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1003-595号 がん検診どう受ける? ハイテク検査法、過信は禁物 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 ご無沙汰しています。すっかり秋めいて朝晩は冷え込んで来たため、布団をかぶって寝られている方も多いのではないでしょうか?

 既に前回、今回の経緯につき、書き込みをしていますが、以前よりスパムメールや非常に厄介な書き込み、攻撃等に遭ってきました。特に先月から急激にウィルスメールやスパム攻撃などが頻繁となり、読者の皆さんにご迷惑が掛かっては・・・と考えましたので、いったん停止し、メンテナンス作業やセキュリティ向上に努めてきました。ようやくメンテナンス作業も見通しが立ち、安全性も確保出来ましたので本日より再開いたします。しかしながらメールニュース配信やブログ更新が私の本業ではありませんので、安全性が確保できないようでしたら再度停止させていただきますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 さてこの一週間、様々なニュースが飛び交っておりましたが、非常に注目というか、情けないというか、やるせなかったのは、大阪地検特捜部のデータ改ざん問題と尖閣諸島問題。いずれも我が国の根幹を揺るがす大問題です。まずはデータ改ざん問題からご紹介します。

 私が各種嫌がらせなどを受けるようになったのは、標準化に関わる業務を行うようになってから。やはり業界利権が絡む世界ですから、私のような存在は目の上のたんこぶ、いや鼻くそくらいの存在かもしれませんが。とはいえ私自身透明性と公平性を担保しなければならない立場ですので、厳格な対応が求められています。特に神戸に赴任してからは頑ななほどの態度に戸惑われているメーカーやディーラーの方々も多いと思います。スケールの大きさや立場は全く違うかもしれませんが、今回の地検特捜部も同じような状況のはず。事実関係はまだ明らかにされていないようですが、今回の件は良識のある内部告発とも伝えられています。我々の業界もそうですが、今のうちに膿を出し切らないと後進の方々の将来に大きな障壁となることは明白です。一筋の光は内部から批判の声が上がっていたことですね。我々の業界も「NoのものはNo!」とはっきり言える環境を作りたいと思います。私のような思いを後進の方々にさせたくはありません。


天声人語 朝日新聞コラム 10/3 http://www.asahi.com/paper/column.html
 「指揮官の心構えによって、事件は生きもすれば、死にもする」。特捜の鬼、河井信太郎(のぶたろう)の言葉だ。戦後できたての東京地検特捜部に30代半ばで加わり、多くの疑獄や汚職事件を手がけた。巨悪をえぐる組織の土台を築いた、特捜部育ての親である
▼河井は「部下には十分に意見を述べさせよ」「無理な譲歩や妥協は求めるな」「信ずるより確かめよ」と、上司の心得も残している。あの世で太い眉をひそめているに違いない
▼大阪地検特捜部の前の部長と副部長が逮捕された。郵便不正事件で主任検事の証拠改ざんを知りながら、隠していたとされる。体面を考えたか情にほだされたか、功を焦って暴走した部下をかばい、組織ぐるみで虚構を独り歩きさせたことになる
▼刑事裁判の99%が有罪だから、検察は正義の後衛、最後の番人だろう。証拠品いじりを本紙の特報で知った時、野球でいえば外野手の不在にも似た不安を覚えた。今度は、ボールを止めるべきフェンスまでが消えたような、底なしの恐怖である
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 先日、神戸大学医学部保健学科に出向き、臨地実習前講座ということで4回生の皆さんにお話をしてきました。私のお話に対してのアンケートもいただいたのですが、その中で非常に気になる内容がありました。毎年実習生の方々からは、臨床検査技師の将来に希望が持てないだとか、病院という組織の中で臨床検査技師はいったい何をしたら良いのだろう・・・といったことを良く伺いますが、私の話をもっと早く聞きたかったというもの。有難いと思う反面、青臭い言い方にはなりますが、若い人たちに、夢や希望を与えられる指導者が本当に少ないということ。私自身がそのような立場だというようなことはおこがましくて言えませんが、人材不足だとか言うのであれば、現場の人間が実際に教育現場に出向き、直接学生に話しする機会を持たれれば良いのでは?と思います。今回の実習直前講義も一昨年私が神戸に赴任した折、大学側にお願いをして実現したもので、勿論のこと講義料などは一切ありませんし、資料も私自身がすべて自前で作成して持ち込んでいます。1回生、2回生、3回生の見学実習も提案し、大学側も理解をしてくれてカリキュラムに組み込んでくれるようになりました。私の思いを理解出来ず建前論を重要視する大学もあり、そちらとは残念ながら縁切りさせていただきました。

