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0105-622号 老いの未来図:介護・医療の現場で [kensa-ML NEWS 【特集】]


 改めまして、新年明けましておめでとうございます。神戸の新井です。
 本年もメールニュースを配信してまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

 新春早々にはなりますが、皆様にお願いがあります。

 本メールニュースの内容を、私の個人的に運営しているブログに掲載していることをご存じの方も多いかと思います。ブログ開設は、臨床検査技師という職業をもっと他職種の方のみならず、一般の方々にも知っていただこうという趣旨で開始したものです。そのことをご承知いただき、ブログへのご来訪やバナークリックへのご協力をお願いしたいと思います。


 新春お初のニュース配信となりますが、今日はとにかく寒いですねぇ・・・風も冷たいし凍えそうになります。暦を見てみると、今日は「小寒」。

 「大寒」は1月20日頃だそうで、まだまだ寒さは厳しくなるんですね。風邪をひいていることもあって今朝はこの冬初めてロングコートを着込んで出勤しました。寒さが身にしみる年となってしまったのか?としみじみ自室で思いにふけっております。

 単なる鬼の撹乱じゃ!一杯仕事溜まってんやから、はよ仕事せい!とスタッフに言われそう・・・(--;


小寒:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AF%92
 寒さが最も厳しくなる時期の前半。『暦便覧』では「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」と説明している。
 この日から節分(立春の前日)までを「寒(かん。寒中・寒の内とも)」と言い、この日を「寒の入り」とも言う。冬の寒さが一番厳しい時期となる。この日から寒中見舞いを出し始める。

 ところで先ほど「お初:おはつ」と書きましたが、今日のコラムにも書いているように「おはつ」なんて確かに最近言いませんよね。私が子供の時は、散髪していこうものなら「おはつ三日」などと言われて後頭部を誰彼なしに三日間ボカスカ叩かれたものですが、厄落としの意味だったのですね。そんな意味があるとは知りませんでした。なら、私をもっとぶって・・・厄払いに行かなくて済むから・・・(--;


1月5日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20110104-OYT1T00862.htm
 男の子も女の子も正月などに新調の服を着ていると、遊び仲間から背中や腕を「おはつ」と言ってポンと叩(たた)かれた。作家の戸板康二氏が随筆で子供の頃を回想している◆〈お初を着ている者が祝福と羨望をないまぜにした目で注目され、叩いてもらって厄落としをしたわけであろう〉と(三月書房『夜ふけのカルタ』より)◆江戸の庶民はふんどしに包んだ銭をわざと道端に落として厄落としをしたというが、形ばかりの小さな厄災によって不運はこれで出尽くしたと胸をなでおろす習わしは、子供の世界にも長く引き継がれていたのだろう◆いまの子供たちが新しい服を買ってもらうのは正月に限るまい。というよりも、新調しても周囲が気づかないくらいに、きれいな身なりを普段からしている。初日の出、初詣、初笑い、書き初め…初の字のつくおめでたい言葉のなかではおそらく最も人なつこい一語だろう「おはつ」は、もはや遠い死語である
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 さて季節ものの話題から一転、今年やらなければならないお仕事の話から。

 私のいわばライフワークともなっている政策医療関連業務ですが、平たく言うと、とにかくまずは検査データの互換性や品質を高めたりだとか、そのことにより国内の臨床検査データの統一化、共有化を推進し、地域医療連携や政策医療連携に活用するとともに、研究、治験分野における国際競争力をUPさせることです。現在電子カルテが普及し、ネット上でもマイカルテなどといった試みが盛んに行われていますが、いくらインフラ整備を行ったとしてもその中身がお粗末では話にならないと思うのです。如何でしょうか?

