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1028-607号 あなたの処方せん:/15 手肩のしびれ [kensa-ML NEWS 【特集】]


 昨晩も大変冷え込んでいましたし、今朝の大阪、神戸は冷たい雨がシトシト降っています。日本海側の方々や北海道の皆さんは如何でしょうか?このまま一気に冬を迎えてしまいそうな勢いですね。長期予報通り、非常に短い秋となりそう。

 さて今日のニュースは昨日用意していたのですが、配信出来なかったものを中心にお届けします。種々雑多なニュースと本日のメインは手肩のしびれについて。まずは、いつものように社説からご紹介します。


 今や恒例行事とさえなった事業仕分けの話題から。民主党政権の言わば目玉商品でもある行事ですが、国民に様々な無駄な部分を理解させるという部分では、透明性ということも含めて非常に良い取り組みだと思います。しかしながら机上の空論的な部分もあり事前学習による理解が仕分け側に乏しい部分もあること、仕分けをした結果がどうなったのか?という一番大切な部分がおざなりにされていることなど、問題点は多々あります。社説にもありますように人気取りのパフォーマンスでは先行きお寒いですね。


特別会計仕分け パフォーマンス優先では困る(10月27日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101026-OYT1T01333.htm
 行政刷新会議が、税金の無駄遣いを洗い出す事業仕分け第3弾を27日から始める。
 今回は、国の18の特別会計とその中の48事業について見直す予定だ。
 一般会計予算と違い、国会審議などで取り上げられることが少ない特別会計には、国が実施する必要性や経済効果に乏しい事業が少なくない。
 労働保険特会の職業能力開発事業や社会資本整備特会のスーパー堤防事業などには、確かに無駄がありそうだ。
 多額の積立金や借金を抱える特会も多く、そうした実態を再点検する意義はあろう。
 だが、財源捻出(ねんしゅつ)などを優先するあまり、必要な事業をカットしたり、積立金を無理に取り崩したりすることがあってはなるまい。
 国民へのアピールを狙って、各府省の説明担当者らを一方的にやり込めるような政治的パフォーマンスは厳に慎み、冷静な議論を重ねてもらいたい。
 事業仕分けは、昨年11月に1回目が実施され、今年度予算の概算要求を取り上げた。今年4月には2回目が行われ、独立行政法人のあり方などを検証した。
 いずれも、幾つかの事業や組織の廃止を決め、一定の成果を上げたと、鳩山前政権は自賛した。
 しかし、当初の思惑通りにいかなかったのは明らかだ。初回の事業仕分けでは、予算の削減目標を3兆円としていたが、実際にははるかに及ばなかった。2回目でも、議論が中途半端に終わったケースが少なくなかった。
 そもそも、わずか1時間足らずで、組織の存廃などについての結論を出すという手法自体に無理があるのは明らかだ。
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仕分け第3弾 前半戦スタート 貿易再保険特会に「廃止」判定 産経新聞 10/28
 
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101028/mca1010280502001-n1.htm
 全18特別会計(特会)を対象にした政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)の事業仕分け第3弾が27日、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で始まった。初日は貿易再保険特会など5特会が仕分けの対象になり、貿易再保険特会や労働保険特会の「ジョブ・カード」事業などに「廃止」判定が出た。
 蓮舫行政刷新担当相は開会式で、「まずは情報をフルオープンにする。特会の中で何が行われ、無駄や税金の浪費、政官業の癒着がなかったのかも議論してほしい」と要請した。
 災害などで漁船が損害を受けた場合に国が損失を補填(ほてん)する「漁船再保険及び漁業共済保険特会」(農林水産省所管)は、農業共済再保険特会と「統合」するよう判定された。
 同特会は、保険の健全性を示す指標が民間保険で健全とされる基準よりも低くなっているとされ、仕分け人の長島一由衆院議員が、「(保険の健全性を)外部機関で調べたことはあるのか」と説明者の回答をさえぎり、厳しく問いただす場面も。
 戦争などで貿易相手から代金を回収できない場合に損失を補償するための「貿易再保険特会」(経済産業省所管)も、経済産業省が実施する貿易保険との「二重構造」が指摘され、廃止判定につながった。
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 次は後期高齢者医療制度についての話題。

 私は非常に生命保険であるとか各種民間保険制度について非常に疎いです。殆ど人任せ。後期高齢者医療制度のアウトラインは分かっているつもりですが、詳細について説明をしろ、などと言われると答えることは出来ないでしょうね。ネットから分かりやすそうなものをピックアップしてみましたので、私と同じような方がおられたら、ご一読をお勧めいたします。

後期高齢者医療制度 5分で概要マスター
 
http://rekoukikourei.suffas.com/

後期高齢者医療制度
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E6%9C%9F%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%88%B6%E5%BA%A6
 後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど)とは、日本国内に住む75歳以上の後期高齢者全員と、前期高齢者(65~74歳)で障害のある者を対象とする、他の健康保険とは独立した日本の医療保険制度。
 国の医療制度改革の一環として、第3次小泉改造内閣が提出し成立した「健康保険法等の一部を改正する法律」(2006年6月21日公布)により、法律名を従来の「老人保健法」から「高齢者の医療の確保に関する法律」に変更。その内容を全面改正すると共に制度名を「老人保健制度」から「後期高齢者医療制度」に改めた。制度施行は2008年4月1日。2009年9月、後期高齢者医療制度廃止法案を提出した民主党・社民党・国民新党が政権与党となるが、後期高齢者医療制度に代わる案がないため、この制度が維持されることが決定した。
【概要】
 日本の高齢者医療は、これまで1983年に施行された「老人保健法」に基づいて実施されて来ており、その財源は国・都道府県・市町村の負担金及び健康保険等(政府管掌保険、共済組合、健康保険組合、国民健康保険等)の拠出金でまかなわれてきた。
 高齢化の進展等による財政負担の増加に対応するため、これまで被保険者の年齢や窓口負担等の引き上げ等を行うなど制度改正を行ってきたが、高齢者医療費がなおも増え続ける状況にあって、財政負担を抑制することがこの制度創設の主目的だとされている。ただし政府は「財政的な配慮が先行しているのではなく、後期高齢者の健康状態、ケアのあり方が前提である」としている。
 これまでの制度と大きく異なる点としては、「老人保健法」による老人医療制度では他の健康保険等の被保険者資格を有したまま老人医療を適用していたのに対し、後期高齢者医療制度では適用年齢(75歳以上)になると、現在加入している国保や健保を脱退させられ、後期高齢者だけの独立した保険に組み入れられるという点や、徴収方法が年金からの天引きが基本となっていることが挙げられる。また、一つの病名によって1か月の医療費が決められる「包括制」や、新たに設けられた診療報酬なども挙げられる。
 2008年4月1日の制度施行を目前に控え、「後期高齢者」という名称に対して多くの批判が集まったため制度施行初日の閣議の席上で福田康夫首相(当時)が「長寿医療制度」という通称を使うように指示しているが、定着していない。
 制度施行により、1300万人が、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行しており、将来的には更に増加することが見込まれている。
 民主党は後期高齢者医療制度の廃止を訴えていたが、長妻昭厚生労働相は、後期高齢者医療制度について、全国の自治体や医療関係者の反対が強い旧制度の復活は現実的でないとし、「早急に検討する課題」として時間をかけて新制度を策定して移行する方針を固めたため、この制度廃止は当面先送りになった。


企業健保狙い撃ちの「後期医療」廃止案 日本経済新聞社説 10/27 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E5E3E3E3E0E6E2E0E5E3E2E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 厚生労働省が、後期高齢者医療制度を廃止して2013年度から新制度に移る場合の保険料負担の試算を示した。給与水準が比較的高く加入者数が多い大企業の健康保険組合などの負担を増やし、市区町村が運営する国民健康保険に戻す75歳以上の人の負担増をやわらげる内容だ。
 菅政権は来年の通常国会に関連法案を提出する方針だが、わたしたちが懸念してきたように「取れるところから取る」発想が色濃い。
 企業健保の負担を重くするのは、産業界の活力を低下させる要因になる。政府・民主党は高齢者が使う医療費への税財源の投入のあり方を含め、数十年にわたり持続できる医療財政の設計図を引き直すべきだ。
 試算は長妻昭前厚労相が設けた改革会議に示した。改革会議は1400万人の後期高齢者のうち会社員に養われる人など200万人を企業健保などに戻し、残る1200万人を国民健保に入れる案を軸とする中間報告を今年夏に出した。今回の試算では中間報告であいまいだった各保険制度の負担の増減を推計した。
 平均的な企業健保の年間保険料(労使計)は10年度の19万5000円から25年度に28万9000円になる。制度を変えない場合は28万7000円だ。給与水準の高い企業ほど上がり方が急になるとみられる。
 中小企業が中心の協会けんぽは24万3000円、75歳以上の国民健保の加入者は9万5000円と、制度を変えない場合より安くなる。
 この試算に関連して同省は、25年度の公的な医療給付費が今より13兆円増えて45兆円になるとの予測を示し、06年時点での予測値48兆円を下方修正した。この数字は、各保険制度の将来負担を低く見せるための過少推計ではないかとの指摘もある。
 医療給付費を納税者や企業が将来も負担できる範囲に抑えるには、診療報酬請求の完全電子化や重複受診・投薬の解消など徹底した効率化策が不可欠だ。そうした制度改革の裏付けがあってこそ、初めて予測値の引き下げが可能になる。
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 次は私の理解出来ないもの。仕組み自体は十分に理解しているつもりですが、都道府県によりまた審査委員により審査基準が異なったり、最新の医療事情や標準的手法についてあまり詳しくはない、など矛盾だらけだと思っています。内部事情は知りませんが、医療で言う、セカンドオピニオン的な第三者機関は出来ないものでしょうかね?それよりもっと根本的解決法は判断基準を全国津々浦々どこででも同じものに標準化させる、ひいては審査側の底上げになるのと違いますかね???


支部間差異、査定理由などの追跡調査結果を公表-支払基金 CBニュース 
 
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/30428.html
 社会保険診療報酬支払基金は10月25日、医療機関が提出したレセプトを各都道府県支部の審査委員会が審査する際、同じ事例を審査しても、保険診療のルールに適合していない「査定」とするかどうかの判断が異なる「支部間差異」について、追跡調査の結果を公表した。追跡調査では、各支部が「査定」や「請求どおり」と判断した理由などを示した。
 支払基金は、審査結果に差異が生じる原因を明らかにするため、山口支部と福岡支部の昨年8月診療分のレセプトを交換し、審査を実施。その比較結果を3月に公表している。今回は、山口支部、福岡支部に「査定」や「請求どおり」とした理由についての調査を行った。
 調査では、「査定」や「請求どおり」と判断した理由として、▽算定ルール▽支部の取り決め事項▽診療科の中で口頭での「申し合わせ」-などの一定の判断基準が形成されている「ルール等」や、▽病名▽他の診療行為▽コメント-などのレセプトの請求内容を個別に判断する「レセプト個別」などの理由分類を設けた。
 調査結果によると、山口支部が「請求どおり」とした山口県内の医療機関のレセプトで、福岡支部では「査定」とされたのは1965施設。このうち、福岡支部が「ルール等」で「査定」と判断したのは584施設だった。この584施設のうち、山口支部では「ルール等」で338施設を、「レセプト個別」で224施設を「請求どおり」とするなどした。
 また、山口支部が「請求どおり」としたレセプトで、福岡支部が「レセプト個別」で「査定」と判断したのは1346施設。このうち、山口支部では「ルール等」で620施設を、「レセプト個別」で677施設を「請求どおり」とするなど、支部間での差異が見られた。
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 次は介護関連ニュースを2篇。

 ちょっとどうなの?無責任じゃあない?と率直に言って感じました。そりゃあ利用者の方からすれば、パケ放題と一緒で定額制なら安心でしょうし、24時間帯ともなれば、いつでもどこでも訪問介護等と願ったりかなったりです。しかし先ほど無責任だと申し上げたのは、国が責任を持って事業にあたるのであれば問題はありませんが、民間に押し付ける格好となるでしょうし、現場の現実を政府の方々は机上の空論でご存じないのではないですか?

 またこの間の補助金も現場介護者には殆ど身入りのないものであったのが現実で、結局、現場で働く方々に苦痛を強いることになったり、なり手がますます無くなったりと業界そのものの存続そのものが危ぶまれる結果とならないのでしょうか?

 恐らく現場で働く方々は、現場も知らずに勝手に提唱しとけ!と思っているでしょうし、利用者側もカンの良い方であれば、サービスそのものの質、量、両面の低下を危惧されるでしょうね。

 もう1篇の方は、非常に良い取り組みだと思いますが、ターミナルケアやペインコントロールを含めて、あまり前進が見られない部分にもっと陽が当たれば・・・と願います。

 私がこの2編で感じたことは、地域医療連携が円滑に進んでいないからこのような事態に発展するのだと思いますし、いくら対症療法を行ったとしても所詮足元を見ているだけで、根本的解決には至らないのではないか?ということです。

 「木を見て森を見ず」じゃないですかね???


24時間巡回、定額制の介護訪問サービス 厚労省が提唱 朝日新聞 10/27
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201010260538.html
 2012年度の介護保険制度改正の目玉となる24時間巡回型の訪問サービスについて、厚生労働省の有識者会議は26日、素案をまとめた。介護が必要な人の在宅生活を支える狙いで、1日複数回の定期訪問と緊急時に30分以内に対応することが柱。料金は定額制とすることを提唱した。12年度の導入を目指し、同省が具体的な制度設計に入る。
 厚労省は12年度改正で、在宅支援を柱に据える。現状の訪問介護は緊急時対応が不十分のため、新たなサービスでは時間帯を問わず24時間必要なケアを受けられるようにする。具体的には、おむつ交換などのための1日複数回の定期訪問に加え、利用者からの電話に随時オペレーターが対応。30分以内で駆けつけられる体制や訪問看護も受けられる体制を整え、施設と同様の「安心感」を目指す。
 また、現在の訪問介護は利用回数が増えるたびに料金も加算されるが、必要なサービス量が変わっても対応できるよう一定の利用範囲内で料金の定額制を採用。利用者が料金を気にして必要なサービス利用を控えないようにする。
 現行の介護保険でも、夜間の緊急時にヘルパーらを呼べる訪問介護サービスがあるが、09年度末時点で事業所は95カ所、利用者は約5千人にとどまる。厚労省は「夜しか利用できないサービスで、わかりにくく、理解が深まらなかった」としており、新サービスで改善を図る。
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福祉用具の貸与を保険適用 自宅療養の末期がん患者に 共同通信 10/26
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102601001068.html
 厚生労働省は26日までに、自宅療養している末期がん患者の介護保険サービスに関し、要介護度にかかわりなく、介護用ベッドや床ずれ防止マットなどの福祉用具の貸与を保険適用するよう都道府県や市町村に通知した。
 27日に全国の都道府県向けの介護担当者会議で説明する。
 福祉用具の貸与については、要支援1、2や要介護1の要介護度が軽い場合には原則、介護保険対象外だが、医療と福祉の連携が不十分との指摘が現場から出ており、病状の進行が早い末期がん患者に配慮する必要があると判断した。
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 さてメインニュースの前に私の大嫌いな医療ツーリズムの話題を2編。1編目は海外からの医療観光ではなく、古来からの温泉治療、保養的要素の強いもの。日本では大昔より行われてきたことですが、実施効果は主観的なものであり、この分野の医学的見地からの客観的評価を具体的に出すことが必要でしょうね。また経済面では衰退している第一次産業とのコラボレーションは地域活性化にもつながるでしょうし、将来的展望も開くものだと思います。

 2編目は医師会が医療ツーリズムに断固反対との姿勢を明確化したもの。私自身ずっと言い続けていることですが、「命をお金で買う」といった感覚にはどうしても理解が出来ません。観光気分で海外からお客を呼び寄せるなんて全く理解出来ません。さらに、医療はホテルと同様サービス業だなんて言われる方もいますが、医療は患者に協力してもらってなんぼのもの。サービスを一方的に提供されるだけのものとちゃいます。もっと言うなら現実問題苦しんでいる患者さんを救済するのが先決であるはず。確かに財源確保は必要なことでしょうが、医療とミックスする感覚にはどうしてもついていけません。

 私は「医療ツーリズム」大反対!!!


健康ツーリズム定着目指す 人材育成で取り組み 疾病予防や地域活性化
 「経済ウイークリー」 共同通信 10/27
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/27/127535/
 日常生活を離れ、特定の地域に滞在しながら、心と体の疲れをときほぐし、健康回復や体力増進を目指すヘルス(健康)ツーリズム。疾病予防や地域経済の活性化策として期待されながら、各地での取り組みは道半ばだ。専門的な知識を持った人が少ないのも普及が進まない一因で、人材育成の取り組みが始まっている。
▽気候や地形活用
 秋の気配が漂う10月初旬の和歌山県・熊野地方で、健康保養地医学研究機構(代表・阿岸祐幸北大名誉教授)が、自然の気候や地形を活用したヘルスツーリズムの一つ「気候療法」の知識を身に付けてもらうための講習会を開いた。観光で地域を盛り上げる方法を模索する人ら20~60代の計34人が参加。座学のほか、世界遺産の熊野古道を歩き、この地で実践されている気候療法を学んだ。
 同機構の宮地正典さんは「この療法は美しい自然環境があれば、日本中どこでも導入できる」と強調する。自然の中で冷気や太陽光を浴びながら、傾斜地を利用したウオーキングなどで体に適度な負荷を掛け相乗効果を得るのが基本。温泉などの入浴効果も生かせる。
 参加者の1人で、世界遺産の石見銀山がある島根県大田市で温泉「薬師湯」を経営する内藤陽子さんは、大学院でも温泉の健康への影響などを研究する予定。「『現代型の湯治』を追求しており、気候療法も取り入れたいと思っている」と話す。
 気候療法が一般に浸透しているドイツを手本にしながら、同機構は、滞在型の保養地で健康づくりの指導や教育を行える専門家の育成を進める。
▽長期滞在
 地域が独自に人材を育てているところもある。例えば、かみのやま温泉がある山形県上山市では、ドイツに研修に行くなどして昨年15人の「ガイド」が誕生。ドイツのような健康保養地の「かみのやま版」が目標だ。県内のほかの地域とも組みながら、現在の日帰りや1泊2日のツアーに加え、将来的には長期滞在できるような態勢を目指す。福島県二本松市の岳温泉でもガイドを独自に養成し、「スキルアップするための講座を定期的に開いている」(岳温泉観光協会)という。
 ヘルスツーリズムをうたうには健康への影響を医科学的に実証する必要があるため、コースの設定などを含め、基礎研究段階の地域も多い。
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十四大都市医師会連絡協 医療ツーリズムに断固反対 Japan Medicine 10/27
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/27/127553/
 十四大都市医師会連絡協議会は20日、生命倫理を守り国民皆保険制度を堅持するため「医療ツーリズム」「移植ツーリズム」に反対する決議文をまとめた。菅直人首相や関係閣僚らに提出した。
 ▽生命倫理をおびやかす「移植ツーリズム」の実施に断固反対する▽国民皆保険制度の根幹を揺るがし、市場原理につながる「医療ツーリズム」や「医療における総合特区構想」に断固反対する-の2点を決議した。
 決議文では神戸市で「移植ツーリズム」を地域活性化に利用しようとする計画が進められているとし、「国際的倫理規範に違背することは明らかであり為政者、医療人こそがその見識を問われることになる」と主張した。
 「医療ツーリズム」については「紛れもなく医療の営利産業化、市場原理の導入をもくろむもの」と警戒感を示し、「混合診療の道を開く端緒ともなる」と指摘した。部分的にでも混合診療が解禁されれば、「公的医療保険のみで対処できる診療行為の範囲は確実に縮減し、患者の経済的負担が増大する」と指摘。経済格差が医療格差、健康格差を生み、国民皆保険制度が崩壊するとした。
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 本日のメインニュースに移ります。

 この特集記事はまだ続編があるのですが、取り急ぎ出ているところまで、ということで掲載しました。

 実はこの数カ月、左肩から肘にかけてのしびれを伴った痛みと、指先のしびれがとれず、接骨院通いをしています。元々ストレートネックだし、本年3月、追突事故に遭った後遺症かも?とも言われていますが、因果関係ははっきりしませんし、完治したと保険会社にも伝えており、愚痴愚痴言うのも嫌なので我慢しています。が、週に一回の電気治療とマッサージでは追いつかない状態です。私の業務はデスクワークが主体ですので、肩こり、腰痛もそこから来ているのかもしれません。おそらく現場業務に戻れば軽快するのかも知れませんが、そういう訳にもいかず、といった状況です。そういったところに今回の記事で、症状がぴったり当てはまるんですね。私自身が非常に興味深く読ませていただいているので、ご紹介した次第です。

 ごめんなさいね、個人的な理由で・・・

手・腕のしびれ「胸郭出口症候群」
 
http://allabout.co.jp/r_health/gc/301992/
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%B8%E9%83%AD%E5%87%BA%E5%8F%A3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4


【毎日新聞社特集記事 2010/10/25】
 あなたの処方せん:/15 手肩のしびれ/1 病院転々、やっと「胸郭出口症候群」
 
http://mainichi.jp/life/today/news/20101025ddm013100018000c.html
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 肩やひじから手の指先に慢性的なしびれや痛みが生じる「胸郭出口症候群」。首から肩の部分の神経や血管が肋骨(ろっこつ)などで圧迫されて起こるのが原因だが、病名が知られていない上、他の疾患と間違われやすく、適切な治療を受けられないケースが多い。しかし、国内には1000人に1人程度の割合でいるとの見方をする専門家もいる。
 大阪府に住む学校給食調理員の女性(40)は昨年2月、両手の指先から肩にかけて強い痛みとしびれを感じるようになった。消炎鎮痛薬を服用し、夏休みになって、豊中市の病院を受診すると「頸椎(けいつい)ヘルニア」と診断され、首のけん引を勧められた。だが症状は改善しない。休職し、隣接する吹田市の病院に行くと、「すぐに治る」と医師から痛み止めの注射をされたが良くならなかった。
 この間、筋力も低下し、500ミリリットルのペットボトルの水を持ち上げることもできなくなっていた。MRI(磁気共鳴画像化装置)で首を調べたり、血液を検査しても異常は見つからない。医師を再度受診すると「気にしすぎだ。あなたは精神的に弱すぎる」と精神安定剤を処方された。
 医師の言葉に傷つきながら守口市の病院に行き、初めて医師から「胸郭出口症候群」と診断された。しかし、「今やっているリハビリを頑張ってください」と言われただけ。
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■胸郭出口症候群の主な症状
 ・手指や腕の痛み ・手指や腕のしびれ ・首や肩の痛み ・脱力感 ・疲れやすい ・感覚が鈍くなる ・握力低下


【毎日新聞社特集記事 2010/10/26】
 あなたの処方せん:/16 手肩のしびれ/2 神経内科用の筋電計で診断
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101026ddm013100018000c.html
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 胸郭出口症候群は、鎖骨周辺にある神経や動脈、静脈が、肋骨(ろっこつ)や大胸筋に圧迫され、肩から指の先にかけてしびれや痛みを感じる疾患だ。
 関西医大滝井病院(大阪府守口市)では月10人前後が同症候群と診断される。齋藤貴徳教授(整形外科)は「患者本人が訴える症状しか手掛かりはないが、この症候群に対する認知度が医師の間で低いため、正確に診断されていないケースが多い。潜在的な患者は人口1000人に1人の割合でいるのではないか」と話す。
 診断には主に、筋電計を使い、電気刺激を与えて神経の伝達状況を調べる電気生理学的診断が行われる。だが、一般的な針筋電図などでは異常が見つからないケースが多い。
 齋藤教授は同症候群の確定診断に、体性感覚誘発電位を測定している。これは、指を動かす神経が通っている手首とひじに電気刺激を与えて誘発された電位を、鎖骨や首に付けた電極で記録する検査だ。同症候群の患者の場合、腕を上げた時と下げた時では上げた時に振幅が小さくなるなどの特徴が出る。振幅の低下は、伝導が機能していない神経があることを示している。検査に用いる筋電計は、主に神経内科で用いられる機器だ。齋藤教授は「整形外科での利用が進めば、胸郭出口症候群の診断がつきやすくなる」と話す。
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【毎日新聞社特集記事 2010/10/27】
 あなたの処方せん:/17 手肩のしびれ/3 体形や職業との関係
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101027ddm013100157000c.html
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 周囲からは異常が分かりづらいため、患者本人が手肩の不調を訴えているだけと思われがちな胸郭出口症候群。体形的には、なで肩の女性や筋骨隆々タイプの男性、職業的には大工や自動車修理工など両腕を上にあげての作業や、運搬業のように重い物を持ち上げる作業が多い場合になりやすいという。
 同症候群治療のため7月に関西医大滝井病院(大阪府守口市)で手術を受けた岐阜県下呂市の介護福祉士の中川隆之さん(38)はたくましい体つき。仕事で車椅子のお年寄りを入浴のために両手で持ち上げることが多いほか、子供のころから続けている和太鼓やスポーツ全般を趣味にしている。
 中川さんは「骨格を調べると、右側の鎖骨と第1肋骨(ろっこつ)の間隔が狭いと言われた。運動や重労働を続けて筋肉が発達したことが、骨格の成長とも関係しているのかもしれない」と話す。
 やはり同症候群の大阪府の学校給食調理員の女性(40)は、なで肩の体形だ。同病院の齋藤貴徳教授は「肩甲骨の筋肉が弱いことや調理で重い鍋を移動させる作業を繰り返したことが一因かもしれない」と指摘する。
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【毎日新聞社特集記事 2010/10/28】
 あなたの処方せん:/18 手肩のしびれ/4 運動や手術で症状改善
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101028ddm013100013000c.html
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 慢性的な手や肩のしびれが胸郭出口症候群かどうかを調べるには、いくつかの簡易テストがある。
 座った状態で、片腕を横にあげ、ひじを直角に上に曲げた状態で手首の脈拍を測る。その後、顔を腕と反対側に向けた時、脈拍が止まったり、弱まったりする人は同症候群の可能性がある。関西医大滝井病院(大阪府守口市)の齋藤貴徳教授は「ただし、このテストをした人の2、3割は脈が止まるため、同症候群でない人も含んでしまう。あくまでも『予備軍』」と話す。このほか、鎖骨の上のくぼみを強く押さえた時に強い痛みを感じるかを調べるなど複数のテストがあるが、いずれも確定的な診断には至らないという。
 同症候群と診断された場合でも、運動で筋肉を鍛えて症状を改善することができる。鍛える筋肉は肩甲骨や背中の周辺だ。両手を広げて寝そべり、1~2・5キロの重りを肩が床から離れるように持ち上げる(10回×3セット)▽両肩を耳の近くまで持ち上げ、左右の肩甲骨が近付くよう後方で引き寄せる(10回×3セット)--などの運動が標準的だ。半年ほど続けると8割はよくなるという。
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1025-606号 睡眠障害(不眠症) [kensa-ML NEWS 【特集】]


 とうとう10月最終週となってしまいました。やらなければならないことはてんこ盛り。早く取り掛からなければと、ついつい焦ってしまいそうになるのですが、「慌てる○○はもらいが少ない」などと既に開き直りの境地に入ってきつつあります。とはいえ、来月開催の国立病院総合医学会にて政策医療臨床検査連絡会から発表もありますので、のんびりとはしていられない状況で・・・私の特徴は危機的状況に陥らないと覚醒しないというものですが、いよいよ目覚めの時期が刻々と近付いてきています。逆にこれから山ごもり、冬眠に入る動物もありますが、今年の異常気象の影響や、人間さまが自然界を荒らしたせいか、人里に出現し、大きな脅威となっていますね。私の最初の勤務先は、国立福知山病院という京都府福知山市にあるこじんまりした施設でした。赴任期間は10年半でしたが、その間、熊に実際出くわしたことなどありませんし、今のように頻繁に出没しませんでした。やはり人間が生態系への破壊行為がこういった結果となってくるのでしょうね。そういえば、今年の運動会の時に気付いたことでしたが、ドングリの数が確かに少ないなぁなどと思いながら空を眺めていたことを思い出しました。熊さんたち、今年の冬はゆっくりと休めればいいのですが・・・お腹がすいて起きだすかもしれませんね。医療業界もそうですが、「共生」ということが本当に大切な時代になりました。大企業一辺倒の世の中じゃぁ、日本古来大切にしてきたものが失われるような気がします。


クマ大量出没―人と動物、共生の回復を 朝日新聞社説 10/25
 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2
 クマが人の住む町に出てくる。多くは射殺されている。人の被害も増えている。生物多様性が叫ばれるが、目に見える大型動物との共存でさえ簡単でないことを私たちに突きつけている。
 今年はすでに約2400頭が捕まった。うち2100頭以上が殺された。人間は約100人が負傷し、4人が死亡している。
 クマの出没は近年増えている。2004年は2300頭、06年は4600頭が捕殺された。今年は04年を超えそうだ。本州以南で1万3千~3万頭いると推測される。もっと多いとの説もあるが、大型動物がこんな高い割合で殺処分される状況は尋常でない。
 直接の原因はミズナラやブナのドングリの不作だ。クマは低地の雑木林にあるコナラやクヌギのドングリを探すうちに集落に出てしまう。そこには、もっとおいしい家畜の飼料や柿や栗がある。
 山の不作は昔もあった。
 なぜ最近、大量に出没するのか。日本クマネットワーク代表の山崎晃司・茨城県自然博物館首席学芸員は「大量出現がおきやすい環境になっている。これが問題だ」と話す。
 集落近くの里山は、かつては木材やキノコ、野草を採る場所だった。手入れが行き届いていた。しかし、最近は過疎化とともに草が茂り、人と動物を隔てる緩衝地帯の役目を果たさなくなった。里山の崩壊である。植林地も間伐されず、動物たちのエサが少ない暗い森になっている。
 猟師も高齢化し、減っている。猟師に追われた経験のない「新世代クマ」は人里に近づくのを怖がらない。集落を守る放し飼いの犬もいなくなった。
 サル、イノシシ、シカの増加による農林業への被害も深刻だ。イノシシの捕殺は年に20万~30万頭にのぼる。
 農山村が疲弊し、山が荒れ、里に動物が押し寄せる。人と動物のバランスが崩れている。都会にいては気づかない日本の現実だ。
 欧米諸国は近代に多くの動物を絶滅させてしまった。動物とすみ分けた日本の自然は私たちの財産でもある。
 解決策を探ろう。
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 さてここからは混とんとした政局の話題から。

 10年後を見据えた議論など、トップマネージャーなら当たり前のことだと思います。何を今更といった感がありますが・・・しっかりとした10年後の到達目標があって、じゃあ5年後の到達点は?2年後は?1年後は?ってな感じでプラニングをするの
が当たり前。軸はぶらしたらあきません!軸がブレブレだから国民が呆れ果てているのもあるのでしょうが、どうなるのか?といったものが見えてこないから信頼度が低いのだと思います。これは政局運営だけではなく、どのような組織にも言えることではないでしょうか?


