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1213-620号 埋め込み型補助人工心臓2製品が承認 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 12月も早半分を過ぎてしまいました。年内に書かなければならない原稿はあと五つ。どうやってこなしていきましょう・・・と少々途方に暮れています。書きかけると一日二日で書き上げてしまうのですが、締め切りに追われることが恒常化してしまい少々危機感や緊張感が希薄になりつつある今日この頃です。ちょっと気持ちも体も引き締めないといけませんね。(--;

 この危機感や緊張感に関してですが、うちの野球小僧たちにも同じことが言えるのかもしれません。久し振りのSSC野球小僧ネタですが、昨日、スポーツ少年団教育長杯決勝戦でしたが、見事大敗というか玉砕。これまで抽選負けはしていたものの、負けたことの無い相手だっただけに監督、コーチ、お母さん方は非常にショックというか悔しい気持ちでした。が、当の小僧たちは悔しそうな顔も見せず淡々としたというか、あっけらかんとしたもの。涙を流す子なんて一人もいませんでした。大人の方はそっちの方がショックかも。確かに今季、決勝9回目の出場で4回の優勝を果たしています。またこの数か月故障者が続出で、いつも通りのフォーメーションは出来ない状態であることは確かですが、勝利への執着心がもう薄れてしまっているのか、どうなんでしょうね・・・あと残り3大会を残すのみとなっていますので、最後に悔いを残すことの無いようにしてもらいたいと願う今日この頃です。

 さて話題をがらりと変えます。先日行われたノーベル平和賞授賞式ですが、異様な雰囲気の漂うものになっていたことは既に皆さんもご存じのことと思います。世界中で隣国に対する批判が相次いでいます。一部内政干渉とも思えることもありますが、やはり異常さが際立っているのは確か。まさに裸の王様状態の隣国ですが、説得すればするほど頑なになっていくような気もしますし、かといって放っておくとますます図に乗ってエスカレートする気もします。隣国みたいな人ってたまにいますよねぇ・・・人の話は聞けない、理解力に乏しい・・・困ったものです。(--;

 しかし「孔子平和賞」は歴史的な茶番劇というか、茶番劇ならユーモアもあるというものでしょうが、あまりにも識も格も無い恥さらしな行為ですね。あくまでも私の批判対象は政府側であって、善良な国民ではありませんので念のため。