 以下の社説は医療業界とはあまり関連性が高くないと思われがちですが、日本にとっては非常に重要な課題だと思いましたのでご紹介しました。でもやっぱりエジソンは天才ですね!きっと今頃は舌を出しておられることでしょう。


国を開き 道を拓く(3) 技術の囲い込み排し世界市場を目指せ 日本経済新聞社説 1/4
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E2E5EBE0E3E6E2E0EBE3E0E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 情報通信技術の進展や二酸化炭素の排出削減の必要性から、電力や交通などのインフラ分野で技術革新が起きている。自動車や環境など日本が得意とする分野で優位に立つには、世界市場をにらんだ技術の標準化や普及活動が欠かせない。
 電気自動車の普及では、道路沿いに設備を設けて短時間で充電する技術が重要になる。充電プラグや電圧などの規格を統一し、異なる車種でも電池の残量に合わせて安全に充電する技術が必要だ。
国際標準の獲得が重要
 この分野でトヨタ自動車や東京電力などが組み、国際標準の獲得を目指す活動が始まった。推進組織には中国や韓国など外国企業も30社以上加わり、日本の規格に強い関心を示す。自動車や電機の技術だけでなく電力を安全に効率よく供給する技術力も日本にあるからだ。
 電気自動車の標準化に向け世界的な競争が始まった。米国やドイツなど自動車大国のほか、電力から攻める国もある。自動車メーカーがないアイルランドは車体の供給をルノー・日産自動車や三菱自動車に要請、国内に1社しかない電力会社を通じ国を挙げての実証実験を始めた。日本もこうした国と組むことで、海外での実験や技術の標準化に突破口を開くことができるかもしれない。
 日本には苦い経験がある。米国の軍事衛星を用いたカーナビの開発で日本勢は先行したが、各社が独自技術を競い、仕様を囲い込むことで、閉鎖的な市場をつくってしまった。この結果、高機能だが値段も高くなった。一方、海外では安価な簡易端末が主流になり、日本は外国企業の後じんを拝すようになった。
 モノづくりの技術を過信し、デジタル技術への転換に乗り遅れたことも、日本が標準化で後れを取った理由だ。ガソリン車や家電製品のような商品は、機能と品質がよければ外国で売れる。だが携帯電話のように通信インフラと一体化した商品は、規格が合わなければ使えない。
 「エジソンの夢を日本で実現したい」。こんな掛け声のもと国内の電機メーカーや通信会社約40社が新たな標準化活動を始めている。家庭や事務所で使う電気をすべて直流でまかなう直流給電の規格づくりだ。
 19世紀末、エジソンは直流方式の送電網を唱えたが、ライバルの発明家テスラが推す交流方式に敗れ、世界の送電網は交流が標準となった。交流は電圧を高めて遠くに送りやすいという理由だ。ところが太陽光発電や照明用の発光ダイオード(LED)の登場で、常識は覆る。
 太陽光発電は直流で電気を起こし、LEDは直流で光る。交流で送配電するのはかえってロスが大きく、合理的とはいえなくなった。
 パソコンなどの電子機器も直流で動く。今は端末ごとに電源アダプターで交流から直流に変換している。参加企業は直流のまま使える電子機器の規格をまとめ、国際的な標準機関に働き掛けた。日本発の提案が世界から試されようとしている。
 日本発の技術を世界に広めるには国際標準として認めてもらう努力が必要だ。標準化は国際電気通信連合(ITU)など国際機関を中心に進んできた。だが、世界の特定の有力企業の技術者などが集まる会合で事実上の方向性が決まるのが現実だ。
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 さてここからは恒例?の宇宙ネタ。今年も色々とネタには困らないようですね。様々な天文ショーが豊富ですのでまたご紹介していきたいと思います。

 それともう一つのネタは、金星探査機「あかつき」の話題。熱しやすく冷めやすい国民性、もうお忘れになってしまわれたかな???


