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0820-574号 【情報】 HbA1c値、「+0.4」で決着 米国の意向に翻弄された国際標準化 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 夏の甲子園もあと残すところ1試合となりました。予測のつかない試合展開が多かったのですが、最終的には、興南と東海大相模という有名校同士の決勝戦となりました。ま、どちらが勝っても爽やかさを残すのが高校野球の良いところ。明日は二週間振りに野球小僧たちと再会・・・今から楽しみです。ちなみに明日はアジアカップという公式戦で舞洲球場まで出掛けます。

 ところで今年の夏はグラウンドにいることが多かったせいなのか、暑さのせいであまりベランダに出ることが無かったせいか、蚊に刺されることは例年に比して少なかったように思います。とはいえ、同じ場所にいる周りに人に比べて刺されやすいのも事実で、これまで散々刺されまくってきました。血液型との因果関係も色々なところで書かれていて、やっぱりO型が刺されやすいというのが一般論(ちなみに私はO型です)。蚊誘引性に関する文献は数多く出されているようですが、肯定的なものも否定的なものも数多くあります。このことについて詳しく書かれているサイトがありましたので、興味本位でご紹介。
http://www.gaityu.jp/syosaibloodtype.html  

 私の場合、蚊だけではなく、お年寄りやお子ちゃまに対しても誘引性が強いようですが(知らない間に寄ってきていたり、手を繋いだりということが良くあります)、これについてはどこを探しても掲載されておりません。出来ればその間の女性年齢層が私としては望むところなのですが、こればかりはちっとも誘引性が無いのが現状です。

 今日は「蚊の日」らしいですね。蚊刺されフェチとか聞いたことはありませんが、蚊のお好きな方っておられるのかしら?あの痒みがたまらんとか・・・


8月20日付 編集手帳 読売新聞コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20100819-OYT1T01271.htm
 病床の正岡子規は蚊の攻撃に難儀したらしい。蚊を断罪した『刺客蚊公之墓碑銘』と題する一文があることを、樋口覚氏の『短歌博物誌』(文春新書)に教えられた◆血を吸うのは殺生罪、蚊帳の穴をくぐるのは偸盗(ちゅうとう)罪、耳にうるさい羽音は妄語罪、酒の香を慕うのは飲酒罪…〈汝の一身は総(すべ)てこれ罪なり〉。蚊はいつの世もこの季節の嫌われ者である◆ものの本によれば、きょうは「蚊の日」であるとか。1897年に英国の細菌学者ロナルド・ロスが蚊の胃からマラリアの原虫を発見したのにちなんで設けられたという
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 さてまだまだ暑いとはいうものの、少しずつですが秋の気配が近づいてきているようです。病院食堂のマスターと立ち話していたら、「赤とんぼを見かけたよー」とのこと。暑い夏は嫌いですが、流星群や星座、天の川など夏ならではの夜空が観れますのでこれは好き。また夏の夜空と言えば、夏の大三角形があまりにも有名ですが今日の話題はこれと違ってオリオン大星雲。今年の冬に、オリオン座の1等星「ベテルギウス」が超新星爆発へ向かうと見られる兆候が見られるといったニュースを覚えておられるでしょうか?オリオン座は冬の星座としてあまりにも有名ですが、時間帯によってはオリオン座が姿を現す季節が近付いてきました。たまには蚊に刺されながら夏の夜空を楽しんでみては如何でしょうか? 私は蚊がいなくなってから天体観測をするつもりですが・・・


オリオン大星雲
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%A4%A7%E6%98%9F%E9%9B%B2
 オリオン大星雲(-だいせいうん、M42, NGC1976)はオリオン座の三ツ星の南の小三ツ星の中央にある散光星雲である。肉眼で見える星雲の中で干潟星雲(M8)と並び最も明るいものの一つである。地球から約1,600光年の距離にあり、約33光年の実直径を持つと考えられている。低倍率の双眼鏡でもはっきりと見ることができる。肉眼では通常緑がかった色に見える。
 オリオン大星雲の中心部には、4重星のトラペジウム (Trapezium) を主要な構成メンバーとする、非常に若い星からなる散開星団がある。ハッブル宇宙望遠鏡などの強力な望遠鏡による観測で、オリオン大星雲の中に塵の円盤に包まれた星が多数発見されている。これらの星は周囲に惑星系が形成される非常に初期の段階にあるものと考えられている。


