SSブログ

臨床検査に触れていただくコーナー③ ~糖尿病診断基準改訂について~ 2010年2月作成 [Gam's Channel]


【はじめに】
 今年の冬は非常に厳しい寒さでした。朝晩の寒暖差も激しく風邪をひかれたり、新型インフルエンザ、感染性胃腸炎の流行などと相まって、体調管理が困難であったのではないでしょうか?この広報誌が 発刊される頃には「春」が到来しかけているかもしれませんが、ゴールデンウィーク辺りまでは朝晩の冷え込みが厳しい時もあろうかと思います。くれぐれもご自愛ください。

 さて、昨年11月日本糖尿病学会において「糖尿病の診断基準とHbA1c(ヘモグロビンA1c)の国際標準化に関するシンポジウム」が開催され、10年振りに糖尿病診断基準が改訂される見込みとなりました。本号では、その内容をご説明するとともに、臨床検査データの標準化についても少し触れてみたいと思います。本号も最後までお読みいただければ幸いです。



【糖尿病の新しい診断基準(案) 日本糖尿病学会2009年11月1日発表】
スライド13.jpg


 
上図が今回改訂による新診断基準となります。

 下図はこれまでの糖尿病診断基準ですが、これまでの診断基準においてHbA1cは補助的な診断基準に過ぎませんでした。今回の改訂によりHbA1cの糖尿病型診断における有意性が認められ、診断基準として明記されました。

 またこれまでのHbA1cの基準では6.5%以上を糖尿病型の参考基準としていたのですが、今回の 10年振りの改訂により6.1%以上と厳しい基準となっている点が大きな変更点です(血糖値の基準に変更はありません)。


スライド12.jpg


【HbA1cの話題提供・・・国際標準化の流れ】
 現在、世界では、①日本で使用しているJDS(Japan Diabetes Society)、②米国を中心として使用しているNGSP(National Glycohemoblobin Standardization Program)、③欧州を中心に今後世界的標準となることが予定されているIFCC(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)、の三つのHbA1cの値(基準)が存在しています。各基準で使用している単位は、JDSとNGSPでは%、IFCCではmmol/molとなっています。世界の地域により単位や値がバラバラであることにお気づきだと思います。この三つの基準間では換算式によりそれぞれの互換性が保たれる仕組みとなっています。


スライド7.jpg


 世界的には、前述しましたようにIFCC値に統一される予定となっていますが、日本においては、4.3~5.8%といったHbA1cの基準範囲や単位が普及しています。そのため基準範囲や単位を同時に変更してしまうと、臨床や患者さんの間で大混乱となる可能性が高く、まずは米国のNGSP値に変更し、普及した段階でIFCC値に変更する二段階で国際標準がなされる予定となっています。

 なお、①NGSP値はJDSの値に比べ約0.4%高い値で示されること、②今回の糖尿病診断基準改訂によりHbA1cの糖尿病型基準が6.1%に引き下げられること、③日本国内ではJDS値とNGSP値の併記を行うことにより非常に分かり難い内容となること、などにより臨床現場における混乱を避けるための分かりやすい患者さんへのご説明が重要となってきます。その意味からも本広報をご活用いただければ幸いです。


スライド8.jpg


 また前述のような検査データの国際標準化の流れはHbA1cだけではなく、その他様々な項目にも到来しています。ただし、それ以前の問題として日本国内においては、生化学、免疫項目の一部しか標準化、すなわち日本国内どこでも同じ検査データが得られるといった状態にはなっていないのが現状です。このような大きな問題についても今後、お知らせしていきたいと考えています。


【後記】
 今回の記事内容はまだ確定のものではなく、予定段階であることをあらかじめご了承ください。また「分かりやすく気軽に臨床検査に触れていただく」には、少々難しい内容であったかもしれません。  言葉足らずの部分もあろうかと思いますが、ご意見、ご質問など、どしどしいただければ幸いです。

 前回の記事において、日本医師会臨床検査精度管理調査(略して、日医サーベイ)のことに少し触れましたが、平成21年度の成績が返ってまいりました。結果は100点満点中の99.8点。我々のお出しする臨床検査データは日本医師会のお墨付き、すなわち高品質だとの太鼓判をいただきました。この場をお借りしてご報告させていただくとともに、安心して当センターの臨床検査をご活用いただきますようお願いいたします。

 次号はトピック的なことがあれば、その内容を最優先にお伝えしたいと思います。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。


nice!(28)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 28

コメント 0

Facebook コメント

トラックバック 0


[ひらめき] Facebook・・・友達リクエスト、フィード購読大歓迎
     https://www.facebook.com/gamdango
[ひらめき] Facebook・・・最新情報はこちら
       https://www.facebook.com/Project102.MT

 

[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
          http://enigata.com/index.html


    人気ブログランキング   臨床検査ランキング   Ameba_banner.jpg

人気ブログランキングにほんブログ村ランキング(臨床検査)に参加しています(Amebaは姉妹サイトです)。
啓蒙活動の一環として参加していますので、バナー↑↑↑へのクリックに是非ともご協力ください[ひらめき]


 臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。

 さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。

 現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。

 ご質問、ご意見、ご感想などございましたら、
gamdango@csc.jp までご遠慮なくメッセージをお送りください。ただし医療相談等には内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご了解ください。

         NHO神戸医療センター
         臨床検査技師長
                新井 浩司

好き放題コメントを加えた最新の医療系情報(科学系、農業系、少年野球系話題も満載?)をご提供しています。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

この広告は180日新規投稿のないブログに表示されます