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0526-507号 がん患者も「働きたい」 [kensa-ML NEWS]


 本日は記事のボリュームが多いため、二篇に分けて配信させていただきました。今晩は検査当直なので、夜長を楽しみながら・・・とも思ったのですが、その気があるうちに配信してしまおうと、お昼休みを利用しての記事書きです。あまり時間が無いもので、支離滅裂となってしまったらごめんなさい。

 今回配信記事に対しての私の思いとしては、働く意欲のある方、働く能力のある方、働く資格のある方には、どんどん社会貢献に参画していただいて、さらに活性化された社会構築を目指したいというものです。

 私ごときが偉そうに言うことではないのですが、やはり社会全般なんて大きなことは言えませんが、我々の業界の現状というか事情を社会全体の縮図とてご覧いただければ、様々な問題点が浮かび上がってくるのではないか?と考えたからです。

 メインニュースをがん患者さんたちの厳しい現状記事にしたため、導入はがんに関する記事としました。世の中で、「がん」と呼ばれている方々も多少なりともおられると思いますが、記事にもありますように「がん細胞」は不老不死のものだということ。そういえば、世の中の「がん」の皆様も非常にお元気ですよね。ただ「がん」がおバカなのは、寄生とは異なり、宿主のあちらこちらに転移して栄養失調をもたらし、宿主を死に至らしめてしまうということ。共存共栄という賢いやり方はとらないんですね。最近出てきた新種のウィルスもおバカが多いです(宿主が死んでしまうと自身も死んでしまうのですから)。

 「がん」とは全く異なる内容なのですが、ホルモンの作用機序においても同じようなことを連想させるものがあります。

 ホルモンというものは、「特定の内分泌線から血液中に分泌され、血行によって遠隔の標的臓器に作用して特異的な作用を示す物質」、と定義されていますが、近年この考えとは合致しないものも出てきました。

 ホルモンを分泌様式から見てみると、古典的内分泌(endocrine)というものがこれまでの概念では一般的なものでしたが、傍分泌(paracrine)、自己分泌(autocrine)の二種も存在します。元々のホルモン定義に合致しないもの、が後の二者です。人間社会に置き換えて考えてみると、古典的内分泌や傍分泌、すなわち他人から刺激を受けて機能する人が非常に多いのでしょうけど、自己分泌、すなわち自分で刺激、活性化できる人が非常に少ないという現実にぶち当たります。

 少々脱線してしまいましたが、このようにものを置き換えて考えることで、非常に理解力が深まるんじゃないかなぁと思う、今日この頃です。


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/58 「死を忘れた日本人」へ 毎日新聞社 5/25 
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100526ddm013070155000c.html
 新著「死を忘れた日本人」(朝日出版社、1575円)には、この連載「がんから死生をみつめる」ためのエッセンスが盛り込まれています。今回は、連載のおさらいをしてみたいと思います。
 もともと、生物に寿命などありませんでした。栄養がふんだんにあって環境がよければ、細菌などの原始的な生物は際限なく増殖します。しかし、細菌に「自他」の区別はありませんから寿命がない、といえます。「性」をもつ私たちは、個人のかけがえのなさと多様性を手に入れましたが、その代償として、個体の死を運命づけられました。死は、私たち生物が進化のなかで、「自ら創造した」ものなのです。
 がん細胞とは、細胞が「死ぬため」に作られた遺伝子が壊れ、細胞がもともとの「不死」の状態に戻ったものといえます。培養液のなかで大腸菌が増殖し続けるように、患者さんの栄養を横取りし、がん細胞は際限なく増えていきます。しかし、患者さんが「栄養失調状態」になって亡くなると、がんも生きてはいけません。これは、人口爆発と、それによる資源の枯渇と地球環境の破壊に似ていると、お話ししました。
 がん細胞は、死んだ細胞を補うための細胞分裂の際、遺伝子のコピーミスによって、いわば「先祖返り」した不死細胞です。実際、私たちの身体の細胞の1%近くが毎日死ぬと言われます。しかし、私たちの個体が、それで「死亡する」わけではありません。一方、脳死では、心臓をはじめ多くの臓器は生きているにもかかわらず、個体の死亡と判断されます。死は徐々に進む一連のプロセスですが、法律上は、「死亡時刻」によって「個体の死」が決定されるのです。
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 昨日のニュースでしたか、あるチェーン店に就職した方が過労死認定を受けた、との記事が掲載されていました。4か月の間、100時間を超える超過勤務実態があったとか、80時間以上働かないと給与面でペナルティーを科す、みたいな内容だったと思います。

