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0914-590号 多剤耐性菌:細菌の耐性獲得、仕組みは多様に 自らの変異と遺伝子伝達が誘発 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 今日は検査当直のため、ゆとりを持って病院に行けると思いきや、大阪駅に着いた途端、多数乗客が溢れ返っておりました。嫌な予感が・・・アナウンスでは先ほどJR茨木駅にて人身事故発生!にて運転は全線ストップ!とのこと。振り替え代行輸送もまだ決定していないホットな状態でした。少し待ってから振り替え代行輸送が可能とアナウンスがありましたので、JRを諦めて阪急にて三宮に向かいました。三宮に着いたらJRは未だ運転見込み立たずとのこと。とっとと諦めて正解でした。


 さて本日の注目ニュースは勿論、民主党代表選挙で、各社朝から特番を出していますね。どの社もありきたりのことばかりで面白みに欠けるものでしたが、今晩当直中のニュースはこればっかなのでしょうね。幹事長時代に多くの取り巻きを引き連れて中国に訪問したことで、相手国はきっと勘違いして日本を従属国として見たことだろうなぁと危惧していたら、中国漁船の違法操業事件で大使を午前0時に呼び出しですよ、呼び出し。国としての威厳というか、守るべきプライドはどこに消えたのでしょうね?日本人としての尊厳は?この話題に繋げちゃあいかんと思うのですが、医療ツーリズムの例の如く節操のないこと甚だしいです。品、格、識、等をもっと日本人は意識して良いのでは?記事にも書かれていましたが「日本政府は、相手の水準に合わせて品位を落とさぬよう礼節を保ち、法にもとづいて事件を粛々と処理すればいい」 御意!!!昨日お話しした少年野球チームの品格と同じですね。相手の低レベルに合わせる必要は全くなし!

 あるブログ仲間の方が言われていましたが、こんな混沌とした世の中だからこそ、六徳(りくとく)が必要だと思いますし、南総里見八犬伝「仁義礼智忠信孝悌」のようなものを大切にしないと、殺伐とした乾ききった日本になっていくのでしょうね。ただこういった「徳」を守ることで出世できるかといった問題が出てきますが、高度成長時代に長年かけて壊してきたものを、これから長年かけて構築していかないといけないんじゃないですかね? じゃないと、この国はどこぞの節操無い国のようになってしまうと思います。

【六徳(りくとく)】
 人の守るべき六種の徳。諸説ある。
 「周礼(大司徒)」では、知・仁・聖・義・忠・和の六種。
 「小学」では礼・仁・信・義・勇・智の六種。

【仁義礼智忠信孝悌】
 仁・・・思いやり、慈しみ。
 義・・・人道に従うこと、道理にかなうこと。
 礼・・・社会生活上の定まった形式、人の踏み行なうべき道に従うこと。
 智・・・物事を知り、弁えていること。
 忠・・・心の中に偽りがないこと、主君に専心尽くそうとする真心。
 信・・・言葉で嘘を言わないこと、相手の言葉をまことと受けて疑わないこと。
 考・・・おもいはかること、工夫をめぐらすこと。親孝行すること。
 悌・・・兄弟仲がいいこと。


9月14日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20100913-OYT1T01016.htm
 故・毛沢東主席が中国国内を旅する列車には時刻表がなかった。主治医として随行した李志綏(りしすい)氏が『毛沢東の私生活』(文芸春秋)に書いている。〈毛が目をさましたときにだけ列車は走り、眠ると停車するのであった〉
◆専用列車が通ったあと、列車ダイヤが正常に戻るのに1週間ほどかかったというから、自分の気ままな時計で他人の時間を支配する“皇帝気取り”は一般の人々にはいい迷惑だったろう
◆「皇帝の時計」は健在である。戴秉国(たいへいこく)・国務委員(副首相級)が丹羽宇一郎・駐中国大使を真夜中の午前0時に呼び出した
◆中国漁船の違法操業事件で改めて日本側の対応に抗議したというが、一刻を争う用件ではない。「お~い、水」と小間使いを呼ぶようなやり方は礼儀を欠いている。日本政府は、相手の水準に合わせて品位を落とさぬよう礼節を保ち、法にもとづいて事件を粛々と処理すればいい

