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0316-632号 震災関連記事 被曝について [kensa-ML NEWS 【緊急】]

各報道機関の皆様へ
 以前、記事引用に関し皆様と一部引用を厳守することについて取り決めをさせていただきました。今回はこのような危機的状況ですので、ネットトラフィックを軽減する目的もあり、全文引用させていただきます。申し訳ございませんが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。なお、記事に関し問題がありましたら、私宛、ご連絡を頂ければ幸いに存じます。

                                                神戸医療センター 新井 拝


 連日被災地からの悲惨な状況を見るにつけ「何か自分に出来ることは?」と自問自答されている方は多いと思います。私も義援金やその他何か支援できることは?と考える日々を過ごしています。やはり有益な情報を出来る限りご提供することと思いましたが、様々なHPやブログなどでは、多くの方々が震災関連情報を流されています。ですから出来る限り医療従事者として少し違った目線でお届けできればと思います。

 日本国内だけではなく海外からも続々と被災地に対してのエールが送られていますが、ツイッタ―上では#prayforjapanというハッシュタグで世界中からのメッセージが届けられています。そのツイッタ上で心に残るつぶやきが紹介されているサイトがありましたので、ご紹介しておきます。内容はサイトをご覧ください。
 
http://prayforjapan.jp/tweet.html


 さて世界最大級の大地震、大津波に加え、大きな関心事(心配事)となっている原子力発電所における事故。震災当日の午後五時までは天災、それ以降は人災とも言われていますし、スリーマイル以上、チェリノブイリ以下とも言われています。枝野官房長官のご説明は非常に分かりやすいのですが、具体的な事をもっと知りたいという方もおられることでしょう。原発構造体や被曝についての具体的な記事がありましたので、ご紹介しておきます。


東日本大震災:原発「五重の壁」でカバー 毎日新聞 3/15
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110315k0000e040078000c.html
 原発ではウラン燃料を核分裂させ、生み出した熱で発電している。その時に発生する放射性物質を外界に出さず閉じこめるため、原発は核燃料を「五重の壁」で覆う構造になっている。第1が、ウラン燃料を焼き固めたペレット▽第2が丈夫な金属の被覆管▽第3が厚さ約15センチの金属製の原子炉圧力容器▽第4が厚さ約3センチの鋼鉄製の原子炉格納容器▽そして最後の第5の壁が、厚さ1メートル以上の鉄筋コンクリート製の原子炉建屋(たてや)だ。
 2号機の爆発では、第4の壁の格納容器の一部が損傷した恐れがある。また、すでに炉心溶融が起きていることから、第1、第2の壁も損傷している。


 ここからは被曝に関するもの。人体と放射線の関係を分かりやすくまとめたものが以下URLです。

原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト http://www.atomin.go.jp.nyud.net/atomin/high_sch/reference/radiation/jintai/index_06.html


東日本大震災:窓閉め換気最小限に 被ばくQ&A 毎日新聞 3/15
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20110315k0000e040077000c.html
 原発事故による住民被ばくが現実のものになった。被ばくを最小限に抑える方法をまとめた。

Q だれが被ばくした可能性がある?
A 原発から出た放射性物質は目に見えない微粒子です。風で広がる可能性があります。気になる人は、外出後に顔や手、髪など露出している部分を洗い流してください。

Q 被ばくしたかどうか確実に知りたい場合は?
A 原発がある自治体や大きな病院には「ガイガーカウンター」という装置があり、体に放射性物質が付着していないか調べられます。今のところ、福島第1原発周辺の住民は避難したりしているので、強く汚染していることは考えにくいです。

Q 避難指示を受けたり、被ばくする可能性が高い状況になったら?
A 屋内退避指示が出たら、窓をしっかり閉め、エアコンや換気扇を使わないようにして、換気を最小限にします。外出する場合は、マスクやぬれタオルなどで口・鼻を覆えば、放射性物質を体内に取り込む「体内被ばく」を最小限に抑えることができます。帰宅したら服を脱いで、ビニール袋に入れて口を縛り、すぐシャワーを浴びてください。

Q 雨のときはぬれない方がいいの?
A 空気中に含まれる放射性物質の濃度が高い地域では、雨にも放射性物質が含まれる恐れがあるため、ぬれないように気を付けたほうがいいです。複数の情報源でチェックする必要があります。