獄中の平和賞 それでも育つ市民の力 東京新聞社説 12/11
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010121102000063.html
 ノーベル平和賞が中国の獄中にいる劉暁波氏(54)に贈られた。劉氏は市民の権利を広げ、社会の矛盾を克服しようと呼び掛けた。こうした声を抑圧することは大国の将来を危うくするのではないか。
 劉氏は共産党の一党独裁を批判し「国家政権転覆扇動罪」に問われ懲役十一年の刑で服役した。
 急進的なイメージでとらえられがちだが、二年前の十二月十日に劉氏らが起草しインターネットで発表した「〇八憲章」は過激な内容とは思えない。
 〇八憲章は改革・開放政策が「民衆の生活水準を大幅に高め」、「市民社会の成長を促した」と高く評価する。
 しかし、「政権集団が権威主義的な政治を続け政治変革を拒んだ」ため「官僚の腐敗、法治の不徹底、道徳の喪失、(貧富の差の拡大による)社会の両極分化」を招いた。経済の偏った発展で「社会の矛盾は不断に累積し不満が高まった」という。「官と民の対立による(暴動など)集団事件の激増が抑えられない」現在の体制は改革せざるを得ないとしている。
 そして言論の自由、人権の尊重、法の下の平等などを実現し、民主的選挙で政府を選ぶことを通じ「権利を基本に参加を責任とする公民意識を高める」ことを呼び掛けている。これらの主張は多くの人々に受け入れられるだろう。
 事実、〇八憲章は民主活動家だけでなく、農民の権利擁護や環境問題、都市開発に伴う立ち退きや消費者問題などに取り組む市民や法律家、記者など多くの人々が賛同し一万人以上が署名した。
 あわてた共産党政権は憲章発表直前に身柄を拘束していた劉氏を起訴し、その言論のみを理由に重罪を科す改革・開放開始以降では例のない強硬姿勢に出た。
 しかし、これは欧米諸国の強い反発を買い劉氏の平和賞受賞を招いた。中国の強い反対にもかかわらず人権を尊重する多くの国々が授賞式に出席し意思を示した。
 中国が授賞式を前に本人と家族のみならず、市民の権利拡大を主張する人々の自由を拘束していることは「中国が巨大な監獄になった」と批判を浴びている。
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【産経抄】12月12日 産経新聞コラム
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101212/plc1012120244002-n1.htm
 劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞に対し、中国外務省の報道官は「政治的茶番劇」と非難したそうである。「茶番劇」とは、すぐ底が割れるようなバカバカしい行為を指す日本語だ。中国にもそっくり同意義の言葉があるらしい。
▼劉氏へのノーベル賞には、中国の民主化こそ平和への道だという国際社会の願いが込められている。そんな真摯(しんし)な願いに背を向け、授賞式を妨害しようとし「茶番劇だ」と切って捨てる。まるで世界中が中国に従うべきだ、と言わんばかりの傲慢さである。
▼それでも「茶番劇」と言うのなら、中国には正真正銘の茶番劇があった。ノーベル賞に対抗して、にわかに設けたらしい「孔子平和賞」である。第1回の授賞式を行うというので、北京市内の会場を訪れた各国の報道陣は、お粗末さに苦笑するしかなかったようだ。
▼第一、授賞式だというのに受賞者がいない。むろん劉氏のように当局が出席を妨害したからではない。「初の受賞者」に選ばれた台湾の連戦・元副総統が断ったためだという。もともと連戦氏に正式の連絡がいっていなかったという失態も明らかになったという。
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 笑えない茶番はこのくらいにして、夢のあるお話を一席。先日、あかつき関連ニュースを配信したところですが、今度はイカロスくんの話題。非常に順調な様子で、まさに順風満帆とはこのことを指すのでしょうね。


イカロス:順調に飛行 コース予定通り通過 毎日新聞 12/11
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101211k0000m040027000c.html
 宇宙航空研究開発機構は10日、金星探査機「あかつき」とともに打ち上げた宇宙ヨット技術の実証機「イカロス」が8日午後4時39分、金星から約8万800キロの位置を予定通り通過したと発表した。機体に問題はなく飛行を続けているという。
 イカロスは直径1.6メートル、高さ0.8メートルの円筒形の機体に、14メートル四方の薄い膜の帆を備え、太陽光のかすかな圧力で進む。5月に打ち上げられ、6月に帆を展開。燃料を使わずに加速したり軌道を変えたりする実験に、世界で初めて成功している。
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 さてこのあたりから医療関連ニュースに移ります。

 特にこの数年、感染症関連の話題が報道を賑わしていますが、そこで必ず出てくるのが、手洗い、うがいを含めた、スタンダードプリコーション(標準予防策)
http://www2.huhp.hokudai.ac.jp/~ict-w/kansen/1203.pdf ですね。しかし、手洗いを繰り返し行うと、厄介な手荒れが生じ、余計に感染症の巣となってしまうこともあります。手洗い後のお肌ケアも非常に重要となってきますので、以下の記事を掲載しました。


