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1203-358号 医療ナビ:乳がんの転移検査 センチネルリンパ節生検に注目が集まる [kensa-ML NEWS]

皆さん、こんばんは。神戸の新井です。

 今宵はお楽しみの検査当直[わーい(嬉しい顔)]ですので、病院からの配信になります。

 久し振りに夜半から雨模様[小雨]となった神戸・大阪ですが、皆さんのところでは如何でしょうか?こちら神戸は冷たい雨がシトシトと・・・と思ったら、今はやんでいました・・・[曇り]

 本日の医療系ニュースを見ていますと、新型インフルエンザに関するものと、診療報酬改定に関するものが半々といったところですかね?その中でも悪いニュースと良いニュースとを一件ずつお届けします。

<悪いニュース>[がく~(落胆した顔)]
タミフル耐性が集団化か 監視強化をとWHO 共同通信社12/3
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/3/112471/
 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は2日、抗ウイルス剤「タミフル」に耐性のある新型インフルエンザウイルスの集団感染とみられる事例が米英両国からそれぞれ報告されたと発表した。いずれも耐性ウイルスの人から人への感染が疑われ、これらのウイルスについて「感染力や毒性について注意深い監視」を勧告している。
・・・続きはネットでご覧下さい

<良いニュース>[わーい(嬉しい顔)]
ビフィズス菌でワクチン インフル予防など免疫効果 共同通信社12/3
 
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009120301000394.html
 神戸大医学部感染症センターの白川利朗准教授らの研究グループと医薬品会社「森下仁丹」(大阪市)が3日までに、ビフィズス菌を使い免疫効果を高め、インフルエンザ予防などに役立つ経口ワクチンの開発手法を確立した。
 研究に参加した石川県立大生物資源工学研究所の片山高嶺准教授は「実用化には10年以上かかるが、ビフィズス菌を使ったワクチンはほかに例がないのでは」と話している。
 これまでは、さまざまな感染症の病原体に対する抗体のもとになる抗原を、ビフィズス菌の内部にしかつくることができなかった。
・・・続きはネットでご覧下さい


 悪いニュースは、時間の問題と思われていただけに「やっぱり」との印象があります。良いニュースについては、以前このメールニュースでも「経口ワクチン」の話題で配信したことがありますが、早く実用化されれば良いなと思いますね。実は本日、NST院内講演会で大塚製薬の菅先生にお話しいただいた内容が「微量元素について」でした。微量元素の不足による種々雑多な症状や機能についてはここでお話出来ませんが、以前論文で読んだ内容が非常に頭に残っています。微量元素など、その吸収過程、代謝経路からなどを考えると、注射より経口投与の方が良い・・・そのようなことを今日の講義の合間に思い出しておりました。

 NST領域においては、Bacterial Translocation等を引き起こさないために栄養の経口摂取を勧めていることは言うまでもありませんが、腸管免疫が果たす役割というものは「免疫」分野で非常に大きなものがあります。記事の中にもありますように、経口投与により大きな効果が期待されることは容易に想像できることですね。実用化が10年後と言わずもっと早まればと思いますね。今月中旬に院内感染対策講演会で私自身も腸管免疫のことについて少しお話させていただきます。苦手な分野なので、あえて自身の勉強のためにとお受けしましたが、どうなりますやら・・・です[がく~(落胆した顔)]


 さて本日のニュース配信に移る前に、治験、臨床研究、混合診療などにつき頭の中が整理できていないことに気付きました。そのため、自身の整理のため少し調べてみました(全て一部引用です。詳細についてはサイトをご確認ください)。が、調べれば調べるほど、難しくなるものってありますよね、なかなか本題に移らなくって申し訳ありません。また本題ニュースの後のニュースですが、以前お世話になった先生方が掲載されていたこともあり、関連ニュースとしてお届けいたします。

混合診療とは?
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B7%E5%90%88%E8%A8%BA%E7%99%82
 日本の医療における保険診療に保険外診療(自由診療)を併用すること。
 概説:保険診療において保険外診療(自由診療)を併用することは原則として禁止されている。通常であれば、健康保険(政府管掌健康保険、組合管掌健康保険、国民健康保険)が適用される診療内容にそれ以外の保険外診療が加わった場合、保険外診療分に加えて、本来、健康保険からの給付対象分を含めた医療費支払いの全額が患者の自己負担となる。
 http://www.watarase.ne.jp/aponet/keywords/kongoushinryou/page1.html
 現在の日本における保険制度では、平等な医療を提供するために、範囲外の診療費を徴収することを禁止している。このため、範囲外の診療費を徴収する場合には健康保険が適用されず、全額自己負担となる。即ち、保険診療と自由診療の併用は原則的に認められていない。

特定療養費制度とは?
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E7%99%82%E9%A4%8A%E8%B2%BB
 医療保険の被保険者が保険の適用範囲外の療養を受ける場合、その病院でかかった費用の全額を自己負担する必要があるが、高度先進医療が行われる特定承認保険医療機関(大学病院などの大病院)で療養を受ける場合、または、選定療養を受ける場合には、通常の基本診療部分の費用について医療保険が適用される。その際、自己負担分3割を除いた医療保険負担分7割の保険給付費のことである。
 http://www.chikennavi.net/word/tokuteiryouyouhi.htm
 保険診療と保険外診療の混在した診療に保険給付を認める制度。以前は、診療の中に保健が適用されないものが含まれると原則としてその診療全体が保険給付外とされていました。特定療養費の基本的考え方は、高度医療を含んだ療養や、特に定められた特別サービス(アメニティ部分)を含んだ全療養にかかる費用のうち基礎的部分については保険給付を行い、特別サービス部分を患者自己負担とすることによって患者の医療選択の幅を広げようとするものです。既に高度先進医療などで適用され、基礎的な診療部分に対する保険給付が行われています。