 この間もお話した内容ですが、やる気のある、また能力のある若い方々、更には、能力があっても定年制度といった枠組みに遮られる方々、を何とかしないといけないのでは?みたいな内容だったと思います。落ちぶれてしまった日本の社会全体を活性化するためには、やる気のある方、能力のある方を積極的に登用する仕組みというか枠組みにしていきたいものです。辞めさせなければならない方、辞めさせてはいけない方、を明確に選別できる「客観的評価指標」があれば良いのですが。


天声人語 朝日新聞社コラム 5/26 http://www.asahi.com/paper/column.html
 大阪の長尾幹也さんは、朝日歌壇によく職場を詠んだ歌を寄せる。〈リストラに幾人を切り捨てしのち彫像のごと我はひび割る〉。11年前、この一首が目に留まり、話を聞きに訪ねたことがある。営業の部長としての実際の体験だった
▼〈解雇せむ社員四名を決めかねて秋の休日笑うなく過ぐ〉。通告に臨むと、口は渇き、足は震えた。「申し訳ない」「力になれなかった」と繰り返していた。告げられた一人は泣いた。長尾さんも泣いてしまったそうだ
▼昔の取材を思い出しながら、一昨日の教育面の記事を読んだ。内定学生や新入社員に理不尽を言い、上司が罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせて追い詰め、辞めさせる。「新卒切り」とでも言うべき実態が目立っているのだという
▼人間味はかけらもない。初日から怒鳴られたある社員は、3日目から連日反省文を書かされた。9日目に上司が「もうしんどいやろ?」。「頑張れます」と言うと、「給料もらって居座るのか」と退職届を渡したという。こんな会社があるのかと暗然となる
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 上にも書きましたように、そのような意味、思いを込めて、本号のメインニュースとしました。

 様々な事情はもちろんあるでしょうが、勤務形態をフレキシブルに変えてみるとか、多くの方々に社会貢献していただくことが出来る仕組み、枠組みが出来れば、と切望します。そのためには、人と人との繋がりをもっと大切にすること、相互理解を深めること、がもっともっと必要なのでは?

 私自身、メールニュースやブログを通じて、それこそ医療関係者でない方々と多くお付き合いさせていただくようになりましたが、これから先も、もっともっと多くの方々と触れあっていきたいですね。


【読売新聞社ニュース 2010/05/25】
 がん患者も「働きたい」

 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=25615
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高まる生存率 できる範囲で
 がんの治療を受けながら仕事を続けたい――と訴える患者の声が高まっている。「働きたい」と望む声の背景に、何があるのか。
 「がん患者であっても、私のできる範囲の仕事を続けたかったんですが……」
 こう振り返るのは、今年3月末に6年間勤めた職場を退職した盛岡市の渡辺淳子さん(47)だ。
 自治体で非常勤の子育て支援員として働いていたが、3年半前に子宮体がんと卵巣がんが同時に見つかった。手術後も抗がん剤による治療を受けながら、同僚の協力を得て仕事を続けてきた。
 ところが、昨年初めにがんが再発。秋には左足が不自由になって治療のための再入院を強いられた。2人の子どもとの生活を支えるため、退院後すぐに職場に戻ったものの、「この仕事はできる?」などと聞かれるうち、契約更新を言い出せない状況に追い込まれた、という。
 渡辺さんは「子どものため、治療費のため、ちゃんと働きたい。子どもたちに、前向きに生きる母親の姿を見せておきたいんです」と訴えた。
治療費のため
 がん治療を受けながらも働き続けたいと望む人は多い。患者の就労支援に取り組む市民グループ「CSRプロジェクト」(桜井なおみ代表)が2008年に行った調査(回答403人)では、がんと診断された時点で4人に3人が「今の仕事を続けたい」と回答している。調査時に仕事に就いていなかった人でも、85%が「仕事をしたい」と希望していた。
 現実はどうか。仕事の継続を望んだ人のうち3割は転職か、解雇・依願退職に。体力低下や定期的な通院の必要性から、がんが大きな障害になっている実態がうかがえた。
 なぜ働きたいと切望するのか。08年のがん統計によると、がん経験者の44%が65歳未満で、4人に1人は20~50歳の働き盛り。医療の進歩に伴って5年生存率が約50%に向上するなど、がんは2人に1人が治る病へと変化している。
 ただ、効果が高いとはいえ、高価な新薬や治療法の登場で患者の金銭負担は増している。働かなければ治療継続も難しい。
 厚生労働省の研究班(班長=濃沼(こいぬま)信夫・東北大教授)による全国調査では、治療中のがん患者6604人の年間自己負担額は平均100・7万円。抗がん剤治療をしている人は約133・1万円で、経済的な理由が治療に影響した人は6%、うち4割が治療を変更するか、中止するかに至っている。
生きる証しに
 仕事を望むのは経済的な理由ばかりではない。乳がん経験者でもある桜井さんは「人生の限りが訪れるまでの時間をより良く生きたい、社会や人の役に立ちたいとの思いが高まってもいるのでしょう」と、がん経験者の心情を代弁する。「まして働き盛りなら、仕事は自分が生きてきた証し。社会とつながりを持ち、希望をもって生きていくために必要なものなのです」
 国民の2人に1人ががんを経験する時代。治療や検査で定期的な通院が必要な人も、がんとつきあいながら働けるような仕組みが求められる。桜井さんは「職場や社会の理解とともに、通院時間を有給認定する制度づくりや、がん経験者の雇用促進条例の制定など、行政による後押しも必要だ」と指摘している。
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私が三人目

