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0718-649号 熱中症 [kensa-ML NEWS 【特集】]

以下、7/18夕刻に配信した記事です。


 本日は台風接近に伴う雨天のため野球の練習は中止となり、自宅にこもって溜まっている仕事を少し片付けることにしました。が、このところ滞っているメールニュースをお届けしようと思います。記事は山ほどあったのですが、先月末締め切りの研究報告書や研究申請書、その他種々雑多な業務が立て込んでおりましたので、配信が出来ず申し訳ありません。現在は主として病院における管理に関するお仕事と、政策医療関係では三年連続で助成研究を受けることができましたので、その研究準備に追われています。

 接近している台風6号は非常に強い大型台風であり、本日から21日にかけて日本列島に接近するとの予想です。夏型台風に特徴の「迷走」する可能性もありますので、十分お気を付け下さい。
 
http://weathernews.jp/typhoon/
 http://www.jma.go.jp/jp/typh/

 さて本日、早朝より日本列島が大歓声に包まれました。早朝よりテレビにくぎ付けされていた方も多かったのではないでしょうか?戦前の予想を覆し、「なでしこJapan」やりましたね!世界一です。アメリカに再三再四押し込まれた場面もありましたが、チーム一丸となって本当に頑張りましたね。ありきたりな言葉ですが、日本、特に被災地の皆さんに勇気と希望を与えたかと思います。本当におめでとうございました。延長後半に同点ゴールとなった時点で、私は勝利を確信しました。しかしあの場面でよく決めれましたね。脱帽です。
 
http://www.youtube.com/watch?v=aB0j_7E_iWQ

 私はサッカーを本格的にやったことはありませんが、スポーツには何かの形で関わってきています。私自身が本格的にやったスポーツは、バスケット、ハンドボール、野球、ゴルフ、ですが、野村克也前監督のこの言葉「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」をいつも思い返します。特に今は少年野球で子供たちに教えるというよりも寄り添う形でコーチというポジションにいますが、よく試合などで子供たちが失敗したりすると、監督やコーチが子供を叱る場面をよく見ます。でも教えていないことは出来ないのは当たり前、練習していないことは出来なくて当たり前、なんですね。ミラクルはそうそう続くものではありません。

 しかし仕事の面に置き換えて考えると、人の生き死にや将来がかかるような職業についている方には、知らなかったとか教えてもらっていないとか、そんな言い訳は通用しないと私は常日頃思っています。プロフェッショナルとしてのプライドはどこに行ったの?と思う方を我々の業界でもよく見受けますが、本当に情けない限りです。昨日の東京新聞のコラム、私の言いたいこととちょっと視点は異なりますが、野村さんの名言が引用されていましたので、ご紹介します。


筆洗 東京新聞コラム 7/15
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011071702000017.html
 <勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし>。プロ野球四球団で監督を務めた野村克也さんの名言だ。肥前・平戸藩の藩主松浦静山の剣術書からの引用らしいが、勝負ごとの本質を突いている▼相手のミスで偶然に勝つことはある。しかし負けには必ず原因がある。それを突き詰めなければ、同じ失敗を繰り返してしまうという意味だろう▼東京都の石原慎太郎知事はきのう、二〇二〇年に開かれる夏季五輪への立候補を正式表明した。被災地での一部競技の実施を検討するなど「復興五輪」を開催理念とするという▼「招致の戦いに挑む限り、勝たないと意味がない」と相変わらずの石原節だが、敗れた前回の五輪招致を本当に総括したのだろうか。最も重要な国内の世論は、東日本大震災の影響で前回よりも冷淡に思える
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 さてここからはがらりと話題を変えて、医療関連情報となります。

 先般の事業仕分けにより、訳の分からない仕分けに引っ掛かったという感のある国立病院機構ですが、4月20日より「国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会」というものが開催されています。この資料や検討内容を見ていただければ、国立病院機構やナショナルセンターの果たしてきた経緯や今後の展望などよく理解できます。とにかく世界最大の医療ネットワークであり、政策医療など難病に対し国策として取り組み、なおかつ黒字経営母体の優良企業をグダグダとパフォーマンス的仕訳されること自体が、私には納得のいかないところです。もちろん、外部による客観的評価は必要だと思いますが・・・資料URLを以下に記します。

