすためにも、かなり頑張らんといかんですね・・・(--;

 実はこの記事、一昨日作りかけたのですが、記事をまとめる時間も配信する時間もなく遅くなってしまいました。少し古いネタですが、ご勘弁ください。

 言い訳ばかりの前置きはさておき、早速社説のご紹介から。

 私が小学生・中学生の時は、テレビもですが、夜はラジオとお友達でした。私のその時の趣味はラジオやアンテナを自作するのが趣味でしたし、BCLをやっていて、熱狂的なベリーカード収集家でした。国内はもとより海外の放送局を良く聞いていたものです。また多感な時期でもありましたので、鶴光師匠のオールナイトニッポンなんて大変刺激的で、ミッドナイトストーリなんて聞いた日には友達と妄想をふくらましていたものです。FM大阪だったと思いますが、城達也(だったと思います)のジェットストリームなんてしびれましたねぇ・・・しかしうちの子供たちもそうですが、今の子供たちはラジオなんてほとんど聞かないですね。今回の社説を見て即座にブックマークしてしまいました。音質もそこそこ良いですし、なかなかのものですね。これを機にラジオ愛好家が増えれば良いなぁとひそかに思っています。でも音だけで想像を膨らませる、なんて、今の子供たちに出来るかな???

ラジコ.jp http://radiko.jp/


社説:ラジコ ラジオの時間楽しもう 毎日新聞 12/6
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101206k0000m070102000c.html
 ラジオ放送を同時にインターネットを通じても配信するネットラジオの「ラジコ」が、関東と関西で本格運用を開始した。
 ラジオから離れたリスナーを取り戻そうと、東京の7局と大阪の6局の計13局が今年3月に試験的に開始した。反応をみて実用化するかを検討することになっていたが、実際には、開始当初はアクセスが集中し、なかなか接続できないといった現象も起きた。設備を増強して対応するなど反応は上々だった。
 確かな手応えがあったことから本格運用に向けて作業を進めることになり、運営会社を設立し、著作権などの使用料については、運営会社を窓口に日本音楽著作権協会などと包括契約を結ぶことで合意した。ネット上の出演料については、各放送局の交渉にゆだねることにし、今月から本格運用が始まった。
 インターネット上には多数のネットラジオ局があるうえ、動画の投稿サイトでは興味のある映像を好きな時に視聴できる。
 膨大な数の曲を収めた携帯音楽プレーヤーを持ち歩けば、ラジオと違い好きな音楽だけを楽しめる。ワンセグ放送でテレビ番組を見ることもできる。家の中でも屋外でも、ラジオの存在感は乏しくなっていた。
 しかし、高速道路のトンネル内で障害情報を知るにはラジオが欠かせない。また、大災害では停電により携帯電話は使えなくなる。長時間にわたって安定的に災害情報を伝達できるラジオの役割は大きい。
 ラジコの場合、ネット配信にもかかわらず、受信できるのは東京の放送局の場合
は関東圏、大阪の放送局の場合は関西圏に限られる。県域の現在のラジオ放送の仕組みと共存するための措置だが、他の地域の放送局にも参加を求めるなど、ネットで受信できる範囲を拡大し、ラジオ放送の基盤強化につなげてほしい。
 ラジオ放送の存続については、別な観点からも意義を指摘したい。
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 お次の話題は久し振りの天文ショー!です。「あかつき」がいよいよ金星に到着・・・と思いきや、通信状態も不安定のようで、非常に心配ですね。でも「はやぶさ」の例があったように、奇跡が起こることを期待しましょう。

 今朝の最新情報では少し軌道がずれているのでは?とのこと。今日の午前中には正確な状況が判明するとのこと。

あかつき特設サイト http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/


あかつき:金星軌道入り、まだ確認できず 毎日新聞 12/7
 
http://mainichi.jp/select/today/news/20101208k0000m040071000c.html
 今年5月に打ち上げられた金星探査機「あかつき」が7日、金星から約550キロの地点に達し、金星の周回軌道投入に向けエンジン逆噴射を実施した。逆噴射は予定通り始まったが、直後に通信トラブルが発生。あかつきの姿勢が乱れていることも分かり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は復旧に全力を挙げている。あかつきが予定通りの軌道に入ったかどうかは分かっていない。
 JAXA宇宙科学研究所(相模原市)の運用管制室では7日午前8時52分、あかつきの減速を確認。通信にかかる時間(片道3分35秒)を差し引くと、ほぼ予定通りの同8時49分ちょうどに逆噴射を始めたことを確認した。
 逆噴射後間もなく、あかつきは金星の陰に入り、通信が中断。しかし、再開予定時刻(同9時12分)を過ぎても中断は続き、約1時間半後の同10時28分にようやく通信が再開した。
 JAXAによると、現在、非常時用のアンテナを使って地球との通信を維持している。あかつきは現在、太陽電池パネルを太陽に向けて電力の確保を最優先とし、必要最小限の機能だけを保持する「退避姿勢」と呼ばれる状態にあり、姿勢を保つため約10分間に1回の速さでゆっくりと回転している。通信も不安定で、現在のあかつきの位置や速度を割り出すデータは十分に得られていない。JAXAは午後5時から、あかつきのアンテナが地球を向いた状態で回転を止め、姿勢を安定させる試みを続けている。JAXAは「姿勢制御できず放電する危機からは免れており、まだ望みはある」と説明している。
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金星探査機:「あかつき」軌道入り確認できず 位置把握に全力 毎日新聞 12/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101208ddm041040147000c.html
 金星に最接近した後、通信が一時途絶するなどトラブルに見舞われた探査機「あかつき」について宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、機体が非常事態の際にとる「退避姿勢」に入っていることを明らかにした。
 金星を周回する軌道に入ったかどうかは不明だが、JAXAは復旧に全力を挙げており、同日夜会見したプロジェクトマネジャーの中村正人教授は、あかつきの状態や飛行経路などを8日午前中にも把握できるとの見通しを示した。
 あかつきは7日午前、軌道投入のためのエンジン逆噴射を実施した。逆噴射開始は確認したものの、予定時間を大幅に超えた約1時間半の通信途絶が発生した。
 あかつきは太陽電池パネルを太陽に向けて電力の確保を最優先し、必要最小限の機能だけを保持する「退避姿勢」を取っている。姿勢を安定させるため、約10分間に1回の速さでゆっくりと回転している。
 通信は、非常時用のアンテナを使用。通信速度が遅いため、現在のあかつきの位置や速度を割り出すデータを取得するのに時間がかかる。
 しかし、あかつきのアンテナ自体は機能していることから、JAXAは回転を止めず、米国の受信局で送られてくるデータを取得する作業を進めている。データから位置を確認し、必要に応じて軌道を修正する。軌道修正のタイミングには制約があり、8日昼をめどに終えることを目指しているという。
 会見で中村教授は「データを見なければ分からないが、機体で壊れたところはないと思う」と話した。
 探査機「はやぶさ」も、05年に小惑星イトカワへ着陸した際のトラブルで、機体を退避姿勢に切り替え、後に復旧した例がある。【山田大輔】
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 さてここからは医学関連ニュースに移ります。

 ほんの数十年前までは実用化など程遠いとされていたものですが、非常に期待の持てる内容ですね。もう既に亡くなっていますが、私の義理の叔父も幼少期に失明してしまいましたが、他の機能が素晴らしく、特に記憶機能は見たことがないほど優れモノでした。代償機能を備えた方々がこのように人工視覚など五感を取り戻されたら、また頭の中の回路を再構築できたら、もの凄い才能を更に発揮されるのだろうなぁ・・・などと、ふと考えていました。


失明患者に「人工視力」…国内初 読売新聞 12/5
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=33983
白い光を判別
 大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかどたかし)教授(感覚機能形成学)、神田寛行助教らの研究グループは、網膜の異常で失明した「網膜色素変性症」の患者の網膜を、微弱電流で刺激し、視力を回復させることに成功した。
 6人中5人で効果が確認され、目の代わりとなる小型カメラでとらえた光の動きを追うことができた人もいた。国内で「人工視覚」の成功例は初めて。不二門教授は「数年以内につえなしで歩けるようにしたい」としている。
 目の構造をカメラに例えると、角膜、水晶体がレンズ、網膜がフィルムにあたる。健康な人が見た映像は、電気信号に変換され、網膜、視神経を経て脳の視覚野に送られ、「見える」ようになる。しかし、網膜色素変性症になった人は、網膜の視細胞が徐々に消失するため、信号が視覚野へ届かなくなって光を失っていく。
 不二門教授らは、患者の網膜の外側の強膜の中に、刺激電極のチップ(7ミリ・メートル四方)を装着。チップから微弱電流を流し、眼球内に埋め込んだ帰還電極にあて、返ってきた電流で網膜内にわずかに残った神経細胞を刺激する方法を考えた。
 2005年秋と08年春には、計4人にチップを装着。手術中のわずかな時間に光の刺激を与えたところ、3人が光の方向を判別できた。
 今年4~7月には、失明して10年以上になる女性2人に1か月間チップを装着しCCDカメラをおでこにつけてもらった。カメラで取り込んだ画像情報は、体外の装置で電気信号に変換され、体内装置を経て、強膜内のチップに送られた。
 千葉県の女性(67)はパソコンの黒い画面上に不規則に現れる白色の棒をカメラで見て、位置を指さすことができた。女性は「闇の世界でしたが、白い光がはっきり見え、棒の位置を追えました。光が見えるというのは素晴らしい」と話す。
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 このところ、感染症のニュースというか、もはや事件性の高いものまで報道を賑わせています。昨晩もレーシック手術による感染症で失明寸前にまで追い込まれた方が取材されていましたが、医療機関側はもとより、利用者側、患者側もしっかりとした知識を身につけていないと非常に危険な状況。更には、このくらい大丈夫だろうとか、楽観的な考えは医療分野に持ち込まない方がよさそうで、喉元過ぎれば・・・の世界。先日も申しましたが、今年、ノロウィルスを含め、感染性胃腸炎が大流行しているのは、気の緩み以外の何物でもありません。医療機関も昨年の新型インフルエンザによる教訓をどの程度生かしているのか、前後で検証をかけてみたらいかがでしょう?医療の質評価は非常に難しいことですが、客観的に推し量る物差し、いわゆる客観的評価指標が非常に重要なポイントです。

 昨日、神戸医療センターでは、病院機能評価取得に向けてのキックオフミーティングが開催されましたが、最新バージョンで重要視されているのは、前回注意点などの改善効果とその検証について。何事もそうですが、「だからどうなの?」「だからどうするの?」の部分が欠如すると、何の進歩もありません。

 以下、ウィルス関連情報を3篇お送りします。


RSウイルスにご注意 乳児はインフルより重症化の傾向 朝日新聞 12/4
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201012030696.html
 2歳までに1回は感染を経験しインフルエンザに似た症状を示すRSウイルスの患者報告が近年増えている。日本小児科学会の全国調査では入院患者の7割に持病があり、重症化の要因もわかってきた。流行は年末から1月のため、専門家は「1歳未満の子どもは発症すればインフルエンザより重症になりやすいので気をつけて」と呼びかけている。
 国立感染症研究所によると、最新の1週間(11月15日~21日)で定点医療機関(約3千)の受診者は1720人。約5千の医療機関からのインフルエンザ受診者1684人より多い。
 昨季は年明けから急に増え、1月末には、調査を始めた2003年以来で最多となる4742人に上った。ウイルスの認知度が上がっていることも増加の要因とみられている。
 潜伏期間は3~4日で、症状は発熱、鼻水、せきなど。2歳までに最初の感染をするが、このときに重症化する傾向があり1歳未満では呼吸困難になることも。また1回目の感染以降、大人になっても再感染する。予防には周りもマスク、手洗い、うがいで気をつける必要がある。
■子どものこんな症状に注意
・38度近い熱がある(熱がない場合もある)
・呼吸が浅くゼイゼイとせきが続く
・たんが詰まる
・食べたり飲んだりがつらそう
・あまり眠れていない
※夜に悪化しやすいので早めの判断が大事
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インフル対策、早期治療が最も重要―感染症学会が提言 CBニュース 12/6
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/31263.html
 日本感染症学会はこのほど、新型インフルエンザの「第2波」で最も重要な対策は、患者の早期診断や早期治療だとの提言を公表した。
 提言は、昨年夏から今年春先にかけての新型インフルエンザの「第1波」を総括した上で、今後の第2波に注意を呼び掛ける内容。
 第1波の総括では、諸外国に比べて日本で死者が少なかった最大の理由は、抗インフルエンザウイルス薬の早期投与だと分析。これができた理由として、▽早期受診を可能にする国民皆保険制度▽迅速診断キットと抗インフルエンザウイルス薬を駆使したインフルエンザ診療を、約10年前から世界に先駆けて行ってきた経験―を挙げた。
 第2波に向けては、「今後も対策を緩めるべきではない」と強調。早期診断や早期治療が最も重要だと呼び掛けた。治療に当たっては、薬剤耐性ウイルスの増加に注意し、健康な成人や小児への抗インフルエンザウイルス薬の安易な予防投与は避けるよう求めた。
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新型インフル重症例、「季節性」の抗体原因 読売新聞 12/6
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=33991
 昨年世界的に流行した新型インフルエンザでは免疫力の強い青壮年層にも重症例や死亡例が出たが、もともと体内に持っていた季節性インフルエンザの抗体による異常な免疫反応が原因であることが、米バンダービルト大学などの研究で明らかになった。
 新型ウイルスによる重症例の効果的治療法の開発につながると期待される。6日、科学誌ネイチャー・メディシン電子版で発表する。
 研究チームは、新型で入院した17~57歳の54人の血液や肺の組織などを詳しく調べた。その結果、過去に季節性に感染した際にできた抗体は、新型ウイルスとも反応することを確認。この抗体は新型ウイルスの感染を防ぐ力はないが、異常な免疫反応を起こし、肺や腎臓にウイルスたんぱく質などを蓄積する結果、重症化することを解明した。
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 さて各種感染症の蔓延が叫ばれる中、以前より囁かれていたことが実証されたというか、やっぱり!って感じですね。今年は季節はずれの黄砂にも見舞われたようですし、五島列島の環境汚染も気になります。隣国はもう少し良いものをお贈りいただければと思いますし、世界全体に様々な意味で大きな影響を与えているかということをもっと認識すべきとちゃいますか???。