2011年の科学界:ISSが完成、宇宙開発「一里塚」 毎日新聞 1/4
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110104ddm016040017000c.html
 2011年は、人類が初めて宇宙を飛んでから50年の節目に当たる。日本では古川聡飛行士(46)が、今年完成を見る国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在するほか、中国が独自の宇宙ステーション計画を始動させる。科学に関する今
年の主な話題を紹介しよう。
 旧ソ連空軍のユーリ・ガガーリン少佐(1934~68)が乗った宇宙船「ボストーク1号」が地球を1周し、「人類初の宇宙飛行」を成し遂げたのは1961年4月12日。ガガーリン少佐は100分あまり飛行してソ連領内に無事帰還し「地球は青かった」という名言を残した。
 それからちょうど50年後の2011年は、世界の有人宇宙開発にとって「一里塚」となる年だ。
 日本、米国、カナダ、ロシア、欧州の計15カ国が参加し、地上約400キロの上空で98年から建設が進められてきたISSが今年、いよいよ完成する。完成に伴い、延べ約800人を宇宙に運んだ米航空宇宙局(NASA)の「スペースシャトル」は、6月にも最終飛行を終えて引退する。シャトルには日本人宇宙飛行士7人も搭乗した。シャトルの引退により、米国は一時的に有人宇宙輸送機を失い、ISSへの往復はロシアのソユーズ宇宙船に頼ることになる。
 5月末には、古川聡飛行士がソユーズ宇宙船でISS長期滞在任務に出発する。すでに長期滞在を経験した若田光一飛行士(47)、野口聡一飛行士(45)に続き日本人3人目だ。
 99年、宇宙飛行士候補に選抜されて以来、13年目での初飛行。滞在は約半年だ。医師として東大病院に勤務した経歴を生かし、宇宙で人体がどのような影響を受けるかを調べる実験などで成果が期待されている。
 古川さんは昨年12月、自身のツイッター(簡易ブログ)で「試合に出るためずっと練習してきて(中略)やっとレギュラーになれた。やった!という感じ」と、元野球少年らしい表現で喜びをつづった。
 一方、ISS計画には参加せず独自の有人宇宙開発を続けてきた中国は、今年前半にも自前の宇宙ステーション建設に向けた無人実験機「天宮1号」の打ち上げを予定している。年内にも宇宙船「神舟8号」を無人で打ち上げ、宇宙でのドッキング実験を実施。2020年までに宇宙ステーション「天宮」を完成させる計画の第一歩になる。【西川拓】
■原子力ビジネス
 国は原子力利用の基本方針「原子力政策大綱」(05年閣議決定)を見直す。温室効果ガス排出削減で原発が見直されている半面、核燃料サイクルを支える高速増殖原型炉「もんじゅ」などの計画が遅れていることを考慮しながら議論する。新大綱の原案は年内をめどにまとめる方針だ。
 一方、日本の原発技術を海外に売り込む動きも活発化しそうだ。政府は、原発の大規模な増設を計画している韓国政府と12月に原子力協定を結んだ。電力9社などが昨年設立した新会社「国際原子力開発」は、新興国を中心に活発にビジネスを展開。今後もアジアを足がかりに、官民一体で売り込みを進めるとみられる。【関東晋慈】
■世界化学年
 今年は「世界化学年」。マリー・キュリー(1867~1934)がラジウムの発見でノーベル化学賞を受賞して100年になるのを記念し、国連が定めた。世界90カ国以上が化学への理解と関心を高めるための活動を連携して展開する。
 国内では、化学関係の学会や企業などで構成する「世界化学年日本委員会」(委員長・野依良治理化学研究所理事長)が設立され、化学のPRに取り組む。各地での市民講座開催や科学館での展示会、小中学生を対象とした伝記「キュリー夫人」の感想文コンクール、オリジナル切手の発行などが予定されている。【藤野基文】
■天文
 月が太陽の一部を隠す部分日食が1回、月が地球の影にすっぽり入る皆既月食が2回ある。このうち、6月2日の部分日食は東北・北海道で見られるが、欠け方はわずか。一方、12月10日の皆既月食は好条件で、全体が赤銅色に染まる月が全国で観察できそうだ。
 久々に大規模と期待されるのが、「10月りゅう座流星群」。ジャコビニ流星群とも呼ばれ、日本では10月9日未明、最大で1時間に100個、欧州では800個ほど現れると予想される。【須田桃子】
 1月  4日未明 しぶんぎ座流星群ピーク
 6月  2日早朝 部分日食(一部地域)
 6月 16日未明 皆既月食(一部地域)
 10月 9日未明 10月りゅう座流星群ピーク
 12月10日夜  皆既月食
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金星探査機:「あかつき」再投入1年前倒し 減速して待ち伏せ--JAXA検討 毎日新聞 1/5
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110105ddm001040003000c.html
 金星を回る軌道への投入に失敗した探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「6年後」としてきた金星への再投入計画を1年前倒しして、5年後の再挑戦を検討していることが4日分かった。あかつきをゆっくりと減速し、金星が追い付くのを待つ作戦で、トラブルで出力が落ちたエンジンでも実現可能な計画として浮上した。期間短縮は、機器の寿命の面でも有利に働くとみられる。【山田大輔】
 あかつきは昨年12月7日に金星に最接近した際にエンジンを逆噴射して急減速し、金星の引力で進路を変えて周回させる予定だった。しかし、エンジンが計画より短い約2分半で停止。速度は十分落ちず金星を通過し、現在は太陽を回る軌道を金星より速く飛行している。
 JAXAは当初、金星が太陽を10周する間にあかつきが11周し、金星が「周回遅れ」になる6年後の16年12月~17年1月に最接近させる予定だった。だが、その後の調査でエンジンの出力が約6割に落ちていると判明。配管の弁の異常による燃料供給の支障や、エンジン噴射口の破損の可能性があり、完全復旧は厳しい状況だ。
 噴射が弱ければ、最接近時に急減速が必要となる再投入は困難になる。このため、JAXAは、あかつきの速度を少しずつ減速させ、太陽を8周する5年後に金星に追い付かせる検討を始めた。時期が早まれば太陽からの放射線による機器故障の危険性が軽減され、金星投入後の長期観測も現実味を帯びる。
 JAXA関係者は「当初計画の速度では、おそらく再投入できない。あらゆる可能性を検討し、金星の観測を実現したい」と話している。
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 ここからは医療関連ニュースに移ります。