第1回国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000019w8y.html

第2回国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001e8gu.html

第3回国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001f731.html

第4回国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001i00r.html


 ついでと言ってはなんですが、災害医療等のあり方に関する検討会というのも7/13に開催されています。その資料が掲載されているURLは以下に記します。

第1回 災害医療等のあり方に関する検討会
 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001j51m.html


 さて本日の特集記事となります。今回も熱中症を取り上げました。

 今年は梅雨入りも梅雨明けも早く、非常に厳しい暑さとなっています。例年に比べ紫外線量も多く、最高気温で一躍有名?となった熊谷市では、40度を超えるところもあるとか。現在高校野球の熱戦が繰り広げられていますが、グラウンド上では50度を優に超えているのではないでしょうか。とにかく熱中症を防ぐためにはどのようなことが必要であるのか、正確な情報を把握し、知識としてしっかりと持っておく必要がありますね。今年は特に節電対策がうたわれていますが、病気になっては元も子もありません。

 以前もUPしましたが、熱中症関連情報が掲載されているサイトをご紹介します。

総務省消防庁:熱中症情報
 
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html

総務庁消防庁:熱中症対策リーフレット
 
http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi2306/pdf/230614-1.pdf

政府広報オンライン
 
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200706/5.html

環境省熱中症情報
 
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/index.html

熱中症環境保健マニュアル
 
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html

熱中症を防ごう:日本体育協会
 
http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook1.html

スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック
 
http://www.japan-sports.or.jp/publish/guidebook.html#guide01

夏のトレーニング時必見
 
http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook2.html

熱中症に関する私の出した記事です(タグクラウド)
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/tag/%E7%86%B1%E4%B8%AD%E7%97%87


