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0817-652号 脳卒中を知る [kensa-ML NEWS 【特集】]


残暑お見舞い申し上げます。神戸の新井です。
連日厳しい暑さが続きますが、皆さん、如何お過ごしでしょうか?

 もう8月も半ばを過ぎました。通勤車中は学生諸君が夏休みのため、空いていて静かですし、非常に快適です。この静寂も間もなく破られるのでしょうが・・・

 今年は風があって昨年の酷暑よりはまだましかな?と私は思っているのですが、緊急搬送者やお亡くなりになった方が、昨年よりも多いとか。やはり震災の影響で室内熱中症になった方が多いのでしょうか?以前にも申しましたが、節電と熱中症の因果関係はありそうで、とにかく体調の悪い方やお年寄り、小さなお子さんがおられる家庭ではくれぐれも無理のないようにしてもらいたいですね。

 このところ、政策医療関連作業でかなり慌ただしくしております。今年度の助成研究課題は全国サーベイランスによる特定検査項目標準化動向の把握です。標準化についてのお仕事をするようになって10年超、H14年度に連絡会を立ち上げて約10年となります。なかなか成果が上がるものでないので、焦らず地道に続けるしかないですね。このメールニュースやブログをご覧の方々にもサーベイシートをお送りさせていただいた方が多数おられると思います。皆さんからの貴重なデータを無にしないよう努めますので、ご面倒ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて本日のコラムご紹介です。数日前のコラムとなります。このところ、原発問題や大連立など非常にきな臭い話題が紙面を賑わせていますが、もうええ加減にしてほしいと国民の大多数は思っておられるでしょうね。いっそ、ビートたけしさんくらいに総理大臣になってもらった方が良いんじゃないですかね。既存の政治屋さんはとかく使い物にならない方が多いです。そのような話はともかく・・・少し前のコラムになりますが、この件「何十年たって感謝されるのが本当の功績」と話し、こう続けた。「他人のために生きるのが人間だ」・・・私が良く「最高の評価とは現時点を見てよくやっているなぁなどと褒めてもらうことなどではなく、5年後10年後に、現在私の行っていることが継続していること」と下の方々に話をしています。今私の行っていることが正しいとは限りませんからね。正しいものは引き継がれると思います。もちろん悪しき習慣というものもありますが・・・


正平調 神戸新聞コラム 8/13
 
http://www.kobe-np.co.jp/seihei/0004363031.shtml
 東日本大震災は津波の恐ろしさをあらためて目に焼き付けた。不思議なこともあった。道路の下に埋もれていた石碑が津波に洗われ、ひょっこり顔を出したのだ◆岩手県大船渡市の吉浜地区にある石碑で、「津波石」と呼ばれる。縦、横3メートル、高さ2メートルを超え、重さは「八千貫」(約30トン)と刻まれている。その碑文によると、1933(昭和8)年に起きた三陸大津波のときに打ち上げられた石だ◆吉浜地区は、今回も大きな津波に襲われた。だが、ほとんどの民家は被害を免れた。もとは海沿いに集落があり、明治の大津波で300人を超える犠牲者が出た。昭和の大津波でも、低地に残った17人が亡くなっている◆当時、村長だった柏崎丑太郎(うしたろう)は、明治の津波で多くの身内を失った。自身も津波にのまれかけた。その経験から、村長は資金を立て替えて土地を購入し、集落の高台移転を完成させた。かつての集落は水田に変わっている◆孫のナカさんは、なぜ住民が嫌がる集団移転を進めるのか、丑太郎に聞いた。「何十年たって感謝されるのが本当の功績」と話し、こう続けた。「他人のために生きるのが人間だ」
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 もう一編、社説のご紹介。

 多くの京都市民は受け入れていたと思うのですが、一部の心無い無知(無知というより識がないのかも)ともいえる方々のために非常に後味の悪い結果となった「五山送り火」が昨日行われました。誰が考えても松の内部に放射能汚染が及んでいないことは明らかであり、表層を剥離さえすれば送り火に使えたはず。被災地の方々の気持ちを理解するなんて、そんなおこがましいことは決して言えませんが、気持ちを理解する努力は出来るはず。古都京都の大きなイメージダウンですね。イメージダウンなんて自業自得なので、そんなものは良いのですが、被災地の方々の思いを考えるとやるせない気持ちになります。