 まずは感染性胃腸炎の影に隠れてひそかに流行りつつあるインフルエンザの話題。今年度はA香港型が流行とのニュースを昨年流したところですが、昨年末から今年にかけ、昨年ブレークした新型が流行しつつあるようですね。ワクチン接種を既に多くの方々が受けられていると思いますが、今回のワクチン接種後、いつもより腫れが強く痛みも伴った方、多くないでしょうか?私の職場でも多くのスタッフが私と同様、例年に比べて腫れも痛みも強かったように思います。注射そのものは痛くなかったのですが、やっぱり注射は避けたい方、多いのではないでしょうか?今回のニュースのような鼻噴霧型ワクチンだとかなり副作用は軽減されるでしょうし、小さな子供たちも安心して受けられるのではないかと思います。感染防止効果というものも魅力ですね。

 鼻粘膜免疫についての文献がありましたので、ご紹介しておきます。


鼻粘膜の免疫生理と病態 鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科学教室
 
http://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/120/1/120_7/_article/-char/ja
 鼻腔は下気道へと向かう吸気の加湿・加温作用,吸気中に含まれる様々な微生物やアレルゲンを吸着しこれを粘液線毛運動によって除去する作用など,生理的そして非特異的な生体防御機構を備えている.さらに分泌型IgAを中心とする特異的生体防御機構も備え,病原微生物を排除あるいはこれらを常在菌叢として共存させる極めてユニークな器官である.粘膜局所で産生される分泌型IgAは,溶菌作用や補体活性作用を持たず,中和作用や凝集作用のみを有し,これによって細菌が上皮表面へ定着するのを妨げる.鼻分泌液中にはこの分泌型IgAが多量に含まれ,その濃度は血清型IgAやIgG,IgMと比較してはるかに高い.慢性副鼻腔炎では,これら免疫グロブリンの産生が亢進し,鼻分泌液中の濃度が上昇する.しかし,病原菌に対する特異的抗体価は逆に低下し,慢性炎症における局所免疫機能の障害が示唆される.したがって,鼻副鼻腔炎など上気道感染症の予防には,全身免疫のみならず,粘膜局所免疫も高めることが必要かつ重要と考えられる.そこで,インフルエンザ菌外膜タンパクを用いて,マウスを経鼻,経口,経気管,さらに腹腔内全身免疫し,その免疫応答を検討した.その結果,鼻腔洗浄液中の分泌型IgAの特異的抗体活性がもっとも高値を示したのは経鼻免疫群であり,この免疫応答と相関して,経鼻免疫群ではインフルエンザ菌の鼻腔からのクリアランスがもっとも高かった.以上の結果から,鼻粘膜など上気道粘膜の防御そしてその病態に粘膜免疫応答が重要な役割を担っており,上気道感染症の予防には経鼻ワクチンが有効と考えられる.


