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1007-599号 祝 ノーベル化学賞受賞 クローズアップ2010:鈴木、根岸氏にノーベル賞 [kensa-ML NEWS 【特集】]


 以下の記事は7日の晩、自宅に戻ってから書き始めたのですが、送信し忘れていたため「本日」とは7日のことです。あらかじめご了解ください。

 本日は午後から日本臨床検査自動化学会に参加するため、神戸国際展示場に出かけてきました。本日のお目当ては検査機器をとにかく色々と見ること。様々なブースを回らせていただきましたが、以前、共に苦労をし、共に仕事をした仲間を見付けた時はとにかく嬉しかったですね。今も変わらず頑張っている姿を見て、思わず胸が熱くなりました。話す時間はあまり無かったのですが、再会を約束しました。


 さてホットニュースが飛び込んできました。今日は朝から晩までこの話で持ちきり。皆さんも既にご承知だと思いますが、鈴木章・北海道大名誉教授と根岸英一・米パデュー大特別教授のお二人が今年のノーベル化学賞に決定しました。日本人に
とって本当に喜ばしいことです。この話題については最後に記事をご紹介します。


 次の話題もホットですね。諦めかけていたのですが、「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中に「イトカワ」表面塵が含まれているかも・・・


はやぶさ:「微粒子」多数見つかる 地球外の可能性 毎日新聞 10/7
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101007k0000m040057000c.html
 小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中から、地球外の物質の可能性がある微粒子が多数見つかったと6日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。はやぶさが訪れた小惑星「イトカワ」の表面のちりなどが含まれている可能性があるという。
 これまで、カプセル内から見つかった微粒子の多くは材料のアルミ粉末や打ち上げ時のちりなどだと見られていた。JAXAは長さ6ミリ、幅3ミリのテフロン製ヘラを特注。イトカワの物質を集めるカプセル内の小部屋(サンプル・キャッチャー)の内壁を遠隔操作でこそぎ、電子顕微鏡で観察したところ、肉眼では見えない0.001ミリ以下の微粒子約100個を採取した。その一部は外観から地球上の物質と断定できないことが分かった。
 兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」などを使って12月以降、詳しい分析を始める。薄切りにして結晶構造を調べれば、イトカワの物質かどうか判断できるうえ、イトカワができた当時の温度など太陽系誕生史をうかがい知る新たな証拠になる可能性もあるという。
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 ここからはガラリと話題を変えます。

 改正臓器移植法施行以来、ドナー発生という報道が頻繁に行われています。臓器移植は医療関係者だけではなく、数多くの人々の協力なしには成立しないことは皆さんもご存じだと思いますが、特に家族の方々の心労たるや想像をはるかに超えるものです。もっと分かりやすく現実的な話をすれば、金銭的な負担はかなりのものがあります。その中に家族滞在費も挙げられますが、この部分だけでも負担を軽減することが出来ればかなり楽だと思います。

 心臓移植でも有名な「国立循環器病研究センター」の前に、私が在籍している時に「マクドナルドハウス」が建ちました。マクドナルドハウスにはボランティアも多数おられ、かなり充実してきたと伺っています。 
http://www.dmhcj.or.jp/


東大病院、家族の滞在施設設置へ 日本マクドナルドが出資 共同通信 10/7
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100701000330.html
 東京大病院(東京都文京区)は7日、子どもの入院に付き添う家族が宿泊できる施設を、大学キャンパス内に設置すると発表した。完成は来年秋の予定。
 日本マクドナルドが出資する公益財団法人が建設・運営し、最大12家族が宿泊可能。4階建てで、長期滞在ができるようキッチンや洗濯室を備える。募金などで費用を賄い、利用者の負担は1人1日千円で済むという。同法人による施設は8カ
所目になる。
 大規模病院には、遠方から入院する患者も多いが、家族は周辺のホテルなどを利用しなければならず、重い負担になっている。病気の子どもを持つ家族同士の交流ができ、精神的なケアにもつながるという。
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 今日は関連性の全く無い様な話題ばかりで申し訳ありません。今度の記事は、てんかんとケトン体との関連性が明らかになったというもの。どのような機序でそのようになるのかは、私にはチンプンカンプン・・・病態機序がさらに解明され、悩める患者さんにとって朗報となるように、今後の研究成果を期待します。