昨年でしたが同僚がガンで端から見てみても解る状態です他が彼は仕事に来てました、最後に立てなくなるまで職場にいました・・・・それを受け入れてくれた会社に感謝したいです。
by 私が三人目 (2010-05-26 17:48) 

Koji

私が三人目さん

コメント有難うございました。
会社もですが、その同僚の方の努力も大変なものがあったと思います。会社という性質上、労務管理上だとか、建前を言わなければならない現実。法的な整備も必要だと思いますね。個人の選択肢をもっと広げられるような社会となれば良いですね。良い意味での個性をはぐくめるような成熟した社会になってもらいたいものです。
by Koji (2010-05-26 20:59) 

yuuri37

健康だと、休みたい辞めたいと思ったりしますが、働きたくても働けないというのは・・・辛いですね。
by yuuri37 (2010-05-27 00:03) 

もも

kojiさん、こんにちは。
私はガンではありませんけど、ホントは社会に出て何かしら
お役に立ちたいと思っています。結果として、同僚に迷惑をかけるのを
承知で話しています。
でも、私の場合は「就労に関するドクター・ストップ発令警報」がでているからできない状態です。この精神障害を患いながら、小学生の2児の母として、また妻としての負担が大きすぎるので、これ以上の無理はさせられないのいう精神科医の見解です。家にいても誉められることまなく、孤立感がたまらなく嫌になります。
by もも (2010-05-27 09:13) 

Koji

yuuriさん

いつもコメント有難うございます。
健康であることに感謝ですね。健康であることが当たり前のように思ってしまいがちですが・・・多くの方々に生かされていると認識し、感謝の念を持ちながら過ごしたいものです。
by Koji (2010-05-27 09:41) 

Koji

ももさん

コメント有難うございました。
社会貢献は、外に出て何がしら活動することだけが社会貢献だとは思いません。ももさんは二人のお子さんを育てられているでしょう?そのことが最大の社会貢献ではないですか?
人にはそれぞれ役割があります。またその役割を果たせない時は誰にでもあることです。

「おかげさま」「おたがいさま」

出来ない時は誰にでもあります。でもいつか出来る時が来るはずです。

うちは子供が4人(現在、大学、高校、中学、小学とストレートフラッシュみたい?)います。それこそ私たち夫婦だけでは育てられないことも多々ありました。周りの多くの方々に支えられ、助けられ、申し訳ないと頭を下げながら、ようやくここまでたどり着いています。今でも多くの方々にご迷惑やお世話をおかけしています。
私自身、野球のコーチを休みの日にしているのは、子供たちが大好きであるとともに、私が出来ることを・・・との思いからです。それと仕事の上でも下の方々が働きやすい環境を作ろうと色々と行ってきているのは、これまでお世話になった方々への感謝とお返しの気持からです。

いつも若い方々にお話していることがあります。
「今私が貴方がたにしていることで、私に返そうと思わないでほしい。返すのなら、あなたがたがもし上の立場になった時に下の人たちに同じことをしてほしい」と。

今は出来なくとも良いんだと思います。そのうちきっとももさんだから出来ることがあり、その時が来るはずです。今はその時じゃないだけ。

「おかげさま」「おたがいさま」です。
by Koji (2010-05-27 09:57) 

くま・てーとく

私の父は10年前に肝癌で亡くなったのですが、現在のがん治療のめざましい進歩を見ると、今の医療だったらもしかして父も存命できたかな、と思うことがありますね。
まぁ、医療ってそういうものですよね。ほんの数十年遡るだけで、当時の死の病が、今は普通に治る病というのがどれ程あるか。いつか癌も“普通に治る病気”になってくれるといいですね。(今世紀中にはそうなると言われていますが。)
by くま・てーとく (2010-05-28 01:51) 

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    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
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