 この中で非常に疑わしいというか、どっちなの[exclamation&question]みたいなことがあり、どなたかお教えいただきたいのですが[あせあせ(飛び散る汗)]、臨床研究などで研究用の採血と同時に診療用の採血をすることは混合診療の範疇ですよね?ですから、患者負担はかけないのが原則だと思います。
 では、治験採血時における一般診療用採血においては、混合診療になるので患者負担は一切かけない(治験を依頼するメーカーが負担すべき)、と記載しているものと、治験以外の部分においては一般診療として取り扱うべきでこの部分は患者負担だ、と記載しているものと二つ存在します。一体どっちが正しいのでしょうか?読めば読むほど分からなくなりました[もうやだ~(悲しい顔)]


 このところ、自身のブログを充実させようと、各種リンク先を加えていますので、一度ご確認いただくのと、出来ればバナークリックへのご協力をお願いいたします[ぴかぴか(新しい)] ブログはこちら・・・http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/


【毎日新聞社ニュース 2009/12/02】
 医療ナビ:乳がんの転移検査 センチネルリンパ節生検に注目が集まる

 
http://mainichi.jp/select/science/news/20091202ddm013100202000c.html
====================================================================
◇不必要な切除を防止 手術の後遺症減らす/しこり小さい早期患者対象
 乳がん転移の有無を調べ、後遺症を減らす検査として近年注目を集めている先進医療の「センチネルリンパ節生検」(SLNB)。肝臓や腎臓の機能検査に使う4種類の検査薬が「研究」の名目で代用されてきたが、日本乳癌(がん)学会の臨床研究などを基に9月、安全性と有効性が確認され、正式に使用できるようになった。医療関係者からは「SLNBの保険適用に向けた大きな一歩」との期待も高まっている。
 乳がん細胞はリンパ管を通ってわきの下にあるリンパ節に流れ込み、周辺の他のリンパ節や全身の臓器へ転移する。わきの下には10~20個のリンパ節があるが、このうち最初に流れ込むところを「センチネルリンパ節」と呼ぶ。「センチネル」とは、英語で「見張り」の意味だ。ところが、10~20個のリンパ節のうち、どれがセンチネルリンパ節かはすぐには分からず、手術では患部や周囲の筋肉、脂肪などとともにすべて切除することが一般的だ。一方で、早期患者の約7割は転移がなく、結果的に切除が不必要なことや、切除後に腕がむくむ「リンパ浮腫」などの後遺症があることが課題となっていた。

 これらの克服に注目されているのがSLNBだ。患部に目印となる色素や放射性同位元素(RI)を注入、色素に染まったり放射線測定器で反応したりした平均約8ミリの直径のセンチネルリンパ節を見つけて摘出し、手術の最中や終了後に、転移の有無を検査する。不必要なわきの下の切除が防げ、1~2個のリンパ節を切除するだけで済むため、後遺症も少ないという。現在は先進医療に指定されており、一部の医療機関では3万~10万円の自己負担で、他の保険診療との混合診療が可能となっている。
 97年以降千数百例の実績がある大阪府立成人病センター(大阪市東成区)。乳腺・内分泌外科の元村和由医師によると、SLNBは米国で80年代に理論が提唱され、徐々に普及した。国内でも90年代から試験的に導入が進んだという。検査が可能なのは主に早期患者で、がんのしこりが3センチ以下▽しこりが1カ所だけ▽転移を示すわきのしこりがない--などが目安となっている。
 日本乳癌学会も約2年前から全国の医療機関での検査データを集め、安全性や有効性について分析した。元村医師は分析班にも参加。「色素法とRI法を併用することで検査の精度はかなり高くなる。今後、標準的な検査になる」と期待する。
・・・続きはネットでご覧下さい


【キャリアブレインニュース 2009/12/01】
 治験活性化の意義や目的をテーマに議論―厚労省検討会

 
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25414.html?src=bp
====================================================================
 厚生労働省の「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会」(座長=楠岡英雄・大阪医療センター院長)は12月1日、第6回会合を開き、治験活性化の意義や目的などについて意見交換を行った。構成員2人から行ったヒアリングで、山本晴子構成員(国立循環器病センター臨床研究開発部臨床試験室長)は、治験活性化の目的を「医薬品や医療機器などの新規医療技術の開発とその確実な実用化」とし、そのためには治験だけでなく、その前段階の医師による自主臨床研究から活性化する必要があると述べた。
 この日は、山本構成員と渡邉裕司構成員(浜松医科大臨床薬理内科学教授)からヒアリングを行った。
 山本構成員は、米国保健研究所(NIH)が2006年から開始した事業Clinical and Translational Science Award(CTSA)について言及し、日本での治験活性化5カ年計画との違いを指摘。
 CTSAは、基礎研究での新規発見を臨床で応用するために必要な一連の研究を立案、実行するトランスレーショナルリサーチ(TR)や、臨床試験を推進するためのインフラ整備が目的。5カ年計画の目的と似ているが、治験前の医師による自主臨床研究から治験の「late phase」(後期段階)までを網羅的に対象にしている5カ年計画に対し、CTSAはTRから早期段階の臨床研究に焦点を絞り、より新規の医療技術の開発部分に力点を置いている。
 山本構成員は「国土も狭く資源も少ない日本では、米国よりもさらに新規技術の開発が必要だ」と述べ、日本でも治験に入る前段階の自主臨床研究から活性化する必要性を示した。
・・・続きはネットでご覧下さい


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    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
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