手荒れ:保湿し防いで 乾燥で代謝、肌防御機能乱れ/手袋、クリームこまめに 毎日新聞 12/10
 http://mainichi.jp/life/health/news/20101210ddm013100015000c.html
 指先がささくれたり手のひらがかさつく季節になった。関節のひび割れ、かゆみ、ざらつきも典型的な手荒れの症状だ。荒れる仕組みや、肌を美しく保つ秘訣(ひけつ)を専門家に尋ねた。【林田七恵】
◆大切な角層と皮脂
 大阪労災病院(堺市)の土居敏明医師(皮膚科)によると、肌は、表層の「角層」と、表面に分泌された皮脂・汗の2段階で守られている。
 角層は、肌の奥から押し上げられた細胞が数~十数層に積み重なり、最終的にあかとしてめくれ落ちる代謝を繰り返している。細胞の間に脂質や、アミノ酸を主成分とする天然保湿因子(NMF)が並んで潤いを保っている。表面の皮脂と汗は膜のように肌を覆い、水分の蒸散を防いだり細菌などの侵入を防ぐ。特に皮脂は、肌の表面にいる“善玉”の表皮ブドウ球菌に分解されて脂肪酸になり、肌を弱酸性に保って“悪玉”細菌を食い止めている。
 こうした機能が乱れると、肌が乾燥してめくれやすくなり、荒れる。特に冬に荒れやすいのは、空気が乾燥して肌の水分が蒸散しやすく、保湿機能が追いつかないからだ。
 紫外線も肌に炎症を起こし乾燥を促す。資生堂スキンケア研究開発センター(横浜市)の原英二郎・主任研究員は「荒れた肌は紫外線の影響を強く受けて更に荒れる。紫外線が強くなる冬から春にかけては要注意」とも指摘する。
 同センターは、肌荒れが悪循環する仕組みも調べた。肌表面をわざと荒れさせて健康な肌と比べると、荒れた肌の方が、内部でたんぱく質分解酵素が活性化した。そのために代謝が本来よりも速くなりすぎ、脂質やNMFがきれいに並ぶ前に角層の上部まで細胞が押し上げられた。脂質やNMFが整わない角層は保湿機能が低下し、更に肌が荒れることになる。
◆別の皮膚病の場合も
 こうした仕組みは手でも顔でも一緒だ。では、なぜ手の方が荒れやすいのか。
 手は、顔や腹など他の部位と比べて角層が厚い。守る層が厚いほど荒れにくそうに思えるが、実際はその逆だ。分厚い角層は曲がりにくいので、割れやすい。また、手のひらには皮脂腺がなく、表面を覆う皮脂が少ない。指紋や掌紋などの溝も多く、ひび割れのきっかけとなる。
 手は頻繁に水に触れるが、ぬれた皮膚はふやけて傷付きやすい。特に洗剤は大敵だ。表面の皮脂・汗や角層の脂質・NMFが失われ、保湿機能が低くなると同時に、ひびや傷口などの隙間(すきま)から細菌などが侵入しやすくなる。水分をふき取らずに自然乾燥させると、被害はさらに拡大する。「角層の中も表面の膜も整わないまま、水分が気化し続ける」と土居医師は警告する。
 手は一度荒れるとなかなか治らない。外からの刺激が多いせいもあるが、手は体の他の部位と比べて、大腸菌や黄色ブドウ球菌、カンジダ菌などさまざまなばい菌に触れる機会も多い。荒れた肌は弱酸性ではなくなり“悪玉”菌を抑えられず、炎症を起こす。
 土居医師は「手荒れに見えても、手の水虫や、(手足に膿疱(のうほう)が繰り返しできる)掌蹠(しょうせき)膿疱症など別の皮膚病を発症していることもある。治らない時は近くの専門医を訪ねてほしい」と話す。日本皮膚科学会のホームページで最寄りの専門医を検索できる。
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 次は臨床検査分野に関わるニュースです。

 我々の業界も再編成がめざましいのですが、私が直接影響を受けたものとしては、国立病院、療養所の統廃合。近畿で最初の委譲施設が私の最初に勤めた病院でした。10年半勤務したのですが、勤め出して約1年経過した時に厚生省より統廃合計画が出されたような記憶があります。

 そのようなものとは異なり今回のケースはこの近年臨床検査部門が抱える諸問題の総決算みたいなものです。中小規模の企業がどれだけ経営努力しても、厳しい現実を突き付けられます。私が今行っている外部委託検査に関わる助成研究は、昨年度業者の方々にかなり誤解をされたのか、抵抗感の強いものでした。今年度はその誤解を解きたいものだなぁと願っています。