社説:税と社会保障 10年後見据えた議論を 毎日新聞社説 10/25
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101025k0000m070117000c.html
 あるべき社会保障制度の将来像と財源としての税のあり方を一体的に考える民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」(会長・藤井裕久元財務相)がスタートした。
 同調査会は、菅直人首相が7月の参院選で打ち出した「強い財政、強い経済、強い社会保障」を実現するために消費税をどう位置付けるか、との問題意識から設置された。参院選惨敗によって一時的に後退した消費税論議を社会保障制度の抜本改革とセットにして再構築し、同時に民主党内の消費税アレルギーを払拭(ふっしょく)する狙いもある。週2回のペースで勉強会を開催、政府側の議論と連動し年内には政府・与党としての「中間とりまとめ」を行い、年明けから野党側にこの問題で超党派の協議を働きかけたい考えだ。
 日本の社会保障制度が財政的に持続可能なものになってないと言われて久しい。急激な少子高齢化に伴う年金・介護・医療制度への不信、不安感が若者たちの年金保険料未納を呼び、年間1兆円ずつ自然増していく必要な財源が明確でないことが経済活動の不透明感につながっている。制度が見えないと財源論議に踏み込めず、逆に税論議の先行が反発を生むという袋小路に陥っていた。
 その意味では、むしろ遅すぎた一体改革論議のスタートだ。精力的で生産的な議論を望みたい。そのうえで3点注文する。
 第一に、過去の議論の蓄積をしっかり消化した上で新たな制度改革案を出すことだ。自民党政権下、すでに社会保障国民会議(08年11月)、安心社会実現会議(09年6月)がデータの豊富な報告書を出している。これらを踏まえ、さらには10年後をにらみ、少なくとも数十年単位で持続可能な制度論議にすべきだ。民主党マニフェストにある最低保障年金との整合性もとって、いくつかの選択肢を示してほしい。最初に消費税増税の結論ありき、では納得は得られない。
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 社説をもう一編。

 社説の中に「調査だけでは改善しない」の件がありますが、まさしく仰る通り。調査というものは確固たる目的があってのものでしょうから、その目的を明確化してもらいたいものですね。また定点的にサーベイランスを行うのなら各施設からの報告を義務化するくらい徹底して実施してもらいたいものです。そのためにも到達目標とプロセスを明確化しなければならないのとちゃいますかね???


医師不足対策 計画配置する仕組みが必要だ(10月25日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101024-OYT1T00685.htm
 救急や産科などを中心に医師不足が深刻化している中、厚生労働省が初めて医師への求人状況に着目し、全国の病院などを調査した。
 回答した約8700施設には、計16万7000人の勤務医がいるが、1万8000人足りないとして募集している。十分な診療体制をとるためには、さらに6000人が必要だという。
 今回の調査は、医師不足の本質を「勤務医不足」ととらえ、地域や診療科ごとに深刻さの度合いを測るという意味では、実態把握の第一歩になろう。
 例えば、東京都は医師を現状より8%増やせば病院が求める人数を満たせる。対して、岩手県では40%もの増員が必要だ。全国の診療科別で見ると、リハビリ科や救急科などでは30%近く増やさねばならず、不足感が最も強い。
 医療の人材をどのように配分すべきか、ある程度の優先順位は浮かんでくる。
 ただし、医師を増やせば勤務医不足が解消する、といった単純な話ではない。
 医師国家試験の合格者は毎年約8000人おり、引退する医師を差し引いても、年に約4000人のペースで増えている。
 さらに、医学部の入学定員は今年度に360人、来年度も約90人増員される。人数だけの問題ならば、いずれ充足するだろう。
 今回の調査はあくまで、現在ある病院に状況を聞いたものだ。だが、無計画に病院が設置されていること自体が、勤務医不足の要因でもある。
 近隣の自治体が競い合って、同じような総合病院を作っているケースが少なくない。
 産科や小児科など昼夜を問わず診療を求められる部門も、民間病院や自治体病院に、広く薄く医師が配置されている。このため診療体制に余裕がなく、医療事故のリスクも高い。耐えかねた勤務医は開業医に転身していく。
 この状況をそのままにして医師の養成数を増やしても、勤務医不足は解消されず、地域や診療科による偏在は進んでしまう。
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 ここから医療関連ニュースを2編。いずれも妊婦検診における公費負担が決定したHTLV-1(ATL:成人T細胞白血病)の話題。この疾患における厳しい現実に関する内容です。熟読していただき理解を深めていただければ幸いです。


医療ナビ:白血病ウイルス検査 妊婦検診で感染が分かった場合の対処法は 毎日新聞 10/24
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101024ddm013100039000c.html
◇断乳で母子感染防ぐ 授乳できず悩む人も、患者会「自分責めないで」
 成人T細胞白血病(ATL)や脊髄(せきずい)症(HAM)を発症する白血病ウイルス(HTLV-1)。政府は主な感染経路である母乳による母子感染を断ち切るため妊婦健診で感染の有無を調べる抗体検査の公費負担を決めた。準備のできた自治体から年度内に無料検査が始まるが、もし感染がわかった場合、授乳方法などはどうすればよいのだろうか。
 「命の宣告をされたみたいだった」。東京都大田区の会社員、畑由美子さん(38)は感染の可能性を初めて知ったときのことを振り返った。
 畑さんは08年、第2子の侑希ちゃん(1歳4カ月)を妊娠した。白血病ウイルスの検査を受けていないことが分かり、病院で1次検査を受けたところ陽性と判明。初めて聞くウイルスの名前に畑さんはうろたえ、「子供は産めるの?」と不安でいっぱいになったという。
 帰宅後、インターネットで患者会「NPO法人・日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市)を探し当て、代表の菅付加代子さん(53)に相談。赤ちゃんへの感染防止には母乳の制限が効果的だと分かった。1カ月後に2次検査の結果がわかり、感染が確定した。出産前に何度も夫婦で話し合い、断乳を決めた。
 生まれた赤ちゃんに感染したかどうかはいつわかるのだろうか。赤ちゃんは母親のおなかの中にいる時には、胎盤を通して母親の抗体をもらっているため、赤ちゃんから検出されたウイルスが、母親のものなのか本人のものなのか、出生直後には分からない。
 侑希ちゃんは1歳児健診で陰性と判明した。畑さんは「感染していないことが分かった時は涙が出るほどうれしかった。全国にも私のように悩んだママがたくさんいるはず。国はこの状況をわかってほしい」と訴えている。
 厚生労働省の研究班がまとめた報告書では、早く知りたい場合には、1歳過ぎの抗体検査から分かるとしているが、特に母乳で育てた場合にはデータが不十分でその後の感染もあり得るとして、いずれにしても3歳での再検査を勧めている。
 長崎県では87年から全妊婦に対し、検査を実施している。同県の調査では、授乳期間によって感染率が大幅に下がることが分かっている。6カ月以上の授乳では20・5%▽6カ月未満は8・3%▽断乳は2・4%。同様に感染予防に取り組む鹿児島県の調査では、3カ月未満の短期授乳だと断乳とほぼ変わらない効果があるという報告もある。また、厚生労働省の研究班によると、症例数は少ないものの、母乳を24時間冷凍すれば感染予防は可能という研究結果もある。長崎大医学部産
婦人科の増崎英明教授は「できるだけ断乳を勧めている」と話す。
 一方、断乳を選択しても、母親が母乳をやれないことに罪の意識を抱くことも多い。「なくす会」には感染を知った母親から毎月のように相談が寄せられる。ある女性は電話で「母乳をあげられなかったことがつらかった。誰にも言えなかった」と泣き、菅付さんが「あなたは立派なことをしたんだよ」と声を掛けると、ほっとした様子だったという。
 先月官邸に発足した特命チームは19日の会合で、補正予算で年度内に各都道府県の医師や保健師の代表者を対象に、東京と大阪で感染が判明した妊婦への説明方法などの研修会を開催することを決めた。また全国の医師にはマニュアルを、検査を受ける全妊婦には説明文書を配布する方針だ。【斎藤広子、高橋咲子】
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HTLV-1の苦しみ、次世代に残すな CBニュース 10/23
 https://www.cabrain.net/news/article/newsId/30370.html
山野嘉久さん(政府HTLV-1特命チームオブザーバー、聖マリアンナ医科大難病治療研究センター分子医科学研究部門長)
 発症すれば、およそ1年で命を落とすとされる成人T細胞白血病(ALT)。その原因ウイルス「HTLV-1」の抗体検査が今月、公費負担で行われる妊婦健診の項目に追加された。感染拡大が見過ごされてきたHTLV-1だが、その対策が転換期を迎えている。政府の特命チームで専門家オブザーバーを務める聖マリアンナ医科大難病治療研究センター分子医科学研究部門長の山野嘉久さんに聞いた。(烏美紀子)
―HTLV-1は、どんなウイルスですか。引き起こされる病気とは、どのようなものでしょうか。
 1980年に発見されたウイルスで、ヒトのT細胞に白血病を起こします。重要なのは、いったん感染すると、現代の医学では排除するのが不可能だという点です。国内の感染者は100人に1人、約110万人と推計されています。これは、B型肝炎やC型肝炎に匹敵する数です。感染した細胞が、40-60年かけてがん化するとATLを起こし、数年から数十年で炎症を起こしやすい細胞に変化すると「HTLV-1関連脊髄症(HAM)」を発症しますが、ほとんどの場合、何も起こりません。発症率はATLが約5%、HAMは約0.3%です。
 ただし、ATL患者は、今や白血病の中で最も死亡率が高く、毎年1000人以上が亡くなっています。発症後の平均生存期間は13か月と、非常に予後の悪い病気です。一方、神経難病のHAMは、両足がまひする・痛む、尿が出ないといった症状が進行し、車いすや寝たきりの生活になってしまいます。ATLもHAMも、発症を予防する方法や治療法は、残念ながら確立していないのが現状なのです。
■全国に拡散、「これまでのやり方では駄目」
―治療法がない中では、いかに感染を防ぐかがカギになるということですね。
 発症率だけを見ると、感染予防の重要性は理解されにくいかもしれませんが、患者さんたちがどれだけミゼラブル(不幸)な状態か。HAMの患者さんたちは「生き地獄だ」とも言います。「この苦しみを次の世代に残さないで」という思いを、まず医療者がしっかり認識しなくてはならないと思います。
 母子感染が約60%を占めますが、90年度の報告では、母乳から粉ミルク中心の育児に変わるだろうということで、患者数は自然に減少すると見込まれていました。そのため、当時の感染者(約120万人)の半数以上を占めた九州地方など、流行地域のみの対応でよいとされ、対策は各都道府県の判断に任されてきたのです。ところが、約20年を経て実態を調査してみると、感染者数は約108万人と、予想に反してあまり減っていない。むしろ関東では1・5倍に増えるなど、感染が全国に拡散していて、これまでのやり方では駄目だということが分かったのです。
―一地域にとどまらない全国的な対策として、今回、妊婦健診の公費負担の対象にHTLV-1抗体検査が加わりました。
 HTLV-1の感染メカニズムは、細胞と細胞がくっついて伝播する仕組み。つまり、ウイルス感染しているT細胞が体内に入らなければ、感染しません。母子間の感染は主に、母乳に含まれるT細胞が子どもに移行するためです。しかし、母乳を与える期間が6か月以上の場合、子どもへの感染率は約20%ですが、3か月未満では約3%にまで減少できることが既に証明されています。そこで、ここをシャットダウンするのが有効というわけです。
 先進的に取り組んでいる長崎では、県と産婦人科医、小児科医が一体となって、87年から妊婦の抗体検査を実施し、感染が判明した妊婦には、粉ミルクの授乳を推奨しています。これまで20万人超の妊婦が検査を受け、約8000人の感染者を確認しました。うち約9割の妊婦が、粉ミルクでの育児に同意し、推計では1000人以上の新たな母子感染を防いだことになります。また、2008年から抗体検査を無料にしたところ、検査を受ける妊婦が、それまでの70数%からほぼ全員になりました。無料にすることも、やっぱり重要なポイントなのです。
■母乳制限は母親の愛情表現
―ただ、母乳を与えても100%感染するわけではなく、また制限しても100%防げるわけではありません。これから全国で抗体検査が始まれば、母乳で育てたい感染者にどう説明すればよいか、医療現場では悩みも出てくるのではないでしょうか。
 もちろん、自由意思を尊重するのが大前提です。きちんと正しい情報を提供して、その上で判断してもらわなくてはいけません。そうして選択されたのがどちらであれ、その妊婦さんにとっては正しいだろうと考えます。ただ、多くの妊婦さんたちは自分で決め切れずに、よく「先生だったら、どうしますか」と聞くんです。そのとき、医師が「HTLV-1なんか心配しないで、母乳で育てなさい」と言うかどうか―。
 (前宮城県知事でATL患者の)浅野史郎さんが、こんな話をしていました。浅野さんのお母さんは、浅野さんに「ごめんね」と謝るのだそうです。「当時はウイルスも発見されていなかったし、母乳をあげなければ防げるかもしれないという情報もなかった。全然悪くないのに、それでも謝る。けれども、現代のお母さんたちは、本当に『ごめんね』と言わなくてはならなくなってしまう」と。
 実際に患者さんを診ている立場としては、次の世代に苦しみを残したくない。つらくても母乳を与えずに育てるのは、とても立派なことであり、母親の愛情表現の一つだと、わたしは思います。
―妊婦健診での抗体検査が始まれば、感染が分かった人に対するカウンセリング環境の整備も求められます。
 先進地域の長崎でさえ、感染者は「どこに相談したらよいか分からない」と悩んでいます。自身の発症の不安に加え、「夫にうつしたら、どうしよう」「子どもにうつしてしまって、自分は駄目な人間だ」など、いろんな悩みを抱えます。そういう感染者、患者をたらい回しにせず、相談に応じてあげられる体制をつくらないといけません。
 それには、国の中核的な相談センターが必要だと思います。「最終的には、ここで応じる」という責任の所在がはっきりする機関です。妊婦健診はもう始まるので、まずは中核センターで対応するとして、同時に、全国の医療者や保健師を対象としたカウンセリング研修を行い、10年、20年かけて知識のある人を育てていくという考え方で臨まなくてはなりません。エイズでは、こうした対策が取られ、着実に人材が増えています。
 また、同じ悩みを抱える人同士が交流し、苦しみを分かち合うピア・カウンセリングの効果は大きいものです。NPO法人や患者会の活動を支援することも大切だと感じています。
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 さて本日の特集記事です。テーマは睡眠障害(不眠症)。

 私自身、睡眠時間は非常に短いのですが、これは阪神大震災の時にスイッチが入り、寝ている時間が惜しいなぁと感じたため。寝ようと思えばいつでも寝れますので、不眠症という訳ではありませんが、やはりその時に抱え込んだ亡くなった仲間たちの思いや色々なものがあります。ですからある意味、強迫観念なのか自意識過剰なのか分かりませんが、そういったものが睡眠時間を減らす引き金にもなっていますし、実際現在抱え込んでいる仕事量は寝ている時間をも奪うものです。これは自業自得と言って良いかもしれません。

 とにかく「寝れない」ということに色々な背景があり、考えさせられることも多々あります。私自身がもう少し掘り下げて知ってみたいと思ったので特集記事としてみました。少々古い記事となりますが、ご勘弁ください。


あなたの処方せん:/6 不眠症/1 「眠らないと」焦るほど寝付けず 毎日新聞特集 10/11
 http://mainichi.jp/select/science/news/20101011ddm013100044000c.html
 「何で眠れないんだろう。疲れがたまってるから、眠らなきゃいけないのに」。ベッドの中で考えるほど気持ちが焦り、ますます寝付けなくなった。
 東京都内の会社員女性(34)は、約3年前から不眠症になった。ベッドに入っても、長い時で2時間近くも寝付けない。夜中に目が覚め、またしばらく眠れない。毎日約8時間ベッドに入っていたが、実質的な睡眠時間は5時間程度だった。
 不眠症のきっかけは、入院していた母の看病が続き、睡眠のリズムが狂ったことだった。病院で処方された睡眠薬が効かなくなり、都内の病院を受診。カウンセリングなどを受け、半年後には睡眠薬なしでも眠れるようになった。神経研究所付属代々木睡眠クリニック(東京都渋谷区)の臨床心理士、岡島義(いさ)さんは「眠れないから日中、体がだるくて仕事の能率が下がり、『眠らなきゃ』というプレッシャーでさらに眠れなくなるという悪循環に陥ってしまう患者が多い」と指摘する。
 不眠症とは1カ月程度以上、病気や薬の副作用以外が原因でよく眠れず、日中の体調が優れない状態を指す。入眠困難▽中途覚せい▽早朝覚せい▽熟眠障害の4パターンがあり、高齢者ほど患者が多いという。健康・体力づくり事業財団の調査(97年)によると、日本の成人の2割強が不眠症で、現在はさらに増えているとみられる。若年者は入眠困難、中高年は中途覚せいと早朝覚せいが多いとされる。
 転居など環境の変化や、仕事の悩みなど精神的ストレスが原因で一時的に眠れなくなり、不眠症に発展するケースが少なくない。内山真・日本大教授(精神医学)は「眠れないことを気にしすぎると不眠症になりやすい。ひどい場合は医療機関を受診してほしい」と話す。
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あなたの処方せん:/7 不眠症/2 うつ病と関係強く 毎日新聞特集 10/13 http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/13/20101013ddm013100208000c.html
 眠れない日が続くうち、いつの間にかうつ病になっていた。
 東京都内の男性会社員(52)は約5年前、不眠症になった。入社以来「仕事一筋」で、疲れ果てて寝る毎日だったが、腎臓病を患い入院。仕事量を減らしたところ、生活に余裕ができた一方で、寝付きが悪くなった。
 睡眠薬を飲んでしのいでいたが、50歳になったころから体がだるくて朝起きられなくなり、仕事を休みがちになった。常に気分が晴れず、出社できない日が徐々に増え、食欲も低下した。うつ病と診断され、2カ月間休職した。その後、復職はしたが、今も抗うつ薬を手放せない。男性は「うつ病のきっかけなんて思い当たらない」と首をかしげる。
 不眠症とうつ病は関係が強いとされる。不眠症になった人は、その後約30年間でうつ病にかかるリスクが2~3倍になるとの調査結果もある。内山真・日本大教授(精神医学)は「うつ病は原因が不明のケースがほとんどだが、不眠症はうつ病の危険因子だ」と指摘する。
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あなたの処方せん:/8 不眠症/3 体内時計調節で睡眠障害治す 毎日新聞特集 10/14
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/14/20101014ddm013100003000c.html
 不眠症とよく混同される病名に「睡眠障害」がある。不眠症は病気や薬の副作用以外が原因でよく眠れない症状を指すが、睡眠障害はより広い概念で、眠れない、起きられないなどの症状すべてを包含する。不眠症は睡眠障害の一部だ。
 睡眠障害の代表的な症状に、「概日(がいじつ)リズム睡眠障害」がある。夏休みなどに夜更かしを続けると、休み明けになっても朝起きられなくなることがあるが、こうした昼夜逆転が解消できず、社会生活に支障が出る状態だ。神経研究所付属代々木睡眠クリニックの井上雄一院長は「インターネットの普及などで社会の24時間化が進み、若者を中心に概日リズム睡眠障害の患者が増えている」と指摘する。
 概日リズム睡眠障害を治すには、体内時計のずれを調節する。体内時計は目から日光が入ることで朝を認識するため、毎朝一定時刻に朝日が顔に当たるよう、窓際にベッドを置いたり、家族がカーテンや雨戸を開けるようにすると、眠くなる時間が徐々に適正化される。それでも治らない場合は、朝日と同程度の明るさの光を照射器具を使って浴びる高照度光療法も有効だ。井上院長は「毎朝6~7時から1時間程度、光を浴びると、1週間~10日で効果が表れる。朝起きるのが難しい場合は、入院した方がいい」と話す。
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あなたの処方せん:/9 不眠症/4止 寝床にいる時間、短縮する手も 毎日新聞特集 10/15
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/15/20101015ddm013100020000c.html
 不眠症の治療法としては、医師の指導に基づく睡眠薬療法のほか、カウンセリングで睡眠に対する考え方や生活習慣を見直す「認知行動療法」も有効だ。
 神経研究所付属代々木睡眠クリニックの臨床心理士、岡島義(いさ)さんによると、認知行動療法はまず、患者から睡眠に関する意識や行動パターンを聞き取り、睡眠の基礎知識などを説明する。眠れないことを気にしすぎて寝床で緊張してしまう人には、体の力を抜いて寝るよう指導する。「力の抜き方を覚えて寝付きが良くなる人が5~6割いる」という。
 その上で、寝床にいる時間を短くする「睡眠調整法」に取り組む。主な手順は▽実質的な睡眠時間の平均を計算し就寝時刻を決める▽眠くなるか、就寝時刻が来るまでは寝床で横にならない▽約15分たっても寝付けない場合は寝床を出て、リラックスできることをしながら眠くなるのを待つ▽日中や夕方に眠くても昼寝はしない
--などだ。
 岡島さんは「眠れないのに寝床で横になっていると、『何で眠れないんだろう』と考えてしまい、かえってイライラしやすい。寝床は眠る場所と意識づけするため、眠くない時はあえて入らない方がいい」と助言する。
 そもそも、睡眠時間は長ければいいわけではない。名古屋大の研究チームが全国の約11万人を10年間追跡調査した結果、睡眠時間が7時間前後の人が死亡率が最も低かった。また年齢別の適正な睡眠時間の目安は、個人差はあるが、20代が7時間程度、40代が6・5時間程度、60代が6時間程度とされる。岡島さんは「日中の生活に支障が出ないのが良い睡眠。時間より質を重視すべきだ」と訴える。
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【日経メディカルオンライン 2010/10/25】
 特集●睡眠診療アップデート Vol.1 “体内時計”に作用する新しい睡眠薬が登場
 メラトニンによる睡眠誘発を再現、副作用の少なさに期待かかる
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t110/201010/516976.html
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 メラトニン受容体に作用するという新クラスの睡眠薬が7月に発売され、睡眠障害の治療の選択肢が広がると期待されている。一方で、うつ病を訴える不眠症患者が増えるなど、睡眠障害への対応にも工夫が求められる時代になってきた。心血管イベントへの関与がますます濃厚となる睡眠時無呼吸症候群の鑑別の必要性など、新たな知見を踏まえた睡眠障害診療の注意点を3回に分けて紹介する。
 今年7月、メラトニン受容体に作用する不眠症治療薬、ラメルテオン(商品名:ロゼレム)が発売された。現在の睡眠薬の主力であるベンゾジアゼピン系薬とは作用機序が全く異なるため、「不眠症治療の選択肢が増える 」と日大板橋病院精神科教授の内山真氏は新薬を評価する。
 ラメルテオンは、視床下部の視交叉上核に主に分布するメラトニン受容体に選択的に結合する。睡眠に影響する条件は大きく分けて、恒常性調節系、体内時計系、情動調節系の3つがあるが、ラメルテオンはこのうちの体内時計系に作用することになる。通常は夜間に体内で産生されたメラトニンが睡眠を誘発するが、ラメルテオンはこのメカニズムを擬似的に再現するというわけだ。
 慢性不眠症患者971人を対象とした国内の第3相試験では、ラメルテオン投与により、1週後の自覚的な睡眠潜時(覚醒状態から入眠するまでに要する時間)はプラセボ群より有意に短くなった。内山氏によると、ラメルテオン投与で総睡眠時間も延長したという。
 また、海外の臨床試験からは、投与量が一定量を超えると、用量を増やしても睡眠誘導効果に差はないという結果が得られている。
 現在、不眠症治療に主として使われているベンゾジアゼピン系薬は、鎮静作用によって脳の活動を低下させ睡眠を促す。恒常性調節系と情動調節系に作用し、抗不安とともに、不安や緊張による不眠を改善する作用がある。一方で、反跳性不眠(常用している睡眠薬を急に減量したり服用を中止した際に、服用前よりも強い不眠症状が出現すること)、退薬症候、記憶障害、奇異反応といった副作用に注意しなければならない。
 ラメルテオンに期待されるのは、これらベンゾジアゼピン系薬の副作用のリスクがかなり抑えられるとみられる点だ。そのため、「睡眠薬を初めて服用するという患者には、処方しやすいのではないか」と内山氏は話す。
 同様に、ベンゾジアゼピン系薬で要注意の筋弛緩作用も少ないと考えられ、ふらつきや転倒のリスクが低くなることも利点。認知機能や身体機能が低下している高齢者など、転倒リスクが高い場合にも処方しやすいといえる。高齢者では薬物代謝能が低下して持ち越し効果(睡眠薬の効果が翌朝まで残り、眠気やふらつきなどを生じること)を生じやすいが、そのリスクも低いとみられる。
 剤形は8mg錠剤のみ。用量依存性は低いので、ベンゾジアゼピン系薬のように投与量を調整する必要はないと考えられる。ただし、「1~2mg程度の服用でも、体内時計を動かす作用があるといわれる。(8mgという用量は)速やかな催眠作用をもたらすには良いが、ゆるやかに体内リズムをずらしたいという場合には、少々多いのではないか」(ある精神科医)との声もある。
 また、副作用が少ない分、「ベンゾジアゼピン系薬剤よりも睡眠導入効果は弱そうだ」(同上)とも考えられる。抗不安作用を有さないため、情動調節系の不調による不眠に効かない可能性もある。どういった不眠の病態に適するのかについては、今後の検討が求められることになるだろう。
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1021-604号 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには [kensa-ML NEWS 【特集】]


 もう既に10月も後半戦。あっという間に21日です。記事の方も後手後手で、なかなか最新のものに追い付いていない状況ですが、何とか追いつくように頑張りますので、ご支援を宜しくお願いします。
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/

 さて一昨日に引き続き、今日も特集です。その前に少し気になった社説や記事をご紹介します。私自身介護保険制度についての知識は本当に乏しく、お恥ずかしい限りなのですが、関連記事を自身の勉強のために取り上げてみました。

