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0714-292号 「脳死は人の死」A案成立 15歳未満も臓器提供 [kensa-ML NEWS]

皆さん、こんにちは。神戸の新井です。

 連日の猛暑!厳しいですねぇ・・・(^^; もう融けてしまいそうです。空を見ていると入道雲が垣間見え、本格的な夏到来を予感させます。16日は暦の上では「出梅」すなわち梅雨明けとなります。本日、関東甲信地方で梅雨明けが宣言されました。 http://weathernews.jp/

 さて本日7月14日は記念日オンパレードとなっています。歴史的にも革命、革新をイメージさせる一日ですね。
 http://koyomi.vis.ne.jp/mainindex.htm

ペリー上陸記念日
 1853年(嘉永6年)にアメリカの4隻の黒船艦隊が江戸湾の浦賀沖に現れ、ペリー提督が久里浜に上陸して将軍への親書を渡した。翌年来航したペリーとの間で「日米和親条約」が結ばれ、日本の鎖国が終わった。

廃藩置県の日
 1871(明治4)年、藩を廃止して県を設置する詔書が出された(現行の暦では8/29)。1869(明治2)年の版籍奉還で江戸時代の藩はなくなったが旧藩主がそのまま藩知事を務めていたものを廃止し、廃藩置県を断行し、各県に中央政府から県知事を派遣した。当初は3府302県で、後に3府72県に改廃。これにより、政府は中央集権制を強化した。

検疫記念日
 1879年(明治12年)のこの日、海港虎列剌(コレラ)病伝染予防規則が交付されたのを記念して、日本検疫衛生協会が1961年(昭和36年)に制定した。

ひまわりの日
 1977(昭和52)年、日本初の静止気象衛星「ひまわり1号」がアメリカのケネディ宇宙センターから打ち上げられた。

求人広告の日
 1872(明治5)年、『東京日日新聞』に日本初の求人広告が掲載された。この時求められたのは乳母で、求人広告の文面は以下のとおりであった。「乳母雇い入れたきに付心当たりの者は呉服橋内、元丹波守邸内、天野氏へお訪ねくださるべく候。乳さえよろしく候へば給金は世上より高く進ずべし。」
 
革命記念日
 (フランス) 1789年、パリ市民がバスティーユ監獄を襲撃・占領し、多くの政治犯を解放しました。これがフランス革命の始りとなりました。 この日が日本で「パリ祭」と呼ばれているのは、ルネ・クレール監督の1932(昭和7)年の映画"Lu Quatorze Juillet"(7月14日)の邦訳名が『巴里祭』だったことに因みます。



 さて本日のニュース・・・昨日は「衆議院解散総選挙」の話題と「臓器移植法改正案」の話題で紙面は賑やかでした。本邦における臓器移植のターニングポイントともいえる出来事だけに、今後の動向が注目されるところです。
 最近「人の生」「人の死」に関する話題が非常に多いのですが、医学の発展は非常に結構です。しかし「命の重さ」が軽くならないよう、また常にQOL向上を基本原則にしてもらいたいものです。

 先日、来年度の診療報酬改定に関わるスケジュールが公表されましたが、医療現場と行政側との目線が乖離しない改定となってもらいたいですね。この話題についてはまた別便にて・・・直ぐに出せるとはお約束できませんが。


【共同通信社ニュース 2009/07/13】
 「脳死は人の死」A案成立  15歳未満も臓器提供

 
http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009071301000045.html
====================================================================
 「脳死は一般的に人の死」と位置付け、臓器提供の年齢制限を撤廃、本人が生前に拒否表明していなければ家族の同意で可能になる改正臓器移植法(A案)が13日午後の参院本会議で可決、成立した。同法が1997年6月に成立して初の改正となる。一部を除き施行は公布の1年後。国内で15歳未満の子どもからの臓器提供に道を開くが、救命救急医療が十分に行われなくなるのではとの懸念も根強い。
 投票結果は賛成138票、反対82票だった。
 改正法は中山太郎衆院議員らが提出。国会審議で提出者は「法的には脳死が人の死となるのは臓器提供の場合だけ」と説明したが、脳死を限定的にとらえた現行臓器移植法の規定を削除し、脳死の定義を転換する。
 脳死判定までの条件が緩和されることから患者団体や日本移植学会などは提供者(ドナー)の大幅な増加が見込めると歓迎している。ただ、衆院解散や内閣不信任をめぐる与野党の思惑に翻弄され、審議が消化不良だったとの指摘もある。
・・・続きはネットでご覧下さい


【共同通信社ニュース 2009/07/13】
 小児の脳死判定基準で研究班  移植法改正受け厚労省

 
http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009071301000521.html
====================================================================
 改正臓器移植法が成立し、小児から脳死での臓器提供ができるようになることを受け、厚生労働省は13日、小児の脳死判定基準に関する研究班を設置する方針を固めた。
 国会審議を通じ、小児の脳死判定に慎重な意見や否定的見解も示されたため、最新の科学的知識を取り入れた基準にする必要があると判断した。
 現行法に基づく脳死判定基準は、大人だけでなく6歳以上を対象としており、6歳未満に関しては2000年に厚生省研究班が公表した小児脳死判定基準がある。法改正で15歳未満の提供が可能になるため、研究班はこれらの基準を再検討し、採用するため必要があれば見直す。研究班は小児専門医も含めて構成し、改正法施行までの1年間で結論を出す。
・・・続きはネットでご覧下さい


