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0601-512号 日常臨床ではJDS値を継続使用、糖尿病の新診断基準 [kensa-ML NEWS]


 今日の神戸は風が強く、過ごしやすいとは言い難い一日でしたが、湿度も低く、室内でデスクワークをしている分には、まあまあでした、が、黄砂がひどいですね。窓を開けているとデスク上が瞬く間に埃と砂でまみれてしまいます。

 ツイッターにも書き込みしましたが、今日はほぼ一日、研究報告書のためのデータ整理と事務仕事に終始し、引きこもり・・・あんまり健康的とは言えませんね。

 頭を覚醒させようと利尿作用のあるコーヒーをがぶ飲みするものですから、何回トイレに行ったか分かりません。トイレで用を足しながら、ついついISSでの生活を想像してしまいました。私のようにコーヒーを何回も飲む人はISSで生活出来ないだろうけど、再利用すれば大丈夫かな?とか・・・アポロ13で宇宙への尿放出シーンがありました。そのイメージが脳裏に焼き付いていますので尿は宇宙に捨てるものとこれまで思い込んでいましたが・・・

 きっと現在のISSでは尿を再利用しているだろうと思い、調べてみると、結構以前から再利用していたのですね。2008年11月18日の記事です。


尿を飲料水にリサイクル:国際宇宙ステーションの最新設備
 
http://wiredvision.jp/news/200811/2008111823.html
 14日(米国時間)に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル『Endeavour(エンデバー)』号が運ぶ新しい装置によって、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士たちはまもなく、自分たちの尿をリサイクルして飲めるようになる。
 これまで尿はISSの外に捨てられていたが、新しい「排水浄化装置」によって尿が無駄にならなくなる。将来の人類の宇宙旅行には欠かせない機能になりそうだ。
 Endeavourのミッション・スペシャリストを務める宇宙飛行士のHeidemarie Stefanyshyn-Piper氏は、打ち上げ前のNASAのインタビューで次のように答えている。
 「尿を飲むなんて汚いと思う人もいるかもしれないが、適切に処理すれば、この地球で飲まれているよりも清潔な水が作れる。さらに重要なのは、われわれが自給力を高め、宇宙ステーションにあまり多くの物資を送らずに済むようになることだ。今後、月や火星に有人飛行する上で、これは非常に重要な要件になってくるだろう」
 排水浄化装置は、EndeavourがISSにドッキングした後の17日に設置される予定だ。この装置では、無重力の中で尿から不純物を取り除くためにまず蒸留プロセスを利用する。不純物を除かれた水はその後、シャワーやひげそり、歯磨き、手洗いなどで出る排水や、宇宙飛行士の宇宙服の内側に溜まる汗や水蒸気と一緒にされる。
 そして、これらの再生水は処理装置を通り、気体や固形物(髪の毛、糸くずなど)を除去される。さらに、高温の触媒反応によって残りの不純物もすべて取り除かれる。
 この再生装置を使えば、地上からISSに運ばなければならない水や消耗品の量を、年間に約6800キログラム削減できることになる。現在、約0.5リットルの真水を宇宙に送るのに約1万ドルの費用がかかることから、かなりのコスト節約が見込める。またこの装置は、ISSに滞在できる宇宙飛行士の数を3人から6人に増やす計画の一環でもある。
 ISSの再生式環境制御・生命維持システム(ECLSS)全体のプロジェクト・マネージャーを務めるBob Bagdigian氏は、声明で次のように述べている。「すでに1960年代後半の時点で、宇宙で生命を維持するためには、水と酸素を再生利用する必要があることがわかっていた。われわれスタッフの中には、この技術のライフサイクル全体、初期のアイディアから配備まですべてに携わってきた者もいる。この装置の完成をまもなく見られることになって、非常に誇りに思っている」


