SSブログ

1202-616号 負担は誰が?:やせ細る健保組合 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 本日は師走に入って第一回目の検査当直となります。夕方から風が非常に強くなってきた神戸ですが、雨も少し降ってきました。空模様を見ていると少し憂鬱になっていたところでしたが、先ほど半年ぶりに研修から戻ってこられた方に、偶然通路でお会いしました。いやぁ何か久し振りで嬉しかったですねぇ・・・(^^)

 本当に気忙しいこの頃となりました。気持ちは焦るばかりで前へ進もうとするのですが、なかなか前に進めない現実・・・暗い夜道を一人トボトボ帰っていると、何やら哀愁が漂ってくるようです・・・と自分では思っているのですが、恐らく暗闇に私の黒い姿は隠れてしまい見えないかもしれません。ほんとに暗い夜道は気をつけないといけませんよねぇ・・・

 さてこのところの芸能ニュースを賑わしているのがこの事件。私自身あんまり詳しいことは分かりませんが、家内に聞くと、どっちもどっちだそうな。あんまり知らないことをとやかく言うつもりはありませんが、思い上がりとしか思えない気もします。もう少し社会通念というか、社会常識というか、もう少しお持ちになったら如何かな?やはり世間の目に晒されているということを常に意識しないといかんのちゃいますかぁ?ええ年こいて親に頭下げさせるのはダメですわ。


余録:海老蔵さんの災難 毎日新聞コラム 12/2
 
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 江戸時代の芸談集にある話だ。歌舞伎で武士や鬼神の荒々しい所作を表す「荒事」が評判をとった初代市川団十郎が、ある御殿に呼ばれた時である。酒席の取り持ちをしていると、お殿様が「その荒事というのを見せよ」と所望した▲団十郎は「景清」の謡で、じゅばんを肌脱ぎする。そして書院の障子ふすまを足で踏み折って大暴れした。家来があわてるなか、「これが荒事でございます」。「大名の前にても怖がりては荒事にてはなし」という次第だ▲市川家のお家芸である歌舞伎十八番の「景清」の牢(ろう)破りは二代目が初演でもあり、まさか実話ではないだろう。だが超人的な怪力やすさまじい霊威を一身をもって演じる新境地を開いた初代団十郎だった。江戸っ子がその人に抱いた畏敬(いけい)をうかがわせる芸談である▲この市川家の「荒事」の伝統を受け継ぐ十一代海老蔵さんを襲った傷害事件だ。早朝の東京・西麻布で一緒に酒を飲んでいた男に殴られ、ほお骨を折る重傷を負った。ために京都・南座の顔見世興行を休演し、顔面の整復手術を受けたいきさつはご存じの通りである
⇒ 続きはこちらをクリック


 もうひとつ、コラムで面白いものがあったのでご紹介。

 何の話題かなぁ・・・と思って読んだら、TPPと完全自由化の話だったんですね。私の好きな言葉に「上善は水の如し」というものがありますが、それとは全く違った話でした。TPPについてはこの次にご紹介します。


春秋 日本経済新聞コラム 12/2 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3EBE0E0E3E7E5E2E2E0E3E0E0E2E3E29F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D
 なぞなぞを一つ。「水」の姿には何種類あるでしょう。液体の水と、固体の氷と、気体の水蒸気の3つですね? いいえ、もう一種類あります。オランダ産のトマトです――。10年ほど前にドイツの主婦の間ではやったジョークである。
▼解説がいるだろう。欧州では、経済統合によって主な国々の間の関税がなくなった。国境を越えて、輸入品が自由に入ってくる。お隣のオランダから大量にドイツに流れ込んだのが、トマトだ。国産品より安いので消費者は飛びついたが、食べると、まるで味が薄い。水っぽくておいしくないと当時は皮肉られた。
▼オランダは優れた農業技術で知られる。トマトの産地を訪ねると、巨大な施設に驚かされる。ビル2階分はある天井まで赤い実がびっしり。土を使わない水耕栽培ハウスは、まさに野菜工場だ。面積あたりの収穫量は、日本の3倍だそうだ。日照にも土壌にも恵まれない国土だが、逆境の中で農と工の融合が進む。
⇒ 続きはこちらをクリック


