SSブログ

0107-386号 HIV:検査薬、期限切れ使用 担当者確認怠る-鳥取、倉吉保健所/鳥取 [kensa-ML NEWS]

 本日は今年最初の検査当直。新たな気分でワクワクしたいと思っています[ぴかぴか(新しい)]。 朝もゆっくりですので、検査当直の方が体は楽なんですね、いつもの生活より[るんるん]

 通勤は、通勤時間約二時間あまりという少々無駄な時間もありますが、社会見学にはなると思うし、恐らく病院の中で居ると社会との接点が薄れてしまうような気もするし[がく~(落胆した顔)]、電車の中でパチパチするのは職場に居る時よりも集中できる時もあるし[グッド(上向き矢印)]・・・まあいたってシンプルな楽天家ですから今の生活サイクルに我慢も出来るのでしょうけど[ふらふら]

 さて本日の通勤車中で携帯ネット検索していると(昨日ご紹介したm3.comは携帯サイトも結構充実なのです)、お正月のせいもあってか、昨年暮れ12月28日に発生したことが1月5日6日の地方版、1月7日の共同通信社において、報道されていました。結構早いやん[わーい(嬉しい顔)]・・・良く公表したなぁ[ふらふら]・・・自主的に公表[がく~(落胆した顔)]?内部告発[もうやだ~(悲しい顔)]?みたいなものがよぎりましたが、事実関係は勿論不明ですので、憶測による発言は慎みます。すみません。

 記事に書かれていますように、期限切れが検査結果に及ぼす影響は殆どないものと私も経験上思います。しかし『県は「期限切れが結果に与えた可能性は低い」と判断』とのくくり、締めは納得いかない言い回しですね[ちっ(怒った顔)][むかっ(怒り)]

 あと再発防止策ですが、これは在庫管理や試薬管理等徹底するのが当然検査技師の義務であって、これ以上でもこれ以下でもないということ。これまでの検査体制がかなりずさんなものであったと恥を露呈しているようなもの[がく~(落胆した顔)]

 また検査は恐らくICA(イムノクロマト法)と言われる15分程度で判定できるキットを使用しているのでしょうから、複数検体を取り扱う際の注意やSOP(標準作業手順書)などの設置も必要じゃないかな?と感じました。じゃないと検体取り違えなんて報道でも良く見受けられる光景ですから、信頼回復するには不充分かと感じた次第です(当院でも時間外緊急検査などで結構使用している検査法なので)。

 あと折角ですから、HIV検査法について簡単に触れておきます。主たる引用参考先は、http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/355/dj3554.html です。

 HIV検査法には大きく分けて、1)免疫学的検査法 2)RNA検査法 3)薬剤耐性検査法 の三種類があります。それぞれ目的が異なります。
 今回の簡易検査キットは1)のカテゴリーに入るものです。また1)のカテゴリーのものでも、スクリーニング検査として使用するものや、確認検査として使用するものがあります。

 通常、スクリーニング検査を実施し、陽性か、もしくは偽陽性のものを対象に確認検査を行い、HIV感染の確定を行います。またスクリーニング検査の中でも、特異性、感度などにより検査の使い分けが必要です。


   br_decobanner_20091222111615.gif  laboratorytest88_31_green_3.gif medicalinfo88_31_lightblue_3.gif medicalteam88_31_lightred_3.gif
   
宜しければ
ワンクリックにご協力下さいね[るんるん]


 ここからは私見・・・
 日常的に良く見かける光景として、感度の高いスクリーニング検査法を使用した後に、ICAなど感度の少し劣る検査で確認するケースがあります。これについて各検査室で考え方があるのでしょうが、私はいつも違和感を感じます。と言うのも、あくまでもスクリーニング検査であって、確認検査でないわけですから、感度の高い検査法の再確認として、やや感度の劣る検査法を行うのはナンセンスだと思うからです。再確認の必要なものは、陽性のものではなく、実は陰性のものじゃないかと思うからです。陰性の方が圧倒的に多いわけですから、再確認を全て行うのもこれまたナンセンス。しっかりとしたプロトコルの基に系統たてた検査を実施すべきと考えます。

 陽性検体があまりにも少ないので、確認してみたい気持ちも分かりますし、検査法により特異性が異なるものもありますしね・・・

 このような白黒はっきりさせなければならない検査は、「陰性」と報告するのに本当は一番神経を使うものです。画像診断でもそうですが・・・

「異常なし」と判定を下すのが一番難しい!

 たまには検査技師っぽいこと、おしゃべりしないと、新井さんは何の職業[exclamation&question]と聞かれそうなので、ちょっと講釈たれてみました[ふらふら]


【毎日新聞社ニュース 2010/01/05】
 HIV:検査薬、期限切れ使用 担当者確認怠る-鳥取、倉吉保健所/鳥取
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100105k0000m040103000c.html
====================================================================
 県は5日、鳥取保健所と倉吉保健所で実施したHIV検査で使った検査試薬と専用シートの使用期限が切れていたと発表した。試薬の容器に期限が表示されていたが、担当者が確認していなかった。検査に影響した可能性は低いという。
 鳥取保健所で09年11月30日~12月28日に検査を受けた25人▽倉吉保健所で同年11月4日~12月16日に受けた7人に期限切れの試薬などが使われた。うち18人は別の性感染症検査のため各保健所に残っていた血液で再検査し、結果に変わりはなかった。
・・・続きはネットでご覧下さい


【日本海新聞社ニュース 2010/01/06】
 期限切れを誤使用 32人分のHIV検査試薬

 
http://www.nnn.co.jp/news/100106/20100106025.html
====================================================================
 鳥取、倉吉両保健所で昨年、使用期限が切れたエイズウイルス(HIV)の検査試薬を32人分に誤って使用していたことが5日、分かった。検査手順に期限を確認する項目はなく、薬品のずさんな管理体制が浮き彫りになった。県は「検査結果への大きな影響はない」と説明している。
 県健康政策課によると、検査試薬は昨年11月19日に使用期限が切れたが、鳥取保健所では12月28日までに25人、倉吉保健所では12月16日までに7人に使用していたという。
 12月28日に鳥取保健所での検査で期限切れが明らかになり、県が全県で調べたところ、倉吉でも判明。32人のうち血液が残っていた18人分は再検査を実施したが、結果に変わりはなかった。

・・・続きはネットでご覧下さい


   br_decobanner_20091222111615.gif  laboratorytest88_31_green_3.gif medicalinfo88_31_lightblue_3.gif medicalteam88_31_lightred_3.gif
   
宜しければ
ワンクリックにご協力下さいね[るんるん]



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0


[ひらめき] Facebook・・・友達リクエスト、フィード購読大歓迎
     https://www.facebook.com/gamdango
[ひらめき] Facebook・・・最新情報はこちら
       https://www.facebook.com/Project102.MT

 

[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
          http://enigata.com/index.html


    人気ブログランキング   臨床検査ランキング   Ameba_banner.jpg

人気ブログランキングにほんブログ村ランキング(臨床検査)に参加しています(Amebaは姉妹サイトです)。
啓蒙活動の一環として参加していますので、バナー↑↑↑へのクリックに是非ともご協力ください[ひらめき]


 臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。

 さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。

 現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。

 ご質問、ご意見、ご感想などございましたら、
gamdango@csc.jp までご遠慮なくメッセージをお送りください。ただし医療相談等には内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご了解ください。

         NHO神戸医療センター
         臨床検査技師長
                新井 浩司

好き放題コメントを加えた最新の医療系情報(科学系、農業系、少年野球系話題も満載?)をご提供しています。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。