被曝って何? 基礎知識Q&A 朝日新聞 アピタル震災特集 
 
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/iRUM4h6LJg
 東日本大震災で起きた原発の炉心溶融に伴って、放射性物質が外部に出る事態になっている。放射線が健康に及ぼす影響や、対処法についてまとめた。(編集委員・中村通子、木村俊介)

Q. 被曝って何?
A. 体が放射線にさらされること。放射線を出している物質が、体の外にある場合を「外部被曝」、体の中に入り込んでいる場合を「内部被曝」という。対応の仕方は大きく変わる。 外部被曝は、X線撮影のようなタイプと、体の表面に放射性物質が付くタイプがある。「体表面汚染」と呼ぶ。今回のケースでは、原発からでた細かなちり状の放射性物質が体や洋服につくと、体表面汚染を起こす。

Q. 体表面汚染がおきたら、どうすればいいの?
A. 汚染があるかどうかをまず「サーベイメーター」で測る。汚染が確認されたら、除染をする。

Q. 除染の手順は?
A. 大阪大の嶋津岳士教授によると、まず服を脱ぎ、ぬれタオルなどで、全身をよくぬぐう。細かい切り傷などは注射器で丁寧に水をかけて洗う。
 除染の目的は、付着した放射性物質を体から取り除くこと。付いたままだと被曝が進み、健康被害が出る危険性が高くなるからだ。また、いち早く取り去ることで付着した放射性物質をほかの人に広げないという意味もある。
 脱いだ服は厳重に隔離される。自宅に帰れない今回のような場合、着替えの服をどうするか、財布などの貴重品は持っていていいのかなどの課題もある。

Q. 内部被曝は、どうやって起きるの?
A. 吸い込む・飲み込む・傷からはいるの三つの経路で、放射性物質が体内に入り込むと起きる。傷のない健康な皮膚から入り込むことはほとんどない。
 今回の事故では、ヨウ素などガス状の放射性物質が放出されている。吸い込むと内部被曝を起こしうる。

Q. 内部被曝が起きたらどうするの?
A. 体内にとどまっている間、ずっと被曝が続くので、薬剤で吸収を妨げたり、早く排出させたりする。ヨウ素の場合は、甲状腺に蓄積する特殊な性質がある。放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれる量を減らすため、放射線を出さない医療用のヨウ素剤を飲む。

Q. ヨウ素剤を飲めば大丈夫?
A. 万能薬ではない。薬の狙いは甲状腺がん予防だけで、放射線による健康被害全般を防ぐ効果はない。前川和彦・東京大名誉教授によると、甲状腺がんは進行が遅いため、40歳以上だったら、あまり心配する必要はない。それより若い人は、医師の指示に従ってきちんと飲もう。

Q. 被曝を防ぐ方法は?
A. 今回の場合だと、自宅など建物の中にいるのが最善だ。ちりやガスからの被曝を減らせる。ただし、窓を閉めておくのを忘れないようにしよう。避難指示が出たら、速やかに従う。

Q. 被曝と健康の関係は?
A. 大量の放射線に被曝すると、さまざまな健康被害が起きる=グラフ。海外の文献によると、5万ミリシーベルト以上被曝すると、48時間以内に死亡するとされている。東京電力によると、広島原爆では、爆心から500メートルの地点で約9万5千ミリシーベルトと推定されている。
 今回、13日午後2時前に福島第一原発の敷地の境界で観測された値は1時間あたり1.56ミリシーベルト。5万ミリシーベルトの約3万2千分の1。
 全身に被曝した場合、一般に1千ミリシーベルトを超えると、病的な症状がでるとされている。

Q. 胎児は大丈夫?
A. 原爆胎内被ばく者の疫学調査では、100ミリシーベルト以下では胎児に奇形や発達障害などはなかった。世界保健機関は妊娠早期の被曝であっても、被曝総線量が100ミリシーベルト以下だったら人工中絶は正当化されないと宣言している。


被曝 どう防ぐ (1) 朝日新聞 アピタル震災特集
 
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/c5bgdFdLjB
 東日本大地震の影響で、福島第一原発では、爆発や放射能の放出など大変なことが次々に起きている。いま、現場では、一体、何が起きているのか。放射線から身を守るには、どうすればいいのか。専門家に聞いた。