 このメールニュースはそもそも医療系ニュースなのですが、今回お読みになった方は、???と思われた方も多いかもしれません。しかし日本国民が今、真剣に考えなければならない問題ですし、何でもかんでも規制緩和だと言って自由化されると、日本古来の良い制度も崩壊してしまいます。私が何度も取り上げて反対してきましたが、観光医療?医療観光?なるものが自由化された場合には、恐らく国民皆保険制度なんて吹っ飛んでしまうかもしれません。まあ立場変わればで、様々な考え方があるものですね。


記者の目:TPPを考える 閉塞感から抜け出すチャンス 毎日新聞 11/23
 
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20101123k0000m070122000c.html
 米国など9カ国が交渉中の経済連携協定(EPA)である「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)について、政府は正式な参加決定は先送りし、関係国と協議を始めることだけを決めた。菅直人首相は、14日まで横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、各国首脳にこうした方針を説明し、「平成の開国を推し進める」と意義を強調した。国内では農業問題をはじめ、さまざまな議論があるが、私はTPPへの参加は「失われた20年」の閉塞(へいそく)感から日本が抜け出す数少ないチャンスだと考える。実現には、長年先送りしてきた多くの課題を短期間で解決するとともに、関係国とのタフな交渉が必要になる。菅政権は決断に向けた強いリーダーシップを発揮すべきだ。
◇自由化の遅れは空洞化に拍車 
 個々の国と、また何カ国かが集まって、貿易や投資を自由化するEPAは、世界各国が今、必死に相手を探し、次々に締結している。ところが日本は大きく出遅れており、国内企業の競争力低下が懸念されている。日本は14日にペルーとのEPA締結で大筋合意したが、その後に合意のメドが立っている相手はない。
 これに対して、主力輸出品が日本と競合する韓国は、米国、欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)を署名済みで、来年前半にも中国と本格的な交渉を始める見込みだ。米欧中との関係でみると、日本はEUと来春の交渉開始を目指すことで合意したばかりで、韓国の背中は遠い。
 韓国・EU間の協定は来年7月に発効し、双方の多くの関税が段階的になくなる。例えばフランスで、パナソニック製40~42型液晶テレビが平均1105ユーロ、サムスン製は平均1003ユーロで売られているが、14%の関税が撤廃されるとサムスン製は863ユーロに下がる。自動車(関税10%)なども同じ構図だ。10年前、EUの電気製品輸入に占める日本のシェアは韓国の3倍あったが、既に追いつかれ、逆転されるのも時間の問題だ。
 危機感を抱いた日本企業は相次いで生産拠点をタイなど自由化に積極的な国々に移し、その結果、日本経済を支える製造業の雇用が海外に流出している。自由化の遅れは、輸出競争力を低下させ、国内産業空洞化に拍車をかける。
 では、なぜ数ある自由化の枠組みの中でTPPか。それは、日本のこうした通商上の立ち遅れを早期に挽回(ばんかい)できる可能性があるからだ。
 アジア太平洋地域で、米国が唯一加わる枠組みがTPPだ。経済規模で世界1、2位の米日が組めば、TPPがアジア太平洋の自由化の基軸になる可能性が強い。日本は一転、自由化を主導する立場になるわけだ。また、「米国に日本市場を奪われかねないと、EUなどは危機感を強めるだろう。そうすればEUとの交渉で譲歩を引き出しやすくなる」(経済産業省幹部)という波及効果も見込める。米国と世界経済の主導権を争う中国をけん制できるとの指摘も多い。
 TPPへの参加は簡単ではない。TPPは農産物を含めた関税の全廃が原則で、これまで日本が結んだ他のEPAのように、コメなどをあらかじめ除外して交渉に臨むのは難しい。輸入牛肉問題や政府調達などの非関税障壁、海外からの人材の受け入れも解決しなければならない。どれも、政権の命運を左右しかねない課題だ。
 特に、安い海外産農産物流入など、日本農業に与える影響が大きい。農業関係者は「日本の農業が壊滅する」(茂木守・全国農業協同組合中央会会長)と絶対反対の立場だ。
 だが、関税で守られながら、日本農業は衰退の一途をたどる。08年の農業総産出額は8兆4662億円で、ピークの84年から約3割減少、就業人口の平均年齢は65・8歳。TPP以前に、抜本的な構造改革が待ったなしだ。戸別所得補償を効果的に使い、やる気のある農家を支援し、大規模化を進めるなど打つ手はある。農業関係者にとってTPPが脅威であることは理解できるが、日本農業が生まれ変わる好機ととらえる考え方があってもよいのではないか。
⇒ 続きはこちらをクリック


