0217-628号 あなたの処方箋:/88~90 いびき [kensa-ML NEWS 【特集】]
ほんと、久し振りの配信となります。ツイッタ―の方ではたまに記事のご紹介というか、つぶやきに毛の生えたものをお送りし、ブログにも掲載されていたのですが、本格的な記事配信は久し振りとなります。
昨年10月くらいから様々なお仕事が舞い込み、かなり四苦八苦していました。その状態は何ら変わらないのですが、何名かの方々から「どないしてんの?生きてる?」との温かいお電話をいただき、生存証明ということで一念発起(とたいそうなものではないですが)、配信しようと思った次第です。この数カ月、様々な方々と接点を持つことが出来、懐かしい方々にも多数お会いしましたが、新たな領域にもトライしようと、先週の話ですが、医師、看護師、薬剤師の方々にお話しをさせていただく機会を得ました。その講義の中でもメールニュースやブログを宣伝してきましたので、「なんや、偉そうなことを言っていて更新あんまりしてへんやんか」と思われるのも癪であったのも一つの原因です。
先週は、近畿ブロック事務所主催のチーム医療研修会で「がん診療に関わる臨床検査」というテーマでお話しさせていただいたのですが、臨床検査技師が積極的に外来化学療法に参画しているといった話はあまり聞きませんでした。正直言って、治療前の診療前検査で迅速検査を行っているご施設が殆どじゃないでしょうか。事実、今回の研修会の対象は、医師、看護師、薬剤師であり、臨床検査技師の存在は皆無。内容的には基礎編と応用編の二部構成でした。がん診療、特に化学療法は臨床検査とは切っても切れない仲のはずなのですが、臨床検査技師とは疎遠の状態。少しは切り口が見つかったかな?と思います。春からはこの分野でも仲間に入れていただき、全国に対しても良いモデルケースとなれば、と考えています。キーワードは、急性期疾患より慢性期疾患こそ臨床検査技師の出番がある!です。
講義内容につき、見てみたいという方は私宛私信をいただければと思います。
さて、今日もいつものようにコラム、社説のご紹介から入ります。
先日、GDPが世界第二位の座から転落との激震ニュースが日本国中を駈け廻りましたが、国全体としての話でしょう?あまり深刻にならずに質の向上をもっと目指せば良いんじゃないの?と思いました。やはり安かろう、悪かろうの商品は長持ちしないでしょうし・・・それよりももっと意識してもらいたいのは、国民一人当たりの金額。オリンピックもそうですが、人数が多ければそりゃあ、化けものだって出てきますよね。そう考えると日本国民って本当に優秀だと思いますよ。
またエコノミックアニマルと言われた高度成長期、その時代を否定するつもりはないのですが、環境汚染だの何だのと批判ばかりを繰り返すのは如何なものか、とも思います。同じことを我が国もしてきたのですから。やはり「識」をしっかりと国全体として持ちたいものです、はい。
京都新聞社説 2/16 http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html
なにも自信を失うことはない。むしろ発奮して、新たな道へ踏み出す転機にしたいではないか。
2010年の日本の国内総生産(GDP)が名目で5兆4742億ドル(479兆2231億円)と、中国の5兆8786億ドルを下回り、世界3位に転落した。
1968年に当時の西ドイツを抜き、42年間守り続けた米国に次ぐ世界2位の「経済大国」の座を中国に譲った。
少子高齢時代に突入し、長いデフレに苦しむ日本は、高い経済成長を続ける中国にさらに差を広げられるだろう。
しかし、悲観ばかりしても仕方ない。成長から成熟へ、量から質へ、社会や経済を転換する新時代のビジョンを積極的に打ち出す意欲こそ、今求められている。
この20年、日本のGDPが伸び悩む中で、高度成長期に見られた貪欲さは影を潜め、「内向き」指向がまん延している。
たとえば、若者の海外志向は低下し、米ハーバード大・大学院の日本人留学生は1999年度に151人いたのが5人に減った。
企業をみると、利益を新規事業や研究・開発に回さないでため込む「内部留保」が倍増している。銀行が融資に回す預貸率も80・6%から71・1%に減り、安全な国債保有が5倍以上になっている。
成長期を支えたハコモノ公共事業に代わって、環境や医療、介護、バイオなどの新分野に投資する積極性が転換期には必要だ。
この20年で労働時間は短くなり、持ち家率は7割から8割になった。一方で年収200万円以下が全雇用者の4人に1人と増え、かつての「一億総中流」は崩れつつあるのが現実だ。
自殺が3万人を超え、子どもの虐待は後を絶たない。これらはGDPに反映されない。