 今回の経鼻粘膜投与型ワクチンに関する情報は以下に掲載しています。ご興味のある方は、お早めに!?
 http://idsc.nih.go.jp/training/20kanri/pdf/Sep.18_7.pdf
 http://www.npo-bmsa.org/wf103.shtml


鼻噴霧型インフルワクチン、効果を確認 読売新聞 2010/12/30
 
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101229-OYT1T00825.htm
 高濃度のインフルエンザワクチンを鼻の内側の粘膜に噴霧すると、従来の注射型ワクチンでは難しかった感染防止効果が出ることを、国立感染症研究所の長谷川秀樹室長らが臨床研究で確かめた。
 粘膜特有の免疫反応が誘導できたためと見られる。遺伝子が毎年変化するインフルエンザウイルスにも対応し、新たなワクチン開発につながる成果だ。
 研究チームは20~60歳代の健康な男性5人の鼻に、季節性のA香港型インフルエンザに対するワクチンを、通常の3倍の濃度で吹き付けた。3週間の間隔をあけて2回接種すると、全員で鼻汁に含まれる、粘膜特有の免疫物質(抗体)が感染予防に十分とされる量まで増えた。
 この抗体は、10年前のA香港型など過去のウイルスに対しても、感染予防効果が確認できた。接種による副作用も見られなかった。


インフルエンザ:流行本格化 新型、季節性を逆転--過去3週間 毎日新聞 12/31
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101231ddm003040079000c.html
 インフルエンザの流行が本格化している。特に昨年、世界的に大流行した新型インフルエンザが急増し、今季主流を占めていた季節性のA香港型と割合が逆転した。日本感染症学会など関連する学会は早期診断、早期治療の徹底を呼びかけている。国立感染症研究所(感染研)によると、今シーズン国内各地で検出されたウイルスはA香港型が7割近く、新型が3割弱、残りがB型。だが、流行入りした最新の1週間(12月13~19日)に新型はA香港型の約3倍と逆転し、12月6~26日の3週間の速報値(28日現在)では新型が182件でA香港型の71件を大
幅に超えた。
 新型は、感染から4~5日後に急激に呼吸状態が悪化し死亡する例がある。肺で増殖しやすい性質のため、鼻やのどの粘膜をとって調べる簡易検査では陰性となるケースが多い。
 厚生労働省は昨シーズン、症状がある患者全員に詳細な遺伝子検査を実施するよう通知していた。だが、今シーズンは通知内容が変わり、簡易検査で陽性となり、さらに集団感染などの例に限って遺伝子検査を行うよう求めている。
 日本呼吸療法医学会の竹田晋浩・日本医科大准教授は「治療の遅れは致命的になる。遺伝子検査による確定診断があれば投薬などの処置が全く異なる。保健所は積極的に遺伝子検査をしてほしい」と要望する。
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 さて次は多発性硬化症についての話題。難病指定されている多発性硬化症とは?と思われた方も少なくないと思いますので、どんな病気か調べてみました。


