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0323-636号 震災関連記事 被災地での健康を守るために [kensa-ML NEWS 【緊急】]


 被災地の悲惨な状況が日ごと明らかとなりつつありますが、安否の分からない方々があまりにも多いことに言葉を失ってしまいます。震災発生後から、自身に何が出来るのかを自問自答する日々を過ごしており、目前の業務もこなさないといけない時期ですが、なかなか精力的に前進という気力がわいてこないのも正直な気持ちです。被災者の方々からも多数ご連絡をいただいているのですが、残念ながらお亡くなりになられた方々の情報もいただいています。避難所からの情報もいただいてはおりますが、避難所等でお過ごしになられている方々の健康がとにかく心配です。劣悪な環境で過ごされているため、元々慢性的な基礎疾患をお持ちの方々やお年寄りの方々が衰弱していく姿を見ているのも辛い、何をどうやって支援したら良いものか分からないとのお便りに、私自身もどのように支援したら良いものか、困惑するばかりです。私が立ち上げているブログから情報を得ているとのお便りもありますので、何とか継続させないと、と思っているところです。

 ですから、このメールニュースをお読みになられている皆さんや、ブログをご覧になられている皆さんから転載や転送のお問い合わせも多数いただいておりますが、転載、転送はフリーですので、多くの方々に少しでも多くの情報をお渡しいただければと思います。今時の言葉で言うと「拡散」と言うんですかね?

 私のブログには、どの県からどの程度アクセスされたかが表示されるボックスを設置しています。震災前は岩手県を含めた東北地方からのアクセスが結構あったのですが、震災後は殆どありませんでした。しかし昨日の状況を見ていると、ようやく岩手県からのアクセスがあり、少しずつ復興しているんだなぁ・・・と実感しているところです。

 さて、福島第一原発事故による農作物への影響が深刻化しているこの数日の動向ですが、風評被害もかなりあるようですね。しかし、放射性降下物が急激に増加しているのも事実であり、今後予断を許さない状況です。この内容に関する記事を以下に集めてみました。くれぐれも申しておきますが、不安感を煽るために記事を作成しているのではありませんので、趣旨を勘違いしないでいただきたいと思います。


セシウム137 http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html
環境被曝の経過
 ラップランド人では、大気からコケなどを経てトナカイに入り、トナカイに入っている放射性セシウムを摂取する過程が経路である。ふつうは、土壌から野菜や穀物を経て人が摂取する経路が重要であり、大気中から葉菜への沈着も問題になる。土壌の中での挙動は土質によって異なる。粘土質の土壌ではよく吸着され、植物には取り込まれにくい。
 水圏での挙動は単純ではない。淡水には溶けにくく、湖底堆積物に含まれることが多い。海水には溶けて、魚などに摂取されやすい。


ヨウ素131  http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/11.html
体内被曝までの経過
 人がヨウ素を吸収する主な経路は、牧草→牛→牛乳→人の食物連鎖である。この移行はすみやかに進み、牛乳中の放射性ヨウ素濃度は牧草上に沈積した3日後にピークに達する。牧草から除去される有効半減期は約5日である。牧草地1m2にヨウ素-131が1,000ベクレル沈積すれば、牛乳1リットルに900ベクレルが含まれると推定されている。
 チェルノブイリ事故では、放出量が大きかったために、飲料水、空気などを通る経路も考える必要があった。


首都圏、放射性降下物増える 東京で前日比10倍も 朝日新聞 3/23
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201103220536.html
 文部科学省は22日、福島第一原発事故の影響を受け、上空からちりなどとともに落ちた放射性物質の測定結果を発表した。首都圏などを中心に増加傾向を示した。東京都新宿区で1平方メートルあたり5300ベクレルのセシウム137、3万2千ベクレルのヨウ素131を検出、前日に比べ、いずれも約10倍の濃度に上がった。健康に影響を与える値ではないが、長期に及ぶ監視が必要になる。
 放射性降下物の測定は、文科省が21日午前9時から22日午前9時にかけて全国で行い、分析した。
 東京都の値は、前日のセシウム560ベクレル、ヨウ素2900ベクレルから急上昇した。22日発表のセシウムの値は、放射線管理区域の基準値4万ベクレルの8分の1、ヨウ素の値は、5分の4にあたる。
 この他の自治体のセシウムの値も、さいたま市が1600ベクレル(前日790ベクレル)、甲府市が400ベクレル(同不検出)、宇都宮市が440ベクレル(同250ベクレル)と、軒並み上昇した。
 前日に、最も高い値を記録した茨城県ひたちなか市では、やや下がったものの、セシウム1万2千ベクレル、ヨウ素8万5千ベクレルと、依然、高い値を記録している。福島や宮城は震災の影響で計測できていない。
 東日本は22日も、雨や雪が降ったところが多く、大気中に漂うちりとともに、放射性物質が落下したとみられる。ヨウ素の半減期は8日間と短いが、セシウムの半減期は30年で、地面に降りた後も長期間放射線を出し続ける。土壌や水、農作物への放射能汚染につながりかねないため、今後も監視を続ける必要がある。