 記事の前に黄砂についてちょっと紐解いておきます。

黄砂現象とは 気象庁
 http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/kosahp/4-4kosa.html
 黄砂現象とは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により大気中に舞い上がった黄砂粒子が浮遊しつつ降下する現象を指します。日本における黄砂現象は、春に観測されることが多く、時には空が黄褐色に煙ることがあります。
 黄砂現象発生の有無や黄砂の飛来量は、発生域の強風の程度に加えて、地表面の状態(植生、積雪の有無、土壌水分量、地表面の土壌粒径など)や上空の風の状態によって大きく左右されます。黄砂粒子はいったん大気中に舞い上がると、比較的大きな粒子(粒径が10マイクロメートル以上(1マイクロメートルは1ミリメートルの千分の一の長さ))は重力によって速やかに落下しますが、小さな粒子(粒径が数マイクロメートル以下)は上空の風によって遠くまで運ばれます。例えば、東アジアが起源の黄砂粒子が太平洋を横断し、北米やグリーンランドへ輸送されたことも報告されています。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/climate_change/2005/pdf/2005_3-2.pdf


黄砂飛来、空気中のカビや細菌5倍に 金沢大調査 朝日新聞 12/2
 
http://www.asahi.com/science/update/1129/OSK201011290041.html
 黄砂が飛んで来ている時には、空気に含まれるカビや細菌などの微生物が、黄砂がない時の5倍多いことが、金沢大グループの調査でわかった。種類も通常時とは異なっていて、黄砂とともに中国大陸から渡ってくるとみられている。黄砂は肺の病気やアレルギー発作などに影響する可能性が指摘されており、グループは採集条件を変えて詳しく調べる。
 グループは黄砂が来た2008年5月と、来ていなかった09年4月に、石川県珠洲市の上空約800メートルの空気中から微生物の破片を採集。遺伝子を手がかりに比べたら、黄砂時には約5倍の濃度で微生物がいた。確認できた種類は、黄砂時に20種余り。来ていない時に見つかった9種とはすべて別のものだった。
 黄砂の影響を巡っては、京都大などのグループが小児ぜんそくの発作の危険性が高くなると報告。筑波大などのグループは、黄砂に口蹄疫(こうていえき)ウイルスの遺伝子が含まれる可能性があると警告している。
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 さて悲しいかな、黄砂は春を告げる代名詞ともなりつつありますが、今日のメインは春ホルモンの遺伝子を解明したとのニュース。

 臨床検査項目によっては、時間に依存するものや性別、その他様々な要因に左右されるものも少なくないのですが、季節による変動を示すものもありました。しかしその要因というものは突き止められていませんでしたが、今回の発見により様々な分野で活用されることでしょうね。季節の変わり目に体調を崩したり、精神的に不安定になったりすることも良く聞く話ですが、医学的に証明される日も近いことでしょう。もしかしたら秋に食欲増進する原因も突き止められちゃったりなんかして、美容業界にも大きく貢献するかもしれませんね。


【日刊工業新聞ニュース 2010/12/03】
 理研など、「春ホルモン」の遺伝子解明
 
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720101203eaak.html
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 理化学研究所の上田泰己システムバイオロジー研究プロジェクトリーダー、升本宏平客員研究員らと近畿大学の重吉康史教授らの研究グループは、体内の生理機能を季節変化に適応させる「春ホルモン」の司令塔となる遺伝子を突き止めた。
 この遺伝子はEya3と呼ばれ、明け方の光によって発現することで春ホルモンの分泌を誘導することが分かった。季節性情動障害など日照時間の変化に起因する疾患の治療に役立つと期待される。米科学誌カレントバイオロジー電子版に3日発表する。
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【日本経済新聞ニュース 2010/12/03】
 春近づくと体を調節、司令塔の遺伝子発見 理研など
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2E1E2E69F8DE2E1E3E0E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195579008122009000000l
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 理化学研究所と近畿大学の研究グループは動物が春の訪れを感じて体の機能を調節する際に司令塔役となる遺伝子を見つけた。春を迎える前の日照時間が短い環境で明け方の光を受けると働き、体の機能を調節するホルモンを誘導していた。研究グループは季節によって気分の落ち込みや気力低下を伴う季節性情動障害や統合失調症などの解明・治療法開発に役立つとみている。
 理研の上田泰己プロジェクトリーダーや近畿大の重吉康史教授らの成果。マウスを使った実験で明らかにした。
 春になると体内の生理機能を季節変化に適応させようと甲状腺刺激ホルモンが働くが、制御メカニズムは分かっていなかった。そこで秋から冬を想定して日照が8時間の環境でマウスを育て、ホルモン分泌にかかわる下垂体の一部で働く遺伝子を網羅的に調べた。
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【毎日新聞社ニュース 2010/12/03】
 ホルモン:「春を告げるホルモン」働き、マウスで解明--理研・近畿大
 
http://mainichi.jp/kansai/archive/news/2010/12/03/20101203ddn002040016000c.html
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◇統合失調症など治療ヒントにも
 日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内のホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)と近畿大が明らかにした。日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に役立つ可能性があるという。米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載された。
 理研の上田泰己(ひろき)プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に日が長くなると作られるホルモンがあり、春に繁殖を活発にしていることを名古屋大と共同で見つけた。
 今回は近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて2週間飼育。その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の有無や機能を調べた。16時間グループでは活発ではないある種の遺伝子が活性化されてホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が後押ししていることが分かった。
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1201-615号 LDL-cが1mmol/L下がるごとに血管イベントは20%減少 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 学会終了後の余韻に浸る暇もなく、連日溜め込んでいる資料作成に明け暮れる毎日です。本音言うと数日くらいはゆっくりと過ごしたいのですが、出なければいけない会議もキャンセルしないほど、書類が山積み状態です。いよいよ今日から師走なんですよねぇ。政策医療財団の助成研究もそろそろ本格的に取り掛からないと期限に間に合わなくなるし、月初めに提出しないといけない書類は山ほどあるし・・・こんな状態でメール配信もなぁ・・・と思いつつ、言いたいことは山ほどあるもので、ストレス解消、鬱憤晴らしのためにも・・・(--; こんな私にお付き合いさせて申し訳ありません。

 さて手書きなら間違いなく「うっぷん晴らし」と書くところでしょうが、PCは便利なものですね。「鬱」という難しい字を、いともあっさり変換してくれます。また私のブログの場合、本当に文字ばかりで色気のないものですから、出来る限り、読みやすくと心掛けてはおりますが、如何なものでしょうか?


11月27日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20101126-OYT1T01220.htm
 漢字が30%ほど含まれている文章は読みやすいという。20%では締まりがなくなり、40%では幾らか硬い感じになると、ジャーナリストの林邦夫さんが『「大漢和辞典」を読む』(紀田順一郎編、大修館書店)に書いている◆“漢字率”30%と言われてもちょっと見当がつかないが、三島由紀夫『潮騒』の書き出し部分がちょうどその比率とか。書棚の新潮文庫版をひらくと、なるほど、活字の並んだ姿が心なしか美しく感じられなくもない◆仮名という生地の上に浮き出た模様――漢字をそうたとえたのは作家の高田宏さんだが、日本の活字文化とは漢字と仮名がつくりだす織物の美でもあるのだろう
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新常用漢字は柔軟に使おう 日本経済新聞社説 11/29 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3EBE2E7E3E7E6E2E0EBE3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 「憂鬱」「真摯」もOK――。常用漢字表が29年ぶりに改定され、30日から使われる。新聞でも、これまで振り仮名を付けていた幾つかの言葉を漢字だけで使うようになる。
 改定の最大の眼目は、パソコンなど情報機器が普及したことを受けて、書けなくても打ちだせる、読める、といったたぐいの字を表に入れたことだ。そうした特徴を踏まえ、日常生活で漢字を使う緩やかな目安として漢字表を上手に活用したい。
 新しい常用漢字は計2136字。古い漢字表に196字を追加し、銑、錘、勺、匁、脹の5字を落とした。鬱、摯のほか彙、箋など画数の多い字がある一方で、丼、俺、爪、枕など見慣れた字も含まれた。都道府県名に使う漢字はすべて表に入れたのも特徴
だ。
 常用漢字表とは「一般の社会生活における漢字使用の目安」と定められている。定義は29年前と同じだ。新漢字表をまとめた文化審議会は、「一般」とは義務教育を終えてからある程度たった人だと説明している。そうした人の生活が情報機器の
ために様変わりしたのである。
 情報機器は1万程度の漢字を覚え込んでいる。手書きできなくても正しい字を選べさえすれば漢字が使えるから、生活の中の漢字の数は29年前よりずっと増えている。
 難字が表に入ったのにはそんな背景がある。確かに「語い」より「語彙」の方が読む側は分かりやすい。日常使える漢字が増えたのは、基本的には好ましいことだろう。
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余録:新常用漢字 毎日新聞コラム 11/30
 
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20101130k0000m070125000c.html
 「今から漢字を廃止する用意に力を注ぐべきである。その用意とは、難しい漢字をできるだけ用いないように心掛けることだ。難しい字をさえ用いなければ、漢字は二千か三千でたくさんだ」。意訳だが福沢諭吉の「文字之教」のはしがきだ▲子供の教育にはかなに漢字が交じるのは不都合だが、漢字を全廃したくても急にはできない。それは時節を待つしかないけれど、その「用意」だけはしておくべきである--漢字制限論の先駆けとされる諭吉の主張である▲そういえば戦後の当用漢字表も、漢字全廃にむけて当面使える漢字を提示したものだった。明治この方、漢字を教育普及の妨げと見なしてきた漢字制限である。だが、その歴史を受け継ぐ常用漢字表の29年ぶりの改定では、使える漢字が大幅に増えることになった▲きょう告示される新常用漢字表は、旧表より196字増・5字減の2136字となる。情報機器により書けなくても読めたり、パソコン入力できたりする漢字が増えたためという。クイズで人々が難しい漢字を楽しむ時代の到来は過去の漢字廃止論者には意外だろう▲ただ新常用漢字で一番注目されたのが「鬱」だ。
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 さてある方からの情報で知りましたが、ネット検索しても出てきませんし、大元のHPを見ても掲載されていません。臨床検査を知ってもらおうという試みは理解しますが、私自身到底受け入れることが出来ない内容です。どんな内容かというと、街角ラボで健康増進、臨床検査をよりよく知っていただこうとの試みのようです。簡易測定装置を用いて臨床検査をとの香川県臨床検査技師協会のものですが、本日届けられた臨床検査の機関紙MTJ(メディカルテストジャーナル)一面に掲載されていました。本文についてはこちらに掲載することが出来ませんが、数年前ですか、郵送で簡単な臨床検査を、とのことで、ある企業の取り組みに対して臨床医より使用に耐えうるのか?といった質問があり、ダメ出しをした覚えがあります。今回のケース、精度管理は臨床検査技師がしっかりと行うとのことですが、やはりこれだけ標準化標準化と叫ばれる昨今、測定原理等に無理があるでしょうし、施設検査室とのデータ互換性はどうなるの?精度保証は担保されるの?と思ってしまいました。検診に対して使用するとのことですが、どうなんでしょうね? 臨床検査を一般の方々により知っていただき、あくまでもスクリーニング検査として取り組むことに意義があるのでしょうが、標準化に十数年携わってきたものとしては、やっぱり受け入れることは出来ないですね。あくまでも私個人の意見であることを付けくわえておきます。記事が無い状態での記載、申し訳ありません。


 帰宅途中にネット検索していたら、先日の国立病院総合医学会で矢崎理事長が講演された内容が掲載されていました。国立病院が独立行政法人になった後は、必ず矢崎理事長の講演を拝聴して来ていますが、今年は例年とは異なり、事業仕分けの話題等を含め、政治との関連性、完全民営化への考えなど肌で感じましたね。今年は最前列に近いかぶりつきの場所で拝聴しました。