記者の目:TPPを考える(下)慎重に検討を 毎日新聞 11/24
 
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20101124k0000m070135000c.html
◇自由貿易の理想郷ではない
 「今、国を開かないと世界の孤児になる」と言われれば、誰もが「大変だ」と思うだろう。菅直人首相が提唱する「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への参加問題だ。加われば大半の貿易品目で関税が撤廃され、ヒトやカネの移動も自由になる。企業活動には追い風が吹き、経済は活性化するかもしれない。だが、そこに大きな落とし穴はないか。情緒的な言葉に惑わされず、冷静に考えたい。
 TPPは貿易、投資を自由化する経済連携協定(EPA)。当初はシンガポール、ニュージーランドなど4カ国が結び、その後、米国や豪州など5カ国も参加を決め、来年11月を期限に交渉が始まっている。日本も関係国との協議に加わり、来年6月までに参加の是非を判断する方針だ。
 菅首相はTPP参加を「平成の開国」と強調する。だが、TPPは太平洋を取り巻く少数国間の協定であり、世界全体ではない。世界共通の貿易ルールは世界貿易機関(WTO、加盟153カ国・地域)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で議論するのが筋だ。WTO協定はTPPのようなEPAや自由貿易協定(FTA)を例外として認めているだけだ。
◇最恵国待遇がWTOの大原則
 WTOでは「最恵国待遇」が大原則だ。例えばA国がB国に対し、ある品目の関税率を下げたら、その関税率は他の全加盟国に適用されなければならない。「相手によってルールを変えてはいけない」という原則だ。一部の国にだけ適用する貿易ルールはWTOの精神に反している。
 WTOや、その前身である関税貿易一般協定(GATT)が最恵国待遇を基本原則としたのは、第二次世界大戦の苦い教訓があるからだ。1929年に始まった世界恐慌に伴い、欧米列強や日本は自国を中心とする経済圏に高関税の防波堤を張り巡らした。このことが貿易を縮小させ、世界経済を低迷させ、軍国主義やナチズムの台頭を招いて世界大戦を引き起こした。
 TPPも米国を中心とした排他的な経済ブロックになりかねないと思う。WTOの現状を改めて見ておこう。
 ドーハ・ラウンドの最大の停滞要因は中国、インドなど新興国と米国との対立だ。ラウンドでは、関税だけでなく貿易に影響する農業補助金の削減も求められる。米国は巨額の補助金を国内農家に出しているが、補助金で生産者の所得が補われる分だけ農産品を安く輸出でき、新興国や途上国の農業を圧迫している。ブラジルは米国の綿花向け補助金によって自国農民が損害を受けたとして02年にWTOに提訴し、勝訴している。
 政治的理由で補助金を減らしたくない米国と、市場開放を最小限にとどめたい中国、インドの対立で08年7月に閣僚会合が決裂し、ラウンドは事実上の凍結状態に陥った。
⇒ 続きはこちらをクリック


 他にも色々とお伝えしたいニュースは山積みですが、ここからメインニュースに移ります。

 本日は、純粋な医療系ニュースというよりも政治がらみや制度的な事ばかりで、非常に申し訳ありません。私自身勉強不足でまともなコメントなど出来ません。ですから自身の学習のために掲載してみたということです。次号はもう少し純粋な医療系ニュースを配信します。今号はご勘弁を!

 私自身のため、健康保険ならびに組合につき、ちょっと調べてみました。


健康保険組合
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%BF%9D%E9%99%BA%E7%B5%84%E5%90%88
 健康保険組合(略称:健保組合)は、国が行う健康保険事業を代行する公法人である。監督官庁は厚生労働省の地方支部局である地方厚生(支)局。上部組織として健康保険組合連合会がある。
 健康保険組合で行っている健康保険制度は、組合管掌健康保険(組合健保)と呼ぶ。


健康保険
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%BF%9D%E9%99%BA
 健康保険とは、日本の公的医療保険制度、すなわち社会保障のうち社会保険(医療保険)に分類され、健康保険に加入する被保険者が医療の必要な状態になったとき医療費を保険者が一部負担する制度をいう。
 日本では「国民皆保険」とされ、生活保護の受給者などの一部を除く日本国内に住所を有する全国民、および1年以上の在留資格がある日本の外国人は何らかの形で健康保険に加入するように定められている(≠強制保険)。


