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検査の標準化 vol.1(2000年投稿文) [Tea-break]

検査の標準化(全国共通の検査デ-タ供給に向けて) 2000年投稿
       ***** 何故、いま検査の標準化が必要なのか *****


1.はじめに
現在、国立医療機関が早急に取り組まねばならないものとして、
 (1) 政策医療の推進 
 (2) 独立行政法人化に向けての経営基盤の確立
 (3) カルテ開示、電子カルテ化等、情報化の推進
などがあげられています。これに伴い、各病院の検査科単位のみならず、国立医療機関の検査科相互協力のもとにこれらのプロジェクトの推進が求められています。またFMSやブランチ導入施設増加や医療法改正などを含めた法規制緩和等が取り巻く情勢の中では早急にかつ無駄のない系統立った動きをしないと、国立医療機関の検査室が崩壊しかねない危機的状況にもなっています。さて、上記の3項目についてご説明をしたいと思います。

【政策医療の推進】
 「国が担うべき事業を確実に実施する。すなわち、政策医療ネットワ-クを通じた医療体制の充実強化。」ということが、独立行政法人の使命として明文化されています。政策医療を推進し、地域医療は余力があれば・・・といったニュアンスにもなっています。ただこれは平成16年の独立行政法人化後に取組みを開始するものではなく、いま開始しなければなりません。具体的には、診療・研究のため、検査のデ-タベ-ス化が必要であり、かつ全国で集計される検査デ-タが比較できるものであり、保証されたデ-タが必要ということであり、
① 政策医療に必要な全国共通に使える検査デ-タを出せない検査室
② 検査デ-タに対して保証ができない検査室
はその必要を認めないということです。

【独立行政法人化に向けての経営基盤の確立】
 独立行政法人は企業会計で運用される予定であり、経営基盤確立のため、いま以上の経営改善に向けた業務委託やDRG/PPSに対応して検査科としてクリティカルパスの作成、業務委託の促進、稼働率向上などが求められます。クリティカルパスの導入に際しては検査科として、検査方法や作業手順の標準化などを進めなければなりませんし、そのためには現業務の洗い出しをおこなって無駄をなくす、業務改善に対しての努力が必要となります。そのほか、経費削減、危機管理(感染予防対策や安全対策、検査マニュアル作成等)、情報発信など施設内努力も大きな比重を占めます。

【カルテ開示、電子カルテ化等、情報化の推進】
 政策医療に対して検査法やデ-タ、報告形式などの標準化と検査デ-タの精度保証の必要性についてはすでに述べたことですが、カルテ開示や電子カルテに対しても同様のことがいえます。また、カルテの標準記載要領にかなった報告形式が要求され、あらゆる検査デ-タの標準化が求められます。

 個人の力を最大限に活用し、施設能力の結集をはかるには情報化の推進が求められます。作業を分散処理し、情報を収集することや相互協力するためには施設内外の情報ネットワ-クを整備し活用することが重要となります。

次号vol.2に続く


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