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 先日、非常に惜しい方が亡くなられました。谷啓さん・・・古き良き時代というか、全盛時はあまり記憶にないのですが、クレイジーキャッツの昔のビデオは見たことがあります。非常に斬新かつ繊細で個性豊かな集まりでした。その中でも谷啓さんの存在は植木等さんと同様非常に大きなものでした。最近ではナレーターもされていたようですが、やはり多くの方々が印象深いのは浜ちゃん・スーさんでおなじみの「釣りバカ日誌」です。非常に味わい深い人物像は谷啓さんそのものであったと思います。私も谷啓さんの大ファンでした。本当に惜しい方を亡くしました。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。


春秋 日本経済新聞コラム 9/14
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E6E4E3E6E0E3E2E3E6E2EBE0E2E3E29F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D
 もともとはマージャン中の掛け声だったらしい。クレージーキャッツのメンバー、谷啓さんが流行(はや)らせた「ガチョーン」だ。ほかにも「ビローン」「モミョー」「ドビョーン」「ムヒョー」等々。この人がやると不思議におかしかった。
▼とぼけた間合いと、意味不明のギャグ。それを見事な芸にしただけでなく、トロンボーン奏者としても一流だった。クレージーの音楽を支え、ショーの構成まで手がけたという。そのくせ妙に恥ずかしがり屋で、カーテンの陰で演奏したいと訴えた、という話もある。何とも複雑な表情を持つ才人が78歳で逝った。
▼植木等さんの死が記憶に新しいのに、こんどは谷さんだ。高度成長期の明るさと切っても切れない、あの7人組は5人が鬼籍に入った。植木さんが「そのうちなんとか」式の夢を体現していたとすれば、谷さんは少し皮肉屋の役回りだったろうか。風情は異なれど、右肩上がりの戦後を生きた人間のにおいがする。

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 さてここから話題をがらりと変えます。

 最近コンビニやスーパーなどで見かけるものに清涼飲料水があります。その清涼飲料水の中でも「なんじゃこりゃ?」といつも思うのが「海洋深層水」・・・ずっと疑問に思っていたのでちょっと紐解いてみました。しかし地球温暖化の影響は様々なところに出るものですねぇ・・・

海洋深層水
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E6%B7%B1%E5%B1%A4%E6%B0%B4
 海洋深層水(かいようしんそうすい、deep ocean water:DOW, deep sea water)または単に深層水とは、深度200メートル以深の深海に分布する、表層とは違った物理的・化学的特徴を持つ海水のことである。よって、海水の90%以上は海洋深層水にあたると言える。これは産業利用上の定義であり、海洋学上の定義とは異なる。
2つの「深層水」
 海洋学上の深層水は大洋の深層に分布する海水で、地球上の2箇所(北大西洋のグリーンランド沖と南極海)で形成される深層水(北大西洋深層水と南極低層水)のことを示す。これらの深層水は熱塩循環によっておよそ2000年かけて世界中の海洋を移動しており、千年単位の地球の気候にも重要な関わりを持っている(詳しくは熱塩循環参照)。
 これと比べ、産業利用上の深層水は、分布や出自を問わず深度200メートル以深の海水をひとくくりに定義したものである。この定義に当てはめると、単純計算で海水の約95%は海洋深層水である。
 以下、この記事では後者の深層水について説明する。