国立病院総合医学会/国病・矢崎理事長「独法からの卒業を」 Japan Medicine 12/1
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129139/
 国立病院機構の矢崎義雄理事長は11月26日、福岡市内で開かれた国立病院総合医学会で講演し、国病機構の将来について「独立行政法人からの卒業」を目指し、日本赤十字社に準じた新たな枠組みによる公的医療法人となることをあらためて提案した。会場の国病機構の病院長や参集者に向かって「病院長が自分の問題として考え行動に移ってほしい。冷静沈着かつ確実にステップを踏み(実現に向けて)作戦を立ててほしい」と訴えた。
  矢崎理事長は学会の開幕講演で、国病機構が肩代わりしている恩給整理資源・公経済負担は本来は国が負担すべきで、自己収入で運営している事業独法にとって不合理な仕組みだと説明した。また独法化以降の経営努力が成果を上げていると強調する一方で、労働集約型の医療を行うには、一律の人件費管理や事業収益の使途を現場で決定できない独法制度は限界があると指摘した。
  公的医療法人に移行した場合は、メリットとして運営費交付金を国の勤務期間の退職手当などに縮減できるとともに、独法の運営ルールに縛られることなく医療現場の実情に合った効率的運営ができるとした。政策医療を提供するミッションはより安定し、地域医療への要請に応じやすくなるとも訴えた。
  政府は事業仕分けで、6年連続の黒字決算など国病機構の収益が上がっていることを理由に、恩給整理資源・公経済負担を国病機構に残したまま運営費交付金の縮減を繰り返し求めている。矢崎理事長は「大金持ちの団体との認識を持たれてしまった」とし、長期借入金比率が2004年の独法発足時の74%から09年には40%に減少した状況について「やり過ぎてしまった」と財務省側に理解されない状況に皮肉をもらした。


 さてお伝えしたいニュースは多々ありますが、それは今後小出ししていくとして、本日のメインニュースというか論文の紹介です。

 LDL-cは一般的に悪玉コレステロール、逆に善玉コレステロールとして有名なのが、HDL-cであることは皆さん良くご存じですね。
 最近では、ある学会における推奨がLDL-cを直接測定するものではなく、間接的に計算式で求めたものを推奨などと話題になったものですが、これはあまりにも測定試薬が乱立し、標準化が困難になったため、などと理由の一つに挙げられていました。このことについて述べ出すと、限りなく記事が膨らんでしまいますので、今回はLDL-cとはなんぞや?ということを簡単にご紹介しておくに留めます。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB
悪玉コレステロールと善玉コレステロール
 コレステロールが生命維持に必須な役割を果たす物質であるという事実は、科学者以外にはあまり知られていない。むしろ、一般社会には健康を蝕む物質として認知されていることが多い。すなわち、様々なリポタンパク質コレステロール複合体の血液中でのあり方が、高コレステロール血症など循環器疾患の一因になるとの認識が強い。たとえば、医者が患者に対してコレステロールの健康上の懸念がある場合には、悪玉コレステロール(LDLコレステロール:low density lipoprotein cholesterol、いわゆるbad cholesterol)の危険性を訴える。一方、悪玉コレステロールの対極には善玉コレステロール(HDLコレステロール:high density lipoprotein cholesterol、いわゆるgood cholesterol)が存在する。この両者の違いはコレステロールを体内輸送する際における、コレステロールと複合体を作るリポタンパク質の種類によるものであり、コレステロール分子自体の違いではない。
 肝臓から末梢へのコレステロール輸送はLDLが担当し、組織(おもに遅筋)から肝臓への輸送はHDLが担当する。


【日経メディカルオンライン 2010/11/26】
 Lancet誌から LDL-cが1mmol/L下がるごとに血管イベントは20%減少
 スタチンの用量や当初のLDL-c値によらず同じ結果
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201011/517552.html
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 LDL-コレステロール(LDL-c)は下げられるだけ下げた方が利益が大きくなるのか。有害事象は増えないのか。この疑問に答えるメタ分析の結果と、過去最大規模の無作為化試験のデータが、それぞれLancet誌2010年11月13日号に報告された。結論は、スタチンの用量やベースラインのLDL-c値にかかわらず、LDL-c値が1mmol/L低下するごとに主要な血管イベントが約20%減少することを示した。
 スタチンを用いたLDL-c降下療法は、幅広い患者の閉塞性血管イベントリスクを低減する。Cholesterol Treatment Trialists' (CTT) Collaborationの研究者たちは、より強力なスタチン療法、すなわち、より高用量の従来型スタチンまたはより新しいスタチンを使用する強化スタチン療法(たとえば、シンバスタチン20~40mgを標準とすると、アトルバスタチン40~80mgまたはロスバスタチン10~20mgが強化治療に相当する)の安全性と有効性を調べるため、無作為化試験を対象とするメタ分析を行った。このメタ分析のもう1つの目的は、LDL-c値の1mmol/L低下当たりの利益は、ベースラインのLDL-c値や選択されたレジメンによって異なるのかどうかを知ることだった。
 09年末までに報告されたすべての研究の中から、1000人以上の患者を登録し2年以上治療を継続した無作為化試験で、患者を強化スタチン療法または通常スタチン療法に割り付けていた5件(3万9612人を登録、追跡期間の中央値は5.1年)と、スタチン投与と非投与(偽薬、治療なし、標準治療など)に割り付けていた試験21件(12万9526人を登録、追跡期間の中央値は4.8年)を選出した。個々の登録者について、主要な冠イベント(冠疾患死亡または非致死的心筋梗塞)/冠動脈血行再建術/脳卒中からなる主要な血管イベントと、死因別死亡率や癌罹患などの発生率に関する情報を抽出し、メタ分析を行った。
 強化スタチン群と標準スタチン群を比較した5件の研究では、ベースラインのLDL-c値の加重平均は2.53mmol/Lだった。1年時には、強化群のLDL-c低下は標準群に比べて0.51mmol/L大きかった。
 主要な血管イベントリスクは、標準群に比べ強化群で15%低かった(リスク比0.85、95%信頼区間0.82-0.89、P<0.0001)。心血管死亡または非致死的心筋梗塞のリスクは13%(0.87、0.81-0.93、P<0.0001)低く、冠動脈血行再建術は19%(0.81、0.76-0.85、P<0.0001)、虚血性脳卒中は16%(0.84、0.71-0.99、P=0.005)少なかった。
 以上のリスク比を1年間にLDL-c 1mmol/L低下当たりに換算すると、主要な血管イベントのリスク比は0.72(0.66-0.78)、心血管死亡または非致死的心筋梗塞は0.74(0.65-0.85)、冠動脈血行再建術は0. 66(0.60-0.73)、虚血性脳卒中は0.69(0.50-0.95)となった。
 一方、スタチン投与群と非投与群を比較していた21件の研究では、べースラインのLDL-c値は3.70mmol/L、1年時には非投与群に比べ投与群のLDL-c低下が1.07mmol/L大きかった。
 上記と同様に、投与群と非投与群のイベント発生のリスク比を1mmol/L 低下当たりで示すと、主要な心血管イベントのリスク比は0.79(0.77-0.81)、心血管死亡または非致死的心筋梗塞では0.76(0.73-0.79)、冠動脈血行再建術は0.76(0.73-0.80)、虚血性脳卒中は0.80(0.73-0.88)となり、強化群と標準群を比較した場合とほぼ同様の結果となった。
 両方の試験の登録者を合わせて主要な心血管イベントのリスク比を求めたところ、1mmol/L 低下当たり0.78(0.76-0.80、P<0.0001)になった。続いてサブグループ分析を行ったが、1.0mmol/L低下当たりの主要な血管イベントリスク低減はどのグループの患者にも同様に見られた。患者をベースラインのLDL-c値で層別化しても結果に変化はなく、登録時に2mmol/L未満だった患者においても、また非投与群に割り付けられた患者であっても、1mmol/L低下当たりの利益は、ベースラインでLDL-c高値だった患者とまったく同様に認められた。
 26件の試験の登録者すべてを分析対象とすると、全死因死亡は1.0mmol/L低下当たり10%低下(リスク比0.90、0.87-0.93、P<0.0001)することが明らかになった。主に、冠疾患死亡(リスク比0.80、0.74-0.87、P<0.0001)と他の心疾患による死亡(0.89、0.81-0.98、P=0.002)の減少に由来するリスク低下だった。
 一方、LDL-c値の低下は、脳卒中死亡(0.96、0.84-1.09、P=0.5)、その他の血管死亡(0.98、0.81-1.18、P=0.8)には有意な影響を及ぼしていなかった。また、癌や呼吸器疾患、外傷といった非血管系疾患による死亡(0.97、0.92-1.03、P=0.3)と癌罹患(1.00、0.96-1.04、P=0.9)に対する有意な影響は見られなかった。
 LDL-c値を積極的に下げる介入は安全で、あらゆる患者において、主要な血管イベントは、1年間にLDL-c 1.0mmol/L減少当たり約20%減少することが明らかになった。著者らは、80mgシンバスタチンを用いるとミオパシーリスクが高まる可能性が示されているため、代わりに、より新しい、またはより強力なアトルバスタチンやロスバスタチンを用いる、またはそれらを標準的な用量のシンバスタチン、プラバスタチンや他のLDL-c降下薬と併用すれば、安全に利益を得ることができるだろう、と述べている。
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1119-613号 多剤耐性菌事件の本質 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 一昨日、院内幹部ヒアリングも無事終わり、やれやれと思う間もなく、次の仕事へと取り掛かっています。来週、福岡で「国立病院総合医学会」が開催されますが、かなり遅ればせながら、ようやくそちらの仕事に取り掛かることが出来ます。しかし、かなり厳しいタイムスケジュールです。来週までは時間との勝負!

 メールニュース配信やブログ更新も、さらにはご訪問もすることが出来ず誠に申し訳ありません。来月に入ったら少し落ち着くでしょう・・・希望的観測 ネットの方もこの数日ほとんどチェックも出来なかった状態で、かろうじて「イトカワ」微粒子と判明した喜ばしいニュースのみ活字で拾いました。その他は全くと言って良いほどチェック出来ていませんが、色々とあったようですね。

 まず今回は隣国の話題から入ります。


中国は“ルール無用” 広州アジア大会 東京新聞 11/17
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/news/CK2010111702000186.html
 【広州=朝田憲祐】広州アジア大会で中国選手団や観客らによるルールを逸脱した“愛国”行為が横行し、他国の選手らが冷たい視線を投げかけている。大会幹部は開幕前「金メダル数にはこだわらない。ホスト国にふさわしい、温かいもてなしと大人の対応をする」と語っていたが…。
 十六日のセパタクロー男子団体予選、マレーシア対中国では、試合開始時間になっても審判団が現れなかった。大会関係者に聞くと「中国チームが主審を中国人に代えろと急に言いだしまして」。
 さすがに主審の変更は認められなかったが、線審二人は中国人で、ライン際のボールをことごとく中国に有利に判定。試合は中国の“工作”も実らずマレーシアが勝ったが、「勝つためには何でもありなのか」と関係者はため息をついた。
 十三日に全五種目があったダンススポーツでは、採点者の印象に残りやすく有利とされる最終演技者は、すべて中国チームだった。演技順は抽選で決めるが、五種目全部で中国が最終になる確率は七千七百七十六分の一。その結果、中国勢がすべての金メダルを獲得した。日本チーム関係者は苦笑いを浮かべるだけだった。
 応援もすさまじい。競泳会場の中国応援席には、使用禁止の太鼓が持ち込まれ、中国選手の登場のたびに大きな音で連打。持ち込んだ経緯を聞こうと、応援席に近づくと「日本人はあっちへ行け」。入場ゲートの安全検査員も知らんぷりだ。
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 何とも言いようのない節操の無さ。まさに「虎の穴」。検査当直の時、夜中にアジア大会が放映されて少し見ていましたが、要するに品格の問題ですね。限定したエリアで恥をさらすのは百歩譲ったとして、宇宙を自分の庭化しないように各国は目を光らせる必要があります。自国の政治不和を宇宙で晴らさないようにしてもらいたいですね。正義のパンチはどなたがぶちかますのでしょうか???