【共同通信社ニュース 2009/07/14】
 子どもの臓器提供施設の要件検討  移植法改正受け厚労省

 
http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009071401000086.html
====================================================================
 15歳未満の子どもから脳死での臓器提供を可能にする改正臓器移植法成立を受け、厚生労働省は14日、子どもの臓器提供施設に必要な要件を含め、提供施設の在り方を検討し直すことを決めた。
 現在の提供施設に対する実態調査や専門家の意見を基に、子どもの脳死判定をする医師の選任や、虐待を受けた子どもからの提供を防ぐためチェックする院内組織など、子どもの提供施設に必要な体制を議論。大人についても施設要件を見直すか検討するという。
 改正法が一部を除き施行される、公布の1年後までに結論をまとめる方針だ。
・・・続きはネットでご覧下さい


【朝日新聞社社説より 2009/07/14】
 臓器移植法―残されたこれだけの課題

 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
====================================================================
 日本の移植医療が大きく変わる。
 いまの臓器移植法では、脳死の人からの臓器提供は、提供者本人の書面に
よる意思表示を必要とするなど厳しい条件が課せられていた。  参議院本会議で改正臓器移植法(A案)が可決、成立し、本人の意思がわからなくても家族の同意があれば、臓器の摘出ができるようになった。
 現行法の下ではできなかった脳死の子からの臓器提供も可能になる。心臓などの移植を受けるには海外へ渡るしかなかった子どもたちや親にとっては、待ち望んだ法改正に違いない。
 97年に施行された現行法は3年後に見直されるはずだった。立法府がようやく答えを出したことになる。
 しかし、解散含みの国会運営の中、結論が急がれた面は否めない。この改正案には、いくつもの疑問や懸念が対案や修正案などの形で出た。衆参両院での審議を通じてそれらが解消されたとは、残念ながらいえない。
 施行にあたっては、そうした問題点に目配りする必要がある。今後、柔軟に、法を見直すこともあってよい。
 脳死移植は、それによってしか助からない人がいる一方で、提供者の死を前提とするという側面を併せもつ。自らの死をどのように迎えるか、家族の死をどう受け入れるか、という一人ひとりの死生観が絡むので、人々の理解と支持なしには進まない。
 最大の懸念は「脳死は人の死」が前提とされていることだ。審議では、臓器移植の際に限られるとされたが、改正法に、それを明言した記述はない。この「死の定義」が移植を離れて独り歩きし、終末医療の現場などに混乱を招くおそれもある。政府は法の運用にあたって、この定義が移植の場合に限られることを明確にすべきだ。
 本人の意思をめぐる課題もある。改正法は臓器提供を拒否する権利を認めるが、拒否の意思が事後にわかるといった事態はあってはならない。提供であれ拒否であれ、意思表明の機会を広げる工夫が必要だ。これは、今回の対案などで強く支持された、本人意思の尊重という現行法の基本的な考え方にも応えることになろう。
・・・続きはネットでご覧下さい


【毎日新聞社社説より 2009/07/14】
 移植法改正 拙速否めぬ命の議論
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090714k0000m070115000c.html
====================================================================
 人の死の定義を変えるだけではない。脳死と判定された場合に、臓器を提供するかどうかに本人の同意が不要となる。本人が望めば親族に優先的に臓器を提供することさえ可能となる。
 13日に参院で可決され、成立した改正臓器移植法(A案)は、現行法とは理念が大きく異なる。
 本来なら、腰を落ち着け、これまでの事例や法改正による影響を、細部まで検討した上で結論を出すべきだった。にもかかわらず、衆参両院での審議は駆け足だった。
 人の命にかかわる法律として、拙速との印象がぬぐえない。衆院の解散時期をにらみ、理念よりも「廃案阻止」に動いたのだとすれば、無責任な態度との批判を免れない。
 97年に現行法が成立するまでには、今回の改正法と同様の内容も含め、さまざまな考えが幅広く議論された。その結果、「脳死は人の死」と考えない人にも配慮した法律が制定された。
 それから12年で人々の考えは変わったのか。毎日新聞の6月の世論調査では、現行法通り「臓器提供の意思を示している人に限って脳死を人の死と認めるべきだ」と回答した人が過半数に上る。
 一方で、脳死状態となった15歳未満の子供からの臓器摘出について、親の承諾を条件に「賛成」と答えた人も過半数に上った。「本人同意」を前提とする現行法では禁止されている行為だが、今回の改正法では可能となる。「病気の子供を助けたい」という点では、人々の気持ちには沿っている。
 ただ、脳死移植の場合は「臓器摘出される子供」にも配慮がいる。子供の脳死判定は大人に比べ難しいといわれる。判定基準をどうするか。虐待で脳死になった子供の臓器の提供を家族が承諾するケースもありうる。それをどう見極めるか。
・・・続きはネットでご覧下さい

お勧め書籍です
日本の臓器移植----現役腎移植医のジハード
臓器漂流―移植医療の死角
移植病棟24時 赤ちゃんを救え!
遺伝子がわかる! (ちくまプリマー新書)
迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか
ワトソン 遺伝子の分子生物学
教科書ではわからない遺伝子のおもしろい話 (じっぴコンパクト 34)


タグ:臓器移植法
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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
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