SSブログ

20060210-186号 記者の視点 芽は出た、実はなるか? 医療安全対策加算新設 [kensa-ML NEWS]

皆さん、こんばんは。新井です。

 今日は花の金曜日。ですが、今日も町に繰り出すことも無く(お誘いも無く(^^;)電車に揺られております。
 また寒波がぶり返したようで、凍りつきそうな日々が続いていますね。今日のニュースを眺めていたら気になる記事が出ておりました。

 http://www.jma.go.jp/jma/press/0602/10a/elnino200602.html
 太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部の広い範囲で平年より低かった。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温は、東部で負偏差、西部で正偏差が明瞭だった。大気下層では中・西部で東風偏差が卓越した。
 現在の太平洋赤道域の中・東部で海面水温が平年より低い状態は、ラニーニャ現象である可能性が高い。この状態は春まで続くとみられる。

エルニーニョは良く聞くけど、ラニーニャって?という方に・・・
 http://www.data.kishou.go.jp/climate/elnino/mikata/whatiselnino.html
 エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。これとは逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。

 以下はエルニーニョ現象のときの日本の天候特徴ですが、ラニーニャ現象のときは以下と逆、と考えてください。
春(3~5月)・・・
 気温の傾向については特徴は見られませんでした。降水量は、北日本日本海側では「平年並」の割合が大きく、北日本太平洋側で「平年並~少ない」、東日本日本海側と西日本で「平年並~多い」の傾向がみられます。
夏(6~8月)・・・
 気温は、北日本、東日本、西日本では「平年並~低い」の傾向が明瞭で、特に西日本で「低い」割合が大きくなっています。南西諸島は「低い」が50%を占めますが「高い」も約30%あります。降水量は、東日本、西日本では「平年並~多い」の傾向が顕著で、特に西日本日本海側で「多い」の割合が約70%を占めています。
【梅雨の入り明け】 梅雨入りは、四国では「平年並~早い」の傾向がみられますが、その他の地域では、明瞭な傾向はみられません。梅雨明けは、沖縄を除き「平年並~遅い」の傾向が見られ、特に四国では「遅い」の割合が大きくなっています。
秋(9~11月)・・・
 各季節の中では最も気温の偏りが明瞭です。全国的に「平年並~低い」の傾向が明瞭で、特に東日本、西日本、南西諸島で「低い」の割合が多くなっています。降水量は、東日本では「平年並~少ない」の傾向がみられます。
冬(12~2月)・・・
 気温は、北日本では「平年並~低い」、東日本、西日本、南西諸島では「平年並~高い」の傾向がみられます。降水量は、東日本太平洋側では「平年並~多い」の傾向が明瞭で、南西諸島では「多い」の割合が大きくなっています。また、北日本太平洋側、西日本でも「平年並~多い」の傾向がみられます。

 簡単に訳すと、今年の夏は暑くなり、降水量は少ない・・いわゆる日照り干ばつ状態って事でしょうか?・・・以上、気象庁広報担当官からのレポートでした(^^;。
 とはいえ、立春を過ぎたところですが、春の到来が訪れるのはまだ先のようです。お体をご自愛下さい。

 さて長すぎる前置きはさておき、今日のニュース。確かに本年の医療制度改正で、医療安全に関する記事は非常に少なく、目立たない存在なのですが、非常に重要なものですね。減点方式が撤廃され、加算方式に変更となったようなのですが、どこかの加算のように、どの施設も一律に導入されたから、こんな加算は無くしましょう・・・なんて議論にならないようにしてもらいたいものです。むしろ厳密な第三者機関による審査(カッコばかりではなく中身で勝負するような)で「医療安全○適マーク」なんて方が、患者さんにとっては分かりやすいのでは?と思うのですが。