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さて暗い話題ばかりが目立つ今日この頃ですが、国の根幹たる政治の世界が混沌とし通しです。現政権を立ち上げる際に盛り上がっていたあの雰囲気は一体何だったのでしょうか?国益を損なう言動ばかりですね。「潔さ」が日本古来の美学だったのではないかと思いますが、どちらも潔くないですね。権力に固執し過ぎると、かくもこの様になるのか、こちら側が先入観を持って見るせいなのかよく分かりませんが、このところ良い顔をされておられませんよね。日本では30才過ぎると自分の責任、とよく言われますが、アメリカでは40歳なのですね。
いずれにしても、国益を重視した政権運営ならびに英断をお願いしたいところです。理解力の乏しい方に振り回されている時間は無い筈です。
筆洗 東京新聞コラム 2/13
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011021302000046.html
往生際の悪さばかり目立ったテレビ演説が、大統領としては最後のテレビ出演になった。副大統領への権限委譲を表明したものの、即刻の辞任は拒否していたエジプトのムバラク大統領がついに民衆革命に打ち倒された▼独裁者の末路は哀れである。大統領は家族とともに首都カイロを脱出し、紅海のほとりの保養地に逃れた。国外脱出しなかったのは「エジプトの地に埋まりたい」と演説で訴えた手前のせめてものプライドか▼三十年も独裁者でいる人間は、かくも悪相になるのかと、ムバラク氏の顔をニュースで見るたびに思っていた。副大統領時代の写真を見ると、さっそうとした美男子なのだ▼「四十歳をすぎた人間は、自分の顔に責任をもたねばならない」という言葉を残したのは米国のリンカーン元大統領。重ねた経験がにじみ出るという意味だろう。ムバラク氏の顔には独裁者の権力欲、高慢、猜疑(さいぎ)心が張り付いていた
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民主党処分 親小沢勢力の反対は筋違いだ(2月16日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110215-OYT1T01157.htm
党内事情に配慮した、甘い処分案だと言わざるを得ない。
政治資金規正法違反で強制起訴された小沢一郎元代表の処分について、民主党は常任幹事会で、裁判の判決が確定するまで党員資格停止とすることを多数決で了承した。
党倫理委員会に諮問し、その答申を受けて、正式決定する。
党員資格停止になると、党の役職に就けなくなる。選挙区支部長の資格も停止され、党の活動費をもらえなくなる。
ただ、処分としては、除籍、離党勧告に次ぐもので、最も軽い。各種世論調査では、小沢氏は議員を辞職すべきだ、との意見が過半数を占めており、多くの国民の認識との乖離(かいり)は大きい。
民主党執行部が重い処分を避けるのは、小沢氏の処分に反対する党内の親小沢勢力との対立を激化させたくないためのようだ。
小沢氏に近い議員は、予算関連法案採決時の造反をほのめかしている。鳩山前首相も、「党内でいじめのようなことが起きている」などと執行部を批判した。
しかし、小沢氏の強制起訴や説明責任の回避、元秘書3人の起訴などを踏まえれば、政党としてけじめをつけるのは当然だ。親小沢勢力の主張は筋違いである。
小沢氏らは、検察審査会の議決に基づく強制起訴を「密室の決定」などと批判する。だが、この制度を導入した2004年の改正検察審査会法に民主党が賛成したことを忘れてはなるまい。
そもそも、民主党は今、党内抗争をしている場合なのか。
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2月17日付 よみうり寸評
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column2/news/20110217-OYT1T00576.htm
〈こんな優柔不断な人物に国政を委ねたらどんなことになるのか〉――かつて評論家・江藤淳氏が書いた。鳩山由紀夫前首相のこと◆〈国民の安全を保障する国家の防衛について真剣に考えた形跡がまったくない〉ともある。もう15年も昔、江藤氏生前の「鳩山家四代の禍根」という文にあるのだが、氏の炯眼(けいがん)に感服する◆氏の見立て通り鳩山氏を首相の座につけたらとんでもないことが起きた。とりわけ普天間問題で江藤氏の危惧は実証された。そして首相の座を降りた今もと
んちんかん発言が続く◆「米海兵隊の抑止力を方便で使った」発言が波紋を広げている。沖縄も米国もいやだれもがあきれた。政治家としての資質を疑う◆首相在任当時から発言のぶれは甚だしく、振り返って列挙するには紙幅がとても足りないが「首相を降りたら影響力は行使しない方がいい」「次期選挙には出ない」はもう一度その発言に戻るべし
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さてここからは医療関連情報に移ります。まずはピュアな医療情報にしたかったのですが、政治がらみのお話から。