◆ 福島原発、何が起きてる?/炉の熱、下げられず
Q. 地震から時間がたっているのに、なぜ福島第一原発で次々と大変なことが起きているの?
A. 地震後にすぐ、核分裂反応を止めることには成功した。でも、原子炉の中の核燃料はその後もしばらく熱を出し続ける。通常なら水で冷やして温度を下げ、発熱をとめるが、今回は大地震と津波によって冷却システムが働かなくなってしまった。そのため温度が下がらず、予期しない反応が次々起きている。

Q. 水素爆発が起きたと聞いたけど。
A. 核燃料の仕事は、水に浸かって周りの水をわかすこと。それで発生する水蒸気がタービンを回して電気を起こす。今回、この水が減り、燃料が水の上に出たうえ、きわめて高温になったため、燃料を覆う材料が化学反応を起こして水素が発生した。1号機と3号機では建物の中にたまったこの水素が空気中の酸素と反応して爆発したとみられている。

Q. 爆発しても原子炉は壊れないの?
A. 原子炉は丈夫に造られているので、1、3号機で壊れたのは建物だけだった。ただ、2号機は建物ではなく圧力抑制室と呼ばれる部分が壊れた。さらに、4号機は、原子炉は地震の前から点検中で、燃料を建物内のプールで保管していたが、何らかの理由で、建物4階で火事を起こした。

Q. 放射性物質はどこからもれているの?
A. 原子炉の圧力を下げるために外に逃がした蒸気に少し入っていた。壊れた圧力抑制室からは、それよりずっと多い量が出たようだ。ただ、ほとんどの放射性物質はまだ原子炉の中に閉じこめられている。さらに放出されないよう、原子炉の温度と圧力を下げることが何より必要だ。

◆ 30キロ圏内、どうすれば?/外出避けて、窓閉めて
Q. 福島第一原発から30キロ以内に住んでいる人が気をつけることは?
A. 放射性物質を避けるため、外に出ないようにする。外部の空気を入れないようドアや窓を閉め、換気扇やエアコンを止める。洗濯物は屋内に干そう。ペットもできるだけ外に出さない。

Q. どうしても外に出なくてはならないときは?
A. 原発の風下側を通るのはできるだけ避けよう。帽子や手袋を着け、肌を露出させないように。鼻や口は湿らせたマスクやハンカチで覆う。帰宅後は、全身をシャワーで洗い流し、着替えよう。放射性物質が付着した服は、ポリ袋に入れて口を縛っておく。雨にあたると放射性物質が落下するので、傘やかっぱを使って、ぬれないよう注意しよう。

Q. 子どもや妊婦は?
A. 万が一、子どもが高いレベルで被曝すると、甲状腺に放射性ヨウ素が集まり、甲状腺がんなどになる危険がある。体内に取り込みにくくする安定ヨウ素剤がある。妊婦も優先的に飲む必要がある。ただ、市販されておらず、自治体などが備蓄している。副作用の恐れもあるので、むやみに飲まない。避難所や救護所などで、専門家の指示に従って服用する。

Q. 放射線の被曝濃度はどうやって測るの?
A. 外から浴びた放射線を測るには「サーベイメーター」という装置を使い、頭や両腕などに当てて測定する。放射性物質を吸い込んだり、傷口から入ったりすると、内部被曝が起こる可能性もある。心配な場合は、専門機関で鼻の粘膜などを採り、測る。

Q. 原発の周りで作業していた人は大丈夫?
A. 短い時間に大量の放射線を浴びると、数時間から数日で急性の症状が出る。目安となるのは100~150ミリシーベルト。1千ミリシーベルトで嘔吐などの症状が出てきて、3千ミリシーベルトを超えると大変危険だ。免疫系がダメージを受けると、肺炎などの感染症になりやすくなる。骨髄移植などの治療が必要になることもある。


被曝 どう防ぐ (2) 朝日新聞 アピタル震災特集
 
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/34HJeNSNzQ
◆離れた場所の住人は?/雨に注意、飲み水安全
Q. 放射性物質が風に乗って遠くに運ばれたの?
A. 各地で検出された放射性物質の値は普段よりも高いが、直ちに健康に影響が出る値ではない。外出や洗濯物を外で干すのを控える必要もない。子どもの外出も大丈夫。また、ヨウ素131ならば空気より重いので、風が弱ければあまり遠くま
で拡散しない。ただ、放射性物質を含んだ雲が風に乗って移動し、雨になって降り注ぐ恐れもあり、雨にできるだけぬれないよう、注意が必要だ。