オリオン星雲:恒星はぐくむ「さざ波」ガス雲初観測 --スペイン・オランダ研究チーム 毎日新聞 8/20
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100819dde041040008000c.html
 オリオン星雲で太陽の20~40倍もある巨大恒星の周辺に、さざ波のような構造を持つガス雲があるのをスペインとオランダの研究チームが世界で初めて観測し、19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。次々と恒星が誕生する仕組みの解明に役立つ成果だという。
 太陽から約1300光年離れたオリオン星雲は、大質量の星が盛んに生まれている領域として知られる。
 研究チームは、スペインにある口径30メートルの電波望遠鏡を使って観測。四つの巨大恒星が集まる領域に隣接した水素ガス雲の表面の一部が、巨大恒星から吹きつける高速のガス流の影響を受け、水面に風が吹いた時のようなさざ波状の構造になっているのを発見した。さざ波の大きさは2~3光年に達し、その中には、周囲より密度が高く細長い形をした「フィラメント構造」が見つかった。この構造は分裂・圧縮して、新たな恒星に成長する「種」として知られる。
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 さてここからは医療関連ニュースに移っていきます。まずは食の話題から。

 固形物を食することが出来ない方は、流動食を摂らざるを得ませんが、この流動食、見た目も味も今一つといった感があります。実際患者さんに聞いても、一体何を食べているのかが分からない、また不味いといった声が良く聞かれます。そうでなくとも苦しい思いをされているのに、これ以上の苦痛を与えないよう、出来る限り五感に心地ち良いものを差し上げたいものですね。


がん患者の流動食にフレンチの手法いかが…千葉 読売新聞 8/20
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=29692
 がん治療で胃や食道を切除し、食べられるものが限られるなどして食事を楽しめなくなったという人たちに、食の楽しみを思い出してもらおうと、NPO法人「医療・福祉ネットワーク千葉」(竜崇正理事長)は、流動食にフランス料理の手法を取り入れ、味にもこだわった「ケアフード」の紹介に力を入れている。
■味・香りもしっかり
 「素材の味や香りがしっかり感じ取れる」「のどごしがさらっとしていて食べやすい」――。
 先月26日、同ネットがケアフードを紹介しようと、千葉市中央区の県がんセンターで開いた試食会。センターのがん患者や医師、栄養士、看護師ら約40人が集まり、牛肉の赤ワイン煮込みやタマネギのピューレなどを口にすると、顔を見合わせて「おいしい。どうやって作るの」と驚きの声が漏れた。
 料理を用意したのは、東京・飯田橋のフランス料理店「フォーグレイン」の料理長、石原雅弘さん(47)。同店では昨年6月から、ケアフードをメニューに取り入れている。
 石原さんは、それぞれの料理のレシピを説明したほか、食べる分量に刻んで冷凍した旬の果物を解凍し、ミキサーにかけるだけでおいしく食べられる手軽な調理法も伝授した。
 石原さんがケアフードに取り組むようになったのは、4人組の客の1人が胃の手術を受け、コンソメスープとスクランブルエッグしか食べられないと聞き、「それでは楽しい会話もできない。みんなと同じようにフルコースで食べてほしい」と思ったのがきっかけという。

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 さて昨日のニュースで既にご存じの方も多いかと思いますが、改正臓器移植法施行後2例目となる臓器提供がありました。今回は二例目ということであまり報道機関は騒いでいないようですが、どうしたんでしょうね???

 こういったケースで非常に問題となるのは、ドナー本人が生前に明確に臓器移植を行ってもらいたくないと意思表示する方法をどうするのか?ということ。いわば改正前の意思表示カードの逆バージョンみたいなものですね「私は移植をしません」というもの。このあたり、どうなっているんでしょうね???