海洋深層水の特徴
 表層水との違いは、清浄性、無機栄養塩類が豊富、低温安定性という特徴を有することである。
清浄性
 人間の排水で汚染された河川水の影響を受けないため、化学物質による汚染がない。また、太陽光が届かないためプランクトン等が成育しないので、有害な雑菌等も表層水の千分の一以下と少ないことが特徴である。このため、深層水は表層水に比べて細菌学的にも化学的にもはるかに清浄である。
無機栄養塩類が豊富
 表層水に比べて、植物プランクトンの成長に必要な無機栄養塩類(NO3-ショウ酸態窒素、PO4-リン酸態リン、Si ケイ素)が豊富である。これは海洋深層水中の植物プランクトンが少ないために、表層から沈降してくる魚類の死骸が分解されて生じた無機栄養塩類が消費されずに残っているためである。
低温安定性
 水温をはじめ含まれる成分が年間を通して一定であり、水質が安定しているという特徴がある。海洋深層水は、表層水との混合がおこなわれないため溶存酸素量が少ない。ただし、日本海固有水は太平洋側の海洋深層水とその成り立ち方が異なるため、溶存酸素量が表層水とほとんど同じであることが特徴である。なお、深層水が特定の海域で表層へ上昇する(湧昇)ことがあるが、豊富な無機栄養塩類によりプランクトンが豊富に発生するため、非常に生物生産性の高い海域となり好漁場となる。


日本海深部:温暖化で循環滞り酸欠 100年後「死の海」?--国環研チーム分析 毎日新聞 9/14
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100914ddm041040086000c.html
 日本海の深海域が将来、無酸素状態になる可能性があることが、国立環境研究所や海洋研究開発機構のチームの分析で分かった。深海に酸素をもたらす「表層水」が、冬の海水温上昇で十分冷やされず、重くならずに深い部分まで達しないためと考えられる。温暖化が現在のペースで進めば、100年後には日本海の海底付近が無酸素状態の「死の海」になる恐れもあるとして、チームは詳細な調査に乗り出した。
 外洋では、南極や北極圏など高緯度地域で冷やされた表層水が沈み込み、水深2500メートル以下の「底層水」と入れ替わっている。2000年もかかるゆっくりした循環だ。日本海では、ロシアのウラジオストク沖やサハリン沖で冷やされた表層水が沈み込むが、対馬海峡や宗谷海峡などによって半ば閉鎖されているために、その循環スピードは約100年と速い。
 チームは、日本海は外洋より温暖化の影響が早く表れると予測し、日露の研究機関が1920年代から蓄積している観測データを調べた。その結果、50~60年代以降、底層水の酸素濃度が減り続けていることが分かった。
 現在の酸素濃度は海水1キロあたり6・7ミリグラムで、50年代から約2割減少。底層水中のプランクトンが酸素を消費する一方、表層水の沈み込みが不十分で、酸素供給が追いついていないと推測した。
 日本海の海水温は、過去100年間で1・3~1・7度上昇。このペースで温暖化が進めば、日本海の循環が停滞し、約100年後には無酸素状態になるとチームは予測している。今年度から3年間かけ、新潟県佐渡沖など日本海の4海域で、海面から底層水までの酸素濃度、海水温、海流を調べる。国環研の荒巻能史(たかふみ)・地球環境研究センター研究員は「無酸素化のメカニズムを解明し、生態系への影響などの研究につなげたい」と話す。【江口一】
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 さてここからは医療関連ニュースに移ります。

 まずは母子感染が問題となっているATLA(HTLV-1)の妊婦への抗体検査をようやく政府が動き始めたという話題。
 ATLA(HTLV-1)の詳細な記事に関しては、以前のこのニュースでもお伝えした通りですので、以下URLをご参考までに・・・ 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-04-19

 感染の全国的な拡がりを見せる中、妊婦検診のスクリーニング検査としてATLAを当然検査するべきだと思います。本邦においてはここ数年、予防医学に対する認識が徐々に変化していることを実感しますが、対症療法ではなくやはり根本から疾病を断つという考え方で進むべきであり、医療費抑制政策にも一助となるのは当然だと考えます。