 自身もいずれお世話になることでしょうし、それ以前に私自身の両親もこの問題に直面しています。不平等制度だな?と思うのは、高齢化した夫婦が核家族化により二人きりになり、どちらか一方が寝たきりなどになり介護が必要となるケース。どちらかが健在であれば、いくら高齢であろうとも認定は受けられ難いんですよね。報道などで良くいたたまれないような事件が発生するのは、そのような背景があり、もう少し緩和されるべきだと思います。しかしながら悪意を持って申請する方もいますので、本当に介護が必要な方とそうでない方との線引きが非常に難しいですね。

介護早分かりガイド: http://www.wam.jp/kaigo_guide/

介護保険とは?: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E4%BF%9D%E9%99%BA
 介護保険(かいごほけん)は、介護を事由として支給される保険。公的介護保険と民間介護保険があり、民間介護保険の保障内容には介護一時金や介護年金などがある 。介護保険支給対象となる介護サービスについて基準に基づき計算された報酬が介護報酬である。
 狭義には、社会の高齢化に対応し、2000年(平成12年)4月1日から施行された日本の社会保険制度。財源は、被保険者の納付する保険料だけでなく、国・都道府県・市町村による負担があるという特徴を持つ。
【概要】
 高齢化や核家族化の進展等により、要介護者を社会全体で支える新たな仕組みとして2000年4月より介護保険制度が導入された。日本の制度は、おおむねドイツの介護保険制度をモデルに導入されたと言われている。介護保険料については、新たな負担に対する世論の反発を避けるため、導入当初は半年間徴収が凍結され、2000年10月から半額徴収、2001年10月から全額徴収という経緯をたどっている。
 制度の目的の一つに社会的入院の解消があり、在宅介護(居宅介護)を促す意図があった。実際には24時間サービスを提供する介護職の不足などから重度要介護者の在宅介護は困難なことが多い。また、年々増える要介護高齢者の増加もあり、さしあたり「預けられる」入所施設の不足が、制度導入以来解消されていない大きな課題となっている。
 介護サービスの利用にあたって、まず被保険者が介護を要する状態であることを公的に認定(要介護認定)する必要がある。これは、医療機関を受診した時点で要医療状態であるかどうかを医師が判定できる健康保険と対照的である。要介護認定は認定調査の結果をもとに保険者によって行われ、要支援1・2、要介護1?5の7つの段階に分けられる(法律上、要支援認定と要介護認定は区別され、要支援の場合、利用できる介護サービスが限定される)。これをもとに、どのような介護サービスを組み合わせて利用するかコーディネイトするのが介護支援専門員である。
 具体的には、要介護者の家族にとって、実際に介護がはじまるまでに、慣れぬ者にとっては煩雑な事務手続きと、数週間の手続き期間が必要である。介護保険を利用したいと思う者またはその家族は、まず自治体に対し、介護保険制度の要介護者として認定してくれるよう書類を提出しなければならない。その書類には担当医師の証明書を添付することが必要である。その書類に基づいて調査員が家庭訪問したり、介護の必要な本人に面接したりして、実際に介護を要することを確認し、調査報告書を認定委員会に提出する。認定委員会は通常複数の医師によって構成されている。認定委員会によって、要介護の度数(たとえば要介護3)や介護保険負担限度額の認定が行われ、「要介護3」などと記入された介護保険被保険者証が発行される。それを持って、デイケアや訪問看護を行っている施設へいけば、ケアマネージャ(介護支援専門員)が介護プランをたててくれる。それによって、やっと介護保険を利用した介護が受けられる。実際に介護が開始されるまでに家族が接触する、市町村の保健師、医師、市町村の調査員、介護施設(介護サービス事業者)のケアマネージャーのどれも直接に介護に携わるわけではなく、介護にたずさわるのは介護施設(介護サービス事業者)の介護士である。
 風邪を引いたとき健康保険証を持って病院へ行けば、ただちに健康保険を利用した医療が受けられるのと違って、いきなり介護施設(介護サービス事業者)に行っただけでは、介護保険を利用した介護は受けられない。市町村に要介護者として認定してもらうことが必要で、そのような制度により保険料の無駄使いを防止している。
 介護サービス事業者については、厚生労働省により開設基準が定められており、都道府県から指定を受ける必要がある。介護サービス事業者は、1割負担を利用者から徴収し、残りの9割の給付費を各都道府県に設置されている国民健康保険団体連合会へ請求し、支給される。国民健康保険団体連合会は9割の給付費を保険者から拠出してもらい運営する仕組みとなっている。


社説:介護保険改革 地域の高齢者を守れ 毎日新聞 10/19
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101019k0000m070128000c.html
 介護保険ができて10年、さまざまな問題はあるが世界の中でも進んだ高齢化を支える制度として注目されている。だが、団塊世代が介護保険の利用者となっていくこれからの10年はまさに正念場だ。現在社会保障審議会で制度改革に向けた論議が大詰めを迎えている。持続可能な制度として発展できるかどうかは今回の改正にかかっているといっても過言ではない。
 まずなんと言っても財源だ。制度発足時の総費用は3.6兆円だったが現在は7.9兆円。25年には24兆円が必要になると試算されている。このため要介護認定の区分を簡素化し、比較的軽度の人を中心に利用限度額を制限する方向で議論されている。急激に増えていく重度者の介護サービス確保を優先すべきだというのである。たしかに調理や掃除など日常生活の援助は公的介護保険ではなく、隣近所の助け合いでまかなうべきものかもしれない。
 ただ、これから爆発的に高齢化が進む都市部ではコミュニティーそのものが崩壊している所も多い。生活援助がなければ要介護状態へ早期に移る人が多くなり、結局は財源負担にはねかえるとの批判もある。地域の実情に合わせたサービス整備についても考えるべきではないか。
 民主党政権になってから介護現場で働く職員の処遇改善が行われたが、他職種に比べて賃金水準はまだまだ低い。介護需要が急増しつつある都市部での人材確保は景気が回復するに従って難しくなるばかりだ。介護を魅力のある産業に育て、良質な人材を大量に養成していくためにも財源確保は待ったなしである。今すぐ取り組まなければ高齢化のスピードに追いつけないだろう。
 介護保険料は1割の利用者負担を除いて税と保険が50%ずつ負担している。長期的に見れば消費税などによる公費負担増は避けられないと思う。ただ、若年層の経済困窮を見れば、40歳以上が払っている介護保険料で可能な限り制度運営をまかなうことが望ましい。自治体も住民のニーズを受け止めて負担増から逃げるべきではないだろう。
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「家で最期」支える訪問看護 読売新聞 10/19
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=32277
 「住み慣れた自宅で最期まで過ごしたい」と望んでも、それがかなう人は少ない。実現には何が必要なのか。訪問看護ステーションの取り組みから考えた。
【病院やボランティアと連携】
 東京都新宿区の静かな住宅地。一人暮らしの女性(95)のもとを訪れた看護師の田中信子さんが、血圧を測りながら「夜、一人で寂しくないですか?」と話しかけた。女性は「寂しくないよ」と答える。2人は10年来の付き合いだ。
 認知症や心臓疾患のあるこの女性の要介護度は現在、最重度の「5」。家族が朝と週末に訪れるほか、訪問介護・看護、医師の往診を受けている。しかし、一人の時間も多い。万一の事態がいつ起きてもおかしくないが、「救急車は呼ばない」と以前から約束している。家族やヘルパーが異変に気づいた時は、田中さんの勤める「白十字訪問看護ステーション」(本部・新宿区、秋山正子代表)に連絡し、そのうえで往診医を呼んだりすることになっている。
 女性の次女(64)は「母にとってはこの家こそ『自分の居場所』。最期は家で迎えさせたい。訪問看護や往診の先生たちが支えてくれるので安心です」と話す。
 同ステーションは、常勤9人、非常勤7人の看護師が、1か月に平均150人を担当する大規模事業所。在宅看取(みと)りを支援しており、年間60~70人の死亡者のうち、半数以上は自宅で亡くなっている。
【自宅で死亡12%】
 厚生労働省によると、2009年の1年間で、最も多かった国内の死亡場所は、医療機関で81%。自宅での死亡は12%にすぎない。08年の別の調査では、一般国民の63%が終末期の自宅療養を望むと回答。一方で66%が「家族に負担がかかる」「急変した時の対応に不安がある」などから、家で最期を迎えるのは実現困難と答えている。
 ステーションでは「家で最期を迎えられる」と本人や家族に伝えるほか、在宅療養をしやすくするため、ボランティアを養成したり、病院や行政に働きかけたりするほか、住民啓発などにも取り組む。
 例えば2年前、病院から自宅に戻った肺がん末期の男性(当時76歳)。同ステーション内に事務局を置くボランティアのメンバーが見守りを兼ねて男性宅を訪れ、その人生を聞き取った。男性は死の数日前、自らの人生が聞き書きされた冊子の表紙を見て笑みをこぼした。
 男性の死後、ステーション代表の秋山さんらは病院を訪れ、自宅での様子を報告。主治医は「『男性、一人暮らし、肺がん』の在宅療養なんて想定外だった。今後は希望があれば対応したい」と答えたという。
 ステーション主催で開かれた在宅療養に関するシンポジウムでは、男性の家族も参加し、「最期を住み慣れた家で精神的に楽な状態で過ごせた。私たち家族も満足できた」と語った。
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 さてここからは本日のメインニュースになります。

 まずは2006年に社民党が出した医療格差、健康格差についての記載を引用します。

 
[1]患者の支払い能力による医療格差をなくす(一方的な患者負担増に反対、医療給付費の総額管理・混合診療・保険免責制に反対)
 [2]医療提供体制の格差をなくし、地域に必要な医療を確保する(地域における医師・病院の偏在、小児救急科・産婦人科など不足する診療科目への対策)
 [3]健康診断の受診格差をなくし、生活習慣病対策等の予防医療を充実(非正規雇用労働者、家事専従者の健診受診率は50%以下。生涯を通した健康づくりへ)
 [4]病院の官民格差をなくす(官民を問わず、地域が必要とする医療・医療機関を確保するために公費を投入)
 [5]労働環境の格差をなくす(医療スタッフの労働環境を改善、慢性的な人手不足を解消)


 いずれも理解出来ることばかりですが、いずれも困難な事ばかりというのが率直な感想。提案するのは良いのですが、実現可能なものを具体的に提示すべきではないかな?と感じました。

 また医療格差と健康格差という用語が混在していますが、色々と調べていると医療格差とは狭義的な使い方、すなわち日本における格差に使用し、健康格差とは広義的な使い方、すなわち国際的な格差に使用されているケースが多いようです。他にも色々と記載されていますので、ご確認いただければと思います。

健康格差: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%A0%BC%E5%B7%AE
 健康格差(けんこうかくさ、health disparities、health inequalities、health divide)は、人種や民族、社会経済的地位による健康と医療の質の格差である。米国保健資源事業局は「疾病、健康状態、医療アクセスにおける集団特異的な違い」と定義している。
 偶然や生物学的要因(年齢、性別、遺伝)による集団の健康のばらつきとの違いを強調して、「回避可能で不必要で不公平で不公正な健康のばらつきである」とする定義もある。より積極的に偶然や生物学的要因との違いを強調して、「経済格差と健康格差は、税制、事業規制、福祉給付、医療財源といった課題において、社会によりなされた決定による結果である」とする主張もある。
 健康較差と表記されることもある。
【概要】
 健康は、生物学的な背景、あるいは最新の医療技術へのアクセスにも依存しているが、主に、その集団の属する社会経済的地位に依存している。また、社会経済的地位は、連続的な勾配(社会的勾配)に従っているため、健康格差も、社会経済的地位に従い、連続的に生じている。
 健康格差は、例えば、富裕層と貧困層のような社会的勾配の端同士の比較から見いだされると同時に、富裕層内部でも、社会的勾配にしたがって、見いだされている。
【 原因】
 民族・人種集団間の健康格差の原因については、議論がある。健康格差は、3つの領域から生じているということが認められている。
 1.疾病の発生頻度の格差
  さまざまな民族・人種集団個人の社会経済的地位、環境の特性から生じる
 2.医療へのアクセス(近接)の格差
  医療提供制度に入ろうとするときに、特定の民族・人種集団が遭遇する障害から生じる
 3.医療の質の格差
  さまざまな民族・人種集団の受ける医療の質から生じる


 さて私は臨床検査技師の立場から、また政策医療臨床検査連絡会事務局といった立場から、臨床検査データの標準化について触れてみたいと思います。

 そもそも臨床検査データは、医療分野の中でも客観評価的な要素の強いものであり、本邦における多施設間格差であるとか、比較対象に最もなり易いものです。私自身、この分野に関わって十数年になりますが、もっと以前では施設間における臨床検査データの互換性については、かなりひどいものであり、その是正目的で、日本医師会が「臨床検査精度管理調査」を行った経緯もあります。
 現在では、生化学、免疫分野の主要項目については、かなり標準化が進み、全国どこにいても主要項目については、ほぼ同様の臨床検査データが得られるようなレベルにまで発展してきました(勿論まだまだの施設も多数ありますが)。しかし主要項目以外の項目については、互換性に乏しい状態であり、苦慮しているところです。さらにこれら主要項目以外のものについては、院内で測定せず院外で測定、すなわち外部委託検査に依存している状況で、これら外部委託検査の臨床検査データについては、院内に所属する臨床検査技師はかなり低認識というか、無関心というか、外部委託検査から得られた臨床検査データを確認せず、臨床部門に垂れ流し?しているのが現状です。

 さらに本邦では、ISO15189といった国際標準規格が臨床検査分野において設置されており、医療分野の中では唯一といっても過言でないものです。近年、このISO15189認定を取得する施設が多くなる傾向になってきておりますが、ただ取得することが目的となり、取得後に何を行うかといった戦略が無いため、認定継続を断念する施設が出てきていることも事実です。

 一例を挙げると、日本国内で測定された健康診断データが、海外で通用するかというと、通用しないこともあるのが現実です。そこで登場するのが、ISO15189という国際標準規格。厳密な国ではこの認定を取得した施設で測定されたデータしか受け付けられないこともあります。さらに現在行われている治験など研究データなどの互換性を高める(標準化)ということは、本邦の医療の質を向上させ、国際競争力を向上させるということもご理解いただければと思います。こういった事実を一般国民のみならず、全ての医療従事者に認知してもらいたいと願っています。

 医療格差からかなり飛躍してしまった話になりましたが、私がこのメールニュースやブログで訴えていることの背景には、こういったこともあるのだということを、ご理解いただければ幸いです。時間的に余裕が出てくれば、この十数年の私自身の活動内容などもブログ上で、ご紹介していきたいと考えています。

 色々と書き連ねましたが、医療分野における客観的評価指標を構築することは、「医療の可視化」にも繋がり、医療格差、健康格差を是正する第一歩だと私は思います。


【毎日新聞社特集記事 2010/10/16】
 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには データ生かし死者減
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101016ddm003040115000c.html
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 医療の質のばらつきや格差を明らかにし、是正していく取り組みは、欧米では既に一般的だ。今回、国内で初めて算出された「標準化病院死亡比(HSMR)」も利用が進んでおり、実際に患者死亡率の低下につなげた病院がいくつもある。日本でも同様の取り組みを広げていくには、どうしたらいいのか。
◆診療の質、改善図る欧米
◇英の2病院、4年間で905人
 HSMRが開発された英国では、公立病院などの診療の質の管理に利用されている。開発者の一人で、元英国医師会長のブライアン・ジャーマン英ロンドン大名誉教授などによると、各病院のデータは毎月、英インペリアル・カレッジに集められて分析され、公開もされている。
 数値が異常に高いとみられる病院には、カレッジが警告を出す。警告は同時に、法律に基づいて医療や福祉の質を規制する独立組織「ケアの質委員会」に通知される。
 効果は既に上がっている。英中部のウォルソール病院は、00年のHSMRが130だった。死者数は年間1080人で、平均的な病院より250人多いと推計された。これを受け病院は、心臓病や呼吸器病、がんなど7診療グループでそれぞれ改善を図った。その結果、04年のHSMRは93に下がり、死者を年295人減らせたと推定された。
 また、01年のHSMRが95だった、英中部の聖ルカ病院など2病院。さらに向上を目指し、院内に死亡率低減チームを設け、院内感染予防や誤投薬防止などに努めた。05年には78に低下し、02~05年の4年間で死者を905人減らせたと推計されたという。
 カナダでも、政府と地方自治体が共同で設立した非営利の独立組織「カナダ保健医療情報研究機関」が、90余りの病院について04年以降のHSMRを調査。毎年の値を病院の実名とともにインターネットで公開している。この機関は、保健医療情報を収集・分析し、公開するのが仕事だ。
 HSMR導入後、07年までの3年間に、カナダ全体のHSMRは約6ポイント下がったという。機関は「HSMRは医療を改善する機会を与え、変革を動機づけし、進歩の跡を示す」と指摘する。
 日本では、今回の算出を継続的な取り組みにつなげることができるのか。今回はジャーマン名誉教授と研究班の協力で、各病院の負担はなかったが、本来は費用がかかる。算出に携わった上原鳴夫・東北大医学部教授は「改善の効果を『見える化』し、異常を早めに察知し対処する仕組み作りのため、日本でもHSMRが普及してほしい」と話し、予算と態勢づくりに行政の支援を期待する。
◆分析ノウハウ探る日本
◇検査見直し黒字例も
 日本では、HSMR算出に使われた「DPC(包括払い)データ」を活用し、医療の質や経営を改善する試みも始まっている。DPCデータには、退院または病棟を移った入院患者全員について、いつ、どんな治療を実施したかなどの詳細情報が含まれる。厚生労働省は全国の病院別データを公表しており、これを分析することで他病院や全国平均と診療プロセスを細かく比較することが可能だ。
 「こんなに差があるのか……」。昨年6月、愛知県の小牧市民病院で開かれた「東海自治体病院DPC勉強会(ToCoM)」の初会合で、参加者から驚きの声が上がった。胆のう摘出手術後、感染症を防ぐため注射する抗生剤について、1症例当たりの平均使用額をDPCデータから比べたところ、病院間で約300円から約1万1000円まで大きな開きがあったためだ。
 ToCoMには、愛知、岐阜、三重3県の県立や市立の21病院が参加。年2回程度、各病院の診療情報管理士らが集まり、DPCデータを交換して検査や投薬の状況を比較している。初会合で高額な抗生剤使用が明らかになった病院は、その後半年で使用額を半減させたという。
 松阪市民病院(三重県)は08年度にDPCを導入し、ToCoMで得た情報も参考にしながら手術前検査などの効率化を徹底した結果、09年度決算で平成に入って初の黒字を達成した。ToCoMの代表世話人でもある同病院の世古口務・総合企画室副室長は「各病院は最高の医療を提供していると思い込みがちだが、実態は違うということをDPCデータは客観的に示してくれる。診療の効率化は在院日数が短縮するなど、患者にとってもメリットが大きい。DPCデータはまさに『宝の山』だ」と話す。
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◇病院が提出するDPCデータの主な情報
■診療録(カルテ)情報
 ▽患者の識別番号・性別・生年月日 ▽治験の有無 ▽入・退院日 ▽入院経路 ▽退院先 ▽入院後24時間以内の死亡の有無 ▽傷病名 ▽手術の名称・実施日・回数 ▽麻酔の種類 ▽妊娠の有無 ▽がんのステージ(病期) ▽化学療法の有無
■診療報酬明細書(レセプト)情報
 ▽診療行為の名称・実施日・回数 ▽使用薬剤の種類・量・価格 ▽医師識別番号、病棟識別番号 ※患者名は匿名


【毎日新聞社特集記事 2010/10/16】
 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには/1 死亡率、最大3倍差も
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101016ddm001040025000c.html
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◇70病院、入院患者 医師ら研究班、日常データ比較
 入院患者の死亡率が最も高い病院は平均的な病院の1・6倍に達し、逆に最低の病院は0・6倍--。文部科学省研究班(班長、上原鳴夫・東北大医学部教授)と、「医療の質・安全学会」などで作る「医療安全全国共同行動企画委員会」が、全国70病院で患者が入院中に死亡した率を比較可能な形で算出したところ、大きな格差が存在することが明らかになった。病院名は非公表だが、こうしたデータが日本で算出されたのは初めてだ。
  算出した数値は「標準化病院死亡比(HSMR)」と呼ばれる指標。病名や年齢などから患者の死亡率を予測し、各病院の死亡率が平均の何倍かを割り出す。結果は平均的な病院が100になるよう調整して数値化する。欧米では10年以上前から医療の質の指標の一つとして使われ、質向上や問題発見の契機になっている。
 上原教授たちは、医療安全全国共同行動に参加している大学病院や各地の基幹病院など70施設から、07~08年の患者データを収集。HSMRの計算法を開発した英国の専門家に送り算出を依頼した。
 多くの病院は100前後だったが、120を超える病院が六つあり、最高は160。低い方では、80未満の病院が11あり、60程度が三つあった。
 死亡率に最大で3倍近い格差がある可能性がある。上原教授は「思ったより差があった」と話す。
 結果は各病院に知らせ、医療を改善する参考にしてもらった。今は対象病院を180余りに増やし、2回目の算出を進めている。
 算出の目的は、各病院の医療の改善ぶりを数字で明らかにすることだ。
 「病院が安全対策の徹底に努めても手応えは実感しにくい。改善の成果がHSMRの変化として数字に反映されれば、現場の励みになるし、努力を社会に分かってもらえる」と上原教授。決して病院のランクづけが目的ではないという。
 もちろん、これだけで病院の質が決まるわけではない。だが、HSMRが並外れて高ければ、その病院の医療のどこかに問題があることを疑うきっかけになる。
 データが増えれば、病院全体の死亡率だけでなく、病気ごとの死亡率もチェックできるようになる。
 しかも、今回の算出に使った患者データは特別なものではない。診療報酬を包括払い方式で請求する病院が毎月、患者の診療内容を記載して厚生労働省に提出している「DPC(包括払い)データ」だ。
 提出している病院は約1400あり、合計病床数は全国の約半数に達する。主要な病院にとっては日常的なデータといえる。
 欧米では、HSMRが130前後だった病院が、努力して100未満に下げた事例が複数報告されている。一方、貴重なデータが生かされない日本。格差は見え始めたばかりで、改善はこれからだ。
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【毎日新聞社特集記事 2010/10/17】
 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには/2 がん専門でも診療差
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101017ddm001040061000c.html
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 「もう少しバラつきが小さいかと思った」。国立病院機構九州がんセンターの岡村健院長は、ある調査結果を手に話し始めた。胃がん患者への治療内容が、がん専門病院の間でかなり異なり、行うべき手術法や抗がん剤治療をあまり実施していない施設もあることが示されていたからだ。
 調査は岡村院長が主任研究者となった国立病院機構と厚生労働省研究班が共同で実施した。対象は同機構所属で、国から「がん診療連携拠点病院」に指定されている15病院。厚労省研究班が胃がん患者に「行うべきだ」と結論づけた30項目の診療が、07年1年間の対象患者の何%に実施されたかを、一人一人のカルテを見て確認した。
 例えば「S-1」と呼ばれる抗がん剤。中程度の進行度の胃がん患者が手術後に飲むと、3年生存率が飲まない患者より高まるというデータがある。S-1を処方したか、理由があってしなかったことがカルテに書かれていた患者の割合は3病院で100%だったが、5~6割の病院が二つあり、0の病院もあった。この数字は病院が行うべき診療を実践している割合を示す。
 胃の周囲のリンパ節を一定範囲まで切り取る「D2手術」を実施したか、理由があってしなかったことが記されていた患者の割合でも、最高の病院は約90%だったが、60%以下の病院が4施設あり、最低は約40%。リンパ節にはがんが転移している可能性があり、D2手術は再発予防に有効とされている。
◇分野の違い理由
 岡村院長は「S-1の生存率延長を示す論文が出たのは07年で、周知が遅れた可能性もある」とする一方で、「がん専門病院といっても胃がん治療に専念する医師ばかりではない。病院によっては他のがんや、がん以外の病気を同時に担当する医師も多い」と専門性の違いが治療の差を生んでいると推測。「各病院が同様の調査で自らを評価しレベルアップしてほしい」と訴える。
 調査に使ったのは、厚労省研究班が昨年まとめた「診療の質指標(QI)」の一つ。胃がん、大腸がん、肺がん、肝臓がん、乳がん、緩和ケアの6診療分野で、専門家を各10人程度集め、「実施率が高い病院ほど、医療の質が高い」と考えられる内容を分野ごとに25~45項目定めた。
 病院ごとに各項目の実施率を調べて医療の質を評価し、格差を縮めるのが目的だ。米国では臨床腫瘍(しゅよう)学会などがQIを作り、各病院の調査結果をまとめているが、日本では初の試みとなる。
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【毎日新聞社特集記事 2010/10/18】
 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには/3 5年生存率、精度揺らぐ
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101018ddm001040076000c.html
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 がん治療の質を測る指標として不可欠な患者の「5年生存率」。患者にとっても、病院や治療法を選ぶ際の重要な情報になるため関心が高い。施設間の格差を明らかにし、解消を目指す上でも重要な役割を担っているが、今、その基盤を揺るがす事態が起きている。
 「センターの体制も担当者もかわっていないのに……」。今年4月に独立行政法人となった神奈川県立がんセンター(横浜市)の小池真紀子・企画調査室主査は、県内の2市役所の対応の変化に戸惑っている。5年生存率などの治療成績を出すには、治療後に転・退院した患者の生死などを確認するために住民票の照会をする場合があるが、独法化を理由に応じてくれなくなった。
 同センターは地域のがん治療の中心的役割を担う「がん診療連携拠点病院」に国から指定され、「院内がん登録」が義務づけられている。院内がん登録では、患者全員の診療情報や生存期間などを毎年追跡調査して記録。登録データを基に、がんの種類別やステージ(病期)別の5年生存率などが計算される。
 同センターは昨年、追跡対象8875人のうち2280人について、全国の市区町村に住民票照会を申請。全自治体が照会に応じ、追跡率はほぼ100%だった。
だが、今年は患者が多い2市から照会を断られた。データの精度を担保するためには追跡率95%が目標とされているが、「追跡率が90%を割り込む恐れがある」(小池主査)という。
 拒否に転じた2市は、総務省策定の住民基本台帳事務処理要領を根拠に、「独立行政法人は国や地方公共団体の機関と異なり、住民票の写しを交付するには、個人情報保護の観点から本人の承諾が必要」と説明する。
 だが、院内がん登録を巡り、患者の同意書などを取っていない拠点病院は少なくない。ある病院の担当者は「いちいち同意書を取ろうとすると作業量が膨大になるし、同意が取れる患者だけだと、データに偏りが出る可能性が高い」とこぼす。
 そもそも、多くの拠点病院は個人情報の「壁」を敬遠して外部照会に二の足を踏んでいる。国立がん研究センターのがん対策情報センターが行った調査によると、全国377の拠点病院のうち、昨年12月時点で外部照会をしていない病院が74%に上った。同センターの西本寛・院内がん登録室長は「外部照会をしない患者は死亡したかが分からず、『死亡』とカウントされないため、生存率が実態より高く出る可能性がある」と指摘する。
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【毎日新聞社特集記事 2010/10/19】
 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには/4 「専門医」信頼性に課題
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101016ddm003040115000c.html
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 「循環器専門医」「脳神経外科専門医」……。厚生労働省は現在、55の専門医資格に限って広告で使うことを認めている。一定の基準を満たす学会などの資格認定が条件で、一定の質の医療を受けられる「お墨付き」ともいえるものだ。医療のばらつきをなくす仕組みの一つだが、ある専門家は「学会によって認定要件の厳しさにばらつきがある」と指摘する。
 呼吸器外科学会と胸部外科学会で作る呼吸器外科専門医合同委員会(事務局・東京都文京区)が認定する「呼吸器外科専門医」。04年から5年間は、認定に必要な呼吸器外科手術の経験数を「18例以上」としていた。この基準で1300人余りの専門医が誕生した。
 安元公正委員長は当時の制度について「わずか18例で皆さんが納得するか」と話し、条件の甘さを認める。背景に厚労省が02年に専門医の広告を解禁した際、各学会の医師が次々と広告を始めたことを挙げ「我々だけ遅れるわけにいかず、会員の利益を優先して制度を作った」と明かす。
 委員会は09年から制度を改定。認定には、過去5年で100例以上の手術経験を求めるようにした。旧制度の専門医にも新条件で更新を求めており、条件を満たせず更新できなかった医師もいる。だが、旧制度の専門医が全員、更新を終えるのは13年で、当面は経験の少ない医師も「専門医」のままだ。
 こうした現状を改善する動きも始まった。75学会でつくる日本専門医制評価・認定機構(池田康夫理事長)は5月の総会で、新設する第三者機関が専門医を認定する新制度の基本設計をまとめた。
 新制度は、内科、外科など18の基本領域いずれかの専門医認定を受けた上で、糖尿病や呼吸器外科など、より専門的な17領域の認定に進む2段階制。認定要件は、各学会が策定したものを第三者機関が集約し、ばらつきが出ないよう調整する。
 認定試験の受験に必要な研修は、第三者機関が学会の協力で定める各地の病院で実施。研修プログラムも第三者機関が評価し、質の維持を図る。研修を受けられる医師数にも定員を設ける。池田理事長は「専門医の信頼性を高めるため、研修の『履歴』をオープンにしたい」と説明する。
 第三者機関の具体像は11年までに素案をつくり、早ければ14~15年にも新制度をスタートさせたい考えだ。
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【毎日新聞社特集記事 2010/10/20】
 明日へのカルテ:第2部・医療格差をなくすには/5止 「質」への負担増説明を
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101020ddm001040070000c.html
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 岡山県北西部の高梁(たかはし)・新見地域。約7万人が暮らす「医療圏」だが、脳梗塞(こうそく)の救急治療に最も有効とされる治療法を実施する病院がない。「医師不足の現状では、とても実施できない」。高梁市立成羽(なりわ)病院の鶴見尚和副院長は嘆く。
 この治療法は、脳の血管に詰まった血の塊(血栓)を溶かす血栓溶解剤「t-PA」を使う方法。副作用で脳出血を起こす可能性もあるため、日本脳卒中学会は実施施設の基準として、MRI(磁気共鳴画像化装置)などの画像診断に24時間対応可能なことや、出血に備えて脳外科的処置ができる体制などを示している。
 だが、成羽病院の常勤医は内科、外科などの7人だけ。脳卒中や脳外科の専門医はいない。近くの高梁中央病院には脳外科専門医が5人いるが、高齢者が多く、実働は2人で実施できないという。
 同じ県内でも、南東部には実施施設が8施設、南西部にも3施設あり、格差は大きい。鶴見副院長は「医師数の維持すら厳しい地方病院が脳外科医を増やすのは非常に難しい。せめて地域の医療圏に1カ所くらい脳卒中専門のセンターをつくり、脳外科医らを集中させて、救える命を救う体制作りが必要ではないか」と話す。
 全国的にも、t-PA療法の実施病院数は地域間格差が大きい。厚生労働省研究班(主任研究者、木村和美・川崎医科大教授)によると、実施には脳卒中専門医が3人以上いることが望ましい。しかし、研究班の07年調査では、担当医が3人以上いる病院は、人口20万人以上の医療圏だと6割以上にあるが、5万人未満だと4割強程度にしかない。別の研究では、同療法の実施件数に、都道府県間で最大4倍近い差があることも分かっている。
 木村教授は「脳卒中に関する基本法を作り、地域間の医師の偏在を是正していく必要がある」と説く。
 同様の格差は他の病気でもある。しかし、どこででも最善の治療を受けられるようにする「均てん化」を掲げたがん対策基本法のあるがんですら、専門医や施設の体制などの格差を解消する道は険しい。そもそも日本は医師数や国内総生産(GDP)比でみた医療費が先進国最低レベルだからだ。
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1019-603号 2010年度改定、病院への影響度を検証 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 昨日久し振りに記事を配信出来ました。多くの方々から温かいお言葉や叱咤激励など多数いただきました。有難うございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ブログの方も長い間メンテナンスなど手付かずの状態でしたので、啓蒙活動の一環で行っていた各種ランキングもアクセス数もかなりランキングダウンしてしまいました。ブログの方は臨床検査技師という職種があることを一般の方々に広く知っていただくためのものですので、是非ブログへお越しいただき、バナークリックにご協力いただければ幸いです。 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/