 業界の再編成は必要かつ不可欠なものであるとは思いますが、淘汰されるべき企業と、淘汰されるべきでない企業の見極めをしっかりとしたいものですね。


BML(4694)岸本医科学研究所の再生支援
 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1210&f=business_1210_044.shtml
 ビー・エム・エルは、岸本医科学研究所(北海道苫小牧市)及び道東臨床検査センター(北海道北見市)の事業再生支援を目的として、企業再生支援機構に両社及び岸本医科学研究所の主力銀行であるみずほ銀行 と連名で再生支援の申込みを行い、9日、企業再生支援機構から支援決定を受けた。
 岸本医科学研究所、道東臨床検査センター及び子会社KCLGは、臨床検査受託を主な事業とし、北海道を地盤に全国に拠点及び顧客を有する事業者で、積極投資と多角化により業績が悪化、KCLGがみずほ銀行と協議の上、当社をスポンサーとして過剰な有利子負債の解消や当社支援による臨床検査事業の立て直しによる事業再生を図るべく、企業再生支援機構に支援申込みを行っていた。
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ビー・エム・エル:岸本医科学研究所、道東臨床検査センターの事業再生支援へ
 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1210&f=business_1210_036.shtml
■100%出資する新設子会社に会社分割による事業承継
 ビー・エム・エルは、9日に岸本医科学研究所、道東臨床検査センターの事業再生支援を行うために、企業再生支援機構にみずほ銀行と連名で再生支援の申込みを行い、本日(9日)に、企業再生支援機構から支援決定を受けたと発表した。
 臨床検査受託を主業務とする岸本医科学研究所、道東臨床検査センター及び子会社(以下「KCLG」)は、北海道を地盤に全国に拠点及び顧客を持っている。ところが、積極投資と多角化により業績が悪化したことから、KCLGが、みずほ銀行と協議した結果、同社をスポンサーとして過剰な有利子負債の解消や同社支援による臨床検査事業の立て直しにより、事業再生を図るために企業再生支援機構に支援申込みを行っていた。
 事業計画の基本方針 は、同社が100%出資する新設子会社に会社分割(吸収分割)による事業承継を実施する。
■来期以降は同社の売上拡大に大いに貢献
 同社のノウハウ・検査基準を導入し、老朽化した分析器の更新などにより品質の向上や効率的な検査業務の仕組みを構築し、顧客喪失の防止や新規顧客の獲得を図る。
 一方で、拠点の統廃合・営業活動の集約・集荷配送の効率化によるコスト削減を実施し、臨床検査以外のノンコア資産を売却する。
 さらに、関係金融機関に対し、KCLGが有する119憶4652万円の借入金のうち、76億円の債権放棄を依頼する。
 事業承継する承継会社(新設子会社)は、債務弁済資金等を同社からの出資及び融資にて調達するとしている。
 事業承継は、11年4月1日を予定しており、同社の今期業績に対する影響は軽微。今後の業績見通しについては、事業再生計画の進捗に従い適時開示規則に基づいて速やかに公表する方針。
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 さて他にも色々とお伝えしたいニュースはあるのですが、あまり長くなってもいけませんので、本日のメインニュースへと移ります。

 改正臓器移植法施行後、急激にドナー発生が増加した印象があります。患者にとっては非常に望ましいことですし、シビアな患者さんを受け入れている施設にとっても大変ありがたい話だと思います。しかしながらドナー数は全く充足していないのが現状であり、移植を心待ちにしている患者さんは後を絶ちません。今回のニュースは、その待機されている患者さんに対しての人工補助心臓のものとなります。

 前回の赴任地は現国立循環器病研究センターでしたが、前任地では重症慢性心不全患者さんたちとかなり密接に関わってきました。前任施設での人工補助心臓の主だったものは大型のものであり、とても外泊できるようなものではなく、患者さんにとって非常に苦痛とも言えるべきものでした。しかしながらその人工補助心臓がないと患者さんは生きられない、要するに移植まで待てないのが現実であり、受け入れざるを得ない状況でした。