難治性てんかん:抑制の仕組み解明 新薬開発に光 岡山大 毎日新聞 10/7
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101007k0000m040117000c.html
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科のグループが、薬が効かない難治性てんかん患者の発作を抑えるメカニズムを世界で初めて解明し、7日付米科学誌「ニューロン」(電子版)で発表した。脂肪の分解で出る物質「ケトン体」が、てんかんの原因となる脳内の興奮伝達物質「グルタミン酸」の働きを抑える仕組みが判明。新薬の開発につながる可能性があるという。
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てんかんを抑える仕組み解明 飢餓で“スイッチオフ” 共同通信 10/7
 
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100601000573.html
 低栄養状態の体内でつくられる化合物が、脳内で神経伝達物質を運ぶタンパク質の“スイッチ”を切り(オフ)、てんかん発作を抑えることを岡山大や第一薬科大(福岡市)のチームが解明し、7日付米科学誌ニューロン電子版に発表した。
 この化合物はケトン体で、飢餓状態になると肝臓で脂肪が分解されてできる物質。岡山大の森山芳則教授によると、飢餓がてんかんに効くことは昔から知られているが、その理由は不明だった。「薬の効かない難治性てんかんの治療薬開発などにつながる」という。
 てんかん発作は、神経伝達物質のグルタミン酸が脳の神経細胞間で過剰に伝達され、異常な興奮状態になり起こるとされる。森山教授らは、輸送にかかわるタンパク質「小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)」を解析した。
 VGLUTは塩素イオンが結合して活発に働く。ところが、血中で増えたケトン体は塩素イオンに置き換わってVGLUTのスイッチをオフにし、グルタミン酸を輸送する働きを阻害。発作を抑えることが判明した。
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 さて各種報道で様々な特集が組まれていますので、既に皆さんもご存じの内容だと思います。マインドというかスピリッツが素晴らしいですね。私の拙いコメントは差し控えます。とにかく日本の化学者たちに乾杯!!!