 さて昨日もご紹介しましたが、今朝の新聞各紙は社説もコラムも隣国の反日行動に対する批判記事で花盛りです。当たり前と言えば当たり前なのですが、言わば、やつあたりに近い暴徒による暴挙ですね。しかしそもそも政府が初期段階で毅然とした対応をしていなかったのが、ここまで拡大させた原因なのではないかと私は思うのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?

 各社社説は昨日ご紹介しましたので、例え話が多く楽しめるコラムを本日はご紹介します。なるほど・・・色々と書き様があるものですね。勉強になりました。


10月19日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20101018-OYT1T01310.htm
 永井荷風が東京・銀座の洋食店に入ると、先客に子供連れの一家がいた。躾(しつ)けがなっていない。1933年(昭和8年)の日記にある◆〈子供は猿の如(ごと)く、室内を靴音高く走りまはり、食卓の上に飾りたる果物草花を取り、またはナイフにて壁を叩(たた)く〉。親は周囲の迷惑顔もどこ吹く風、叱(しか)りもしない。荷風は嘆いた。〈今の世の親たちは小児のしつけ方には全く頓着せざるが如し〉◆してよいこと、悪いことのけじめを教わらなかった子供は、どうなっただろう。おそらくはロクな大人に育たず、親を泣かせたに違いない◆趣旨が「反日」であれ、何であれ、デモはしてよいことである。暴徒化し、日系企業を襲撃するのは、して悪いことである。そのけじめを教えず、実行犯を本気で摘発しようとしない中国当局は洋食店の親と変わらない。暴徒の標的が党本部や官庁に移ってから躾けを始めて間に合うとでも思っているのか。乱暴狼藉(ろうぜき)の放置は、市民に政権転覆の予行演習をさせているのと同じであることに気づいていい
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余録:反日デモの“力学” 毎日新聞コラム 10/19
 
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 ニコラ・ショーバンはナポレオン戦争などで17度も戦傷を負ったとされる仏陸軍の兵士である。しかし彼が歴史に名を残したのはその武勇のゆえではない。ナポレオンの没落後も彼を賛美して、熱狂的な愛国主義を説き続けたからだ▲以来、排外的な愛国熱を「ショービニズム」と呼ぶようになる。彼の実在を疑う声もあるが、ナポレオンの栄光が過ぎ去った時代の多くの芝居に好戦的で愛国熱を鼓吹するキャラクターとして登場し、嘲笑(ちょうしょう)の的になった▲さて尖閣諸島の漁船衝突事件をめぐる日中間のあつれきが修復局面に入ったと思われていたところで続発した中国内陸部諸都市での反日デモだった。その規模も参加者数万人と、この間のデモとはケタ違いに多い。一部は暴徒化して日系スーパーなどでの被害も出た▲若者の動員は大学の学生会がかねて準備していたとの情報もある。「打倒小日本」などショービニズムをあおるスローガンも目立つが、大規模デモの同時発生は当局の関与を疑わせた。はて背景にどんな力学が働いたのか▲一見、外国に反発を示すショービニズムだが、実はもっぱら「売国」などの毒々しい扇動で国内の政敵をおとしめる手段に利用されるのは世の常である。またそれが民衆の日常の不満を、誰も統御できぬ引火性のガスに変える怖さも責任ある指導者なら知っていよう
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天声人語 朝日新聞コラム 10/19
 
http://www.asahi.com/paper/column.html
 欧州あたりで「嫌米」のデモが荒れると、しばしばマクドナルドの店舗が襲われる。米国のグローバル支配の象徴というのだろうが、店員や食材の多くは「国産」だ。本籍に執着の薄い国際ブランドが、右代表としてやられるのは皮肉である▼中国内陸部の地方都市で、反日を叫ぶ群衆が暴れた。「坊主憎けりゃ」で、パナソニックの電器店やトヨタ車も壊された。政府間では落ち着くかに見えた日中の対立。外交から街頭へとなれば厄介だ▼騒いだのは愛国教育を受けた世代という。就職難など、色んな格差への不満が、格好の標的を得て爆発したとされる。「日」の字がつけば何でも攻撃対象となるように、理由は尖閣でも靖国でもいいらしい▼彼らの横断幕に〈琉球を回収し、沖縄を解放せよ〉とあった。幸い、中国に抗議する東京の日の丸行進は整然としていたが、売り言葉に買い言葉の愚は戒めたい。ナショナリズムの悪循環を防ぐには、大人を自覚する側が冷静を保つことだ▼中国にも冷めた目はある。反日デモの呼びかけに、ある若手人気作家は「内政問題でデモもできない民族が、外国に抗議しても意味はない」と喝破した。怒りをぶつける相手が違うと。それが体制に向かっては困るから、当局も規制の加減が難しい
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【産経抄】10月19日 産経新聞コラム
 
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101019/chn1010190243002-n1.htm
 森鴎外の『半日』という短編は、険悪な関係にある妻と母親の間に立って、困り果てている男の話だ。妻は時に、黙って耐えている男にも食ってかかり、髪を切るだの、のどを突くだのと大騒ぎだ。夫に鬱憤(うっぷん)を晴らして、精神の均衡を保っている。
▼中国の内陸部の都市で次々に飛び火している、「半日」ならぬ「反日」デモは、どんな鬱憤を晴らそうというのか。沖縄・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件をめぐって、「日本側の一連の誤った言行」に対する「義憤」である。
▼中国外務省はデモに、こんな理解を示しているが、内実はもっとドロドロしている。デモの起こった内陸部は、沿海部に比べて経済発展が遅れている。より深刻な就職難に直面している若者たちのいらだちが、背景にあるという。
▼社会にもの申すなら、言論の自由を求めるなり、ノーベル平和賞受賞が決まった劉暁波さんの釈放を求めるなり、エネルギーを注ぐ方向が違うように思う。もっとも彼らは聞く耳を持つまい。デモのスローガンに「反日」を掲げている限り、当局も大目に見てくれるからだ。
▼それどころか、政治改革に消極的なグループが、政権に圧力をかけるために、デモを仕掛けた、との見方まである。反日デモが権力闘争の道具になっているわけだ。いずれにしても、襲撃を受けた日系の店舗や日本車の所有者にしてみれば、たまったものではない。
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 さてここからは医療関連ニュースに移ります。

 まずは世界初!という見出しに惹かれてしまいました。エボラ出血熱については、一般の方々も死亡率が非常に高く怖い感染症という認識があるのではないでしょうか?もしかしたら以前放映されていた「BLOODY MONDAY」を連想された方もおられるのでは?こちらはエボラと天然痘を掛け合わせたのような設定だったと思いますが。

エボラ出血熱 http://ja.wikipedia.org/wiki/エボラ出血熱
 エボラ出血熱(エボラしゅっけつねつ、Ebola hemorrhagic fever)は、フィロウイルス科のエボラウイルス(Ebola virus)を病原体とする急性ウイルス性感染症。出血熱の一つ。
 エボラウイルスは大きさが80~800nmの細長いRNAウイルスであり、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様ある。
 初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月のスーダンのヌザラ(Nzara)という町で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱と頭や腹部に痛みを感じて入院、その後消化器や鼻から激しく出血して死亡した。その後、その男性の近くにいた2人も同様に発症して、それを発端に血液や医療器具を通して感染が広がった。最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人と言うものだった。
 そして、この最初の男性の出身地付近である、当時のザイールのエボラ川からこのウイルスの名前はエボラウイルスと名づけられ、病気もエボラ出血熱と名づけられた。 その後エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50~89%と非常に高い。
 ちなみに、エボラ出血熱が発生した際に軍隊が出動した事もある。これは治療支援ではなく、感染者が発生地域外へ出ないようにし、発生地帯をその地域のみに「封じ込めるため」である。
 【原因】
 アフリカ中央部(スーダン、コンゴ民主共和国、ガボン)および西アフリカで発症している。自然宿主はコウモリである
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou27/100713-1.html#2-3(厚生労働省のホームページより)、サルからの感染例はあるが、キャリアではなくヒトと同じ終末宿主である。また、現地ではサルの燻製を食する習慣があるため、これを原因とする噂がある事も報道に見える。
 なお、2005年12月1日付の英科学誌ネイチャーにて、ガボンのフランスビル国際医学研究センターなどのチームの調査による「食用コウモリからの感染」を疑う説が発表されている。患者の血液、分泌物、排泄物や、唾液などの飛沫が感染源となる。死亡した患者からも感染する。
 エボラウイルスの感染力は強いが基本的に空気感染をしないため、感染者の体液や血液に触れなければ感染しない。現在までの感染拡大も、死亡した患者の会葬の際や医療器具の不足(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことによりもたらされたものが多く、空気感染は基本的にない。そのため患者に近づかなければ感染することはない。
 レストンにて商業輸入に際して顕在化した猿を終末宿主とする感染流行に際して、特定された「エボラ・レストン株」は、空気感染の可能性を濃厚に具現するものとして知られているものの、人体間における空気感染を確定的に定義付けるものとは言えない。
【症状と治療】
 潜伏期間は通常7日程度。発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振などから、嘔吐、下痢、腹痛などを呈する。 進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられ、死亡する。 致死率は50~89%と非常に高く、死亡者の殆どに消化管出血が見られる。
 エボラ出血熱ウイルスに対するワクチン、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効かつ直接的な治療法は確立されていない。


世界初、細胞侵入のメカ解明 エボラウイルス、北大講師 共同通信 10/18
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101801000805.html
 アフリカで時折流行するエボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスが、人間の細胞に侵入するメカニズムの解明に、北海道大大学院薬学研究院の南保明日香講師(38)らのチームが世界で初めて成功したと、北大が18日発表した。
 エボラ出血熱は高熱や鼻出血を伴う感染症。ワクチンや治療薬はなく、感染者の致死率は50~90%と高い。研究成果は、抗ウイルス薬開発につながると注目されている。
 南保講師によると、無毒化したエボラウイルス粒子に赤い蛍光色素を付け、観察しやすくした後、細胞に吸着。侵入する状況をレーザー顕微鏡で解析した。
 その結果、ウイルスは、細胞が外部の栄養素やホルモンを取り込む「マクロピノサイトーシス」と呼ばれる作用を誘発。細胞内に侵入する様子を観察できた。
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 さて本日のメインニュースに移ります。実はもう一編、特集があるのですが、こちらは別途お届けしたいと思います。まずは、本年度診療報酬改定の影響度を検証ということで、日経メディカルが特集を組んでいました。少し以前の記事ですので、既にご覧になっておられた方はごめんなさい。まだご覧いただいていない方は是非にご一読ください。病院の規模や特性により悲喜交々。今回は急性期を扱う総合病院が勝ち組のようですね。規模は大きくなればなるほどボリュームメリットが出るようです。

 こうなってくると、慢性期疾患や長期療養を必要とする患者さんにとっては非常に辛い時代になるかもしれません。介護保険を一例に挙げられるように、国策としての早急な対応が必要ですね。ますます病院の統廃合や整理に拍車がかかり、国民への影響が心配です。地域密着型の中小規模施設への配慮は切実な問題でしょうね。これは医療機関だけではなく様々な産業でも言えることですが・・・「クオリティの担保」がキーワードになるでしょうね。


【日経メディカルオンライン 2010/10/15】
 日経メディカル2010年10月号「スペシャルリポート」(転載) 2010年度改定、病院への影響度を検証
 手厚い評価の急性期病院でも機能によって明暗
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201010/516999.html
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 急性期病院が手厚く評価された2010年度診療報酬改定。大学病院など大規模病院は軒並み年間数億~十数億円の増収になる見込みだ。一方、中小病院は在宅医療に乗り出すなど、新たな機能を模索し始めた。
 2010年度改定について、病院関係者の多くは「メリハリの利いた改定だった」と評価する。
 10年ぶりのプラス改定となった今改定では、政府が医科本体のプラス財源である4800億円(改定率は1.74%増)を、あらかじめ入院4400億円(改定率は3.03%増)と外来400億円(改定率は0.31%増)とに振り分け、入院医療を手厚く評価する姿勢を打ち出した。
 さらに改定の基本方針として、(1)救急、産科、小児科、外科などの再建(2)病院勤務医の負担軽減策の充実──が掲げられ、急性期関連の報酬の引き上げや加算の新設が相次いだ。
手術や救急関連で医療費増
 実際、改定前後の医療費の動向を見ると、急性期の入院医療が手厚く評価されたことが見て取れる。
 社会保険診療報酬支払基金がまとめた医科の医療費の動向によれば、約9万4000医療機関における2010年4、5月分の1カ月平均の医療費は、入院が前年同期比7.3%増、入院外が同3.3%増。
 電子レセプトで請求があった約3万5000医療機関の医療費について、前年同期と比べた結果、1カ月平均の医療費は24億2000万点増えており、そのうち20.6%が手術関連、24.3%が救急や小児科、産科などに関連した点数だった。
 社会保険診療報酬支払基金審議役の畑満氏は、「増加分のうち、救急や小児科、産科関連の報酬を分析したところ、小児急性期救急医療や救急入院医療の報酬の増加が比較的大きな割合を占めていた」と話す。
 小児急性期の救急医療では、常勤小児科医の配置が比較的充実している病院が算定できる「小児入院医療管理料2」が新設されたり、「小児入院医療管理料」の施設基準が緩和されて特定機能病院も算定可能になったことなどが影響した。
 救急入院医療では、2次救急を担う医療機関が算定できる「救急医療管理加算」の増点などが増加要因になった。なお、これから詳細な分析が行われる予定だが、増加分の「その他」には今改定で新設された「急性期看護補助体制加算」などが比較的大きな割合を占めていそうだ。
大規模病院は億単位の増収
 では、今改定は個々の病院にどのような影響をもたらしたのだろうか。医療機関の経営コンサルティングを行うASK梓診療報酬研究所の中林梓氏は「救急や産科、小児科を持ち、手術件数も多い病院では、年間数億円の増収となるケースもあった」と話す。こうした恩恵を受けたのは、主に看護配置が7対1、10対1と手厚く、高度な医療を提供できる大規模な超急性期病院が多い。
 広島大病院(一般病床740床、看護配置7対1、平均在院日数15.6日、病床稼働率約94%)の運営支援部長の西田良一氏は今改定の影響について、「4~7月の診療報酬を、同じ診療内容を改定前の報酬に置き換えたものと比べたところ、入院で7.4%増、外来で0.4%減となり、全体では5.3%増だった。年間で10億~13億円ほど増収になるのではないか」と分析する。
 大学病院ばかりでなく、救急などに力を入れる地域の拠点病院も似たような恩恵を受けている。大規模な急性期病院が多いことで知られる熊本市。その中で3次救急にも力を入れる済生会熊本病院(400床、7対1、10.5日、98.5%)も、4~6月の診療報酬を、同じ診療内容を改定前の報酬に置き換えたものと比較。入院関連の収入は7%増。外来は薬価引き下げの影響で若干の減収となるが、合計で年間8億円ほど増収になる見込みだ。総合周産期母子医療センターに指定され、小児救急にも尽力する高槻病院(大阪府高槻市、477床、7対1、12.6日、96%)も同様に、4月の収入は3.8%増。年間で7億~8億円の増収になるとみられている。
 どの大規模病院にとっても、大きな増収要因となったのが「手術料」の引き上げだ。今改定では、外科系学会社会保険委員会連合の試案に基づき、約900項目の手術料が増点され、難易度の高い技術度区分DとEの手術料は30~50%増となった。
 広島大病院の手術件数は、医科歯科合わせて年間約7000件。医科の手術の70%が技術度区分DかEに当たるため、手術料だけで年間5億~6億円の増収となる見通しだ。済生会熊本病院も、年間8億円ほどの増収見込み分のうち、約3億7000万円が手術料によるものだという。ただし、手術料が引き上げられる一方で、薬価と材料価格が引き下げられたため、大きな増益には結びつきにくいのが実情のようだ。
 手厚く評価された救急や小児科の報酬も、大規模病院の増収に寄与している。今改定では、ハイリスク新生児の集中治療を評価するため、「新生児特定集中治療室管理料1」が増点された。24床ある新生児特定集中治療室が常に満床の高槻病院では、この増点で年間9000万円の増収となる計算だ。また、2次救急を担う病院が算定する「救急医療管理加算」も引き上げられ、同病院は、これにより年間3000万円の増収を見込んでいる。
 小児救急医療を担う病院が算定する「小児入院医療管理料」は、常勤小児科医9人以上という比較的手厚い配置を評価した「小児入院医療管理料2」が新設されるとともに、特定機能病院でも算定できるようになった。広島大病院では常勤小児科医3人以上を要する「小児入院医療管理料4」を算定できるようになったため、年間2億2000万円程度の増収となる見通しだ。
看護補助加算も大きく寄与
 手厚い人員配置や、多くの重症患者を受けた実績が施設基準に盛り込まれ、新設・増点となった報酬が多かったことも大規模病院の増収に寄与した。病院関係者は、「今まで人員を増やし、救急を維持してきたところがやっと評価された」と口をそろえる。
 今改定で新設された「急性期看護補助体制加算」はそうした報酬の一つ。同加算は、看護配置が7対1または10対1の急性期病院が算定できる。算定には、総合周産期母子医療センターの設置または年間の緊急入院患者数が200人以上の実績が施設基準として課せられており、急性期病院として機能しているかどうかが問われる。
 以前から看護補助者を置いていた済生会熊本病院は、「急性期看護補助体制加算」の新設を受けて補助者を増員。入院患者50人に対して1人の補助者が必要な「急性期看護補助体制加算1」を算定し、年間1億3000万円の増収となる予定。高槻病院も以前から看護補助者を活用しており、4月から「急性期看護補助体制加算1」を算定。年間8000万円程度のアップを見込む。
 ただし、同加算を算定するには、重症度・看護必要度の基準を満たす患者の割合が一定以上必要だ。具体的には、看護配置7対1の一般病棟では全体の15%、10対1では10%以上であることなどが要件となっている。済生会熊本病院院長の副島秀久氏は「当病院は地域の救急を積極的に受け入れており、比較的重症者が多いが、それでも基準を満たす患者の割合は16%」と話す。同基準を満たす患者を一定以上維持するのは簡単ではなさそうだ。
 「急性期看護補助体制加算」ほどの増収効果はないものの、医療クラークを手厚く配置した病院を評価する「医師事務作業補助体制加算」の増収効果も小さくない。同加算は、急性期病院(特定機能病院を除く)を対象としたもので、今改定で従来より手厚い配置に対する項目が新設され、それ以外の配置基準に対する報酬も引き上げられた。
 高槻病院では、20年ほど前から医療クラークを導入。改定前は「25対1補助体制加算」を算定していたが、今改定で「15対1補助体制加算」を算定。年間約3000万円ほどの増収が見込まれている。看護補助者や医療クラークを活用する病院の中には、看護師が早く帰れるようになったり、外来患者を待たせる時間が短縮されたりしたところもあるようだ。
 もちろん、これらの加算収入だけで看護補助者や医療クラークの人件費を賄えるわけではない。ただし、これから医療現場の役割分担は一層進み、こうした職種の重要性は増すはず。高槻病院事務部長の中村達也氏は、「今後も積極的に看護補助者や医療クラークを増やしたい」と話す。
 中小病院であっても、手術を積極的に手掛けていたり、手厚く人員を配置し2次救急を担うなど、急性期に特化できれば、今改定では増収につながる。
 佐賀県南部に位置する、織田病院(佐賀県鹿島市、111床、7対1、12.9日、93.3%)は、2次救急を含め、急性期に特化する中規模病院だ。患者数が増えていることもあるが、同病院では「手術料」の引き上げ、新設された「急性期看護補助体制加算」、「医師事務作業補助体制加算」や「救急医療管理加算」の増点などの影響で、4~8月の実績で入院は前年同期比7.5%増、外来は同5.1%増となった。「急性期に特化していたことがよかった」と理事長の織田正道氏は話す。
“自称”急性期病院は減収
 一方、平均在院日数が比較的長い急性期病院には、今改定はそれほど大きな恩恵をもたらしていない。
 15対1の「入院基本料」が引き下げられたほか、後期高齢者医療制度の13年を目処に廃止されることが決まり、「入院基本料」に検査や投薬などが包括化される患者の対象が拡大された。これまで包括化の対象は、癌治療中や人工呼吸器の使用中など手厚い医療が必要な患者を除く、一般病床に90日以上入院する75歳以上の患者が対象だった。今改定では、年齢制限が撤廃され、手厚い医療が必要な患者を除く、一般病棟に90日以上入院する全患者に適用されることになった。
 ASK梓診療報酬研究所の中林氏は、「患者が長期にわたり入院しているような“自称”急性期病院は、減収となる」と指摘する。こうした病院には、超急性期病院の後方病院などとして機能している中小病院が少なくない。
 とはいえ、このような病院が今から手厚い人員や設備をそろえ、超急性期を手掛けるのは難しい。そこで、在宅医療に力を入れて減収分を補おうという動きが中小病院の間で出始めている。その表れが、在宅療養支援病院(以下、支援病院)の急増だ。
 支援病院は、前回改定で新設され、在宅療養支援診療所と同額の、高い「往診料」や「在宅時医学総合管理料」「在宅ターミナルケア加算」などの報酬を算定できる。届け出には24時間体制の担当者や、24時間往診が可能な体制、緊急時に備えた入院用病床の確保などが必要だ。
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1007-599号 祝 ノーベル化学賞受賞 クローズアップ2010:鈴木、根岸氏にノーベル賞 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 以下の記事は7日の晩、自宅に戻ってから書き始めたのですが、送信し忘れていたため「本日」とは7日のことです。あらかじめご了解ください。

 本日は午後から日本臨床検査自動化学会に参加するため、神戸国際展示場に出かけてきました。本日のお目当ては検査機器をとにかく色々と見ること。様々なブースを回らせていただきましたが、以前、共に苦労をし、共に仕事をした仲間を見付けた時はとにかく嬉しかったですね。今も変わらず頑張っている姿を見て、思わず胸が熱くなりました。話す時間はあまり無かったのですが、再会を約束しました。


 さてホットニュースが飛び込んできました。今日は朝から晩までこの話で持ちきり。皆さんも既にご承知だと思いますが、鈴木章・北海道大名誉教授と根岸英一・米パデュー大特別教授のお二人が今年のノーベル化学賞に決定しました。日本人に
とって本当に喜ばしいことです。この話題については最後に記事をご紹介します。


 次の話題もホットですね。諦めかけていたのですが、「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中に「イトカワ」表面塵が含まれているかも・・・


はやぶさ:「微粒子」多数見つかる 地球外の可能性 毎日新聞 10/7
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101007k0000m040057000c.html
 小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中から、地球外の物質の可能性がある微粒子が多数見つかったと6日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。はやぶさが訪れた小惑星「イトカワ」の表面のちりなどが含まれている可能性があるという。
 これまで、カプセル内から見つかった微粒子の多くは材料のアルミ粉末や打ち上げ時のちりなどだと見られていた。JAXAは長さ6ミリ、幅3ミリのテフロン製ヘラを特注。イトカワの物質を集めるカプセル内の小部屋(サンプル・キャッチャー)の内壁を遠隔操作でこそぎ、電子顕微鏡で観察したところ、肉眼では見えない0.001ミリ以下の微粒子約100個を採取した。その一部は外観から地球上の物質と断定できないことが分かった。
 兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」などを使って12月以降、詳しい分析を始める。薄切りにして結晶構造を調べれば、イトカワの物質かどうか判断できるうえ、イトカワができた当時の温度など太陽系誕生史をうかがい知る新たな証拠になる可能性もあるという。
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 ここからはガラリと話題を変えます。

 改正臓器移植法施行以来、ドナー発生という報道が頻繁に行われています。臓器移植は医療関係者だけではなく、数多くの人々の協力なしには成立しないことは皆さんもご存じだと思いますが、特に家族の方々の心労たるや想像をはるかに超えるものです。もっと分かりやすく現実的な話をすれば、金銭的な負担はかなりのものがあります。その中に家族滞在費も挙げられますが、この部分だけでも負担を軽減することが出来ればかなり楽だと思います。

 心臓移植でも有名な「国立循環器病研究センター」の前に、私が在籍している時に「マクドナルドハウス」が建ちました。マクドナルドハウスにはボランティアも多数おられ、かなり充実してきたと伺っています。 
http://www.dmhcj.or.jp/


東大病院、家族の滞在施設設置へ 日本マクドナルドが出資 共同通信 10/7
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100701000330.html
 東京大病院(東京都文京区)は7日、子どもの入院に付き添う家族が宿泊できる施設を、大学キャンパス内に設置すると発表した。完成は来年秋の予定。
 日本マクドナルドが出資する公益財団法人が建設・運営し、最大12家族が宿泊可能。4階建てで、長期滞在ができるようキッチンや洗濯室を備える。募金などで費用を賄い、利用者の負担は1人1日千円で済むという。同法人による施設は8カ
所目になる。
 大規模病院には、遠方から入院する患者も多いが、家族は周辺のホテルなどを利用しなければならず、重い負担になっている。病気の子どもを持つ家族同士の交流ができ、精神的なケアにもつながるという。
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 今日は関連性の全く無い様な話題ばかりで申し訳ありません。今度の記事は、てんかんとケトン体との関連性が明らかになったというもの。どのような機序でそのようになるのかは、私にはチンプンカンプン・・・病態機序がさらに解明され、悩める患者さんにとって朗報となるように、今後の研究成果を期待します。


難治性てんかん:抑制の仕組み解明 新薬開発に光 岡山大 毎日新聞 10/7
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101007k0000m040117000c.html
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科のグループが、薬が効かない難治性てんかん患者の発作を抑えるメカニズムを世界で初めて解明し、7日付米科学誌「ニューロン」(電子版)で発表した。脂肪の分解で出る物質「ケトン体」が、てんかんの原因となる脳内の興奮伝達物質「グルタミン酸」の働きを抑える仕組みが判明。新薬の開発につながる可能性があるという。
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てんかんを抑える仕組み解明 飢餓で“スイッチオフ” 共同通信 10/7
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100601000573.html
 低栄養状態の体内でつくられる化合物が、脳内で神経伝達物質を運ぶタンパク質の“スイッチ”を切り(オフ)、てんかん発作を抑えることを岡山大や第一薬科大(福岡市)のチームが解明し、7日付米科学誌ニューロン電子版に発表した。
 この化合物はケトン体で、飢餓状態になると肝臓で脂肪が分解されてできる物質。岡山大の森山芳則教授によると、飢餓がてんかんに効くことは昔から知られているが、その理由は不明だった。「薬の効かない難治性てんかんの治療薬開発などにつながる」という。
 てんかん発作は、神経伝達物質のグルタミン酸が脳の神経細胞間で過剰に伝達され、異常な興奮状態になり起こるとされる。森山教授らは、輸送にかかわるタンパク質「小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)」を解析した。
 VGLUTは塩素イオンが結合して活発に働く。ところが、血中で増えたケトン体は塩素イオンに置き換わってVGLUTのスイッチをオフにし、グルタミン酸を輸送する働きを阻害。発作を抑えることが判明した。
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 さて各種報道で様々な特集が組まれていますので、既に皆さんもご存じの内容だと思います。マインドというかスピリッツが素晴らしいですね。私の拙いコメントは差し控えます。とにかく日本の化学者たちに乾杯!!!