 最近、ニセ熱中症と言われるものがよく報道されているのですが、どのようなものか、ご存知でしょうか?そのような記事が掲載されていましたので、是非ご一読ください。


熱中症とニセ熱中症 Vol.1 熱中症の“常識”を見直す 意識障害に注意し、重症度を見極める
日経メディカルオンライン 7/13

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520650.html
 熱中症のシーズンが到来した。特に今夏は震災の影響で、全国的に電力供給が不安視されており、冷房器具の使用控えに伴う熱中症の増加が懸念される。また、夏場の心血管疾患と、熱中症との誤診にも注意したい。熱中症患者に適切に対処するためのポイントと予防策をまとめるとともに、“ニセ熱中症”の見分け方についても整理した。
 熱中症による死を防ぐためには、早期の発見、応急処置が重要だ。診断の際は中枢神経症状の有無で重症度を把握し、冷却・補液を行いながら救急搬送の必要性を適切に判断することが求められる。
 全国的に気温が上昇した6月下旬、熱中症の発生が相次いだ。埼玉県熊谷市では24日に39.8℃を記録し、6月の過去最高気温を更新。同市の熱中症による救急搬送数は24日までで昨年6月の4倍に上った。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520650_2.html
“重症”は中枢神経症状で判断
 熱中症を疑った場合、早期に応急処置を行うとともに、重症度に応じて救急搬送などを行わなければならない。まずは、その診断のポイントをおさらいしておこう。
 熱中症の診断には、日本神経救急学会が定めた重症度分類が用いられている。
 ここで、重症度診断の際に最も重要となるのは、中枢神経症状の確認だ。東京都立多摩総合医療センター・救命救急センター長の樫山鉄也氏は、「III度の熱中症は中枢神経症状、肝・腎機能、DIC(播種性血管内凝固症候群)発症の3つから判断するとされているが、肝・腎機能やDICは病院で検査しなければ分からない。野外や診療所では、判断力の低下など意識障害の徴候に注意することが、大きなポイントになる」と語る。
 重症の熱中症は、臓器障害の治療や呼吸・循環管理など高度な医療が必要となるため、高次救急医療機関への搬送が必須となる。ただ、軽症の熱中症患者まで送ってしまうと、救急医療体制がパンクしてしまう。救急搬送が必要な患者をいかに見極めるかが、プライマリケア医の重要な役割だ。
搬送前にバイタルチェックを
 では、救急搬送の目安をどのように考えればよいか。樫山氏は、(1)意識レベルの低下がある(2)呼吸や循環に問題がある(3)症状が改善しない──といった場合に、救急搬送を考慮してほしいと語る。
 このうち、呼吸や循環などのバイタルサインの見極めには決まった数値がない。樫山氏は「あくまで自分の感覚的な目安だが、血圧が収縮期血圧100mmHg以下、脈拍が1分当たり60以下または100以上、呼吸数が1分当たり30以上または10以下などの場合は、救急搬送が適切ではないか」と語る。また、普段の状態より悪化していることが明らかな場合も、搬送の対象になるという。
 なお、高齢者の認知症やせん妄と、熱による意識障害の区別は付きにくい。普段の症状との違いを家族などから聞き取ったり、発症時の状況(場所や室温、症状変化の早さなど)を確認することが求められる。
 また、熱中症と誤診しやすい疾患としては、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患が挙がるほか、尿路感染症や肺炎、髄膜炎などにも注意が必要だ。特に感染症は発熱を伴い、せん妄を起こすこともある。樫山氏は「感染による発熱や脱水でも、冷却や補液といった応急処置は少なくとも有害ではない。それらを実施しつつ適切に鑑別してほしい」と語っている。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520650_3.html
 とはいえ、どの方法からやらなければいけないという決まりはなく、「軽症の患者なら、涼しい部屋に移す程度でもよい」と樫山氏は語る。
 なお、ICUなどの現場では、胃洗浄などの体腔冷水洗浄や体外循環装置による冷却など、あらゆる手段が用いられている。
 もう1つの重要な応急処置は補液。水分と塩分を補給して循環を正常化し、臓器障害などを防止する。
 患者に意識があり、飲み物を摂取できる状態であれば、経口で水分を与える。多くの場合ナトリウムも失われているので、塩分を含む飲み物を選ぶ必要がある。
 「飲み物はORS(経口補水液:水1Lに砂糖40g、塩3g)が適しているが、なければスポーツドリンクでも代用可能だ」(三宅氏)。ORSは市販の「OS-1」が入手しやすい。500mL前後を飲ませ、様子を見る。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520650_4.html
 外来でも、リスクの高い患者には上記のようなアドバイスを記載したビラを配り、同様の指導をしておく。
 脱水の徴候は、乏尿や血圧の低下、粘膜・腋窩の乾燥、足のむくみ消失、皮膚の張り(ツルゴール)低下などから判断する。ヘルパーや訪問看護師にも、これらを伝えておく。こうした徴候が見られたらORSなどを飲ませ、経口摂取が無理なら医師や看護師が点滴を行い、救急搬送を検討するといった具合だ。
 要介護度の高い高齢者には通所系サービスを積極的に活用させ、日中に涼しい環境で過ごすよう工夫する。そのためには、ヘルパーや訪問看護師などとのカンファレンスでハイリスク患者の情報共有も大切だ。
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熱中症とニセ熱中症 Vol.2 猛暑で増えるニセ熱中症 脱水で起こる、心筋梗塞・脳梗塞 
日経メディカルオンライン 7/14

 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520654.html
 夏の暑さが引き起こす疾患は、熱中症だけではない。脱水により血液の流動性が低下し、心筋梗塞や脳梗塞も発症しやすくなる。さらに、糖尿病患者の低血糖発作や清涼飲料水ケトアシドーシスにも注意が必要だ。
 「猛暑下での全身倦怠感は熱中症と考えがち。しかし、中には心筋梗塞が紛れ込んでいることがある」と注意を促すのは、洛和会丸太町病院(京都市中京区)心臓内科部長の浜中一郎氏。同氏は昨夏、熱中症との鑑別が難しかった急性冠症候群(ACS)患者を2人経験した(症例1、2)。
 胸痛を自覚しない心筋梗塞患者の臨床症状は、全身倦怠感や冷や汗など非典型的なものであり、熱中症と区別が付きにくい。夏の暑い盛りに、全身倦怠感や食欲不振を訴える患者が外来を訪れた場合、血液検査や心電図検査などを行わないで、安易に熱中症と診断、対応してしまうことは避けたい。
 特に、心筋梗塞の場合、熱中症と誤診し、熱中症治療のための点滴による補水治療を行うことで、症状を重症化させかねない。浜中氏は、「症例1では、近医で受けた点滴により、うっ血性心不全が発症したと考えられる。その後の治療で軽快退院となったが、急変していてもおかしくはなかった」と振り返る。
 また症例2では、肉体労働中に倒れた患者を同僚が熱中症と思い、しばらくの間、うちわであおいでいた。「もう少し早く搬送されていれば、救命できたかもしれない」と、浜中氏は残念がる。