社説:五山送り火 残念だった善意の迷走 毎日新聞 8/17
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110817k0000m070131000c.html
 昨夜、京都の夏の夜空を彩る伝統行事「五山送り火」があった。今年は東日本大震災の犠牲者の霊を慰めようと、岩手県陸前高田市の松で作ったまきを使う計画が持ち上がったが、放射能汚染への対応をめぐって行政などが右往左往した末、中止となった。被災者の思いや、計画の実現に向けて奔走した人々の善意が生かされなかっただけでなく、京都市民にとっても後味の悪い結果となったのは残念だった。
 震災後初となるお盆に際し、犠牲者の遺族らにメッセージをまきに書き込んでもらって燃やす計画は大分市の美術家が発案した。五山の一つ、大文字保存会の計画が報道された後、放射能汚染を心配する意見が京都市などに寄せられ、市民の不安に配慮して検査を実施した。
 その結果、放射性物質は検出されなかったにもかかわらず、保存会の理事会でも意見が割れ、「不安は完全にぬぐえない」として中止を決定した。これは明らかに過剰反応であり、保存会はもっと冷静に判断してほしかった。
 計画中止が報道されると、2000件以上の抗議の電話やメールが殺到する。送り火で使われないことになったまきは8日、陸前高田市内で、お盆の迎え火として燃やされた。古都のイメージダウンを恐れた門川大作・京都市長が事態の収拾に乗り出し、五山すべての送り火で燃やそうと、新たに別のまき約500本を取り寄せた。だが、表皮からセシウムが検出されたことで計画は再度中止となった。
 放射能の不安を訴える市民がいることはあらかじめ分かっていたはずだ。当初使用する予定だったまきのように表皮を削り取る作業を行っていれば、実施できた可能性は高い。千葉・成田山新勝寺は同様の方法で陸前高田の被災松を9月の供養で燃やすことにした。
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 さて医療関連ニュースに移ります。今日は一編だけご紹介。

 がんに対しては、外科的手術はもちろんのこと、放射線治療や免疫治療など様々な治療がありますが、古典的で一般的にもよく認知されているのが、「化学療法」ではないでしょうか?

 今回の研究内容は非常に可能性のあるもので、私は特に「転移細胞」に対して有効なんじゃないかな?って素人考えしちゃいます。でもRI(ラジオアイソトープ)検査(シンチグラムなど)などで抗体に放射性物質をくっつけるという技術は古典的なものですから、そう考えると決して新しい技術ではない気がします。容器内というところがミソですね。


がん細胞狙い薬剤投与 金大グループ 北国新聞 8/16
 
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20110816101.htm
 がん細胞だけを狙って薬剤を投与する独自の手法を、金大の研究グループが15日までに開発した。1マイクロメートル(1千分の1ミリ)以下の容器に抗がん剤を仕込んでがん細胞と結合させ、超音波を当てて薬剤を放出させる仕組み。正常な細胞には影響を与えないため、実用化すれば、副作用の少ない抗がん剤治療につながる可能性がある。
 体内に入った薬剤を効率的に患部に到達させる「ドラッグデリバリーシステム」の一つで、環日本海域環境研究センター・理工学域自然システム学類バイオ工学コースの清水宣明教授と仁宮一章助教による研究。
 抗がん剤は、リン脂質など高分子の人工膜で作った微小な容器内に閉じ込められる。同グループは、この容器が超音波を当てると表面が変形して割れる性質を利用した。従来、抗がん剤を収める容器には熱に反応して壊れるものなどがあった。ただし、熱が届きにくい場所にがん細胞がある場合、相当な加熱が必要で人体に使うには課題が多かった。超音波なら、容器を体内の奥深くまで送り込んでも十分に届き、体への負担も小さいという。
 実験では、抗がん剤を封入した容器の表面に、肝がん細胞だけに結合するタンパク質を組み込んだ。これを肝がん細胞を含む培地に入れて超音波を当てると、肝がん細胞に抗がん剤が効いていた。大腸がん細胞を用いた実験では反応せず、肝がん細胞だけを狙い打ちすることが確認された。

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 他にも色々と医療関連ニュースもあるのですが、特集記事に移ります。今日の特集は、「脳梗塞・脳卒中を知る」です。

 皆さんは、医療関係者でない一般の方に、脳卒中って何?と聞かれたら、どうお答えになりますか?