 健康保険に関する分かりやすいサイトを見つけました。もう少し知っておきたいな、と思われる方は以下のサイトをご覧ください。

健康保険なんでも百科
 
http://park1.aeonnet.ne.jp/~kenko-hoken/index2.html


【毎日新聞社特集記事 2010/11/29】
 負担は誰が?:やせ細る健保組合/上 拠出金重く、相次ぐ消滅
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101129ddm013100029000c.html
=================================================
 民間企業で働くサラリーマンやその家族が加入する健康保険組合が、高齢者医療費の増加で苦しんでいる。バブル崩壊以降、消滅した健保組合は300を超え、会社員の負担は拡大し、受けられるサービスも縮小している。働く現役世代の医療保険に何が起きているのか。現場をリポートする。【中西拓司】
◇1人当たり個人保険料を上回る例も
 「何とかこのまま健保組合に加入していられないだろうか」。三菱自動車健保は昨秋、関連子会社80社の従業員と扶養家族約7万1800人を同健保から脱退させる提案を決めた。東海地方で開いた説明会では子会社の自動車販売店で働く40代男性がこう訴えた。三菱自動車本体の従業員ら約3万3000人は同健保に残ったが、関連子会社の従業員らは今年4月、中小企業などが入る全国健康保険協会(協会けんぽ)などへ移った。
 協会けんぽの健康保険料は労使折半だが、同健保は企業側が約6割を負担。このため、例えば標準報酬月額(月給にほぼ相当)が30万円の人が協会けんぽに移れば月2570円の負担増に、企業側は月2450円の負担が減る。東北地方の販売子会社の50代社員は「本社あっての子会社だ。生き残りのためには仕方がない」と語る。
 健保組合を苦境に追いやったのは、08年度に制度改正された高齢者医療制度による拠出金の急増だ。改正により、国民健康保険に加入する65~74歳の医療費も健保組合がさらに賄うことになった。三菱自動車健保の場合、08年度の拠出金は102億円で前年度より約21億円アップ。その結果、同年度決算は17億8000万円の赤字に転落した。高齢者医療費が増えれば、拠出金は今後も増える。
 半導体関連メーカー「アドバンテスト」(東京・丸の内)の健保組合は、高齢者医療費の重みを加入者に実感してもらうため、社員1人当たりの拠出金額を試算した。
 高齢者医療制度の拠出金は、65~74歳のための前期高齢者納付金▽75歳以上のための後期高齢者支援金--などがあり、最も負担が重いのは前期高齢者納付金だ。
 同健保によると、07年度の1人当たりの拠出金は年17万6200円だったが、後期高齢者医療制度導入時の08年度は23万5200円に急増。10年度は35万6300円になる見通し。手取り給与1カ月分近くに相当する。10年度の社員1人当たりの保険料(企業負担除く)は平均20万8000円なので、個人が支払う保険料を上回る拠出金を健保が国に支払っている計算になる。拠出金は、前期高齢者の加入率やその医療費などを基に算定されるため各健保で異なるが、大きな負担になっていることが分かる。
 同健保の小山誠・理事長は「今の負担構造が続けば会社員の働く意欲をそぐ結果になりかねない」と話す。
 健保組合は10年3月で1473組合あり約3000万人が加入している。組合数は92年度が1827組合と最も多かったが、その後は減少の一途をたどり、09年度までに計354組合が解散などで消滅した。08年度には西濃運輸、京樽の各健保など24組合が協会けんぽに移るなどして姿を消した。企業業績の悪化で保険料負担が重みになっているところに、拠出金負担が追い打ちをかけた格好だ。
 政府は13年度に、後期高齢者医療制度に代わる新制度をスタートさせる考えだが、サラリーマンの健保組合に頼る構造は変わらない。学習院大経済学部の鈴木亘教授は「国の議論は、膨張する医療費を誰が負担するかに終始しており、いわば沈
没するタイタニックのデッキで椅子の奪い合いをしているようなものだ。積み立て式の『基金』を創設するなど、人口変化に左右されない財政構造を確立すべきだ」と提言する。
⇒ 続きはこちらをクリック