【毎日新聞社特集 2010/10/07】
 クローズアップ2010:鈴木、根岸氏にノーベル賞(その1) お家芸、世界に反応

 
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20101007ddn003040011000c.html
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◇有機化学、層厚く
 医薬品や次世代照明と期待される有機EL(エレクトロルミネッセンス)など、私たちの生活を支える数々の製品を生み出す原動力となる化学反応を考案した鈴木章・北海道大名誉教授(80)と根岸英一・米パデュー大特別教授(75)の日本人2人を含む3氏に、10年のノーベル化学賞が贈られることになった。化学反応を促す仲介役(触媒)に金属を利用し、それまで不可能と思われていた有機化合物を自在に結びつけ、新たな性質を持つ物質を次々と生み出した。社会に大きく貢献した「縁の下の力持ち」ともいえる発見で、日本の有機化学の層の厚さを示した。【八田浩輔、河内敏康、永山悦子】
 世の中にある100あまりの元素を組み合わせ、有用な物質を作り出すためには、化学反応によって元素や化合物同士を結合させることが必要だ。ただし、炭素が骨格となっている有機化合物を結合させることは難しい。
 今回の受賞対象となった有機合成反応は、有機化合物を効率よくつなぎ合わせたり、分離させることを可能にする技術だ。3氏の受賞対象となったパラジウムなどを触媒に使った化学反応「クロスカップリング」は二つの有機化合物を自在にくっつける「のり」といえ、有機合成に新たな時代を築いた。
 この分野は、日本が世界を先導してきた「お家芸」といえる。70年代、多くの日本人研究者が、パラジウムやニッケルなどの金属を触媒に用いたカップリングの研究に傾注した。きっかけは、玉尾皓平(こうへい)・理化学研究所基幹研究所長(67)らが72年に発表したニッケルを触媒に使ったクロスカップリングだ。その後、望まない副生成物ができるのを抑えるなど、改良が重ねられ、日本人研究者の名前を冠した化学反応が次々と生まれた=表参照。今回受賞したリチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)の化学反応も、研究者の世界で「溝呂木(みぞろき)・ヘック反応」とも呼ばれる。「溝呂木」は故・溝呂木勉・東京工大元教官のことで、溝呂木さんがヘック名誉教授の1年前に発見した反応だった。
 玉尾さんの発見にヒントを与えた山本明夫・東京工大名誉教授(有機金属化学)は「当時の日本の研究室は、資金や機材などが潤沢ではなかったが、有機化学の研究者の層が大変厚かった。最初にやったという点では、玉尾さんが入ってもよかったのではないかと思うが、今日の3人の組み合わせは、応用に対する価値をより重視したように思う」と指摘する。小林修・東京大教授(有機合成化学)は「これらの発見は歴史が古く、世界中でいろいろな分野で使われている。その点が高く評価されたのだろう」と話す。
 玉尾さんは「日本人研究者お二人は、いろいろな金属が触媒として使えることや、幅広い条件で使える反応を作り出したことが評価されたのだろう。日本の若い研究者に勇気と元気と希望を与えた」とたたえた。
 3氏の受賞理由となったパラジウムを触媒に使う有機合成反応は、現代の産業利用の中心となっている。その礎を築いたのは、辻二郎・東京工大名誉教授(83)だ。辻さんは60年代、世界で最初に炭素同士の結合の触媒にパラジウムを使った。一方、パラジウムは希少な金属のため、最近は鉄を触媒に使うクロスカップリングの研究が進み、日本人研究者も熱心に取り組んでいる。小西玄一・東京工大准教授は「まだ鉄はパラジウムの域には達していないが、今後の発展に期待したい」と話す。
◇「ほっとした」--共同研究・宮浦教授
 鈴木章名誉教授と北海道大で共同研究を続けてきた宮浦憲夫特任教授(64)=有機プロセス工学専攻=は、同大工学部の研究室でノーベル賞受賞者を知らせるホームページを見守った。鈴木さんの受賞が決まると「周りの期待が高かっただけに、ほっとした」と満面の笑み。「長く一緒にやってきたので、自分のことのようにうれしい」と喝采(かっさい)を送った。【田中裕之】
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【毎日新聞社特集 2010/10/07】
 クローズアップ2010:鈴木、根岸氏にノーベル賞(その2止) 新物質、生活に直結

 
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20101007ddn002040014000c.html
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◇医薬品、液晶--開発下支え
 鈴木さんと根岸さんが新たに開発した化学反応(クロスカップリング)は、医薬品や農薬などの製造に幅広く活用されている。例えば医薬品では、強力な血圧降下剤「バルサルタン」や、農薬では「ボスカリド」の合成などに大規模に用いられている。近年は、巨大プラントでこの反応を使って大量生産されている。鈴木カップリングを使った医薬品だけでも、年間1兆円近くの売り上げがあるとみられる。
 医薬品では、病気の原因となるたんぱく質の働きを抑えたり、促進する化合物探しが新薬開発の鍵を握る。現在、多くの製薬会社は、研究の最初の段階で、この反応を使い、化合物の一部を取り換えるなどして、薬として有用かどうか評価する作業を繰り返している。今回の手法の開発を受け、90年代以降、機械的にさまざまなタイプの化合物を一括して作る技術が発達、飛躍的に大量の化合物を作り出すことが可能になり、新薬候補となる物質が広がった。また、この反応に使う試薬を販売する専門のベンチャー企業が出現し、産業分野にも変革をもたらした。
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1006-598号 花粉症:来春は花粉症つらくなりそう 気象会社が予測 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 一昨日は数時間、昨日はほとんど寝ずといった状態で、さすがに今朝は午前五時のアラームにも気付かず寝過ごしてしまいました。起きたら午前六時・・・寝ぼけていたので寝過ごした事態に気付いたのは一分ほど経ってからといった有様。幸い道路が空いていたので病院には午前八時くらいには到着しましたし、今日も遅くなるのでちょうど良かったかも・・・今朝は空気が澄んでおり湾岸線からの風景がとても綺麗だったので得した気分になりました。

 しかし病院に着いたら現実に引き戻されました。病院が嫌なのではなく、昨日から始まった日本医師会精度管理調査のせい。臨床検査部門の検体検査分野の経験のある方なら、この憂鬱な気分は実感でしょうね。来週の水曜日までこの憂鬱な気分は続きますし、恐らく来年二月に結果発表でしょうから、心のどこかにわだかまりを持ちながら数ヶ月間を過ごすこととなります。


 さて今朝の社説やコラムは政治色の濃いものや、金利のお話ばかりでしたので、主要新聞のうち読売新聞コラムをご紹介します。昨日もお話ししたところですが、この記者の方も最近の教育現場事情を同じように感じられているのですね。節度も
そうですが、見識、良識、常識等の欠如、希薄化でしょうね。軽薄な世相を良く反映しています。


10月6日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20101006-OYT1T00020.htm
 作者は中学校の教師をなさっているらしい。〈私語それは痛みだ 僕に向けられていない言葉が僕を突き刺す〉。千葉聡さんの歌集『そこにある光と傷と忘れもの』にある◆生徒の関心を少しでも引き寄せるために、どの先生も教室で知恵を絞っているのだろう。このところ、知恵を絞りそこねて脱線した先生のニュースが続く◆愛知県内の小学校で、算数の時間に「18人の子供を1日に3人ずつ殺したら…」という割り算を出題した先生にたまげたばかりだが、山梨県内の小学校には、道徳の時間に身代金要求の“脅迫文”を作らせた先生がいたという◆どちらの先生も、授業を面白くし、児童の興味を引きたかった、と話している。熱意が余っての脱線であったとしても、ウケてナンボの商売ではなし、節度のブレーキはあってよかろう
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 さてここから医療関連ニュースに移ります。

 軽薄な世相を反映してか、視聴率のためなら視聴者をも不安に陥れるような内容です。今さら「根拠が無いことが分かった」と述べていますが、番組を作る際、医療監修など専門家の意見を聞いているはずですよね?そういった下調べも無しに根拠も無しに番組を制作していたのであれば、非常に重大な問題だと私は思います。


TBS、番組発の乳がん検診中止「20代では根拠なし」 朝日新聞 10/6
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201010050498.html
 TBSは乳がんのため24歳で亡くなった女性を取材した番組「余命1カ月の花嫁」をきっかけに、20~30代の女性を対象に実施してきた乳がん検診を、10月いっぱいでやめることを決めた。中止の理由について、同社は「もともと番組、映画、舞台の公演をもって終わる予定だった」と説明している。今後も社として乳がんの早期発見を推進するピンクリボン運動は続けるが、20~30代の検診については「特に20代へのマンモグラフィー(乳房X線撮影)検診は根拠がないことがわかった」としている。
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 次は白血病ウィルスワクチン公費助成が決定したとの記事。こういった公費助成を是非とも政府が積極的に行い、不幸な顛末を招かないようにしてもらいたいものです。以前にもご紹介しましたが、成人T細胞白血病について9月に報道された記事を前振りとして掲載しておきます。


成人T細胞白血病:妊婦の血液検査検討へ 政府特命チーム 毎日新聞 9/9
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100909k0000m040068000c.html
 母乳や性交渉で感染する成人T細胞白血病(ATL)などの原因ウイルス「HTLV-1」について、菅直人首相は8日、官邸に特命チームを作り、感染拡大防止や治療方法の開発に乗り出す方針を示した。今後、全妊婦が早期発見につながる血液検査を受けられるよう支援体制などを検討する。
 現在の感染者は約108万人。感染するとATLや、下半身まひが進行し歩けなくなる「脊髄(せきずい)症(HAM)」を発症する恐れがある。治療法は確立されていないが、日本産科婦人科学会は「妊婦健診で検査を実施すれば、次世代の感染危険性を大幅に減らせる」と指摘。患者団体とともに、政府に全妊婦の健診時検査や公費負担などを要請してきた。
 しかし、これまでは感染者が九州・沖縄に多く、厚生省研究班(当時)は90年の報告書で「感染率の高い地域以外での対策は不要」と報告。同省は「風土病」とみなし、長年対応を自治体任せにしてきたが、最近は人口移動などで感染者は全国に広がった。現在では半数が九州・沖縄以外で暮らしている。
 こうした事態を踏まえ、政府は小川勝也首相補佐官をリーダーとする特命チームを設置。公費負担による妊婦健診での検査▽診療拠点の整備や相談窓口の設置▽治療法の開発につながる研究促進--などを協議する。
 患者団体と面会した菅首相は「患者を増やし、防ぎ得たかもしれない感染を広げた。政府として反省し、しっかり取り組みたい」と語った。【高橋咲子、斎藤広子、野口武則】
◇「私たちの声を生かして」
 「『国の病気』として認められたことは、一つの突破口」--。脊髄(せきずい)症(HAM)患者で、NPO法人「日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市)の菅付(すがつき)加代子代表は8日、菅直人首相との面会に目を赤くした。
 菅付さんは治療のための輸血で感染、30代で発症した。03年に患者会「アトムの会」を設立。その後、同じウイルスから発症する成人T細胞白血病(ATL)患者と出会った。次々と亡くなる患者を目にし、05年にウイルス全体の対策を求めるNPO法人を設立した。
 設立して間もなく、病気が風土病扱いされていることを知った。「九州だけで対策を講じても、病気はなくならない」。車椅子で上京し、全国一律の対策を求めて厚生労働省に足を運んだ。病状は進行している。寝たきりへの恐怖と戦いながら、全国から相談を受けている。「(特命チームには)私たちの声を生かしてほしい」と語った。
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白血病ウイルス:早期発見、妊婦検査を無料へ--厚労省通知 毎日新聞 10/6
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101006ddm012040007000c.html
 厚生労働省は5日、主に母乳から乳児に感染する成人T細胞白血病(ATL)や脊髄(せきずい)症(HAM)の拡大を防ぐため、原因ウイルス「HTLV-1」の早期発見につながる妊婦の検査を公費で行うよう全国の自治体に通知する方針を固めた。準備の整った市町村から、無料で検査を受けられるようになる。
 5日、官邸に設置された特命チームが会合を開き方針を決定した。抗体検査の費用は2000円程度で一部自治体を除き、自己負担になっている。
 ウイルスの感染者は当初、九州地方に多かったためにATLは風土病として扱われ、政府の対応が遅れた。現在、約108万人の感染者がいるが、その半分が九州地方以外に居住している。このため、B型肝炎ウイルスやHIV(エイズウイルス)などのように、全国一律の公費による検査が必要と指摘されていた。

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HTLV-1検査を妊婦健診に追加―政府特命チームが方針決定 CBニュース 10/5
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/30065.html
 成人T細胞白血病(ATL)などの原因となるウイルス「HTLV-1」対策を検討する政府の特命チームは10月5日、第2回会合を開き、HTLV-1抗体検査を妊婦健診の項目に追加することを決定した。検査は公費負担の対象とする。厚生労働省は関連通知を改正し、近く自治体に徹底する予定だ。
 厚労省によると、今年度中に実施する検査費用については、妊婦健診14回分を助成するための「妊婦健康診査臨時特例交付金」で設けられた都道府県の基金残額で対応する。交付金は今年度で終了するが、今年度補正予算案に延長のための経費が盛り込まれる見通しで、来年度以降の検査費用も確保したい考え。
 また、抗体検査の実施に伴い、妊婦やキャリアに対する相談・支援体制の充実が求められることから、自治体や医師会などに対して注意事項なども通知する。厚労省研究班が改訂を進めている母子感染予防保健指導マニュアルなどを活用し、周知を図る。
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 さて今日のニュースを見て憂鬱になられた方も多いことでしょうね。私は花粉症には幸い罹っていませんので、その辛さは分かりませんが、普段の生活自体に制限を受けるほどひどい方も多いようですね。うちの家内もかなりの花粉症ですので、このニュースを見たら、きっと憂鬱な気分になるでしょう。そういった意味を込めて、今日は「特集」にしてみたのでは決してありませんので念のため。あくまでも学術的見地から皆様に見聞を広めてもらおうと思った次第です、はい。


【共同通信社ニュース 2010/10/06】
 来春は花粉症つらくなりそう 気象会社が予測
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100601000355.html
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 気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は6日までに、来春のスギとヒノキ(北海道はシラカバ)の花粉飛散量予測を発表した。全国平均で今年の5倍、近畿だと10倍、関東は7~8倍とみている。シラカバ花粉は今年と同等か多くなる見込み。
 今夏の記録的猛暑と日照時間の長さから、雄花生産量が多くなるとみられるという。同社は「花粉症は無関係と思っていた人も来春は油断できなくなりそう。早めの対策を」と呼び掛けている。
 今春と比べた各地域の予測は以下の通り。
 北海道1~2倍▽東北北部5~6倍▽東北南部2~3倍▽関東、甲信、北陸、東海7~8倍▽近畿10倍▽山陰2~3倍▽山陽5~6倍▽四国6~7倍▽九州2倍。


花粉症 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E7%B2%89%E7%97%87
 花粉症(かふんしょう、hay fever / pollen allergy / pollen disease, 医pollinosis または pollenosis )とはI型アレルギー(いちがた-)に分類される疾患の一つ。植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な症候群のことである。枯草熱(こそうねつ)とも言われる。
 くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどはアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)の症状であり、花粉の飛散期に一致して症状がおこるため、季節性アレルギー性鼻炎(対:通年性アレルギー性鼻炎)に分類され、その代表的なものとなっている。目の痒みや流涙などはアレルギー性結膜炎の症状であり、鼻炎同様に季節性アレルギー性結膜炎に分類される。広義には花粉によるアレルギー症状全てを指すこともあるが、一般的には上記のように鼻および目症状を主訴とするものを指す。また、狭義には鼻症状のみを指し、目症状は結膜花粉症(または花粉性結膜炎)、皮膚症状は花粉症皮膚炎または花粉皮膚炎)、喘息の症状は花粉喘息、喉の不快感などの症状はアレルギー性咽喉頭炎などと別に呼ぶことがある。
 この記事では、hay fever = 枯草熱、pollinosis = 花粉症というように、古語・現代語、一般名・疾病名、の観点で呼び分けることもある。枯草熱も医薬品等の効能に表記されるれっきとした医学(医療)用語であるが、ここでは花粉症で統一する。なお、pollen allergy は花粉アレルギー、pollen disease は花粉病(花粉による疾患)の意である。

原因(医学的見地から)
 花粉症は、患者が空中に飛散している植物の花粉と接触した結果、後天的に免疫を獲得し、その後再び花粉に接触することで過剰な免疫反応、すなわちアレルギー反応を起こすものである。アレルギーの中でも、IgE(免疫グロブリンE)と肥満細胞(マスト細胞)によるメカニズムが大きく関与する、即時型のI型アレルギーの代表的なものである。
 同じI型アレルギーが主であるアトピー性皮膚炎では、IV型のアレルギー反応も部分的に関与するといわれる(症例によってはIII型も関与するといわれるが確証はない)。花粉症でも、皮膚症状が出る場合は、IV型(すなわち接触性皮膚炎。いわゆるかぶれである)が関与している場合もあるだろうと考えられている。
 ここでは、即時型のI型アレルギーのみを紹介している。また、一つの仮説としてTh細胞バランスを紹介する。

アレルギー反応のメカニズム

感作成立

 花粉症の患者は、症状が現れる以前にそのアレルギーの元(アレルゲン)になる花粉に接触している。目や鼻などの粘膜に花粉が付着すると、花粉内およびオービクルからアレルゲンとなるタンパク質が溶け出し、マクロファージ(貪食細胞)に取り込まれ、非自己(異物)であると認識される。この情報は胸腺由来のリンパ球であるヘルパーT細胞のうちのTh2を介し、骨髄由来のリンパ球であるB細胞に伝えられる。そして、B細胞はその花粉アレルゲンと特異的に反応する抗体を作り出す。
 抗体は本来、体内に侵入した病原細菌や毒素などの異物を排除・無害化するためのものであり、ヒトにはIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5つのタイプが存在するが、花粉症の患者で最も重要なのがIgEである。(こうした抗体が関与する免疫反応を液性免疫という。)このIgEは、血液や粘膜中に存在する肥満細胞や好塩基球に結合し、再び花粉アレルゲンが侵入してIgEに結合すると、様々な化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が遊離して症状を引き起こすことになる。(後述)
 なお、IgEが一定レベルまで肥満細胞に結合した時を感作が成立したと言い、発症の準備が整ったことになる。どの程度までIgEが蓄積されると発症するかなどは個人差が大きいと考えられている。また、IgEのレベル以外に発症を誘引する因子があるのかないのかなどについても詳しいことは分かっていない。いずれにしろ、ある年に突然に花粉症が発症したように思えても、それまで体内では発症のための準備が着々と進んでいたということである。このことを理解しやすくするため、一般にアレルギーコップという例えがよく用いられる。すなわち、体内のコップに長期間かけて一定レベルの発症原因がたまり、それがあふれると突然に発症するというものである。
 感作が一旦、成立すると、原則的に花粉症の自然治癒は困難である。病原菌などに対する免疫と同様、「花粉は異物である」との情報が記憶されるためである。

発症
 遊離したケミカルメデイエーターのうちもっとも重要なのは、ヒスタミンとロイコトリエンである。
 ヒスタミン:知覚神経(三叉神経)を刺激してかゆみを感じさせたりくしゃみ反射を起こす。また、分泌中枢を刺激することで腺からの鼻汁の分泌も増える。
 ロイコトリエン:血管を広げ、水分などが染み出ることにより粘膜が腫れ上がる。すなわち鼻詰まりがおこる。目(眼瞼および眼球結膜)などにおける反応も同様である。
 その他、PAF(血小板活性化因子)、トロンボキサンA2、プロスタグランジンD2などのケミカルメディエーター、各種のインターロイキンなどのサイトカインも症状に少なからず関係するといわれるが、花粉症(鼻アレルギー)の実際の症状においては、どれほどの影響があるのかなどくわしいことは明らかになっていない。
 こうした症状そのものは、体内に入ってきた異物を体外に出すための反応であり、また引き続いて体内に入ってこないようにする正常な防衛反応であると解釈できる。しかし、害のない異物と考えられる花粉アレルゲンに対して過剰に反応し、それによって患者が苦痛を感じる点が問題となる。

遅発相反応のメカニズム
 症状を起こした粘膜では、血管から浸潤した炎症細胞(特に好酸球)からのロイコトリエン等によってさらなる鼻粘膜の膨張が起こる。その他のケミカルメディエーターや酵素などにより組織障害も起きる。抗原曝露後6~10時間にみられる遅発相反応がこれで、アレルギー性炎症と呼ばれる。こうした炎症細胞を呼び寄せるのも肥満細胞などから放出されるケミカルメディエーター(上記のPAFなど)である。

慢性化反応のメカニズム
 症状が繰り返し起こることによって、粘膜過敏性は増加し、症状は慢性化する。不可逆的な粘膜の肥厚なども起こり得る。重症例では、花粉の飛散が減少または終了しても、病変はすぐには改善されない。

Th細胞のバランス
 一つの仮説として、免疫系を制御しているヘルパーT細胞のバランスが関与するという考えがある。抗体産生細胞であるB細胞に抗原の情報を伝達するヘルパーT細胞は、産生するサイトカインの種類により1型と2型(Th1とTh2)に大別される。これらのうち、インターロイキン4などを分泌してアレルギーに関わるIgEを産生するように誘導するのはTh2である。いっぽうのTh1は主に感染症における免疫反応に関わる。すなわちマクロファージやキラーT細胞などを活性化させ、細菌そのものやウイルスに感染した細胞を障害する(細胞性免疫という)。B細胞にIgGを産生させ、いわゆる正常の免疫を作ることにも関与する。
 これらのことから、アレルギー患者においてはTh2が優位に働いているということがいえるが、なぜTh2が優位になるのかについてはよく判っていない。幼少時における感染症が減ったためにアレルギーを起こしやすい体質になっているのではないかという説については、この仕組みが関与していると考えられている。成長期において細胞性免疫を獲得する機会が減っているため、おのずとTh1よりTh2が優位になる人が多く、アレルギー人口が増えたというものである。強く影響を与える感染症としては、過去に国民病ともいわれた結核が疑われている。鼻症状に限定すれば、やはり過去には多かった副鼻腔炎の減少の関与を考える場合もある。
 これらヘルパーT細胞のバランスは出生後数ヶ月のうちに決まるとも、3歳程度までのうちに決まるともいわれるが、のちに人為的に変化させることもできるという説もある。なお、ヒトは胎内にいるときや出生直後はもともとTh2優位の状態であり、また、Th1とTh2は相互に抑制しあう関係にあるという。
 衛生仮説ともいわれるこの説は現在もっとも有力な説となっている。しかし、近年の研究によれば、単にTh1/Th2バランスによってのみ説明できることばかりではないこともあり、調節性T細胞の関与を考える説も出されている。衛生仮説を説明したこのTh1/Th2パラダイムは1980年代後半に提唱されたものだが、広く免疫を考えるときに重要なものであることは現在でも変わりがない。
 衛生仮説の応用として、結核のワクチンであるBCG接種によって花粉症の治療をしようという試みや、結核菌と同じグラム陽性菌である乳酸菌の一種を摂取することが治療に役立たないかどうかの研究も行われている。菌のDNAの一部であるCpGモチーフを抗原ペプチドとともに投与して減感作療法の効率をあげる試みもなされている。
 関連として、環境中の細菌等が産生する微量の毒素が関係すると提唱する研究者もいるほか、最近では、医療における抗生物質の多用(によるヒトと共生している菌のバランスの崩れ)が関わっているのではないかという見方も出てきている。ピロリ菌感染との逆相関が認められることも報告された。


 その他、私が見易かったサイトをご紹介するとともに、厚生労働省HPに非常に分かりやすくリーフレットが用意されていました。一家に一冊良いかも!

花粉症ナビ(KYOWA KIRIN) http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/
 ・・・このページは一般向けで非常に分かりやすいです。

厚生労働省:花粉症特集
 
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun.html
 ・・・色々な情報が集約されていますが、少しお固いです。

的確な花粉症の治療のために
 
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/dl/ippan_zentai.pdf
 ・・・先ほどお勧めしたリーフレット。絵が満載で見ていて楽しくなります。他人事だからかも?