症例1 熱中症と誤診し点滴加療(症例2とも浜中氏による) 2010 年9月。84 歳、女性。
 糖尿病、高血圧の既往あるも、コントロールは良好。突然冷や汗を伴う全身の倦怠感を自覚。倦怠感が持続し、食欲も低下したため、同日、近医を受診。暑さによる脱水と診断され、点滴加療を受けた。しかし、次第に呼吸困難感が増悪し、2日後に再度、同じ近医を受診。精査を受けたところ、心エコーにて左室壁運動の低下とうっ血所見が認められた。急性冠症候群(ACS)によるうっ血性心不全の診断で紹介受診。心不全の治療後にカテーテル検査を実施し、左回旋枝近位部の完全閉塞を確認。ステント留置術による再灌流を得て軽快退院となった。

症例2 同僚が熱中症と思い込み、救急要請が遅れる 2010 年7月。61歳、男性。
 コントロール不良の糖尿病、高血圧の既往あり。職場で肉体労働中に倒れ、職場の同僚が熱中症と思い込み、しばらくうちわであおいでいた。呼吸をしていないことに気づき、救急要請。救急隊到着時は心室細動を起こしており、心肺蘇生を行いつつ、救急搬送された。来院後の救急室における心肺蘇生で、心拍再開。心電図から心筋梗塞を疑い、緊急カテーテル検査を実施し、左前下行枝の近位部の完全閉塞を確認。ステント留置術により再灌流を得たものの、低酸素脳症を伴う脳幹障害による多臓器不全で死亡。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520654_2.html
 実際、脳梗塞の発症数に関しては、大規模な国内の調査から、冬よりも夏の発症数が多いことが確認されている。中でもラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞が夏に増加する。これは、1998年から07年に163医療機関で脳卒中データバンクに登録された4万7782人の脳卒中患者を対象に解析したもの。その結果、脳梗塞が最も発症しやすい季節は夏(6~8月)であることが示された。
 同調査をまとめた東海大神経内科教授の瀧澤俊也氏は、「一昔前の研究では、脳梗塞は夏よりも冬に多いとする報告が多かった。20世紀以降、日本の気温は上昇し続けている。今回の結果には地球温暖化などによる気温上昇が影響しているのかもしれない」という。また、「夏に、ラクナ梗塞やアテローム性の脳梗塞が増加するのは、比較的細い血管が脱水の影響を受けて詰まりやすいためだろう」と分析する。
 脳梗塞は熱中症と同様に意識障害を生じるが、手足が動かないなどの随伴症状を伴うため、熱中症との鑑別は比較的容易かもしれない。ただし、熱中症と同じ脱水に起因して発症するため、熱中症の患者が脳梗塞を併発する可能性もある。心筋梗塞も同様だ。
 心筋梗塞の季節別発症数に関する大規模な国内調査の報告はないが、浜中氏は、「心筋梗塞で担ぎ込まれる患者が一番多いのは確かに冬。だが、夏にももう一つのピークがある」と自身の印象を語る。
低血糖発作も要注意
 「夏には、暑さによる食事摂取の不良が生じやすく、糖尿病患者の低血糖発作も起こりやすい」と語るのは、名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)内分泌内科部長の山守育雄氏。
 山守氏らが、同病院に救急搬送されてきた低血糖昏睡患者を解析したところ、低血糖昏睡は比較的夏に多く、また、その原因としては食事摂取不良が圧倒的に多かった。低血糖昏睡は、インスリン投与を受けていた患者だけでなく、経口血糖降下薬(特にスルホニル尿素[SU]薬)の投与を受けていた患者でも多かった。また、SU薬投与下で低血糖昏睡を生じた患者のほとんどが60歳以上の高齢者だった。
 山守氏らは、03年以降、外来患者を対象にHbA1cの季節変動を調査している。その平均値は、3月が一番高く、9月が一番低いというもの。「HbA1c値は、1~2カ月遅れで血糖値を反映するため、年末年始に血糖が最も上がり、暑さで代謝が活発になる夏に最低になると考えられる」と山守氏。「血糖値は季節的に変動し得ることを念頭に起きつつ、低血糖発作を起こさないように処方内容を調整する必要がある。特に、SU薬は、日ごろから投与量に気を配ることが重要」と山守氏は話す。 加えて山守氏は、糖分の多い清涼飲料水の飲み過ぎで生じる急性糖尿病である清涼飲料水ケトアシドーシスの患者も夏に散見されるという。「社会的に熱中症対策の重要性が浸透してきているが、スポーツドリンクの飲み過ぎで生じる新たなリスクに関しても、啓発を進める必要がある」と強調する。
 低血糖発作や清涼飲料水ケトアシドーシスでは、動悸や口渇、全身倦怠感、意識障害など、熱中症と似た臨床症状を呈することがある。これらの疾患も熱中症の鑑別疾患に入れておくことが必要だろう。
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熱中症とニセ熱中症 Vol.3 脱水で血液ドロドロは本当? 熱中症患者で血液流動性の低下を観察
日経メディカルオンライン 7/15