農作物から放射能 食べても平気? 朝日新聞
 
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/EaKwqkpc5j
 福島第一原発の事故の影響で、牛乳やホウレンソウから放射性物質が見つかりました。飲んだり食べたりしても大丈夫なのか、まとめました。

■健康害するリスク小さい
Q ホウレンソウや牛乳が放射能で汚染されているの?
A 福島第一原発の事故では、ヨウ素やセシウムなどの放射性物質が周辺に広く飛び散った。それが、ホウレンソウの表面に降り注ぎ、検出された。汚染された草や水をとった牛の乳からも見つかった。

Q どれぐらいの値なの?
A 厚生労働省の規制値に比べると、ホウレンソウからは3~7・5倍のヨウ素が見つかった。牛乳からも最高5倍のヨウ素が出た。規制値は、今回の事故をきっかけに、厚労省が暫定の値として設けたものだ。

Q 汚染された食品を食べたり飲んだりしても大丈夫なの?
A 食品の安全性基準は厳しい値に決められている。健康に影響を与えかねない値より、かなり余裕をもって設定されている。だから、「ただちに健康に影響が出るわけではない」という見方で専門家の意見は一致している。あまり心配し過ぎても
いけないようだ。

Q 汚染された食品をとると、体はどれぐらい被曝(ひばく)してしまうの?
A 今回、ヨウ素に汚染されていることが分かった福島県の牛乳を約1リットル飲むと、人体が受ける影響は、約33マイクロシーベルトという値になる。これは胃のX線集団検診を1回受けた時に受ける放射線量の約20分の1。最も高い値が出た茨城県のホウレンソウを洗わずに1キロ食べたとすると、約330マイクロシーベルトになり、胃のX線集団検診を0・5回受けた値にあたる。

Q それは、どのぐらいのリスクなの?
A そう大きくはない。単純に比較はできないが、妊婦がX線撮影などを受けるとき、胎児へのリスクは、少なくとも5万マイクロシーベルトまでは問題がないとされている。ただ、上限の判断は難しく、米国の学会や審議会の間でも15万マイクロシーベルト~5万マイクロシーベルトと幅がある。

Q 時間がたてば、放射能は弱くなるの?
A 放射線の量が半分になるまでの期間を「半減期」という。ヨウ素の場合は8日と短い。セシウムは30年と長く、長期間、放射線を出し続ける可能性がある。その土地で育った草を家畜が食べ続けると、肉などの畜産物も汚染されてしまうかもしれない。

Q 今後はどんな注意が必要なの?
A 汚染地域は広そうだ。農産物が流通に乗る前に、どれぐらい汚染されているか、早く調べる必要がある。ヨウ素は半減期が短いとはいえ、大量に取ると子どもでは甲状腺にたまってしまい、がんになる危険がある。とりわけ、原発周辺地域に住む子どもには注意が必要だ。

■水で洗えば流せる
Q 食べる時にできることはないの?
A 元原子力安全委員の松原純子さんは「気になる人は流水で洗って。葉の表面についた放射性物質を落とすことができる」と話している。ホウレンソウをお浸しにするとヨウ素、セシウムを50~80%除去できるとの実験結果もある。秋田大名誉教授の滝澤行雄さん(公衆衛生学)は「熱湯でゆでてあく抜きするのも有効」と言う。熱で放射性物質は分解しないが、洗い流す効果があるようだ。

Q 牛乳はどう?
A 液体はこうした方法は採れない。ただ、牛乳で規制値を超える値が検出された福島県川俣町では全酪農家が震災で出荷していなかった。仮に同程度の値の他地域の牛乳を続けて飲んでいたとしても、事故から1週間と時間が短く放射性物質の総量は限られる。いま店頭や家庭にある牛乳を捨てる必要はない。

Q どういう経緯で分かったの?
A 17日に厚労省が地方自治体に調査を求め、19日に結果が出た。全国消費者団体連絡会事務局長の阿南久さんは、すぐに調査を始めて結果を公表し、問題の食品を1年間食べ続けた場合の影響を示したのはわかりやすいという。ただ、調査の全容が明確でないのが気になるという。「調査内容や数値の意味をわかりやすくかみ砕き、消費者はどうすればいいのか、具体的行動に結びつく説明を添えてほしい」と注文している。

■出荷停止を政府検討
Q すでに出荷された農産物はどうなるの?
A 食品衛生法では、有害物質を含む食品の販売を禁じているが、放射能についての基準はない。このため、厚労省は今回、根拠のない風評被害を防ぐため、急きょ暫定規制値をつくり、対応した。でも、規制値を超えるサンプルが出た日の出荷分しか止められない。検査日より前に出荷されたものについて、大塚耕平厚労副大臣は「自主的な対応になる」と話している。