妊婦検査、年度内実施へ 白血病ウイルスで首相 共同通信 9/13
 
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091301000837.html
 菅直人首相は13日、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)の母乳を通じた母子感染を防ぐため、妊婦を対象とした全国一律の抗体検査やカウンセリングを本年度中に始める考えを表明した。自らが官邸に設置したHTLV1特命チームの初会合で語った。
 8日に、ウイルス保有者で白血病を発症し、自宅療養中の浅野史郎前宮城県知事や患者団体のメンバーと面会した際、来年度から実施できるよう予算措置を講ずるとしていたが、予定の前倒しを指示した形。
 菅首相は会合で「早急に取り組まなければならないとあらためて確信した」と強調。普及啓発や治療・予防の研究促進、相談・診療体制に関する方向性を総合対策として年末までにとりまとめるようチームに求めた。

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 次の話題も予防医学に関連する話題です。

 メタボ検診など、本邦における検診・健診事業はますます拡大を見せているところですが、検査センターや健診センター等、民間に依存している現状と言えます。以前から申し上げているように、この検診・健診における検査データの品質や互換性は未知であり、現状把握に早急に取り掛からなければ国家資産としてのデータ蓄積は困難だと言えます。この互換性を含めた標準化を含めた話題については、以前の記事でお伝えしていますので、以下URLを参考として下さい。
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-07-28-1
 http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18

 インフラ整備は宜しいのですが、インフラの中身、いわゆるデータの品質や互換性につき議論をしなければ「箱があっても中身なし」という状況になることは容易に想像出来ます。この部分全く見えてきませんが、全く認識されていないのでしょうか?


non-HDL-Cが第2の指標に 女性やメタボ患者などのリスク評価に有用 日経メディカルオンライン 9/10
 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201009/516517.html
 non-HDLコレステロール(non-HDL-C)は、総コレステロール(TC)から高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)を引いた値で示される脂質代謝に関する新しい指標だ。低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)のほかに、中性脂肪(TG)が高値の際に増加する超低比重リポ蛋白(VLDL)や中間比重リポ蛋白(IDL)中の悪玉コレステロールも含むのが特徴だ。
悪玉Cを総合的に評価
 国際医療福祉大大学院教授の佐々木淳氏によると、「non-HDL-Cは、海外では古くから使われていた概念。日本でも動脈硬化ガイドラインの次期改訂で、LDL-Cに次ぐ第2の指標として前面に打ち出されることになりそうだ」という。
 LDL-Cが脂質代謝の最も重要な評価指標であることは世界的に確立しているが、主に冠疾患リスクの高い男性を対象としたエビデンスに基づいている。一方、「non-HDL-Cは、女性を対象とした海外のデータでも、心血管イベント発症リスクの予測力がLDL-Cと同等、またはそれ以上だったという結果が見られる」と佐々木氏。10年間に心血管イベントを発症するリスクを調べたWomen’s Health Study(対象は平均年齢45歳の女性1万5632人)で、LDL-Cが高い場合のハザード比が1.62(95%信頼区間[CI]1.17-2.25)だったのに対し、non-HDL-Cが高い場合は2.51(95%CI1.68-3.72)だった(JAMA 2005;294:326-33)。
 non-HDL-Cはメタボリックシンドロームや糖尿病などで高TG血症が顕著な場合には特に有用とされる。高TG血症では、VLDLが増加するだけでなく、低HDL-C血症、レムナント(VLDLの中間代謝物)の増加、small dense LDL(より小型で比重の高いLDL)の増加などに伴い、動脈硬化が促進されやすくなる。
 「non-HDL-Cは、動脈硬化惹起性の高いリポ蛋白(LDL-C、VLDL-C 、IDL-C)を総合的に評価できるため、高TGの場合にはLDL-Cよりも優れた指標といえるだろう」と、筑波大内分泌代謝・糖尿病内科教授の島野仁氏も話す。
 また、TG値に比べてマーカーとしても優れた点が多い。同氏によれば、(1)TGのように食事の影響を受けない(2)測定値の信頼性が高いTCとHDL-Cから簡単に計算できる(3)昔のデータからも求められる─などのメリットがあるという。
きっかけはLDL-C直接測定法
 このように有用性が高いとされるnon-HDL-Cだが、日本で注目されるようになったきっかけは、LDL-C直接測定法の問題だった。
 LDL-Cは従来、フリードワルドの式(F式)から求められてきたが、10年ほど前から直接測定法が日本を中心に広く普及。しかし標準化が不十分な上、全7社の試薬を評価した日米共同研究の結果、高TG血症などでは、試薬間で大きな差が出ることが判明したのだ。
 直接測定法の普及によって、TC測定が省略されると、F式でLDL-C値を算出できなくなることも問題となった。「F式によるLDL-C値を使わなければ、日本の論文は海外で通用しなくなる」と佐々木氏。
 こうした事態を収拾するため、7月に開かれた日本動脈硬化学会総会・学術集会で同学会副理事長の寺本民生氏(帝京大教授)は、「LDL-C値は直接測定法からではなく、F式から求めるべき」と強調。血清脂質を調べる際には、必ずTCを測定するよう現場での周知徹底を求めた。
 ところが、F式は高TGの場合には使えない。non-HDL-Cは、そのような場合にも臨床的意義は変わらないことから、積極的に活用しようという流れとなったわけだ。
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 本日のメインニュースに移ります。