 非常に難しい質問ですが、色んなサイトから引っ張り回してみます。余計に分かりにくくなったら、ごめんなさい・・・

 まずは脳卒中ネットからの引用です。脳卒中とは脳血管疾患の総称です。ややこしくも書いてあるのですが、分かりやすい部分だけピックアップしてみます。

脳卒中ネット:http://www.kenko-network.jp/nousottyu/index.html
【脳卒中とはこんな病気】
 脳卒中とは、脳に酸素や栄養を送っている脳の血管が破けたり(脳内出血)、詰まったり(脳梗塞)して、血液が脳の先まで行かない状態や脳血管の一部が壊死する障害で、脳の働きに支障を生じることによって起こる脳血管障害です。急に手足の麻痺やしびれ,あるいは意識障害などの症状が出た状態をいいます。
 昭和40年代から死亡率は下がってきましたが、現在も国内の死亡原因は、ガン、心臓病に次いで3位となっています。死亡率は下がってきましたが、患者数はむしろ増加しています。脳卒中で一度倒れると、後遺症が残り、生活が困難となりリハビリの重要性が高まってきております。
【脳卒中の種類】
 1.脳血管が破れるもの
    脳出血、くも膜下出血
 2.脳血管が詰まるもの
    脳梗塞
     ラクナ梗塞・・・脳の細い血管が詰まる(小梗塞)
     アテローム血栓性梗塞・・・脳の太い血管が詰まる(中梗塞)
     心原性脳梗塞・・・脳の太い血管が詰まる(大梗塞)


 NO!梗塞.net:http://no-kosoku.net/about/index.html にも同様のことが記載されていますので、ご参考までに。

 厚生労働省HPではもっと簡単に記載しています。あまり詳しくは掲載されていませんが。
 
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/nousottyu/about.html


 脳卒中の治療については、日進月歩でかなり進化しています。かなり専門的ですが、日本脳卒中学会や他の学会HPに、脳卒中治療ガイドライン2009が掲載されています。日本脳卒中学会のものをご紹介しておきます。

 脳卒中治療ガイドライン2009:http://www.jsts.gr.jp/jss08.html


 分かりやすいものでは、脳卒中ネットに紹介されているものがあります。目次だけご紹介しておきます。詳しくは以下サイトまで。

 脳梗塞の治療
  1.緊急治療  2.抗脳浮腫薬  3.血栓溶解療法  4.血管内治療
  5.脳保護薬  6.抗血小板薬  7.抗凝固薬
 脳出血の治療
  1.脳出血の治療
  2.くも膜下出血の治療