Q 今後の対応は?
A 規制値を上回っても食品衛生法では、調査対象となった農産品をつくった農家の出荷だけしかとめられず、出荷停止の判断も都道府県に委ねている。このため、政府は、原子力災害対策特別措置法に基づき、福島県と茨城県のホウレンソウ、福島県の牛乳の出荷を政府判断で停止する検討を始めた。
 これまでも、茨城県で起きたJCO事故などで周辺から出荷される農水産物の風評被害が起こるなど、食品の放射能汚染は問題になった。風評被害や消費者の不安を解消するため、食品安全委員会などによる丁寧な説明も必要だ。


首相、摂取制限を初めて発動 福島県の葉物野菜など 共同通信 3/23
 
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032301000065.html
 菅直人首相は23日午前、福島県の佐藤雄平知事に対し、同県産のホウレンソウ、コマツナ、キャベツなど葉物野菜や、アブラナ科のブロッコリー、カリフラワーなどを食べないよう全国の消費者らに求める「摂取制限」の発動を指示した。これらに根菜類のカブを加えた野菜の出荷停止も指示した。
 福島第1原発の事故を受け、同県の野菜11品種から、食品衛生法で定められた暫定基準値を大幅に超える放射性物質が新たに検出されたため。11品種と同じような状態と推定される他の野菜も、放射性物質が検出されていなくても広く規制の対象に含めた。
 摂取制限は原子力災害特別措置法に基づく措置で、発動は初めて。消費者が出荷停止前に購入した分を摂取することや、農家の自家消費もやめるよう求める内容だ。摂取制限の期間は「当分の間」としている。
 JA全農を通じ流通する福島県の露地栽培野菜は、21日以降は出荷されていないという。首相は茨城県産の原乳、パセリの出荷停止も指示した。
 厚生労働省は、放射性物質の量が最も多く検出された野菜を約10日間、1日100グラムずつ食べ続けた場合に浴びる放射線量は、1年間で人が自然に浴びる放射線量の約半分に相当すると説明。枝野幸男官房長官は摂取制限の理由について「(放射性物質が飛散する)この状況が長期化することを予測し、早い段階から摂取を控えることが望ましい」と語った。
 同省によると、暫定基準値を大幅に超える放射性物質が検出された福島県の野菜はサントウナ、アブラナなど11品種。
 福島県本宮市で21日に採取されたクキタチナからは、基準値(1キロ当たり500ベクレル)の164倍に当たる8万2千ベクレルの放射性セシウムが検出された。基準値(同2千ベクレル)の7倍以上の1万5千ベクレルの放射性ヨウ素も検出された。
 茨城県でも、水戸市と河内町で19日から21日にかけて採取された原乳、鉾田市と行方市で採取されたパセリから、基準値を超える放射性物質が検出された。
 政府は21日、福島、茨城、栃木、群馬の4県にホウレンソウとカキナの出荷停止を指示。福島県には原乳の出荷停止も指示していた。


「4県産野菜売れない」制限品目以外の返品も 読売新聞 3/23
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38451
 福島第一原発の事故で福島や茨城、群馬、栃木の4県産のホウレンソウなどが出荷制限されたことを巡り、農林水産省は22日、全国の主な卸売業者の約4割に、制限品目以外の返品や契約破棄が広がっていると明らかにした。
 東京・大田市場では、制限品目以外の茨城県産チンゲンサイにも注文が入らず、「4県産の野菜は売れない」との悲鳴が漏れた。一方、小売店からは、「風評被害が生まれないよう、生産者を応援したい」との声も上がった。
 同省が全国136の主な卸売業者を対象に、4県産の野菜のうち、制限品目以外の契約状況を電話で聞き取った結果、約50業者で返品や契約破棄などが確認された。
 ホウレンソウとカキナ以外の4県産野菜は食品衛生法上の放射線数値が規制値を超えておらず、過剰反応とみられる。
 22日朝の大田市場の競りでも、スーパーなどの小売店が、基準値を超えていない茨城産チンゲンサイを敬遠し、普段は1箱(2キロ)700~800円が100円程度に値崩れしたという。
 東京・文京区のスーパーは政府が出荷制限を求める前から、茨城県産の水菜とチンゲンサイを店頭から撤去。今後、福島県産エリンギも他県産に切り替える。
 店長(48)は「生産者は仲間だと思っているので店頭から撤去するのはつらいが、売れないからしかたない」と話した。
 一方、4県産野菜の販売を続けているスーパーも多い。東急ストアはホウレンソウ、カキナを除き、4県産を扱っている。担当者は「消費者の不安をあおらないように、『ホウレンソウ 撤去しました』といった告知文は張り出さない」と言い、目立った混乱はないという。
 東京・江東区のスーパー「八百梅」も出荷が止まっている品目以外は、通常通り、4県産を仕入れている。
 店長の梅田力夫さん(62)は「市場には、検査済みの安全な野菜しか出ない。敬遠していたら生産者がかわいそうだ。風評被害を助長するわけにはいかず、応援してあげたい」と話していた。
 出荷制限の対象となった茨城県と隣接する千葉県では、香取市の「JAかとり」に、農家から「今後どうなるのか」と影響を心配する声が寄せられている。担当者は「茨城県に近いという理由で敬遠されるといった風評被害が出てきたら困る」と表情を曇らせる。
 農水省幹部は「合理的な理由もなく返品するのは望ましくない。大型スーパーや小売店を指導していきたい」と語った。