以前から看護師不足のお話は再々取り上げてまいりましたが、やっぱりここは日本ですから「郷に入れば郷に従え」だと私は思いますし、あくまでも日本の看護師国家試験ですから。国際協力・支援も勿論でしょうが、事の発端は看護師不足を海外労働で補おうとの発想ですから。日本人の英語力UPはもはや必須だとは思いますので、母国語に英語を追加しますかね?
ご参考までにEPAについて解説を加えておきます。
経済連携協定
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A
経済連携協定(Economic Partnership Agreement:EPA)は、経済条約のひとつで、自由貿易協定(FTA)を柱として、関税撤廃などの通商上の障壁の除去だけでなく、締約国間での経済取引の円滑化、経済制度の調和、及び、サービス・投資・電子商取引等のさまざまな経済領域での連携強化・協力の促進等をも含めた条約である。
FTAとEPAの違い
自由貿易協定(FTA)は、特定の国や地域との間でかかる関税や企業への規制を取り払い、物やサービスの流通を自由に行えるようにする条約のことである。
一方、経済連携協定(EPA)は、物流のみならず、人の移動、知的財産権の保護、投資、競争政策など様々な協力や幅広い分野での連携で、両国または地域間での親密な関係強化を目指す条約であり、通商政策の基本ともいわれる。
地域間の貿易のルールづくりに関しては、過去、世界貿易機関(WTO)を通した多国間交渉の形が取られていたが、多国間交渉を1つ1つこなすには多くの時間と労力が取られるため、WTOを補う地域間の新しい国際ルールとして、FTAやEPAが注目されている。
EPA/FTAを知っていますか?
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/koho/index.html
インドネシア人の看護師の卵、滞在1年延長へ 政府方針 朝日新聞 2/16
http://www.asahi.com/health/news/TKY201102150658.html
インドネシアから受け入れている看護師の候補者について、菅政権は15日、滞在期間を1年間延長させる方針を固めた。この夏に滞在期限を迎えるのは91人。不合格者の全員を対象とするのではなく、本人の意欲など一定の条件を踏まえて限
定的にする方向だ。
2007年に署名したインドネシアとの経済連携協定(EPA)では、看護師の候補者について3年間の日本滞在を認めた。08年8月に来日した第1陣は、今月20日の国家試験に不合格なら帰国を迫られる。ただ、大量の帰国者を出せば、「平成の開国」を掲げる菅政権のイメージダウンは避けられない。
外務省や厚生労働省など関係省庁の副大臣は15日に対応を協議。滞在期間を1年間延長する方向で一致した。第1陣の人を特例として、不合格でも来年の受験機会を与えることで最終調整している。
一方、「日本語が十分にできない看護師が患者や医療者と意思疎通できなければ医療安全面で支障が出る」という慎重な意見も根強く、対象者は絞り込む。判断材料として、看護師候補者に対して日本国内で就職する意思を再確認したり、候補者を受け入れた医療機関側に本人の勤労意欲を聞いたりする案が検討されている。具体的な条件を詰めたうえで、6月までに正式決定する。
看護師国家試験では、日本人の9割が合格するのに対し、EPAで受け入れているインドネシア人とフィリピン人の昨年の合格率はわずか1%。問題に使われる日本語が難しいとの指摘があり、今年の試験から病名に英語を併記したり、常用漢字以外の漢字にふりがなをつけたりする変更がなされる。
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明日へのカルテ:第4部 続・看護師不足の現場から/上 地域医療、消える病棟 毎日新聞 2/17
http://mainichi.jp/select/science/news/20110217ddm001040047000c.html
◇自治体病院、2割が閉鎖・病床減
西日が差し込む無人の病棟は、時間が止まっているようだった。フレームだけのベッドが並ぶ病室、パソコンなどが撤去され、備品の入った段ボール箱が積まれたナースステーション……。「つい1カ月前は看護師さんたちが忙しく動き回っていたんですけどねえ」。女性職員は寂しそうにつぶやいた。
栃木県那須烏山市にある那須南病院(150床)。同市と北隣の那珂川町が運営する公立病院だが、今月から高齢者らが長期入院する療養病棟(50床)を休止した。今年度は約100人の看護師のうち離職者が15人に達する見込みとなり、補充が間に合わないためだ。入院患者33人は他の病院や福祉施設、自宅などに移らざるを得なかった。
15人の離職理由は▽夫の転勤3人▽家族の介護2人▽結婚・子育て2人--など。同病院は2市町で唯一、入院や手術が必要な救急患者に対応する2次救急医療を担っており、関口忠司院長は「毎年5~7人が辞め、新人らの採用で何とか補ってきたが、それ以上は難しい。救急機能維持のためにも療養病棟の休止は仕方なかった」とため息をつく。