Q. 現地で採れた野菜を食べても大丈夫?
A. 放射性物質が付着したものは食べてはいけない。30キロ圏外で採れた野菜は、表面についた放射性物質を洗い流せばいい。普通に水洗いすれば十分と言われている。

Q. 飲み水は安全?
A. 現在の線量であれば、水道水を飲んでも影響はない。ただ今後、水源地が汚染されていないか注意は必要だ。

Q. インターネット上で、昆布やワカメに被曝予防効果があると読んだけど?
A. 昆布やワカメにはヨウ素が含まれているが、量が一定でなく、吸収に時間がかかる。また、「うがい薬やのどスプレーにもヨウ素が含まれているから被曝の予防効果がある」という誤った情報も流れている。これらの薬にはヨウ素以外の成分も多く含まれている。健康に影響を及ぼす可能性もあり、飲んではいけない。そもそも予防効果はない。

【中川恵一・東京大准教授(放射線医学)の話】
◇問題になるレベルではない
 人の発がんリスクが問題になる被曝線量は200ミリシーベルト以上と考えられている。100ミリシーベルト以下ならば、健康上の問題になるレベルではない。福島第一原発から離れた場所で測定されている毎時数マイクロシーベルト(1ミリシーベルトは1千マイクロシーベルト)という放射線量ならば、健康への影響はないと考えていい。長期的にも健康に影響が出るレベルに達するとは考えにくい。
 米国のスリーマイル島原発事故でも、その後の追跡調査で周辺住民のがん死亡は一般人に比べて増えていなかった。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故後には小児の甲状腺がんが増えたが、対応が遅れて被曝線量がかなり高かったことが影響した可能性がある。遺伝的影響についても、これまでの疫学調査の結果によると人では影響は認められていない。住民のみなさんは安心してほしい。

【放射線の健康被害】
 放射線が人体に与える影響には、被曝した本人への身体的影響と、子孫にあらわれる遺伝的影響がある。身体的影響には、被曝から数週間以内の早期に出てくる脱毛などの症状と、数カ月以降になって出てくる白血病など長期的な影響がある。早期影響は原発のごく近くで大量の被曝をした場合でないと起きない。
 長期的な影響は数十年に及ぶと考えられている。広島、長崎の原爆被爆者の協力を得て調べた調査では、白血病や乳・肺・甲状腺などのがんのリスクが被爆者では高くなっている。ただし、リスクは被曝した放射線量による。線量が低ければ、はっきりした影響はみられない。白血病で亡くなった原爆被爆者のデータでは、200ミリシーベルト以上で明らかにリスクが高くなっている。福島第一原発の敷地内で15日に測定された毎時400ミリシーベルトならば30分で200ミリシーベルトに達するが、現在、避難している住民に影響が出るレベルではない。
 放射線による遺伝的影響については、原爆被爆者の子どもで調べた疫学調査などがある。これらの結果、遺伝的影響でがんなどが増えるとは考えられていない。

【放射線測定器】
 体に影響を与える放射線量を測る機器のこと。体の外から浴びた「外部被曝」の放射線は、「サーベイメーター」という携帯型の機器を使う。頭や顔、両腕などを体表面から数センチ離して順番に測っていく。放射性物質を吸い込んだり、汚染された食物を口に入れたりして起こる「内部被曝」の可能性が高い場合には、専門的な医療機関で検査する。座ったり寝たりした状態で全身を測定できる「ホールボディーカウンター」で、体の中から発生する放射線を検出する。ほかにも鼻の粘膜や吐いたもの、尿や便などから検査する方法もある。

【シーベルト】
 放射線を浴びた時の人体への影響を表す単位。放射線にはいくつもの種類があり、人に対する影響度は違う。それを共通の尺度で測るための単位だ。人は世界平均で、普段の生活でも年間2.4ミリシーベルトの放射線を浴びている。1時間あたりに直すと0.274マイクロシーベルトだ。胸部のCTスキャンの1回の放射線量は6.9ミリシーベルト。一度に大量の放射線を浴びた方が体へのダメージは大きい。放射線業務に従事する人の年間上限は50ミリシーベルト。宇宙飛行士の若田光一さんは2009年に4カ月半国際宇宙ステーションに滞在した際、約90ミリシーベルトの線量を受けたと見積もられている。