 何度も特集を組んできていますので、もう聞きたくなーい(--;という方も多数おられるかもしれませんが、非常に大切な部分ですのでご紹介します。

 最大の関心事で非常に大問題なのは、今後抗菌剤の開発が期待されないということ。現有する各種抗菌薬をうまく使い分けるしか手はない・・・ということで、人間の持つ自然治癒力や免疫力を如何に伸ばしていくのか?ということに変わってくると思います。そうなると今ある多くの栄養サポートなどは免疫力を向上させる栄養を、と言いつつ、その評価に関しては主観的なものが殆どであり、免疫状態の客観的評価を行っているNSTは殆ど皆無の状況じゃないかな?と思う訳です。ですから今後の研究すべきテーマとしては、食事が検査データ(免疫力)にもたらす影響であるとか、そういった部分に踏み込んでいかないと、西洋医学と言いつつも、先日から問題となっている「ホメオパシー」と何ら変わりのないものになってしまうと思うのですが、如何でしょうか?


【毎日新聞社ニュース 2010/09/14】
 多剤耐性菌:細菌の耐性獲得、仕組みは多様に 自らの変異と遺伝子伝達が誘発

 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100914ddm016040104000c.html
=================================================
 多くの抗菌薬(抗生物質)が効かない「多剤耐性菌」に注目が集まっている。帝京大病院(東京都)では多剤耐性のアシネトバクター・バウマニが院内感染で広がり、死者も出た。独協医大病院(栃木県)の入院患者からは薬を分解してしまう「NDM1遺伝子」を持った大腸菌が国内で初めて検出されるなど、多種多様な細菌が耐性を身につけている。これらの細菌はどのように耐性を獲得するのだろうか。【藤野基文】
 薬に対して効かない性質を獲得した細菌を「薬剤耐性菌」、複数の薬に耐性がある場合を「多剤耐性菌」と呼ぶ。
 細菌の一部は人間にとって健康を損なう悪者だが、細菌も自らの生存をかけて戦っている。抗菌薬に対する耐性はその戦略の一つ。抗菌薬が細菌の外膜から内部に入り込み、生存や増殖に必要な部位に結合して活動を停止させるか死滅させるのに対し、入り込んだ薬を効かなくしたり、薬の成分が標的部位に達するのを防ぐ能力を獲得する。そのメカニズムは実に多様だ。
 知られているのが、細菌が持っている酵素が薬を分解したり、効き目を失わせる(不活化)方法。薬が結合する場所の形を変化させることにより、薬を結合させにくくするケースも多数報告されている。また、細菌にポンプのような役割を持った部位があり、内部に入ってきた薬を認識し、外に排出することもある。
 薬が入り込むこと自体を妨げる方法も。外膜にある穴をふさぎ、侵入する薬の数を減らす戦略が代表的だが、複数の菌が粘り気のある強力な保護膜「バイオフィルム」に覆われ、集団で身を守ることもある。
 この細菌はこの方法、とは決まっておらず、一つの菌が複数の方法で耐性を獲得することもある。
 細菌が耐性を獲得することになる「きっかけ」は、大きく二つある。一つは、患者の体内などで薬にさらされることで自らが変異する場合。もう一つは、別種の細菌から耐性遺伝子を受け取る(伝達)場合だ。
 東海大の藤本修平教授(感染症学・細菌学)は「伝達によって別種の細菌から遺伝子を受け取り耐性を獲得した場合は、その細菌からさらに他の菌にも耐性遺伝子が伝達しやすく、警戒が必要だ」と指摘する。
 例えば、インドが起源と伝えられる、NDM1遺伝子を持った大腸菌は、別の菌から遺伝子を伝達されたと考えられる。実際、米国などでは肺炎桿(かん)菌(きん)がNDM1遺伝子を持っていたことが判明している。これらの細菌は、NDM1遺伝子を取り込み、多くの抗菌薬を分解できる酵素を生産するようになる。その結果、ほとんどの薬が効かない耐性菌になる。アシネトバクター・バウマニも、他の細菌の遺伝子を自分の遺伝子に取り込んで耐性を身につけることが知られている。