 国際評価というものをもう少し意識されたら如何かしら?自分で自分の首を絞めていることにそろそろ気づいたら如何かしら?こんなこと書いたらまた隣国から猛烈なアタックが掛かりますね。アクセス数は増えますが、一体隣国のどなたが見ているのでしょう?隣国国民は見れないと思いますので、隣国国民にとってはまさに情報のブラックホール・・・(--;

 とにかく、お月さまにゴミの山や黄色い砂が増えないことを願います。


中国:初の有人宇宙ステーション、来年打ち上げ 軍需産業総動員で国威発揚 毎日新聞 11/18
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101118ddm007030114000c.html
 【珠海(中国広東省)浦松丈二】中国初の国産有人宇宙ステーションの実験機「天宮1号」が来年中ごろに打ち上げられる。珠海で開催中の航空・宇宙ショーで担当者が明らかにした。中国は20年までに長期滞在可能な宇宙ステーションを完成させ、将来は月面着陸を目指している。米露に続く有人宇宙プロジェクトを国威発揚につなげていく思惑がありそうだ。
 中国初の宇宙飛行士、楊利偉(ようりい)・有人宇宙飛行弁公室副主任は16日、珠海で報道陣に「天宮1号は総合テストの段階に入っており、来年中ごろ打ち上げられる。予定されているドッキング実験は宇宙ステーション建設の鍵になる」と説明した。
 中国は03年に初の国産有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げと回収に成功。来年中ごろに天宮1号を、同年後半に神舟8号を無人で打ち上げ、宇宙空間でドッキングさせる。さらに12年には神舟9号(無人)、同10号(有人)を打ち上げ、ドッキング技術の完成を目指すという。
 宇宙ステーションの建設・運用には巨額の費用がかかるため、単独で建設したのは旧ソ連(71年)と米国(73年)だけ。現在、日米露など世界15カ国が参加して国際宇宙ステーション(ISS)を建設中だが、建設・運用総費用が10兆円を超え、「人類最大のプロジェクト」といわれている。
 中国もISS参加を打診しているが、軍事利用を警戒する米国などが反対している。そのため単独で宇宙ステーション開発を進める中国は、国内の軍需産業を総動員して計画を主導する。
 中国が宇宙開発を国威発揚に結びつける背景には、国民の所得格差が深刻化するなか、巨額予算を宇宙に投じることへの国民からの批判を封じ込める狙いもありそうだ。
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 恥ずかしいニュースはこのくらいにして、お口直しを一席。少し遅くなりましたが、「はやぶさ君」の話題です。

 非常に喜ばしいというか、まさに快挙ですね!国民にとっての誇りです。と皆さん仰っているのですが、数年前の「はやぶさプロジェクト」に対する評価はどうだったでしょうか?政府の対応も冷たいもの。今回の快挙で国民の意思を無視出来ず、一気に形勢は逆転しました。事業仕分けではなかなか厳しい指摘もありましたが、研究費や助成金などの予算もある程度獲得できることでしょう。しかし今回はこのような大成功で終わったから良いものの、失敗で終わっていたならばどういった評価になっていたかというと、非常にお寒い気持ちになります。「研究」というものの本質を政府のみならず国民も理解してもらわないといけないのではないでしょうか?先行投資というか、ダメで元々的な感覚がないと無理ですね。ダメでも希望や勇気を与えられればいいんです。と割り切った考えを持てる方は、少ないかもしれませんね。かく言う私自身もある程度の成果は期待してしまいます・・・(--;


イトカワの砂―あっぱれを、次の宇宙へ 朝日新聞社説 11/18
 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2
 日本の小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子が、小惑星イトカワのものであることが確認された。
 月より遠い天体に着陸し、採取した物質を人類が手にするのは初めてのことだ。宇宙探査の歴史に残る快挙といっていい。
 イトカワまでの距離は、地球から太陽までの距離の2倍に当たる約3億キロもあった。はるか遠来の使者は何を語ってくれるだろうか。
 小惑星は46億年前に太陽系が誕生したときの名残をとどめているとされ、太陽系の化石ともいわれる天体だ。
 微粒子はこれから、日本国内だけでなく世界中の研究者に分配されてくわしく分析される。イトカワの生い立ちはもちろん、それを通して太陽系の起源に迫る成果を期待したい。
 今回、はやぶさのカプセルから見つかったのは細かな砂のようなもので、0.01ミリ以下の極微粒子約1500個に加え、やや大きいものもあった。
 弾丸を発射してイトカワの表面の物質を飛ばす装置は働かなかったが、着陸の衝撃で舞い上がった砂粒がカプセルにうまく入ってくれたようだ。
 目には見えない物質を分析チームの研究者がていねいに集めて分析した。鉱物の組成は地球の物質と異なって隕石(いんせき)に似ており、イトカワの観測から予想された成分とも一致することを確かめた。量はごくわずかだが、最新の装置を使えば、ほぼ予定通りの分析ができそうという。
 道のり60億キロに及ぶ旅の途中で交信が途切れ、エンジンも故障した。南天を赤く燃やした、この6月のはやぶさの奇跡的な帰還は記憶に新しい。
 プロジェクトを率いた宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授が「帰ってきただけでも夢のようだったのに、さらにその上」というように、ちっぽけな「はやぶさ君」は今度もまた、うれしい方へ予想を裏切ってくれた。「あっぱれ」というしかない。
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社説:イトカワ微粒子 天からの贈り物だ 毎日新聞 11/17
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101117k0000m070102000c.html
 容器を開けた時には空っぽにしか見えなかったという。「どうなることかと思った」とチームのメンバーは明かすが、工夫を重ね、目に見えない1500個の微粒子を分析し、小惑星「イトカワ」の物質であることを突き止めた。
 探査機「はやぶさ」が地球に帰還しただけでも快挙だった。5年前のイトカワでのサンプル採取自体は予定通りにいかず、空っぽでもおかしくなかった。それだけに今回の成果は、多くの人の努力に対する「天からの贈り物」のように思える。
 地球外天体のサンプル持ち帰りは月とほうき星に次ぐもの。「夢を超える成果で、点数は付けたくない」。チームを率いてきた川口淳一郎さんがそう語る気持ちはよくわかる。
 イトカワの物質と判断した決め手は微粒子の組成だった。電子顕微鏡で調べると微粒子はかんらん石や輝石(きせき)などで、組成が隕石(いんせき)の特徴と一致した。隕石は小惑星のカケラと考えられ、地球上の物質とは組成が異なる。はやぶさが観測したイトカワのデータとも一致した。
 小惑星は太陽系初期の姿をとどめているといわれる。今後の分析で、粒子ができた年代や当時の環境など、太陽系誕生の謎を知る手がかりも得られそうだ。「はやぶさ君」の活躍に比べると地味な分野だが、宇宙の歴史に迫る醍醐味(だいごみ)を感じる。
 サンプル収納容器には部屋が二つあり、今はまだ1部屋しか分析していない。残る1部屋の方がイトカワ着陸時の条件がよく、こちらの分析にも期待したい。
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小惑星探査機:イトカワ微粒子採取 迫る「太陽系の起源」「はやぶさ2」実現に期待 毎日新聞 11/17
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101117ddm012040004000c.html
 7年間の旅から今年6月帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワの物質を直接、持ち帰ることに成功した。年明けにも、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによる詳細な分析が始まり、直径0・01ミリ以下の微粒子を通して宇宙を探る分析が本格化する。一方、はやぶさが実証した小惑星へのサンプルリターン(試料回収・帰還)技術を高めた後継機「はやぶさ2」の実現にも期待が高まっている。【山田大輔、関東晋慈】
 はやぶさが持ち帰った微粒子は、光学顕微鏡で見えない極小サイズだが、試料容器の一部を調べただけでも1500個以上が見つかった。「数が多ければ予想外の物が入っていたり、有機物が見つかる可能性も出てくる」。分析チームリーダーの土山明・大阪大教授(鉱物学)は意欲満々だ。
 分析には、直径0・01ミリ以下の微粒子を十数枚に薄く切るダイヤモンド製の極小ナイフ「ウルトラミクロトーム」や、輪切り写真が撮れる「X線CT(コンピューター断層撮影装置)」など、国内にある十数種類の実験装置を使う。中の結晶構造や化学組成などをつぶさに調べる。これにより、微粒子ができた年代や当時の温度、ガス成分など当時の宇宙環境が分かる。これは太陽系46億年の歴史を知る「物証」となる。もしも有機物が見つかれば、地球の生命がどこから来たかの謎解きに一石を投じる可能性もある。
 これまでは地上に落ちてきた隕石(いんせき)を集め、分類する方法が主流だった。「地球環境による汚染を受けていない物質を調べることは、これまでにない学問の始まり」と、チームの藤村彰夫・JAXA教授は強調する。
 JAXAは現在、はやぶさの技術を発展させ、新たな小惑星を目指す「はやぶさ2」計画を進めている。
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 さて調子に乗って天文関連ニュースをもう1編。

 先ほど隣国の状況を情報のブラックホールと称したところですが、今度は本物のブラックホールの話題。

 ブラックホールジェット自体の言葉は知っていたのですが、理論的なものは全く知りませんでした。正確には、ハイブリッド・ブラックホールジェットというそうな。これについて説明したサイトもありましたので、ついでにご紹介。


ブラックホールジェット:国立天文台など、新理論 「光の圧力が関係」 毎日新聞 11/16
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/16/20101116ddm016040025000c.html
 ブラックホールのごく近くから高速で噴き出すガスの流れ「ブラックホールジェット」を説明する新しい理論を、国立天文台と京都大のチームが構築した。この理論に基づいて、実際の観測値に合致する現象を、スーパーコンピューターで再現することにも世界で初めて成功した。
 ブラックホールは非常に強い重力を持ち、その内部からは光も脱出できない。しかし、ごく近くで発生するブラックホールジェットは、細いガスの流れが光に近い速さで数十万光年にわたって噴き出す現象で、なぜ強い重力を振り切ってガスが噴き出すのかは謎だ。
 国立天文台の大須賀健助教(ブラックホール天文学)らは、ブラックホールが周囲のガスを引き込む際、ガスの摩擦によって発する光の圧力が関係していると考えた。ブラックホールの重力や磁場など、従来考えられていた要因に光の圧力を加味して、ブラックホールジェットが生じる仕組みを理論的に説明した。
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ハイブリッド・ブラックホールジェット: スーパーコンピュータが解き明かした新タイプのジェット
 
http://th.nao.ac.jp/~ohsuga/news/hybrid-jet.htm
 国立天文台天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)の大須賀健助教、京都大学大学院理学研究科宇宙物理学教室の竹内駿氏(元大学院生、現富士通)および嶺重慎教授の研究チームは、国立天文台のスーパーコンピュータ(Cray XT4)を用いた大規模シミュレーションにより、新しいタイプのブラックホールジェットを発見しました。
 ブラックホールはガスを吸い込むだけでなく、光の速度に近い速度で、細く絞られたガスの流れを噴出することが知られています。この噴出流(ジェット)は宇宙で最も激しいガス噴出現象の一つですが、強力な重力で周囲のガスを吸い込むブラックホールが、なぜ逆にガスをジェットの形で噴出するのか、未だに解明されていません。本研究では、光の圧力と磁場を巧妙に組み合わせるシミュレーションで、このジェットの形成メカニズムの解明に挑み、新しいタイプのジェットを世界で初めて発見しました。
 よく知られているようにハイブリッド車とは、その動力源としてガソリンと電気をうまく組み合わせることにより、環境にやさしくしかもパワフルで実用的な車を実現したものです。研究チームが提唱したモデルは、ジェットの駆動メカニズムとして従来から有力視されていた光の圧力と磁場の力という二つの力を巧妙に組み合わせることにより、従来のジェットモデルに比べ、より高速でかつ細く絞られたジェットを生み出すという画期的なモデルです。ハイブリッド車にちなみ、この新タイプの、ブラックホール近傍から噴き出すジェットは、ハイブリッド・ブラックホールジェットと名付けられました。
 より正確には、このジェットは、磁場の力で細くしぼられ、光の圧力で加速されるタイプのジェットです。多量のガスがブラックホールに吸い込まれる際、ガス中の磁場が増幅され、バネのようにぎっしり巻いた磁場構造が形成されます。この構造は磁気タワーと呼ばれ、ジェットを細く絞りこみます。同時に、ガスが放射した光の圧力が噴出ガスを加速するため、細く絞られた高速ジェットが発生するのです。この研究により、宇宙で知られている最もパワフルなジェット噴出を自然に説明することに成功しました。
 ブラックホールに吸い込まれるガスに働く光と磁場の力を同時に解くのは、高度な計算テクニックと超高速計算機を必要する計算であり、これまでは実行が困難でした。研究チームは国立天文台CfCAが有するスーパーコンピュータ(Cray XT4)を約2週間動かすことにより、はじめて新タイプのジェットの発見にいたりました。
 研究チームは、さらに大規模なシミュレーションを実行し、ジェットが周囲の星や銀河の進化に与える影響を解明することを計画しています。
 本研究は2010年10月25日発行の「日本天文学会欧文研究報告(PASJ)」に掲載されます。


 この手の話題には目が無いもので・・・もう一つ、ブラックホールについて。

 これはまた、ワクワクするようなニュースですね。私の年より若いブラックホールですか・・・もっとも5000万光年先での出来事ですが。宇宙年齢からすれば非常に画期的な発見で、今後、ブラックホールの増殖過程等を観察できる良い機会となりそうですね。ブラックホールについても再度調べてみましたが、ホワイトホール解というものもあるそうな。これって高気圧と低気圧みたいなものですかね???