 今回の補助人工心臓が小型であり、患者さんにとってのQOL向上は間違いのないところであり、ちょっと感慨深くニュースを読んでおりました。


【日経メディカルオンライン 2010/12/10】
 「DuraHeart」と「EVAHEART」埋め込み型補助人工心臓2製品が承認 心臓移植までのつなぎに活用へ
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201012/517726.html
=================================================
 厚生労働省は12月8日、埋め込み型補助人工心臓の「DuraHeart」と「EVAHEART」の2品目を承認した。心臓移植までのつなぎとして重症心不全患者に使われることになる。
 埋め込み型補助人工心臓は、自己心を温存した上で、心臓のポンプ機能を助ける医療機器のこと。血液を送り出すポンプやポンプを心臓につなぐ人工血管、バッテリーなどから構成される(関連記事:2009.11.10「植え込み型が複数登場 長期の在宅療養も可能に」)。
 国内では過去にも埋め込み型補助人工心臓はあったが、実際の心臓を模した拍動式で、拍動のために大きめのポンプが必要だった。そのため周囲の臓器が圧迫されるなどの難点があり、今は使われていない。
 一方、新たに承認された補助人工心臓は、常時一定の血流量を送り出す非拍動式だ。承認された「DuraHeart」と「EVAHEART」のポンプの容量はいずれも百数十mLと小型で耐用年数も長くなり、在宅療養も可能になる。
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 昨年、人工補助心臓に関する記事が掲載されていましたのでご参考までに・・・