【毎日新聞社特集記事 2010/11/30】
 負担は誰が?:やせ細る健保組合/中 さらに保険料上げ確実
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101130ddm013100043000c.html
=================================================
◇現役世代の減少と高齢者医療費の増加で
 「保険料率が上がります」「増え続ける赤字! このままでは健保の存続が危ぶまれる……」。トヨタグループの自動車部品メーカー「デンソー」の健康保険組合(愛知県刈谷市、扶養を含めた加入者16万人)は、10月に発行した加入者向けの広報誌で、逼迫(ひっぱく)する健保財政を伝える「緊急特集」を掲載した。同健保の赤塚俊昭・常務理事は「組合の財政危機を多くの従業員に分かってほしかった」と話す。
 10年度の高齢者医療費の拠出金は166億円に達し、過去最大の48億円の赤字になる見通し。加入者とその家族のために支払う医療費は165億円の見通しで、高齢者への「仕送り」とも言える拠出金が初めて、加入者の医療費を上回る。
 業績悪化に伴う給与・賞与の減少によって、保険料収入は301億円(前年度比16億円減)にダウンし、来春から保険料率を7・5%(現行7%)に引き上げざるを得ない。標準報酬月額(ほぼ月収に相当)30万円の社員で、年約7000円、会社も約1万1000円の負担増になる。
 広報誌の「緊急特集」は来年2月まで計3回発行の予定だが、社員の関心が高まっているとは言えない。「給与天引きで保険料の仕組みが分かりにくいため、負担を実感しにくい。そのためにサラリーマンの保険料が医療費のツケに回されている」と健康保険組合連合会幹部は語る。
 赤塚常務理事は「このままではさらに保険料率を引き上げざるを得ない。医療費のムダの改善など抜本的な対策を示さないまま、健保組合に負担を押し付ける国の姿勢に憤りを感じる」と話す。
 健康保険料率を引き上げる健保組合が相次いでいる。高齢者医療費の拠出金負担と、業績悪化による給与ダウン、従業員のリストラのトリプルパンチで、組合財政は悪化の一途をたどっている。
 健保連によると、後期高齢者医療制度が導入された08年度、保険料率を上げたのは212組合(全体の14%)で、09年度は237組合(16%)。今年度はすでに352組合(26%)が引き上げを決めた。
 NEC健保は、09年度に保険料率を6・7%から7・7%に上げたが、給与・賞与が減ったことで保険料収入が減少。医療費の増加や拠出金の負担などで約7億円の赤字となったため、今年度はさらに7・9%にアップした。
 厚生労働省の試算では、国民医療費のうち患者負担を除いた医療給付費は13年度が34・5兆円(75歳以上39%)で、「団塊の世代」が75歳以上になる25年度には45兆円(同48%)に上る見通し。健保組合加入者である現役世代が減少することもあり、1人当たりの保険料負担は確実に上昇していく。
 高齢者医療費の拠出金は現在、健保組合の加入者数に応じて割り振る比率が高いが、政府が13年度からの実施を目指す高齢者医療制度では給与水準に応じて支払う「総報酬割り」に移行する。給与水準の高い企業の負担が上げられることになる。
 現行制度では10年度の保険料は加入者平均で年19万5000円だが、25年度は9万4000円多い28万9000円にアップすると厚労省は試算する。企業負担分も上昇するため、企業経営にも影響を与えることになる。【中西拓司】
⇒ 続きはこちらをクリック