この地域では介護施設も不足し、患者の中には約30キロ離れた宇都宮市へ転院した人もいる。寝たきりの妻を那須烏山市内の短期入所型介護施設(入所期間の上限が30日)に移した同市内の男性(64)は「1カ月ごとに入退所を繰り返さなければならないから大変。献身的にお世話してくれる那須南病院の方が安心だし、早く再開してほしい」と話す。
近年、看護師不足により病棟休止(閉鎖)や病床削減を余儀なくされた病院が地方を中心に続出している。全日本自治団体労働組合(自治労)が昨年12月~今年1月、全国736の自治体病院を調査したところ、回答した250病院のうち33病院が病棟を閉鎖していた。日本自治体労働組合総連合(自治労連)の自治体病院アンケート(08年)でも、回答した161病院のうち約8%が病棟を閉鎖し、約12%が病床を削減していた。
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次は遺伝子、ES細胞に関するトピックを二篇。コメントを加えていると長くなるのでATLとHAMに関する参考となるサイトのご紹介だけしておきます。
成人T細胞白血病
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g2/k02_38/k02_38.html
成人T細胞白血病リンパ腫
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/ATL.html
アトムの会(全国HAM患者友の会)
http://www.minc.ne.jp/~nakusukai/index.atomu.htm
成人T細胞白血病:原因遺伝子を特定 マウス実験で京大 毎日新聞 2/16
http://mainichi.jp/select/science/news/20110216k0000e040008000c.html
京都大ウイルス研究所長の松岡雅雄教授らの研究グループは15日、成人T細胞白血病(ATL)や難病の脊髄(せきずい)症(HAM)の原因遺伝子をマウス実験で特定したと発表した。松岡教授は「この遺伝子へのワクチンの開発を進めれば、予防や治療につながる」としており、成果は米専門誌「プロス・パソジェンズ」電子版に掲載された。
ATLやHAMは、ウイルス「HTLV-1」がTリンパ球に感染することで発症する。感染者は国内で約108万人とされ、ATLは浅野史郎・前宮城県知事が発症し注目された。
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脳神経へ変化促す物質発見 ES細胞 理研神戸 神戸新聞 2/17
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0003809408.shtml
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)は、ヒトとマウスの胚性幹細胞(ES細胞)が脳神経細胞に分化するよう、細胞内の特定の遺伝子に命令するタンパク質を突き止めた。このタンパク質を利用することで、脳神経細胞だけを選んで作ることが可能になり、パーキンソン病などの患者に細胞を移植する再生医療の実現を早めるという。研究成果は、17日の英科学誌ネイチャー電子版に掲載される。
ES細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、さまざまな細胞になる能力がある「万能細胞」と呼ばれ、傷ついた臓器や組織を再生できると期待されている。万能細胞から脳神経細胞への分化は実現しているが、その仕組みは解明されていなかった。従来の作製方法では脳神経以外の細胞が混入し、がん化や副作用の危険性が高まるなど安全性の面で課題が残っていた。
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さて本日のメインニュースに移ります。
皆さんはSASをご存じでしょうか?スカンジナビア航空でもサザンオールスターズでもありません。勿論、睡眠時無呼吸症候群のことです。社会問題ともなって早10年ほどとなりますが、社会的認知度の割には「あのいびきのひどいやつでしょう?」位の認識しかない方も多いかもしれません。今回は特集記事と合わせ、分かりやすいサイトをご紹介しておきます。私のブログへも既にSAS発見プロジェクトのツールを張り付けています。一度ご覧ください。可愛い羊たちが次から次へと落ちてきますので。
睡眠時無呼吸症候群
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E6%99%82%E7%84%A1%E5%91%BC%E5%90%B8%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん、sleep apneasyndrome;SAS)とは、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気である。
