SSブログ

非採算部門から知的資産部門への転換(2003年発表) VOL.04 [Tea-break]

【輸血療法WGの発足と運用】
 平成15年2月に開催された薬剤委員会において、輸血管理室から数点の問題点ならびに改善案を提示した。その主たる改善案、要望事項としては、血液製剤の適正利用に関する事項と輸血療法委員会の設置を再提示した。その結果、薬剤委員会委員長(当院副院長)からは、薬剤委員会の諮問事項に答申する組織横断的なWGを作成するようにとの指示を得た。メンバーは下記の通りであるが、平成15年9月1日現在では16名で活動を行っている。討議方法は全体会議とコア会議、またメーリングリストを作成し、迅速なる情報伝達を行っている。

 

 

 平成15年3月には輸血療法WG第一回会議を開催し、検討内容の確認ならびに今後の活動内容、方向性などにつき討議を行った。検討内容については上記の通りである。火急の課題として、手術時における適正準備血量の決定と、自己血輸血推進を挙げたが、麻酔科医長より過去5年間における出血量・輸血量データの提供があり、その基礎データを基に各診療科へ術式の統一化を依頼した。また自己血輸血推進に関しては、自己血輸血院内規定ならびにマニュアル策定を行っている。これらの作業は現在も続行中である。
 医療安全管理委員会においては、現状の問題点と、医療事故防止の観点から見た運用形態について提言を行った結果、輸血運用マニュアルにリスク管理を加味するとともに、今秋新規導入予定の輸血管理システムとの連動を考慮した国立京都病院輸血マニュアルと院内規定作成を依頼されており、現在調整中である。この新規導入輸血管理システムについては平成15年9月現在、新規要件の見直しや調整とともに、マスター構築作業を行っている。
 また院内への広報活動の一つとして、平成15年7月より国立京都病院全職員に向けて院内メールマガジン「輸血療法WGニュース」の配信を開始し、また同月には輸血管理室通信を創刊し各職場へ配布している。また改正薬事法に合わせ、国立京都病院輸血説明・同意書の作成を行うと共に、患者に対しより深い理解を求めることと、院内における患者説明内容の統一化(標準化)を推進することを目的とした、説明マニュアルを作成しているところである(平成15年9月現在)。

 【新井の本音コメント:輸血管理室その二】 国立京都病院では、委員会再編の方針に基づき、輸血療法(小)委員会が着任早々残念ながら廃止となってしまいました。しかし輸血療法分野における質の向上を目指すためには、委員会が必須ということで各委員会や幹部に継続して訴えてきました。様々な活動を通じて、ようやくその存在意義や必要性を少しずつ認めてもらえるようになり、薬剤委員会内におけるWG(ワーキンググループ)として編成していただきました。しかし一度廃止された委員会を再構築させることは非常に困難だといった悲観的観測が殆どでしたが、WGの継続的な活動が徐々に認められるようになり、活動後、約一年足らずで輸血療法委員会が再編成されることになりました。WG発足当時、例のハイリスク感染性血液製剤、遡及調査と様々な社会的問題が発生し、輸血に関するメールニュースやペーパーベースの輸血管理室通信も院内全てのスタッフに配信開始とさせていただきました(現在のkensa-MLニュースに引き継がれています。ちなみに京都医療センターの多くのスタッフの皆さんへ配信させていただいています)。業務としては複雑かつ煩雑極まりない状態でしたが、輸血管理室や輸血療法WGメンバーのみならず多くの方々に支えられ、院内の教育講演や学生指導などにも参画させていただき、非常に充実した時を過ごさせていただきました。また京都を去ったあとも、何かと気にかけてくださる方も多く、非常に心強く感謝している次第です。本文では、そういった他(多)部門間連携の素晴らしさが伝われば幸いです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0


[ひらめき] Facebook・・・友達リクエスト、フィード購読大歓迎
     https://www.facebook.com/gamdango
[ひらめき] Facebook・・・最新情報はこちら
       https://www.facebook.com/Project102.MT

 

[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
          http://enigata.com/index.html


    人気ブログランキング   臨床検査ランキング   Ameba_banner.jpg

人気ブログランキングにほんブログ村ランキング(臨床検査)に参加しています(Amebaは姉妹サイトです)。
啓蒙活動の一環として参加していますので、バナー↑↑↑へのクリックに是非ともご協力ください[ひらめき]


 臨床検査技師のブログにお越しいただき有難うございます。

 さてこのブログでは、臨床検査に関連する内容だけではなく、医療系、農業系、宇宙系、少年野球系等々、雑多な内容となっています。またこのブログを立ち上げたのは、多くの方々に密接な関係のある臨床検査をもっと知っていただきたい、そしてその業務に就いている臨床検査技師をもっと知っていただきたいとの思いからです。

 現代の医療においては、客観的根拠を基に病態解析などがなされ、EBM(Evidence based Medicine)の根幹として臨床検査データは位置付けられています。このような重要なポジションに居ながら、我々自身の待ち受け体質は根強く、我々臨床検査技師自身が何をするべきなのか、また何が出来るのかを真剣に考えるべきであり、後進の方々に良い道を残すためにも、一般の方々に臨床検査技師をまず知っていただく、ということが必要なのだと思います。そのような趣旨から各種サイトランキングにも登録しておりますので、バナーをクリックしていただければ幸いです。

 ご質問、ご意見、ご感想などございましたら、
gamdango@csc.jp までご遠慮なくメッセージをお送りください。ただし医療相談等には内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご了解ください。

         NHO神戸医療センター
         臨床検査技師長
                新井 浩司

好き放題コメントを加えた最新の医療系情報(科学系、農業系、少年野球系話題も満載?)をご提供しています。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。