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0916-592号 免疫の不思議 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 今日は神戸大学医学部保健学科1回生の方々が見学実習に一日来られました。昨年、新しい試みとしてスタートしたこのイベントですが、もう一年経ってしまったのかと感慨深く思ったり、昨年来られた学生さんたちはどうしているのだろうと思ったりしておりました。しかし目がキラキラしていますね。こちらも非常に刺激を受けると同時に、この人たちに良い道を残せるようにと改めて気が引き締まる思いの一日でした。


 さて朝晩はすっかり秋めいてきたこの頃ですが、急に冷え込んできたので体調を崩される方も多いのではないでしょうか?ひと雨ごとにますます秋が深まってきますね。この季節、衣替えの時期でもありますが、まだまだ日中は暑いので、非常にタイミングが難しいですね。もう少ししたら中秋の名月。秋の夜長を楽しみたいものですが、10月は特に色々とやるべきことが多く、悩める秋になりそうです。今日は季節感漂う内容の天声人語をまずご紹介します。


天声人語 朝日新聞コラム 9/16 http://www.asahi.com/paper/column.html
 駅への途中にあるお宅の、道路にまでしだれている萩に、紫の花がつき始めた。きのうの朝は、その葉が雨滴をのせて光っていた。夜の雨は、猛暑でほてりにほてったものみなを、静かに冷ますように降った▼「けさの秋」という季語がある。もう夏のものとは思われない気配に、ふと気づく朝をいう。例年ならお盆過ぎだろうが、今年は遅かった。東京だと、それはきのうだったようだ。身を潜めていた秋が急に姿を見せたような空気になった
▼青春から朱夏をすぎて、秋は白秋。〈秋野(しゅうや)明らかにして秋風(しゅうふう)白し〉の一節が中国唐代の詩人、李賀にある。その秋風を、日本では「色なき風」と表した。夏の湿気が払われて、透き通って寂(さ)びていく景色。もともと風に色はないが、そこに「色なき」を見るセンスに頭が下がる
▼白雲愁色の季節でもある。〈明月帰らず碧海(へきかい)に沈み 白雲愁色蒼梧(そうご)に満つ〉は、遣唐使だった阿倍仲麻呂の「死」を李白が悼んだ一節だ。仲麻呂は帰国の船が難破して沈んだと思われたが、今のベトナムに漂着し、唐に戻って異土で没した

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 さて秋とは全く関係のない話ですが、もう一編コラムをご紹介します。

 私が週末ごとに楽しんでいる少年野球なのですが、うちのチームはやんちゃな子もいますが記事に書いてあるような「感情のコントロールが出来ない」『コミュニケーション能力不足」「規範意識の欠如」という子はいません。これは団体競技といったスポーツをしているせいなのか、元々の親御さんのしつけが行き届いているのか、それは分かりませんが、一番監督やコーチがうるさく言ってきたことに、「礼儀作法」というものがあります。勿論礼儀作法の中に挨拶も含まれる訳で、近頃はうちのチームは「野球だけではなくマナーも良い」と周りのチームからもっぱらの評価を受けています。人間関係の始まりは挨拶から始まるとも言われますので、このあたり、学校でもしっかりと指導すべきなのではないかとも感じます。しかしその前にもっと大切なことは、大人が「礼儀作法」をきちんと出来ていないことには話になりません。模範となるべき大人のマナーが問われているとも思います。 「子供は親の育てたようにしか育たない」です。


余録:増える小学生暴力 毎日新聞コラム 9/16 http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 「やんちゃ」とは小さな子がだだをこねて無理を言ったり、わがまま勝手な振る舞いをするさまだ。それをかわいいと見る意味合いもふくんでいる。で、近年はもっと年上の世代の「若気のいたり」といった意味で使われることも多い
▲青少年の反社会的な非行はどの国でもだいたい17~18歳がピークで、20歳代に入ると急に減るという。増え出すのはだいたい13歳ぐらいからというのが常識である。この時期の不行跡を「やんちゃ」などと、ちょっと大目に見てきたところもある今までの大人社会だ
▲だが驚くのは昨今の暴力行為の低年齢化である。文部科学省によると、昨年度の全国の小中高校生の暴力行為は過去最多の6万913件だったが、高校では減っている。急増したのは小中学校で、とくに小学校の加害児童数は06年度と比べ各学年とも約2倍になった
▲全体としてかつての荒れる学校のような集団による器物破損などは減っている。これに対し教師への乱暴など、個人による衝動的な暴力が増えているのが近年の傾向だ。つまりはキレる子供らが低年齢化しているのである
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 さてメインニュースに移ります。本日は「免疫」について非常に面白い記事が二篇ありましたのでご紹介します。

 常々このメールニュースでもお話していますように、これからの医療は「免疫」に今よりもさらにスポットが当たると私は思います。やはり人間が元来持つ自身の免疫力をいかに高めるか?ということが、どのような疾患、症状に対しても最重要課題になるといっても過言でないと思います。

 一篇目の「HOZOT」については私自身全くのノーマークでした。2006年の段階で、既に発見され研究が進められていたのですね。2006年に出された記事と、最新情報についてご紹介します。


【林原生物化学研究所】新たな制御性T細胞を発見‐抗癌・免疫抑制作用を併せ持つ 薬事日報 2006/12/18
 
http://www.yakuji.co.jp/entry1867.html
 林原生物化学研究所(社長林原健氏)は、抗癌作用と免疫抑制作用を併せ持つ新規の制御性T細胞を世界で初めて発見した。「HOZOT」(ホゾティ)と名付け、その用途などについて特許出願中だ。
 「HOZOT」は、ヒト臍帯血の細胞を培養する実験で、増殖因子を添加しなくても増殖するヒト血液細胞として見出されたもの。その生理活性について調べた結果、癌細胞などへの細胞障害活性を持ちながら、従来の制御性T細胞と同様の免疫抑制活性も併せ持っていることが分かった。
 細胞障害活性については、臍帯血細胞の増殖を助けるために支持細胞として用いたところ、マウスの間質細胞を殺しながら増殖する現象が見られている。そこで、各種の癌細胞への作用についてin vitroで調べられた結果、HOZOTと癌細胞の4対1の共存で、ヒトメラノーマ細胞で約33%、ヒト大腸癌細胞で約91%を死滅させるという非常に強い細胞障害活性が認められている。
 一方、「HOZOT」は、細胞表面抗原の解析から、「CD4+CD25+T細胞」として知られている制御性T細胞の一種と考えられている。そこで、免疫を過剰に活性化する働きを持つヘルパーT細胞に対して抑制作用を発揮するかについて、in vitroで調べた結果、ヘルパーT細胞の増殖を対照の約10分の1に抑制することが分かった。
 さらに、既知の制御性T細胞との違いを調べたところ、炎症を抑える生理活性物質として知られるIL‐10を産生する能力が非常に高いことも確認されている。
 抗癌治療への制御性T細胞の応用としては、モノクローナル抗体を投与して制御性T細胞の機能を弱め、自己免疫反応を高める方法などが検討されているところだが、「HOZOT」は、細胞障害活性も持ちながら、かつ免疫反応を抑える働きを持っていることから、各種の臨床応用が期待されている。林原生物化学研究所では、癌をはじめ、自己免疫疾患やアレルギー疾患、臓器移植後の拒絶反応の抑制など、各種疾患の治療応用に向けて、今後さらに研究を進めて行く予定だ。
 既に、新規の制御性T細胞とその用途などに関しては特許出願しており、研究成果は11月13日に大阪で開催された日本免疫学会で発表された。

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免疫細胞:がん死滅を確認 臍帯血から作成 毎日新聞 9/16
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100916k0000e040016000c.html
 ヒトのへその緒にある臍帯血(さいたいけつ)をもとに作成した免疫細胞が、がん細胞の中に入り込んで内部から細胞を死滅させたと林原生物化学研究所(岡山市)が15日発表した。こうした現象が確認されたのは世界で初めて。新たながん治療法の開発が期待されるという。
 この免疫細胞は2006年に同研究所が発見し「HOZOT(ホゾティ)」と名付けた。研究で、ヒトのがん細胞とHOZOTをまぜたところ、HOZOTががん細胞に近づき、侵入。その後、約2~4時間で徐々にHOZOTが死滅し始め、同時にがん細胞の生存率も低下した。死滅したHOZOTから細胞を死に至らせる物質が漏れ、がん細胞の構造を壊すのが原因とみられる。正常な細胞には侵入しなかっ
た。

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血液細胞侵入でがん死滅 岡山・林原生化研が世界初確認 山陽新聞 9/16
 
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2010091523524020/
 林原(岡山市北区下石井)グループの林原生物化学研究所(同)は15日、血液細胞が、がん細胞に侵入し死滅させる現象を世界で初めて確認した、と発表した。新たながん治療につながる可能性があり、22日から大阪市内で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。
 血液細胞は、同研究所が2006年に発見し「HOZOT(ホゾティ)」と名付けた免疫細胞のT細胞。ヒトの臍(さい)帯血の白血球から独自技術で培養する。
 同研究所基礎細胞研究部門の竹内誠人主任研究員によると、ホゾティは積極的にがん細胞に近づき、内部に侵入。ホゾティが死んでいく際、細胞にダメージを与える数種類のタンパク質を放出し、がん細胞を死滅させる。
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 さて本日最後のニュースは、非常に興味深いというか記事そのものでかなりの勉強が出来るというか、お得感のある記事内容です。非常に分かりやすく免疫機序や最新情報について網羅されています。とにかくじっくりとお読みください。


【読売新聞社  2010/09/16】
 京都大学 品川セミナー 免疫の不思議―なぜ免疫の病気は先進国で増えているのだろう―
 
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/shinagawa/si100916a.htm
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 再生医療というのは壊れた臓器を再生し、治療につなげることだが、免疫が自分の体を攻撃する病気では、何をターゲットにするかが重要になる。
 例えば、1型糖尿病はインスリンを作る膵臓(すいぞう)の細胞がリンパ球によって壊される。膵臓の細胞を再生しても、すぐそばからリンパ球が壊すわけだから、ターゲットにすべきは膵臓ではなくリンパ球だ。関節リウマチも同じで、変形した骨や軟骨をいくら再生しても根本的な治療にはならない。リンパ球とは、体内を網の目に走るリンパ管や血液中を流れる免疫細胞で、二つに大別できる。一つは心臓の上にある胸腺で作られるT細胞で、もう一つは骨髄で作られるB細胞だ。
 病原体から体を守ってくれるが、自分の体を壊す自己免疫病を起こしたり、毒物でも何でもない花粉に反応して炎症を起こす花粉アレルギーの原因になったりもする。人の腸には腸内細菌がたくさんいて通常は共存するが、免疫が細菌に反応して腸炎を起こし、毎日下痢になる病気もある。
 自己免疫病には、糖尿病や関節リウマチのほか、脳の神経が壊れる多発性硬化症や、甲状腺の組織が侵される甲状腺炎とバセドー病などいろんな病気がある。重要なのは、人口の約5%が何らかの自己免疫病にかかっているほど頻度が高いということだ。
 モナリザの指をよく見ると、関節リウマチの人のように関節が腫れている。ルノワールは関節リウマチがひどくなって指が変形し、亡くなる直前には筆が握れないため包帯で指に巻き付けて描いていた。こういう病気は決してまれではない。

自己免疫病のカギ握る「制御性T細胞」
 それでは、免疫はなぜ自分の体に反応せず、どういう状況で自分と反応して病気になるのだろうか。現在の免疫学には、三つの考え方がある。一つは自分に反応するリンパ球が出てきても、すぐに壊されて排除されるというもの。二つ目は、自分を認識するリンパ球はいるが、反応しないように不活化されるという説。三つ目は、誰の体にも自分に反応するリンパ球がいるが、悪いことをしないように別のリンパ球が抑えているという考え方だ。
 このうち、最近は三つ目の考え方が注目されている。ある時は自分に反応して悪いことをするかも知れないが、自分の体から生じた"自分もどき"のがんをやっつけるなら、そういうリンパ球もいた方がいいからだ。あまりに悪いことをするなら抑えるが、体にいい行いをすれば抑えるのを緩める、というバランスをうまく保っているという考え方だ。
 三つ目の説を証明するため、自分に反応して病気を起こすリンパ球を抑え込む「制御性T細胞」というリンパ球を取り除くと、自己免疫病が起きるはずだと考え、マウスを使った実験を始めた。すると、甲状腺炎や胃炎、1型糖尿病、炎症性腸疾患、関節リウマチといった病気が実際に起きることが分かった。逆に、制御性T細胞を補えば、いろんな自己免疫病を抑えられることも確かめられた。
 病気の原因を考える際には、この制御性T細胞と、自分の体を攻撃する「自己反応性T細胞」のバランスが重要だと明らかになった。健康な人も自己免疫病を起こすリンパ球を持っているが、うまくコントロールされている。しかし、遺伝的、環境的な影響でバランスが崩れると自己免疫病が起きる。逆に、バランスを是正すれば自己免疫病の治療や予防が可能になること分かり始めた。
 制御性T細胞の重要性を示す証拠になったのは、自己免疫病、アレルギー、炎症性腸疾患がすべて現れる「IPEX症候群」と呼ばれる希少疾患だ。「Foxp3」というたった一つの遺伝子異常で起きる。この遺伝子は制御性T細胞で特異的に働き、変異が制御性T細胞の機能異常を引き起こすことを発見した。マウスの普通のリンパ球にこの遺伝子を組み込むと、制御性T細胞に変えることができ、遺伝子治療への応用も可能になることが分かった。

先進国で増える自己免疫病
 先進国では、感染症が減少する一方で、自己免疫病やアレルギーの増加がみられる。フランス免疫学者による2002年の報告では、はしか、おたふく風邪、結核、A型肝炎といった感染症は減っているが、自己免疫病の1型糖尿病や多発性硬化症のほか、ぜんそく、アレルギーも増えていることが分かった。特にスウェーデンやノルウェーは傾向がはっきりしていた。日本でも、最近は花粉症になる子どもが多いが、私が子どもの頃は花粉症の同級生はいなかった。
 こうした逆相関は何を意味するのか。衛生的な先進国で免疫病が起きやすくなる現象は「衛生仮説」と言われる。理由はよく分かっていないが、筋肉を使わなければ細くなるのと同じで、制御性T細胞の力だって弱まってくるのだろう。
 ひと昔の子どもたちはしょっちゅう風邪をひいて青っ鼻を垂れ、小学校に上がる前までにほとんどの感染症にかかっていたが、こういう状況はある意味では重要なことかも知れない。今はちょっと風邪をひくとすぐに抗生物質を飲むが、これが本当にいいのかどうかはなかなか難しい問題。
 我々の体は、石器時代の環境に合うようにできているのではないか、とも思う。今や衛生的な環境になったが、体そのものは石器時代からそんなに変わったわけではないのだから。

がんと免疫
 次にがんについて触れる。自分の体から生じたがん細胞に反応するリンパ球の半数は、異常な細胞ではなく、正常な細胞を認識して攻撃する。つまり、がんに対する免疫反応は、自己免疫反応の一部だという考え方が成り立つ。制御性T細胞は、自己免疫病が起きないようにするが、同時にがんに対する免疫も抑えていることになる。
 実際に、マウスにがんを植え付ける実験で確かめたところ、正常なマウスではがんがどんどん大きくなって死んでしまったが、制御性T細胞を除いたマウスではがんが小さくなった。詳しく調べると、制御性T細胞は通常、リンパ節に約10%含まれているが、がんの中には多数存在していることが分かった。がんを攻撃するリンパ球以上に、抑えるリンパ球が集まるので、うまくがんを攻撃できないわけだ。
 制御性T細胞を壊す抗体を投与すると、攻撃するリンパ球が増えた。このように、自己免疫病の理解は、自分もどきのがんに対する治療につながる。がん細胞は自分もどきなので、正常な自分の組織も若干壊れるぐらい強い免疫反応がないと、免疫だけでがんを治すのは無理だろう。言わば「肉を切らせて骨を断つ」ということだ。

臓器移植と免疫
 臓器移植も免疫と深いかかわりがある。自分でない臓器を入れるため、免疫が排除しようとする拒絶反応が問題になるからだ。例えば、白いマウスに黒いマウスの皮膚を移植すると1か月以内にすべて拒絶される。ところが、白いマウスの制御性T細胞を投与すると、ほとんどのマウスに拒絶反応が起きなくなった。他者の臓器を排除しようとする免疫細胞の働きを抑えたわけだ。
 つまり、免疫抑制剤を使わなくても、制御性T細胞を増やせば臓器が拒絶されなくなる。実際に、人でも免疫抑制剤を使わずに臓器移植がうまくいった症例もある。
 今の医療では免疫抑制剤を使うのが標準だが、副作用がある。免疫をすべて抑えるために感染症が起きたり、長期間使っているとがんが生じたりすることもある。今後は、制御性T細胞を増やすことで、免疫抑制剤を使わなくても拒絶反応を起こさない移植が可能になると期待している。
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0909-587号 院内感染、多剤耐性菌 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 今朝、外に出てみると爽やかな秋の風が心地良いですね。空をみると鰯雲。めっきり秋らしくなってきました。仕事で仙台に行っている友人からは肌寒いとのメッセージ。秋が急速に近付いた感がある今朝の心地良さ。このまますんなり秋になり、出来る限り、長~い秋を満喫したいものですね。しかし予報では明日から厳しい暑さに・・・とのこと。厳し~(--;

 さて本日のニュースは昨晩出すはずだったはずのニュースとなります。申し訳ありません。あまりにもボリュームがあり過ぎて二つに分けて配信と思いきや、ちょっと雑多業務に追われて配信出来ませんでした。このところこういったパターンが増えてきておりますが、ご了解ください。


 以下は昨日のニュースを羅列していますので、目新しいものは無いかもしれませんが、ご勘弁を。今晩帰宅時には何とか最新情報に追い付くように努力します。

 しかし次から次へと出てきますね。氷山の一角という感じがします。政府の対応も昨年の新型インフルエンザ騒動では水際作戦などとのものもありましたが、これら多剤耐性菌に対する水際作戦など土台無理な話です。やはり情報を的確かつ迅速に国民に分かりやすい形で提供し、個人のスタンダードプリコーションレベルの底上げを図るしか手は無いのではないかと思います。


春秋 日本経済新聞コラム 9/8
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E6E0E7E6E6E2E2E2EAE2EBE0E2E3E29F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D
 対岸の火事ではない、と思っていたが火の粉はとっくに飛んできていた。ほとんどの抗生物質が効かない新型耐性菌の話である。欧米で騒ぎが広がるよりもずっと前の昨年春、じつは栃木県の独協医科大病院で感染者が出ていたという。
▼そのときは菌を特定できず、今になって調べてみたらNDM―1という酵素を持つ「新型」だったらしい。ずいぶん後手に回ったわけで、もはや国内でもこの細菌との闘いを覚悟するしかないのだろう。先週には別の耐性菌による院内感染も明らかになっている。これも病院の手抜かりが被害に輪をかけたようだ。
▼微生物のほうにも言い分があろう。人間界ではNDM―1だの多剤耐性アシネトバクターだのと大騒ぎするけれど、もとはといえば地球上のどこにでもいる細菌の数々。なのに人間たちが抗生物質を使いまくるから生き延びるために抵抗力がつき、いよいよ嫌われる存在にと相成った。こんな悪者に誰がした……。

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新型多剤耐性菌 情報共有の仕組みを構築せよ(9月8日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100907-OYT1T01159.htm
 ほとんどの抗生物質が効かない「多剤耐性菌」が、相次いで日本に入り込んできた。
 帝京大学病院で大規模な院内感染を引き起こしたのは、「アシネトバクター」という土中などにいる細菌が多剤耐性化したものだ。
 その衝撃が収まらぬうちに、今度は独協医科大学病院から、「NDM1」という抗生物質分解酵素を持つ多剤耐性大腸菌の感染患者がいた、と報告された。
 いずれも海外での感染拡大が警告されていたものの、国内にはまだ本格的には入り込んでいない、と見られていた。
 インフルエンザのように飛沫(ひまつ)感染で広がるものではないため、過度に恐れる必要はないだろう。だが、多くの人が世界を行き交う時代だけに、新型耐性菌への警戒を強めねばならない。
 NDM1を持つ大腸菌は、国内初の感染報告である。
 独協医大によると、患者はインドから帰国した男性で、入院していた昨年5月に高熱が続いた。
 その時点では原因が分からなかったが、今年8月に英国の医学専門誌でNDM1を持つ大腸菌の感染拡大が指摘されたため、保存してあった男性の大腸菌の遺伝子検査などを実施し、判明した。
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新耐性菌:「NDM1」感染疑い患者を検査 厚労省、通知へ 毎日新聞 9/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100907dde041040020000c.html
 ほとんどの抗生物質が効かない新しい耐性菌の遺伝子「NDM1」が独協医大病院(栃木県壬生町)の入院患者から検出された問題で、長妻昭厚生労働相は7日の閣議後会見で、医療機関が感染の疑いがある患者を確認した場合、検体を国立感染症研究所に送って詳しく検査することなどを求める通知を近く出すことを明らかにした。
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新耐性菌、グローバル化で侵入 抗菌薬くぐり抜け、続々・・・ 中日新聞 9/7
 
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20100907-1.html
 帝京大病院で9人の死亡が発覚したアシネトバクター菌の集団感染に続き、独協医大病院で国内初のNDM1遺伝子を持つ大腸菌が検出された。ほとんどの抗菌薬が効かない「スーパー耐性菌」はなぜ生まれるのか。
 「やはり日本まで来たか」と話すのは、耐性菌に詳しい国立国際医療研究センターの切替照雄部長。「耐性菌が広がるのは医療施設だが、そうした菌でさえ、グローバル化で国境を越えて世界中にあっという間に広がる。特に医療関係者は院内で注意が必要だ」と医療施設での監視の重要性を訴える。
 切替部長は「基本的には抗菌薬の使用が原因で耐性菌は生まれてしまう」と指摘する。大腸菌もアシネトバクターも、もともとはありふれた菌。通常は抗菌薬を使えば死ぬ。だが薬の効果から逃れるように変異したり薬の効かない細菌だけが生き残って耐性菌が出現すると考えられる。新たな抗菌薬が登場してもそれに対する耐性を獲得してしまうため、スーパー耐性菌出現は避けがたいことだった。
 NDM1は、抗菌薬の成分を分解する酵素を作る遺伝情報が「プラスミド」と呼ばれる環状の遺伝子にある。プラスミドは菌の間で比較的簡単に受け渡され、赤痢菌など大腸菌に近い病原菌が薬剤耐性を獲得する可能性も指摘されている。
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院内感染、貧弱な対策  読売新聞 9/7
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30417
「余計な仕事…」専従医も少数
 「院内感染対策の医師が病棟に出向くと、嫌がられることも多い。忙しい現場にとっては余計な仕事を増やしたくないし、なるべく大ごとにしたくない。治療が優先で、感染対策などは後回しになってしまう」。日本の一般的な医療現場の実情を、感染対策に詳しい桜井滋・岩手医大病院感染症対策室長はそう嘆く。
 日本では、院内感染への危機意識が薄く、万全な院内感染対策が取られている医療機関は少ない。
 米国の感染症科専門医は約7600人。これに対し、日本で学会などが認定する「インフェクションコントロールドクター(感染制御医師)」は数の上では約6100人いるものの、一定の経験があれば講習会に3回参加することなどで取得できる。米国で勤務経験のある国立成育医療研究センター感染症科の斎藤昭彦医長は「日本では、他の業務との兼任が多い。専門外の医師が仕事の合間にしていることもある」と話す。
 国は今年4月の診療報酬改定で、専従の医師か看護師がいることなどを条件に入院患者1人当たり1000円の感染防止対策加算を新設したばかりだ。
 対策の基本は手洗いの徹底だ。入院患者一人一人に接する前後に手をアルコールで消毒。菌は医療器具や洗面、トイレなどからも感染するため、水回りは紙タオルでふき乾燥状態を保つ。多剤耐性菌が見つかった場合は、患者の隔離や病棟閉鎖を行い、拡大を防ぐ。
 文部科学省の研究費を得て7人(医師、看護師5人、事務員)の専従スタッフの手厚い体制をとる順天堂大学病院(東京都文京区)。病棟ごとに耐性菌の出現頻度や衛生管理の状況を常に監視し、院内感染の危険度レベルを判定。一定レベルを超えると感染対策室が直接対策に乗り出す。
 院内感染が減れば、手術後の合併症も減り、患者も早期退院できる。同病院では5年前に比べ年間の手術件数が8000件から1万2000件に増えた。無駄な抗生物質の使用も減った。堀賢(さとし)准教授は「対策の徹底は、病院に大きな利益をもたらす」と強調する。
 情報の迅速な共有も重要だ。慈恵医大病院(東京都港区)では5年ほど前から、検査室で感染が確認された際は、主治医を経ずに直接、感染対策室に報告を上げるシステムを導入した。中沢靖・同病院感染対策室長は「忙しい主治医から報告を受けるより、早く確実に感染状況を把握することができる」と話す。
医療ツーリズムで侵入も…耐性菌グローバル化
 帝京大病院と独協医大病院で相次いで報告された2種類の多剤耐性菌は、ともに海外で感染拡大が懸念されていた。
 これまでも耐性チフス菌などが国内に侵入する事例は後を絶たず、専門家は国に対策強化を求めている。
 帝京大病院で確認された多剤耐性アシネトバクターは過去に福岡など3県で見つかっており、韓国とアラブ首長国連邦、米国から持ち込まれたことが確認されている。独協医大の患者から見つかった多剤耐性の酵素NDM1も、発生地域とされるインド亜大陸のほか、欧米などで報告例がある。順天堂大の堀准教授は「グローバル化で人の移動が増え、いったん耐性菌が出現すると瞬く間に世界に広がってしまう」と指摘する。
 菌の移動には、外国人の病気の検査や治療などを受け入れる「医療ツーリズム」も関与しているとされる。酵素NDM1が見つかった英国の患者の中には、費用の安いインドで美容外科手術を受けた人がいた。
 日本ではまだ医療ツーリズムは普及していないが、政府は新成長戦略の一環として医療ツーリズムの振興を検討し、外国人患者の招請に取り組み始めた病院もある。群馬大の池康嘉教授は「医療ツーリズムに紛れて国内で一気に広がる危険性がある」と警告する。
 では、国内の監視態勢はどうなのか。厚生労働省は全国の200床以上の病院のうち参加を希望した施設から、院内感染や薬剤耐性菌の発生状況の情報を2000年から収集している。だが、参加施設は現在約850施設にとどまり、その他の施
設からの情報は上がってこない。東北大の賀来満夫教授は「耐性菌対策は危機管理上の問題。国は情報を収集するシステムを速やかに構築するべきだ」と指摘する。(科学部 高田真之、木村達矢)
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院内感染:対策、過半数「専任者1人」 83特定機能病院で--毎日新聞集計 毎日新聞 9/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100908ddm041040121000c.html
 高度な医療を行う施設として国が承認した全国83の「特定機能病院」のうち44病院は、院内感染対策の専任者が1人しかいないことが、毎日新聞の集計で分かった。厚生労働省の08年調査によると、全病院では約7割に専任者がいない。院内感染が問題となった帝京大病院(東京都板橋区)の専任者は2人で、都は専任者の少なさを指摘したが、全国の多くの病院で院内感染対策の体制が十分とは言い難い状況にあることが明らかになった。【福永方人、佐々木洋】
 特定機能病院が厚労省に提出した業務報告書(09年10月時点)を集計すると、専任者数は群馬大病院と順天堂大付属順天堂医院の6人が最多で▽5人=5病院▽4人=4病院▽3人=5病院▽2人=21病院▽1人=44病院▽不明=2病院。厚労省は特定機能病院の要件として院内感染対策の専任者を1人以上置くことを義務づけているが、複数の専門家は「そもそも1人では少なすぎる」と指摘する。しかも「専任者」なのに、他の業務もこなす医師らも少なくないという。
 また、厚労省の医療施設調査(08年)によると、全国8794病院のうち、院内感染対策の専任者がいるのは2787病院(31・7%)にとどまる。900床以上の大規模病院でも4割に満たない。
 院内感染対策スタッフの仕事は▽対策マニュアルなどの作成や実施状況の監査▽院内感染発生状況の監視▽抗菌薬の使用状況のチェック▽院内の講習会での指導▽感染疑い事例があった場合に感染経路の特定作業や感染拡大防止策を進める--など多岐にわたる。