多発性硬化症 難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/068.htm
1. 多発性硬化症とは
 多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患の一つです。私達の神経活動は神経細胞から出る細い電線のような神経の線を伝わる電気活動によってすべて行われています。家庭の電線がショートしないようにビニールのカバーからなる絶縁体によって被われているように、神経の線も髄鞘というもので被われています。この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄疾患です。この脱髄が斑状にあちこちにでき(これを脱髄斑といいます)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)です。MSというのは英語のmultiple sclerosisの頭文字をとったものです。病変が多発し、古くなると少し硬く感じられるのでこの名があります。
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多発性硬化症:新薬に光 マウス実験、悪化の仕組み解明 日本・スイス共同研究 毎日新聞 1/4
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110104ddm041040025000c.html
 厚生労働省が特定疾患に指定する難病「多発性硬化症」が悪化する詳しい仕組みの解明と、症状を緩和させる薬剤の開発に、東京都神経科学総合研究所など日本・スイスの共同研究チームがマウスの実験で成功した。チームは「新たな薬剤療法につながる」と期待している。欧州分子生物学機構機関誌で発表した。【須田桃子】
 多発性硬化症は脳や脊髄(せきずい)、視神経などの中枢神経に炎症が起き、視覚や歩行に障害が出る病気で、国内に1万2000人以上の患者がいる。その8割が20~40代と若く、悪化すると失明したり、寝たきりになることもある。発症の仕組みは不明で、治療法は炎症を抑えるステロイド剤や免疫抑制剤などの対症療法が主流だ。
 多発性硬化症による障害は、視神経や脊髄の神経線維を覆うカバー(髄鞘(ずいしょう))が炎症で壊れ、情報を伝える電気信号が漏れることで起きる。同研究所の郭暁麗研究員(神経科学)と原田高幸部門長(眼科学)らは、脳神経細胞の働きを支えるグリア細胞で働く遺伝子で、生物が生まれつき持つ自然免疫の仕組みを制御するASK1(アスクワン)に着目。発症すると、細胞内でASK1が過剰に活性化し、炎症を起こすたんぱく質が多量に分泌されると推測した。
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 さてメインニュースに移ります。

 誰もが通らなければならない道、「老化」。自身も年々衰えて行く視力と体力を感じています。これだけ少子高齢化社会になってくれば、日常茶飯でどこにいても年老いた夫婦の姿を見かけます。

 私がコメントをいくら書き連ねようと、恐らく皆さんには「なったもの」の気持ちや辛さは伝わらないと思います。

 新年早々のメインニュースとなりますが、お正月、実家に帰って色々と考えさせられたこと、反省させられることも多々ありました。また家内が介護職をしているので現場の辛さなどひしひしと感じている毎日です。とにかく以下の記事、ご一読いただければと思います。