観測史上最も若いブラックホールを発見 11/17
 
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101117002&expand&source=gnews
 誕生後わずか30年と推定される観測史上最も若いブラックホールが、地球からわずか5000万光年の場所で発見されたことが11月14日に発表された。これにより、ブラックホールの成長の初期段階を観測することが初めて可能となる。
 ブラックホールのほとんどは、大質量星が超新星爆発を起こした後に生まれると考えられている。超新星爆発の後に残った超高密度の核は、小さいが質量が非常に大きい中性子星となるか、または崩壊してブラックホールとなる。新たな超新星爆発は毎週のように宇宙のどこかで発見されているが、生まれたばかりのブラックホールの観測は一筋縄ではいかない。
 ブラックホールはその性質上あまりにも密度が高いため、光さえもその重力から逃れることはできない。ブラックホールを観測するためには、重力に引き寄せられて周囲に円盤状に集積した物質を見つけるしかない。今回発見された誕生直後のブラックホールもこうして物質が集積する過程にあると考えられる。
 研究の共著者でハーバード・スミソニアン天体物理学センターのエイブラハム・ローブ氏は声明の中で、「ブラックホールの一般的な形成過程が観測されたのはこれが初めてかもしれない。しかし、この種のブラックホールの誕生を検知することは非常に難しい。X線観測を何十年も続ける必要があるからだ」と述べている。
 このブラックホールを生んだ超新星爆発は、1979年にアマチュア天文家によって初めて観測された。その後、NASAのチャンドラX線観測衛星など地球を周回する各国のX線観測衛星が、渦巻銀河M100で起きた超新星爆発によって放射されるX線をとらえた。
 各観測衛星は、1995年から2007年にかけてこの超新星爆発の残骸の観測を続けた。その結果、X線を放射し続ける明るい部分が見つかった。これは、物質がブラックホールに吸い込まれる際に凝縮して高温になっていることを示す。
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ブラックホール 
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB
 ブラックホール (Black hole) は、重力が強く、光さえも抜け出せない時空の領域のことを指し、その中心に特異点が存在する。大質量の恒星が超新星爆発した後、自己重力によって極限まで収縮することによって生成したり、巨大なガス雲が収縮することで生成すると考えられている。ブラックホールの境界は、事象の地平面(event horizon) と呼ばれる。一般相対性理論では、厳密にはブラックホールは、『時空の他の領域と将来的に因果関係を持ち得ない領域』として定義される。
 21世紀初頭現在、ブラックホール自体を直接観測することはまだ成功していないが、周囲の物質の運動やブラックホールに吸い込まれていく物質が出すX線や宇宙ジェットから、その存在が確実視されている。銀河の中心には、太陽質量の×106?×1010倍程度の超大質量ブラックホール (super-massive black hole) が存在すると考えられており、超新星爆発後は、太陽質量の10倍?50倍のブラックホールが形成されると考えられている。20世紀末には、両者の中間の領域(太陽質量の×103程度)のブラックホールの存在をうかがわせる観測結果も報告されており、中間質量ブラックホール (intermediate mass black hole; IMBH) と呼ばれている。
 数式上は、すべての物質を呑み込むブラックホール解と相反するものとしてホワイトホール (white hole) 解が存在する。

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1110-611号 医療ナビ:風邪薬の選び方 市販品は1000億円市場。「症状別」「大人専用」など… [kensa-ML NEWS 【情報】]


 今朝も冷え込んでいましたね。通勤風景もコートを着込んだ方が多くなってきましたし、色調も黒っぽくなってきました。本日は検査当直のため、久し振りにゆったりと記事を作成しています。

 今朝のニュースで先日の尖閣ビデオの投稿が神戸市内の漫画喫茶から行われたとか。個人の特定はかなり困難な状況のようですが。今回ビデオ公開については政府側があまりにも慎重な態度・・・というよりもどっちつかずの対応(隣国に気を遣いすぎ?国民の要望は?)を行っていたため、業を煮やしたどなたかが投稿という形で配信したのでしょうね。私自身がとやかく言う立場でないのは良く分かっていますが、強い日本となりたいのか、冒険を好まず平和主義で行きたいのか、とにかく中途半端です。TPPにしろ、ノーベル授賞式にしろ、最低限、諸外国から馬鹿にされない、日本国民を馬鹿にしない対応をしてもらいたいものです。


社説:尖閣ビデオ 非公開の理由は薄れた 毎日新聞 11/9
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101109k0000m070110000c.html
 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影した映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局と警視庁が捜査に乗り出した。海上保安庁が「内部調査では限界がある」として、容疑者不詳のまま国家公務員法(守秘義務)違反と不正アクセス禁止法違反の容疑で告発したのを受けたものだ。
 流出映像には中国漁船が網を引き揚げるまでの違法操業行為や2隻の海保巡視船にぶつかるシーンなどが映っている。石垣海上保安部が編集して那覇地検に提出したものと同一とされており、職員が関与した可能性もある。
 職員が意図的に流出させたのだとしたら影響は深刻だ。漏えいの疑いがあり、海保自身が内部調査の限界を認めている以上、「調査」を「捜査」に切り替えたのは当然である。最高検は福岡高検を主体とした捜査チームを発足させ、警視庁は検察当局と連携するという。徹底した捜査をしてほしい。
 仙谷由人官房長官は8日の衆院予算委員会で、秘密保全のための法制検討の必要性を強調した。将来の法制整備の必要性を否定はしない。だが、菅直人首相が陳謝したように、政府がまず取り組むべきは情報管理体制の再構築と、動画投稿サイトを利用した新しい手口の情報流出に対する有効な対応策を早急に考えることだ。罰則強化だけに傾斜するのは問題がある。
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【産経抄】11月10日
 http://sankei.jp.msn.com/world/china/101110/chn1011100238000-n1.htm
 報道はやはり本当だった。AP通信や小紙は、来月10日にオスロで開かれるノーベル平和賞授賞式に、中国が日本や欧米各国に大使を出席させないよう要請したと過日、報じた。民主活動家である劉暁波氏への授賞に反対してのいやがらせである。
▼まさか、中国のような大国が、他国の大使が式典に出る、出ないといった細かいことにまで口出ししないだろうと半信半疑だったが、あさはかだった。きのうの衆院予算委員会で前原誠司外相があっさり認めた。
▼授賞式は、ノルウェー国王夫妻が出席して開催され、同国駐在の各国大使も招待される。「犯罪者への平和賞授与は中国への内政干渉だ」と怒っている割には、他国への礼節もわきまえず、平気で内政干渉するところはさすが一党独裁国家だけのことはある。
▼さすがでないのは、わが前原外相と菅直人首相だ。野党議員から「出席するのか、しないのか」と問われても外相は「適切に判断する」と答えただけ。首相に至っては、むにゃむにゃと何をいってるのかわからなかった。
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 今朝の報道各紙、TPPが花盛り。来年6月をめどに参加を判断するという閣議決定ですが、火急に議論、検討を行わないと日本の第一次産業は崩壊することに繋がります。消費者にとっては一時的な恩恵が得られるかもしれませんが、しっかりとした第一次産業の構造改革を行わないと、荒れ果てた農地が各地で広がってしまうことを危惧します。日本農業の抱える問題点や歴史など、かなり分かりやすく記載されているコラムをご紹介しておきます。ご興味のある方はどうぞ。

 報道機関は強い日本がお好みのようですが、将来的なビジョンがあるのかどうなのか、はなはだ疑問です。良いものを後世に伝えたいものですね。
 
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0176.html
 http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/12.html


TPP:基本方針を閣議決定 参加判断「来年6月ごろ」 毎日新聞社説 11/9
 
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101109k0000e010046000c.html
 政府は9日の閣議で、「包括的経済連携に関する基本方針」を決定した。原則すべての品目を自由化する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、「関係国との協議を開始する」と明記する一方で、国内農業への影響を懸念する与党内の慎重派に配慮し、TPP参加の判断は先送りした。菅直人首相は13、14日に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、基本方針を踏まえ、TPPへの対応を表明する。【小山由宇】
 TPPに関し、基本方針では「情報収集を進めながら対応していくことが必要であり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」と記した。
 同時に国内農業に配慮、農業振興や食料自給率向上策を講じる「農業構造改革推進本部」を設置し、来年6月に農業改革の基本方針を決定することも盛り込んだ。仙谷由人官房長官は9日の会見で、判断の時期は農業改革の基本方針をまとめる来年6月前後になるとの見通しを示した。
 基本方針は2国間の経済連携協定(EPA)推進もうたっている。ペルー及び豪州との交渉妥結、日韓交渉の再開を記し、「取り組みを加速化する」などとした。
 9日の閣議で、菅首相は「農業再生を念頭に置きながら国を開く、重大な基本方針だ。『平成の開国』で必ずプラスになる」と強調。さらに、「農業構造改革推進本部長(議長)として抜本的改革を進める」とTPPの前提となる農業改革に意欲を示し、来年度の農業関係予算充実のため、玄葉光一郎国家戦略担当相や鹿野道彦農相らによる4閣僚会合を開催することを指示した。
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TPP:協議開始、閣議決定 農業強化、展望なく 菅首相「平成の開国」 毎日新聞社説 11/10
 
http://mainichi.jp/select/biz/news/20101110ddm002020088000c.html
 政府は9日の閣議で「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」について「関係国との協議を開始する」との基本方針を決めた。TPP交渉中のオーストラリアなど9カ国の実務者会合にこの方針を報告、同時に関税撤廃の影響を受ける国内農業の強化策に取り組む方針を示し「平成の開国」(菅直人首相)に動き出した。しかし、財政が逼迫(ひっぱく)する中、関税100%撤廃が原則のTPP交渉の最大のハードルの国内農業強化策をどこまで進められるか、見通しは立っていない。TPPを主導する米国は来年11月までにTPPの枠組みを固めたい考えで、今回先送りした参加の判断も含め、日本に残された時間は少ない。
 「農業の成長産業化という攻めの政策が必要だ」。菅首相の右腕としてTPP協議を推進する玄葉光一郎国家戦略担当相は「協議開始」の閣議決定を受けた後の会見でこう強調し、TPP交渉参加の前提となる国内農業の強化に意欲を見せた。
 閣議決定は党内の慎重派などに配慮しTPPへの「参加」を明記せず、国内農業の振興などの対策に取り組む「農業構造改革推進本部」を設置することを表明。農業対策を取りまとめた上で、来年6月にTPP交渉への参加の是非を決定するスケジュールを描いた。
 農業の競争力強化の検討を先行させ、TPPによる国内農家への打撃を懸念する政府・与党内反対派を抑えた形だ。しかし、国内農業の強化策は一筋縄ではいきそうにない。米国などからは早くも日本に牛肉などの関税撤廃を求める声が上がっている上、日本がこれまでの通商交渉で「聖域」としてきたコメも例外扱いが認められない可能性が高い。「TPPではコメの部分開放に踏み切った93年の旧GATTウルグアイ・ラウンド合意をしのぐ農業対策が必要」(経済官庁幹部)。有効な青写真をわずか1年足らずで描けるかは分からない。
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余録:TPPの岐路 毎日新聞コラム 11/10
 
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 「創意工夫の精神に満ちた民族。豊富な資源と商業をはぐくむ能力。こうした日本人の能力、エネルギー、企業家精神を鑑みると、内に閉じこもる方針を改めさえすれば、世界の国々と広範囲にわたって交易のメリットを享受できるはずだ(一部略)」▲これは黒船来航の1年前に英経済誌に載った論文の一部だ。そこでは「日本は極東のイギリスになる可能性が高い」と述べられた。この文を引いた歴史家C・マックファーレンの著作(邦訳「日本 1852」草思社)はペリーの日本遠征の基礎資料になったという
▲だがペリー来航から明治新政府が改めて開国を決定するまでには16年間にわたる幕末・維新の動乱を経験せねばならなかった。さて、では菅直人首相がいう「平成の開国」が実現するまでにはどんな歳月を要するのだろう
▲原則全品目の関税を撤廃する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をめぐり、政府は参加の判断を来年6月まで先延ばしする方針を閣議決定した。その間、TPPで壊滅するともいわれる国内農業の構造改革にめどをつける一方、関係国との協議も開始するという国内外両にらみの調整を進めることになる
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TPPへの参加表明を腰砕けにするな 日本経済新聞社説 11/7
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E5E4E4E0EAEBE2E2E7E3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する意思を、明確に示せなかったのは残念だ。政府が6日夜にまとめた経済連携協定(EPA)の基本方針は、与党内の反対論に配慮した結果、TPP交渉参加についてあいまいな表現にとどまった。腰が定まらないと見なされれば、日本は門前払いにされかねない。
 TPPへの日本の姿勢を表明する舞台となるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、1週間後に迫った。菅直人首相は民主党内に残る反対論をはねのけて「交渉参加」の意思をはっきり示すべきだ。
 政府の基本方針は、TPPについて、まず「情報収集を進めながら対応していく必要がある」と指摘し、その上で「関係国との協議を開始する」としている。
 悠長なことを言っている場合ではない。国内景気は回復にめどが立たず、尖閣諸島や北方領土をめぐる外交情勢は危機的だ。米国との連携を強くし、アジアの経済の活力を取り込む政策の実行は一刻を争う。
 米国は来年秋の交渉決着を目指しており、早く交渉に参加しなければ日本の主張を協定内容に反映できない。今回の政府の基本方針の文面では、日本が何を目指しているのか世界には伝わらないだろう。
 TPPへの対応は、文書の表現上の「交渉」と「協議」の違いなど小手先の細工で乗り切れる問題ではない。アジア太平洋地域に新しい貿易秩序を築く共同作業に、加わるかどうかの大きな政治判断である。
 反対派には、コメを関税撤廃の例外として交渉から外す期待があるようだ。だが、現在9カ国の交渉国はすべての貿易品目を交渉の机に乗せることを参加の条件としている。
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【主張】TPP「協議開始」 玉虫色では相手にされぬ 産経新聞社説 11/8
 