【毎日新聞社特集記事 2010/11/29】
 負担は誰が?:やせ細る健保組合/下 大幅にサービスを縮小
 
http://mainichi.jp/life/health/news/20101201ddm013100171000c.html
=================================================
◇病気予防にも影響、求められる効率的運営
「健保のサービスを大幅に縮小します」。東京都内の派遣会社に登録する女性社員(32)は今年4月、加入している人材派遣健康保険組合(東京都文京区)の通知を見てため息をついた。
 通知は、乳がん・子宮頸(けい)がん検査の個人負担額500円を2500円に引き上げ▽人間ドックの補助を廃止▽出産育児一時金(42万円)の上乗せ3万円を廃止▽インフルエンザ予防接種の補助(2000円)の廃止▽被扶養配偶者の健康診断補助の廃止--など、ほとんどのサービスを4月で停止することが通告されていた。また、保険料率も7・6%から7・95%に上がった。
 女性の手取りは20万円強。「健康診断を受けるためには仕事を休まざるを得ないが、自己負担が上がるなら受ける気もなくなる」と語った。
 同健保は「パソナ」や「テンプスタッフ」など派遣会社331社の社員約32万8000人が加入。女性が約83%を占めており、02年に設立された。
 しかし高齢者医療制度が始まった08年度以降、収支が悪化。各種サービスの打ち切りによって、20億円の収支改善効果があるというが、今年度の高齢者医療費拠出金は305億円の見通しで支出の約4割を占める。同健保幹部は「病気予防の
ためのサービスは健保組合の本業であり廃止は避けたかった。しかし、組合の存続のため、背に腹は代えられなかった」と話す。
 同健保が行った加入者向けアンケートには、「乳がん検診の自己負担額が上がって残念。私は受けるが、友達の中には受けない人もいる」(29歳女性)▽「保険料を毎月払っているのに、健康診断の費用を求めるのはおかしい」(42歳女性)--などの不満が相次いで寄せられている。
 流通大手イオンの健保組合も昨年3月、各種サービスを廃止・縮小した。病気などで会社を休んだ際に支給される傷病手当への上乗せ給付や、出産育児一時金への上乗せなどが廃止された。札幌市内の店舗に勤める社員(46)は「加入のメリットはほとんど感じられないが、保険料率は協会けんぽより安いので我慢する」と語った。
 また、社員の福利厚生のために健保組合が運営する保養所のリストラも進む。国の医療経済実態調査によると、健保組合の直営保養所は08年度末現在で全国738カ所で、前回調査(06年度末)から137カ所減った。
 高齢者医療費の帳尻合わせに健保組合が利用されてきた実態がある半面、健保組合側にも問題がないとは言えない。組合の幹部ポストは本体企業の「腰かけ」程度に扱われる組合も多かった。せっかくの健診結果も、従業員に送りつけるだけで疾病予防に生かされてこなかった面もある。
 アパレルメーカー「ワールド」(神戸市)の健保組合は、健診結果などを事業所別にランキング付けし、配偶者の健診受診も奨励して医療費の削減につなげた。8・6%だった保険料率は98~05年にかけて4・7%まで引き下げた(現在は5・2%)。
 同健保の安倍孝治専務理事は「組合がしっかり運営されていれば、今日の医療保険制度の形も変わっていたのではないか」と語る。同健保は全国の88組合が加入する「保険者機能を推進する会」に参加しており、同会は(1)良質な医療の確保(2)保険料の効率的活用--などを目指して、01年に結成された。同会の会長を兼務する安倍専務理事は「プロの組合経営者を育てて人材の質を向上させることができれば、国の制度改革も進むのではないか」と話している。【中西拓司】
⇒ 続きはこちらをクリック



nice!(33)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 33

コメント 2

くま・てーとく

予防のための費用を削るよりは、自分の不節制のせいでメタボで生活習慣病になった人の自己負担率を上げるべきじゃないかと思うんですよね。
メタボ撲滅にも効果が期待できるし。
(まぁ、現実的には無理ですけどね。先天異常や不可抗力でなってしまう人との線引きが難しいですから。)
by くま・てーとく (2010-12-07 12:59) 

Koji

くま・てーとくさん

ご来訪&コメント有難うございます。
私もおっしゃる通りだと思います。
近年ようやく予防医学に脚光を浴びるようになってきましたが、まだ根拠たるデータが揃っていないため、お役所が積極的に推進というまでにはまだまだなれない理由じゃないですかね?
メタボの要因もはっきりと線引きが難しいですが、このあたり、国民皆保険制度に組み入れるには無理がありますね。
by Koji (2010-12-08 16:07) 

Facebook コメント

トラックバック 0


[ひらめき] Facebook・・・友達リクエスト、フィード購読大歓迎
     https://www.facebook.com/gamdango
[ひらめき] Facebook・・・最新情報はこちら
       https://www.facebook.com/Project102.MT

 

[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
          http://enigata.com/index.html


    人気ブログランキング   臨床検査ランキング   Ameba_banner.jpg

人気ブログランキングにほんブログ村ランキング(臨床検査)に参加しています(Amebaは姉妹サイトです)。
啓蒙活動の一環として参加していますので、バナー↑↑↑へのクリックに是非ともご協力ください[ひらめき]


 臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。

 さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。

 現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。

 ご質問、ご意見、ご感想などございましたら、
gamdango@csc.jp までご遠慮なくメッセージをお送りください。ただし医療相談等には内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご了解ください。

         NHO神戸医療センター
         臨床検査技師長
                新井 浩司

好き放題コメントを加えた最新の医療系情報(科学系、農業系、少年野球系話題も満載?)をご提供しています。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。