内部被ばくの防止が重要 正確な測定値と説明示せ
 大阪大名誉教授 野村大成 識者評論「農産物放射能汚染」 共同通信 3/22
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/22/134215/
 福島第1原発事故による住民、特に小児への健康影響では内部被ばくがより懸念される。ヨウ素は甲状腺、セシウムは全身の筋肉、ストロンチウムは骨など特定の臓器に集中的に取り込まれ、危険性は高い。
 私は旧ソ連チェルノブイリ原発事故後のユネスコによる現地調査、英国セラフィールド再処理工場の裁判などに関わってきた。その経験から現時点の疑問に答えたい。
 枝野幸男官房長官らは「直ちに健康に影響はない」と語った。これは原子力事故のたびに国民を安心させるため使われてきた決まり文句である。
 急性障害(症状は1シーベルト以上、治療しなければ7~9シーベルトで死亡)は過去の事故例でも、現場の作業員や救援などで立ち入った人に限られている。しかし、住民に問題になるのは、忘れた頃にやってくる、内部被ばくの晩発影響(8割はがん)であり、その予防である。
 特に、風に乗って遠くまで運ばれる放射能を帯びた降下物が呼吸や、やがては水、食物を介して体内に取り込まれて内部被ばくする。取り込まれた放射性物質の中には、特定の臓器に集中的に蓄積される元素があり、取り続ければ長期間にわたり放射線を浴びせる。
 福島第1原発から約200キロ離れた東京などで検出されている放射線量は風向きや気候で大きく変わる。このまま放出が短期間に収まってくれれば、体内に取り込まれても、首都圏で健康に影響するとは考えにくい。
 放射能の環境汚染を正確に測り、汚染地域を設定して対処することがすぐ課題になる。チェルノブイリ事故では風向き、降雨などの影響で100~180キロ離れた所に高濃度汚染地域が現れた。今回、政府は住民を避難させておいて、周辺での農作物の調査が遅れたのではないか。
 牛の原乳やホウレンソウから暫定基準値を超える放射性物質が検出されても「牛乳は1年間摂取し続けてもCTスキャン1回分程度」だから安全という政府の発表には異議を唱えたい。医療被ばくは健康へのメリットが多いから、規制が除外されているのであって、安全といっているのでない。しかも、CT検査はエックス線の外部被ばくで、これくらいの線量で発がんの心配はまずない。
 これに対し、食物は内部被ばくを起こす。住民、中でも子どもに問題なのはヨウ素131だ。ヨウ素は甲状腺に集まり、ベータ線を出す。半減期が8日と短くても、成長期にある子どもには、取り続ければ危険性が無視できない。
 チェルノブイリ事故では10代後半の被ばくでも、事故15年後に甲状腺がんがピークに達し、通常の10倍を超えた。放射能で汚染した牧草を食べた牛の乳を介してヨウ素が子どもの甲状腺に集中した。それに加え、ヨウ素欠乏地域であったため、甲状腺に放射性ヨウ素がより多く取り込まれ、甲状腺の大量被ばくとなり、がんを起こした。今回は、放射性ヨウ素の値はチェルノブイリよりはるかに低いが、注意は必要である。
 セシウムは半減期が30年と長く、全身の筋肉に均等に取り込まれるが、排せつされやすい。予防の観点から、暫定基準値を超えた農産物の移動・摂取は厳しく制限しなければならないことは、放射線障害の歴史が物語っている。
 風評被害を避けるためにも、政府は土壌や作物を含め、正確な測定値と説明を速やかに示すべきだ。未曽有の大地震津波の被災地を襲った重大な原発事故は一刻も早く終息させ、これ以上の放射性物質の放出を抑えるよう切望する。


 さて先日のメールニュースでも被曝の基礎知識についてお伝えしたところですが、今回は放射能の人体への影響につきお伝えします。


放射能 体への影響は (1) 朝日新聞
 
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/JO3w8VY4JE
 福島第一原発の事故で、放射性物質の放出が依然、止まらない。原子炉の核燃料が安全な温度まで下がらない危険な状況が続いている。人体に害をもたらす放射能とはどんなものなのか、どれぐらい浴びたら健康への影響が出るのか、まとめた。