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101108/erp1011080313001-n1.htm
 強い国造りのチャンスをみすみす逃すのか。政府が決定した貿易自由化の基本方針は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への「交渉参加」を削除し、参加判断を先送りした。農業への打撃を心配する政府・与党内の反発で迷走したあげく、玉虫色の表現になった。極めて遺憾だ。
 TPPは米国が事実上主導し、関税を原則撤廃する高いレベルの自由貿易圏をめざしている。いま参加する決断を下さなければ、メンバー国から相手にされず、門前払いされる恐れもある。
 国内では経済の長期低迷、外交では尖閣諸島や北方領土問題など喫緊の課題が山積している。TPP参加は成長戦略になり、日米同盟深化にもつながる。曖昧(あいまい)な姿勢を取っている暇はないはずだ。菅直人首相は強い指導力を発揮し、交渉参加を明示すべきだ。
 政府が6日夜、最終決定した基本方針は、TPPについて「情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」との表現にとどまった。当初原案は「交渉参加を目指し協議を開始する」と明記する方針だった。明白な後退だ。
 そもそもこんな文言で協議入りできると考えるのが甘いのではないか。参加を前提としない「情報収集」なら中国と同じである。
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 さて良いものを後世に残したいといった話題はここまで。ここからは前世を振り返るというか、日本人のルーツを遺伝子レベルで解析という話題のご提供です。mtDNA、すなわちミトコンドリアDNA(ミトコンドリア内にあるDNA)のことですが、一般の方々には非常になじみの薄いものではないでしょうか?記事よりも少々詳しめに引用しておきます。


ミトコンドリアDNA
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2DNA
概要】
 ミトコンドリアDNA は、ミトコンドリアの持つたんぱく質などに関する情報が主に含まれており、ミトコンドリアが分裂する際に複製が行われる。ミトコンドリアに必要な情報の一部は核DNAに含まれており、ミトコンドリアは細胞の外で単体では存在できない。また逆に細胞が必要とするエネルギーを酸素から作り出せるのはミトコンドリアの働きによっており、細胞それ自体もミトコンドリアなしには生存できない。これらのことはミトコンドリアが細胞内共生由来であるという仮説の傍証となっている。
 一般にミトコンドリア病と呼ばれるミトコンドリアの異常によって起こる疾病も、ミトコンドリアDNAの異常に起因するものと、核DNAの異常に起因するものとがある。 ミトコンドリアDNAの遺伝子多型は、肥満しやすさの個体差に関係していると考えられている。 さらに、近年ではミトコンドリアDNAにおける変異が、がんの転移能に影響を与えているという報告もある。(Hayashi et al, 2008)
【特徴】
 ミトコンドリアDNAは一般的にGC含量が低く(20-40%)、基本単位が数十kb程度であり、電子伝達系に関わるタンパク質、リボソームRNAやtRNAなど数十種類の遺伝子を持っている。しかしDNA分子の大きさや形状、コードされている遺伝子の数や種類などは、生物によって大きく異なる。
 遺伝子地図などではミトコンドリアDNAが環状に表現されることが多い。しかし物理的に環状のミトコンドリアDNAを持つ生物は、高等動物やキネトプラスト類などごく一部に限られる。多くの生物ではDNA分子が、環状の基本構造からトイレットペーパーを引き出すかのように連続的に複製され、その結果ミトコンドリアDNAの大部分は基本単位が何度も繰り返す線状反復構造になっている。また少数派ではあるが、常に線状のミトコンドリアを持つ生物も存在している。


分子人類学:遺伝子レベルで迫る「新・人類学」 日本人のルーツ推定可能に 毎日新聞 11/9
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101109ddm016040008000c.html
 日本人はどこから来たのか。この疑問に、遺伝子から迫る「分子人類学」が注目されている。細胞の小器官・ミトコンドリアのDNAを詳しく調べることにより、その人のルーツが推定できるのだ。この手法は、日本人の起源を知る研究に加えて、遺伝的特徴と寿命や体質との関係についても、さまざまな材料を提供してくれるという。【斎藤広子】
 ヒトの遺伝情報は、父親と母親から受け継がれ、細胞の核の中にあるDNAに格納されている。これとは別に、ミトコンドリアにもDNA(mtDNA)があり、母親からだけ受け継いだ情報が詰まっている。
 mtDNAには、一部の配列で塩基が置き換わるなどの個人差がある。同じ個人差を持った集団は特定の地域に分布するなどの特徴があり、その数は世界で100以上、日本では約20にのぼる。こうしたグループを「ハプログループ」と呼ぶ。国立科学博物館の篠田謙一・人類史研究グループ長(分子人類学)は「主要分布地域から、特定のハプログループがどこで誕生し、どのように広がったか、また配列の特徴から、いつごろ誕生したのかを探ることもできる」という。出土品や人骨の特徴から探ってきた考古学的な人類学とは異なり、遺伝子レベルで迫る新しい人類学だ。
■突然変異で分類
 人類は20万年前にアフリカで誕生し、世界に広がったとされる。この間、mtDNAも突然変異を重ねてきた。ある女性のmtDNAに突然変異が起きると、その子どもは父親にかかわらず突然変異を受け継ぐ。その子孫の女性のmtDNAに突然変異が起き、受け継がれることによって、新しいハプログループが生まれる。裏返せば、同じハプログループに属している人は、究極的には同じ母親にたどり着くというわけだ。
 篠田さんらの調査では、沖縄県民の4人に1人が「M7a」というハプログループに属す。それ以外の日本人(M7aは全体の約7%)に比べ目立って多い。さらに調べると、M7aのルーツは「約2万5000年前、琉球列島を中心とした地域」と推定できる。
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 次はHIVについての話題。HIVは非常に変異する能力を強いウィルスとして有名ですが、AIDS発症を抑える薬物治療に関してはかなりの成果が得られ、近未来的に人類と共存できるウィルスではないかと思われます。HIVの薬物治療については以下引用のものがありますが、この薬物治療とは全く異なる機序で増殖抑制できるのでは?とかなり期待の持てる内容ですね。関連資料を以下に引用します。


エイズの薬物治療 日本薬学会
 
http://www.pharm.or.jp/hotnews/archives/2001/04/post_89.html
抗HIV薬の分類
1. ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
  (NRTI; Nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor)抗HIV薬の中で最初に登場し、HIVが増殖する際、 RNAをひな型としてDNAを合成するときに必要な逆転写酵素を阻害する。現在日本ではジドブジン(ZDV=AZT)、 ジダノシン(ddI)、 ザルシタビン(ddC) 、サニルブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、ジドブジン・ ラミブジン製剤(AZT+3TC)、アバカビル(ABC)の7剤が承認されている。
2. 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
  (NNRTI; Non-nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor)日本ではネビラピン(NVP)、 エファビレンツ(EFV)、 デラビルジン(DLV)の3剤が承認されている。
3. プロテアーゼ阻害薬
  (PI; Protease Inhibitor)HIV増殖の最終段階で産生した複合蛋白(ポリプロテイン) をプロテアーゼによって特定の長さに切り分け、 ウイルスは成熟する。この複合蛋白の切断を阻害するのがPIである。 この系統の薬は、肝代謝酵素シトクロムP-450 3Aにおける相互作用の問題などがある。 現在日本では、 サキナビル(SQV)、リトナビル(RTV)、インジナビル(IDV)、ネルフィナビル(NFV)、アンプレナビル(APV) の5剤が承認されている。


Vif
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E5%85%8D%E7%96%AB%E4%B8%8 D%E5%85%A8%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
 vif(Virion Infectivity Factor)は細胞質に存在し、ウイルス粒子が感染性を持つようになる因子であると考えられていた。しかしvif変異体の研究では、宿主細胞によって機能がまちまちであり、機能がはっきりしていなかった。近年の研究により、ウイルスRNAから複製されたDNAのマイナス鎖中で、シチジン残基をウラシルに変換し、レトロウイルスゲノムを破壊する細胞内因子APOBEC3Gの抑制に関与する事が判明した。詳細な機構は完全に解明されていないが、Vifが細胞自身のユビキチン-蛋白質リガーゼのいくつかと複合体を形成し、それによってAPOBEC3Gを蛋白質分解酵素の標的にし、APOBEC3Gを破壊する事で、HIV-1のゲノムがダメージを受ける事を回避させていると考えられている。


HIV増殖の仕組みを解明 エイズ新薬開発に期待 共同通信 11/9
 
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110801000649.html
 エイズウイルス(HIV)の増殖を促進するタンパク質の働きを、京都大の高折晃史教授(血液・ウイルス学)とエイズ予防財団の泉泰輔研究員らのチームが突き止め、9日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 患者の体内でウイルスの増殖を抑えることにつなげられれば、エイズの新たな治療薬開発に役立つ可能性があるという。
 HIVがヒトの細胞に感染すると、HIVがつくる「Vif」というタンパク質が活発に働き、細胞の分裂や成長を止める特定の遺伝子を、細胞の中心部にある核へ移動させる。
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 さてメインニュースの前にインフルエンザの関連ニュースをお届けします。既に皆さんもご存じのように、昨年は新型インフルエンザ感染症に2000万人以上も感染したと言われておりますが、今年はなりを潜めているようで、A香港型が感染の主流(新型の二倍)となっています。これまではAソ連型が主流だったと思いますが、久し振りのA香港型流行となります。ということは、特に免疫力が低下している方や若年者、お年寄りなどは要注意ということになりますので、くれぐれもお気を付け下さい。何度も申し上げてきていることですが、感染拡大防止からもスタンダードプリコーション励行が一番大切です。


H3N2亜型 http://ja.wikipedia.org/wiki/H3N2%E4%BA%9C%E5%9E%8B
 H3N2亜型(Influenza A virus subtype H3N2)は、A型インフルエンザウイルスの亜型の一つであり、H3N2、A (H3N2)とも表記される。 香港かぜを引き起こした亜型であり、A香港型あるいは香港型とも呼ばれる。
 主にヒト、およびブタに感染し、ヒトとブタの間でも相互に感染する。H3N2は、他の亜型との間で遺伝子再集合によって抗原シフトを起こすことがある。


インフルエンザ、流行開始の兆し 北海道と沖縄で 朝日新聞 11/8
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201011070288.html
 インフルエンザの流行開始の兆しが、北海道と沖縄県で見られることが国立感染症研究所の調査でわかった。ウイルスの型は、新型の豚インフルエンザがほとんどだった昨季と異なり、今季は今のところA香港型が多いという。
 感染研が5日まとめたデータでは、最新の1週間(10月25日~31日)にインフルエンザ症状で医療機関を受診した人は、定点1医療機関あたり0.15と少ないが、都道府県別でみると、北海道1.06、沖縄県1.02で、流行開始の目安となる1を超えた。北海道は、浦河保健所管内が注意報レベルに達し、苫小牧保健所管内なども流行に入っている。
 感染研の感染症情報センターの安井良則・主任研究官によると、寒さが厳しくなる北海道や東北地方は他の地域より流行入りが早く、11月、12月は要注意という。
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エジプトの鳥インフル変異か 人に感染しやすく 共同通信 11/7
 
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110701000295.html
 鳥から人に感染し死者も出ている鳥インフルエンザウイルス(H5N1)のうちエジプトで鶏などから採取されたウイルスは、人に感染しやすいように変異しているとの研究結果を、大阪大微生物病研究所の渡辺洋平特任研究員らとエジプト・アレクサンドリア大の研究グループが7日までにまとめた。
 渡辺さんは「エジプトではH5N1ウイルスの人への感染が多くなっており、その原因の可能性がある。人に感染が容易に広がるとはまだ考えられないが、注意深くウイルスを監視する必要がある」と話している。徳島市で開催中の日本ウイルス学会で8日発表する。
 鳥のインフルエンザウイルスが感染する相手は通常、ウイルス表面にあるタンパク質が結合できる「鳥型の受容体」を持つ細胞に限られる。人の上部気道には人型の受容体はあるが鳥型の受容体がないため、鳥のウイルスは人に感染しにくい。
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インフルワクチン、副作用で死亡疑い…80代女性 読売新聞 11/9
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=33003
 厚生労働省は8日、インフルエンザワクチンの副作用が疑われる今季初の死亡例の報告があったと発表した。
 心臓病や気管支ぜんそくを治療中の山形県内の80歳代女性が、接種後に抗生物質を服用し、アレルギー性のショックを起こして死亡した。女性は10年前から毎年ワクチンを接種し、同種の抗生物質もときどき服用していたが、ショックを起こしたのは初めてという。
 今季のワクチンは新型と季節性のA香港型、B型の3種混合で、すでに約2500万人分を出荷。これまでの副作用報告は162人で、このうち重い副作用は今回を含め20人出ている。
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 さて本日のメインニュースに移ります。