 たぶん「水と酸素の再生利用」とは農業とのドッキングでしょうね。これからが楽しみ楽しみ・・・水の話題をもう一つ。


水道管の耐震化  官民挙げて取り組もう 京都新聞社説 5/31
 
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20100531_2.html
 大地震が起きたとき、飲み水は本当に大丈夫だろうか。
 導水管や送水管、配水本管といった主要水道管の「耐震適合性」について、厚生労働省が2008年度末時点の調査結果を公表した。全国の総延長約10万7千キロのうち、震度6強相当の揺れに耐えられるのは約3万キロ、28・1%にとどまった。3割に満たない。何とも、心もとない。
 今回の調査は、管本体とつなぎ目の強度で測定する従来の耐震性に、周囲の地盤状況も勘案した。より実態に即した耐震化率の算定といえる。
 京都府は主要水道管の総延長1179・4キロのうち、耐震適合性を持つのは253・2キロの21・5%。滋賀県は1549・6キロのうち260・3キロ、16・8%とされた。
 地震が発生した際、住民が命をつなぎ、復興に向けて歩むため、水道などのライフラインの確保が重要であるのは言うまでもない。
 15年前の阪神大震災では兵庫県で約127万戸が断水、復旧するのに3カ月を要した。07年の新潟県中越沖地震では、約5万9千戸が最大20日間断水し、住民らはトイレが使えず、飲み水は支援物資頼りの生活を強いられた。08年の岩手県沿岸北部を震源とする地震でも断水は約1400戸、最大12日間に及んだ。
 厚労省は、水道事業が目指す将来像をまとめ、04年に公表した「水道ビジョン」で、13年度までに全国の主要水道管の耐震化率を100%にする目標を掲げているが、遅々として進んでいないのが現状だ。
・・・続きを読むにはここをクリック
 

 水確保は我々臨床検査技師にとっても死活問題。綺麗な水がなければ自動分析機などを使用した検査は出来ません。以前神戸にいる時に被災した時には、あちらこちらのメーカーさんやディーラーさんが水を持参してくれましたし、幸い断水は地震直後だけでしたので、助かりました。ま、この話題は書き出すときりがないのでここで止めます。


 再び宇宙の話題です。いよいよ明日(もう今日に近いですね)、野口さんが帰還されます。ご無事を祈念しております。


2010年宇宙の旅:野口さん、あす帰還 通算177日滞在、日本人最長 毎日新聞 6/1
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100601ddm012040085000c.html
 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している野口聡一宇宙飛行士(45)が日本時間2日午後、ロシアのソユーズ宇宙船で5カ月半ぶりに地球に帰還する。野口さんの今回の宇宙滞在は163日、05年の米スペースシャトル搭乗を含めた通算滞在日数は177日。若田光一飛行士(46)の通算159日(3回の飛行の合計)を抜き、日本人最長となる。
 野口さんら日米露の3飛行士は、ソユーズ宇宙船に乗って2日朝、ISSから離脱し、午後0時27分、カザフスタン中央部の草原に着陸する予定。帰還の様子は午前11時10分から、日本宇宙少年団のウェブサイト(
http://www.yac-j.or.jp/tv/)などで生中継される。・・・続きを読むにはここをクリック
 

 さて本日のメインニュースに移ります。

 糖尿病診断基準に関する話題提供はこれまで数回してきておりますが、一般の方には少し難しい部分もありますね。また患者さんにとっては自分の認識を変えなければならず、臨床現場での混乱が予想されますね。文中の 「新薬の臨床開発等、国際共同研究が進められている現状、早急にJDS値をNGSP相当値に移行させないと、日本が取り残されるおそれもある」 ですが・・・HbA1cだけではなく、他の検査項目も国内では非常に標準化が立ち遅れている項目も多いため、近い将来、本当に大きな障壁となるでしょうね。私が事務局を務める、政策医療臨床検査連絡会では、この十年余り、こういった問題に取り組んできていますが、医師だけではなく、臨床検査技師も、その他の職種の方々も、あまりにもの低認識ですね。現在、昨年度の助成研究結果をまとめて報告書を作成していますので、オープンに出来るときが来れば、ご紹介していきたいと思います(実はこの内容、数年前に日本糖尿病学会で発表しているのですが、お山の大将が多すぎて・・・(--;