◆放射線、なぜ怖い?/細胞の遺伝子壊す
Q.放射能とはそもそも何なのか。
A.放射性物質が放射線を出す能力のことだ。放射性物質そのものを放射能と呼ぶこともある。放射能と放射線の関係は、懐中電灯とその光に似ている。光が放射線、光を出す懐中電灯が放射性物質にあたる。懐中電灯が周囲を照らす能力が放射能、ということになる。

Q.では、放射線とは。
A.放射性物質などから出るイオンや中性子といった粒子や、レントゲン写真を撮るときに使われるエックス線などの電磁波のことを、放射線と呼んでいる。

Q.放射線はなぜ怖いのか。
A.生物が放射線を浴びると、細胞の中の遺伝子が壊れたり、構造が変わったりするからだ。自然界でも宇宙や大地から常に放射線が環境に出ているので、少量の放射線であれば人体には影響しない。
 しかし、大量に浴びると体に備わっている修復能力が追いつかず、髪の毛が抜けたり、白血球が少なくなったり、がんになりやすくなるといった問題が起こる。一度にきわめて多量に浴びると、死亡する恐れもある。

Q.原子力発電所で事故が起きたときには、どんな放射性物質が出るのか。
A.種類は様々で、広がり方や人体への影響も違う。気体になったものはすぐに漏れ出し、粒状のものは爆発したときに飛び散る。

Q.すぐに漏れだす気体というのは。
A.まず、クリプトンとキセノンという、ほかの物質と反応しにくい「希ガス」の仲間が出る。気体なので遠くまで飛ぶが、体に付着せず、たとえ吸い込んで肺に入っても長くはとどまらないので不安は比較的少ない。
 ヨウ素は原子炉の中で高温になると気体になって出ていくので、吸い込まないように気をつけなければいけない。セシウムは水にとけやすく、水蒸気とともにまき散らされる。今回、ヨウ素やセシウムは、すでに検出されている。ストロンチウムやプルトニウムは、燃料が溶け、圧力容器も破壊されるほどの惨事でもなければ外へは広がらない。

Q.体への影響はどうか。
A.ヨウ素は甲状腺に集まる性質がある。放射線を出し続ける時間は短いが、成長期の子どもは大人より甲状腺に濃縮されやすいので、特に注意が必要だ。放射線を出さないヨウ素を先に飲むと放射性ヨウ素の沈着を防ぐことができる。ただ被曝する前や直後にのむ必要があり、1日以上経過すれば効果は薄まる。
 セシウムは血液に入ると、いろんな臓器に吸収され、がんになる危険がある。体に入らなくても、地面に降った後も長く放射線を出し続けるので危険だ。半分の量に減るのに約30年かかる。
 ストロンチウムも半分の量に減るのに28年かかり影響が長く続く。骨に沈着し、白血病の原因になりやすい。水や植物を通じて体内に入る可能性もあり、排出されにくい。プルトニウムは体内に取り込まれると骨に集まり、周りの組織にもダメージを与える。
 旧ソ連のチェルノブイリ事故では、セシウムが欧州全域にまで広がり、雨が降った場所を高濃度で汚染した。ストロンチウムやプルトニウムは10キロ圏内を中心に汚染した。

◆がんなどのリスクは?/一度に浴びると高まる
Q.どのぐらいの値で、健康への影響が出始めるのか。
A.年間の被曝量が100ミリシーベルトを超えないことを目安にしている。現在、屋内退避区域となっている福島第一原発から20~30キロの地域では15日、1時間あたり200~300マイクロシーベルトの放射線が計測された。1千マイクロが1ミリだから、これを浴び続けると3週間で超える計算になる。

Q.3週間以上いると、健康に深刻な影響が出てしまうの。
A.すぐに影響が出るとは考えられない。放射線の影響で最も危険なのは、原発の作業員らが一気に非常に強い値を浴びた場合だ。広島、長崎の原爆では、被爆者は白血病や乳・肺・甲状腺がんなどのリスクが高くなった。
 福島県の屋内退避地域では、屋内に入れば被曝する量はぐんと減る。この地域で高い値がずっと続くかどうかもわからない。そもそも、放射線による影響があるかどうかは、1時間あたりの線量に、受け続けた時間をかけた線量で判断する。
 総量が目安を超えても、じわじわと被曝をした場合は、がんになるリスクが高まるという明確なデータはない。一気に浴びた場合のほうが、健康への影響は大きいと考えられている。

Q.どんな理由からそう考えられるのか?
A.チェルノブイリ原発事故により退避させられた30キロ圏内の人は、退避までの間に数十ミリシーベルトの放射線を浴びたと考えられている。しかし、チェルノブイリでの健康影響を調べている長崎大大学院の山下俊一教授(被ばく医療)によると、がんの発症率が高いという報告はないという。甲状腺がんを患った子どもたちは、放射性物質に汚染されたミルクを飲んだのが原因と考えられている。ブラジルやインドなど、年間の被曝量が数十ミリシーベルトと国際的にみても高い地域でも、がんの発症率は高くないという。