【安定ヨウ素剤】
 放射性物質の一種であるヨウ素131が体内の甲状腺に取り込まれるのを防ぐ薬。体内被曝による甲状腺がんを防ぐ効果がある。あらかじめ吸い込むことが予想される場合に予防的にのんだり、吸入後に治療的にのんだりすることがある。ただし、一時的に副作用で甲状腺機能が低下する可能性もある。成人は甲状腺がんになる恐れがほとんどないことなどから、原子力安全委員会によるヨウ素剤予防投与の方針は、40歳未満の人を対象として、1回のみの服用としている。また、ヨウ素過敏症の人などは服用してはいけないとしている。


放射性物質 どう防ぐ 読売新聞
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38048
まず建物内へ 皮膚露出避け避難 汚染後は除染 鈴木元・国際医療福祉大クリニック健康管理センター長
 福島第一原発で、1号機に続き、3号機でも水素爆発が起きた。健康への影響はどうなのか? どう対処したら良いのだろうか? 放射線災害に詳しい鈴木元(げん)・国際医療福祉大クリニック健康管理センター長に聞いた。

Q 水素爆発が起きると何が心配なのか?
A 原子炉は格納容器に覆われ、さらに周りに建屋があった。爆発は、原子炉を冷却した際に生じた水素が建屋に充満して起きた。爆発と同時に、原子炉から漏れ出た微量のヨウ素やセシウムなどの放射性物質が飛び散る可能性もある。

Q 放射性物質に触れることで被曝(ひばく)が起きるのか?
A その通り。病気の診断でも、CT(コンピューター断層撮影)などの検査を受けると微量の放射線を浴びる。今回のケースは放射線そのものではなく、放射線を出す物質が周囲に飛び散る危険がある。こうした物質が皮膚や衣類に付着し、物質が出す放射線を浴びることを外部被曝、放射性物質が口や皮膚の傷口などから体内に入り、体の内側から放射線を浴びることを内部被曝という。

Q 建物の中にいれば安全なのか?
A どの程度、放射性物質が飛散しているかによるが、外にいるよりは、家の中にいた方が被曝を抑えることはできる。屋内退避と言われたら、窓やドアをしっかり閉め、換気扇はつけないなど外気を遮断する。

Q 避難で外に出なければいけない時は?
A なるべく皮膚の露出を防ぐ服装をし、帽子をかぶり、鼻や口は湿らせたタオルやマスクで覆う。避難所に着いたら、まず、衣服や体に放射性物質が付着しているかどうかを検査する。汚染が確認されたら、付着した放射性物質を落とす除染をす
る。

Q 除染の方法は?
A 衣服を脱ぐ、ぬれたタオルでふきとる、シャワーを浴びるなどの方法がある。どの方法をとるかは、避難所の体制や、汚染の程度に応じて専門家が判断する。脱いだ衣服は、ビニール袋に入れて口を縛っておく。

Q 除染を受けた人の近くにいても大丈夫?
A 放射性物質が除去されているので問題ない。除染を受けた人は普段通りの生活をして大丈夫だ。

Q 食べ物は?
A 外に置いてあった食べ物は放射性物質が付着している可能性も残る。十分洗い流せば良いが、控えた方が無難だ。室内にあったものはまず、問題ない。

Q 雨や雪が降ったら?
A 屋内退避や避難を求められている地域では、雨や雪に放射性物質が含まれている可能性があるので、外出は控える。やむを得ず外出する際は、避難の時と同じ注意を心がけ、極力短時間で済ませる。

Q どの程度被曝したかを知ることはできる?
A 被曝線量は、染色体の分析や症状、血液検査、内部被曝を測定する全身計測装置などを調べて総合的に評価する。
 ただ、染色体の分析ができる専門家や、全身計測装置は非常に少なく、個人の希望で実施はできない。1999年の東海村臨界事故では、現場で作業をしていた重症患者や、一定以上の被曝の疑いが高い住民らに限り行われた。
 原発からの距離や、どこにいたか(屋内か屋外か、屋内なら木造かコンクリートか)、いつ、どこへ移動したかなどから推定する方法がある。念のため、行動記録をつけておくと良い。


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コメント 2

tama

貴重な情報を、まとめて提供していただき有難うございました。
by tama (2011-03-16 16:02) 

fumiko

福島県の被災者の方がおっしゃっていた
地震、Tsunami、原発の三重苦という表現に、
返す言葉が見つかりません。
物資の輸送を迅速に、温かなスペースに1日も早く移動できますように!
心からの切望です。体力も消耗しますよね、この寒さでは。
今は原発汚染が一番心配です。
by fumiko (2011-03-17 23:25) 

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