 内容は全く異なりますが、少年野球ネタを追加です。

 私の属するSSC(少年野球)ではチーム全体の一体感が希薄になるということは全く感じられません。むしろ後半戦に入り、チーム全体としての一体感は強まっている気がします。子供たちをみているとそれぞれのするべき役割を認識しているのか、それぞれが自分の役割を認識しているような行動を見受けるようにもなってきました。それはそれで望ましいことですが、人の役割というものは決められたものではなく、本人も周りも思いこむということで、将来性の芽を摘み取ってしまうことにも繋がりかねないなぁと責任を実感しています。

 ちなみにうちの野球小僧たちは、昨日「南山城大会」準決勝があり勝利を収めましたので、今年四回目の決勝戦進出となりました。恐らく来週に決勝戦があります。今年三個目の金メダルを目指して精一杯のプレーをしてもらいたいですね。


学級・考―窓を開け、風を入れよう 朝日新聞社説 10/3
 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
 最近の小中学校の様子を取材して驚くのは、学級という子ども集団での人間関係の変わりようだ。
 1学級当たりの子どもの数は、小学校が平均28.1人、中学33.0人と、昔にくらべ縮んだ。にもかかわらず、クラス全体の一体感は希薄になる一方だと、先生たちはいう。
 小5、小6ともなると、運動のできる子、苦手な子、アニメ好きの子といった小グループに分かれ、違うグループの子との接触はほとんどなくなる。中学では、同じクラスで「あの子の名前何だっけ?」も珍しくない。
 友だちづきあいはおっかなびっくりだ。似た者同士のグループも安心できない。どう思われるか気にし、空気を読んでしゃべる。いつも誰かとつながっていないと不安。メールには30分以内に返信をする。小学生の半数以上が「仲間外れにされないよう話を合わせる」と答えたとの調査がある。その割合は5年前から5ポイント増えた。
 小さな孤島で羽を寄せ合い、傷つくのを恐れる。学級や学校はいまやストレスいっぱいの空間かもしれない。我慢を重ねた感情はときに破裂し、暴力になり仲間や教師に向かう。グループ内では誰かに「いじられキャラ」を演じさせ、発散する。いじめにエスカレートしても、外からは見えにくい。
 のびのびとした人間関係を築く力はなぜ、こんなに弱ったのだろう。
 多くの教師や研究者が指摘するのが家族と地域社会の変容だ。兄弟、祖父母、近所のガキ大将、地域の大人。そうした異質な人とふれあう機会がめっきり減り、子どもは他者との関係のつくり方が未熟なまま、学級集団に放り込まれる。様々な問題行動の背景を、こうとらえることもできよう。
 文部科学省は、学級の人数の標準を40人から35人へと30年ぶりに改め、数年かけて学級規模を今よりひと回り小さくする計画だ。それに合わせて、教員の定数も増やそうとしている。
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 国際問題を含めた政治思想的なお話は、立場上避けておきたいところですが、「我田引水」という言葉があるように、国際社会はこの言葉花盛り。北方領土問題にせよ、尖閣諸島問題にせよ、諸外国の身勝手さに呆れると同時に、このところの日本政府の弱腰には少々腹が立っています。恐らく多くの国民が同様の思いであると思います。何故事実関係を事実関係として公明正大に公表出来ないのでしょうか?それが出来ない政府なら国民のための政府では無いですね。複雑な事情もあろうかと思いますが、ある程度納得のいく線までは情報開示すべきなのでは?端的にいえば、先日の漁船衝突事故の件であれば動画を撮影していたとも聞きましたが、この動画を公表すれば一目瞭然だと思うのですが、何故出せないのか疑問です。