老いの未来図:介護・医療の現場で(その1) 「悲劇」越え、老老送迎 /千葉 毎日新聞 1/1
 
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110101ddlk12040033000c.html
 家庭を超え、地域で老人が老人の面倒を見る時代に入った。増え続ける高齢者に、医療や介護のサービスは追いつかない。お年寄りがいま直面している数々の困難は、まだ元気な私たちの大切な肉親、そして私たち自身がやがて確実に直面するものだ。困難さの度合いは増しているかもしれない。「将来、老いをどう生きるか」。20代後半~40代後半の若い世代に属する記者が、自らの「老いの未来図」を知ろうと、お年寄りたちを訪ね、彼らを取り巻く福祉や医療の現場を歩いた。
◇木更津・NPO、ライフサポート波岡「はいずってでもやる」
 26歳で、気後れがなかったと言えばうそになる。取材だと自分に言い聞かせつつ、車窓を眺める。
 木更津市内を巡回する会員制の「生活バス」に、お年寄りが次々乗り込んでくる。「若い人がいるわ」。意外そうな顔でこちらを見る。10人乗りの小型バスはやがて満員になった。乗り合わせた女性に「おいくつですか」と尋ねると、「あらま、年齢も聞くの?」。横の女性が笑う。「あんた気にする年かい」
 同市のNPO法人「ライフサポート波岡」が、平日1日4回走らせている。高齢化の進む住宅地と駅や病院、商業施設を結ぶ。いつも利用するという鈴木初江さん(75)は「バスで生活が変わりました。家族に車の運転を頼まなくても、病院や買い物に行けます」。隣の67歳の女性も笑顔で同意しながら言った。「ここは社交の場よねえ」
 ハンドルを握るNPOメンバーも高齢だ。14人の平均年齢は70歳超。記者が乗ったバスの鮎川哲夫さんは65歳で若手という。体調を崩し、59歳で会社を退職。NPOに加わってまだ日が浅い。「利用者の喜ぶ顔を見て、自分が世の中の役に立っていると実感しています」。第二の人生の手応えを楽しんでいるようだ。
 元気な高齢者が、弱った高齢者の足代わりとなる。しかし、それは「きれいごと」では済まない。
 昨年7月、市内の介護施設を利用する81歳の女性が、炎天下の送迎車内に8時間置き去りにされて死亡した。施設送迎を同NPOが手伝い、女性を降ろし忘れた70歳の運転手はそのメンバー。「老老送迎の悲劇」だった。
 「いろいろ批判を受けました。学童保育の送迎も打ち切られた」。同NPOの近藤弘代表(72)が打ち明ける。事故後、メンバーの意識は変わったという。活動の中で各自が反省点や目標を明確にしようと決め、励行するようになった。後部座席の乗客もシートベルトをしているかどうか、確認を心がけてもいる。
 「でもね」。近藤さんは言葉を継いだ。「管理志向を強めればメンバーが去っていく可能性がある。『ボランティアだから気楽にやりたい』と言われたら、引き留められない」
 近藤さんらは生活バスの会員に対し、最初に「覚悟して乗ってください」と念を押すという。ドライバーも乗客も、ちょっとしたはずみで骨折しかねない年齢だ。最近も、ベルトを外していた高齢女性が急ブレーキで転倒し、半年間通院する事故があった。「保険の範囲内で対応するが、賠償責任までは負えません」
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老いの未来図:介護・医療の現場で(その2止) いずれ自分も世話に /千葉 毎日新聞 1/1
 
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110101ddlk12040051000c.html
◇習志野台団地、助けあいの会
 「さあ、やるよー」
 妻に先立たれ、一人で暮らす今井哲男さん(75)宅に、師走の午後、70歳前後の住民4人がやってきた。「いち、にのさん……」。鶴見潤子さん(72)のかけ声で、力を合わせ、ベッドを10センチ移動させた。
 「重たくて一人じゃ無理だ。これで掛け布団が爪先まで掛かるよ」。今井さんの顔がほころぶ。「人に頼むと、お礼をどうするか悩む。『助けあいの会』なら、少額で気兼ねなく頼める」。作業後にはベッドを囲んで世間話に花が咲き、笑いが広がった。
 船橋市の習志野台団地。43棟に入居する1820世帯の半数が、60歳以上だ。会は昨年6月、有志13人が発足させた。体力の衰えた高齢者(利用会員)の手助けを、元気な高齢者(協力員)が有償で請け負う。今井さんは協力員だが、今回は会の助けを借りた。
 利用会員は1時間500円の利用券を事前に買い、手助けを頼む。ごみ出し、買い物、電灯の交換、病院での薬の受け取り……。会のコーディネーターの指示で協力員は手助けを実行する。その後、受け取った利用券を会に渡して300円をもらう。残り150円はコーディネーターの取り分で、50円は電話代だ。協力員は現在、38人。利用会員は53人で、最高齢は90歳という。
 会の世話を受けながら最期を迎える住民もいる。
 がんを患う独居女性(77)は、昨年11月末に亡くなる直前まで、ごみ出しや買い物を会に頼んでいた。死期を予感してか、7月ごろ「身辺を整理したい」と申し出た。協力員たちは昨年の異常な猛暑の中、トラックで3台分の家財を運び出し、処分した。
 中心メンバーで団地自治会事務局長の後藤清七さん(72)は言う。「みな、いずれ自分も世話になると思って手助けしています」
 木更津の「生活バス」や船橋の「助けあいの会」のような取り組みは、「住民参加型在宅福祉サービス」などと呼ばれる。お役所用語だが、要は行政や介護保険制度による公的福祉サービスの足らざるところを補う、住民の自発的な支え合いだ。東京都武蔵野市で1981年、市の公社が家事援助などを行ったのが出発点とされる。
 これが今、野火のように広がっている。取り組む主体も自治会や生協、JA、NPO法人など多様で、国も県も実態を把握していない。船橋市では19地区で33組織が活動し、習志野台団地のケースは33番目に誕生した最新の取り組みだ。
 経済環境は好転せず、高齢者の「自助」も行政による「公助」も望めない。ならば、せめて地域の「共助」を充実させよう--。そんな流れが強まっている。
 半面、課題もある。利用する側は負担が少ないが、協力する側は報酬が望めず、メンバー個々の「志」でようやく成り立っている。助ける側の元気な高齢者は将来への不安から報酬が確実な職を求め、担い手を確保しにくくなっている。
 出発点となった武蔵野市福祉公社は「共助にはヘルパーの仕事も含まれ、正当な報酬との差はボランティア精神で埋めるほかない。住民任せでは活動継続が難しい。自治体が組織作りにしっかりかかわる必要がある」としている。【橋本利昭】
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老いの未来図:介護・医療の現場で 「雲の中」睡眠薬常用 /千葉 毎日新聞 1/3
 