病気の定義(概念)
「無呼吸・低呼吸指数」(apnea hypopnea index;AHI)が5以上かつ日中の過眠などの症候を伴うときを睡眠時無呼吸症候群とする定義が多い(米国睡眠医学会の提唱する基準より)。
ここでは
無呼吸
口、鼻の気流が10秒以上停止すること。
低呼吸
10秒以上換気量が50%以上低下すること。
無呼吸・低呼吸指数
1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせたもの。
を指す。
なお、この定義には当てはまらないものの低呼吸状態を繰り返して不眠を訴える場合があり、その場合も睡眠時無呼吸症候群と同様、患者のいびきや歯ぎしりがひどい場合が多いため「いびき・歯ぎしり不眠症」と呼ばれる。
分類
睡眠時無呼吸症候群は、次の3種類がある。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS, Obstructive SAS)
上気道の閉塞によるもので呼吸運動はある。肥満者は非肥満者の三倍以上のリスクがあるとされる。また、顎が小さい骨格であるほど発症のリスクも高い。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
呼吸中枢の障害により呼吸運動が消失するもの。
混合性睡眠時無呼吸症候群
閉塞型と中枢型の混合したもの。
ほとんどは閉塞型で中枢型は少ない。
原因
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がり気道を閉塞することが主な原因である。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
脳血管障害・重症心不全などによる呼吸中枢の障害で呼吸運動が消失するのが原因である。
症状
就寝中の意識覚醒の短い反復、およびそれによる脳の不眠
昼間の耐えがたい眠気
抑うつ
頻回の中途覚醒
集中力の低下
(家族などが気づく)睡眠時の呼吸の停止
(家族などが気づく)大きな鼾(いびき)など
(家族などが気づく)夜間頻尿(2型糖尿病になりやすくなる)
起床時の頭痛
インポテンツ(女性の場合は月経不順)
のどが渇く
こむら返り
糖尿病性昏睡
家族などの同居者がいない場合、この病気の発見は非常に遅れる。特に自覚症状が弱い場合は誰にも発見されないため、その状態が徐々に悪化して深刻な問題を起こしてしまう。よくある深刻な問題の例は、自動車の運転中に強い眠気が発生し運転操作を誤って人身事故になることである。そしてこういう事故をきっかけにこの症状を知るというケースが目立つ。この病気が一般社会に知られるようになったのも、患者が起こした事故の報道によるものであった。
また、同居者がいてもこの病気に関する情報を持っていなければ、単に「いびきをかきやすい性質」としか認識されず、治療開始が遅れることもありえる。
睡眠時無呼吸症候群に特有のいびきは、普通の「すーすー」「ぐーぐー」「くーくー」といった、音の長いものではなく、「・・・・・・(しばらく無音の後)ぐばあっ!」という衝撃の伴うような特徴を持っている。水中に長く潜っておき、急浮上して息を吸い込む時の音色に近い。どちらもその直前まで呼吸をしていないことが共通している。
いびきとSAS
http://www.sas-info.jp/
SAS net
http://www.kaimin-life.jp/
【毎日新聞社記事 2011/02/15】
あなたの処方箋:/88 いびき/1 眠気のない睡眠時無呼吸症候群も
http://mainichi.jp/life/health/news/20110215ddm013100017000c.html
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熊本県上天草市で09年10月、遊漁船が岩に激突し、釣り客2人が死傷する事故が起きた。原因は男性船長(当時53歳)の居眠り。国土交通省運輸安全委員会の今年1月の報告書によると、船長は睡眠中いびきをかき、就寝後3~4時間で目が覚めることが頻繁にあった。船長は事故後、中等度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された。一方で船長は「目覚めの悪さや眠気はなかった」と証言。安全委は本人に自覚のない慢性的な睡眠の質の低下が居眠りの誘因と結論づけた。
いびきによって一時的に息が止まるSASは、03年にJR山陽新幹線の運転士が居眠り運転したトラブルをきっかけに注目を集めた。いびきは、舌根(ぜっこん)が沈み、気道咽頭(いんとう)がふさがれて起きる。その時、10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上、あるいは一晩(7時間)に30回以上でSASと診断される。