社説:北方領土問題 見過ごせぬ大統領発言 毎日新聞社説 10/3
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101003k0000m070089000c.html
 ロシアが北方領土問題で強硬姿勢を見せている。メドベージェフ大統領は中国の胡錦濤国家主席と第二次世界大戦終結65周年に関する共同声明に署名したのに続き、近く北方領土を訪問すると明言した。
 旧ソ連時代を通じ北方領土を訪れたロシアの首脳はおらず、訪問の意向を明らかにした首脳も初めてだ。ロシア大統領府筋は、大統領が11月に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するのに合わせて訪問する可能性を示唆している。
 訪問を断行すれば日露関係の悪化は避けられず、領土交渉にも影響が及ばざるをえない。大統領発言を見過ごすわけにはいかない。
 中露の共同声明は「日本の中国侵入」に言及し「歴史の歪曲(わいきょく)を断固非難する」と述べている。沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する中国と、北方領土を実効支配するロシアが連携し領土問題で日本をけん制する狙いがあるようだ。
 だが、この歴史認識には同意できない。ロシア(旧ソ連)は日ソ中立条約を一方的に破棄して北方領土に侵攻し不法占拠を続けている。歴史を歪曲しているのはどちらの方か、と問いたい。
 ロシアはこの夏、日本が1945年に第二次大戦の降伏文書に署名した9月2日を大戦終結の記念日とする法律改正を行った。これも北方領土の実効支配を正当化しようとする動きと関係しているのだろう。
 メドベージェフ大統領は訪中後、極東を訪れ、北方領土を含むクリル(千島)列島について「今回は飛行できない天候だったが、近い将来、必ず訪れる」と語った。これに対し前原誠司外相が「大統領が訪問すれば日露関係に重大な支障が生じる」と警告したのは当然である。

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社説:論調観測 緊張続く日中 「ではどうする」が肝要 毎日新聞 10/3
 
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101003k0000m070088000c.html
 沖縄・尖閣諸島付近で起きた中国漁船による衝突事件で日中間の緊張が続く中、臨時国会が始まった。召集前日には衆院予算委で集中審議も行われ、国会は当面、この問題が大きな焦点となりそうだ。各社の社説はどう書いたか。やはり今週もこれをテーマにしたい。
 集中審議で野党が一斉に追及したのは検察当局が中国人船長を拘置期限前に処分保留で釈放したことについて「政治介入」があったかどうかだった。
 菅直人首相らは「介入は一切ない」と繰り返したが、毎日はまず中国側の強硬姿勢を批判したうえで、首相らの答弁も「とても納得できるものではなかった」と総括。「仮に、政治による指示が一切なかったのが本当だとしたら、逆に政府の外交に対する構えに不安が募る」と書き、改めて菅政権の危機感の乏しさを指摘した。
 政治介入の有無を追及するのは「不毛な攻防」と評した朝日は「釈放が高度な政治判断であったことは疑いがない」と断じ、むしろ首相が「今回の対応についての全責任を自分が負うと言い切らなければ、国民の納得は得られまい」と書いた。
 産経は相変わらず激しい。「中国の揺さぶりを受けて厳正な法律の適用・執行を取りやめたのは国家の恥辱」と批判し、自民党が要求するように検察関係者を証人喚問し、検証するのが最優先だと主張している。
 これに対し、読売は野党の追及は「一応理解できる」としながらも「単なる政府批判の繰り返しは、菅政権の内外の信頼を貶(おとし)め、中国を利するだけで結果的に国益を害しかねない」と批判を野党にも向けている。
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 さてここからは医療関連ニュースに移ります。

 近年、患者QOL拡大のため温存療法などの縮小手術や処置が増加しています。この傾向は患者にとって無駄な治療を受けないための朗報とも言えるものですが、いくら楽でも再発するのでは全く意味のないものであることは当然のことです。

 また画像診断分野では機器精度が向上し、それに伴い診断精度も向上したことは皆さんもご承知のことと思います。超音波などの画像診断もかなり進歩を見せましたが、がんなどの診断についてはあくまでも存在診断であり、この部分を勘違いされている術者も多いと思います。最終診断が病理学的診断であることを忘れてしまっているということは、医療の原点を見失ってるとしか思えてならないのです。


乳がん「切らずに治す」は限定的に 乳癌学会が警鐘 朝日新聞 10/3
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201010020288.html
 乳がんを「切らずに治せる」と広まっている「ラジオ波」でがんを焼く手術について、日本乳癌(にゅうがん)学会は「がんが取りきれない恐れがあり、長期的な成績もわからない」として、対象患者を限定するなど、研究段階の治療である臨床試験として実施するよう会員に通知した。通知に強制力はないが、悪質例は対応を検討するという。
 この療法は「ラジオ波熱凝固療法」と呼ばれる。7~8年前から広がっているが、公的医療保険は適用されていない。直径数ミリの針を乳輪付近から刺し、高周波電流を流して患部を熱してがんを焼く。治療は通常30分以内で済み、日帰り手術が可能だ。
 しかし現在の早期乳がんの標準治療は切除手術。ラジオ波だと、切ったがんの周囲の細胞を調べ、取りきれたかどうかの確認検査ができない。
 ラジオ波手術後、再発した患者を診た会員からの指摘が相次ぎ、日本乳癌学会は今年、一定の治療水準にある認定施設831カ所にアンケートした。その結果、29カ所で約1千人が治療を受けていた。うち9カ所は臨床試験以外の自由診療で行っていた。
 国立がん研究センター中央病院など5施設は臨床試験として、乳がんの大きさが3センチ以下の患者にラジオ波手術をした。その結果、38人中6人に取り残しが確認され、今年度から対象を1センチ以下のがんの患者に絞り、定期的に再発の確認などをしている。
 一方、症例数が約600人と最も多い東京都内のクリニックでは32万円の自由診療で、希望があれば腫瘍(しゅよう)が3センチ以上でも手術している。「臨床試験だと症例が限られ、今後も自由診療で続ける」という。再発率は通常の手術と同じ5~10%程度というが、2割近い患者については術後の経過が把握できていない。