 私自身、この数年ほどは寝込むほどの風邪をひいたことがありませんし、病院勤めなもので、薬局で市販品を購入することは全くと言って良いほどありません。元々虚弱体質でしたが(--;、病院勤めをしているうちに病気に対しても人に対しても、色々なものに対して抵抗力が身についたのではないかと思います。ま、そんな話はともかく、私の場合、風邪薬と言えばPL顆粒で、必ず眠気を誘うものだと思いこんでいましたが、そんなこともないのですね。いやぁ、色々とあるものです。いやぁ、勉強になりました。

 
以上、神戸市営地下鉄車中からお送りしました。本日は京阪電車が列車故障のため、かなり遅れてしまいました。病院にはギリギリ何とか間に合うでしょうね。・・・間に合いました・・・[手(チョキ)]


【毎日新聞社医療ナビ 2010/11/07】
 風邪薬の選び方 市販品は1000億円市場。「症状別」「大人専用」など…
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101107ddm013100024000c.html
=================================================
◇常備用には総合感冒薬
◇引き始めの服用、効果的 成分少ない薬に利点も
 「眠くならない」「1日2回」「のどの痛みに」--。東京都千代田区のドラッグストア「セイジョー神田神保町店」の風邪薬コーナーには数え切れないほどの商品が並び、さまざまな宣伝文句が目を引く。大崎達弘店長は「年配の方は飲み慣れた製品を選び、若い世代は薬剤師などに症状を訴え、相談する人が多い」と話す。
 市販の風邪薬市場は1000億円規模で、一つのブランド名から何種類もの製品が出ていることも珍しくない。症状や生活状況に合わせて選ぶことが大切だ。
 風邪は医学的には「風邪症候群」と呼ばれ、鼻やのど、気管支などに急性の炎症が起こる病気だ。8~9割はウイルス感染が原因で、鼻風邪を起こすライノウイルス、のどの痛みを伴うアデノウイルスなどがある。たいてい1週間ぐらいで自然に治るが、肺炎や熱性けいれんを引き起こすこともあり、油断はできない。
 風邪薬は原因ウイルスに働くのではなく、さまざまな症状を和らげるものだ。熱や痛みには解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンが代表的。くしゃみ、鼻水や鼻づまりに有効なのは、花粉症の治療にも使われる抗ヒスタミン成分。せきやたんにはジヒドロコデインリン酸塩やメチルエフェドリンなどの成分が使われる。
 第一三共ヘルスケア経営企画部の森上智行さんによると、総合感冒薬と呼ばれるものにはこうした成分がまんべんなく含まれ、のどの痛みやせきなど11の症状に効果がある。「幅広い症状に対応し、家庭の常備薬に向いている」という。
 最近はこうした常備薬タイプだけでなく、特定の症状への効果を強調する「症状別」や「大人専用」(15歳以上)の市販薬も増えている。今秋はライオンが風邪薬市場に参入、特に熱やのどの痛みへの効果を訴える大人用製品を発売した。
 ただし、症状別でも、幅広い症状に対応できるように配合されている薬が多い。のど、鼻、発熱の三つの症状別タイプを先駆けて発売した武田薬品工業は「鼻水から始まってのどが痛くなる場合もあるため、症状別タイプにもいろいろな成分が必要」(広報担当)と説明する。つまりこうした症状別タイプもある意味では総合感冒薬だが、特定の症状により一層効果を示すのだという。
 改正薬事法で、風邪薬の多くは副作用などで注意を要する「第2類医薬品」に分類されている。例えば、睡眠改善薬の成分としても使われる抗ヒスタミンは眠気を起こすことがあり、「高齢者では尿が出にくくなったり、口が渇くなどの副作用が表れやすい」と大正製薬セルフメディケーション開発研究所の木島春子・主任研究員。同社ではドライバーや高齢者の使いやすさを考慮し、抗ヒスタミン成分を配合しない製品も販売している。
 眠くなると困る人には、葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬もある。ただし「葛根湯は体の防御機能を高めて症状を改善させるため、風邪の引き始めに飲むことが大切」(森上さん)という。
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1101-608号 あなたの処方せん:/19 手肩のしびれ/5止 正確な診断で正しい治療 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 10月は何かと慌ただしい月でした。メール配信、ブログ更新も思うように出来ず、本当に申し訳ありませんでした。11月も後半に国立病院総合医学会があり、非常に慌ただしい月ですのであまり配信・更新出来ないかもしれませんが、出来る限り頑張りますので、ご支援いただければ幸いです。本日の記事はここ数日間で気になった記事をお届けします。主として先週の記事なので、必要以上のコメントは差し控えます。


 いつものように社説、コラムのご紹介から。このところ政治色・国際色の強いものが多かったのですが、ちょっと一休み、のようなものがありましたのでご紹介します。今年の秋は紅葉と初冠雪を同時に楽しめた地域もあるようですが、正直言って普通が良いですね。


余録:台風と寒波の錦秋 毎日新聞コラム 10/29 http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 「秋の日本こそ典型的な地上の楽園だ」。こう書くのは明治時代に来日した米女性旅行家シッドモアだ。桜咲く日本の春を絶賛し、ワシントンのポトマック河畔に日本の桜の植樹を提案した彼女だが、「もっと素晴らしいのは秋だ」という
▲「陽光はまろやかに暖かで、野山は壮麗に色づく。空気は清く澄み、そして明るい」「山腹はどこも草木の葉が見事な色合いでもつれる」。樹種が多く、彩りの豊かなことでは世界でもまれな紅葉と、天高く澄みわたる青空。多くの外国人を魅了した日本の秋である
▲とくにシッドモアは「秋分のころ見舞う嵐」が過ぎた後の何週間か、「冬のすさまじさ」が訪れる前の穏やかな天気をたたえている(「日本・人力車旅情」有隣堂)。紅葉前線が南下する今、まさにその「地上の楽園」と呼ばれた黄金の季節が訪れる……はずだった
▲10月としては記録的寒気が北日本に雪を降らせ、冷たい雨に震えた地方が多い列島である。一方、季節外れの台風14号が沖縄から奄美群島、週末には本土をうかがっている。夏の名残の「嵐」と「冬のすさまじさ」に挟み撃ちされて、さて「秋」はどこへ行ったのか
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天声人語 朝日新聞コラム 10/31 http://www.asahi.com/paper/column.html
 秋は一番からだもこころもひきしまって、勉強のできる時――と童話「風の又三郎」の先生は言った。さわやかなその季節に、北からは寒波、南からは台風。乱調の秋に惑った10月の言葉から
▼50代で視力をほとんど失った東京の染織家、浅野麻里さんが、盲導犬と出会って絶望を乗り越えた体験を絵本にして出版した。「視力は失っても、色彩の世界に身を置き、想像力で心が温かくなる話を書きたい」と書き下ろした。生きることに苦しさを感じている人に読んでほしい、と願いを語る
▼福島県の平田村立蓬田(よもぎた)中学校では、生徒が毎年「学級歌」を作る。今年も3年生34人が100回も書き直して歌詞を仕上げた。音楽の久野(ひさの)雅敏先生(52)は「生徒たちが言葉と格闘してできた歌は、一つとして同じものがない」。まさにオンリーワンである
▼無垢(むく)で笑える子どもの発言を紹介する小紙の投稿欄「あのね」が10周年。特集紙面に仙台の9歳、10月生まれの早川雄人くん。テレビで「今年は秋はない」というのを聞いて「エ!僕のお誕生日も今年はないの!?」
▼名刺の肩書は「アマゾンの百姓」。ブラジルの開拓移民、長坂優(まさる)さん(70)は現地で植林活動に余念がない。「自然の恩恵を受けてきた百姓が破壊者になっていたんです」。開拓仲間とともに20年で5万6千本を植えた
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 さて各種医療改革や制度改革など日本の医療の将来を左右する重要案件が様々なところで議論されていますが、各報道機関とも厳しい評価のものが多いですね。特に今後の医療財源に大きく関わる高齢者医療、高額医療制度に関する記事をご紹介します。


高齢者医療―こんな改革はいらない 朝日新聞社説 10/29
 
http://www.asahi.com/paper/editorial20101029.html#Edit1
 いたずらに混乱を招くだけで、副作用が大きすぎるような改革は、やめるべきだろう。
 後期高齢者医療制度を廃止したあとに、どんな新制度をつくるのか。厚生労働省の改革会議で、議論が進んできた。7月に原案が示され、先日は新制度で保険料などの負担がどう変わるかについての試算も出た。
 だが、新制度案はきわめて複雑で、誰の負担にどう影響するのか、理解することすら容易ではない。それでいて、本質的なところで中身は現行制度と変わりない。小手先の変更に終始した印象はぬぐえない。
 75歳以上のお年寄りの医療費を切り離して別勘定にし、保険料、現役世代からの支援金、公費(税金)の三つで賄う。「うば捨て山」と批判された構造自体は温存されるのだ。
 ただし、会社に勤めていたり、息子や娘らに扶養されていたりする人は健康保険組合などへ戻る。それ以外は国民健康保険に加入する。
 これで民主党が政権公約に掲げた「今の制度を廃止する」との約束を守ったと説明はできても、看板を変える以上の意味は見いだせない。
 その一方、各保険制度ごとに「別勘定」ができるため、お金のやり繰りは格段に複雑化する。制度のわかりにくさは、それ自体が不信を招く要因だ。高齢者と、それを支援している現役世代の双方が納得できないような制度になりかねない。
 厚労省は、他にいくつかの制度変更も提案している。
 高齢者の保険料率の伸びを今よりも抑える。高齢者への支援金を現役に割り当てる際、中小企業の社員が中心の協会けんぽでは負担を軽く、高収入の社員が多い健保組合では重くする。70歳から74歳までの窓口負担を1割から2割に引き上げる、などだ。
 また、長期的な課題として、国民健康保険の運営全体を市町村から都道府県単位にする方針も打ち出した。
 こうした変更は、現行制度下でも実施できる。余計な制度いじりと切り離し、実現可能性を探ればよい。
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高齢者医療制度 財源論抜きで改革は進まない(10月28日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101027-OYT1T01133.htm
 社会保障全体の財源論を欠いたまま、高齢者医療の負担を押しつけ合っても、「新しい高齢者医療制度」は国民に受け入れられないだろう。
 厚生労働省が、後期高齢者医療制度に代わる新制度について、高齢者と現役世代が負担する保険料などの見通しを「高齢者医療制度改革会議」に示した。
 75歳以上の後期高齢者の保険料負担を抑えるため、大企業の健保組合や公務員の共済組合に負担増を求める。一方で、70~74歳の医療費の窓口負担を、現行の原則1割から2割へと段階的に引き上げる――といった内容だ。
 医療費のかかる後期高齢者は今後、大きく増加する。その負担を後期高齢者だけに求めきれない以上、どこかで肩代わりしなければならない。負担の見直しは、やむを得まい。
 だが、負担増を迫られる層の納得は得られるだろうか。
 高齢者だけでなく、現役世代も苦しい。大企業の健保組合も保険料の上昇に耐えられず、解散する事例が相次いでいる。世代を問わず、保険料や窓口負担の重さは限界に近い。
 そうであれば、公費の投入を増やすしかない。そのためには消費税で社会保障財源を確保し、どこまで公費を拡大できるか、併せて検討することが不可欠だ。
 しかし、そうした財源論がないまま、新しい制度の議論が進められている。政府・与党が「後期高齢者医療制度を廃止する」という政権公約(マニフェスト)の実行を急いでいるからだ。
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厚労省/高齢者医療制度改革案を提示 公費、自己負担引上げへ Japan Medicine 10/29
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/29/127679/
 厚生労働省は25日の高齢者医療制度改革会議(座長=岩村正彦・東京大大学院教授)に、高齢者医療への将来的な公費投入割合について、4年ごとを軸に定期的に見直すことを提案した。当面は47%にとどまっている75歳以上の公費負担割合を、新制度に移行する2013年度に50%に引き上げる。
 現行の後期高齢者医療制度では、給付費の約5割を公費負担としているが、現役並み所得のある高齢者(約120万人)には公費が投入されていないため、実質的には47%にとどまっている。この割合を50%に引き上げることで、約3500億円を追加投入することになる。さらに、改革会議の中間取りまとめで公費投入について「高齢者や現役世代の保険料負担の増加を抑制するために、効果的な投入を図りつつ、充実させていくことが必要」と指摘したことを踏まえ、定期的に医療費動向や社会経済情勢などを踏まえながら、公費の在り方を検討する仕組みを導入することを提案した。
被用者保険者間案分は全面的に総報酬割
 被用者保険の支援金の案分については全面的に総報酬割を導入することを提案した。現行の3分の1総報酬割、3分の2加入者割と比べて、協会けんぽの負担は2100億円の負担減となる一方、健保組合は1300億円、共済組合は800億円の負担増となる。現役並み所得のある高齢者の公費負担割合を5割に引き上げた場合、健保組合で負担が増えるのは540組合、負担が減るのは922組合。共済組合では負担増が62組合、負担減が21組合となる。
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政府、補正予算案を閣議決定 地域医療再生基金に2100億円 Japan Medicine 10/29
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/29/127680/
 政府は26日、「緊急総合経済対策」を柱とする2010年度補正予算案を閣議決定した。公共事業の前倒し契約を含めると、経済対策の規模は総額5兆901億円で、うち厚生労働省は医療・介護・福祉などに1兆2225億円を計上。「地域医療再生基金」に2100億円を積み増すほか、子宮頸がんなどのワクチン接種への公費助成を行う。政府は今月29日に補正予算案を国会に提出する方針だ。
 医療・介護・福祉などのうち、医療には6701億円、介護には1506億円を投じる。
ワクチン接種の公費助成に1085億円
 医療では、都道府県に設置されている地域医療再生基金に2100億円を積み増し、高度・専門医療や救命救急センターなど3次医療圏単位での広域的な医療提供体制の整備・拡充を実施。子宮頸がんとHib(インフルエンザ菌b型)、小児用肺炎球菌ワクチンの接種事業には1085億円を計上し、都道府県に基金を設置して市町村が行う接種事業に対する財政支援を行う。
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高額療養費制度:高所得層負担増で必要財源減 見直しで新試算 毎日新聞 10/28
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101028ddm002010111000c.html
 厚生労働省は27日、患者の医療費負担を軽減する国の高額療養費制度で、患者の自己負担上限額を見直した場合の新たな試算を、社会保障審議会医療保険部会で公表した。70歳未満の患者の自己負担上限額(月額)について、年収約300万円以下を現行のほぼ半分にする一方、年収約800万円以上で約3万円、約1000万円以上で約10万円それぞれ引き上げるなどした場合、必要な財源は約2200億円になると示した。
 新たな試算は、加入者数が最も多い70歳未満の「一般所得者」のうち年収300万円以下の低所得層で上限額を4万4400円、支給4回目から3万5400円にする一方、年収約800万円以上の所得者は上限額を約18万円、支給4回目から10万円に引き上げると仮定した。
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 さて今のところ、今季のインフルエンザ発生は散発的で非常に落ち着いた状況ですので、ワクチン接種をまだ受けられていない方も多いのでは?と思います。鳥インフルエンザに関してはワクチン開発が非常に遅れている状況ですが、その原因として資源と言って良いものか、ウィルスを持っている国が出し渋りしていることも一因です。勿論ウィルス保有国(このような表現良いのかしら?)の責任だけではなく、ウィルスによりワクチンを作成する側にも責任があります。ウィルス保有国が出し渋るのも心情的には理解が出来ますが、国際的なルール作りに努めてもらいたいものですね。