 近年の脳卒中の治療法 http://www.kenko-network.jp/nousottyu/about/tiryou.html


 また昨日のニュースでは、脳卒中麻痺に対する磁気刺激治療法が紹介されていました。


脳卒中まひ、数年後も改善 健康な側の脳活動を抑制 磁気刺激治療法を開 共同通信 8/16 
 
http://www.47news.jp/feature/medical/2011/08/post-565.html
 脳卒中でまひした身体は、リハビリテーションなどで回復するのは3、4カ月までで、それ以降は改善しないというのが通説だ。しかし、左右の脳のうち健康な側の活動を磁気の刺激で抑制し、損傷を受けた側の機能を引き出す「経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)」を慈恵医大 の安保雅博教授らのチームが開発。リハビリと組み合わせることで、発症後数年たった患者でも、状態を改善できる画期的な治療法として注目を集めている。
▽時間短縮
 千葉県に住む平間一道さん(66)は4年前に脳梗塞を発症し、脳に酸素を供給するための高圧酸素療法を受けたが、右半身不随の症状が残った。リハビリ病院での半年の訓練と、その後の施設での週2回のリハビリを続けたが、右手で物をつかむことはできず、辛うじて歩ける状態からは改善しなかった。
 テレビ番組でTMS治療を知り、慈恵医大で受診。ことし6月下旬から2週間の日程で、同大と提携している東京病院 (東京都中野区)に入院して治療を受けた。
 治療は、磁気を発生する装置を頭に当てる20分間の磁気刺激と1時間のリハビリ、1時間の自主訓練のセットを毎日、午前と午後に繰り返す。1週間は変化がなかったが、10日目ごろから指や肘が真っすぐに伸びるようになった。治療が終わるころには各指を動かし、本のページをめくれるように。肘も肩より上に上がるようになった。
 おはじきをつまんで移動させるなどの検査で、ほとんどの動作が入院前の3分の1の時間でできるようになった。「動く兆しが出てきた。訓練を続け、文字を書けるようになりたい」と平間さんは笑顔で話す。
▽バランス
 脳卒中は、脳の血管に血栓が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血などがあり、日本人の死因ではがん、心臓病に次いで第3位だ。死に至らなくても、半身まひなどが残ることが多い。脳の左側が損傷すると右半身に、右側が損傷すると左半身にまひが現れる。
 磁気刺激は、毎秒5回以上の頻度で行うと刺激した部分の脳が活性化し、1回以下の低頻度で行うと逆に活動が抑制されることが磁気共鳴画像装置(MRI)を使った研究で分かっている。
 安保教授は動物実験などで、損傷したのと反対側の脳の活動を磁気で抑制すると、損傷を受けた部位の周辺では逆に活動が活発化することを突き止め、治療に応用した。
 安保教授は「脳が損傷すると、その活動を補おうとして健康な側の脳が頑張る。頑張りすぎて筋肉がこわばったり、損傷側の脳の活動を邪魔したりする。頑張りを抑えることで、左右の脳のバランスが良くなる。良くなった時に集中的に訓練をすると、動きが出てくる」と説明する。

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 さて最後に、脳卒中の診断に欠かせない検査ですが、多くの方々は、放射線分野の画像診断に委ねると思われていると思います。実際、サイトの方でも画像診断が主体となったものが多く紹介されていますが、以下のサイトのような流れで診断は行われます。

 脳卒中の基本病型の診断 http://no-kosoku.net/diagnosis/basic.html

 脳卒中の臨床病型の診断 http://no-kosoku.net/diagnosis/clinical.html


 上記診断には、我々臨床検査部門もかなり関与していることがお分かり頂けると思います。

 また8月10日の日経メディカルでは、健診に脳梗塞マーカー登場と記事が掲載されていました。血中の細胞障害物質「アクロレイン」がそれです。私これ見たとき、何じゃこれ?とお恥ずかしい話ですが思いました。調べてみましたが、やっぱり???

アクロレイン
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3
 アクロレイン (acrolein) はアルデヒドの一種で、不飽和アルデヒドの中で最も単純なもの。IUPAC命名法では 2-プロペナール (2-propenal) と表されるほか、アクリルアルデヒド (acrylic aldehyde) 、プロペンアルデヒド (propenaldehyde)とも呼ばれる。CAS登録番号は [107-02-8]。分子式は C3H4O、示性式は CH2=CHCHO、分子量は 56.07 である。