【毎日新聞社特集 2010/10/07】
 クローズアップ2010:鈴木、根岸氏にノーベル賞(その1) お家芸、世界に反応

 
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20101007ddn003040011000c.html
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◇有機化学、層厚く
 医薬品や次世代照明と期待される有機EL(エレクトロルミネッセンス)など、私たちの生活を支える数々の製品を生み出す原動力となる化学反応を考案した鈴木章・北海道大名誉教授(80)と根岸英一・米パデュー大特別教授(75)の日本人2人を含む3氏に、10年のノーベル化学賞が贈られることになった。化学反応を促す仲介役(触媒)に金属を利用し、それまで不可能と思われていた有機化合物を自在に結びつけ、新たな性質を持つ物質を次々と生み出した。社会に大きく貢献した「縁の下の力持ち」ともいえる発見で、日本の有機化学の層の厚さを示した。【八田浩輔、河内敏康、永山悦子】
 世の中にある100あまりの元素を組み合わせ、有用な物質を作り出すためには、化学反応によって元素や化合物同士を結合させることが必要だ。ただし、炭素が骨格となっている有機化合物を結合させることは難しい。
 今回の受賞対象となった有機合成反応は、有機化合物を効率よくつなぎ合わせたり、分離させることを可能にする技術だ。3氏の受賞対象となったパラジウムなどを触媒に使った化学反応「クロスカップリング」は二つの有機化合物を自在にくっつける「のり」といえ、有機合成に新たな時代を築いた。
 この分野は、日本が世界を先導してきた「お家芸」といえる。70年代、多くの日本人研究者が、パラジウムやニッケルなどの金属を触媒に用いたカップリングの研究に傾注した。きっかけは、玉尾皓平(こうへい)・理化学研究所基幹研究所長(67)らが72年に発表したニッケルを触媒に使ったクロスカップリングだ。その後、望まない副生成物ができるのを抑えるなど、改良が重ねられ、日本人研究者の名前を冠した化学反応が次々と生まれた=表参照。今回受賞したリチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)の化学反応も、研究者の世界で「溝呂木(みぞろき)・ヘック反応」とも呼ばれる。「溝呂木」は故・溝呂木勉・東京工大元教官のことで、溝呂木さんがヘック名誉教授の1年前に発見した反応だった。
 玉尾さんの発見にヒントを与えた山本明夫・東京工大名誉教授(有機金属化学)は「当時の日本の研究室は、資金や機材などが潤沢ではなかったが、有機化学の研究者の層が大変厚かった。最初にやったという点では、玉尾さんが入ってもよかったのではないかと思うが、今日の3人の組み合わせは、応用に対する価値をより重視したように思う」と指摘する。小林修・東京大教授(有機合成化学)は「これらの発見は歴史が古く、世界中でいろいろな分野で使われている。その点が高く評価されたのだろう」と話す。
 玉尾さんは「日本人研究者お二人は、いろいろな金属が触媒として使えることや、幅広い条件で使える反応を作り出したことが評価されたのだろう。日本の若い研究者に勇気と元気と希望を与えた」とたたえた。
 3氏の受賞理由となったパラジウムを触媒に使う有機合成反応は、現代の産業利用の中心となっている。その礎を築いたのは、辻二郎・東京工大名誉教授(83)だ。辻さんは60年代、世界で最初に炭素同士の結合の触媒にパラジウムを使った。一方、パラジウムは希少な金属のため、最近は鉄を触媒に使うクロスカップリングの研究が進み、日本人研究者も熱心に取り組んでいる。小西玄一・東京工大准教授は「まだ鉄はパラジウムの域には達していないが、今後の発展に期待したい」と話す。
◇「ほっとした」--共同研究・宮浦教授
 鈴木章名誉教授と北海道大で共同研究を続けてきた宮浦憲夫特任教授(64)=有機プロセス工学専攻=は、同大工学部の研究室でノーベル賞受賞者を知らせるホームページを見守った。鈴木さんの受賞が決まると「周りの期待が高かっただけに、ほっとした」と満面の笑み。「長く一緒にやってきたので、自分のことのようにうれしい」と喝采(かっさい)を送った。【田中裕之】
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【毎日新聞社特集 2010/10/07】
 クローズアップ2010:鈴木、根岸氏にノーベル賞(その2止) 新物質、生活に直結

 
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20101007ddn002040014000c.html
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◇医薬品、液晶--開発下支え
 鈴木さんと根岸さんが新たに開発した化学反応(クロスカップリング)は、医薬品や農薬などの製造に幅広く活用されている。例えば医薬品では、強力な血圧降下剤「バルサルタン」や、農薬では「ボスカリド」の合成などに大規模に用いられている。近年は、巨大プラントでこの反応を使って大量生産されている。鈴木カップリングを使った医薬品だけでも、年間1兆円近くの売り上げがあるとみられる。
 医薬品では、病気の原因となるたんぱく質の働きを抑えたり、促進する化合物探しが新薬開発の鍵を握る。現在、多くの製薬会社は、研究の最初の段階で、この反応を使い、化合物の一部を取り換えるなどして、薬として有用かどうか評価する作業を繰り返している。今回の手法の開発を受け、90年代以降、機械的にさまざまなタイプの化合物を一括して作る技術が発達、飛躍的に大量の化合物を作り出すことが可能になり、新薬候補となる物質が広がった。また、この反応に使う試薬を販売する専門のベンチャー企業が出現し、産業分野にも変革をもたらした。
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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
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