Q.今回の福島原発の事故では水道水からも放射性物質は出たようだが。
A.福島県が福島市内の水道水を分析したところ1キロあたり、ヨウ素131が177ベクレル(基準値は300)、セシウムが58ベクレル(同200)、一時的に検出された。この値について、元原子力安全委員の松原純子さんは「お年寄りも子どもも、飲んで安全には問題のないレベルだ」と話している。


放射能 体への影響は (2) 朝日新聞
 
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/pqiRqRd7DL
◆高い測定値、大丈夫?/健康への影響でない値
Q.各地で普段よりかなり高い放射線量が測定されているが。
A.確かに事故以降、近隣都県を中心に、過去の平均値より高い値が検出されている。しかし、毎時、数マイクロシーベルト以下ならば、健康に影響を与えるような値ではないと考えられている。

Q.いったん値が減っても、また高くなることがあるが。
A.福島第一原発では何度か放射性物質の放出が起きているようだ。そのたびに高くなっているほか、上空に漂っていた放射性物質が雨とともに地上に落ちて、数値が上がる可能性も考えられる。
 例えば、福島第一原発のすぐ近くでは15日、午前9時の段階で毎時約1万2000マイクロシーベルトという、非常に高い値を示す場所があった。しかし、この場所は午後3時半ごろには毎時600マイクロシーベルトほどにまで下がった。放射線量は時々刻々と変わっていく。

Q.どうして、変わるのか。
A.放射性物質には、放射線の量が半分になる半減期があって、何もしなくても時間とともに放射線は減っていく。半減期とは、放射線を出す物質が放射線を出しながら壊れて、元の半分の量になるまでの時間のことだ。

Q.退避圏内から来た人と避難所で一緒に過ごしても大丈夫か。
A.近くにいても、問題はない。避難所などでは身体に、放射性物質が付着しているかどうか計測している。もし、身体の表面の放射線量が規定値を超えていれば、シャワーなどで洗い流すことができる。服が汚染されていれば、ポリ袋に密閉して処分すればいい。


 本日のメイン情報に移ります。

 各報道機関では、被災地、特に避難所等で過酷な環境を余儀なくされている被災者の方々に対して、様々な情報を提供しています。同じような内容のものが多いのですが、読みやすいものをと、探してみました。

 被災地では物資を始め医薬品等の不足が深刻な状況となっています。また各医療機関における医療従事者の皆さんは極限状態にも近い過酷な労働状態となっています。私自身も被災地に駈け付け、何か出来ることをしたい気持ちで胸が張り裂けそうです。かなりの長期戦となるでしょうから、自分に今できることは何かということを常に考えていきたいと思います。


被災地での健康を守るために 厚生労働省
 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/disaster.html

1.生活・身の回りのことについて

(1) 寒さへの対策
 ・できるだけ、暖房を確保するほか、毛布を確保したり、重ね着するなどして、暖かく過ごせるようにしましょう。寒い中、外にでる場合は短時間にするなどします。また、乳児や高齢者は特に寒さに弱いので、周囲の配慮が必要です。

(2) 水分について
 [1] 水分の確保
 ・様々なストレスや、トイレが整備されないことが原因で、水分をとる量が減りがちです。また、寒冷と乾燥は脱水状態になりやすくします。特に高齢者は脱水に気付きにくく、こうした影響を受けやすく、尿路の感染症や心筋梗塞、エコノミークラス症候群などの原因にもなるので、しっかりと水分をとるようにしましょう
 [2] 飲料水の衛生
 ・飲用にはペットボトル入りミネラルウォーター又は煮沸水を使用し、生水の使用は避けましょう。
 ・給水車による汲み置きの水は、できるだけ当日給水のものを使用しましょう。井戸水をやむを得ず使用する時は、煮沸等殺菌することに気をつけましょう。

(3)食事について
 [1] 栄養をとる
 ・できるだけ、いろいろな食物を食べるようにしましょう。寒いときにはより多くのカロリーが必要です。
 [2] 食品の衛生
 ・食事の前には、流水が使えるときは、手洗いを励行しましょう。
 ・食料は、冷暗所での保管を心がける等、適切な温度管理を行いましょう。
 ・加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱しましょう。
 ・調理器具等は使用後にできるだけ洗浄しましょう。
 ・下痢や嘔吐等の症状がある方は、食品を取り扱う作業をしないようにしましょう。

(4)トイレの衛生
 ・利用者の数に応じた手洗い場とトイレを設置しましょう。やむを得ない場合には、野外にトイレゾーンを設けることも可能ですが、排せつ物による環境汚染が発生しないよう工夫してください。可能な限り男性用、女性用を分けるなど利用しやすいようにしましょう。
 ・使用後は、流水が利用できるときは手指を流水・石けんで洗い、消毒を励行しましょう。
 ・トイレは、定期的に清掃、消毒を行いましょう。
※ 消毒の方法についてのより詳しい情報は
  