【m3.comニュース 2010/06/01】
 日常臨床ではJDS値を継続使用、糖尿病の新診断基準
 
http://www.m3.com/academy/report/article/121038/
=================================================
 今回の糖尿病学会では、11年ぶりの改定となった糖尿病診断基準が正式に発表された。この診断基準は2010年7月1日から施行される予定。5月27日のシンポジウム「日本人糖尿病の新診断基準をめぐって」に登壇した関西電力病院(大阪市福島区)院長の清野裕氏は、糖尿病診断基準検討委員会の委員長としてその概要を解説した。
新しい診断基準、改定のポイント
 今回改訂されたポイントを簡単にまとめると、以下の4点となる。従来の診断基準にHbA1cを加え、HbA1cのカットオフ値は日本の疫学データをもとに6.1%(JDS値。以下、特に注釈がない場合はJDS値)とする内容だ。
・従来の血糖値による診断基準は堅持(基準値はそのまま)。
・診断基準にHbA1cを取り入れる。
  *ただし、HbA1cの反復検査では確定診断には至らない。
・HbA1cのカットオフ値は6.1%(JDS値)。
・HbA1c(JDS値)のNGSP相当値への移行(JDS値+0.4%=NGSP相当値)
 シンポジウムにおいて清野氏は、このような診断基準に至った経緯や臨床における注意点などについて解説した。まず清野氏は新しい診断基準に求められる要件として、下記を提示。

○現行診断基準との連続性
○エビデンスに基づいた科学的妥当性
○海外の診断基準との整合性
○臨床現場での実行可能性

 つまり今回の改訂がこの要件を満たしているということ。血糖値を用いた診断基準については、「十分な検討がなされている」(清野氏)と堅持し、さらにHbA1cを診断基準に加えることで、臨床現場において実行しやすい形とした。従来、HbA1cは補助的診断基準として用いられてきたが(血糖値が糖尿病型を示し、かつHbA1c6.5%以上の場合、糖尿病と診断)、単独で「糖尿病型」と診断できる、より上位の診断基準として取り入れられている。
 HbA1cのカットオフ値に関して、補助的診断基準では6.5%だったのが、診断基準では6.1%に引き下げられた。この理由について清野氏は「日本のデータを用いて、血糖値のカットオフ値との相関や糖尿病網膜症の出現に基づいた」と解説。伊藤千賀子氏らの行った検討によると、空腹時血糖値126mg/dLに対応するHbA1cが6.1%であり、経口糖負荷試験2時間値200mg/dLに対応するHbA1cは6.0%だった(Diabetes Res Clin Pract. 2000;50(3):225-30)。逆にHbA1cに対応する血糖値を見ても、6.1%で空腹時血糖値124.4mg/dL、経口糖負荷試験2時間値199.3mg/dLとよい相関が見られ、「両側面から見て6.1%が妥当と考えられた」と清野氏。
HbA1cの反復検査では、糖尿病の診断不可
 慢性の高血糖状態の指標として信頼性が高いHbA1cであるが、1時点のHbA1cによる診断に問題がないわけではない。先述の伊藤氏らのデータでも血糖値とHbA1cの関連には広範な分布が見られ、清野氏は「HbA1cのみで糖尿病と診断するのは無理がある」と指摘する。またHbA1cが見かけ上低値となりうる疾患・状況があることも問題点の一つ。清野氏は、以下の場合にはHbA1cを用いることはできないと説明した。

○溶血性貧血
○肝疾患
○透析
○大出血
○輸血
○慢性マラリア
○異常ヘモグロビン症
○その他

 これらを踏まえて、今回の診断基準ではHbA1c6.1%以上であれば糖尿病型とするが、再検査を行い血糖値でも糖尿病型が証明されなければ、「糖尿病」と確定診断することはできない。つまり、HbA1cの反復検査では糖尿病と診断できず、血糖値とHbA1cを同時に測定して、診断することが望ましいということ。「慎重に糖尿病を拾い上げることができる、練りに練った診断基準」(清野氏)。・・・続きを読むにはここをクリック


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[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
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    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
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