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288号 血中薬物濃度、1滴1分で測定…名古屋大教授ら開発 [kensa-ML NEWS]

皆さん、おはようございます。神戸の新井です。

 昨日、一昨日と、第36回国立病院臨床検査技師協会(国臨協)近畿支部総会・学会が、神戸:シーパス須磨 で開催され、出席しておりました。年々、若手技師の参加率が上がり、若手技師の登竜門としての学会発表という位置付けがかなり定着してきており、演題数も17と多く内容についてもかなりハイレベルのものもあり、非常に活発な討議がなされました。初日の特別講演としては信州大学から、高宮脩教授にお越しいただき、技師教育の変遷と今後臨床検査技師に求められるものは?といった内容で非常に感銘を受けるものでした。また今回の新しい試みとして土曜、日曜の両日ともランチョンセミナーを6コマ開催させていただき、非常に興味深い内容をご提供いただきました協賛メーカーの方々には改めまして御礼申し上げます。
 
 さて新型インフルエンザ騒動の震源?でもある神戸で開催されたわけですが、各観光地はまだまだ影響を受けているようで、南京町や繁華街等普段よりも観光客は少なかったように聞いております。南半球ではかなりの蔓延がみられ、季節型インフルエンザの本格的な時機到来と合わせ、まだまだ予断を許さない状況のようです。今回の一連騒動では、簡易インフルエンザ検査がクローズアップされました。測定法はICA(イムノクロマトグラフィー)法で、この方法は多種多様の感染症マーカーなどの測定において広く用いられています。
 
http://www.bl-inc.jp/imno.html

 このような簡易測定法においてよく関連付けられ挙げられるものに、POCT(Point of care testing)と呼ばれるものがありますが、このPOCTについて本邦における解釈として、「ベットサイドで行う簡易検査」のような認識が一般的です。
 
http://www.tohoyk.co.jp/ja/products/system/poct/index.html
 http://www.technicon.jp/page061.html
 
 またPOCTにおける検査市場の展望と戦略ということで紹介記事があるものは以下のサイト。
 
http://www.yano.co.jp/market_reports/C51104100
 
 残念に思うのは、簡易検査、スクリーニングなど、本邦においてはまずファーストチョイスとして迅速に検査を行ってみましょう・・・みたいな概念でしか捉えられていないことです。迅速検査、緊急検査で扱うもので精度はそれほど求められない・・・みたいな概念。最近では在宅検査といった概念も付け加えられていますが、あくまでも後付けの理由といった印象を私は持ちます。本来のPOCTのイメージは、診断と治療が直結しているもの、といった概念で私は捉えていたのですが、あまりにも「簡易」という概念が先行してしまい非常に残念でなりません。何が残念かというと、オーダーメード医療との意識付けが希薄であり、もっと患者個々に応じた診療・治療を実施する領域に踏み込んでもらいたいと思います。また精度の面では通常検査に匹敵する、もしくは感度の高いものも存在することを付け加えておきます。しかし検査測定に際しては再現性の低い様々な手技が実施されることも予想されるため、こういった内容を含め、専門的知識を持ったものが積極的な、コンサルテーションすることの必要性を感じます。

 そういった背景を含め、本日のニュースをご覧いただければと思います。こういった技術が一般化し、ハードウェア、ソフトウェア両面でのいわば、ダウンサイジングが進化してくれれば・・・と願います。


【読売新聞社ニュース 2009/06/14】
 血中薬物濃度、1滴1分で測定…名古屋大教授ら開発
 
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090614-OYT8T00305.htm
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 薬の効き目や副作用の有無を調べるため、血液を1滴垂らすと1分で血中の薬物濃度を測定できる装置を名古屋大学工学部の馬場嘉信教授らが開発し、同大付属病院で臨床試験を始めた。
 教授らが用いたのは、幅0・1ミリの溝が刻まれたマイクロチップ(縦3センチ、横7センチ)。チップ上の試薬には、蛍光物質で目印をつけた薬などが含まれている。垂らした血液中の薬の濃度に応じ、蛍光物質の光り方が変わる仕組みを利用する。ぜんそくの治療薬テオフィリンや免疫抑制剤など、副作用が強く、効果のある血中濃度の範囲が狭い薬が試験の対象になる。
 テオフィリンの血中濃度は、血液(血清)を1滴垂らしてから65秒で測定できたという。
 血液採取してすぐ測定できるわけではなく、採取した血液から血清を分離するのに3分ほどかかる。ただ、従来の検査では、約1ミリ・リットルの血液を使って50分程度かかっており、大幅な時間短縮となる。
・・・続きはネットでご覧下さい

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臨床検査の正しい仕方―検体採取から測定まで


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