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 さて本日のメインニュースに移ります。

 検診というものは予防診断であると私は思っていましたが、昨今の医療事情はそうではないのでしょうか?偽陰性よりも偽陽性の方を問題視するのは私には全く理解の出来ないことです。予防であるのであれば見落としを見逃さないことが大切であるのではないでしょうか?感度と特異性の使い分けが出来ていないようにも思えるのですが・・・これは受診者側に問題があるのか、それとも医療費削減政策により予防医学が注目されたが思いの他お金がかかり医療費抑制に繋がらないということを実感したのか・・・色々と考えだすときりがありません。


【毎日新聞社 特集ワイド 2010/10/01】
 特集ワイド:がん検診どう受ける? ハイテク検査法、過信は禁物
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101001dde012040012000c.html
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 人気バンド・サザンオールスターズの桑田佳祐さん(54)ら著名人の「闘病宣言」が相次ぎ、働き盛りを襲うがんへの関心が高まっている。治療は日進月歩とはいえ、早期発見に越したことはない。そこでがん検診である。何を、どう受ければいいのか。【平野幸治】
<次回の取材も、1日2日遅れても必ずやりますから、お待ちくださいね>
 肺がんで8月に亡くなった芸能リポーターの梨元勝さん(享年65)は、闘病中も仕事への旺盛な意欲を自身のブログに書き込んでいた。おなじみの「恐縮です」がもう聞けないのは寂しいが、それ以上に、体調不良を訴えてからわずか4カ月での訃報(ふほう)に、がんの威力や健康のかけがえのなさを痛感した中高年の方々も多いのではないか。
 がん検診は、そんな「早過ぎる死」を防ぐための重要なツールの一つだ。現在、厚生労働省の研究班によるがん検診ガイドラインで推奨されているのは、表にある5種類のがん検診。「これだけ?」と拍子抜けされるかもしれないが、この五つの
がんで、男性ではがん死亡の51%、女性では54%を占める。
 「がん検診の評価は、死亡率を下げられるかどうかによって決まる。これらの5検診は、信頼性の高い研究によって有効性が確かめられているのです」と語るのは、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部長の斎藤博さん。「がん検診は誤解だらけ 何を選んでどう受ける」(NHK出版生活人新書)などの著書もある、この分野のエキスパートだ。
 その「死亡率減少効果」は大腸がん60%、胃がん59%、子宮がん78%という成績なのに対し、肺がんと乳がんは28%、19%とやや幅がある。
 ところで、ここに内視鏡による胃や大腸の検診が入っていないことを意外に感じた方もいるのではないか。「エックス線よりも直接体内をカメラで観察できる方が、がんを発見しやすいのではないか」というわけだが、斎藤さんによると、胃内視鏡については死亡率を減らせたとの研究はまだ見当たらないという。一方、大腸内視鏡は検診としての有効性は証明されているものの、わずかではあるが腸の壁に穴をあける事故などの危険性があるうえ、現状では医療機関の受け入れ能力に限界があり、集団検診としてはまだ推奨されていない。ただ、個人としてなら「リスクが高まる50~70歳の方は、不利益について理解したうえで、毎年の便潜血検査に加えて一度、大腸内視鏡専門医のいる施設で受けておくのが最もメリットのある受け方でしょう」。
 内視鏡と並ぶハイテク検査機器といえば、CT(コンピューター断層撮影)だ。肺がん検診のツールとして期待されているが、やはり有効性は確立されていない。とはいえCTは、がんを正しく判定する能力(感度)は高い。ところが、その能力が災いして、別の問題も抱えているのだ。それが「過剰診断」だ。
 自然に退縮したり進行が極端に遅かったりして治療の必要のないがんを見つけてしまい、無駄な治療をすることをいう。斎藤さんによると、ある研究ではCTによる女性の肺がん(主に非喫煙者の腺がん)の発見数が、日本人の罹患(りかん)率から算出した予測数の8倍にものぼった。大半が過剰診断とみられる。身体的にも精神的にも消耗し、そもそも死亡リスク低下にもつながらない。多くの自治体で実施されている前立腺がんのPSA(前立腺特異抗原)検査や、甲状腺がんの検診にも過剰診断の多いことが分かっている。
 CT検診では、エックス線被ばくも気になる。検診には低線量CTを用いるのが基本だが、経過観察のために繰り返し撮影する必要性も生じる。海外には検査による被ばく量がかさむとがんリスクが高まるとの報告もあり、少なくとも受診する医療機関のCTが低線量型かどうか自分で確認した方がよさそうだ。