臓器移植:本人意思不明で「脳死」 家族承諾2例目--近畿地方の18歳以上 毎日新聞 8/19
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100819dde041040011000c.html
 日本臓器移植ネットワークは19日、近畿地方の病院に入院中の18歳以上の男性について、家族が脳死判定と臓器提供を承諾し、法的に脳死と判定されたと発表した。改正臓器移植法施行後、本人の書面による臓器提供の意思表示がなく、家族の承諾で脳死での臓器提供をするのは今回で2例目。9日に関東甲信越地方の病院で20代男性が脳死判定された例では生前に提供意思を示していたが、本人意思が不明なまま家族の承諾のみで提供を決めたのは初めて。【河内敏康、八田浩輔】
 同ネットワークによると、病院名は家族の意向で公表していない。病院側は、治療をつくしても男性は脳死と判定され得る状態と家族に説明し、口頭で臓器提供を選択肢として提示したという。病院から17日午後8時7分に同ネットワークに連絡。同ネットワークの移植コーディネーターが男性の家族に面会したところ、男性は臓器提供意思表示カードを持っておらず、健康保険証や運転免許証などにも提供意思や提供を拒否する記載はなかった。家族は、男性と提供について事前に話したり、男性本人から聞いたりしたことはなく、本人意思は不明だが、同居の両親を含む4~5人の家族が中心となって判断。「もう助からないのであれば、どこか体の一部が生きていればうれしい。元気な体なのでたくさんの人の役に立ってほしい」と提供を決めたという。
 家族は18日午前11時50分に脳死判定と臓器摘出を承諾する書類を提出し、心臓▽肺▽肝臓▽腎臓▽膵臓(すいぞう)▽小腸▽眼球の提供を承諾した。1回目の脳死判定は同日午後7時40分から午後9時4分、2回目は19日午前3時4分に始まり、午前4時24分に終了した。
 男性の心臓は東京大病院で40代男性、両肺は大阪大病院で20代男性、肝臓は京都大病院で40代男性、腎臓は神戸大病院で60代男性、もう一つの腎臓と膵臓は名古屋第二赤十字病院で30代女性に移植される予定。小腸は医学的理由で断念した。眼球はアイバンクがあっせんする。97年の臓器移植法施行以降、脳死での臓器提供は88例目になる。
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臓器移植:意思不明脳死 摘出された臓器、5病院で移植 毎日新聞 8/20
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100820ddm041040051000c.html
 近畿地方の病院で、家族の承諾のみで脳死判定された18歳以上の男性の臓器は19日午後、摘出された。同日夜、全国5カ所の病院で、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓(すいぞう)の移植手術が始まった。臓器移植法に基づく脳死での臓器提供は88例目。
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臓器移植:全国5病院で終了 家族承諾の「脳死」男性 毎日新聞 8/20
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100820k0000e040029000c.html
 近畿地方の病院で、書面による臓器提供による意思表示がなく、家族の承諾のみで脳死判定された男性の臓器を患者に移植する手術は20日、全国の5病院ですべて終了した。患者の容体はいずれも安定しているという。
 日本臓器移植ネットワークによると、臓器の摘出手術は19日午後3時5分に始まった。
 心臓は東京大病院で拡張型心筋症の40代男性、両肺は大阪大病院で原発性肺高血圧症の20代男性、肝臓は京都大病院でウィルソン病の40代男性、腎臓の片方は神戸大病院で慢性糸球体腎炎の60代男性、もう一つの腎臓と膵臓(すいぞう)は名古屋第二赤十字病院で1型糖尿病の30代女性にそれぞれ移植された。

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改正臓器移植法施行1か月(上) 医療現場になお不安 CBニュース 8/19
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/29140.html
 改正臓器移植法の完全施行から1か月がたった。この間には、書面での意思表示がない男性2人(いずれも18歳以上)から臓器提供が実施されたが、提供者(ドナー)からの臓器提供を担う提供施設では、今も不安を抱えたままだ。(池島貴裕、田上優子、兼松昭夫)
■避けられない負担増
 脳死判定を行い、臓器の摘出手術を行う脳死下臓器提供施設の1つ、川崎市立川崎病院(神奈川県川崎市)。同病院で脳死判定を担当する野崎博之・神経内科部長は、改正法に不安を感じている。最大の懸念が、脳死判定の見直しに伴う提供施設の負担増だ。
 脳死の判定は、▽深い昏睡(こんすい)▽瞳孔の散大と固定▽脳幹反射の消失▽平坦な脳波▽自発呼吸の停止-などが基準で、2回にわたって実施する。
 1回目と2回目の判定の間隔は「6時間以上」とされていたが、改正法で新たに臓器提供が認められた15歳未満のうち、6歳未満については「24時間以上」に延長された。6歳未満の小児では、脳死判定後も心臓が長期間動き続ける「長期脳死」になることが成人より多いためだが、判定が長引けば病院や担当医師への負担増は避けられない。
 「忙しいから対応できないでは通らない。やるしかない」と野崎医師は話す。ただ、その胸中は複雑だ。
 01年に行った臓器提供では、金曜日の夜から脳死判定の作業が始まり、担当したスタッフらは搬出作業が終了した日曜日の正午近くまで対応に追われた。新たに認められた小児では、脳死判定時のスタッフの拘束時間が一層長くなる。脳死した小児の臓器を摘出する上では、虐待の有無の判定などの作業も加わる。さらに、遺族への手厚い対応も求められる。
 川崎市立川崎病院は、県内全域からの救急搬送を受け入れる三次救急医療機関。200人近い勤務医がいるが、脳死の判定に携わる脳外科などでは、今でも「ぎりぎりの労働環境」で勤務しているのが実情だ。
 今後、小児の脳死判定に対応する場合には、緊急手術を近隣の病院に任せることも検討せざるを得ないという。
 野崎医師は「よほどスタッフがそろった病院でないと円滑な対応は厳しい。脳死判定に対応するために救急患者の受け入れをストップする病院が出るかも知れない」と話す。
 仮に病院側の対応が国のガイドラインから逸脱すれば批判の的になりかねず、これが提供施設の負担につながるという関係者も多い。
 日本医科大付属病院の横田裕行・高度救命救急センター部長は、「改正法では、判定に前後する虐待の有無の確認や遺族へのオプション提示のタイミングが、すべて厳格に決められている。提供病院の負担を軽減するため、現場の裁量を認めてほしい」と訴える。