【Japan Medicine 2006/02/10】
 記者の視点 「芽は出た、実はなるか? 医療安全対策加算新設」
 
http://www.japan-medicine.com/shiten/shiten1.html
====================================================================
 マイナス3.16%が病院経営に重くのしかかる2006年度診療報酬改定で、目立たないが、今後が気になる項目がある。新設の医療安全対策加算だ。医療安全管理体制の基準を満たせない病院の入院基本料を減額する「未実施減算」(マイナス10点/日)を廃止、代わりに導入される。院内の安全関係委員会と連携して、実効性がある医療安全対策を「組織的に推進する」のが狙いだ。
 要件は、急性期病院で、医療安全対策について「専門の教育を受けた看護師、薬剤師等を医療安全管理者として専従で配置している場合」というもので、入院基本料に上乗せできる。
 平均在院日数の短縮と病床稼働率の維持・上昇を両立させなければならない急性期病院は、業務過剰、人手不足という問題を抱えている。さらに、安全対策にも人を割かなければならず、安全管理にかかる負担は限界に近いという悲鳴が上がっていた。
 今回改定で、日本医師会、日本病院団体協議会はともに「医療安全の確保」を最優先した。中央社会保険医療協議会の論議でも、支払い側が「医療における安全の確保は大前提であり全体の報酬の中で評価すべき」という見解を示すなど、評価する点では診療側との間でコンセンサスが得られていた。
 医療安全対策加算は、良質な医療を支える人材、その育成に対する診療報酬上の評価という点で、前回改定で単独型・管理型の臨床研修病院に導入された「臨床研修病院入院診療加算」と似ていると思う。それまでそうした評価はなく、評価対象にする理由付けで当時厚生労働省が苦労していた。
 医療安全対策加算が規定する医療安全管理者は、兼務が可能な専任よりも制約が強い「専従」になる。エキスパートとして医療安全対策の推進役になることを前提とした要件だが、配置するかどうかの判断はやはり点数に左右されるだろう。
 医療安全管理者の配置状況は、医療法施行規則で配置が義務付けられた特定機能病院で約7割にあたる54病院が1人を専任で配置(05年10月)。それ以外の病院では、313病院の約2割に当たる58病院が専任で配置という日本医療機能評価機構のデータがある。
 医療安全対策加算の水準は1入院につき○○点とされ、2ケタの点数になる(8日時点)。仮に、臨床研修病院入院診療加算と同様30点が付くとして、500床の病院の場合、月間入院患者は750人で、22万5000円(平均在院日数17日、稼働率85%)。「これでは採算が合わない」というのが医療現場の反応
だろう。
 臨床研修病院入院診療加算でも同様の反応があった。当時の厚労省幹部にぶつけると、「芽出しさえすれば、後はなんとかなる」という意味の答えが返ってきた。医療安全対策加算の点数は15日の中医協で示される予定だ。医療現場には、ヒヤリ・ハットやインシデント事例は収集したものの、分析して対策を講じるノウハウや時間的な余裕がないという悩みがある。最初は採算が合わなくても、医療安全対策加算を算定しようと考える病院経営者は少なくないのではないか。
 例えば、専門的な知識を持つ医療安全管理者が講じる安全対策によって、医療事故が減少、安全性も高まり、医療の信頼回復につながるといった好循環が生まれる方向で、ようやく出た芽が育つと良い。それにより、病院経営面でのエビデンスが確立すれば、活動は実を結ぶだろう。(田部井 健造)


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(1) 

nice! 1

コメント 2

まゆぷこ

安全対策って、練れば練るほど採算合わないし、仕事量増えるし、会議時間増は増加、だから現場での仕事は過密、残業が多くなって、結果ミスも減らない忙しさも変わらない・・・・・。
合理性からすると、効果を生まないものは会議する必要はないが、厚生省との建前上せざるおえないのが現状。
by まゆぷこ (2006-02-11 20:42) 

Koji

まゆぷこさん、おはようございます。コメント有難うございました。またお返事が遅くなり申し訳ありません。
仰るように安全対策ってお金も手間もかかることで、縁の下の力持ちというか、医療の質を担保するものというか、非常に微妙なものですね。一般論として、これまで安全は既得権みたいなところがあったのですが、現在ではそのような神話は崩れつつあります。国民もそのことにもっと意識を向けないといけないのでは?というのが私の率直な感想です。
安全対策に対しての評価はもっと高くあってしかるべき、と私は思います。
by Koji (2006-02-13 06:55) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 1


[ひらめき] Facebook・・・友達リクエスト、フィード購読大歓迎
     https://www.facebook.com/gamdango
[ひらめき] Facebook・・・最新情報はこちら
       https://www.facebook.com/Project102.MT

 

[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
          http://enigata.com/index.html


    人気ブログランキング   臨床検査ランキング   Ameba_banner.jpg

人気ブログランキングにほんブログ村ランキング(臨床検査)に参加しています(Amebaは姉妹サイトです)。
啓蒙活動の一環として参加していますので、バナー↑↑↑へのクリックに是非ともご協力ください[ひらめき]


 臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。

 さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。

 現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。

 ご質問、ご意見、ご感想などございましたら、
gamdango@csc.jp までご遠慮なくメッセージをお送りください。ただし医療相談等には内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご了解ください。

         NHO神戸医療センター
         臨床検査技師長
                新井 浩司

好き放題コメントを加えた最新の医療系情報(科学系、農業系、少年野球系話題も満載?)をご提供しています。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。