【日経メディカルオンライン 2009/11/10】
 ◇進化した人工心臓 植え込み型が複数登場 長期の在宅療養も可能に
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t066/200911/512994.html
=================================================
 補助人工心臓はこれまで、心不全に対して緊急避難的に用いられてきた。ただ、ポンプなどを体外に設置する従来型は装着すると退院できなかった。しかし、ここにきてポンプを体内に埋設する植え込み型の実用化にめどが立ってきた。小型化、
耐久性向上を実現したものもある。
 2004年12月、46歳の男性は突発性拡張型心筋症との診断を受けた。その後、心機能が急速に低下し、強心剤の持続点滴を要する重症心不全に陥った。05年5月、当時行われていた、植え込み型の補助人工心臓「EVAHEART」の治験に参加した。
 植え込み術後、男性の心係数は術前の2倍に、NYHA分類は4度から1度に改善。手術から4カ月後に外出が認められ、9カ月後には自宅に戻った。この男性は現在、仕事をしながら日常生活を送っている。既に手術からは1600日以上が経過した。
 小型で長持ちし、在宅療養も可能な新しい補助人工心臓の実用化が近付いている。
 現在、国内で承認を受けている補助人工心臓は、駆動装置やポンプを体外につなげる体外設置型だけ。体外型は入院して短期使用する前提で開発されたため、一度着ければ自己心の機能が回復しない限り、退院は不可能となる。
 しかし、退院を前提に開発された植え込み型の登場で、在宅療養ができるようになる。重症心不全にとって補助人工心臓は、心機能の一時的な補助手段から患者のQOLを向上させる治療へと変わりつつある。
体外型は入院長期化も難点
 補助人工心臓とは、自己心を温存した上で、心臓のポンプ機能を助ける医療機器のこと。血液を送り出すポンプやポンプを心臓につなぐ人工血管、駆動装置などから成る。
 国内で補助人工心臓を着ける症例は年間70~80例。約半分は、劇症型心筋炎や急性心筋梗塞などで心不全に陥った症例だ。1990年代からは心筋症の増悪例に着けることが増え、今では全体の半分を占める。ほとんどは、薬物療法や心臓再同期療法、大動脈バルーンパンピングなどで効果が得られない拡張型心筋症で、重症心不全に陥り、心臓移植を考慮するような症例だ。
 症例の中には、心機能が回復して補助人工心臓から離脱できるケースもある。一方で、“心臓移植までのつなぎ(Bridge to Transplantation)”に補助人工心臓を着けて移植心を待つ症例も多い。
 ただし、補助人工心臓を着けた症例がすべて心臓移植にたどり着けるわけではない。というのも、国内の心臓移植は年間5~10例程度。国内で心臓移植を受けた人の待機期間は平均で約2.4年。補助人工心臓を着けた症例の中には、4年近く入院し、移植にたどり着いたケースもある。しかし、長期間の待機中に補助人工心臓の合併症である感染や血栓塞栓症で死亡する症例も多い。
 体外型の補助人工心臓は短期間の使用を前提としているため、待機中に機械の故障が起き、死亡する症例もある。病院にとっては入院が長期化する難点があり、ある病院の医師は、「適応だからといって、やみくもに症例を増やせない」と打ち明ける。
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【日経メディカルオンライン 2009/11/11】
 ◇進化した人工心臓 Vol.2 最終治療に補助人工心臓 求められるコストの議論
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t066/200911/512996.html
=================================================
 小型で耐久年数の長い、新しい補助人工心臓が今後、続々と製造販売承認される予定だ。体内に埋設でき、自宅で療養することも可能になる。QOLを格段に向上させるタイプの登場で、今後は、より多くの症例に使われることになるだろう。重症心不全の高齢者への“最終治療”として、補助人工心臓が用いられる可能性も高い。
 「EVAHEART」と「DuraHeart」、「Jarvik2000」の3種類の補助人工心臓は今後、心臓移植までのつなぎばかりではなく、高齢者や糖尿病のある症例など、心臓移植の適応外に当たる重症心不全の“最終治療(Destination Therapy)”としても使われるようになるとみられる。
薬物療法に対する優位性証明
 実は米国には以前から、心臓移植の適応外となる重症心不全の最終治療用に承認された植え込み型の補助人工心臓がある。その根拠となったのが、01年に発表されたREMATCH試験(Eric A. Rose, and et al. New Engl J Med 2001;345:1435-43)だ。
 試験では、NYHA分類がIV度の末期重症心不全の症例で、心臓移植の適応外に当たる129例を2群に分け、補助人工心臓と最適な薬物療法を前向き無作為に比較した。その結果、1年生存率は薬物療法群で25%だったのに対し、補助人工心臓群では52%だった。また、2年生存率は薬物療法群で8%だったのに対し、補助人工心臓群では23%と、補助人工心臓の優位性が証明された。
 ちなみにその補助人工心臓は、拍動式の植え込み型で、その後、1年以上使用すると機械的故障が起きやすいことが判明。後継の機種を使った同様の試験では、2年生存率が50%以上に改善された。これらの試験の結果、末期の重症心不全治療において、薬物療法に対する補助人工心臓の優位性が認められたわけである。
 「EVAHEART」「DuraHeart」「Jarvik2000」の国内の長期使用成績については、一部の治験結果が明らかになっている。すべての治験に参加した東大病院重症心不全治療開発講座特任教授の許俊鋭氏は、「3種類の補助人工心臓を着けた10例の自験例の3年生存率は80%。2人は死亡したが、1人は2年4カ月後に心臓移植に到達した」と評価する。
 また阪大心臓血管外科教授の澤芳樹氏も、「3種類の補助人工心臓の自験例では、感染や血栓塞栓症などの合併症も少ない傾向があった。現在、国内で体外型の補助人工心臓を装着した症例の予後も決して悪くないが、さらに良くなるのではないか」と話す。3種類の補助人工心臓は、心臓移植適応外の重症心不全の症例にとって、移
植に匹敵する治療法になる可能性もある。
“つなぎ”の症例も増加へ
 長期の在宅療養が可能な補助人工心臓の登場で、心臓移植までのつなぎとして補助人工心臓を用いる症例も増えそうだ。移植心が限られている国内では、心臓移植に到達するまでに長期の補助が欠かせない。しかし、これまでの体外型の補助人工心臓は短期使用が前提となっている上、入院を余儀なくされる。
 こうした事情から、補助人工心臓は積極的に使われてきたとはいいにくい。たとえ末期の重症心不全であっても内科が手を尽くし、それでも臓器不全を起こすなど増悪した症例に緊急避難として補助人工心臓を着けることが多かった。
 しかし、急激に心不全が悪化して人工心肺などを装着した症例では、感染や臓器障害を起こして補助人工心臓を着けるタイミングを逸してしまうケースもある。在宅療養が可能な植え込み型の補助人工心臓が最終治療として使えれば、より早期に、より多くの患者が補助人工心臓を着けるようになる可能性もある。
 体外型の補助人工心臓については、強心剤に依存し、増悪傾向を示す症例など、緊急避難の前の患者に着けると予後が良いことも明らかになってきた。東大病院循環器内科特任講師の絹川弘一郎氏は、「強心剤に依存しながら安定している症例や、入退院を繰り返す症例など、補助人工心臓はこれまでより早期に着けることも考えられる」と話す。
 今後は、早めに体外型の補助人工心臓を着け、自己心の機能が戻らなければ、心臓移植までのつなぎとして体格や心機能に応じて植え込み型を埋設し、在宅療養するケースも出てきそうだ。
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[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
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         臨床検査技師長
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