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改正臓器移植法施行1か月(下) 小児の臓器移植に壁 CBニュース 8/20
 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/29162.html
 今回の改正法では、15歳未満の小児の臓器提供が新たに認められた。さらに、心臓に限っては、サイズマッチや術後生存率などの観点から、移植希望者(レシピエント)を決める際の優先順位付けにドナーの年齢が考慮されることになった。18歳未満の小児ドナーが現れたら、日本臓器移植ネットワークに待機患者として登録した時点で18歳未満だったレシピエントが優先される。年齢が比較的近いドナーからの移植が受けられるようにするためだ。しかし、小児の臓器移植に対する現場の抵抗感は大きい。最大の課題は、小児ドナーが虐待を受けていないかどうかの確認だ。(池島貴裕、田上優子、兼松昭夫)
■虐待の確認 どこまで可能?
 改正法では、18歳未満の人が虐待を受けていたことが明らかになった場合には臓器提供を認めていない。虐待の有無を判定するため、提供施設は「虐待防止委員会」を設置し、虐待が疑われるケースは警察や児童相談所などに届け出なければならない。
 しかし、捜査に関するノウハウもない医師らによる虐待防止委員会が、虐待の有無を本当に判断できるのかを疑問視する声が多い。
 日本移植学会の寺岡慧理事長は、虐待の有無の確認が医療現場に委ねられたことで、「小児の移植は慎重にならざるを得ない。虐待防止委員会で止まってしまうのではないか」と危惧(きぐ)する。
 実際、日本脳神経外科学会が会員施設を対象に実施したアンケート調査では、「虐待への対応が不可能」などの理由から、小児の脳死判定や臓器提供の体制を「未整備」とする施設が回答した施設の7割以上を占めた。
 日本移植学会が改正法の施行前に開いた記者会見で、阪大病院の福嶌教偉・移植医療部副部長は、「本来は警察が行うべき犯罪かどうかの見極めが医療者側に委ねられた。院内にそのための仕組みをつくるのは非常に大変」「虐待の有無の判断には、国レベルでの“お墨付き”に近い仕組みづくりが必要。病院の責任だけで確信を持って判断するのは難しい」などと困惑を隠さなかった。

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 さていきなりの感がありますが、ガラリと内容を変えて糖尿病マーカーの話題をご紹介。ヘモグロビンA1cの国際標準化についての話題は、以下のサイト
 
http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-03-13
 http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/2010-03-12-1
でご紹介していますので、興味のある方、ちょっと知っておこうかな?と思っている方などは是非お立ち寄りください。
 読めば読むほど、何でそんな面倒なことするの?と思われる方が大多数だと思います。いずれ国際標準にするのなら、まずはアメリカに合わせてなんてことしないでいきなりしたら良いのでは?と誰もが思うはず。こんなところでもアメリカの顔を伺っているんですね。情けない。市場が混乱するからとか仰いますけど、二回にわたって変更する方が混乱度は大きいですし、システム化が進んでいる昨今、その対応も複数回しなければなりません。誰もが疑問に思うこの措置。事実関係をお話ししたいのは山々ですが、この場ではお話しできない内容です。一言だけ申せば、0.4ポイント上げたから済むといった単純な話ではありません。検査法も色々、メーカーも色々、検量線も色々・・・歯切れが悪くってごめんなさい。