 しかしウィルス保有国が強硬な態度に出るというのは、ある意味仕方なし、ある意味自国の責任をどう考えているのか?という二面性で複雑な気がします。これまで前例はないと思いますが、ウィルスを発生させた責任について問われた場合、利益配分がどうとかこうとかの話で無くなってくると思います。やっぱり国際的な透明化されたルール作りじゃないですかね?人類全体の脅威として考えてもらえば良いのでは?と私は思いますが、そんな単純なものじゃないのでしょうね・・・でもごくシンプルに考えなければいけない問題だとも思います。


鳥インフルエンザ:ウイルス「提供再開」 利益配分条件に--インドネシア 毎日新聞 10/31
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101031ddm001040062000c.html
 国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)で微生物など遺伝資源の利用と利益配分を定めた「名古屋議定書」が採択されたのを受け、インドネシア政府は同国内で世界最多の感染者が出ている強毒性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)を世界保健機関(WHO)に提供する見通しとなった。同国の交渉官は毎日新聞の取材に対し、「利益配分を受ける準備が整えば提供を再開する」と述べた。
 議定書は、人や家畜などの健康に脅威が差し迫っている場合、遺伝資源の迅速な利用を認め、提供国は利益配分を受けると定めた。新型インフルエンザや口蹄疫(こうていえき)などの病原体が発生した時には、発生国が病原体を提供する代わ
りに、医薬品提供や医薬品代の割引などの形で利益配分を受けることを念頭に置いている。
 これまでは発生国からWHOに提供された病原体を先進国の製薬会社が無償で利用し、ワクチンなど高価な医薬品を開発していたため、途上国側は利益配分を受けられない不満を募らせていた。特に世界的な大流行が懸念されている強毒性鳥インフルエンザをめぐっては、遺伝資源への権利を提供国に認めた生物多様性条約を根拠にインドネシアが07年からWHOへのウイルス提供を拒否し、国際的な問題となっていた。
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 一応???私も臨床検査技師の端くれですから、このニュースは外せないなぁ・・・どのように配信すれば技師らしくなるのだろう???などと考えているうちに日にちが過ぎ、旬の記事ではなくなってしまいました。

 既にあちらこちらで出回ってはいますが、B型肝炎に関する遺伝子型別について少し触れてみたいと思います。遺伝子型別検査の有用性が良く分かります。


B型肝炎ウイルスの遺伝子型とは?
 
http://www.tokumen.co.jp/column/kanzo1/06.html
 B型肝炎ウイルスは約3,200個の塩基(DNAの構成単位)からできていて、動物に感染するDNAウイルスとしては、一番小さいものです。DNAの上にはウイルスの増殖と合成に必要なタンパクを作るために必要な情報がすべて記されています。B型肝炎ウイルスに、いろいろな種類があることが分かってきて、それらは遺伝子型(ゲノタイプ)と呼ばれています。基準として、3,200個の塩基の中で8%に相当する約250個以上が互いに違っていることで、遺伝子型が区別されています。遺伝子型はアルファベットの大文字で、発見された順番に名前がつけられています。現在AからGまで、7種類の遺伝子型が知られていますが、世界にはB型肝炎ウイルスの遺伝子型が調べられていない国々もまだ沢山ありますから、将来もっと増えるかもしれません。最近、8番目の遺伝子型として、F型と近縁関係にあるH型遺伝子が提唱されています。
 遺伝子型が違うB型肝炎ウイルスがもつ塩基3,200個の配列を比較した結果から、まるで家系のような系統樹を画くことができます。系統樹から、7種の遺伝子型の近緑関係を知ることができます。アフリカに住む野生のチンパンジーの中にも、B型肝炎ウイルスに感染している個体があります。チンパンジー固有の遺伝子型は、系統樹の根幹からは分岐してはいません。ヒトB型肝炎ウイルスの遺伝子型の中に溶け込んでしまうのです。ですからヒトとチンパンジーが、同一のB型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。ヒトB型肝炎ウイルスをチンパンジーに静脈注射すると感染が起こります。逆の、チンパンジーからヒトへの感染例はまだ証明されていませんが、機会があれば血液を介して感染するだろうと考えられています。後でお話ししますが、チンパンジーが野生するアフリカではE型遺伝子・ウイルス感染が蔓延しています。系統樹の上でチンパンジーの遺伝子型は、E型と近い関係にありますので、ヒトからチンパンジーへ、あるいはその逆の感染経路があるだろう、と考えられます。
 B型肝炎ウイルス遺伝子型の応用には、大きく分けて三通りあります。一つは世界の国々で遺伝子型の分布を調べることで、これを疫学といっています。疫学から、大昔の民族移動とか、共通の先祖を推定することができます。二つ目に、B型肝炎ウイルスが人から人へと感染したことが疑われた場合に、感染経路を知るのに役立ちます。具体的には、二人の間で遺伝子型が違っていれば、ほかの人から感染したことになります。同じであれば二人の間での感染が疑われますが、遺伝子型が同じである第三者からの感染の可能性も残ります。第三の応用として、B型肝炎ウイルスの遺伝子型の違いによって、感染した患者に発症する肝臓病の進行速度が違いますので、将来どのような経過をたどるか、あるいはB型肝炎ウイルスに対する薬剤療法が効く可能性がどのくらいあるか、を予想するのに役立ちます。
【B型肝炎ウイルス遺伝子型の世界分布】
 全世界で、全人口の6パーセントに相当する3億5千万人がB型肝炎ウイルスに持続感染し、その大部分がアジアとアフリカに住んでいます。でも、全感染者の中でB型肝炎ウイルスの遺伝子型が調べられた人は、僅かに数万人か多くても十万人程度です。ごく一部分でしか遺伝子型が調べられていませんし、対象も健康な献血者から重い肝臓病のある患者さんまで、まちまちです。しかもB型肝炎ウイルスの遺伝子型が全く調べられていない国々も、まだ沢山残っています。そのために、B型肝炎ウイルスの遺伝子型で世界を綺麗に色分けすることはまだ難しいのですが、それでも国によって遺伝子型分布のはっきりとした違いが見られます。
 すぐに気がつかれると思いますが、ある国で頻繁に見られる遺伝子型はたいてい2種類どまりです。日本と中国ではB型遺伝子とC型遺伝子が主で、同じアジアでもインドではヨーロッパと同じようにA型遺伝子とD型遺伝子が多く見られます。オーストラリアではC型遺伝子とD型遺伝子の、2種類です。一方、トルコとエジプトでは、D型遺伝子だけです。E型遺伝子の世界分布は極端に偏っていて、サハラ砂漠より南のアフリカにだけ発見されています。F型遺伝子も中南米に限局しています。G型遺伝子の分布はまだ不明です。
 アメリカは例外的に沢山の遺伝子型が見られます。頻度が少ない遺伝子型は、図では見えませんが、A型遺伝子からG型遺伝子まで、7種類すべてが見つかっています。ニューヨークに代表される大都会は人種のるつぼですので、移民の出身国に特徴的な数多くの遺伝子型が集まるのでしょう。広い国ですので地域差が激しく、南部の白人ではヨーロッパ由来と考えられるA型遺伝子の頻度が高くなっています。
【B型肝炎ウイルスの日本国内分布】
 日本では主としてB型遺伝子とC型遺伝子が見られますが、地方によってその割合が大きく変わっています。特に、C型遺伝子の割合は九州で一番高く、そこから日本列島を北に進むにつれて次第に減少する傾向が見られます。周囲をみますと、お隣の韓国では、C型遺伝子が100パーセントです。日本でのB型遺伝子とC型遺伝子の分布から、先住民の一部がもともと感染していたのは殆どがB型遺伝子・ウイルスだったであろうと想像できます。大昔に、C型遺伝子・ウイルスに感染していた他の民族が多分韓国から渡来して、長い年月をかけて日本列島を北へ向かって移動したのでしょう。そのために北にいくにつれてC型遺伝子・ウイルスの割合がすこしづつ減少するのだろう、と考えることができます。
 沖縄ではB型遺伝子の割合が約4分の3もありますので、C型遺伝子・ウイルスは九州から南下することが少なかったのだろうと考えられます。北海道でのB型遺伝子とC型遺伝子の割合は、九州と東北の中間です。北海道では明治維新の頃、国策としての移民が盛んとなり、主に東北と九州から農業・酪農をする目的で移住しました。そのために両者の中間の割合となったのだろうと思われます。
 B型遺伝子とC型遺伝子に比べるとずっと少ないのですが、日本でもA型遺伝子が少し見られます。日本には本来なかった遺伝子型ですので、外国人によって搬入されたB型肝炎ウイルスに感染した結果であろうと考えられます。A型遺伝子・ウイルスが九州に多いことも、それが南蛮渡来のものであることを彷彿させます。
【急性および慢性B型肝炎患者の遺伝子型】
 最近、日本でB型急性肝炎が増加しています。大半の感染経路は、婚外の性交渉です。ですから、A型遺伝子・ウイルスが蔓延している外国からのセックス・ワーカーから感染した可能性が、かなりあるだろうと予想できます。東京の病院で受診した急性および慢性B型肝炎患者の遺伝子型分布は、大きく違っています。B型慢性肝炎では、C型遺伝子が圧倒的に多く、約90%を占めます。残りの大部分はB型遺伝子ですから、日本での分布と合っています。殆どの患者さんは、感染者である母親から出産した時にB型肝炎ウイルスが感染した結果、長年の間に肝炎を発症したのでしょう。厳密にいうと、慢性肝炎の患者さんでは日本人全体と比べてC型遺伝子の割合がB型遺伝子よりずっと多くなっています。これはC型遺伝子・ウイルスの方がB型遺伝子・ウイルスより重い肝臓病を起こしやすく、従って病院を受診する患者さんでは頻度が高くなることが原因です。
 B型急性肝炎では遺伝子型の分布が大きく変わっています。まず、外国由来と考えられるA型遺伝子の割合が4分の1以上あって、とても多いことが分かります。B型遺伝子よりは多いですが、C型遺伝子よりは少なくなっています。


B型肝炎検査薬、厚労省が初承認 遺伝子タイプを判定 朝日新聞 10/29
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201010290228.html
 国内の患者・感染者が100万人を超えるとされるB型肝炎で、ウイルスの遺伝子タイプを判定する検査薬が初めて厚生労働省の製造販売承認を受けた。年内にも医療関係機関向けに販売が始まる。タイプごとに症状や治療効果に違いがあるが、国が承認する検査薬はなかった。患者に最適の治療法選びに役立つと期待される。
 メーカーは特殊免疫研究所(本社・東京)。この検査薬では、患者の血液からB型肝炎の四つのタイプを判定できる。4タイプは、がんになりやすい年齢や治療方法、治療薬の効果にも違いがある。
⇒ 続きを読むにはここをクリック


 
さてイレッサ(一般名ゲフィチニブ)等抗がん剤に関する話題を数編。

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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
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    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
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