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/disaster_1.html 

(5)生活環境
 [1] 室内の環境
 ・定期的に清掃を行うことに心がけましょう。
 ・病気の方、ご高齢の方に配慮しつつ、寒冷に十分に配慮して換気をしましょう。また、分煙にしましょう。
 ・避難生活が長期に及ぶと、布団にダニが繁殖し広がりやすいので、定期的な清掃のほか、できれば、布団・毛布等の日干しを行うことが望ましいです。
 [2] 屋外の環境
 ・避難所のゴミは定期的に収集して、避難所外の閉鎖された場所において管理してください。
 [3] その他
 ・こころのケアのためにも、できるだけプライバシーを確保できる空間や仕切りなどを確保しましょう。

2.病気の予防

(1)感染症の流行を防ぐ
 ・避難所での集団生活では、下痢等の消化器系感染症や、風邪やインフルエンザ等の呼吸器系感染症が流行しやすくなります。
 ・避難所の生活者や支援者は、こまめに手洗いを励行するよう心がけてください。可能であれば、擦り込み式エタノール剤やウェットティッシュを世帯単位で配布するのが望ましいです。
 ・発熱・せきなどの症状がある方は、避難所内に風邪・インフルエンザを流行させないために、軽い症状であっても、マスクを着用しましょう。
 ・下痢の症状がある方は、脱水にならないよう水分補給を心がけましょう。また、周囲に感染を広げないように、手洗いを励行してください。
 ・これらの症状がある方は、できるだけ速やかに医師の診察を受けてください。可能であれば、入院を含む避難所外での療養を検討しましょう。
 ・また、けがをした場合には、そこから破傷風に感染するおそれがあります。土などで汚れた傷を放置せず、医療機関で手当を受けるようにしてください。
※ 国立感染症研究所では、保健衛生担当者・医療従事者向けの「被災地・避難所における感染症リスクアセスメント」を  
http://idsc.nih.go.jp/earthquake2011/index.html で提供しています。

(2)一酸化炭素中毒の予防
 ・一酸化炭素中毒の恐れがあるので、屋内や車庫などの換気の良くない場所や、窓など空気取り入れ口の近くで、燃料を燃やす装置(発電機、木炭使用のキャンプストーブなど)を使用しないようにしましょう。一酸化炭素は無臭無色であり、低い濃度で死亡する危険があります。
 ・暖房を使用する場合には、換気に心がけましょう。

(3)粉じんから身を守る
 ・家屋などが倒壊すると、コンクリートや断熱と耐火被覆に用いられた壁材などが大気中へ舞ったり、土砂などが乾燥して細かい粒子となります。これら粉じん等を吸い込むと気道へダメージを与えます。有害な粉じんはとても細かいので、身を守るためには防じんマスクのような特殊なマスクが必要です。解体作業等は、装備を調えた上で行ってください。

(4)エコノミークラス症候群にならないために
 ・食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。その結果、血の固まり(血栓)が足から肺や脳、心臓にとび、血管を詰まらせ肺塞栓や脳卒中、心臓発作などを誘発する恐れがあります。この症状をエコノミークラス症候群と呼んでいます。
 ・こうした危険を予防するために、狭い車内などで寝起きを余儀なくされている方は、定期的に体を動かし、十分に水分をとるように心がけましょう。アルコール、コーヒーなどは利尿作用があり、飲んだ以上に水分となって体外に出てしまうので避けましょう。できるだけゆったりとした服を着ましょう。また、禁煙は予防において大変重要です。
 ・胸の痛みや、片側の足の痛み・赤くなる・むくみがある方は早めに救護所や医療機関の医師に相談してください。
※ エコノミークラス症候群についてのより詳しい情報は
  
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/disaster_2.html へ。

(5)心身の機能の低下予防
 ・災害時の避難所生活では、体を動かす機会が減ることで、特にお年寄りの場合には、筋力が低下したり、関節が固くなるなどして、徐々に「動けなく」なることがあります。
 ・また、動かないでいると、だんだん心が沈んできて「3.こころのケア」にあるような症状が出てしまうこともあります。
 ・身の回りのことができる方は、なるべく自分で行ったり、可能な作業に参加したりしてください。
 ・声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしましょう。
※ より詳しい情報は、平成20年6月14日付『「岩手・宮城内陸地震」による避難生活に伴う廃用症候群の発症予防について』  
http://www.jcma.or.jp/images/association/20080615-01.pdf  をご参照ください。