【日経メディカルオンライン 2010/08/20】
 HbA1c値、「+0.4」で決着 米国の意向に翻弄された国際標準化

 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201008/516303.html
=================================================
 わが国の日常臨床において使われてきたHbA1cの表記が変わる。新たな値は、現行の値に0.4ポイント足した値となる。なぜ今、診断基準や管理目標値まで影響が及ぶ大きな変更を決めたのか。
 まもなく、わが国のHbA1cの値が、これまで使われてきた値に0.4ポイント加えられた値になることをご存じだろうか。
 日本糖尿病学会は今年5月、11年ぶりとなる糖尿病診断基準の改訂を発表した。今改訂の目玉は診断におけるHbA1cの位置付けを高めたことだが、もう1つ見逃せないのが、このHbA1cの表記の変更だ。
 「HbA1cの測定方法は従来と全く変わらないが、今後は、これまで通りの測定方法で得られる値に機械的に0.4を足して、国際標準値として表記する」。同学会の「糖尿病関連検査の標準化に関する委員会」(以下、標準化委員会)委員長の柏木厚典氏(滋賀医大理事・病院長)は、こう説明する。

日本と海外で測定値に差異
 わが国の臨床現場で使われているHbA1cは、日本独自の測定方法に基づくJDS(Japan Diabetes Society)値だ。一方、欧米など日本以外のほとんどの国は、NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)値を採用している。
 最近になり、同じ検体を測定してもJDS値(%)はNGSP値(%)より約0.4ポイント低くなることが、認識されるようになった。
 「HbA1cの表記が異なると、国際間でデータを直接比較できないばかりか、場合によっては、共通のプロトコルを使用する国際共同臨床試験にわが国が参加できなくなってしまう。近年、国際共同研究が増加していることからも、早急に解決すべき問題と判断した」。日本糖尿病学会理事で関西電力病院(大阪市福島区)院長の清野裕氏は、国際標準化に至った経緯をこう語る。
 そもそもなぜ、このような違いがあるのか。HbA1cは、血中総ヘモグロビンに占める糖化ヘモグロビンの割合を示したもので、血糖管理の状態を反映する指標として1980年ごろから使われ始めた。
 ただ当初は、測定対象とした糖化ヘモグロビンの分離が不十分で、不純物を含んだ状態で測定していた。その後、測定技術の進歩により精度は向上したが、それらの測定値はそのまま使われず、以前の技術で測定した値との連続性が重視されることになった。すなわちNGSP値は80年代前半、JDS値は90年代半ばの技術で測定された値をおのおのの測定体系の基準とし、これらに補正して測定値を出すことになったのだ。そのため現在でも、同じ検体を測定しても両者の値は一致しない。
 こうした中、HbA1cの国際標準化を巡って議論が始まる。もとより多くの種類がある糖化ヘモグロビンのうち、どれをHbA1cとして測定するかという定義も、国際間で統一されていなかった。

世界の足並みそろわず
 2007年、国際臨床化学連合(IFCC)など4団体は、HbA1cの国際標準化に関するコンセンサス・ステートメントを発表。HbA1cを「β鎖N末端のバリンが糖化されているヘモグロビン」と定義し、この値をIFCC値(単位:mmol/moL)としてHbA1cの表記を国際的に統一することを提唱した。
 これを受けわが国も国際標準化に向けて動き出し、08年から09年にかけて、IFCC値とJDS値の併記に向けた見解もまとめられた。
 ところが、長年NGSP値を使用してきた米国の動きは鈍く、世界的なIFCC値への統一は進まなかった。さらに昨年3月には、米国糖尿病学会(ADA)など3団体の国際専門家委員会が、糖尿病の診断基準を「HbA1c(NGSP値)6.5%以下」とする勧告を発表。事実上、今後もNGSP値が世界的に使用される流れが、決定付けられてしまった。
 「国際的に統一するならばIFCC値を用いるべきというのは正論だが、アジア各国にもNGSP値が普及していることから、わが国だけJDS値を守り孤立することは避けるべきとの結論に至った」と清野氏。こうした紆余曲折を経て、日本のHbA1cもNGSP値に相当する値に換算して表記すると結論された。
 厳密な定義にのっとれば、JDS値とNGSP値の関係は「NGSP値(%)=1.019×JDS値(%)+0.30」で表される(図1)。これを用いて換算すると、JDS値6.5%はNGSP値6.92%、JDS値7.0%はNGSP値7.43%に相当し、その差は約0.4ポイントとなる。
 そこで標準化委員会では、より単純な換算式に改め、「NGSP値に相当する新しいHbA1c(国際標準値)(%)=JDS値(%)+0.4」とした。
 既に7月1日から英文誌や国際学会の発表においては、国際標準値の表記に移行している(新しいHbA1c[国際標準値]の運用の実際については、日本糖尿病学会のウェブサイト参照)。
 一方、日常臨床や検診・健康診断においては、同学会が別途告知する日時(国際標準化変更日)をもって、全国一斉に国際標準値の表記に移行する。

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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
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    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
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