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帝京大病院の多剤耐性菌感染者、実は7人多い53人 朝日新聞 9/8
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009080141.html
 帝京大病院(東京都板橋区)は8日、大半の抗生剤が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターへの感染者が、これまで発表していた46人ではなく53人だったことを明らかにした。追加された7人のうち4人は死亡していたが、感染との因果関係はまだわかっていない。
 帝京大病院では、感染者の増加を受け、原則としてすべての救急車の受け入れと、すべての新規の入院患者の受け入れの自粛を同日から始めた。入院中の患者全員についても感染していないか細菌の有無を検査する。1週間をめどに結論を出したいという。
 カルテを再確認したところ感染者の集計漏れが見つかり、昨年1月にさかのぼって調べ直したところ、新たな感染者が合計7人見つかった。
 これまで因果関係が否定できない死者は9人だった。新たにわかった死亡者4人は62~81歳の男女。感染との因果関係は不明。
 今後、全入院患者の細菌検査をする。重症患者についてはすでに検査を実施しており、今後の検査対象は約800人。新たな検査によりさらに感染者が増える可能性がある。
 病院は、緊急に診なければならない場合には救急車や入院患者を受け入れるとしているものの、原則として救急車や新規入院患者の受け入れの自粛を始めたことにより、地域の医療への影響が懸念される。病院のベッド数は1154床にのぼる。
 同病院は救急医療に力を入れてきた。命にかかわるような最も重症な患者の治療を担うため「最後のとりで」ともいわれる3次救急の指定も受けている。重症の救急患者を診る救命救急センターに加え、中等度から軽症の患者も受け入れてきた。
救命救急センターでは年1200人の重症患者、中等度から軽症の患者は年のべ9千台の救急車による搬送を受け入れてきた。
 新病棟に移った昨年5月からは、軽症者を含めて救急患者を一元的に受け入れるER(救急室)を開設した。
 同病院では今年6月から8月にかけ、別の多剤耐性の細菌、緑膿菌(りょくのうきん)の感染者も4人出て、うち1人が死亡している。
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多剤耐性菌:板橋で死亡 患者は帝京大病院から転院 毎日新聞 9/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100908k0000e040039000c.html
 東京都は8日、東京都健康長寿医療センター(579床、板橋区)でも多剤耐性菌アシネトバクターによる院内感染の疑いがあることを発表した。都によると、同センターでは、入院患者3人から菌が検出され、うち1人は今年6月に死亡。死亡したのは76歳の男性で、帝京大病院から今年2月に転院した患者だった。都は病院間で感染が広がった可能性について「断定はできないが極めて高い」としている。
 亡くなった男性は2月23日に同センターへ転院。帝京大病院から特段の情報はなかったが、同日に検査をし、同26日に菌が検出されたという。3月以降には菌が検出されていないため、センター側は死亡との因果関係は否定している。
 2人目の感染が分かったのは男性の死亡後の7月26日で86歳の女性。3人目は8月9日に菌が検出された82歳の男性。この2人は、7月に8日間、病室のベッドが隣だった。
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多剤耐性菌「アシネトバクター」世田谷の有隣病院でも 読売新聞 9/8
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30508
8人感染2人死亡か…都が立ち入り
 東京都内の民間病院で複数の抗生物質が効かない細菌「多剤耐性アシネトバクター」による院内感染が発生している疑いが強まり、東京都は7日午後、医療法に基づく立ち入り検査を行った。
 都によると、今年2月以降、男女8人が感染し、うち4人が死亡した。このうち2人は感染との因果関係はないとみられるが、残り2人について都では「検体がないため断定できないものの、因果関係を否定する材料はない」としている。都への報告は今月6日になってからで、都では「院内感染が疑われたのに残念」としている。
発生は2月
 立ち入り検査を受けたのは、世田谷区の「有隣(ゆうりん)病院」(橋本康男院長、251床)。6日に世田谷保健所に「入院患者8人から多剤耐性アシネトバクターを検出し、うち4人が死亡した」と報告してきたという。8人は59~100歳で、都は、院内感染の恐れがあるとみて緊急立ち入りに踏み切った。その結果、5月に5人が相次いで感染したことや、同じ病棟に感染者が集中していることなどが判明、院内感染の可能性が高いと判断した。過去に感染者と非感染者が同じ病室にいたこともあったといい、都では今後、遺伝子検査などで詳しい分析を進める方針。
 カルテなどを調べたところ、死亡した4人のうち2人については、死亡時の状況や多剤耐性アシネトバクターの検出回数などから、因果関係が疑われるものの、検体は既に残っておらず検証は不可能だという。
 厚生労働省と都は昨年1月に病院内で多剤耐性アシネトバクターが出た場合は保健所に報告するよう求める通知を出しており、都では「通知を守らなかったことは残念」としている。
 一方、多剤耐性アシネトバクターが検出された8人のうち現在も入院している4人の中には回復に向かっている患者もいるという。
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新たに2病院で多剤耐性菌 11人感染、3人死亡か 共同通信 9/8
 
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090801000219.html
 東京都世田谷区の有隣病院で今年2月以降、患者8人が多剤耐性アシネトバクターに感染し、4人が死亡していたことが8日、東京都への取材で分かった。うち2人は死亡と感染との因果関係が否定できないという。
 板橋区の東京都健康長寿医療センターでも今年2月以降、患者3人から多剤耐性アシネトバクターを検出。多剤耐性緑膿菌の院内感染の疑いもあるという。
 このうち2月に帝京大病院から転院していた男性患者(76)が6月に肺炎で亡くなった。感染との因果関係は不明。
 都は医療法に基づき、7日に有隣病院に立ち入り検査した。8日にも東京都健康長寿医療センターに立ち入り検査する。
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0908-586号 健康ブーム?(ホメオパシーその後) [kensa-ML NEWS 【特集】]


 今日は今月最初の検査当直日。色々と仕事はひっきりなしにやってきますので、今宵も夜更かしをしなければいけないような状況です。

 ところで台風の影響は如何でしたか?まだまだ日本列島から離れているといった状況ではありませんが、大阪、神戸では大した被害は無かったと思います。しかし関東の方ではかなり大きな被害が出ているようですね。被害に遭われた方、お見舞い申し上げます。

 明日からは台風一過の秋晴れといきたいところですが、厳しい暑さがまだまだ待ち構えているようですね。

 昨日、都市対抗野球で東芝がエースの力投などにより優勝したとのスポーツニュースを見ましたが、記事に掲載されているような裏話があるとはつゆ知らず漠然と眺めていました。「いいよ。じゃあ、どうしたい?」・・・良いじゃないですか!選手たちの自主性を重視することは強いチームとしての基本ですから。

 一般論として、職場に置き換えてみるならば、トップがいくら良い職場にしようと張り切ってみたところで所詮多勢に無勢。トップだけが先走ってみたところで何にも出来ないことは明白。やはりスタッフの強い気持ちが組織としての基盤を強固なものにするんでしょう。ただ待ち受けの体質はなかなか抜けないもので、大きな障壁となります。

 私が当時の国立京都病院に赴任した時、臨床検査業務と地域医療連携室の併任を命じられ、はて?新設された部門でもあり、私自身地域医療連携で何をすれば良いものか?と思ったので室長に就任早々尋ねたことがあります。返答は、「それを考えるのがお前の仕事や!」・・・なるほど!目からうろこでした!道なき道を探索し、道を作る作業は辛い時もありますが、本当に楽しいものです。


ひと:都市対抗野球で優勝した川崎市・東芝の監督 毎日新聞 9/8
 
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/index.html?link_id=OE004
 3階席まで埋まった大応援団の歓声を浴びて「使命を果たせた」と思った。厳しい経済状況で名門チームが次々と姿を消す中で、野球に専念できる環境を、会社は認めてくれている。「応えるには黒獅子旗しかない」。重圧がようやく解けた。
 就任1年目の07年も、スタンドと歓喜をともにした。しかし、ベテラン選手と補強選手の活躍で勝ち取った前回とは達成感が違う。前回の優勝を知らない、若い選手が中心となって躍動した。
 08年、神奈川地区2次予選での敗退が、新たなスタートだった。チーム作りの基本は「会社に貢献できる人材作り」。野球から離れて営業に5年間携わり、会社員は、自分で考えて仕事を見つけ、提案し、責任をもって成し遂げることが必要だと痛感した。
 だが、野球をやる、というより、やらされている選手もいる。指示待ち族では将来、困る、と大胆な策に出た。
 予選敗退後、休みも告げず、練習漬けを押しつけた。待つこと半年、選手の声がついに監督のもとに届いた。
 「練習スケジュールを教えてください」。「いいよ。じゃあ、どうしたい?」。口に出せば、責任が生じる。受け身ではなく、能動的に野球に取り組む意識がこのときから浸透し、チームが見違えるように変わった。

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 さて今日はタイトルにも書きましたようにホメオパシー関連のニュース顛末?を特集?寄せ集め?としてご紹介します。メイン記事に行く前に関連するかどうかは分かりませんが、健康に関連する記事をご紹介します。

 まずは私の大好きな農園の話題から。

 私自身、農業が大好きで、神戸在住時に農園を借りて様々な実験したこと、またおじいちゃんやおばあちゃん相手に農業を教えたりしていたことについては既にお話したことです。最近、特に都会から少し離れた場所に市民農園や観光農園、さらに分譲農園なるものまで出てきているご時世ですが、やればやるほど奥の深いものが農業です。何せ自然が相手ですから腹を立てても仕方ありません。精神衛生上の効果も絶大です。ただ以下の記事に書かれている内容はいただけませんねぇ・・・やっぱり農業は土や肥料づくりから、苗は自分の目で選別することが楽しみ。以下のような内容でしたら私の楽しみの半分以上は取り上げられた格好になります。


市民農園で新鮮野菜 農家の指導で初心者も安心 読売新聞 9/7
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30427
 小さな畑を借りて野菜づくりを楽しめる市民農園が人気だ。野菜づくりは自然と触れあえるし、健康づくりにもなる。自分で育てた野菜の味は格別だ。市民農園とはどんなものなのか、神奈川県相模原市の農園を訪ねてみた。(経済部 武田泰介)
苗と肥料、園が用意
 8月下旬、相模原市の「淵野辺地区ふれあい農園」で、野菜栽培の講習会があった。秋野菜の植え付け前に行う恒例のイベントだ。
 「ナスやトマトに付く害虫は農薬が効かないから、見つけたら手でつぶすのですよ」
 園を運営する農家の高橋三行(みつゆき)さん(61)が、畑で実演しながら説明する。麦わら帽子に長靴姿の農園利用者ら数十人が、メモを取りながら熱心に聞き入っていた。
 周囲を住宅に囲まれたこの農園は、30平方メートルのミニ畑が全部で167区画ある。利用者はトマトやニンジン、キュウリなど、年間で十数種類の野菜を育てる。
 苗や肥料などはすべて園が用意し、年間利用料は苗代なども含めて3万1000円。契約更新は1年ごとだが、継続する人が大半だ。
 「普段はマンション暮らし。週に1度、こうして土いじりできるのが何より楽しい」。農園を利用し始めて5年目の時任哲夫さん(55)はそう言って汗をぬぐう。小学生の息子と通う山田涼子さん(33)は「トマトが食べきれないくらい取れた。近所や友達に配って喜ばれています」と笑顔だ。
定年後の生きがい
 同園の一番の特徴は、プロの農家がきめ細かく指導してくれること。連作障害が起きないよう、共通の作付け計画表によって全員が同じ野菜をつくるため、入ったばかりの新人でもベテランに教わりながら、収穫の喜びを味わえる。
 高橋さんは「農家のことを一般の人たちに理解してもらえるなど、農家にとってもメリットが大きい」と話す。利用者同士のコミュニティーができ、特に定年後世代にとっては生きがいにもなっているという。
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 さて今年の酷暑のせいで、各種ミネラルの入った飲料水やスパークリング飲料など飛ぶように売れています。またそういった飲料水以外にも「塩分」補給は欠かせないもので、野球小僧や監督、コーチ陣はみんな塩をなめながら試合に臨んでいます。記事のように塩あめなんてなめさせている時間は全く無いもので、「塩で十分じゃ塩で!」と思いながら記事を見ておりました。私は汗をかく季節には指が攣ったり、こむら返りを起こしたりと低ナトリウム血症特有の症状が出てきます。高血圧なんて気にしていられませ~ん。塩に醤油、今年の夏は使い放題の摂り放題じゃ!


汗かいたら塩あめなめて 各務原・那加第一小が独自対策 岐阜新聞 9/7
 
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20100907/201009070925_11608.shtml
 9月に入ってからも厳しい残暑が続く中、熱中症から児童を守ろうと、各務原市那加手力町の那加第一小学校(児童数767人)は独自対策として、新学期が始まってから児童に1日1個ずつ塩あめを配布している。体育の授業や昼休みなど汗をかいた後に食べさせており、塩分補給をしながら残暑を乗り切りたい構えだ。
 同校は今月18日の運動会を控え、1日からグラウンドでの練習がスタート。各教室では2台の扇風機がフル稼働しているが、室内も屋外同様、うだるような暑さという。
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 さて本日のメインニュース、ホメオパシー。医療業界内のみならず社会的にも大きな波紋を呼んでいますね。以前から申し上げているように、医学的な見地からいえば、医学的な客観的根拠を持たないものは現代医学ではありません。信じる人は救われる、ではないですが、精神的効果いわば宗教的要素の強いものとして一般の多くの方々は受け止めているのかもしれませんね。未解明な部分もあり、医学の進歩により将来的に医学的効果が証明されるかも?しれませんが、現時点では医学的根拠が薄くいわゆる「医療」とは呼べないのが実際のところでしょうね。


ホメオパシー効能広告の疑い 販売会社に都が立ち入り 朝日新聞 9/8
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009070526.html
 民間療法・ホメオパシーで使われている砂糖玉のレメディーをめぐり、東京都が、同療法普及団体「日本ホメオパシー医学協会」関連の販売会社「ホメオパシージャパン」(本社、東京都世田谷区)に、薬事法に基づく立ち入り検査をしたことがわかった。同社の商品広告に、特定の病気に対する効き目をうたったとみられる表記がみつかり、都が改善を求めた。
 薬事法は、同法で承認されていないのに、病気に効く医薬品であるかのように広告することを禁止している。都などによると、ホメ社の広告方法などについての情報提供が厚生労働省に寄せられ、都が8月に立ち入り検査を行った。
 立ち入り検査にはホメ社側も同意した。都薬事監視課は、レメディーのパンフレットなどの商品広告について調査。その結果、病気に効くように受け止められかねない表現が一部に見つかったといい、改善を求める行政指導をしているという。
 都は、2003年ごろにも、ホメ社に同様の検査をし、広告方法について改善を指導したという。
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ホメオパシーHP相談、医師法抵触か レメディーを助言 朝日新聞 9/8
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009070525.html
 日本ホメオパシー医学協会関連の療法家育成組織「ザ・ジャパン・ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー」のホームページ上での健康相談が、医師法に触れる疑いがあると指摘する声が、専門家から上がっている。
 今年7月、女性からの相談が、ホームページの「体験談紹介」に掲載された。10歳の子どもが腎臓病で免疫抑制剤を服用してきて、今は病院の薬は飲ませていないという。
 「毒だしのレメディをとると、すごい好転反応が出てしまいます。顔、特に目がはれてパンパン、足もむくみ、蛋白尿(たんぱくにょう)がでて、見ているのが辛(つら)くて断念してしまいます」という内容。「むくみや蛋白尿が出たときのレメディを教えてください。このままレメディで腎臓をケアしていきたい」と求めていた。
 これに対し、アカデミー側の「先生」と名乗る人物が、「むくみや蛋白尿に対するレメディー」として3種類をあげ、担当のホメオパシー療法者「ホメオパス」に相談するよう促す返答を掲載した。
 インターネット上でこのやりとりをみた千葉県四街道市の高畑紀一さん(39)は、子どもの保護を求めて警察に通報した。子どもの病気予防の活動をしている。「病名も治療経過も明らかでないのに、何でアドバイスが出来るのか。『先生』は医師ではなさそうだし、通常の医師なら主治医のところに行くよう促すのではないか」と考えたからだ。

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ホメオパシー療法:分娩施設の1割実施 ビタミンK与えず--助産師会 毎日新聞 9/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100908ddm012040027000c.html
 山口県で昨年10月、助産師から頭蓋(ずがい)内出血を予防するビタミンK2の代わりにホメオパシー療法の特殊な錠剤を投与された乳児がビタミンK欠乏性出血症で死亡した問題で、日本助産師会(加藤尚美会長)は7日、分娩(ぶんべん)
を扱う会員の全開業助産所414カ所のうち、約9%の36カ所で過去2年以内に同様の行為があったことを明らかにした。乳児に被害が出た例は山口県のケース以外にはなかったという。

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ホメオパシー:特殊な錠剤投与…分娩施設の9%が実施 毎日新聞 9/8
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100908k0000m040101000c.html
 山口県で昨年10月、助産師から頭蓋(ずがい)内出血を予防するビタミンK2の代わりにホメオパシー療法の特殊な錠剤を投与された乳児がビタミンK欠乏性出血症で死亡した問題で、日本助産師会(加藤尚美会長)は7日、分娩(ぶんべん)を扱う会員の全開業助産所414カ所のうち、約9%の36カ所で過去2年以内に同様の行為があったことを明らかにした。乳児に被害が出た例は山口県のケース以外にはなかったという。
 ホメオパシー療法では一般に、通常の薬の代わりに有効成分を含まない「レメディー」と呼ばれる錠剤を服用させる。同会によると、新生児にビタミンK2を与えなかった助産院は「ビタミンK2とレメディーの両方を説明し、妊婦が選択した」「薬剤を拒否する妊婦にどうしてもと頼まれた」などと説明したという。36カ所の中には同会の理事が開業する助産所も含まれていたが、理事が「今後は一切ホメオパシーを使用しない」と話したため、処分などは検討していないという。

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0907-585号 新耐性菌(NDM1)国内初検出 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 まだまだ暑い日中ですが、朝晩はようやく秋らしくなってきました。今日は二十四節季の一つ「白露(はくろ)」です。白露とは、大気が冷えてきて露が出来始める頃のことを指すらしいのですが、露なんてほど遠い気温ですね・・・冷房によりガラス窓の外が曇ることを指すようになったりして・・・これは結露でしたね・・・こりゃまた失礼(--;

 あまりにも太平洋高気圧の勢力が強すぎて台風も寄り付かなかった日本列島ですが、九州北部に台風9号が接近しています。あす以降、日本列島に上陸する可能性も高くなってきましたので、進路にあたる地域の方々はくれぐれもお気を付け下さい。また台風に南からの湿った空気が入り込みますので、急な突風、豪雨も発生する可能性があります。酷暑と相まって積乱雲などの発生も予想されます。くれぐれもお気を付け下さい。

 さて今日は昨日に引き続き、【特集】として国際的にも大きな問題となっている感染症に関する記事を集約してみました。既に皆さんもご存じの内容かとは思いますが、ご了承ください。その前に今朝の社説ご紹介します。


 経済連携協定(EPA)に基づく問題は、ようやく妥協点が見えてきたような感がありますが、私自身以前から申し上げているようにもの凄く違和感を感じます。確かに医療従事者不足で国内調達が困難な折、諸外国より頼らざるを得ない状況は良く理解出来ます・・・が!、そのことにより本邦の医療の質低下をもたらしては元も子もないのではないでしょうか?何度も申し上げてきたように、日本人が例えばアメリカで何らかの免許を得ようとした時、日本語訳なんてあるんですか?日本人従事者なんてアメリカでは必要ないや!ってなことで日本語訳がされないわけではないでしょう?

 医療ツーリズムにせよ、今回の外国人看護師受け入れにせよ、「味噌も糞も一緒」と思われている方は多いのではないでしょうか?日本としてのスタンスをしっかりと保持できなければ、ますます日本の医療土壌は荒廃するだろうと危惧します。かといって私自身は帝国主義、鎖国政策推進ではありませんので誤解なき様に。ただ単に本邦の優れた医療レベルを保持したいと願うだけです。

 あと付け加えるならば、日本語を学ぶということは日本の文化に触れるということに繋がると私は思っています。基本的な考えとして外国人が日本で看護業務に就くことを念頭に置いているのではなかったのですか?ならば日本の文化にも生活にも対応していかなければならない筈ですが、現実問題、日本語を知らないで定着(生活)できるのでしょうか?一時的な出稼ぎ労働者としか見ていないのでしょうか?国家試験だけじゃないと思います。あまりにも軽々薄々な視点だなあ・・・と私は感じる次第であります。一方、外国人受験者の方々は何人が日本に定着して看護業務を行うと覚悟されているのでしょうね?その覚悟もないのに魂の入った看護業務なんて出来るのでしょうかね?(日本の高度な医療技術を取得し、自国に持ち帰り自国で普及させるというのであれば大歓迎ですが・・・)


外国人看護師 試験の見直しはまだ不十分だ(9月7日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100906-OYT1T01199.htm
 国と国の約束で受け入れを決めた以上、漢字を読めないことが障壁となっている現状は、政府の責任で改めなければならない。引き続き改善策を探るべきだ。
 厚生労働省の検討会が、外国人の受験者でも試験問題を理解できるようにと、看護師の国家試験を見直す指針をまとめた。
 見直しのきっかけは、経済連携協定(EPA)に基づいてインドネシアとフィリピンから受け入れた看護師希望者の試験合格率が、極端に低かったことだ。1年目は1人も合格せず、2年目の合格率もわずか1%だった。
 このため、「漢字の読解能力で不合格というのはおかしい」という批判が高まり、厚労省が3月から見直しを進めていた。
 新たな指針では、病名には英語を併記し、カルシウムは「Ca」などと、国際的に認定されている略語を記載する。EPAで来日した人たちは、母国で看護師の資格を持っている人たちだ。英語や略語の併記は助けとなるだろう。
 指針は難解な漢字にルビを振ることも容認したが、床ずれの意味の「褥瘡(じょくそう)」や、あおむけの「仰(ぎょう)臥(が)位(い)」など、医療・看護の専門用語は対象外とした。平易な表現への言い換えも見送った。
 日本看護協会が、重大な医療事故を防ぐには、日本人スタッフとの意思疎通のために専門用語の漢字読解能力が不可欠と主張し、検討会もこれに沿った形だ。
 医療上の安全を確保するのは当然だが、日本人でも読めないような漢字にルビを振ることも、許されないのだろうか。
 新指針は、来年2月の試験から適用される。問題は、これに不合格なら帰国を余儀なくされる人たちが100人近くいることだ。

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 さて本日の特集記事にまいります。

 既に多くの報道機関から多くの情報が提供されていますので、皆さんもお持ちだとは思います。釈迦に説法となる方も多数だとは思いますが、薬剤耐性について少し触れさせていただき、そのあと関連ニュースのご紹介に移ります。関連記事が多数ありますので、私の拙いコメントは必要ないかと思い省きます。


薬剤耐性(特に耐性を獲得するに至る機序の部分について引用します)
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%89%A4%E8%80%90%E6%80%A7
薬剤耐性のメカニズム
 薬剤耐性の病原体が、どのような生化学的メカニズムで、化学療法剤による排除から逃れるかについて、以下のように大別できる。
薬剤の分解や修飾機構の獲得
 化学療法剤として用いられる薬剤を分解したり化学的に修飾する酵素を作り出し、それによって薬剤を不活性化することでその作用から逃れる。細菌やがん細胞の薬剤耐性機構として見られ、特に細菌による耐性獲得ではもっとも普遍的に見られる方法である。例えば、一般的なペニシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSAを除くもの)など、ペニシリナーゼやβラクタマーゼを産生してペニシリンを分解することで薬剤耐性を示す。
薬剤作用点の変異
 化学療法剤の標的になる病原体側の分子を変異させ、その薬剤が効かないものにすることで薬剤の作用から逃れる。微生物やがん細胞などに全般に見られる方法であり、ウイルスの薬剤耐性はほとんどこの機構によるものである。他に代表的なものとしてMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)がある。
薬剤の細胞外への排出
 薬剤をエネルギー依存的に細胞外に排出することで、細胞内の薬物濃度を下げる。細菌やがん細胞など、細胞からなる病原体の耐性機構に見られる。代表的なものとして、グラム陰性細菌のRND型多剤排出ポンプ(例えば、大腸菌のAcrAB-TolC)やがん細胞の多剤排出ABCトランスポーター(ATP依存輸送タンパク質、P糖タンパク質)があげられる。また緑膿菌の自然耐性の高さもMexAB-OprMやMexXY-OprMのようなRND型多剤排出ポンプによって説明できる。
その他の機構
 上記に当てはまらない例としては、葉酸の合成酵素を阻害して抗菌性を示すサルファ剤に対して、葉酸前駆体を過剰産生することで耐性になる例などが知られている。結核菌に代表される抗酸菌はミコール酸と呼ばれる特有の脂質に富んだ細胞壁を持つため消毒薬や乾燥に対して高い抵抗性を有す。

薬剤耐性の獲得
 薬剤耐性は、もともとある薬剤に対して感受性であった微生物が、何らかの方法によって、その薬剤に対して上述のメカニズムを獲得することで得られる性状であり、いちど獲得された耐性は、遺伝によってその子孫にも伝えられる遺伝的形質である。この形質は薬剤耐性遺伝子によって担われている。薬剤耐性遺伝子は、その薬剤による作用から逃れるための機能を備えたタンパク質の情報をコードしており、感受性の病原体がこの遺伝子を何らかの方法で獲得することで、薬剤耐性は獲得される。
 新しい化学療法剤が開発され、医薬品として使用されるようになると、間もなくその薬剤に対する耐性を獲得した病原体が現れる。通常は、一年以内には既に耐性微生物が検出されるようになることが多い。特に同じ種類の薬剤を大量、あるいは長期間にわたって使用すると、環境や患者から分離検出される頻度が高くなる。特に、抗生物質の開発以降は、抗生物質が無効なウイルスや耐性菌などによる疾患に対しても安易な投薬が行われた結果、薬剤耐性菌の蔓延をまねいたと言われている。ただし、耐性遺伝子の獲得自体は常にほぼ一定の確率で起こっている現象であり、その薬剤が存在するかしないかには依存しない。薬剤の存在下で耐性微生物が高頻度で出現するのは、薬剤感受性の微生物と比べて薬剤耐性のものは有利に増殖できるため、薬剤が一種の選択圧として作用した結果、耐性の微生物だけが繁栄するためであると考えられている。この現象は菌交代現象と呼ばれる。
耐性獲得の遺伝的メカニズム
 耐性の獲得には、その病原体が新たに独自の耐性機構を作り出す場合と、他の薬剤耐性病原体が持つ機構が何らかのかたちで伝達され、それを新たに取り込む場合とがある。
新規の耐性獲得
 ある薬剤に感受性の微生物が増殖していく過程で、薬剤耐性の微生物が新たに生まれることがある。細菌やウイルス、がん細胞などすべての病原体で起こりうる現象であり、これらの染色体上の遺伝子が突然変異することで起きる。
耐性の伝達
 微生物によっては、外来の遺伝子を取り込んだり、同種の微生物同士で遺伝子をやり取りする仕組みを持っており、この仕組みを介して、ある微生物が獲得した耐性が、別の微生物に伝達されて新たな耐性微生物が生じる場合がある。このような仕組みは特に細菌でよく研究されている。また細菌以外にも、インフルエンザウイルスのように、分節した遺伝子を持つウイルスなども、比較的高頻度にウイルス同士で遺伝情報のやりとりが行われることが知られている。

細菌の耐性遺伝子の獲得
 細菌においては、ある細菌が獲得した薬剤耐性が同種または異種の細菌に伝達されることが頻繁に見られる。耐性を獲得した非病原性細菌から、病原性細菌への伝達が起きると、化学療法による治療が困難になるため医学上の大きな問題になる。
 細菌には外来性の遺伝子を取り込む仕組みが存在し、これによって同種または異種の細菌同士で遺伝子の一部のやりとりが行われている。細菌の毒素などの病原因子をコードした遺伝子がやりとりされるほか、薬剤耐性遺伝子もこの機構によって伝達されることが知られており、その細菌の突然変異によって耐性を獲得する以外に、このような外来性の耐性遺伝子を取り込むことで耐性を獲得する場合が多い。
 取り込まれた耐性遺伝子は、細菌の遺伝子(染色体)そのものに組み込まれる場合と、プラスミドとして染色体とは別に細菌の細胞質に存在する場合があるが、大部分はプラスミドに存在することが多い。このようなプラスミドを耐性プラスミドまたはRプラスミド(Rはresistantの頭文字から)と呼ぶ。耐性プラスミドを持つ細菌には、性線毛とよばれる細胞表面の繊維状器官によって他の細菌にプラスミドを伝達する、接合伝達を行うものがあり、グラム陰性菌やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などがこれに分類される。一方、接合伝達を行わない細菌でも、形質転換や、ファージによる形質導入によって耐性遺伝子の伝達が起こりうる。


新耐性菌の広がり調査へ-厚労省、NDM1の初の検出受け 富山新聞 9/7
 
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/newspack/09shuyo2010090701000020.html
 「NDM1」という酵素をつくる遺伝子を持ち、多くの抗生物質に耐性がある新たな菌について、厚生労働省は7日までに、国内での広がり具合を調査する方針を固めた。独協医大病院での初の検出を受けたもので、感染症の専門家と時期や調査方法を詰め、早急に実施したいとしている。
 疑いのある患者の検体を国立感染症研究所で高精度に解析。第2、第3の確認例が出た場合、独協医大での検出例との関連なども明らかにしていく考えだ。
 関係者によると、医療機関では、感染症の患者から採取したたんなどの検体で抗生物質が効くかどうか試験をしている。この試験で複数の抗生物質に耐性を示す大腸菌や肺炎桿菌などが見つかった場合、同研究所に送ってもらい、NDM1をつくる遺伝子を持つかどうかを調べる方法が有力という。解析には1週間程度かかる見通し。
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新型耐性菌、国内初検出 インドから帰国の患者 栃木 朝日新聞 9/6
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009060172.html
 抗生剤で治療しにくい新型の耐性菌が、インドから帰国し栃木県内の病院に入院していた患者から、検出されていたことがわかった。インドやパキスタンから欧州などに広がっている「NDM1」と呼ばれる遺伝子をもつ耐性菌だ。国内で確認されたのは初めて。
 厚生労働省によると、独協医科大学病院(栃木県壬生町)は、事務連絡を受け、過去の事例について調べたところ、感染が疑われる事例があったため、9月初旬に国立感染症研究所に報告したという。
 厚労省や同病院などによると、見つかったのは昨年5月、独協医大病院に入院していた日本人の50歳代の男性患者。男性は回復し、退院した。ほかの患者には感染していなかった。発熱などの症状が現れたため、検査したところ、NDM1の遺伝子を持つ病原性大腸菌が見つかったという。