 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t147/201107/520667.html
 夏に発症する心筋梗塞や脳梗塞は、脱水によって血液の流動性が下がることが影響していると一般にいわれている。しかし本当に、脱水で血液の流動性は変動するものなのだろうか。
 「脱水患者では、確かに血液流動性の低下が観察される」と言うのは、ひつもと内科循環器科医院(山口県下関市)院長の櫃本孝志氏。
 同氏は、外来を受診する患者の血液流動性を、MC-FAN(micro channel array flow analyzer)という装置を用いて測定している。MC-FANは、採取した血液(全血100μL)を毛細血管と同径程度の微細な流路に流し、血液の流れやすさを測定する装置だ。
 MC-FANを用いて、熱中症患者の血液流動性を調べたところ、血液が最後まで流れ切らずに詰まってしまい、血液の流動性が低下していることを確認できた。
 この患者(60歳代)は、だるさや口渇感を主訴に来院した。体温が40℃あり、血液検査からクレアチニンや尿素窒素、CPKが上昇していた。急性腎不全を合併した熱中症と診断。点滴で水分を補給したところ症状が改善して帰宅した。腎機能の低下が見られたことから再診を勧めたがすぐには来院せず、1カ月後に再度外来を訪れた。その際の血液検査では、クレアチニンやCPKはほぼ正常値に戻っていた。その際も、MC-FANを用いて血液流動性を調べたが、血液は最後まで正常に流れ、血液流動性に異常はなかったという。
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yakko

こんばんは。大変勉強になりました(_ _)
by yakko (2011-07-22 20:59) 

ゆうのすけ

暑中お見舞い申し上げます。

今回の台風のおかしな進路にも感じるんですが 日本全体の気候が 変わってきていますね。

昨年は 一度だけ熱中症に近い症状に なってしまいました。^^;
健康な人でも 気をつけなければいけない (陽気の)時代になってきたのかもしれませんね!
by ゆうのすけ (2011-07-22 21:20) 

もーもー

お久しぶりです
  管理職ともなると  大変ですよね・・・
   現場のが  良くなることがあります・・・・
お身体  ご自愛下さいませ・・・・
by もーもー (2011-07-23 09:40) 

jack

ナイス ありがとうございます。
医療には知識が無いのですが、命を目の前にしての判断は日々大変だと思います。特に最近多いクレーマー的な人たち(まさしく幼稚な自分の意見を強引に押し付ける人)には辟易されるでしょう。今回の熱中症ですが、高校野球のような時は、真夏の時期に大会を開くこと自体が問題だと思う私ですが、医師会で中止の要請はしないのでしょうか?など疑問の多い現代日本です。
by jack (2011-07-23 11:47) 

Koji

yakkoさん
 ご訪問有難うございます。本当に有難いお言葉、有難うございました。

ゆうのすけさん
 お久しぶりです。ご訪問有難うございました。仰る通り、天変地異というか、本当におかしいですね。自然だけではなく、変な人が増えたなぁというのが実感です。

もーもーさん
 ご訪問有難うございます。温かいお言葉、有難うございました。

jackさん
 こちらこそご訪問有難うございました。
 確かにクレーマーと言われる身勝手な方をお見受けすることが多くなりましたが、これはこちらの勝手でクレーマーとレッテルを張っていないかと自問自答することが多いですね。
 恒例行事に対しては、なかなか変更が難しいでしょうね。健康面で言えば、春と秋に開催するのがよろしいかと思いますが、そうなってくると高校球児たちの進路決定にも大きな影響を及ぼしますよね。東京大学が入学式の時期を半年ずらすと報道にありましたが、東大だけが踏み込む問題でもないでしょうし・・・
by Koji (2011-07-27 16:40) 

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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
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         臨床検査技師長
                新井 浩司

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