(6)歯と口の清掃(口腔(こうくう)ケア)・入れ歯
 ・避難生活では、水の不足等により、歯・口・入れ歯の清掃がおろそかになり、食生活の偏り、水分補給の不足、ストレスなども重なって、むし歯、歯周病、口臭などが生じやすくなります。特に高齢者では、体力低下も重なり、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症を引きおこしやすくなります。
 ・できるだけ歯みがきを行い、歯みがきができない場合でも、少量の水でできるうがい(ぷくぷくうがい)を行いましょう。また、支援物資には菓子パンやお菓子も多いですが、食べる時間を決めるなどして、頻回な飲食を避けるようにしましょう。
 ・入れ歯の紛失・破損、歯の痛みなどで食べることに困っている方は、避難所の担当者に相談しましょう。
※ より詳しい情報は、(財)8020財団のホームページで、歯とお口の健康小冊子
  
http://www.8020zaidan.or.jp/magazine/index.html
    口腔ケア 
http://www.8020zaidan.or.jp/care/index.html  が提供されています。

3.こころのケア
 ・今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。
 ・これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。
 ・不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。
  しかし、
  1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる
  2)眠れない
  3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる
  などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。
 ・また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどして心のケアをすることが大切です。
※ こころのケアについてより詳しい情報は、(独)国立精神・神経医療研究センターのホームページ  
http://www.ncnp.go.jp/mental_info/index.html で提供されています。

4.慢性疾患の方々へ
 ・慢性疾患の中には、治療の継続が特に欠かせない病気があります。
 ・人工透析を必要とする慢性腎不全、インスリンを必要とする糖尿病等の方は、治療の継続が必須ですので、今すぐ医療機関を受診できるよう相談してください。
※ 透析を受けられる医療機関等の情報は、各都道府県や日本透析医会の災害情報ネットワーク
  
http://www.saigai-touseki.net/ で提供されています。この情報は適宜更新されます。
※ 主治医等との連絡が困難な場合の、インスリン入手のための相談連絡先は、(社)日本糖尿病学会のホームページ  
http://www.jds.or.jp/ で提供されています。
 ・高血圧、喘息、てんかん、統合失調症等の慢性疾患の方も、治療を中断すると、病気が悪化する恐れがあるので、医師・保健師・看護師等に相談してください。
 ・なお、被災者が健康保険証を持っていない場合も、医療機関の受診は可能です。

5.妊婦さん、産後まもないお母さんと乳幼児の健康のために
 ・妊婦さん、産後まもないお母さんと乳幼児は、清潔、保温、栄養をはじめとする健康面への配慮や主治医の確保について、保健師などに相談し情報を得ておくことが必要です。
 ・また、災害により受けたストレスや特殊な生活環境は、母子に様々な影響をもたらす可能性があります。そのため、特に産前産後のお母さんの心の変化や子どものこれまでと異なる反応や行動に気を配ることが必要です。また、授乳時などに短時間であってもプライベートな空間を確保し、話しかけやスキンシップを図ることが大切です。このための空間を確保するため、周囲も配慮しましょう。なお、母乳が一時的に出なくなることがあっても、不足分を粉ミルクで補いつつ、おっぱいを吸わせ続けることで再び出てくることが期待できます。また、粉ミルクを使用する際の水は衛生的なものを用意し、哺乳瓶の煮沸消毒や薬液消毒ができない時は、衛生的な 水でよく洗って使いましょう。
 ・自ら心身の健康状態をチェックし、次のような症状や不安な事があれば、医師・助産師・保健師等に相談してください。場合によっては精神的(メンタル)ケアが必要なこともあります。

◎注意した方がよい症状
 妊婦さん
 ・お腹の張り・腹痛、膣からの出血、胎動(お腹の赤ちゃんの動き)の減少、浮腫(むくみ)、頭痛、目がチカチカするなどの変化を感じた場合
 ・胎児の健康状態、妊婦健診や出産場所の確保に関する不安などがある場合

 産後間もないお母さん
 ・発熱、悪露(出血)の急な増加、傷(帝王切開、会陰切開)の痛み、乳房の腫れ・痛み、母乳分泌量の減少などがある場合
 ・気が滅入る、いらいらする、疲れやすい、不安や悲しさに襲われる、不眠、食欲がないなどの症状がある場合

 乳児
 ・発熱、下痢、食欲低下、ほ乳力の低下などがある場合
 ・夜泣き、寝付きが悪い、音に敏感になる、表情が乏しくなるなどいつもの様子と異なるなどのことが続く場合

 幼児
 ・赤ちゃん返り、食欲低下、落ち着きのなさ、無気力、爪かみ、夜尿、自傷行為、泣くなどのいつもの様子と異なることが続く場合
※ より詳しい情報は、妊産婦・乳幼児を守る災害対策マニュアル(東京都福祉保健局少子社会対策部家庭支援課)
  
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/shussan/nyuyoji/saitai_guideline/index.htm
  や、命を守る知識と技術の情報館(兵庫県立大学) http://www.coe-cnas.jp/index.html で提供されています。


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[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
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