日経メディカル2011年8月号「トレンドビュー」(転載)
健診に脳梗塞マーカー登場 血液検査で無症候性脳梗塞を拾い上げる

 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201108/521036.html
 血中の細胞障害物質「アクロレイン」を測定し、脳梗塞の発症リスクを評価する検査技術が開発された。採血だけで結果が分かる簡便さから、健診や人間ドックの検査項目に採用する施設が増えている。
 千葉県機械金属健康保険組合(千葉市中央区)は今年4月、50歳以上の被保険者1800人の健診に、脳梗塞の発症リスクを評価する検査を新たに取り入れた。通常の健診で採血管を1本増やすだけで、無症候性脳梗塞の可能性が簡便に調べられる。費用は1人当たり7000~1万円で、同健保では全額を負担する。
 千葉県機械金属健保は脳梗塞に罹患した被保険者を60人ほど抱えており、その医療費は年間3億~4億円にも上る。常務理事の山口武氏は、「新たな検査の導入により費用負担は一時的に増えるが、脳梗塞の発症が未然に防げれば、中長期的には医療費削減にもつながるのではないか」と期待を寄せる。
 脳梗塞のリスク評価の技術を開発したのは、アミンファーマ研究所(千葉市中央区)。千葉大大学院薬学研究院教授を務めた五十嵐一衛氏(現千葉大名誉教授)が立ち上げた医療ベンチャーだ。人間ドックのオプションや自費検査として同技術を採用する健診機関や病医院は徐々に増えており、「現在、千葉県、東京都、埼玉県などを中心に約120施設と提携していて、月に約1000検体を扱っている」と代表取締役社長の五十嵐氏は話す。
血中「アクロレイン」を測定
 五十嵐氏らが、脳梗塞のリスクマーカーとして着目したのが、「アクロレイン」と呼ばれる細胞障害物質だ。アクロレインは、細胞増殖因子である生理活性アミン「ポリアミン」が代謝される過程で生じるアルデヒドの一種。脳梗塞などの細胞障害が起こると、RNAに結合しているポリアミンが細胞外に遊離し、「ポリアミンオキシダーゼ」によって酸化分解され、毒性の高いアクロレインが産生されることが明らかになった。
 実際、脳梗塞患者群を対象に、アクロレインを産生する酵素であるポリアミンオキシダーゼと、アクロレインが結合した蛋白質(PC-Acro)の血中量を測定したところ、共に、健常者群に比べて有意に上昇していた。
 ただし、アクロレインの値は脳梗塞に限らず、腎不全など細胞障害を来す他の疾患でも上昇する。そこで五十嵐氏らは、血中のPC-Acroの値に、免疫細胞よりも脳細胞で多く産生されるインターロイキン6(IL6)とCRPの2つの炎症マーカーの値を組み合わせて脳梗塞リスク値を算出する手法を考案。40歳以上の無症候性脳梗塞を約85%の確率で予知できる検査法を確立した。
⇒ 続きはこちら
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201108/521036_2.html
 「MRIとは異なり、検査時点の細胞障害度を定量的に評価できる。動脈硬化を認める例などでは、年1回測定し経過観察すると有用だ。今後は医療機関での診断にも使えるよう臨床試験を重ね、診断薬としての承認を目指したい」と五十嵐氏は話す。
診断後のフォローアップが鍵
 この検査をきっかけに見つかる無症候性脳梗塞は、医師による適切なフォローアップが欠かせない。脳卒中の既往のない65歳以上の高齢者3324人を追跡した米国のコホート研究(平均追跡期間4年)によれば、無症候性脳梗塞群の脳卒中の発症頻度は年1.87%と、無症候性脳梗塞なし群(年0.95%)に比べて有意に高く、無症候性脳梗塞は高齢者における脳卒中発症の独立した予知因子とされているからだ。
 無症候性脳梗塞の大半はラクナ梗塞。その最大の危険因子は高血圧であり、確実な降圧が求められる。他にも、糖尿病や脂質異常症、心房細動、喫煙などが危険因子であり、これらの検索と介入も欠かせない。その上で検討されるのが抗血小板療法だが、現時点で無症候性脳梗塞に対する脳梗塞の発症予防効果のエビデンスは十分でない。抗血小板薬が出血性合併症を引き起こすリスクもあり、主にハイリスク者を対象に投与しているのが現状だ。
 ハイリスク者を見分けるには、「血管性危険因子の検索に加え、心電図、心エコー、頸動脈エコー、脳MRAなどで心血管病変を評価することがポイント」と、東京医大老年病学講座教授の岩本俊彦氏は話す。岩本氏は、MRAや頸動脈エコーで狭窄の有無やプラークの程度などを評価し、動脈硬化の進展を認めれば、抗血小板薬の中でもシロスタゾールを主に選択して処方している。「シロスタゾールは血管内皮細胞の保護効果のほか、ラクナ梗塞の患者で出血性合併症を起こさずに脳梗塞の再発を40%
抑えたとの報告もある。頭痛や動悸などの副作用に注意しつつ投与している」と話す。

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delsol

脳卒中について、とても参考になりました。
by delsol (2011-09-15 08:02) 

つなみ

また来ちゃいました(*´∇`*)
お元気ですか?
また来ますヨ~♪( 〃▽〃)
by つなみ (2011-11-14 15:00) 

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