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110103ddlk12040086000c.html
◇認知症の妻10年間介護 東金の男性、1人自宅で 「逃げ出したい」心揺れ
 認知症を患う親族を介護すること。その苦労はどれほどか--。67歳から10年間、認知症の妻を1人で介護し、自宅でその最期をみとった男性がいる。孤立無援の介護生活に心身をむしばまれ、睡眠薬を常用。自らも「要支援」と認定された。「希望が見えず、雲の中にいるようで、いつごろ何があったのかを思い出せません」。言い尽くせぬ老老介護の日々を振り返った。【黒川晋史】
◇自らも「要支援」に認定
 この男性は、東金市二之袋の無職、細田真旦(まさかず)さん(77)。妻和子さん(84)を昨年、自宅でみとった。東京出身。都庁で働き、27歳で七つ年上の和子さんと職場結婚。20年前に東金へ移住した。子宝には恵まれなかったが、仲むつまじく、休みのたびに各地を旅した。
 おしどり夫婦の暮らしは10年前、交通事故で暗転する。
 実家の墓掃除のため妻と車で東金から埼玉へ向かう途中、交差点で若者の車に横から衝突された。妻は脳挫傷の重傷、自身も肋骨(ろっこつ)を8本折る大けがだった。先に退院し、数カ月後、退院する妻を出迎えた。見た目は元気そうで、安心していた。が、間もなく徘徊(はいかい)が始まる。
 近所の家に勝手に上がり込み、連絡を受けて迎えに行き、謝って連れ戻す。その繰り返し。「助けて、と激しく抵抗することもありました」。何度言い聞かせても収まらない。「しっかりしろっ」。激高し、初めて妻に手を上げた。話のつじつまも合わず、病院で「脳挫傷を一因とする認知症」と診断された。
 最初の2年間はただ1人で介護した。徐々に弱り、歩けなくなった妻を車椅子に乗せ、食事や入浴の介助、おむつ交換をこなす。慣れない家事も全部やった。外出もままならず、買い物は週に1度。毎晩、真夜中に目覚まし時計で起き、様子を見守った。「逃げ出したい」。そんな思いにとらわれた。
 その後、知人の勧めで週3度ヘルパーを呼び、毎月1週間ショートステイに預けることにした。楽にはなったが、家にいれば介護の苦労は変わらない。家事に手が回らず、家の中は散らかり放題。年賀状も出せず、趣味の陶芸やテニスなどもできない。
 夜も眠れず、睡眠薬「デパス」が手放せなくなる。「心が悪魔になったこともありました」。老老介護の果てに各地で起きる事件も人ごとではなかったようだ。このころ、介護疲れから「要支援1」と認定された。それでも、妻を施設に入れ、完全に別居する道は選ばなかった。「年上すぎる、という実父の猛反対を押し切って結ばれた相手でしたから」
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hayama55

遅くなりましたが、
新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今年こそ、景気が良くなり、皆さんの生活が向上するといいですね。
by hayama55 (2011-01-06 07:31) 

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