 では、サザンの桑田さんや世界的指揮者の小澤征爾さん(75)が手術を受けた食道がんでは、検診はどうか。
 「心配な方には内視鏡という方法があり、感度も高いのですが、残念ながら死亡率低下の証拠はありません。それよりも因果関係がはっきりしている喫煙と飲酒、特に喫煙をやめることが、他の病気の予防も含め最大の自己防衛でしょう」。斎藤さんはそうアドバイスする。
 乳がんの超音波検査、ヒトパピローマウイルス検査による子宮頸(けい)がん検診、前出の前立腺がんのPSA検査などもがん検診として実施されているが、いずれも有効であることを示す科学的根拠は不十分で、さらに研究が必要だ。
 ガイドラインで推奨されないこれらのがん検診、現実にはかなりの市区町村が集団検診として行っている。斎藤さんによると、欧米では有効性が確かめられた子宮頸がんの細胞診・乳がんのマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)検査・大腸がんの便潜血検査の3大検診に絞られているという。刑事裁判に確かな証拠がないうちは無罪とする「推定無罪」の原則があるように、がん検診においても「健康な人を対象とする以上、不利益を重視し、有効との証拠が得られるまでは導入しない『推定無効』が国際的な考え方です」と斎藤さん。
 がん検診の不利益を最小化し、死亡リスクの低下という本来の利益を最大限に享受するにはどうすべきか。
 「最新の検査法に飛びつくのではなく、まずは市区町村や職場で行われる5がん検診を適切な間隔で受け、要精密検査になったら必ず受ける。現時点で科学的根拠のない検診を受けたい場合は、不利益について医師から十分な説明を受けたうえで判断する。それが最も手堅い受け方です」
 実は施設ごとの設備や検診技術の「質」にはばらつきがある。そこを評価し、底上げする仕組みづくりが国内で始まってはいるが、受診者にはまだ遠い話だ。例えば乳がん検診なら、NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会から読影能力や検査技術の認定を受けた医師や放射線技師のいる医療機関を選ぶのも一つの方法だろう。そのリストは委員会のホームページ(別項)で公開されている。
・・・続きを読むにはここをクリック
 
<がん検診の理解に役立つホームページ>
・国立がん研究センターがん情報サービス
 
http://ganjoho.jp/public/
・科学的根拠に基づくがん検診推進のページ http://canscreen.ncc.go.jp/
・NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 http://mammography.jp/


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YUTAじい

こんばんは。
大変でしたね、また宜しくおねがいします。
by YUTAじい (2010-10-03 18:26) 

Azumino_Kaku

少年野球、楽しみですね。決勝戦でのご健闘をお祈りします。
by Azumino_Kaku (2010-10-03 19:23) 

Koji

本日より復帰いたします。今後ともお付き合いください。

YUTAじい さん
お心遣いに感謝いたします。有難うございます。

Azumino_Kaku さん
有難うございます。うちの小僧たちも厳しい試合ばかりが続いていますので、かなりたくましくなってきました。
by Koji (2010-10-03 22:15) 

kotobukimaru

詳しいご事情は分かりませんが頑張って下さい。
今、べレット腺癌の疑いで生検の結果待ちの身です。
今日の記事も参考になりました。
今後とも役に立つ記事を配信してください。
by kotobukimaru (2010-10-04 13:56) 

Koji

kotobukimaru さん
激励有難うございます。今後とも必要とされる記事をご紹介したいと思います。kotobukimaruさんもお辛いですね。良性であることをお祈りしております。
by Koji (2010-10-06 00:16) 

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    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
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