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新耐性菌:国内で初確認…NDM1保有 独協医大 毎日新聞 9/7
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100907k0000m040089000c.html
 栃木県壬生町の独協医大病院は6日、ほとんどの抗生物質が効かない新しい耐性菌が入院患者から検出されたと発表した。インドや欧州で感染が広がっている「NDM1」と呼ばれる遺伝子を持つ大腸菌で、国内初の感染確認となる。患者は退院して現在は保菌しておらず、他の患者への感染もないという。【泉谷由梨子、山下俊輔】
◇50代男性、昨年感染
 感染者はインド渡航歴がある50代の日本人男性で、帰国後の昨年4月、別の病気で入院した。5月中旬に約38度の発熱があり、血液検査で抗生物質が効かない多剤耐性大腸菌が検出された。
 同病院は今年8月、厚生労働省のNDM1への注意喚起や、英医学誌の論文から、大腸菌がNDM1遺伝子を持つ可能性があると推測し、保存菌の遺伝子を検査した。その結果、8月27日にPCR法で陽性が確認され、30日に遺伝子配列がNDM1遺伝子と100%一致した。検査結果は、27日と30日に栃木県県南健康福祉センターに連絡し、県は30日、国立感染症研究所に報告したという。
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新種細菌:新しい耐性菌、確認 国内初「NDM1」--独協医大 毎日新聞 9/6
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100906dde001040015000c.html
 インドやパキスタンなどで感染が確認されている、ほとんどの抗生物質が効かない新しい耐性菌が、栃木県壬生町の独協医大病院に入院していた患者から検出されていたことが分かった。厚生労働省によると、国内での感染確認は初めてで、全国の医療機関などに警戒を呼びかけている。
 厚労省によると、今年8月、多くの抗生物質が効かなくなった患者について同病院が詳しく検査したところ、「NDM1」と呼ばれる遺伝子を持つ耐性菌だったことが判明した。ほかの患者への感染は確認されていない。患者は入院前に南アジアから帰国していたという。
 この耐性菌は、病院内だけでなく健康な人にも感染が広がる可能性があり、専門家は警戒を呼びかけている。【佐々木洋】

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新耐性菌:インドで感染か…渡航歴あり、すでに治癒・退院 毎日新聞 9/7
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100907k0000m040119000c.html
 ほとんどの抗生物質が効かない新しい耐性菌の遺伝子「NDM1」が、独協医大病院(栃木県壬生町、北島敏光病院長)の入院患者から検出された問題で、インドで感染した可能性が高いことが分かった。患者は退院して現在は保菌しておらず、病院は「院内感染を含めて感染拡大は防止できた」としている。
 6日会見した病院によると、感染者はインド渡航歴がある50代の日本人男性で、帰国後の昨年4月、別の病気で入院した。5月中旬に約38度の発熱があり、血液検査で抗生物質が効かない多剤耐性大腸菌が検出された。
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スーパー耐性菌を検出…独協医大病院 読売新聞 9/6
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30392
昨年5月にインド帰り 50代男性
 インドや欧米などで感染が広がっている、抗生物質がほとんど効かない新型耐性菌(スーパー細菌)が、栃木県壬生町の独協医科大病院に入院していた患者から検出されたことが6日わかった。日本で感染者が確認されたのは初めて。
 同病院などによると、昨年5月、インドから帰国し入院していた50代の日本人の男性患者に、発熱などの症状が出た。検査の結果、NDM1という酵素の遺伝子を持つ大腸菌が検出され、インドなどで問題となっている新型耐性菌であることがわかった。男性は治療の結果回復し、すでに退院。他の患者らに感染は広がっていないという。
 NDM1がある菌は、病院内だけでなく健康な人の間でも広がる可能性がある。この酵素は別の種類の細菌にも入り込む可能性があり、公衆衛生上の影響度の高さからスーパー細菌と呼ばれている。専門家はサルモネラ菌や赤痢菌など毒性の強い菌に耐性が備わる危険性を警戒。世界保健機関(WHO)が各国に注意を呼び掛けていた。
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新耐性菌、独協医大で国内初確認 インド帰りの50代男性 共同通信 9/6
 
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090601000357.html
 独協医大病院(栃木県)は6日、ほとんどの抗生物質が効かない新たな菌(多剤耐性菌)が、インドから帰国後の50代の日本人男性から見つかったと発表した。国内での確認は初。患者は既に回復し、ほかの患者への感染もなかったという。
 新たな菌は多くの抗生物質に耐性を示す「NDM1」という遺伝子を持つ。インドやパキスタンが発生源とされ、欧州などで患者が増加。世界保健機関(WHO)などが各国に監視を呼び掛けていた。
 男性はインドで病院にかかっていた。菌は現地で確認されているものと同じで、院内感染対策の責任者、菱沼昭准教授は「感染経路は不明だが、菌はインドから持ち込まれたと考えている」との見解を示した。

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0906-584号 多剤耐性菌感染問題 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 実は昨日配信しようと思っていたのですが、疲れ果ててしまい配信出来なかった記事をお届けします。一部、今朝見付けた記事を同時にUPしますがご了承ください。

 昨日は朝早くから野球小僧たちと汗まみれになっていました。しかし一昨日よりも暑いなぁと思っていたら、ほんのすぐ近くで今年の最高気温を見事樹立?していたのですね・・・暑いはずです。試合の途中に立って小僧たちに声をかけようとしたら思わず立ちくらみするほどでしたから。グラウンド上で闘っている小僧たちはもっと大変だろうなぁなどと思う反面、この異常気象の中で一人の熱中症も出ないこいつらは化け物か?と思いつつ・・・自宅に帰り「39.9℃なんてこのお風呂と一緒だなぁ」と息子と風呂につかりながら話していました。慣れというものは恐ろしいもので、30℃なんてたぶん涼しく感じるのでしょうね。 まだまだ夏は続きます・・・(--;

京田辺市で39.9度 9月の国内最高気温更新 朝日新聞 9/5
 
http://www.asahi.com/national/update/0905/OSK201009050042.html
 日本列島は5日も猛烈な暑さが続き、京都府京田辺市で午後2時54分、国内の9月の観測史上最高気温となる39.9度を記録した。今年の全国最高気温でもある。同市を含めて全国42カ所で9月の最高気温を更新。タイ記録も9カ所あった。うち24カ所は35度以上の猛暑日だった。
 これまでの9月の国内最高気温は、2000年9月2日に埼玉県熊谷市で観測された39.7度だった。
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 昨日、社説やコラムを見ていると懐かしいものに出くわしました。「チリメンモンスター」ってご存知でしょうか? 過去記事を検索してみると私は今年の一月に取り上げていました。

http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-01-13

チリモン:チリメンジャコを使った教育 海の生態系を学ぶ 毎日新聞1/12
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100112ddm016040108000c.html
 チリメンジャコの中に交ざった海の小さな生き物たちを「チリメンモンスター」、
略して「チリモン」と呼ぶ。今、このチリモンを探し出す学習会が人気だ。始めたのは大阪府のきしわだ自然資料館(岸和田市堺町)に集まる「友の会」の人々。「身近な食卓のチリメンジャコから、海の生態系を学べる」というユニークな科学教育の試みとして注目されている。【伊地知克介】
■これはナニモン?
 「これはイカ? それともタコ?」。きしわだ自然資料館で開かれたチリモン学習会。子どもたちの声が飛び交う。小さい物を見分けるのは、子どもたちの得意分野のようだ。「あんた、ようそんなん見つけるなあ」。連れてきた母親が驚きの声を上げる。
 学習会の進行はシンプル。親子連れなどの参加者を6人程度の班に分ける。それぞれのテーブルにチリメンジャコを積み上げる。その量は約250グラム。あとは親子でピンセットやルーペ、顕微鏡を使い、珍しい生き物を見つけ、分類していく。分からない「モンスター」が登場すると、学芸員に質問。それぞれカードに接着剤でつけて標本にしていく。
 大都市圏に面しており、それほど環境の良くないイメージがある大阪湾。ここで取れたチリメンジャコが「教材」だが、混獲物は豊かだ。魚ではカサゴ、アジ、ヨウジウオ、カワハギ、エソ。その他、カニ、シャコ、エビ、ウオノコバン、イカ、カニダマシなども。多様な生物がいることが伝わる。中でも人気があるのがタツノオトシゴの仲間。独特の形のため、どこのワークショップでも、見つかると歓声が上がる。子どもたちに生物多様性や、自然環境の大切さ、地元産業である漁業について伝える機会にもなっている。終了後も「もう少し探したい」とチリメンジャコを持ち帰る親子連れが多いという。

 この「チリモン」、昨年何かのニュースで見てから、非常に興味を惹いたので、実際に自分で調べてみると、結構あるんですね。面白そうだなぁっと感じた方は手始めに以下のサイトで学習してみてください。
 
http://k-tomo.web.infoseek.co.jp/chirimon/chirimonzukan.htm


 なかなか興味深く面白いものです。皆さんもたまには童心に帰ってトライしてみては如何でしょうか?私の場合は元々童心のままですので、すんなり・・・(^^)


天声人語 朝日新聞コラム 9/5 http://www.asahi.com/paper/column20100905.html
 「チリメンモンスター」なるものが評判だと聞いて、海産物店から取り寄せてみた。チリメンジャコにするイワシの稚魚と一緒に混獲される、他の魚介の稚魚のことだ。タコやアナゴなど異形の面々が「怪物」よろしくジャコの中から顔を見せている
▼普通は取り除かれるのだが、混ざったまま売ると人気になった。届いた袋にはタツノオトシゴもいて、二十数種を数えた。ご飯にのせて食べながら命のゆりかごを思う。〈海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる〉。三好達治の詩の一節が頭に浮かんだ
▼その「母なる海」の名に、日本の海は恥じないようだ。10年がかりの国際調査で約3万4千種の生き物が認められたと、先ごろ報じられた。哺乳類(ほにゅうるい)からバクテリアまで、確認された海の生物の14.6%にあたる。世界の25海域で最も多かった
▼調査した日本の排他的経済水域の容積は海全体の0.9%だから、そこで14%強とは多彩な生物相だ。変化に富む海底地形や気候が命を育むのだという。かけがえのない授かりものであろう
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 さて本日配信するニュースは、先日発生した薬剤耐性菌についての記事を一部集めたものです。あれやこれやと記事が多いので読み難いと思いますが、羅列します。

 とにかく以前からお話しているように、耐性菌を生む医療的背景というものは、抗生物質や抗菌剤などの安易な大量かつ継続的な投与に尽きると思います。まさに人災そのものだと思いますが、じゃあどうするの?という問いに対しては「薬を止める勇気を持つ」ということに加え、「感染症に対するもっと深い知識を習得する」ということ、さらには「人の免疫力を向上させる術は何か?ということを知る」ということ、「防御するための術:スタンダードプリコーションを知る」ということ、になると思います。またこういった取り組みは現代医学の範疇で行われるべきであり、医学的根拠を持たない療法に対して一線を引くべきだと思います。

 そしてあと一言だけ!
 一番腹が立ったというか情けないというか、こんな感覚じゃ感染対策なんてとてもじゃないけどまともに出来ないや!と思ったのが最初の記事。だからあえて最初に持ってきました。何がそう思わせたのか?ということですが、都と厚生労働省の対応というかコメントに対して。記事の言葉足らずかどうかは分かりませんが、院内対策体制に人員不足というか専従人員が足りないとのコメント。お山の大将がいくらいても意味は無いですし、そんなものまとまるものもまとまらないのだと思います。それよりもむしろ、感染対策のコアのメンバーとICTなど現場と兼任するメンバーとの関連性を密にし、情報を共有化させ、その具体的な対策を講じるシステムにしないと全く意味は無いと思います。院内感染対策のコア組織形態に問題があるというよりはその情報伝達体制や協力体制、さらには職員全体(というより特に幹部職員)の感染に対する低意識と安易さが一番の問題じゃあないんですかね?

 昨年の4月に神戸医療センターは感染対策に対して、院長、副院長を中心として大幅な組織改革を行いました。その結果、5月からの新型インフルエンザパンデミック騒動では非常に病院全体として組織的に活動が出来たと自負しています。そういった経験や色々な思いがあるので、あえて重箱の隅をつつくようなコメントを記載させていただきました。


院内感染で病院の検査見直しへ 多剤耐性菌で、東京都 共同通信 9/4
 
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090401000603.html
 帝京大病院(東京都板橋区)で多剤耐性のアシネトバクター菌や緑膿菌で院内感染し患者が死亡した問題で、東京都は4日、8月の定期検査で院内感染を見抜けなかったことを重視、検査の在り方を見直すことを始めた。
 警視庁が6日にも病院の医師から任意で事情聴取する方針のため、都は同庁から求められれば検査資料などを提供する。
 都によると、帝京大病院は高度な医療を担う「特定機能病院」で、厚生労働省と合同で8月4日に医療法に基づき定期検査を実施。院内感染防止対策に当たる専任の医師と専従の看護師が一人ずつしかいなかったため「体制が薄いので充実を図るように」と指摘。

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院内感染―衛生対策の基本を大切に 朝日新聞社説 9/6
 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2
 東京都板橋区の帝京大付属病院で、薬の効きにくいアシネトバクター菌による大規模な院内感染が起きた。
 昨年8月以来、これまでに46人が感染し、少なくとも9人はそれによって亡くなった可能性がある。
 病院が院内感染を疑い、過去にさかのぼる調査を始めたのは今年5月中旬になってからだ。保健所への報告も、今月初めだった。
 死者が出ているという情報が病院内で十分に共有されていなかったことも明らかになっている。初動が遅れたばかりか、あまりに危機感が欠けた対応だったといわざるを得ない。それが被害を広げた可能性も高い。
 この病院は高度な医療を行う特定機能病院だ。8月に厚生労働省と都の定期検査を受けた。その際、感染防止の態勢が弱いという指摘を受けながら、院内感染について報告しなかった。首をかしげたくなる対応だ。
 徹底的に態勢を見直すべきだ。
 全国の病院でも、感染防止の態勢を急いで再点検してほしい。
 こうした薬の効きにくい細菌は世界的にじわじわ広がっており、日本でも感染例が相次いでいる。
 2008年秋から翌年の1月にかけて福岡市の福岡大病院で、今回と同じ細菌に26人が感染して4人が死亡する例があり、厚労省は警戒を呼びかけた。今年2月、愛知県の病院でも起きた。
 細菌との戦いは予断を許さない。最初の抗生物質ペニシリンの登場以来、すり抜けて耐性を獲得した細菌と、強力な抗生物質の開発競争が続いてきたが、薬の開発がなかなか追いつきにくくなってきたのが現状だ。
 主要な抗生物質のどれもが効かない多剤耐性と呼ばれるタイプや、効く薬が全くないスーパー耐性菌と呼ばれるものまで出てきた。
 アシネトバクター菌は土の中などにいるありふれた細菌で、健康な人にはまず病気を起こさないが、がんなどで免疫力が弱った人に感染すると、肺炎や敗血症などの重い症状を起こすことがある。普通なら抗生物質が効くが、今回のように多剤耐性になると、ほとんどの薬が効かなくなる。
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社説:多剤耐性菌 感染防止の基本怠るな 毎日新聞社説 9/5
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20100905ddm004070033000c.html
 アシネトバクター・バウマニは、水や土壌の中にいるありふれた細菌である。ふつうの人が感染しても健康に問題はない。
 しかし、重い病気の患者や高齢者など免疫力の弱った人に感染すると、重症化することがある。通常は抗生物質が有効だが、多剤耐性を獲得した菌に感染するとほとんどの抗生物質が効かない。結果的に死亡する人が出てくる。同じような多剤耐性菌は他にもいろいろある。
 だからこそ、病院では耐性菌対策が重要な課題であり、神経をとがらせていなくてはならない。
 それなのに、多剤耐性アシネトバクターの集団院内感染が起きた帝京大病院では反応が非常に悪かった。昨年8月からこの耐性菌の感染者が発生、今年2月からは感染者が増えていた。にもかかわらず、5月の連休明けまで病院全体として対策がとられていなかったという。
 病院の管理がしっかりしていれば、ここまで広がることはなかったはずだ。死亡者も減らせただろう。病院は感染経路の特定を含め、今回の事例を検証すると同時に、日常的な管理体制の不備を洗い出し、改善していくことが欠かせない。院内感染防止対策の専従スタッフが十分かどうかの見直しも必要だ。
 対応が後手に回ったことに加え、国や都への報告が遅れたことにも問題がある。5月に院内で対策を取り始めたのに、今月に入るまで保健所に報告しなかったのは遅すぎる。こうした耐性菌発生の情報は国全体で迅速に共有しなくてはならない。
 多剤耐性アシネトバクターは10年ほど前から世界的に増え問題になっている。日本でも昨年、福岡大病院で院内感染が起きたが、この時は海外での感染が発端だったと考えられている。

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院内感染 速やかに情報開示し再発防げ(9月4日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100903-OYT1T01201.htm
 高度医療をになう大学病院で、なぜこれほど大規模な院内感染が起きてしまったのか。
 帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)は3日、がんなど重病で入院していた患者46人が、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性の「アシネトバクター」と呼ばれる細菌に感染していた、と発表した。
 感染者のうち27人が亡くなっており、この中の9人は感染が死因につながった可能性を否定できない、という。
 犠牲者9人とすれば、2000年に大阪で、02年に東京で、いずれもセラチア菌の院内感染で犠牲者が出たケースを上回り、近年では例のない被害である。
 帝京大は、今年4~5月に感染者が増加したため、調査委員会を設置して調べていたという。保健所へ届け出たのは、今月2日だった。あまりにも遅すぎる。
 アシネトバクター自体はどこにでもいる細菌で、健康な人が感染しても影響はない。だが、重症患者など抵抗力が衰えている人が感染すると、肺炎や敗血症などを起こすことがある。
 福岡市の福岡大病院でも23人が感染したことが、昨年1月に判明している。多剤耐性アシネトバクターによる大規模感染はこれが国内初の事例で、厚生労働省は注意を呼びかけていた。
 高度医療機関には抵抗力の弱い重症患者が集まるため、ひとたび院内感染が起きれば、取り返しのつかないことになる。
 今回の帝京大病院の場合は、どのような経路で感染が広がったのか。公表が遅れたのはなぜか。
 大学病院などには院内感染担当者の配置が義務づけられているはずだが、そこに油断や落ち度はなかったのか。
 帝京大は調査委による独自の調査結果をもとに、こうした疑問に答えなければならない。厚労省と東京都も、徹底した調査で事実関係を究明すべきだ。

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9月4日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20100903-OYT1T01210.htm
 ミトリダテスは毒物の収集家として歴史に名をとどめている。紀元前、黒海南岸にあったポントス王国の王である。少量ずつ飲んで耐毒性を養い、ついにはどんな毒にも不死身の体を得たと伝えられる
◆柳沼重剛氏の『語学者の散歩道』(岩波書店)によれば、ローマとの戦争に敗れた王は服毒自殺を試みたが、死ねない。まわった毒で手がしびれて自刃もできず、従者に頼んで殺してもらう悲惨な最期であったらしい
◆そういう人間は現代にはいまいが、細菌のなかには不死身とはいわないまでも、王に似た体を手に入れる者もいる。細菌にとっての毒物とは抗菌薬である

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多剤耐性菌感染:速やかな報告 厚労省が要請へ 毎日新聞 9/4
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100905k0000m040057000c.html
 帝京大病院での多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニの院内感染を受け、厚生労働省は近く、医療機関が同菌による院内感染の疑いを把握した場合は速やかに保健所へ報告することなど、対策の徹底を日本感染症学会など関係学会を通じて要請することを決めた。
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菌検出は昨夏、多剤耐性と疑わず 帝京大で感染拡大 朝日新聞 9/4
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009030534.html
 複数の抗生剤の効かない細菌アシネトバクターによる院内感染の疑いで、わずか1年で少なくとも患者9人が死亡した。帝京大学病院は5月に異変に気づいて内部調査を始めながら、9月まで外部に報告、公表を一切しなかった。3日の会見でその理由は明確にされず、どこからどのように感染が広がったのかもよくわからない。対応が遅れる間に被害はじわじわ広がった。
 「命を守る病院でこのようなことをして申し訳ない」
 会見冒頭、森田茂穂帝京大病院長らはコメントを読み上げると、深々と頭を下げた。
 国や東京都などへの報告や対応が遅いのではないかと問われると、森田院長は「現時点では、公表すべきだったと思う」と述べた。
 病院や都によると、病院が調査と対策に乗り出したのは、今年4~5月に約10人の患者から多剤耐性菌が見つかったことがきっかけだった。その調査で2009年8月に第1号の感染者が出ていた可能性が分かった。
 10月には、耐性菌との因果関係が否定できない最初の死亡者が出ていた。主治医はこの時点で、抗生剤が効きにくかったことを把握しながら、院内感染対策にあたる感染制御部に報告しなかったという。最初の死亡例では、菌の感受性の検査で「多剤耐性」という結果が出た。しかし、主治医はある抗生剤が効いたため、多剤耐性とは認識しなかったという。
 報告がなかったことについて、森田院長は「情報伝達が共有されていないという重大な側面です」と対応の誤りを認めた。
 病院では、この多剤耐性菌が見つかった場合は、感染制御部に報告する決まりがある。
 都などへの報告や公表が遅れた理由を複数回、問われても、院長らは「申し訳ない」「不備があったと認めざるを得ません」と繰り返すだけだった。一方で「当時、患者さんに百%治療にあたることを念頭においていたため」とも述べた。
 また、感染が相次いでいたことを把握していなかったのか、との問いについては、「2月までは月ごとの報告は1とか2、多くて3だったので」と答えるにとどまった。
 都などへの報告も遅れた。板橋区保健所や都への報告は、発表前日の今月2日だった。感染した患者への説明も死亡した患者の遺族以外へは「きょうの会見が終わった後」という。
 都医療安全課の田中敦子課長は「4月だけで約10人の感染が確認されており、その時点で報告があれば、速やかな対応ができた。7月30日に調査委員会を開いた時点では、明らかに集団感染を認識していたと考えられ、遅くとも、その時点で報告があるべきだった」と話した。

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多剤耐性緑膿菌にも4人感染、うち1人死亡 帝京大病院 朝日新聞 9/4
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009030617.html
 多数の抗生剤が効きにくい細菌アシネトバクターの院内感染で患者9人が死亡した疑いがある帝京大学医学部付属病院で、別の多剤耐性緑膿(りょくのう)菌でも患者1人が死亡していることがわかった。同病院は4日、厚生労働省や東京都に報告し、詳しく調べていることを明らかにした。
 関係者によると、今年6月から8月にかけて成人4人への感染を確認。このうち、1人の感染が6月に確認され、8月下旬に敗血症で亡くなり、「感染と死亡の因果関係は否定できない」とみられる。ほかの3人は個室で治療を受けているという。
この菌による院内感染は国内外で以前から報告されている。

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帝京大病院:多剤耐性緑膿菌でも4人が院内感染 1人死亡 毎日新聞 9/4
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100904k0000e040030000c.html
 ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニに患者46人が院内感染した帝京大病院(東京都板橋区、1154床)で、別の入院患者4人が多剤耐性緑膿(りょくのう)菌に院内感染し、うち1人が死亡していたことが分かった。
 病院は2日にアシネトバクターについて東京都に報告した際、緑膿菌についても報告したが、3日の会見では、病院も都も公表しなかった。理由について都は「緑膿菌の感染例はよくあり、規模も小さかったため」としている。

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帝京大病院:多剤耐性菌9人死亡 報告遅れ、対策後手 「散発的」と楽観 ◇昨夏に発生、感染拡大 毎日新聞 9/4
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100904ddm041040143000c.html
 帝京大病院(東京都板橋区)で3日発覚した、多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニによる院内感染。46人もの感染者を出した背景には、病院内での情報共有が遅れ、拡大防止策が後手に回ったことがある。また、国や都への速やかな報告を怠り、8月にあった国などの定例の検査でも院内感染の事実を申告しなかった。同病院は高度な医療を提供する病院として国が指定した「特定機能病院」で、ずさんな対応が問われそうだ。【藤野基文、大場あい、石川隆宣】
 同病院によると、現場の医師や検査部署は今年2月には、同菌の感染が増えていることを把握。だが「散発的な発生」とみて、感染症に対応する院内の感染制御委員会には報告せず、病院全体での対策は取らなかった。
 しかし、4月の時点で感染者は九つの病棟に拡大。こうした事態に病院側は5月の連休明け、初めて院内感染の可能性と対策の必要性を認識した。
 その後の調査で、感染は09年8月から毎月発生していたことが判明。病院は7月末に調査委員会を発足させ、外部の専門家を交えて対応を協議した。感染制御部スタッフの専従人員を増やすことなどの提言を受け、8月9日に強化した新体制をスタートさせた。
 一方、厚生労働省は、同菌の院内感染を疑う事例を把握した場合には、速やかに報告するよう求めている。だが、同病院が東京都や板橋区、厚労省へ報告したのは今月2日。森田茂穂院長は会見で「現場の対策で手いっぱいで報告が遅れた。もっと早く報告すべきだった」と謝罪した。
 報告する機会はほかにもあった。厚労省と都は8月4日、年1回特定機能病院を対象に行う定例の立ち入り検査を実施。医療法で規定されたスタッフの数や医薬品の管理、院内感染防止などについて約7時間調査した。
 しかし、同病院は院内感染の事実は告げず、事実上隠ぺい。都の担当者は「意図的に隠してはいないのでは」としたものの、「検査の対象が広範囲。重大な事故があった場合は病院から申し出てほしい」と話した。
 院内感染対策に詳しい松本哲哉・東京医科大教授(感染制御)は「国内の感染例はまれなので、一つの医療機関での感染例が1、2人にとどまらず、それぞれの確認時期があまり空いていないようなら、院内感染を当然疑うべきだった」と話す。
 また、感染者がいる病棟や診療科が違っていても、患者の検体を調べる部署は限られ、院内で感染が増加していることは把握可能だという。松本教授は「46人という感染者数は非常に多い。もっと早く対策を取ることができたのでは」と指摘する。

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院内の感染警戒文書「死亡」の記述なし 帝京大病院 朝日新聞 9/5
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009050001.html
 多剤耐性の細菌アシネトバクターによる院内感染が起きた帝京大医学部付属病院(東京都板橋区)で患者の死亡情報が院内に十分伝わっていなかったことが4日、内部文書や職員の話でわかった。職員向けの注意喚起文書で死亡者に触れておらず「報道で知り驚いた」という職員もいる。厚生労働省や都は「危険性を認識した時点で重大性を伝えるべきだった」と情報共有のまずさを問題視している。
 朝日新聞が入手した文書は「多剤耐性アシネトバクターに関する注意喚起」の題で感染制御部長から病院職員あてに今年5月13日と6月5日の2回、通知された。
 病院や都によると、耐性菌との因果関係が否定できない最初の死亡者が出たのは昨年10月。その後、今年2月までに3人の疑い患者が死亡していることが確認されていた。遅くとも同病院の感染制御部は5月の連休明けには、菌に関連した死亡者が出ていることを把握していた。
 5月の文書は「現在当院にも多剤耐性アシネトバクターを保有する患者が入院しています」と指摘。6月の文書は「いまだ多剤耐性アシネトバクターの検出が散見されます」としている。しかし、いずれも「患者死亡」については伝えていなかった。
 さらに、6月24日には全職員を対象にこの菌の対策を含む院内感染対策講習会を実施。参加者によると、院内感染について説明するだけで、深刻な事態が起きているとは伝えられなかった。講習会を欠席した職員へのビデオ講習も7月になってからだった。

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[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
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