 ただし、薬剤耐性を獲得しても、その細菌自体の毒性が強まるわけではない。大腸菌や緑膿(りょくのう)菌がもし薬剤耐性を持っていても、本来の毒性が弱いため、健康な人には深刻な影響を与えない。だが、重病があったり手術などで免疫力が落ちた人は、感染すると症状が出やすく、さらに抗菌薬が効かないとなれば深刻だ。
 東邦大の舘田(たてだ)一博・准教授(微生物・感染症学)は「現在、問題になっている細菌は、感染したことでばたばたと死んでいくような危険性は考えなくていい。しかし、病院内では、医療関係者が院内感染の伝達者とならないよう、手洗いなど対策を徹底することが大切だ」と話す。
◇抗菌薬の開発、ほぼストップ
 人類と細菌の戦いは、1929年に英の細菌学者フレミングが、世界初の抗菌薬「ペニシリン」を発見して以来続いてきた。しかし現在、抗菌薬の開発はほとんどストップしている。国立感染症研究所の荒川宜親(よしちか)・細菌第2部長は「弾のない鉄砲で敵と戦わなければならないのが医療現場の現状」と話す。
 東海大の藤本教授によると、日本の製薬会社は70年代から80年代にかけて抗菌薬を盛んに開発し世界をリードしてきた。しかし、新しい抗菌薬が作られると、細菌はそれに対する耐性を身につけるといういたちごっこの連続。新薬を開発しても耐性菌が現れて薬が効かなくなることや、慢性疾患の薬のように患者が長期間使うものではないため、収益性が低いとみなされ、各社は抗菌薬開発からの撤退を迫られるようになった。
 新しい抗菌薬の発売数は80年代後半をピークに下降の一途をたどった。00年以降は、開発に必要な薬効成分の発見はゼロ。一方、新しい耐性菌は出現し続けている。
 多剤耐性菌に感染し発症した患者を、医療現場はどうケアするのか。東京医大の松本哲哉教授(微生物学)は「複数の薬を試しながら、効く薬を探す。それがない場合は対症療法を続けながら、患者の免疫力が細菌に打ち勝つのを待つしかない」と話す。

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もーもー

母は、子供心に、NHKの里見八犬伝の、人形劇が好きでした
 仁 義 の玉が出てくるのが好きでした・・
もう一回見たいです   
by もーもー (2010-09-15 08:29) 

よしあき・ギャラリー

ご来訪いただき、ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2010-09-15 14:15) 

Koji

ご来訪いただき有難うございました!!!

もーもーさん
いつもながらコメント有難うございました。
私も八犬伝の人形劇はみていたくちです。
ああ言ったほのぼのとした番組、最近ではなくなりましたねぇ・・・

よしあき・ギャラリーさん
こちらこそご丁寧に有難うございました。
by Koji (2010-09-16 18:29) 

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[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
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 臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。

 さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。

 現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。

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         臨床検査技師長
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