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【毎日新聞社記事 2011/02/16】
あなたの処方箋:/89 いびき/2 重症者は脳や血管に負担
http://mainichi.jp/life/health/news/20110216ddm013100205000c.html
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「あなたもいびきをかくのでは?」。国立病院機構福岡病院の中野博・睡眠センター長は記者(33)を見て言い当てた。身長173センチ、体重65キロ。あごは細めで「標準体形」を自任してきたが近年、おなかが出てきた。就寝時は別室に避難する妻の観察によると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではないようだが、中野センター長は「音の強いいびきはそれだけで要注意」と警告する。
中野センター長によると、SASを発症していない88人を、いびきの音の強弱で4段階に分けて調べたところ、最も弱いレベル1は就寝前と起床時の血圧に差がなかったのに対し、レベル4は起床時に13%上昇した。別の調査では、いびき重症者は軽い人より脳に血液を送る頸(けい)動脈に動脈硬化が起きる確率が3倍に増えた。
いびきによる呼吸は、睡眠時に舌やのどの筋肉が緩み、舌根(ぜっこん)が沈み込んで気道咽頭(いんとう)をふさぐため、細いストローでするようなもの。専門家は「努力呼吸」と呼び、強い音は努力が激しい証拠だ。睡眠中も盛んに心臓が働き続ける上、血中の酸素飽和度が繰り返し下がるので脳や血管に負担がかかる。
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【毎日新聞社記事 2011/02/17】
あなたの処方箋:/90 いびき/3 確立した治療法、合併症も予防
http://mainichi.jp/select/science/news/20110217ddm013100017000c.html
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「接客中も睡魔に襲われた。家族はうるさくて眠れず、家庭崩壊寸前だった」。
福岡県那珂川町で理髪店を営む梁瀬憲二さん(43)は09年、重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された。その日から始めたのがCPAP(シーパップ)療法。枕元に置いたティッシュ箱大の装置で空気を加圧し、ホース伝いに鼻マスクから送り込む。保険が適用され月約4500円で貸してもらえる。「10代のころのような爽快な目覚めが戻った」と梁瀬さん。眠気がなくなっただけでなく、食事制限もあって90キロあった体重は75キロに減り、頻繁だった風邪もかかりにくくなったという。
現時点で有効薬のないSASには、CPAPがほぼ唯一の治療法だ。対症療法なので使い続けなければならないが、まず、いびきを止めることで生活の質は改善し、心血管疾患のリスクを抑えることができる。SAS患者らで作る東京のNPO法人「SASネット」によると、鼻が乾くなどの理由で装置が合わない患者は2~3割。圧力の微調整が欠かせず、同ネットは相談に応じてくれる推薦医療機関をホームページ(http://www.sas-j.org/)に掲載している。
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PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い
遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか?
筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
宜しくお願いいたします。 http://enigata.com/index.html
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臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。
さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。
現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。
ご質問、ご意見、ご感想などございましたら、gamdango@csc.jp までご遠慮なくメッセージをお送りください。ただし医療相談等には内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご了解ください。
NHO神戸医療センター
臨床検査技師長
新井 浩司
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